JPH1148004A - 被覆スローアウェイチップ - Google Patents
被覆スローアウェイチップInfo
- Publication number
- JPH1148004A JPH1148004A JP21931497A JP21931497A JPH1148004A JP H1148004 A JPH1148004 A JP H1148004A JP 21931497 A JP21931497 A JP 21931497A JP 21931497 A JP21931497 A JP 21931497A JP H1148004 A JPH1148004 A JP H1148004A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- phase
- solid solution
- cutting
- throw away
- average particle
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Abandoned
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- Cutting Tools, Boring Holders, And Turrets (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 本願発明は、被覆スローアウェイチップにお
ける皮膜の耐剥離性、耐チッピング性、耐摩耗性を改善
した被覆スローアウェイチップを提供することを目的と
する。 【構成】 超硬合金基体に、少なくともチタンとアルミ
ニウムを含む複合窒化物、複合炭窒化物、複合炭窒酸化
物より選ばれる１種以上の皮膜を被覆したスローアウェ
イチップであり、前記基体は少なくとも炭化タングステ
ン相、Ｂ−１型固溶体相、及び結合金属相を有し、前記
炭化タングステン相は平均粒径が１．５μｍ以下であ
り、前記Ｂ−１型固溶体相は平均粒径２μｍ以下とする
ことにより構成する。
ける皮膜の耐剥離性、耐チッピング性、耐摩耗性を改善
した被覆スローアウェイチップを提供することを目的と
する。 【構成】 超硬合金基体に、少なくともチタンとアルミ
ニウムを含む複合窒化物、複合炭窒化物、複合炭窒酸化
物より選ばれる１種以上の皮膜を被覆したスローアウェ
イチップであり、前記基体は少なくとも炭化タングステ
ン相、Ｂ−１型固溶体相、及び結合金属相を有し、前記
炭化タングステン相は平均粒径が１．５μｍ以下であ
り、前記Ｂ−１型固溶体相は平均粒径２μｍ以下とする
ことにより構成する。
Description
【０００１】
【産業上の利用分野】本発明は切削工具に使用されるス
ローアウェイチップに関する。
ローアウェイチップに関する。
【０００２】
【従来の技術】スローアウェイ（刃先交換式）チップに
は、ＪＩＳＰ種、Ｍ種、Ｋ種の様々な材種を用いて、多
様な用途に用いられているが、スローアウェイチップの
表面にチタンとアルミニウムを含む複合窒化物等の皮膜
を被覆したものは、例えば特開平７−１８８９０１号に
は膜中の残留応力を低減し耐剥離性を向上させた工具が
記載されているものの、十分な密着性、寿命を達成でき
ていない。しかし、高能率切削の如く、激しい断続切削
を伴う使い方においては、従来技術で述べたＪＩＳ各材
種では、（１）皮膜の部分剥離が起こる、（２）皮膜は
剥離せずに基体の微少なチッピングが起こる、（３）基
体の耐摩耗性も不十分、などが指摘されている。
は、ＪＩＳＰ種、Ｍ種、Ｋ種の様々な材種を用いて、多
様な用途に用いられているが、スローアウェイチップの
表面にチタンとアルミニウムを含む複合窒化物等の皮膜
を被覆したものは、例えば特開平７−１８８９０１号に
は膜中の残留応力を低減し耐剥離性を向上させた工具が
記載されているものの、十分な密着性、寿命を達成でき
ていない。しかし、高能率切削の如く、激しい断続切削
を伴う使い方においては、従来技術で述べたＪＩＳ各材
種では、（１）皮膜の部分剥離が起こる、（２）皮膜は
剥離せずに基体の微少なチッピングが起こる、（３）基
体の耐摩耗性も不十分、などが指摘されている。
【０００３】
【発明が解決しようとする問題点】上記現象を詳細に検
討した結果、皮膜と基体との密着性、基体そのものの強
度、切削時の基体の塑性変形などに根本原因があり、従
って皮膜の改良のみでは対処できず、超硬合金基体をこ
の種の皮膜に最適なものへ改良する必要があることがわ
かった。具体的に説明すると、（１）に付いては、基体
と皮膜との間には部分的な密着力が不足した領域があ
り、ここを起点として皮膜の剥離が起こることがわかっ
た。また（２）に付いては、剥離が起きない場合には衝
撃により皮膜表面に発生したクラックが基体内部まで伝
播しやすくチッピングを招いている。（３）に付いて
は、切削時の熱・応力の作用による基体の塑性変形によ
り、切刃が変形することにより、硬質であるがゆえに変
形に対応できない膜が破壊され、フレーク破壊をおこ
し、耐摩耗性の劣化を起こす場合があることを見いだし
た。
討した結果、皮膜と基体との密着性、基体そのものの強
度、切削時の基体の塑性変形などに根本原因があり、従
って皮膜の改良のみでは対処できず、超硬合金基体をこ
の種の皮膜に最適なものへ改良する必要があることがわ
かった。具体的に説明すると、（１）に付いては、基体
と皮膜との間には部分的な密着力が不足した領域があ
り、ここを起点として皮膜の剥離が起こることがわかっ
た。また（２）に付いては、剥離が起きない場合には衝
撃により皮膜表面に発生したクラックが基体内部まで伝
播しやすくチッピングを招いている。（３）に付いて
は、切削時の熱・応力の作用による基体の塑性変形によ
り、切刃が変形することにより、硬質であるがゆえに変
形に対応できない膜が破壊され、フレーク破壊をおこ
し、耐摩耗性の劣化を起こす場合があることを見いだし
た。
【０００４】
【問題点を解決するための手段】本願発明は、超硬合金
基体に、少なくともチタンとアルミニウムを含む複合窒
化物、複合炭窒化物、複合炭窒酸化物より選ばれる１種
以上の皮膜を被覆したスローアウェイチップであり、前
記基体は少なくとも炭化タングステン相、Ｂ−１型固溶
体相、及び結合金属相を有し、前記炭化タングステン相
は平均粒径が１．５μｍ以下であり、前記Ｂ−１型固溶
体相は平均粒径２μｍ以下であることを特徴とする被覆
スローアウェイチップである。
基体に、少なくともチタンとアルミニウムを含む複合窒
化物、複合炭窒化物、複合炭窒酸化物より選ばれる１種
以上の皮膜を被覆したスローアウェイチップであり、前
記基体は少なくとも炭化タングステン相、Ｂ−１型固溶
体相、及び結合金属相を有し、前記炭化タングステン相
は平均粒径が１．５μｍ以下であり、前記Ｂ−１型固溶
体相は平均粒径２μｍ以下であることを特徴とする被覆
スローアウェイチップである。
【０００５】
【作用】上記構成とすることにより次の点が改善され
る。スローアウェイチップに用いる超硬合金基体として
は、炭化タングステン相、Ｂ−１型固溶体相、及び結合
金属相を有し、まず、炭化タングステン相、Ｂ−１型固
溶体相ともに微細化することにより、組織の均一化がな
され、これにより部分的な密着力の差異は解消され、良
好な密着力が得られる。更に、Ｂ−１型固溶体も微細に
したので基体の靱性を増し、クラックの伝播も防ぐこと
が出来る。また、組織の微細化の作用として硬さも上昇
するが、硬さの上昇により耐塑性変形性が改善されるば
かりでなく、皮膜が剥離または摩滅したとしても基体自
体、従来に比べ耐摩耗性にすぐれたものであるので切削
を続けることが可能である。
る。スローアウェイチップに用いる超硬合金基体として
は、炭化タングステン相、Ｂ−１型固溶体相、及び結合
金属相を有し、まず、炭化タングステン相、Ｂ−１型固
溶体相ともに微細化することにより、組織の均一化がな
され、これにより部分的な密着力の差異は解消され、良
好な密着力が得られる。更に、Ｂ−１型固溶体も微細に
したので基体の靱性を増し、クラックの伝播も防ぐこと
が出来る。また、組織の微細化の作用として硬さも上昇
するが、硬さの上昇により耐塑性変形性が改善されるば
かりでなく、皮膜が剥離または摩滅したとしても基体自
体、従来に比べ耐摩耗性にすぐれたものであるので切削
を続けることが可能である。
【０００６】以下、限定した理由について説明する。前
記炭化タングステン相の平均粒径を１．５μｍ以下とし
た理由は、１粒子の占める面積が大きくなると密着性に
不均一を生じやすくなるため１．５μｍ以下とした。ま
た、炭化タングステン相の凝集を減少させ、かつ、分散
を良くするために、前記Ｂ−１型固溶体相もその粒径を
小さくした。前記Ｂ−１型固溶体相の平均粒径を２μｍ
以下としたのはもともと炭化タングステン相に比較して
脆いため、強度が劣化しチッピングを生じやすくなるた
め、また、炭化タングステン相と同じ理由により平均粒
径を２μｍ以下とした。
記炭化タングステン相の平均粒径を１．５μｍ以下とし
た理由は、１粒子の占める面積が大きくなると密着性に
不均一を生じやすくなるため１．５μｍ以下とした。ま
た、炭化タングステン相の凝集を減少させ、かつ、分散
を良くするために、前記Ｂ−１型固溶体相もその粒径を
小さくした。前記Ｂ−１型固溶体相の平均粒径を２μｍ
以下としたのはもともと炭化タングステン相に比較して
脆いため、強度が劣化しチッピングを生じやすくなるた
め、また、炭化タングステン相と同じ理由により平均粒
径を２μｍ以下とした。
【０００７】なお、本発明に使用する超硬合金基体の具
体的な組成としては、炭化チタン３〜１１％、窒化チタ
ン０．１〜２％、炭化タンタル及び／又は炭化ニオブ２
〜１０％、残部炭化タングステンからなる硬質相が８０
〜９５％、鉄族金属からなる結合相５〜２０％（以上、
重量％）とするのが好ましい。以下、実施例に基づき本
願発明を詳細に説明する。
体的な組成としては、炭化チタン３〜１１％、窒化チタ
ン０．１〜２％、炭化タンタル及び／又は炭化ニオブ２
〜１０％、残部炭化タングステンからなる硬質相が８０
〜９５％、鉄族金属からなる結合相５〜２０％（以上、
重量％）とするのが好ましい。以下、実施例に基づき本
願発明を詳細に説明する。
【０００８】
【実施例】通常の粉末冶金法により７１％ＷＣ−１０％
ＴｉＣ−１０％ＴａＣ−９％Ｃｏ（以上、重量％）なる
超硬合金基体を２種類作成した。本発明例として、ＷＣ
平均粒径、Ｂ−１型固溶体相の平均粒径がともに微細な
ものと、従来例として、ＷＣ平均粒径、Ｂ−１型固溶体
相の平均粒径がともに粗いものを製作した。また、平均
粒径の測定はラップ面における電子顕微鏡観察をおこな
い、その写真より算定した。本発明例は、ＷＣ平均粒径
が０．５μｍ、Ｂ−１型固溶体相の平均粒径が０．８μ
ｍであり、従来例はＷＣ平均粒径が４．０μｍ、Ｂ−１
型固溶体相の平均粒径が２．９μｍであった。
ＴｉＣ−１０％ＴａＣ−９％Ｃｏ（以上、重量％）なる
超硬合金基体を２種類作成した。本発明例として、ＷＣ
平均粒径、Ｂ−１型固溶体相の平均粒径がともに微細な
ものと、従来例として、ＷＣ平均粒径、Ｂ−１型固溶体
相の平均粒径がともに粗いものを製作した。また、平均
粒径の測定はラップ面における電子顕微鏡観察をおこな
い、その写真より算定した。本発明例は、ＷＣ平均粒径
が０．５μｍ、Ｂ−１型固溶体相の平均粒径が０．８μ
ｍであり、従来例はＷＣ平均粒径が４．０μｍ、Ｂ−１
型固溶体相の平均粒径が２．９μｍであった。
【０００８】次に、形状をＴＥＥ４３３型のスローアウ
ェイチップとし、これに公知のイオンプレーティング法
によってＴｉＡｌＮ膜を３．０μｍ設けた。これらを用
いて切削試験を以下の切削諸元で行った。 切削速度 ２００ｍ／ｍｉｎ 送り量 ０．２ｍｍ／刃 切込み量 １．５ｍｍ 被削材 ＳＵＳ３０４ カッター形状 φ６３ｍｍ 刃数 ３枚刃 寿命判断基準 逃げ面摩耗幅が０．２ｍｍとなるまでの
切削時間 その結果、本発明例が９０分、従来例が２４分であっ
た。従来例には刃先に部分的な剥離やチッピングが多数
認められた。これに対し本発明例は正常な摩耗を呈して
おり長時間の切削が可能であった。
ェイチップとし、これに公知のイオンプレーティング法
によってＴｉＡｌＮ膜を３．０μｍ設けた。これらを用
いて切削試験を以下の切削諸元で行った。 切削速度 ２００ｍ／ｍｉｎ 送り量 ０．２ｍｍ／刃 切込み量 １．５ｍｍ 被削材 ＳＵＳ３０４ カッター形状 φ６３ｍｍ 刃数 ３枚刃 寿命判断基準 逃げ面摩耗幅が０．２ｍｍとなるまでの
切削時間 その結果、本発明例が９０分、従来例が２４分であっ
た。従来例には刃先に部分的な剥離やチッピングが多数
認められた。これに対し本発明例は正常な摩耗を呈して
おり長時間の切削が可能であった。
【０００９】更に、耐塑性変形性を試験するため以下の
切削諸元で行った。 切削速度 ２００ｍ／ｍｉｎ 送り量 ０．１５ｍｍ／刃 切込み量 ２．０ｍｍ 被削材 ＳＫＤ６１ 寿命判断基準 逃げ面摩耗幅が０．２ｍｍとなるまでの
切削時間
切削諸元で行った。 切削速度 ２００ｍ／ｍｉｎ 送り量 ０．１５ｍｍ／刃 切込み量 ２．０ｍｍ 被削材 ＳＫＤ６１ 寿命判断基準 逃げ面摩耗幅が０．２ｍｍとなるまでの
切削時間
【００１０】その結果、本発明例が３００分、従来例が
１５分であった。従来例には、切削初期に切刃に部分的
な剥離やチッピングが認められ、寿命後の刃先を観察し
たところ、刃先に塑性変形を生じ欠損していた。これに
対し本発明例は正常な摩耗を呈しており、塑性変形は生
じておらず長時間の切削が可能であった。
１５分であった。従来例には、切削初期に切刃に部分的
な剥離やチッピングが認められ、寿命後の刃先を観察し
たところ、刃先に塑性変形を生じ欠損していた。これに
対し本発明例は正常な摩耗を呈しており、塑性変形は生
じておらず長時間の切削が可能であった。
【００１１】
【発明の効果】本願発明によれば、基体のミクロ組織を
微細化することにより、ＴｉＡｌＮ等の膜でも十分な密
着性を持たせることができ、そのため、皮膜の耐剥離性
を改善する事ができ、チッピングも少なく、工具摩耗形
態も正常な切削が長時間にわたって行えるようになっ
た。更に、熱的負荷のかかる切削においても、十分な硬
さと結合金属相が分散しているため、耐塑性変形に強
く、工具摩耗形態も正常な切削が長時間にわたって行え
るようになった。
微細化することにより、ＴｉＡｌＮ等の膜でも十分な密
着性を持たせることができ、そのため、皮膜の耐剥離性
を改善する事ができ、チッピングも少なく、工具摩耗形
態も正常な切削が長時間にわたって行えるようになっ
た。更に、熱的負荷のかかる切削においても、十分な硬
さと結合金属相が分散しているため、耐塑性変形に強
く、工具摩耗形態も正常な切削が長時間にわたって行え
るようになった。
Claims (1)
- 【請求項１】 超硬合金基体に、少なくともチタンとア
ルミニウムを含む複合窒化物、複合炭窒化物、複合炭窒
酸化物より選ばれる１種以上の皮膜を被覆したスローア
ウェイチップであり、前記基体は少なくとも炭化タング
ステン相、Ｂ−１型固溶体相、及び結合金属相を有し、
前記炭化タングステン相は平均粒径が１．５μｍ以下で
あり、前記Ｂ−１型固溶体相は平均粒径２μｍ以下であ
ることを特徴とする被覆スローアウェイチップ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21931497A JPH1148004A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 被覆スローアウェイチップ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21931497A JPH1148004A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 被覆スローアウェイチップ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH1148004A true JPH1148004A (ja) | 1999-02-23 |
Family
ID=16733552
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21931497A Abandoned JPH1148004A (ja) | 1997-07-30 | 1997-07-30 | 被覆スローアウェイチップ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JPH1148004A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003191109A (ja) * | 2001-12-25 | 2003-07-08 | Kyocera Corp | 超硬合金およびそれを用いた切削工具 |
-
1997
- 1997-07-30 JP JP21931497A patent/JPH1148004A/ja not_active Abandoned
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2003191109A (ja) * | 2001-12-25 | 2003-07-08 | Kyocera Corp | 超硬合金およびそれを用いた切削工具 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20040609 |
|
| A762 | Written abandonment of application |
Effective date: 20050825 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A762 |
|
| A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20050902 |