JPH1148257A - 成形型製造方法及びその製造装置 - Google Patents

成形型製造方法及びその製造装置

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JPH1148257A
JPH1148257A JP9219297A JP21929797A JPH1148257A JP H1148257 A JPH1148257 A JP H1148257A JP 9219297 A JP9219297 A JP 9219297A JP 21929797 A JP21929797 A JP 21929797A JP H1148257 A JPH1148257 A JP H1148257A
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JP
Japan
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molding
mold
resin
die
thermal expansion
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JP9219297A
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English (en)
Inventor
Yoshihiro Washimi
義弘 鷲見
Toshiaki Kuraoka
俊明 倉岡
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Chubu Kogyo KK
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Chubu Kogyo KK
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Publication date
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Publication of JPH1148257A publication Critical patent/JPH1148257A/ja
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    • EFIXED CONSTRUCTIONS
    • E04BUILDING
    • E04GSCAFFOLDING; FORMS; SHUTTERING; BUILDING IMPLEMENTS OR AIDS, OR THEIR USE; HANDLING BUILDING MATERIALS ON THE SITE; REPAIRING, BREAKING-UP OR OTHER WORK ON EXISTING BUILDINGS
    • E04G9/00Forming or shuttering elements for general use
    • E04G9/02Forming boards or similar elements
    • E04G2009/028Forming boards or similar elements with reinforcing ribs on the underside

Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造される樹脂製成形型による成形製品の製
造コストを殆ど上げることなく、製造される樹脂製成形
型による成形製品の寸法精度を向上できる樹脂製成形型
を製造する成形型製造方法及びその製造装置を提供す
る。 【解決手段】 樹脂製成形型の成形面の形状を決める成
形面成形部材5を有する下型3と、前記樹脂製成形型の
裏面に一体化される成形型用裏板22が着脱可能に装着
されている上型2との間に合成樹脂を充填して所定形状
の樹脂製成形型を製造する成形型製造装置において、前
記下型3の成形面成形部材5の裏面には前記成形型用裏
板22と熱膨張率の異なる裏基板4が一体化され、所定
温度に制御された水を下型3内部に循環させて温度制御
することにより、前記成形型用裏板22及び前記裏基板
4の各熱膨張長さ間に所定の差を付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、成形型製造装置に
関するものであり、特に、建築用外壁材等の製品を成形
する樹脂製成形型を製造する成形型製造装置に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】従来より、建築用外壁材を成形する樹脂
製成形型は、成形面が形成されている成形面部材が合成
樹脂からなり、成形型製造装置により成形加工され製造
されている。この成形面部材の裏側には成形型用裏板と
して鉄板が貼着され、一体となった成形面部材と成形型
用裏板とで樹脂製成形型が構成されている。成形型製造
装置は成形面成形部材を備えており、この成形面成形部
材により前記樹脂製成形型の成形面部材を成形する。
【0003】通常の樹脂製成形型の製造工程では、成形
型製造装置により成形面部材を単体で成形し、成形面部
材の成形後、成形面部材の裏面に裏板の鉄板を接着剤で
貼着する作業を行なう。この場合、成形面部材は原材料
である樹脂の硬化時に収縮する。また、成形面部材の裏
面に裏板の鉄板を貼着するには、成形面部材の裏面を研
磨しなければならず作業が面倒である。特に、樹脂の収
縮により成形面部材に発生する寸法誤差は、成型後の養
生、乾燥状態等の条件により異なり、成形面部材の成型
時の温度条件によっても成形面部材に発生する寸法誤差
は異なる。これらの要因により成形面部材に発生する寸
法誤差は、全長3mの長さに対して数mmにも及ぶ。これ
らの問題を解決するために、本発明の出願人は、特願平
8−33064号の「樹脂製成形型とその製造装置」を
出願している。
【0004】特願平8−33064号の樹脂製成形型
は、成形型製造装置で樹脂製成形型の成形面部材を成形
する際に、成形面部材を裏板の鉄板と一体で成形し硬化
させるものである。この成形型製造装置によれば、成形
面部材が裏板の鉄板と一体で成形されるために、成形面
部材の原材料である樹脂の硬化時に樹脂が収縮すること
もなく、成形面部材の硬化後に裏面に裏板の鉄板を接着
剤で貼着する作業も不要である。
【0005】そのため、特願平8−33064号の成形
型製造装置により製造された樹脂製成形型の成形面部材
は、寸法のばらつく要因が季節の変化等に伴う周囲温度
の変化による熱膨張のみである。その結果、成形面部材
を単体で成形し、成形面部材の成形後、成形面部材の裏
面に裏板の鉄板を接着剤で貼着する場合に比べて、樹脂
製成形型の製造後の成形面部材の寸法誤差は小さい。例
えば、全長3mの長さに対して40℃の温度差が発生し
ても寸法誤差は±0.6mm程度である。
【0006】ところが、最近の社会情勢から建築用外壁
材の寸法精度を向上させることが望まれている。建築用
外壁材の寸法誤差は、樹脂製成形型自身の寸法誤差に起
因するだけでなく、樹脂製成形型により成形されるとき
にも発生する。
【0007】樹脂製成形型により製造される建築用外壁
材の寸法精度が基準を満さない場合には、樹脂製成形型
の寸法を変える必要が生じ、その都度、わずかに寸法を
変えた成形面成形部材を再度製作し直さなければならな
い。そこで、建築用外壁材の寸法精度を向上させるため
に、例えば、目標寸法前後で僅かに寸法の異なる複数種
類の成形面成形部材を製作することが行なわれている。
このような複数種類の寸法の異なる成形面成形部材を適
宜交換して樹脂製成形型を成形し、前記樹脂製成形型に
より所望の建築用外壁材を成形している。こうして成形
される建築用外壁材のうち寸法誤差が許容範囲内のもの
を選別して製品として出荷している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記のように成形され
る建築用外壁材の寸法精度が、全長3mに対して数mm程
度の誤差を許容する場合は、1種類の成形面成形部材を
製作すれば充分に対応できるのに対して、全長3mの製
品の目標寸法に対する寸法誤差の範囲が、例えば±1.
5mm以内というような更に厳しい条件を満たすために
は、目標数値近傍で寸法の異なる複数種類の成形面成形
部材を製作する必要があり、成形面成形部材の製作費が
数倍となっていた。
【0009】また、成型後の全ての建築用外壁材の寸法
を測定しなければならず、許容寸法誤差範囲内にある建
築用外壁材を選別するのに、膨大な手間と時間を要して
いた。この建築用外壁材の選別に伴い、寸法誤差が許容
範囲を越えるために製品として不適な建築用外壁材の製
造を免れなかった。このような理由から、寸法精度を上
げることに伴い建築用外壁材の製造コストが大幅に増大
していた。
【0010】そこで、本発明は、製造される樹脂製成形
型による成形製品の製造コストを殆ど上げることなく、
製造される樹脂製成形型による成形製品の寸法精度を向
上できる樹脂製成形型を製造する成形型製造方法及びそ
の製造装置の提供を課題とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にかかる
成形型製造装置は、製造対象である樹脂製成形型の成形
面の形状を決定する成形面成形部材を有する下型と、前
記樹脂製成形型の裏面に一体化される成形型用裏板が着
脱可能に装着されている上型との間に合成樹脂を充填し
て所定形状の樹脂製成形型を製造する成形型製造装置に
おいて、前記下型の成形面成形部材の裏面には前記成形
型用裏板と熱膨張率の異なる材質からなる裏基板が一体
化され、温度制御により前記成形型用裏板の熱膨張長さ
と前記裏基板の熱膨張長さとの間に所定の差を付ける熱
膨張長さ調節機構を備えたものである。
【0012】ここで、成形型用裏板及び裏基板の各材質
の組み合わせには、順に鉄、アルミニウムが好ましい
が、樹脂製成形型を構成する樹脂等が劣化しない範囲で
寸法変化させることができ、成形型用裏板及び裏基板の
熱膨張率の差が樹脂製成形型の製造時に生じる誤差を吸
収できる大きさにまで及ぶのであれば、特に限定される
ものではない。また、熱膨張長さ調節機構による温度制
御は、所定温度に制御された冷媒を下型内部に循環させ
ることにより行なってもよいが、ヒータを下型内部に介
装して行なってもよい。
【0013】したがって、請求項1の発明の成形型製造
装置によれば、熱膨張長さ調節機構による温度制御によ
って、樹脂製成形型の裏面に一体化される成形型用裏板
の熱膨張長さと下型の成形面成形部材の裏面に一体化さ
れる裏基板の熱膨張長さとの間に、制御された温度に応
じた所定の差を付けることができる。
【0014】請求項2の発明にかかる成形型製造装置
は、製造対象である樹脂製成形型の成形面の形状を決定
する成形面成形部材を有する下型と、前記樹脂製成形型
の裏面に一体化される成形型用裏板が着脱可能に装着さ
れている上型との間に合成樹脂を充填して所定形状の樹
脂製成形型を製造する成形型製造装置において、前記下
型は前記成形型用裏板と全体が熱膨張率の異なる材質か
らなり前記成形面成形部材と一体化され、温度制御によ
り前記成形型用裏板の熱膨張長さと前記下型の熱膨張長
さとの間に所定の差を付ける熱膨張長さ調節機構を備え
たものである。
【0015】ここで、成形型用裏板及び下型の各材質の
組み合わせには、順に鉄、アルミニウムが好ましいが、
樹脂製成形型を構成する樹脂等が劣化しない範囲で寸法
変化させることができ、成形型用裏板及び下型の熱膨張
率の差が樹脂製成形型の製造時に生じる誤差を吸収でき
る大きさにまで及ぶのであれば、特に限定されるもので
はない。また、熱膨張長さ調節機構による温度制御は、
所定温度に制御された冷媒を下型内部に循環させること
により行なってもよいが、ヒータを下型内部に介装して
行なってもよい。
【0016】したがって、請求項2の発明の成形型製造
装置によれば、熱膨張長さ調節機構による温度制御によ
って、樹脂製成形型の裏面に一体化される成形型用裏板
の熱膨張長さと下型の熱膨張長さとの間に、制御された
温度に応じた所定の差を付けることができる。
【0017】請求項3の発明にかかる成形型製造方法
は、主要部が樹脂からなり裏面に金属等の裏板を一体化
された樹脂製成形型を成形により製造する成形型製造方
法において、前記裏板と熱膨張率の異なる成形面成形部
材により前記樹脂製成形型の成形面を成形し、前記成形
面成形時には前記裏板及び前記成形面成形部材周囲の温
度を制御し前記裏板及び前記成形面成形部材の各熱膨張
長さに制御温度に応じた差を発生させることで前記成形
面の仕上がり寸法に生じる誤差を吸収するものである。
【0018】ここで、樹脂製成形型に一体化された裏板
は、裏板と一体で熱膨張及び熱収縮するものとする。ま
た、成形面成形部材及び裏板の各熱膨張率を異なるもの
にする手段には、成形面成形部材自身の材質を裏板と熱
膨張率が異なるものとしてもよいが、成形面成形部材全
体を裏板と熱膨張率が異なる材質のもので一体化させて
もよい。
【0019】したがって、請求項3の発明の成形型製造
方法によれば、裏板と成形面成形部材の各熱膨張長さの
差が成形面の仕上がり寸法に生じる誤差を吸収できる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の各実施形態につい
て説明をする。図1は本発明の第一実施形態である成形
型製造装置を示す斜視図、図2は本発明の第一実施形態
である成形型製造装置の熱膨張長さ調節機構を示す説明
図、図3は本発明の第一実施形態である成形型製造装置
による樹脂製成形型の製造工程を示す説明図である。
【0021】本実施形態の成形型製造装置1は、建築用
外壁材を成形するための樹脂製成形型を成形して製造す
る装置であり、図1乃至図3に示すように、上型2と下
型3とに分かれている。
【0022】下型3は、鉄製で略直方体であり、縦が略
3.7m,横が略2.7m,厚さが略100mmである。
下型3の上面略中央には、縦が略3.3m,横が略2.
3m,深さが略70mmの装着凹部3aが形成されてい
る。装着凹部3aには、底より裏基板4、成形面成形部
材5が積層され装着されている。裏基板4は、縦横の長
さが周囲に数ミリ程度の隙間を空けて装着凹部3a内に
介装できる大きさであり、厚さが略10mmのアルミニウ
ム製の板である。成形面成形部材5は、合成樹脂からな
り上面に後述する樹脂製成形型21の成形面24aを成
形する成形面5aが形成され、裏面が裏基板4に固着さ
れて裏基板4と一体になっている。つまり、裏基板4、
成形面成形部材5は一体のまま装着凹部3a内に装着さ
れている。
【0023】下型3の内部には、所定温度に制御された
水を循環させるための温調パイプ10が埋め込まれてい
る。温調パイプ10は、図2に示すように、蛇行してお
り下型3の長手方向に向かって数往復している。下型3
内部を巡回して外部へと引き出された温調パイプ10
は、温度制御装置11へと繋がれている。温度制御装置
11では、温調パイプ10内へ所定温度に制御した水を
矢印10aのように循環させるようになっている。下型
3内を所定温度に制御した水を流すことにより、下型3
の温度は略一定に保たれる。そのため、装着凹部3a内
に装着された成形面成形型部材5と一体の裏基板4は、
その温度に応じた体積となり、温調パイプ10内を循環
する水の温度を上げれば矢印12,13のように熱膨張
し、下げれば矢印14,15のように収縮する。裏基板
4の膨張または収縮に合わせて、一体である成形面成形
部材5も強制的に同じ割合で膨張または収縮する。
【0024】下型3の上面には、装着凹部3aを取り囲
んで周回する凹状の第一減圧吸引溝3b、第二減圧吸引
溝3cが順に内側より外側に向かって並んで形成されて
いる。第一減圧吸引溝3bは、装着凹部3aの4隅近傍
で装着凹部3a内へと繋がっている。
【0025】上型2は、鉄製で略直方体であり、縦横の
長さが下型3の縦横の長さに略等しく、厚さが略50mm
である。上型2の裏面略中央には、縦が略3.5m,横
が略2.5m,深さが略10mmの裏板装着凹部2aが形
成されている。裏板装着凹部2aは、後述する樹脂製成
形型21の成形型用裏板22を装着する部分である。
【0026】上型2には、上面より裏板装着凹部2aの
4隅近傍へと繋がる挿通孔2bが設けられている。各挿
通孔2bには、上面よりボルト2cが挿通されており、
樹脂製成形型21の成形型用裏板22を固定するように
なっている。
【0027】上型2の上面略中央には、裏板装着凹部2
a内へと繋がる挿通孔2dが穿設されている。挿通孔2
dには、上型2の上面よりパイプ状の樹脂注入ノズル6
が挿通されている。樹脂注入ノズル6は、外部に設けら
れた樹脂注入装置7と樹脂注入パイプ7aにより繋がれ
ており、後述する樹脂製成形型21の成形面部材24と
なる合成樹脂23を上型2と下型3との間の空間に注入
するようになっている。
【0028】上型2の上面端には、上型2を下型3に重
ね合わせたとき、それぞれ下型3の第一減圧吸引溝3
b、第二減圧吸引溝3cへと繋がる孔(図示せず)が穿
設されており、各孔には、それぞれ減圧パイプ9a,8
aが繋がれている。各減圧パイプ9a,8aは、減圧装
置8に繋がれており、第一減圧吸引溝3b、第二減圧吸
引溝3c内を減圧するようになっている。なお、減圧パ
イプ9aの途中には、樹脂トラップ9が介装されてい
る。
【0029】下型3の上面には、ループ状の2本のシー
ル部材3dが第二減圧吸引溝3cの外周及び内周をそれ
ぞれ周回して挟み込むように配設されており、第二減圧
吸引溝3c内の気密性が高められている。そのため、減
圧パイプ8a側が吸引されると、第二減圧吸引溝3c内
部は減圧され、上型2と下型3とが密着固定される。
【0030】減圧パイプ9a側が吸引されると、第一減
圧吸引溝3bを通じて、上型2と下型3との間の空間が
減圧される。そのため、樹脂注入ノズル6より上型2と
下型3との間の空間に注入される合成樹脂23は内部空
間の隅々にまで行き渡る。このとき、上型2と下型3と
の間の空間を埋め尽くして余剰となった合成樹脂23
は、第一減圧吸引溝3b、減圧パイプ9aを通じて樹脂
トラップ9に収容され、減圧装置8まで到達しないよう
になっている。
【0031】上型2の幅方向両側面には、一端が傘状に
形成された棒状の支持部材2eが2つずつ略均等に固着
されている。このように、4箇所に設けられた支持部材
2eを介して、上型2は、下型3の上面へと着脱する際
に吊り支持するようになっている。
【0032】続いて、本実施形態の成形型製造装置1に
よる成形型の製造工程について説明する。図4は図3に
続く本発明の第一実施形態である成形型製造装置による
樹脂製成形型の製造工程を示す説明図、図5は図4に続
く本発明の第一実施形態である成形型製造装置による樹
脂製成形型の製造工程を示す説明図、図6は図5に続く
本発明の第一実施形態である成形型製造装置による樹脂
製成形型の製造工程を示す説明図、図7は図6に続く本
発明の第一実施形態である成形型製造装置による樹脂製
成形型の製造工程を示す説明図、図8は図7に続く本発
明の第一実施形態である成形型製造装置による樹脂製成
形型の製造工程を示す説明図、図9は図8に続く本発明
の第一実施形態である成形型製造装置による樹脂製成形
型の製造工程を示す説明図、図10は図9に続く本発明
の第一実施形態である成形型製造装置による樹脂製成形
型の製造工程を示す説明図である。
【0033】まず、図3に示すように、上型2の裏板装
着凹部2aに本実施形態の成形型製造装置1により製造
する樹脂製成形型21の成形型用裏板22を装着する。
成形型用裏板22は、裏板装着凹部2aに丁度嵌め込め
る大きさの鋼板であり、裏板装着凹部2aに嵌め込んだ
ときに、上型2の挿通孔2d,2bに連通する位置に
は、それぞれ挿通孔22b、留孔22aが穿設されてい
る。樹脂注入ノズル6は挿通孔2dより裏板装着凹部2
a内へと突出しており、この樹脂注入ノズル6の突出部
分が成形型用裏板22の挿通孔22bへと挿通される。
また、留孔22aには、捩子が螺刻されており、上型2
の挿通孔2bへと挿通されたボルト2cが螺合され、図
4に示すように、成形型用裏板22は上型2の裏板装着
凹部2a内に固定される。
【0034】成形型用裏板22が上型2の裏板装着凹部
2aに固定されると、図5に示すように、上型2は下型
3の上面へと重ね合わされ、上型2と下型3とは固定さ
れる。つまり、減圧装置8により減圧パイプ8aを介し
て第二減圧吸引溝3c内が減圧され、上型2の下面周囲
は、下型3の上面周囲に吸着固定される。
【0035】上型2と下型3とが一体となると、上型2
と下型3との間には、空間が形成され、この空間に樹脂
注入ノズル6が繋がった状態となる。そこで、樹脂注入
装置7より、樹脂注入パイプ7a、樹脂注入ノズル6を
介して、上型2と下型3との空間内に合成樹脂23を注
入する。このとき、上型2と下型3との空間内の空気を
外部へ逃がすために、減圧装置8により減圧パイプ9
a、樹脂トラップ9、第一減圧吸引溝3bを介して吸引
が行なわれる。やがて、図6に示すように、上型2と下
型3との空間内には、合成樹脂23が満たされ、余剰な
合成樹脂23が減圧パイプ9a内へと流入するが、余剰
な合成樹脂23は樹脂トラップ9内に収容されるため、
減圧装置8まで到達することはない。逆に、樹脂トラッ
プ9内への合成樹脂23の流入により、上型2と下型3
との空間が合成樹脂23で満たされていることがわか
る。
【0036】上型2と下型3との空間に充填された樹脂
は硬化するまで放置される。そして、上型2と下型3と
の空間に充填された樹脂が硬化後、図7に示すように、
上型2を下型3から分離し、図8に示すように、ボルト
2cをゆるめて離型すると、図9に示すように成形型用
裏板22の下面に一体の成形面部材24となって取り出
される。
【0037】ところで、上型2と下型3との空間のうち
装着凹部3a内には、下方より裏基板4、成形面成形部
材5が一体となって収容されており、成形面成形部材5
の成形面5aが上方を向いている。そのため、上型2と
下型3との空間に充填された合成樹脂23は、硬化後、
外部に露出する面が、成形面成形部材5の成形面5aを
反転させた形状の成形面24aとなる。
【0038】離型されたばかりの成形面部材24は、成
形面24a周囲、及び成形型用裏板22の挿通孔22b
の外部へとバリ24b,24cが突出している。そこ
で、図10に示すように、バリ24b,24cを除去し
て、樹脂製成形型21が完成する。
【0039】なお、上型2と下型3との空間に合成樹脂
23を充填する前には、予め温度制御装置11より温調
パイプ10に所定の温度に制御された水を循環させるこ
とによって、裏基板4の温度を一定に保っておく。裏基
板4の温度維持は合成樹脂23の充填後も合成樹脂23
が硬化するまで続ける。裏基板4の温度を所定の温度に
保つことにより、裏基板4の縦横の長さを所定の長さに
保つことができる。そのため、成形面成形部材5の縦横
の長さを温度制御により微調整することができ、樹脂製
成形型21の成形面24a成型時の寸法誤差が小さくな
るように調節できる。
【0040】つまり、裏基板4が温度変化により膨張ま
たは伸縮するのと同様に樹脂製成形型21の成形型用裏
板22も温度変化により膨張または伸縮するが、裏基板
4の材質はアルミニウムであり、成形型用裏板22は鋼
材であるために、両者の熱膨張率が異なり、裏基板4及
び成形型用裏板22の熱膨張による伸縮の長さに差を付
けることができる。図11は鋼材とアルミ材との温度変
化に伴う長さの変化を示す説明図である。
【0041】図11では、線膨脹率11×10-6-1
長さ3.3mの鋼材と、線膨脹率22.5×10
-6-1、長さ3.3mのアルミ材の温度変化に伴う長さ
の変化を示している。また、40℃を基準にとり、熱膨
張長さを+で示し、収縮長さを−で示している。0℃の
ときアルミ材は鋼材より1.52mm多く収縮し、80℃
のときアルミ材は鋼材より1.52mm多く膨張する。
【0042】図11からわかるように、複写元の成形面
成形部材5の裏面に固定される裏基板4の材質をアルミ
ニウムにし、複写先の成形面部材24の裏面に固定され
る成形型用裏板22の材質を通常多用される鋼材にすれ
ば、80℃の温度変化で3.3mの長さにつき、アルミ
材と鋼材との間には、略3mmの長さの差を付けることが
できる。
【0043】そのため、このような温度制御により裏基
板4と成形型用裏板22との間に発生する長さ変化の差
を、樹脂製成形型21の製作時に発生する寸法誤差を吸
収する方向及び大きさで人為的につけてやれば、樹脂製
成形型21は全長3mの製品に対して誤差が±1.5mm
以内の寸法精度を満足する建築用外壁材を成形できる。
【0044】しかも、従来の製法によれば、樹脂製成形
型は全長3mに対して数mm程度の寸法誤差が生じてお
り、更に寸法精度を向上させるためには、僅かに寸法を
変えた複数種類の樹脂製成形型を製作し、これら複数種
類の樹脂製成形型により成形された複数の建築用外壁材
を寸法を測定して選別しなければならなかった。しか
し、本実施形態の成形型製造装置1によれば、寸法精度
を向上させるために、樹脂製成形型21は1種類しか作
る必要がないために、最終的に成形された建築用外壁材
の製造コストは、全長3mに対して数mm程度の寸法誤差
を許容する場合と略同様に安価である。
【0045】つまり、全長3mの製品に対して誤差が±
1.5mm以内の寸法精度を満足する建築用外壁材を成形
できる樹脂製成形型21の製造コストを下げることがで
きる。
【0046】このように、本実施形態の成形型製造装置
1は、製造対象である樹脂製成形型21の成形面24a
の形状を決定する成形面成形部材5を有する下型3と、
前記樹脂製成形型21の裏面に一体化される成形型用裏
板22が着脱可能に装着されている上型2との間に合成
樹脂23を充填して所定形状の樹脂製成形型21を製造
する成形型製造装置において、前記下型3の成形面成形
部材5の裏面には前記樹脂製成形型21の裏面に一体化
される鉄製の成形型用裏板22と熱膨張率の異なる材質
であるアルミニウムからなる裏基板4が一体化され、所
定温度に制御された水を下型3内部に循環させて温度制
御することにより前記樹脂製成形型21の裏面に一体化
される成形型用裏板22の熱膨張長さと前記下型3の成
形面成形部材5の裏面に一体化される裏基板4の熱膨張
長さとの間に所定の差を付ける熱膨張長さ調節機構を備
えている。
【0047】そして、本実施形態の成形型製造方法は、
上記成形型製造装置1を用いて、主要部が樹脂からなり
裏面に金属等の裏板を一体化された樹脂製成形型21を
成形により製造するものであり、より詳しくは、前記裏
板と熱膨張率の異なる成形面成形部材5により前記樹脂
製成形型21の成形面を成形し、前記成形面成形時には
前記裏板及び前記成形面成形部材5周囲の温度を制御
し、前記裏板及び前記成形面成形部材5の各熱膨張長さ
に制御温度に応じた差を発生させることで前記成形面の
仕上がり寸法に生じる誤差を吸収するものである。
【0048】したがって、本実施形態の成形型製造方法
及び成形型製造装置1によれば、熱膨張長さ調節機構に
よる温度制御によって、樹脂製成形型21の裏面に一体
化される成形型用裏板22の熱膨張長さと下型3の成形
面成形部材5の裏面に一体化される裏基板4の熱膨張長
さとの間に制御された温度に応じた所定の差を付けるこ
とができるので、樹脂製成形型21の裏面に一体化され
る成形型用裏板22、及び下型3の成形面成形部材5の
裏面に一体化される裏基板4の各熱膨張長さの差が樹脂
製成形型21の成形面24aの成形時に発生する寸法誤
差を打ち消すような温度に周囲温度を制御すれば、製造
される樹脂製成形型21の寸法誤差は小さくなる。この
結果、このように製造された樹脂製成形型21を用いた
建築用外壁材は、全長3mに対して数mm程度の寸法誤差
を許容する場合と略同様に安価であり、寸法精度を全長
3mに対して誤差±1.5mm以内にまで向上させること
ができる。
【0049】特に、樹脂製成形型21の裏面に一体化さ
れる成形型用裏板22の材質が鉄で、下型3の成形面成
形部材5の裏面に一体化される裏基板4の材質がアルミ
ニウムであり、鉄及びアルミニウムの各線膨脹率は、そ
れぞれ11×10-6-1、22.5×10-6-1である
ので、3.3mの長さに対して80℃の温度変化を与え
ると、樹脂製成形型21の裏面に一体化される成形型用
裏板22と下型3の成形面成形部材5の裏面に一体化さ
れる裏基板4の各熱膨張長さの差が略3mmとなる。その
ため、この熱膨張長さの差が樹脂製成形型21の成形面
24aの成形時に発生する寸法誤差を充分に吸収でき、
全長3mの製品に対して誤差が±1.5mm以内の寸法精
度を満足する建築用外壁材を成形できる樹脂製成形型2
1を製造できる。しかも、±1.5mm以内の寸法精度を
満足する1種類の建築用外壁材を成形する樹脂製成形型
21は1種類しか作る必要がないために、最終的に成形
される建築用外壁材の製造コストは、全長3mに対して
数mm程度の寸法誤差を許容する場合のように精度を要求
されない場合に比べて殆ど上がることはない。
【0050】また、熱膨張長さ調節機構による温度制御
が所定温度に制御された水を下型3内部に循環させて行
なうものであるので、下型3の各部の温度は内部を循環
する水の温度に合わせて均一になり、下型3の温度制御
が容易となり、樹脂製成形型21の裏面に一体化される
成形型用裏板22と下型3の成形面成形部材5の裏面に
一体化される裏基板4に発生させる熱膨張長さの差を略
正確に制御できる。そのため、樹脂製成形型21に生じ
る寸法誤差をより小さくできる。
【0051】しかも、本実施形態の成形型製造装置1を
使用すれば、樹脂製成形型21により製造される建築用
外壁材の寸法精度がわずかに基準を満さない場合にも、
温度を変えるだけで成形面成形部材5の寸法を変えるこ
とができ、簡単にわずかに寸法が異なる樹脂製成形型2
1を製造することができる。したがって、従来のよう
に、樹脂製成形型の寸法を変えるために、わずかに寸法
を変えた成形面成形部材を再度製作し直す必要がなくな
り、極めて経済的である。
【0052】続いて、本発明の第二実施形態について説
明をする。図12は本発明の第二実施形態である成形型
製造装置の下型を示す断面図である。図中、上記第一実
施形態と同一符号及び記号は上記第一実施形態と同一ま
たは相当部分である。
【0053】図12に示すように、本実施形態の成形型
製造装置の成形面成形部材5は、下型31の上面に直接
固着されており下型31と一体となっている。本実施形
態の成形型製造装置の下型31は、全体がアルミニウム
でできている。この点で、裏基板4のみがアルミニウム
で、その他が鉄製である上記第一実施形態の成形型製造
装置1の下型3と異なる。また、下型31の内部には、
流路32が形成されており、下型3の温調パイプ10同
様に、矢印33のように所定温度に制御された水等の冷
媒を流路32に流して膨張または収縮を行なわせ寸法の
微調節を行なうことができるようになっている。
【0054】つまり、本実施形態の成形型製造装置は、
製造対象である樹脂製成形型の成形面の形状を決定する
成形面成形部材5を有する下型31と、前記樹脂製成形
型の裏面に一体化される成形型用裏板が着脱可能に装着
されている上型との間に合成樹脂を充填して所定形状の
樹脂製成形型を製造する成形型製造装置において、前記
下型31は前記樹脂製成形型の裏面に一体化される鉄製
の成形型用裏板と全体が熱膨張率の異なる材質であるア
ルミニウムからなり前記成形面成形部材5と一体化さ
れ、所定温度に制御された水等の冷媒を下型31内部に
循環させて温度制御することにより前記樹脂製成形型の
裏面に一体化される成形型用裏板の熱膨張長さと前記下
型31の熱膨張長さとの間に所定の差を付ける熱膨張長
さ調節機構を備えている。
【0055】したがって、本実施形態の成形型製造装置
は、熱膨張長さ調節機構による温度制御によって、樹脂
製成形型の裏面に一体化される成形型用裏板の熱膨張長
さと下型31の熱膨張長さとの間に制御された温度に応
じた所定の差を付けることができるので、樹脂製成形型
の裏面に一体化される成形型用裏板、及び下型31の各
熱膨張長さの差が樹脂製成形型の成形面の成形時に発生
する寸法誤差を打ち消すような温度に周囲温度を制御す
れば、製造される樹脂製成形型の寸法誤差は小さくな
り、このように製造された樹脂製成形型を用いた成形製
品は、製造コストを殆ど上げることなく、寸法精度を向
上できる。
【0056】また、下型31全体の材質がアルミニウム
であるため、製造される樹脂製成形型の裏面に一体化さ
れる成形型用裏板の材質が鉄であれば、上記第一実施形
態の成形型製造装置1と同様に、複写元である成形面成
形部材5の成形面5aと複写先である樹脂製成形型の成
形面との間に、3.3mの長さに対して、80℃までの
温度変化により、略3mmの範囲で熱膨張長さの差を付け
ることができる。そのため、最終的に上記第一実施形態
の成形型製造装置1と略同様の寸法精度及び生産コスト
で建築用外壁材を成形できる。
【0057】さらに、熱膨張長さ調節機構による温度制
御が所定温度に制御された水等の冷媒を下型31内部に
循環させることにより行なうものであるので、上記第一
実施形態の成形型製造装置1と同様に、樹脂製成形型の
裏面に一体化される成形型用裏板と下型31の成形面成
形部材5の裏面に一体化される部分である下型31自身
に発生させる熱膨張長さの差を略正確に制御できる。
【0058】また、本実施形態の成形型製造装置におい
ても、樹脂製成形型により製造される建築用外壁材の寸
法精度がわずかに基準を満さない場合に、わずかに寸法
が異なる樹脂製成形型を製造することができ、簡単に対
応できる。
【0059】続いて、本発明の第三実施形態について説
明をする。図13は本発明の第三実施形態である成形型
製造装置の下型を示す断面図である。図中、上記各実施
形態と同一符号及び記号は上記各実施形態と同一または
相当部分である。
【0060】図13に示すように、本実施形態の成形型
製造装置の下型41は、上記第二実施形態の成形型製造
装置の下型31と同様に、成形面成形部材5が下型41
の上面に直接固着されており下型41と一体となってい
る。また、下型41は全体がアルミニウムでできている
点で、上記第二実施形態の成形型製造装置の下型31と
同様である。しかし、内部には、流路32ではなく空洞
部41aが形成され、空洞部41aには、ヒータ42が
介装されている点で異なる。ヒータ42は、両端部が下
型41の外部へと引き出されており、外部より電源を繋
ぐと発熱し、下型41の温度を上昇させることができ
る。つまり、ヒータ42の熱により下型41全体を熱膨
張させ、成形面成形部材5の成形面5aの寸法の微調節
を行なうことができるようになっている。なお、空洞部
41a内には、熱伝達部材43が充填されており、熱伝
達部材43を介してヒータ42の熱が下型41に伝わる
ようになっている。
【0061】したがって、本実施形態の成形型製造装置
においても、上記第二実施形態の成形型製造装置と同様
に、温度制御により樹脂製成形型の裏面に一体化される
成形型用裏板の熱膨張長さと下型41の熱膨張長さとの
間に制御された温度に応じた所定の差を付けることがで
きるので、樹脂製成形型の裏面に一体化される成形型用
裏板、及び下型41の各熱膨張長さの差が樹脂製成形型
の成形面の成形時に発生する誤差を打ち消すような温度
に周囲温度を制御すれば、製造される樹脂製成形型の寸
法誤差は小さくなり、このように製造された樹脂製成形
型を用いた成形製品は、製造コストを殆ど上げることな
く、寸法精度を向上できる。しかも、本実施形態の成形
型製造装置においても、樹脂製成形型により製造される
建築用外壁材の寸法精度がわずかに基準を満さない場合
に、わずかに寸法が異なる樹脂製成形型を簡単に製造す
ることができる。
【0062】また、上記第二実施形態の成形型製造装置
と同様に、下型41全体の材質がアルミニウムであるた
め、製造される樹脂製成形型の裏面に一体化される成形
型用裏板の材質が鉄であれば、複写元である成形面成形
部材5の成形面5aと複写先である樹脂製成形型の成形
面との間に、3.3mの長さに対して、80℃までの温
度変化により、略3mmの範囲で熱膨張長さの差を付ける
ことができる。そのため、最終的に上記第一実施形態の
成形型製造装置1と略同様の寸法精度及び生産コストで
建築用外壁材を成形できる。
【0063】さらに、本実施形態の成形型製造装置は、
電力を直接制御することにより下型41の温度制御がで
きるので、製造される樹脂製成形型の裏面に一体化され
る成形型用裏板と下型41の成形面成形部材5の裏面に
一体化される部分である下型41自身に発生する熱膨張
長さの差を水等の冷媒を下型41の内部に循環させる場
合に比べて短時間に所望の長さに調節でき、樹脂製成形
型の製造時間を短縮できる。
【0064】続いて、本発明の第四実施形態について説
明をする。図14の(a)は本発明の第四実施形態であ
る成形型製造装置の下型を示す斜視図、(b)は本発明
の第四実施形態である成形型製造装置の下型のフレーム
を示す斜視図である。図中、上記各実施形態と同一符号
及び記号は上記各実施形態と同一または相当部分であ
る。
【0065】図14に示すように、本実施形態の成形型
製造装置の下型51は、図14の(b)に示すように、
複数のアルミニウム製のパイプ材52を繋ぎ合わせて構
成されるフレームからなり、図14の(a)に示すよう
に、成形面成形部材5の成形面5aの裏側が前記フレー
ムの間隙部分を埋め尽くして一体化されているものであ
る。下型51を構成する各パイプ材52の内部には流路
が形成され、所定温度に制御された水等の冷媒を矢印5
3に示すように循環させるようになっている。
【0066】したがって、本実施形態の成形型製造装置
も、上記第二実施形態の成形型製造装置と略同様の作用
効果を奏する。これに加えて、下型51が複数のパイプ
材52を繋ぎ合わせて構成されるフレームからなり、面
積が成形面成形部材5の成形面5a全体の面積に及ぶア
ルミニウム製の板材より大幅に安価であるので、成形面
成形部材5を支持する部材をアルミニウム製の板材にす
る場合に比べて樹脂製成形型を安価に製造できる。しか
も、下型51を構成するフレーム自体が、冷媒が循環す
る流路となっており、極めて効率よく下型51の温度調
節ができる。
【0067】ところで、上記各実施形態の成形型製造装
置により製造される樹脂製成形型は、建築用外壁材を成
形する成形型として説明したが、前記樹脂製成形型は必
ずしも建築用外壁材を成形する成形型である必要はな
く、建築用外壁材以外のその他の成形品を成形する成形
型であっても略同じ作用効果を奏するため、応用が可能
である。
【0068】また、上記説明では、上記各実施形態の成
形型製造装置により製造される樹脂製成形型の裏面に一
体化される成形型用裏板、及び下型の成形面成形部材5
の裏面に一体化される部分の各材質の組み合わせとし
て、順に鉄、アルミニウムとしたが、必ずしも、このよ
うな組み合わせに限定されるものではなく、その他に、
樹脂製成形型の成形面部材、及び下型の成形面成形部材
5を構成する樹脂等を劣化させない範囲で変化させるこ
とのできる温度の範囲内で発生させることのできる樹脂
製成形型の成形型用裏板と下型の成形面成形部材5の裏
面に一体化される部分との熱膨張率の差が樹脂製成形型
の製造時に生じる誤差を吸収できる大きさにまで及ぶの
であれば、どのような材質であっても構わない。
【0069】さらに、上記説明では、第一実施形態、第
二実施形態、及び第四実施形態の各成形型製造装置の下
型は内部を所定温度に制御された冷媒が循環して温度制
御され、第三実施形態の成形型製造装置の成形型製造装
置の下型は内部に埋め込まれたヒータ42により温度制
御されているが、各実施形態の成形型製造装置の下型は
冷媒により温度制御されても、ヒータ42により温度制
御されても構わない。各実施形態の成形型製造装置の下
型がいずれの方式により温度制御されても、下型の成形
面成形部材5の下面に一体化される部分と、製造される
樹脂製成形型の成形型用裏板との間に熱膨張率の差によ
る寸法変化の差をつけることができ、樹脂製成形型の成
形面の仕上がり時点での寸法誤差を吸収することができ
る。
【0070】特に、下型を冷媒により温度制御する場合
には、冷媒は必ずしも水に限定されるものではなく、そ
の他の、液体、気体等でも構わない。
【0071】また、下型をヒータ42により温度制御す
る場合、ヒータ42の種類には、特に限定されるもので
はなく、ニクロム線、モリブデン線等の各種電熱線、そ
の他に、炭化珪素からなるものでも構わない。
【0072】なお、上記各実施形態の成形型製造装置の
各部の寸法は、上記説明で記載した寸法に限定されるも
のではなく、その他の寸法であっても略同様の作用効果
を奏する。
【0073】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の成形型
製造装置は、温度制御により、樹脂製成形型の裏面に一
体化される成形型用裏板の熱膨張長さと下型の成形面成
形部材の裏面に一体化される裏基板の熱膨張長さとの間
に、制御された温度に応じた所定の差を付けることがで
きるので、成形型用裏板及び裏基板の各熱膨張長さの差
が樹脂製成形型の製造時に発生する誤差を打ち消すよう
な温度に周囲温度を制御すれば、目標寸法に対して誤差
の小さい精度の高い樹脂製成形型を製造でき、このよう
に製造された樹脂製成形型を用いた成形製品は、安価で
あり、寸法精度が向上する。
【0074】請求項2の発明の成形型製造装置は、温度
制御により樹脂製成形型の裏面に一体化される成形型用
裏板の熱膨張長さと下型の熱膨張長さとの間に制御され
た温度に応じた所定の差を付けることができるので、樹
脂製成形型の裏面に一体化される成形型用裏板、及び下
型の各熱膨張長さの差が樹脂製成形型の製造時に発生す
る誤差を打ち消すような温度に周囲温度を制御すれば、
目標寸法に対して誤差の小さい精度の高い樹脂製成形型
を製造でき、このように製造された樹脂製成形型を用い
た成形製品は、安価であり、寸法精度が向上する。
【0075】請求項3の発明の成形型製造方法は、裏板
と成形面成形部材の各熱膨張長さの差が成形面の仕上が
り寸法に生じる誤差を吸収できるので、目標寸法に対し
て誤差の小さい精度の高い樹脂製成形型を製造でき、こ
のように製造された樹脂製成形型を用いた成形製品は、
安価であり、寸法精度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施形態である成形型製造装置を
示す斜視図である。
【図2】本発明の第一実施形態である成形型製造装置の
熱膨張長さ調節機構を示す説明図である。
【図3】本発明の第一実施形態である成形型製造装置に
よる樹脂製成形型の製造工程を示す説明図である。
【図4】図3に続く本発明の第一実施形態である成形型
製造装置による樹脂製成形型の製造工程を示す説明図で
ある。
【図5】図4に続く本発明の第一実施形態である成形型
製造装置による樹脂製成形型の製造工程を示す説明図で
ある。
【図6】図5に続く本発明の第一実施形態である成形型
製造装置による樹脂製成形型の製造工程を示す説明図で
ある。
【図7】図6に続く本発明の第一実施形態である成形型
製造装置による樹脂製成形型の製造工程を示す説明図で
ある。
【図8】図7に続く本発明の第一実施形態である成形型
製造装置による樹脂製成形型の製造工程を示す説明図で
ある。
【図9】図8に続く本発明の第一実施形態である成形型
製造装置による樹脂製成形型の製造工程を示す説明図で
ある。
【図10】図9に続く本発明の第一実施形態である成形
型製造装置による樹脂製成形型の製造工程を示す説明図
である。
【図11】鋼材とアルミ材との温度変化に伴う長さの変
化を示す説明図である。
【図12】本発明の第二実施形態である成形型製造装置
の下型を示す断面図である。
【図13】本発明の第三実施形態である成形型製造装置
の下型を示す断面図である。
【図14】(a)は本発明の第四実施形態である成形型
製造装置の下型を示す斜視図、(b)は本発明の第四実
施形態である成形型製造装置の下型のフレームを示す斜
視図である。
【符号の説明】
1 成形型製造装置 2 上型 3 下型 4 裏基板 5 成形面成形部材 5a 成形面 6 樹脂注入ノズル 7 樹脂注入装置 8 減圧装置 9 樹脂トラップ 10 温調パイプ 11 温度制御装置 21 樹脂製成形型 22 成形型用裏板 23 合成樹脂 24 成形面部材 24a 成形面 31 下型 32 流路 41 下型 42 ヒータ 43 熱伝達部材 51 下型 52 パイプ材

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 製造対象である樹脂製成形型の成形面の
    形状を決定する成形面成形部材を有する下型と、前記樹
    脂製成形型の裏面に一体化される成形型用裏板が着脱可
    能に装着されている上型との間に合成樹脂を充填して所
    定形状の樹脂製成形型を製造する成形型製造装置におい
    て、 前記下型の成形面成形部材の裏面には前記成形型用裏板
    と熱膨張率の異なる材質からなる裏基板が一体化され、
    温度制御により前記成形型用裏板の熱膨張長さと前記裏
    基板の熱膨張長さとの間に所定の差を付ける熱膨張長さ
    調節機構を備えていることを特徴とする成形型製造装
    置。
  2. 【請求項2】 製造対象である樹脂製成形型の成形面の
    形状を決定する成形面成形部材を有する下型と、前記樹
    脂製成形型の裏面に一体化される成形型用裏板が着脱可
    能に装着されている上型との間に合成樹脂を充填して所
    定形状の樹脂製成形型を製造する成形型製造装置におい
    て、 前記下型は前記成形型用裏板と全体が熱膨張率の異なる
    材質からなり前記成形面成形部材と一体化され、温度制
    御により前記成形型用裏板の熱膨張長さと前記下型の熱
    膨張長さとの間に所定の差を付ける熱膨張長さ調節機構
    を備えていることを特徴とする成形型製造装置。
  3. 【請求項3】 主要部が樹脂からなり裏面に金属等の裏
    板を一体化された樹脂製成形型を成形により製造する成
    形型製造方法において、 前記裏板と熱膨張率の異なる成形面成形部材により前記
    樹脂製成形型の成形面を成形し、前記成形面成形時には
    前記裏板及び前記成形面成形部材周囲の温度を制御し前
    記裏板及び前記成形面成形部材の各熱膨張長さに制御温
    度に応じた差を発生させることで前記成形面の仕上がり
    寸法に生じる誤差を吸収することを特徴とする成形型製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US9228607B2 (en) 2013-05-27 2016-01-05 Samsung Display Co., Ltd. Linear motion guide
CN105711110A (zh) * 2016-04-01 2016-06-29 哈尔滨飞机工业集团有限责任公司 一种复合材料成型件的模具及模压成型方法
JP2020033832A (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 三井化学産資株式会社 合成樹脂製点字タイルの製造方法および合成樹脂製点字タイル

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