JPH1149672A - 創傷治療用外用剤 - Google Patents

創傷治療用外用剤

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JPH1149672A
JPH1149672A JP21359797A JP21359797A JPH1149672A JP H1149672 A JPH1149672 A JP H1149672A JP 21359797 A JP21359797 A JP 21359797A JP 21359797 A JP21359797 A JP 21359797A JP H1149672 A JPH1149672 A JP H1149672A
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JP
Japan
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wound
formulation
mannitol
external preparation
treating wounds
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JP21359797A
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English (en)
Inventor
Kazuteru Yokose
一輝 横瀬
Yoshihiro Shirane
喜浩 白根
Chitose Gotou
千登勢 後藤
Hiroyasu Cho
博康 長
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Sato Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Sato Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた創傷治療効果を示し、かつ毒性が著し
く低く、しかも、褥瘡や、潰瘍性皮膚疾患、外傷性皮膚
創、熱傷、手術創等の創傷の治療剤として非常に有用な
創傷治療用外用剤を提供する。 【解決手段】 成分として、D−マンニトール、イノシ
トール及びズルシトールからなる群から選択される糖ア
ルコールを有効成分として含有する。また、抗微生物剤
を更に配合してもよい。更に、上記糖アルコールを、抗
微生物剤を有効成分として含有する医薬製剤の基剤又は
添加物として20〜80重量%の量で含有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、D−マンニトー
ル、イノシトール又はズルシトール、若しくはそれらの
混合物を含有する創傷治療用外用剤に関し、特に、抗微
生物剤を更に配合した創傷治療用外用剤に関する。ま
た、本発明は、D−マンニトール、イノシトール又はズ
ルシトール、若しくはそれらの混合物を、抗微生物剤を
有効成分として含有する医薬製剤の基剤又は添加物とし
て配合した創傷治療用外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】切創や、熱傷等の創傷の治療に、民間療
法として古くから蜂蜜、糖蜜などの糖類が種々の形態で
使用されていたことが知られている。これをヒントに1
981年に、Knutson らは、グラニュー糖とポビドンヨ
ードとを混合した軟膏による種々の創傷の治療を開始
し、優れた治療効果が得られたことを報告している(R.
A.Knutsonら、Southern Medical Journal 74(11):1329-
1335 (1981)) 。以後、白糖とポビドンヨードとを混合
した軟膏が、院内製剤として褥瘡や皮膚潰瘍等の創傷の
治療に使用されてきた。白糖・ポビドンヨード混合製剤
は、創傷治癒作用と殺菌作用とを併せもつ製剤で、白糖
は肉芽増殖促進作用、滲出液吸収による創面の浄化作用
等により創傷治癒作用を示すと考えられている。また、
ポビドンヨードは、ヨウ素による殺菌作用により細菌等
の増殖を抑制し、感染を防ぐ効果によって、創傷治癒を
促進すると考えられている。現在は、製剤的な安定性と
均一性とを改良した白糖・ポビドンヨード配合剤が市販
され、褥瘡を含む創傷治療に広く臨床の場で使用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、白糖・
ポビドンヨード配合剤を含む種々の創傷治療用外用剤、
医療用具として種々の創傷保護材が医療の場に供され、
創傷を治療する手段が進歩したにもかかわらず、褥瘡、
皮膚潰瘍は、未だ難治性の疾患であり、特に高齢化社会
の到来とともに褥瘡の発生は社会問題にまでなってい
る。従って、更に優れた治療効果を発揮し得る創傷治療
用外用剤の開発が強く望まれている。また、ポビドンヨ
ード等の殺菌消毒剤を含有する外用剤を創傷部に使用し
た場合、殺菌消毒剤は殺菌効果を有すると同時に、創傷
面の細胞にまで障害を与えるとされており、これらの殺
菌消毒剤を含有する薬剤が創傷治療剤として有効である
のかが問題となっている。従って、組織障害のない、即
ち、創傷治癒メカニズムに障害を与えない創傷治療用抗
微生物剤の開発が望まれている。
【0004】従って、本発明は、従来の創傷治療用外用
剤よりも更に優れた治療効果を有する創傷治療用外用剤
を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意調査、研究を行ったところ、D−
マンニトール、イノシトール及びズルシトールからなる
群から選択される糖アルコール、又はこれに抗微生物剤
を併用することにより、従来の創傷治療用外用剤に比べ
て優れた創傷治療効果が得られることを見い出し、本発
明を完成するに至ったものである。また、これらの糖ア
ルコールは、創傷治療用外用剤の基剤又は賦形剤若しく
は添加物として、抗微生物剤と組合わせて使用すること
により、優れた創傷治療用外用剤を提供できることを見
出した。
【0006】即ち、本発明は、以下の発明に関するもの
である。 1.D−マンニトール、イノシトール及びズルシトールか
らなる群から選択される糖アルコールを有効成分として
含有することを特徴とする創傷治療用外用剤。 2.抗微生物剤を更に含有する上記1に記載の創傷治療用
外用剤。 3.D−マンニトール、イノシトール及びズルシトールか
らなる群から選択される糖アルコールを、抗微生物剤を
有効成分として含有する医薬製剤の基剤又は添加物とし
て20〜80重量%の量で含有することを特徴とする創
傷治療用外用剤。 4.前記抗微生物剤が、ポビドンヨードである上記2又は
3に記載の創傷治療用外用剤。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明で使用されるD−マンニト
ールは、ヘキシットの一種であり、マンノースを還元し
て得られる糖アルコールである。D−マンニトールは、
通常、マニトール又はマンニットとも呼ばれる。また、
本発明で使用されるイノシトールは、イノシットとも呼
ばれ、C6 6(OH)6 で示される環状6価のアルコ
ールである。更に、ズルシトールは、ズルシット又はガ
ラクチトールとも呼ばれ、ヘキシットの一種であり、ガ
ラクトースの還元によって得られる糖アルコールであ
る。これらの糖アルコールは、本発明の創傷治療用外用
剤の重量に基づいて、通常、20〜80重量%、好まし
くは、20〜75重量%、特に好ましくは、20〜70
重量%の量で使用することが適当である。
【0008】また、本発明で使用する糖アルコールは、
創傷治療用外用剤の基剤又は添加剤としても使用するこ
とができる。この場合、使用量は、上記の場合と同様で
ある。本発明で使用される抗微生物剤としては、従来か
ら外用剤に用いられている抗生物質や、合成抗菌剤、殺
菌消毒剤であれば、特に限定されることなく、各種の抗
微生物剤を使用することができる。このような抗微生物
剤としては、例えば、具体例として、ポビドンヨード
や、エリスロマイシン、テトラサイクリン、カナマイシ
ン、クロラムフェニコール、ゲンタマイシン、ポリミキ
シンB、フラジオマイシン、バシトラシン、コリスチ
ン、スルファジアジン、スルファジアジン銀、合成キノ
ロン系抗菌剤、アクリノール、ヨウ素、グルコン酸クロ
ルヘキシジン、塩化ベンザルコニウム、塩化セチルピリ
ジニウム、塩化デカリニウム、塩化ベンゼトニウム等を
挙げることができる。
【0009】この抗微生物剤は、本発明の創傷治療用外
用剤の重量に基づいて、通常、0.01〜15重量%、好まし
くは、0.05〜10重量%、特に好ましくは、0.2 〜10重量
%の量で使用することが適当である。本発明の創傷治療
用外用剤は、例えば、褥瘡や、潰瘍性皮膚疾患、外傷性
皮膚創、熱傷、手術創等の創傷に対して効果的に使用す
ることができる。本発明の創傷治療用外用剤は、パスタ
剤や、軟膏、クリーム(乳剤性軟膏)、散剤(粉末剤)
等の従来から公知の各種外用剤の剤型で使用することが
できる。パスタ剤は、油性パスタ剤と、水性パスタ剤と
の剤型で使用できる。油性パスタ剤の場合には、基剤と
して、例えば、動植物油や、ロウ類、炭化水素等が使用
される。水性パスタ剤には、基剤として、例えば、水溶
性高分子や、多価アルコール、界面活性剤等が使用され
る。軟膏剤の場合には、基剤として、例えば、マクロゴ
ールや、炭化水素等が使用される。クリーム剤の場合に
は、例えば、基剤として、界面活性剤や、高級アルコー
ル、高級脂肪酸、炭化水素、多価アルコール、精製水等
が使用される。散剤の場合には、基剤として、例えば、
種々の粉体が使用される。
【0010】具体的には、基剤としての動植物油として
は、例えば、牛脂や、豚脂、オリブ油、ナタネ油、ダイ
ズ油等が使用される。ロウ類としては、ラノリンや、ミ
ツロウ、サラシミツロウ等が使用される。炭化水素とし
ては、例えば、ワセリンや、パラフィン、流動パラフィ
ン、マイクロクリスタリンワックス、スクワラン、ポリ
エチレン末、ゲル化炭化水素等が使用される。高級脂肪
酸としては、例えば、ステアリン酸や、ベヘニン酸、パ
ルミチン酸、オレイン酸等が使用さるれ。高級アルコー
ルとしては、例えば、セタノールや、ステアリルアルコ
ール、オレイルアルコール、コレステロール等が使用さ
れる。多価アルコールとしては、例えば、プロピレング
リコールや、ポリエチレングリコール、グリセリン、1,
3-ブチレングリコール等が使用される。マクロゴールと
しては、例えば、ポリエチレングリコール等が使用され
る。水溶性高分子としては、例えば、カラギーナンや、
デンプン、トラガント、アラビアガム、ローカストビー
ンガム、ペクチン、ゼラチン、キサンタンガム、プルラ
ン、アルギン酸塩、ヒドロキシプロピルセルロース、カ
ルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリル酸
塩、ポリビニルアルコール等が使用される。界面活性剤
としては、例えば、アルキル硫酸塩や、ポリオキシエチ
レンアルキルエーテルリン酸塩、グリセリン脂肪酸エス
テル、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪
酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エス
テル、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリエチレン
グリコール脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンポリオ
キシプロピレングリコール、ポリオキシエチレンアルキ
ルエーテル、ショ糖脂肪酸エステル等が使用される。粉
体としては、例えば、カオリンや、タルク、ステアリン
酸マグネシウム、無水ケイ酸、デンプン等を用いること
ができる。
【0011】更に、必要に応じて、pH調整剤として、
クエン酸や、クエン酸ナトリウム等のクエン酸塩、水酸
化ナトリウム等のアルカリ金属の水酸化物、リン酸等を
使用してもよい。また、必要により、防腐・保存剤とし
て、例えば、安息香酸ナトリウム等の安息香酸アルカリ
金属塩や、パラオキシ安息香酸エステル、ソルビン酸等
を配合してもよい。更に、所望により、抗酸化剤とし
て、例えば、トコフェロールや、ジブチルヒドロキシト
ルエン等を用いてもよい。
【0012】以下に製剤の具体的処方例を示すが、本発
明がこれらによって何等の制約をも受けるものではな
い。 処方例1(水性パスタ剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 70g ポビドンヨード 3g ポリエチレングリコール400 12g ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 1. 5g 濃グリセリン(98%以上) 1g プルラン 0. 5g ヨウ化カリウム 0. 7g クエン酸 0. 43g クエン酸ナトリウム 0. 87g 精製水 10g
【0013】処方例2(水性パスタ剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 70g ポリエチレングリコール400 10g ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 1. 5g 濃グリセリン(98%以上) 2g プルラン 0. 5g クエン酸 0. 43g クエン酸ナトリウム 0. 87g 精製水 14. 7g
【0014】処方例3(水性パスタ剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 40g ポリエチレングリコール400 32g ポリエチレングリコール4000 13g ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 3g 濃グリセリン(98%以上) 5. 5g プルラン 0. 2g クエン酸 0. 43g クエン酸ナトリウム 0. 87g 精製水 5g
【0015】処方例4(水性パスタ剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 70g スルファジアジン 1g ポリエチレングリコール400 9g ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 1. 5g 濃グリセリン(98%以上) 2g プルラン 0. 5g クエン酸 0. 43g クエン酸ナトリウム 0. 87g 精製水 14. 7g
【0016】処方例5(水性パスタ剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 70g 硫酸フラジオマイシン 0. 7g ポリエチレングリコール400 9g ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 1. 5g 濃グリセリン(98%以上) 2g プルラン 0. 5g クエン酸 0. 43g クエン酸ナトリウム 0. 87g 精製水 15g
【0017】処方例6(油性パスタ剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 20g サラシミツロウ 20g ナタネ油 60g 処方例7(軟膏剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 40g ポビドンヨード 3g ゲル化炭化水素 57g 処方例8(水性パスタ剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 イノシトール 70g ポリエチレングリコール400 18. 3g 精製水 11. 7g
【0018】処方例9(水性パスタ剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 60g ポビドンヨード 3g ポリエチレングリコール400 5g ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール 1. 5g 濃グリセリン(98%以上) 20g プルラン 0. 5g ヨウ化カリウム 0. 7g クエン酸 0. 43g クエン酸ナトリウム 0. 87g 精製水 8g 処方例10(軟膏剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 25g ズルシトール 25g 白色ワセリン 50g
【0019】処方例11(クリーム剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 20g スルファジアジン 1g セタノール 3g ステアリン酸 4g 軽質流動パラフィン 10g プロピレングリコール 5g 自己乳化型モノステアリン酸グリセリン 5g ショ等脂肪酸エステル 3g パラオキシ安息香酸ブチル 0. 1g パラオキシ安息香酸メチル 0. 1g 精製水 48. 8g 処方例12(散剤) 100g中に下記成分が含有するように、常法に従って
処方する。 D−マンニトール 40g ステアリン酸マグネシウム 2. 5g タルク 57. 5g
【0020】本発明で使用されるD−マンニトール、イ
ノシトール及びズルシトールは、マウスを用いた急性毒
性(LD 50 (mg/kg) 経口)が5,000 mg以上と毒性が極め
て低い。また、D−マンニトールは種々の剤形の医薬品
の基剤、賦形剤等として使用され、イノシトールは、経
口剤や、注射剤の安定化剤、賦形剤等として広く用いら
れている。従って、本発明の創傷治療用外用剤は、医薬
品として非常に安全性の高いものである。なお、D−マ
ンニトールの外用剤での最大使用前例は、5重量%と低
使用量である。
【0021】本発明の創傷治療用外用剤の投与量は、通
常の創傷治療用外用剤と同様に1日1回〜数回に分けて
治療に用いることができ、創傷の症状に応じ適宜増減す
ることができる。また、本発明の創傷治療用外用剤は、
他の創傷治療用外用剤と併用して、若しくは配合して用
いることができる。
【0022】
【実施例】以下に、本発明の幾つかの実施例を示し、本
発明の創傷治療用外用剤としての治療効果を示すが、本
発明の範囲は、これらに実施例によって何ら限定される
ものではない。なお、以下の実施例において、創傷治療
用外用剤の治療効果は、吉田らの方法(A. Yoshida ら、
日薬理誌 98:369-377 (1991)) 、左京らの方法(K. Saky
o ら、応用薬理 43(2):111-119 (1992))に準じた、ステ
ロイド負荷ラット皮膚欠損創モデルを用いて評価した。実施例1 5週齢のSD系雄性ラットを8日間予備飼育した後、試
験に供した。予備飼育期間は1ケージに4匹ずつ、試験
期間は個別で飼育し、実験を行った。創傷作製の前日に
動物をエーテルで麻酔し、背部の毛刈りを行い、毛刈り
の翌日にエーテル麻酔下に背部正中線上の皮膚を直径1
5mmの皮ポンチで打ち抜き、筋膜に達する創傷(欠損
創)を作製した。被検薬の投与は、創傷部及びその周囲
に1日1回250mgを塗布し、絆創膏で覆った後、伸縮
性包帯で固定する方法で行った。創傷作製日以後の被検
薬の塗布は、創傷作製日より3、5、7、10、12日
目に上述と同様の方法で行った。なお、創傷の治癒を遅
延させるため、リン酸ヒドロコルチゾンを1日1回、50
mg/kg(ヒドロコルチゾンとして)ずつ創傷作製日より
14日間皮下投与し、また、感染防止のためにペニシリ
ンGカリウム(200 万単位/ml)と硫酸ストレプトマイ
シン(0.2 mg力価/ml)の1:2混液(V/V)を0.05
ml /ラットの割合で創傷作製日より3日間筋肉内に投
与した。創傷治療効果は、創傷作製日の創傷面積を 100
%として、これに対するその後の各測定日における創傷
面積を相対面積で表すことにより評価した。なお、創傷
面積は創面の長径と短径の積より求め、相対面積は各群
における平均値±標準誤差で表示した。上記の方法で以
下の被検薬について試験を行い結果を表1に示した。 被検薬:1)処方例1の製剤 2)対照薬:白糖、ポビドンヨードを有効成分として含有する創傷治療 剤(白糖・ポビドンヨード製剤) (組成は、処方例1において、D−マンニトールを白糖に代えた以外は、処方例 1と同様である。)
【0023】
【表1】 表1 測定日 無塗布群 被検薬1 被検薬2 使用ラット数24 使用ラット数20 使用ラット数20 3 89.3±2.4 81.1±2.3 88.6±1.8 5 79.6±2.5 67.2±2.5 78.1±2.5 (p <0.01)*1 7 62.4±2.3 51.4±1.8 61.6±2.4 (p <0.001)*1 10 34.1±1.8 32.4±2.1 43.0±2.3 (p <0.01)*2 12 19.4±1.9 16.0±1.7 26.9±2.1 (p <0.05)*2 14 10.8±1.5 8.9±1.4 17.2±1.7 (p <0.05)*2 注)*1: 無塗布に対して有意差がある(治癒促進)。 *2: 無塗布に対して有意差がある(治癒遅延)。
【0024】実施例2 実施例1と同様の方法で以下の被検薬について試験を行
い、結果を以下の表2に示した。
【0025】
【表2】 表2 測定日 無塗布群 被検薬1 被検薬2 使用ラット数10 使用ラット数6 使用ラット数9 3 107.8±3.1 98.5±4.0 94.8±3.4 5 98.7±3.4 87.9±5.6 83.1±4.7 (p <0.05)*1 7 81.8±4.5 66.1±5.6 67.1±4.7 (p <0.05) *1 (p <0.05) *1 10 46.7±4.2 49.2±5.6 43.1±3.0 12 34.4±3.3 41.1±11.2 34.4±3.1 14 25.8±1.4 32.4±7.7 26.8±3.9 注)*1: 無塗布に対して有意差がある(治癒促進)。実施例3 実施例1と同様の方法で以下の被検薬について試験を行
い、結果を表3に示した。 被検薬:1)70%ズルシトール水溶液(懸濁液) 2)70%イノシトール水溶液(懸濁液) 3)対照薬:白糖、ポビドンヨードを有効成分として含有する創傷治療 剤(白糖・ポビドンヨード製剤) (組成は処方例1において、D−マンニトールを白糖に代 えた以外は、処方例1と同様である。)
【0026】
【表3】 表3 測定日 無塗布群 被検薬1 被検薬2 被検薬3 使用ラット数7 使用ラット数6 使用ラット数9 使用ラット数9 3 106.4±6.9 100.6±6.7 102.9±4.6 116.1±5.3 5 95.0±3.5 80.7±5.8 78.1±4.0 84.6±4.0 (p <0.05) *1 (p <0.01)*1 7 80.0±4.1 69.0±3.8 69.6±4.2 81.9±1.9 10 64.1±3.8 51.9±5.7 54.3±3.8 65.3±3.0 12 48.4±4.2 48.0±4.6 46.9±4.8 53.8±2.9 14 38.4±5.7 44.0±5.3 35.1±4.1 46.2±3.6 注)*1: 無塗布に対して有意差がある(治癒促進)。実施例4 実施例1と同様の方法で以下の被検薬について試験を行
い、結果を表4に示した。 被検薬:1)処方例2の製剤
【0027】
【表4】 表4 測定日 無塗布群 被検薬1 使用ラット数9 使用ラット数9 3 107.9±4.4 95.3±3.7 (p <0.05)*1 5 98.7±4.4 83.8±2.8 (p <0.05)*1 7 95.5±4.9 75.1±3.8 (p <0.01) *1 10 69.5±5.1 59.2±2.9 12 54.0±5.9 42.2±3.0 14 42.5±4.6 33.1±2.7 注)*1: 無塗布に対して有意差がある(治癒促進)。実施例5 実施例1と同様の方法で以下の被検薬について試験を行
い、結果を表5に示した。 被検薬:1)処方例3の製剤 2)処方例8の製剤 3)対照薬:白糖、ポビドンヨードを有効成分として含有する創傷治療 剤(白糖・ポビドンヨード製剤) (組成は、処方例1において、D−マンニトールを白糖に 代えた以外は、処方例1と同様である。)
【0028】
【表5】 表5 測定日 無塗布群 被検薬1 被検薬2 被検薬3 使用ラット数10 使用ラット数9 使用ラット数8 使用ラット数9 3 113.7±4.0 98.8±4.5 102.0±3.1 108.7±3.0 (p <0.05) *1 (p <0.05)*1 5 109.5±5.2 90.8±4.2 94.5±4.1 108.5±3.8 (p <0.05) *1 (p <0.05)*1 7 94.9±2.7 82.4±5.2 88.6±3.8 100.5±3.6 (p <0.05) *1 10 74.4±4.8 61.8±4.1 66.1±4.7 80.7±3.1 12 62.5±4.4 47.1±4.2 57.6±4.0 69.7±3.5 (p <0.05) *1 14 50.7±4.6 38.2±4.4 44.8±4.2 58.4±4.1 注)*1: 無塗布に対して有意差がある(治癒促進)。実施例6 実施例1と同様の方法で以下の被検薬について試験を行
い、結果を表6に示した。 被検薬:1)処方例1の製剤 2)処方例1よりマンニトールを除いた製剤(3%ポビ
ドンヨード製剤) 3)処方例4の製剤 4)処方例4よりマンニトールを除いた製剤(1%スル
ファジアジン製剤)
【0029】
【表6】 表6 測 無塗布群 被検薬1 被検薬2 被検薬3 被検薬4 定 使用ラット 使用ラット 使用ラット 使用ラット 使用ラット 日 数9 数8 数9 数7 数9 3 106.3±3.8 94.1±4.9 101.0±1.5 99.4±4.6 102.7±3.1 5 85.0±4.5 71.0±4.3 87.6±1.5 74.8±4.6 82.6±2.0 (p <0.05) *1 7 71.1±2.9 57.2±5.2 74.3±2.5 64.2±4.7 72.4±3.9 (p <0.05) *1 10 50.0±3.2 42.7±5.2 58.5±3.2 45.8±3.8 54.9±4.8 12 39.1±3.3 34.9±6.1 43.3±4.1 33.7±4.8 44.4±3.5 14 31.8±3.7 29.2±4.6 35.1±3.4 30.4±5.7 34.5±5.2 注)*1: 無塗布に対して有意差がある(治癒促進)。
【0030】
【発明の効果】本発明によれば、上記ステロイド負荷ラ
ット皮膚欠損創モデルを用いた動物実験の結果からも明
らかなように、創傷治療用外用剤として、優れた創傷治
療効果を示し、かつ毒性が著しく低く、しかも、褥瘡
や、潰瘍性皮膚疾患、外傷性皮膚創、熱傷、手術創等の
創傷の治療剤として非常に有用な創傷治療用外用剤が得
られる。
フロントページの続き (72)発明者 長 博康 東京都品川区東大井6丁目8番5号 佐藤 製薬株式会社研究開発センター内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 D−マンニトール、イノシトール及びズ
    ルシトールからなる群から選択される糖アルコールを有
    効成分として含有することを特徴とする創傷治療用外用
    剤。
  2. 【請求項2】 抗微生物剤を更に含有する請求項1に記
    載の創傷治療用外用剤。
  3. 【請求項3】 D−マンニトール、イノシトール及びズ
    ルシトールからなる群から選択される糖アルコールを、
    抗微生物剤を有効成分として含有する医薬製剤の基剤又
    は添加物として20〜80重量%の量で含有することを
    特徴とする創傷治療用外用剤。 4)前記抗微生物剤が、ポビドンヨードである請求項2
    又は3に記載の創傷治療用外用剤。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004011032A1 (ja) * 2002-07-26 2004-02-05 Mikasa Seiyaku Co., Ltd. 外用剤
WO2006070705A1 (ja) * 2004-12-27 2006-07-06 Kowa Company, Ltd. ポビドンヨードを含有する口腔内崩壊型の固形製剤
WO2006109734A1 (ja) 2005-04-08 2006-10-19 Mie University 創傷治療用外用剤
JP2007144149A (ja) * 2005-11-25 2007-06-14 Feng Chia Univ 抗微生物組成物および傷口被覆材

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