JPH11500213A - たてスペーサを有する保護スリーブ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 組成された製品と組成する方法とが、互いに組成された第１及び第２ヤーン１１，１２によって形成された第１スリーブとその製法とを含んでいる。第１及び第２ヤーンは、連続Ｅガラス繊維ヤーンでよい。編成又は組成されたてビード１４は、ブレードの周囲に等間隔に位置するように組み機へ導入され、スリーブ構成体と一体の部分を形成する。重いデニールの１本以上のヤーン１５が、比較的高張力でたてビードと交差するようにキャリアに与えられ、スリーブ表面の内側又は外側へ選択的にビードを強制的に押出し、それにより長手方向に延びるスペーサが形成され、これらのスペーサによって、スリーブと被覆される基材との間に空気ギャップが形成される。

Description

【発明の詳細な説明】 たてスペーサを有する保護スリーブ 発明の分野 本発明は、繊維スリーブ製品に関わり、より具体的には、スリーブとスリーブ を被覆する表面との間に間隙を設けるために、製品と一体に形成された手段を有 する繊維スリーブ製品に関するものである。本発明は、特に、スリーブと管状の 熱源との間に断熱空気ギャップが形成される繊維スリーブ製品に適用される。 発明の背景 細長いチューブ及び類似部材の断熱目的で、ガラス繊維その他の断熱性ヤーン で織製又は編成又は組成された比較的低費用かつ軽量の断熱スリーブを得る試み が、これまで種々なされてきた。これらの試みは、自動車の製造分野で、排気ガ ス再循環装置等の極めて高温の装置を断熱する必要が生じたことによる。この種 の装置から発生する高温は、断熱されない場合には、自動車の他の構成部品を損 傷する恐れがあり、また、例えば乾燥した草地に駐車した場合などには、可燃物 に点火したことも知られている。 サームフレックス（ＴＨＥＲＭＦＬＥＸ）及びサームフレックス・スパイラル （ＴＨＥＲＭＦＬＥＸ ＳＰＩＲＡＬ）の商標名で、ベントレー／ハリス社が販 売している種類のスリーブは、多くの用途に有効ではあるが、しかしながら、現 代の高性能車が発生させる有害な熱作用から構成部品を保護するための低費用の 解決策は、依然として不満足なものである。 前記の製品、サームフレックス・スパイラルは、柔軟で滑らかな、ガラス繊維 ヤーンでコンパクトに組成されたスリーブである。この製品の場合、比較的太い 直径の螺旋状のコードが、断熱スリーブを基材から隔てて、空気ギャップを形成 し、断熱スリーブの断熱特性を高めている。この製品は、ある程度、問題を解決 してはいるが、得られる空気ギャップは、多くの用途に望まれる程大きいもので はない。 発明の要約及び客体 本発明による断熱スリーブ製品は、互いに組成された断熱性の第１及び第２ヤ ーンと、製品の長手方向に延びる比較的太い直径の複数のたてビード又はたてコ ードとから成っている。たてビードは、スリーブ周囲に等間隔に設けられ、第１ ヤーンと第２ヤーンとの間に絡み合わせることによりスリーブと一体にされてい る。本発明では、更に、高い引張り弾性率の１つ以上の第３ヤーンが、スリーブ 上に螺旋状に延びるようにされている。これらの第３ヤーンは、組み機上の選択 された複数キャリアに与えられ、張力を受けて、組み機により互いに組成される 。そのさい、これらの第３ヤーンは、スリーブ壁表面の半径方向内方又は外方へ すべてのたてビードを強制的に押圧する。比較的高張力で螺旋状に延びる第３ヤ ーンを使用することによって、たてビードは、この措置を受けない場合に占める 位置から、選択的にスリーブ壁の内方又は外方へ突出する。これにより、スリー ブ側壁と表面との間の空気ギャップがかなり増大し、表面が極めて効果的に被覆 されることになる。被覆される表面は、排気ガス再循環装置等の熱源の表面であ ってもよく、その場合には、その近辺の構成部品は、高温の効果から保護される 。あるいはまた、その表面は、高温からの保護を要する管状の装置の表面でもよ い。空気ギャップをスリーブ外周に設けようとする場合は、組み機が、張力を受 けた螺旋状のヤーンを、すべてのたてビードの内側へ通すように設定して、これ らのビードをスリーブ表面から半径方向外方へ強制的に突出させるようにする。 前述のように製造されたスリーブ製品には、更に、外側の第２スリーブを設け るのが好ましい。この外側第２スリーブは、第１スリーブの上に組成するか、又 は後で第１スリーブにかぶせるようにする。第２スリーブのヤーンは、断熱能を 更に高めるために、第１スリーブの第１及び第２のヤーンと等しいヤーンで形成 するのが好ましい。 既述のように、本発明によって製造され、高温の管を被覆するガラス繊維製内 側及び外側スリーブを有するスリーブ製品は、最低約９００°Ｃ（１６５０°Ｆ ）の温度に耐えられ、約１２１°Ｃ（２５０°Ｆ）の表面温度を維持する能力を 有している。多くの用途の場合、ガラス繊維ヤーンは、そうでなければより高価 なセラミックが使用されたであろうところに、用いることができる。これは、空 気ギャップのためと思われる。張力を与えられ螺旋状に延びる第３ヤーンなしに は、 たてビードは、スリーブ中心線上の定心位置へ移動する傾向を有しているが、第 ３ヤーンを備えた場合には、たてビードは、スリーブ中心線からかなり片寄った 位置に止まる。 このスリーブ製品は、軽量であり、高速丸組み機で操作員の常時監視を要せず に製造でき、製造費も比較的安価であり、比較可能の先行技術による製品より優 れた性能特性を有している。本発明は、新規なスリーブ製品と、この製品を製造 する方法とを対象としている。 図面の簡単な説明 図１は、内部構造を示すために一部を切除して示した第１スリーブの一好適実 施例の側面図。スリーブは、本発明の思想にしたがって構成したもの。 図２は、細長い管状物を被覆している図１のスリーブの直角略示断面図。 図３は、図１のスリーブの略示部分縦断面図。 図４及び図４ａは、図１のスリーブを製造するさいの組み機の設定を略示した 図。 好適実施例の詳細な説明 先ず、図１には、本発明の、現在のところ好適な実施態様が示してある。この スリーブ製品は、断熱材製の第１及び第２ヤーン１１，１２で組成された第１ス リーブを有しているのが好ましい。この例の場合、各ヤーンが、Ｅガラス３７１ ／３の３本の連続フィラメントから成っている。このフィラメントは１本当り３ ６０８デニールに相当する。０．０４５１ｆｔ／１ｂ（１．３７４６ｃｍ／０． ４５３５ｋｇ）の収量を有する縦に延びる４個のたてビード又はたてコード１４ が、組み機上に配置されたキャリアに与えられ、スリーブの周囲に等間隔に組付 けられるようにする。スリーブが組成されるにつれて、たてビードは、第１及び 第２ヤーンと所定位置に絡み合わされる。たてビード１４は、コード又はロープ 製造技術で周知のやり方で編成又は組成でき、比較的密（非圧縮性）であり、比 較的太い直径を有している、図示の実施態様のたてビードは、編成されたもので ある。たてビードの数は、ある程度変更できるが、大抵の用途の場合、４個で十 分であり、通常約５／８″（１インチ＝２．５４ｃｍ）の外径を有する排気ガス 再循環管には、４個が最適と考えられる。 図示の実施態様の場合、ビード又はコード１４（本明細書ではロープと記すこ ともある）は、捲縮嵩高ガラス繊維ヤーンを編組したものである。また、図示の 実施態様のコードの直径は、約３／１６″であるが、スリーブと被覆を要する表 面との間に設けねばならない空気ギャップの大きさに応じて、直径のより大きい 、又はより小さいコードを用いることもできる。 本発明によれば、螺旋状に延びる高張力の１個以上のヤーンを有する第３ヤー ン１５は、丸組み機の選択されたキャリアに用意される。これらのヤーンは、第 １及び第２ヤーンと相互に組成され、製品上（of）を螺旋状に延びるようにされ る。螺旋状に延びる第３ヤーン１５は、長手方向に延びるたてビードと等しい構 成のものでよいが、また捲縮嵩高ガラス繊維ヤーンのような別の耐熱性ヤーンで もよい。そのような好適のヤーンの一つが１６４８０デニールの２．７テクソ（ Ｔｅｘｏ）である。螺旋状に延びる第３ヤーンは、交差する経路で螺旋状に延び るようにすることができるが、等方向に螺旋状に延びる１個以上の第３ヤーンを 用いても好結果が得られ、本発明の実施にとって好ましいことが判明した。図示 の実施態様では、約４５°の角度で螺旋状に延びる４個の第３ヤーンが、組成構 成で用いられている。これらの第３ヤーンは、後述するように、比較的高張力で 組成され、たてビードをスリーブ表面から強制的に離間させる手段として役立っ ている。 組成作業においては、図４に関連して説明されるように、第３ヤーン１５は、 組み機上の比較的少数のキャリアに与えられ、たてビードを、スリーブ表面から 内方、外方のどちらへ突出させるかに応じて、各たてビードの内表面又は外表面 に選択的に接触させられる。好適実施態様の場合に、スリーブを、排気ガス再循 環間管等の管状部材１６を断熱用に使用するには、螺旋状に延びる第３ヤーン１ ５を、各たてビード１４の外表面に接触させるようにする。組み機は、螺旋状に 延びるヤーン１５が、第１及び第２ヤーンの張力より高い張力を受けるように設 定される。張力差のために、たてビードは、ブレード、つまりスリーブの内表面 から半径方向内方へ強制的に押込まれ、管１６の外表面とスリーブ１０の内表面 との間に、かなりの空気ギャップが形成される。 前述のように外側スリーブ１８は、好ましくはスリーブ１０の内表面を覆うよ うにする。外側スリーブ１８は、Ｅガラス等の断熱性の耐熱ヤーンを、従来式に 編成、製織、組成のいずれかによって製造する。内側及び外側のスリーブは、双 方とも、浸漬被覆するか、又はＥＸＦＬＥＸの商標で販売されているアクリルラ テックス結合剤を吹付け被覆するのが好ましい。当業者には周知のように、この 種の結合剤は、端部のほつれを低減し、柔軟性を妨げることなしに、取扱い特性 を改善する。 図４と図４ａとは、本発明の実施に使用する６４キャリア組み機（64 carrier braider）の構成を略示した図である。等間隔に配置された４個のキャリアには 、螺旋状に延びる第３ヤーン１５が絡み合わされる。 符号１４で示されているたてビードは、第１及び第２ヤーンのスリーブ構成体 内で絡み合わされるように、組み機へ供給される。図４から分かるように、螺旋 状に延びる高張力の第３ヤーン１５は、各たてビードの外側を通過する。しかし 、所望とあれば、螺旋状に延びる第３ヤーンを、たてビードの内側を通すように 構成することもできる。それによって、たてビードを、半径方向外方へ強制的に 押出し、スリーブ外側にスペーサを設けることができる。この措置は、例えば、 保護すべき構成部品が環状の熱源の内部に存在する場合に好ましい。図４ａの破 線１５ａは、たてビードの内側を第３ヤーンが通過する場合の経路の１／４を示 したものである。 内側スリーブを組成する組み機の設定の場合、４個の等間隔のキャリア（内側 リングに２個、外側リングに２個）に、第３ヤーンが与えられる。第１及び第２ ヤーンに対する組み機上のばね張力設定は、３オンス（８５．０５ｇ）としたの に対し、第３ヤーンに対するばね張力設定は、５オンス（１４１．７５ｇ）とし た。第１及び第２ヤーンは、表面が、事実上空隙なしに組成されるが、第３ヤー ンの動作を妨げるほど密であってはならない。張力は、製品の用途、材料、製品 の寸法等の要因に応じて変更するが、実験を必要とせずに、容易に決定できる。 当業者には理解できようが、第３ヤーンは、４つのたてビードの同じ側を通され るが、キャリアの総数は、キャリア数を８で除して、答えが偶数となる数でなけ ればならない。答えが奇数の場合は、例えば、第３ヤーンを供給される４つのキ ャリアを有する７２キャリア組み機（72 carrier braider）の場合だが、その場 合は、螺旋状のヤーンを、たてビードの内側と外側を交互に通すようにする。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ブラッシャファー，ロバート ジェームズ アメリカ合衆国 19382 ペンシルバニア 州 ウエスト チェスター，キングスウェ イ ロード 1187，アパートメント ８ (72)発明者 メイドン，ジャニス ラスキー アメリカ合衆国 19075 ペンシルバニア 州 オアランド，オアランド ミル ロー ド 311 (72)発明者 ビトウィンスキー，ジョーン アメリカ合衆国 19152 ペンシルバニア 州 フィラデルフィア，アガスタ ストリ ート 8645

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．保護スリーブにおいて、 互いに組成された第１と第２のヤーンと、 スリーブ長手方向に延びる比較的非圧縮性の複数たてビードとが備えられ、こ れらのたてビードが、スリーブ周囲に等間隔に配置され、互いに組成された第１ 及び第２ヤーンと絡み合わされ、第１及び第２ヤーンの直径より大きい直径を有 しており、更に、 第１及び第２ヤーンより高い引張弾性率を有する第３ヤーンが備えられ、この 第３ヤーンが、スリーブ周囲に螺旋状に延び、各たてビードの同じ側を通され、 更に、これら第３ヤーンが、張力を受けて、たてビードに対し同一半径方向に圧 力を加え、この圧力により、たてビードがスリーブ表面から十分に突出すること を特徴とする保護スリーブ。 ２．前記第３のヤーンが、前記第１及び第２ヤーンと互いに組成し合うことを 特徴とする、請求項１に記載された保護スリーブ。 ３．断熱性ヤーンで組成された第２スリーブが備えられ、この第２スリーブが 前記（defined）第１スリーブの周囲を取囲む関係にあることを特徴とする、請 求項１又は請求項２に記載された保護スリーブ。 ４．張力を与えられた第３ヤーンが、たてビードの、外方へ向いた表面と接触 し、また、これら張力を与えられた第３ヤーンが、スリーブ内表面から内方へ、 たてビードを突出させるのに十分な力を加えることを特徴とする、請求項１又は 請求項２に記載された保護スリーブ。 ５．第３ヤーンが、スリーブ上(of)を螺旋状に反対方向に延びる少なくとも２ つのヤーンを有することを特徴とする、請求項４に記載された保護スリーブ。 ６．複数第３ヤーンが、スリーブ上(of)を等方向に螺旋状に延びることを特徴 とする、請求項４に記載された保護スリーブ。 ７．第３ヤーンに加えられる張力が、第１及び第２ヤーンに加えられる張力の 少なくとも１４０であることを特徴とする、請求項５に記載された保護スリーブ 。 ８．細長い基材を断熱するための保護スリーブ製品において、前記スリーブ製 品には、 絡み合わされた断熱性ヤーンを有する断熱性外側スリーブと、 外側スリーブに隣接する外表面を有する内側スリーブとが備えられ、前記内側 スリーブが、互いに組成された断熱性第１ヤーンと断熱性第２ヤーンとを有して おり、更に 第１及び第２ヤーンより直径の大きい少なくとも１つのたてビードが備えられ 、前記たてビードが、スリーブの長手方向に延び、かつ第１及び第２ヤーンと絡 み合わされ、また第１及び第２ヤーンと互いに組成された少なくとも１つの第３ ヤーンが備えられ、この第３ヤーンが、外方を向いたたてビード表面と接触する ように、たてビードに対して配置され、更に第３ヤーンが、第１及び第２ヤーン に対し張力を有し、この張力が十分に高くされていることにより、たてビードが 相対的に内方へ強制的に押込まれ、スリーブから半径方向に突出し、これによっ て、たてビードが、管状の基材と内側スリーブの内表面との間に隙間を維持する ことを特徴とする保護スリーブ製品。 ９．丸組み機で断熱スリーブを組成する方法において、この方法が次の段階、 すなわち 耐熱性の第１及び第２ヤーンを互いに組成する段階と、 スリーブ厚よりかなり太い直径の比較的非圧縮性のたてコードを組み機へ送り 、第１と第２のヤーンが相互組成されるさいに、たてコードを第１と第２のヤー ンの間へ供給し、少なくとも１個の第３ヤーンを第１及び第２ヤーンと相互組成 し、すべてのたてコードの同じ側へ第３ヤーンが通されるように、組み機を第３ ヤーン用に設定する段階と、 第３ヤーンに加える張力を、スリーブ壁の中心線からたてコードが片寄るよう に十分に高い値に維持する段階とを有することを特徴とする、丸組み機で断熱ス リーブを組成する方法。 10．たてコードをスリーブの周囲に等間隔に配置することを特徴とする請求項 ９に記載された方法。 11．４個のたてコードを用いることを特徴とする、請求項１０に記載された方 法。 12．張力を与えられた第３ヤーンを、前記たてコードの外側に通すことを特徴 とする、請求項１１に記載された方法。