JPH1147878A - アルミニウム合金鋳物の製造方法 - Google Patents

アルミニウム合金鋳物の製造方法

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JPH1147878A
JPH1147878A JP20562597A JP20562597A JPH1147878A JP H1147878 A JPH1147878 A JP H1147878A JP 20562597 A JP20562597 A JP 20562597A JP 20562597 A JP20562597 A JP 20562597A JP H1147878 A JPH1147878 A JP H1147878A
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mold
casting
aluminum alloy
weight
alumina
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JP20562597A
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Yasuoki Ishihara
安興 石原
Shigeru Toyoshima
繁 豊島
Ryoichi Shibata
良一 柴田
Akira Yoshizawa
亮 吉沢
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Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 適切な耐久性鋳型を用いることで、量産を想
定した金型と同様の組織を試作段階においても得ること
ができ、また、鋳造後の組織が金型鋳造と同等に緻密で
かつ短期間に製造できるアルミニウム合金鋳物の製造方
法を得る。 【解決手段】 炭化珪素85〜95重量%と粘結剤とし
てアルミナ、シリカをそれぞれ2〜5重量%、硬化剤と
してポルトランドセメントまたはアルミナセメント粉末
1〜5重量%を含有し、焼結を施して得られる耐久性鋳
型に、アルミニウム合金溶湯を鋳造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルミニウム合金
鋳物の製造方法に関し、より詳しくは、適切な耐久性鋳
型により、量産を想定した金型と同様の組織を試作段階
において得ることができ、かつ注湯された溶湯の冷却速
度を制御して金型鋳造法に匹敵する緻密な組織を持たせ
ることができるアルミニウム合金鋳物の製造方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アルミニウム合金鋳物は、重力鋳造法、
低圧鋳造法、ダイカスト法その他の鋳造法により、鋳型
として、生型、シェル型、自硬性鋳型などの砂鋳型や、
片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄や合金工具鋼などの材料か
らなる金型などを用いて製造される。
【0003】上記鋳型のうち生型は、珪砂などの骨材、
ベントナイトなどの粘土、水、また各種添加剤から構成
されている。これらを混合した鋳物砂を模型によって上
型・下型に造型し、中空部分用の中子を上型・下型内に
配置することで、製品キャビティを形成して砂鋳型とし
ている。この砂鋳型は、(1)数量の少ない鋳物を鋳造
できる、(2)小物から大物までのアルミニウム合金鋳
物を鋳造できる、(3)鋳型材料費が安く、経済的に造
型できるなどの特徴がある。この特徴を活かして、金型
で量産する前の試作段階において、鋳物形状の良否確認
を目的に、例えば木型で作製した模型を用いて砂鋳型を
造型し、この砂鋳型に重力鋳造法でアルミニウム合金溶
湯を鋳造したりするなどしている。
【0004】一方、金型は、(1)金型鋳造法により、
同一金型で繰り返し鋳造できるので多量生産に適してい
る、(2)砂鋳型のような造型工程を省略でき、さらに
金型内での金属溶湯の冷却制御が可能なため、急冷によ
る緻密な金属組織や内引け対策ができ、高品質のアルミ
ニウム合金鋳物をつくることができるなどの特徴があ
る。この特徴を活かして、傾動式の重力鋳造法、低圧鋳
造法、ダイカスト法による量産などに用いられている。
【0005】ところで、金型まで行かなくても、耐久性
を持たせようとする鋳型として、特開昭50−6212
3号公報には、耐久鋳型に使用されるバインダーを組合
せ複合し、骨材に熱伝導の良い材料を混合してクラック
の発生を抑止して耐用性を向上する搗き固め式の耐久鋳
型の開示がある。すなわち、骨材、バインダー、硬化剤
を含有してなる搗き固め式の耐久鋳型として、バインダ
ーとしてりん酸系バインダーとコロイダルシリカを複合
して用い、骨材にSiCを混合することにより、エロー
ジョンを防止し、かつ耐久性、強度、耐剥離性及び耐熱
衝撃性を向上させようとするものである。
【0006】さらに、耐久性を持たせようとする鋳型と
して、特開昭49−35224号公報には、特定のセラ
ミック材料を特定の条件下で処理することにより、膨
張、収縮を少なくし、しかも鋳造金属に対し、ほとんど
濡れ性を示さない耐久性セラミック質鋳型の製造方法の
開示がある。すなわち、(1)(イ)溶融ケイ酸のスリ
ップ20〜90重量部、(ロ)粒径250〜5000μ
の粒子を50重量%以上含む溶融ケイ酸5〜75重量部
および(ハ)溶融ケイ酸より熱伝導率の高い無機質材料
5〜60重量部からなる調合物を水分15重量%以下に
おいて成形し、乾燥後800〜1200℃で加熱焼成す
る耐久性セラミック質鋳型の製造方法であり、(2)
(イ)溶融ケイ酸のスリップ20〜90重量部、(ロ)
粒径250〜5000μの粒子を50重量%以上含む溶
融ケイ酸5〜75重量部および(ハ)溶融ケイ酸より熱
伝導率の高い無機質材料5〜60重量部および(ニ)こ
れらの全重量に対し4〜20重量%の気硬性もしくは熱
硬化性のバインダーからなる調合物を成形後400℃以
下で十分乾燥する耐久性セラミック質鋳型の製造方法で
ある。
【0007】またさらに、特開平1−99743号公報
には、グラファイト焼結材で、金型図面に基づいてキャ
ビティを彫り込んで鋳型を製作し、この鋳型にアルミニ
ウム合金溶湯を鋳造することで、試作品を効率的かつ確
実に製作する開示がある。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、砂鋳型
は熱伝導率が悪く、鋳造時の冷却速度が遅いこととによ
り組織が粗大化して、量産を想定した金型と同様の組織
を持つアルミニウム合金鋳物を試作段階においても得る
ことが難しい。また、砂鋳型は砂そのものに起因する砂
噛み不良や砂の廃棄等、抱える課題も多い。
【0009】一方、金型は、型素材を切削加工や放電加
工などの工程を経て製作されるため、製作期間が多くか
かり、また鋳型の製造コストも高くなる。特開昭50−
62123号公報に開示のものは、搗き固め式のため、
成型するために工数がかかり、搗き固めが不十分な場合
には欠陥が発生しやすい。また、特開昭49−3522
4号公報に開示の溶融ケイ酸を成分の主体の鋳型や特開
平1−99743号公報に開示のグラファイト焼結材に
よる鋳型は、熱伝導率において金型に著しく劣り冷却速
度の低下を招く。その結果、鋳造金属の組織の粗大化や
鋳造サイクルの延長が問題となり、金型に対し、品質、
コスト両面で不利である。
【0010】本発明の課題は、適切な耐久性鋳型を用い
ることで、量産を想定した金型と同様の組織を試作段階
においても得ることができ、また、鋳造後の組織が金型
鋳造と同等に緻密でかつ短期間に製造できるアルミニウ
ム合金鋳物の製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、骨材とし
て炭化珪素、粘結剤としてアルミナ、シリカ、硬化剤と
してポルトランドセメントまたはアルミナセメント粉末
として、スラリーを流し込み成形後、焼結を施した耐久
性鋳型に、アルミニウム合金溶湯を鋳造することで、量
産を想定した金型と同様の組織を試作段階においても得
ることができ、また鋳造後の組織が金型鋳造と同等に緻
密でかつ短期間に製造できることの知見を得て本発明に
想到した。
【0012】すなわち、第1発明のアルミニウム合金鋳
物の製造方法は、炭化珪素85〜95重量%と粘結剤と
してアルミナ、シリカをそれぞれ2〜5重量%、硬化剤
としてポルトランドセメント1〜5重量%を含有し、焼
結を施して得られる耐久性鋳型に、アルミニウム合金溶
湯を鋳造することを特徴とする。
【0013】次に、第2発明のアルミニウム合金鋳物の
製造方法は、炭化珪素粉末に粘結剤としてアルミナ、シ
リカをそれぞれ2〜5重量%、硬化剤としてポルトラン
ドセメントを1〜5重量%を添加し、炭化珪素含有量が
85〜95重量%となるように混合調整した粉末と、前
記混合調整した粉末100に対して5〜10重量%の水
を添加してスラリーとし、前記スラリーを型内に流し込
み成形・乾燥した後、1000〜1200℃にて1〜1
0時間の焼結を施して得られる耐久性鋳型に、アルミニ
ウム合金溶湯を鋳造することを特徴とする。
【0014】本発明で用いる耐久性鋳型は、炭化珪素を
その成分の主体とするため、砂鋳型の場合よりも冷却速
度が大で、ほとんど金型に近い冷却速度となり、適切な
金属組織およびサイクルタイムが得られる。そして、こ
の耐久性鋳型を使用することにより機械的性質および作
業効率の向上が図れる。
【0015】耐久性鋳型の製作にはスラリーの流し込み
用に木製模型を使用できるため、耐久性鋳型自体の製作
コストも低くできる。また、砂鋳型等に比べ、使用時に
粉塵等の発生がないので、作業環境の改善を図ることが
できる。量産を想定した金型と同様の組織を試作段階に
おいても得ることができ、また、鋳造後の組織が金型鋳
造と同等に緻密でかつ短期間に製造できる。
【0016】前記アルミニウム合金鋳物は、Al−Cu
系、Al−Cu−Mg系、Al−Cu−Si系、Al−
Si系、Al−Si−Mg系、Al−Si−Cu系、A
l−Si−Cu−Mg系、Al−Cu−Ni−Mg系、
Al−Mg系、Al−Si−Cu−Ni−Mg系のうち
の何れであってもよく、このアルミニウム合金鋳物は、
重力鋳造法、低圧鋳造法、またはダイカスト法によって
製造することができる。
【0017】次に、本発明のアルミニウム合金鋳物を製
造方法で使用する耐久性鋳型につき、その構成材料を説
明する。
【0018】(1)炭化珪素(SiC)の平均粒度 炭化珪素(SiC)粉末は、炉や取鍋の壁用材料として
通常平均粒度2〜5mmのものが販売されているが、こ
のように粒度が2〜5mmのもので鋳型を製作した場合
には、複雑な形状の鋳型の場合、鋳型面と模型面との抵
抗が大きくなって、型抜きが困難となる。また、綺麗な
肌を有するアルミニウム合金鋳物を得ることができな
い。従って、耐久性鋳型を構成する骨材としての炭化珪
素(SiC)粉末の平均粒度は、平均粒度2〜5mmの
ものをさらに粉砕して得られる平均粒度500μm以下
とする。特に綺麗な肌を有するアルミニウム合金鋳物と
する場合には平均粒度は10μm以下が好ましい。ただ
し、鋳型の要求機能によって多少面粗さが大きくなって
も差し支えない場合は、2〜5mmの炭化珪素を配合
し、鋳型の耐久性を向上させることもできる。
【0019】(2)混合調整した粉末中の炭化珪素(S
iC)の含有量:85〜95重量% 混合調整した粉末中の炭化珪素(SiC)の含有量は、
金型に近い冷却速度を有する高い熱伝導率を付与するた
めに、下限を85重量%とし、上限の含有量は高い熱伝
導率の付与とともに経済的観点から95重量%とする。
そして下記の特性を持たせている。 (a)耐熱衝撃性に優れる。 (b)耐スラグ浸食性を有する。 (c)砂鋳型の骨材中の主成分(SiO2 )を95重
量%含有する鋳物砂の熱伝導率(1.0Kcal/mh
℃よりも高い熱伝導率(8.6Kcal/mh℃)を有
する。 (d)軟化開始温度が1600〜1800℃と高い。 (f)常温耐圧強度が1000Kgf/cm2と十分で
ある。 (g)気孔率24%を有する。 (h)熱膨張係数が1400℃以下の範囲で0.7%と
小さい。
【0020】(3)粘結剤:2〜5重量% 本発明に用いる耐久性鋳型は、高い熱伝導率の付与する
ために炭化珪素(SiC)を85〜95重量%含有させ
ているので、粘結剤は粘結性を損われない最小限の量と
し、粘結剤はアルミナ、シリカをそれぞれ2〜5重量%
とする。
【0021】(4)硬化剤:1〜5重量% 硬化剤としては、ポルトランドセメント1〜5重量%と
するが、ポルトランドセメントに代えてアルミナセメン
ト粉末としてもよい。なおアルミナセメント粉末の粒度
は100μm以下が好ましい。
【0022】(5)水:5〜10重量% 水の添加量が5重量%未満では、良好な流動性を有する
スラリーが得られず、一方10重量%を越えるとスラリ
ーの流動性は非常に良好となるが、スラリー流し込み後
の乾燥時間が長くなること、また乾燥時のクラックの発
生を助長する。従って、水の添加量を混合調整した粉末
100に対して5〜10重量%とする。
【0023】(6)焼結条件:焼結温度1000〜12
00℃および焼結時間1〜10時間 焼結温度が1000℃以下では焼結後の鋳型強度が劣
り、一方1200℃を越える焼結温度ではSiO2が溶
出してガラス状のあぶく肌が生じる。このため、焼結温
度を1000〜1200℃とする。また焼結時間は、焼
結温度1000〜1200℃において1時間〜10時間
で十分な焼結が得られる。なお、焼結作業はアルゴンガ
ス等の不活性ガス雰囲気中で行なうのが好ましい。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、発明の実施の形態について
説明する。 (実施の形態1)図8に示す鋳物形状となるよう耐久性
鋳型を作製する。即ち、重量%で、平均粒度10μmの
SiC粉末90%、アルミナ4%、シリカ3%、ポルト
ランドセメント3%よりなる原料粉末100に対して、
水を8%添加し、混練する。そして、得られたスラリー
を木製模型に流し込んで成形し、離型した後、200℃
で24時間の乾燥を行なう。更に、アルゴンガス雰囲気
中で1200℃×5時間焼結する。作製した耐久性鋳型
を実施例1の鋳型とする。
【0025】また、図8と同じ形状となるよう炭酸ガス
硬化鋳型を作製する。即ち、珪砂に、粘結剤としてけい
酸ソーダ(水ガラスNa2O・nSi02・mH2O)を
3〜6%添加した後、木型の模型面に搗き固めて造型
し、これに炭酸ガス(CO2)ガスを吹き込み硬化させ
る。この炭酸ガス鋳型を比較例1に用いる鋳型とした。
【0026】またさらに、図8と同じ形状となるよう金
型を作製する。球状黒鉛鋳鉄材(FCD400)を用
い、切削加工によって成形する。この金型を比較例2に
用いる鋳型とする。
【0027】次に、実施例1、比較例1および比較例2
の鋳型にアルミニウム合金を注湯して、冷却曲線、金属
組織を調査した結果について説明する。(JIS)AC
4CH(AL−7%Si−0.3%Mg)となるアルミ
ニウム合金溶湯を溶製し、実施例1の300℃に予熱し
た耐久性鋳型、比較例1の炭酸ガス硬化鋳型、および比
較例2の300℃に予熱した金型の各キャビティに、7
00℃で注湯し、各のキャビティの中心付近に配設した
熱電対により、鋳造後の時間経過に対する鋳造品の温度
の変化、すなわち冷却曲線を500℃までについて測定
した(図9に冷却曲線測定状況を示す)。さらに、アル
ミニウム合金鋳物が凝固後、熱電対の直下から試料を切
り出し、その金属組織を調べた。
【0028】冷却曲線の測定結果を図1に示す。実施例
1の耐久性鋳型は、注湯後の初晶開始温度609℃まで
の経過時間が5.5秒と短く、さらに共晶終了温度の5
59℃までの経過時間が30.5秒と短く、このときの
冷却速度は2.0℃/秒であった。
【0029】一方、炭酸ガス硬化鋳型は、注湯後の初晶
開始温度611℃までの経過時間は10.8秒要し、さ
らに共晶終了温度の562℃までの経過時間が147.
5秒と長く、このときの冷却速度は0.28℃/秒であ
った。
【0030】また、金型は、注湯後の初晶開始温度61
0℃までの経過時間が2.8秒と短く、さらに共晶終了
温度の558℃までの経過時間が13.4秒と短く、こ
のときの冷却速度4.9℃/秒であった。以上の結果か
ら、耐久性鋳型は、金型に匹敵する冷却速度で鋳造する
ことができることがわかる。
【0031】図2および図3は、実施例1の耐久性鋳型
による(JIS)AC4CHアルミニウム合金鋳物の金
属組織顕微鏡写真を示し、図2は倍率100倍、図3は
倍率400倍である。結晶粒の大きさは、交線法により
デンドライト第2枝間隔(以下、単に「DAS2」とい
う)を測定したところ、(DAS2)23〜31μmと
微細であった。
【0032】図4および図5は、炭酸ガス硬化鋳型によ
る(JIS)AC4CHアルミニウム合金鋳物の金属組
織顕微鏡写真を示し、図4は倍率100倍、図5は倍率
400倍である。DAS2は48〜68μmと粗大とな
っていた。
【0033】図6および図7は、金型による(JIS)
AC4CHアルミニウム合金鋳物の金属組織顕微鏡写真
を示し、図6は倍率100倍、図7は倍率400倍であ
る。DAS2は20〜30μmであった。
【0034】以上をまとめると、実施例1の耐久性鋳型
を用いて鋳造したアルミニウム合金鋳物の結晶粒の大き
さは、金型で鋳造したものと殆ど同じである。結晶粒が
小さいほど機械的性質が優れていることから、耐久性鋳
型を用いて鋳造したアルミニウム合金鋳物は、量産を想
定した金型と同様の組織を試作段階においても得ること
ができ、かつ鋳造後の組織が金型鋳造と同等に緻密でか
つ短期間に製造できる。実施の形態1では、アルミニウ
ム合金鋳物としてAl−Si−Mg系の(JIS)AC
4CHについて説明したが、Al−Cu系、Al−Cu
−Mg系、Al−Cu−Si系、Al−Si系、 Al
−Si−Cu系、Al−Si−Cu−Mg系、Al−C
u−Ni−Mg系、Al−Mg系、Al−Si−Cu−
Ni−Mg系のうちの何れであってもよく、このアルミ
ニウム合金鋳物は、重力鋳造法、低圧鋳造法、またはダ
イカスト法によって製造することができる。
【0035】(実施の形態2)図8に示す形状の耐久性
鋳型を300℃に予熱し、Al−Si−Cu系(JI
S)AC4B相当のアルミニウム合金溶湯を700℃で
注湯し、500℃で型バラシ(解体)を行なった。以
後、同様の注湯を100回まで繰り返し行なった。
【0036】第1回目の注湯後での鋳放し鋳物肌の面粗
さRaは3.3ミクロンであった。また、第100回目
の注湯後での鋳放し鋳物肌の面粗さRaは2.0ミクロ
ンであった。このことから、耐久性鋳型を繰り返し使用
した場合でも、アルミニウム合金鋳物の鋳肌の面粗さに
は何等問題を生じないことが確認できた。
【0037】(実施の形態3)実施の形態2と同様の条
件で、表1に示す種々の焼結条件により試験片を製作
し、曲げ強度試験を行った。曲げ強度試験片は(JI
S)R2213−1978に準拠し、70mm角、支点
用ロール支点間距離を200mmとし、支点間距離中心
に直径25mmの荷重用ロールに荷重を負荷することに
より曲げ強度試験を行った。なお、焼結温度が1250
℃になると、鋳型の表面にSiO2が溶出してあぶく肌
となり問題となるため、所要の曲げ強度が得られる10
0 0〜1200℃の焼結温度で1〜10時間の焼結で
十分である。
【0038】
【表1】 焼結条件 曲げ強度(MPa) 焼結後の鋳物型肌状態 1000℃× 1時間 11.5 良好 1000℃× 5時間 13.9 良好 1100℃× 1時間 14.3 良好 1200℃× 1時間 17.0 良好 1200℃× 3時間 16.2 良好 1200℃× 5時間 18.7 良好 1200℃×10時間 11.6 良好 1250℃× 5時間 20.1 あぶく肌(悪い) 1300℃× 1時間 27.7 あぶく肌(悪い)
【0039】
【発明の効果】以上の説明の通り、本発明のアルミニウ
ム合金鋳物の製造方法は、炭化珪素(SiC)を主体と
して結により製作した耐久性鋳型を用いるので、以下の
効果を奏する。 (1)量産を想定した金型と同様の組織を試作段階にお
いても得ることができる。 (2)注湯された溶湯の冷却速度を制御できるため、金
型鋳造法に匹敵する緻密な組織を有するアルミニウム合
金鋳物が得られる。 (3)鋳型は繰り返し使用が可能であり、かつ耐久性に
優れる、 (4)鋳型の製作は、簡便な木型模型にスラリーを流し
込んで安価に製作できて経済的である、 (5)粉塵等の発生が無いので作業環境の改善が図れ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】冷却曲線の測定結果を示す図である。
【図2】耐久性鋳型による(JIS)AC4CHアルミ
ニウム合金鋳物の金属組織顕微鏡写真(倍率100倍)
である。
【図3】耐久性鋳型による(JIS)AC4CHアルミ
ニウム合金鋳物の金属組織顕微鏡写真(倍率400倍)
である。
【図4】炭酸ガス鋳型による(JIS)AC4CHアル
ミニウム合金鋳物の金属組織顕微鏡写真(倍率100
倍)である。
【図5】炭酸ガス鋳型による(JIS)AC4CHアル
ミニウム合金鋳物の金属組織顕微鏡写真(倍率400
倍)である。
【図6】炭酸ガス鋳型による(JIS)AC4CHアル
ミニウム合金鋳物の金属組織顕微鏡写真(倍率100
倍)である。
【図7】炭酸ガス鋳型による(JIS)AC4CHアル
ミニウム合金鋳物の金属組織顕微鏡写真(倍率400
倍)である。
【図8】アルミニウム合金鋳物を製造する鋳型形状を示
す図である。
【図9】実施例1の耐久性鋳型、比較例1の炭酸ガス硬
化鋳型、および金型を用いてのアルミニウム合金を同時
注湯し、試験している状態を示す図である。
【符号の説明】
1:耐久性鋳型、 2:炭酸ガス硬化鋳型、 3:金
型、 4:熱電対。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉沢 亮 栃木県真岡市鬼怒ケ丘11番地 日立金属株 式会社素材研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 炭化珪素85〜95重量%と粘結剤とし
    てアルミナ、シリカをそれぞれ2〜5重量%、硬化剤と
    してポルトランドセメントまたはアルミナセメント粉末
    1〜5重量%を含有し、焼結を施して得られる耐久性鋳
    型に、アルミニウム合金溶湯を鋳造することを特徴とす
    るアルミニウム合金鋳物の製造方法。
  2. 【請求項2】 炭化珪素粉末に粘結剤としてアルミナ、
    シリカをそれぞれ2〜5重量%、硬化剤としてポルトラ
    ンドセメントまたはアルミナセメント粉末を1〜5重量
    %を添加し、炭化珪素含有量が85〜95重量%となる
    ように混合調整した粉末と、前記混合調整した粉末10
    0に対して5〜10重量%の水を添加してスラリーと
    し、前記スラリーを型内に流し込み成形・乾燥した後、
    1000〜1200℃にて1〜10時間の焼結を施して
    得られる耐久性鋳型に、アルミニウム合金溶湯を鋳造す
    ることを特徴とするアルミニウム合金鋳物の製造方法。
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