JPH1147290A - 被治療体の病巣部の位置決め装置及びこれを用いた放射線治療装置 - Google Patents

被治療体の病巣部の位置決め装置及びこれを用いた放射線治療装置

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JPH1147290A
JPH1147290A JP9224485A JP22448597A JPH1147290A JP H1147290 A JPH1147290 A JP H1147290A JP 9224485 A JP9224485 A JP 9224485A JP 22448597 A JP22448597 A JP 22448597A JP H1147290 A JPH1147290 A JP H1147290A
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lesion
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treatment
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patient
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JP9224485A
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English (en)
Inventor
Takayuki Nagaoka
孝行 長岡
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Hitachi Healthcare Manufacturing Ltd
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Hitachi Medical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 患者の移動による位置ずれが生じても、前記
患者の病巣部を放射線のアイソセンタに一致するように
した被治療体の病巣部の位置決め装置及びこれを用いた
放射線治療装置を提供する。 【解決手段】 被治療体の体表面に設けた病巣部位置表
示マーカーに対する病巣部の位置座標データと、この位
置表示マーカーの位置座標を検出する位置表示マーカー
の位置座標検出手段と、この位置座標検出手段の位置座
標データと、放射線を照射する照射装置の位置座標デー
タと、被治療体を載置する治療台の位置座標データと、
前記位置表示マーカーの位置座標検出手段とこの検出手
段のの位置座標データとから前記位置表示マーカーの位
置座標を演算する。これらの位置座標データから前記照
射装置から照射される放射線のアイソセンタを前記被治
療体の病巣部に一致するための前記照射装置と治療台の
両方若しくはそれらのいずれか一方と位置表示マーカー
との位置のずれ量を求め、前記位置ずれがなくなるよう
に前記照射装置と治療台の両方若しくはそれらのいずれ
か一方を制御する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被治療体の病巣に
対して放射線治療を行う放射線治療装置に係わり、特に
病巣の位置を放射線治療装置のガントリの照射ヘッドよ
り照射される放射線のアイソセンタに合わせて放射線治
療を行うための被治療体の病巣部の位置決め装置及びこ
れを用いた放射線治療装置に関する。
【0002】
【従来の技術】放射線治療では、被治療体を治療台上に
寝載し、被治療体の病巣の位置を放射線のアイソセンタ
に合わせ、ガントリの照射ヘッドより照射される放射線
を照射して治療を行う。この病巣の位置は、予めX線シ
ミュレータやCTシミュレータ等の画像診断装置により
得られた画像情報から特定する。
【0003】この特定した病巣の位置を身体の表面を見
てわかるようにするために、患者の体表面に位置表示マ
ーカーを取り付ける。そして、患者は前記画像診断装置
の寝台から降りて、別の部屋にある放射線治療装置の治
療台に載り、この放射線治療装置から照射される放射線
のアイソセンタに合うように前記位置表示マーカーを見
て病巣部の位置合わせを行う。このように、従来の放射
線治療においても、患者の体表面に位置表示マーカーを
取り付け、これらのマーカーの位置を用いて病巣位置を
計測することは、一般に行なわれている。数学上、未知
の点の位置は、同一平面上にない既知の4点に対する距
離を知れば決定することができる。しかし、実際には既
知の点の設置方法等の条件を設けることによって同一直
線上にない既知の3点からの夫々の距離を知るだけで決
定することができる。したがって、X線CT装置やMR
I装置のような画像診断装置で撮影して病巣部を特定
し、この特定した位置に基づいて患者の体表面にマーカ
ーを3点以上取り付け、これらのマーカーから病巣部中
心までの夫々の距離を計測して病巣の位置を決定してい
た。そして、治療時には、マーカーを基準にした照射位
置に患者病巣部が一致するように位置合わせを行って放
射線を照射していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】放射線治療装置から照
射される放射線のアイソセンタに合うようにするための
病巣部の位置決めは、効果的な治療を行う為に重要であ
る。この位置決めの精度が悪ければ、病巣に必要量のX
線量が投与できず、期待される治療効果が得られないば
かりか、正常組織に対して余分な被曝を与えることにな
り好ましくない。
【0005】上記したように、患者の病巣部の位置は画
像診断装置によって決定でき、これによって患者の体表
面に貼り付けたマーカーの病巣に対する相対位置も前記
画像診断装置で確定できる。患者が画像診断装置の寝台
に載っていて患者と寝台の位置関係がずれない限りで
は、病巣部の位置が治療室内で大きく動くことはない。
【0006】しかし、一般的には、患者の病巣部の位置
を知るための画像診断装置と、患者を治療する為の治療
装置とは異なる部屋に設置されているため、患者は診断
装置の寝台より降り、移動して、別の部屋にある治療装
置の治療台に載ることになる。この場合、画像診断装置
の寝台と治療装置の治療台とで、患者が全く同じ体位を
取れるのであれば、病巣部の位置設定上の問題はない。
【0007】しかし、実際には患者の移動時に、治療台
に対して患者の回転やずれなどが発生する。患者の体位
が、診断時と治療時とで正確に再現しなければ、患者の
病巣部が照射すべき位置からずれてしまうため、期待さ
れる治療効果が得られないばかりか、正常組織に対して
余分な被曝をもたらすことが懸念される。
【0008】ところが、治療台上に患者が載った状態で
は、すでに患者の体内にある病巣部位置を視認すること
ができない。そのため、患者の体表面に貼り付けたマー
カーによって、間接的に患者体内の病巣部の位置決めを
行っていたので、精度の点で問題があった。
【0009】本発明の目的は、患者の移動による位置ず
れが生じても、前記患者の病巣部を放射線のアイソセン
タに一致するようにした被治療体の病巣部の位置決め装
置及びこれを用いた放射線治療装置を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的は、被治療体の
体表面にこの被治療体の病巣部を表示する位置表示マー
カーを設け、この位置表示マーカーを参照して前記被治
療体に放射線を照射して治療を行う放射線治療装置にお
いて、前記放射線治療装置が設置されている治療室内に
おける前記病巣部位置表示マーカーに対する病巣部の位
置座標データと、前記位置表示マーカーの位置座標を検
出する位置表示マーカーの位置座標検出手段と、この位
置表示マーカーの位置座標検出手段の位置座標データ
と、放射線を照射する照射装置の位置座標データと、被
治療体を載置する治療台の位置座標データと、前記位置
表示マーカーの位置座標検出手段の出力と前記位置表示
マーカーの位置座標検出手段の位置座標データとから前
記位置表示マーカーの位置座標を演算する位置表示マー
カーの位置座標演算手段とを備え、前記病巣部の位置座
標データと前記照射装置の位置座標データと前記治療台
の位置座標データと前記位置表示マーカーの位置座標デ
ータとから前記照射装置から照射される放射線のアイソ
センタを前記被治療体の病巣部に一致するための前記照
射装置と治療台の両方若しくはそれらのいずれか一方と
位置表示マーカーとの位置のずれ量を求める位置ずれ量
演算手段と、この位置ずれ量演算手段の出力を入力して
前記位置ずれがなくなるように前記照射装置と治療台の
両方若しくはそれらのいずれか一方を制御する制御手段
を設けることによって達成される。
【0011】このように構成することによって、診断装
置によって特定した病巣部に相当する体表面に表示した
表示マーカーの位置をリアルタイムで検出し、このマー
カーの位置から、病巣部位置を推定し、放射線のアイソ
センタの中心と前記病巣部との位置ずれを求めてこの位
置ずれが所定値になるように、照射装置と治療台の両方
又はそれらのいずれか一方を制御するようにしたので、
病巣位置を照射野内に正確に位置決めすることができ
る。
【0012】また、本発明の位置表示マーカーは被治療
体の体表面に設けた3個以上の表示マーカーから成り、
この位置表示マーカーの位置検出手段は前記治療室内の
同一平面内に無い4個以上の位置検出手段とから成る。
【0013】この構成によれば、位置表示マーカーとこ
の位置表示マーカーの位置検出手段の数を最少にして任
意の位置表示マーカーの位置検出が可能となる。さら
に、本発明の位置表示マーカーの位置座標検出手段は、
上記照射装置の任意の位置に設置するものである。
【0014】このようにすれば、位置表示マーカーの位
置座標検出手段を被治療体の近くに設置できるため、位
置表示マーカーの位置の検出精度が向上すると共に照射
装置の動きによって位置表示マーカーの位置座標検出手
段の設置が容易となる。さらに、本発明は、上記の被治
療体の病巣部の位置決め装置を放射線治療装置に用いた
ことを特徴とする。
【0015】上記の位置決め装置を放射線治療装置に用
いることによって、患者の移動や体位が変化しても病巣
部と放射線のアイソセンタとのずれをリアルタイムに補
正できるので、病巣部に正確に放射線を照射することが
でき、期待される治療効果が得られ、正常組織に対して
余分な被曝を与えることがなくなる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図1〜図7を用いて、発明
の実施形態を説明する。図1に、患者の体表面に病巣部
の位置を表示するための位置表示マーカーを設け、この
マーカーの位置座標及びガントリ、患者テーブルの位置
座標から放射線のアイソセンタが病巣部に一致するよう
に前記ガントリ及び患者テーブルを駆動制御して治療を
行う放射線治療装置を示す。
【0017】患者1の体表面に設置するマーカー2とし
ては、外形の小さい発光体(LED)と、少なくともX
線CT装置で確認できる程度の電子密度を持つ物質(タ
ングステンの小球等)を貼り合わせて用いる。まず患者
1の体表面に3個以上のマーカー2を設置し、X線CT
装置によって患者1の病巣部位置の計測を行い、マーカ
ー2を基準にして病巣部5の位置を決定する。次に、患
者を治療装置の治療台11に載せ、治療を行う。
【0018】患者の体表面に設置する位置表示マーカー
2は、前述のように3個以上のマーカー2をLEDまた
はランプ、あるいは光ファイバによって導入した光によ
って発光可能としている。LEDは、一般に前方に対し
て指向性が強いため、半透明の曇ガラスやアクリル樹脂
製の散乱手段をマーカーに被せて指向性を無くし、全立
体角の半分の立体角(2π)にわたって均一強度の光を
放射可能とする。
【0019】また、散乱手段として広角のレンズを用い
ることで、光の減衰を抑えつつ発光の指向性を無くし、
全立体角の半分の立体角(2π)にわたって均一強度の
光を放射可能とすることもある。今、夫々のマーカー2
をA,B,Cとする。各マーカー2は、ケーブルによっ
てスキャン手段4に接続される。複数のマーカー2の位
置を弁別するため、スキャン手段4はマーカー2の発光
をスキャン制御し、同一時間には、一つのマーカー2し
か発光していない様にする。本実施例では、スキャン手
段4は10ms毎に各マーカー2のLEDをA,B,C
と順番に発光させる。LEDを発光させるスキャン信号
は、位置表示マーカーの位置解析手段7にも渡される。
したがって、この位置表示マーカーの位置解析手段7で
は、どのマーカー2のLEDが今発光しているかを知る
ことができる。
【0020】同一平面内に無い4個以上のフォトダイオ
ードを用いた光検出手段3によって各マーカー2の発す
る光を検出する。この光検出手段3には、フォトダイオ
ードの他にフォトマルあるいは光電導セルを用いること
もできる。今、LEDに赤色の光を発するものを使用し
た場合、光検出手段3には赤色のフィルタを装着して、
外光の影響を消すことができる。他の色についても同様
である。フォトダイオードは、光の強度に応じて電流が
変化するため、電流を測ることで光強度を知ることがで
きる。また、フォトダイオードは、数ms以下の時間分
解能で光を検出できる。例えば、代表的なフォトダイオ
ードの出力特性は10-4lux・sec〜5×10-2
ux・secの露光量に対してリニアな特性を持ってい
る。このため、飽和する最大の露光量に対して500分
の1の照度分解能を持っている。したがって、検出する
光の強度を8bit以上の精度で電流信号に変換でき
る。
【0021】電流信号は、アンプ6によって増幅し光強
度信号として、位置表示マーカーの位置解析手段7へ出
力する。
【0022】4つの検出器3を夫々a,b,c,dと
し、夫々の検出器3の出力信号と、LEDを発光させる
スキャン信号とを共に表わしたものが図2である。位置
表示マーカーの位置解析手段7は、夫々の光検出手段3
により検出された光の強度の比をもとに、各マーカー2
の各光検出手段3に対する相対距離を演算する。今、A
のLEDが発光している時、検出器aの信号強度をIAa
とする。他の検出器b,c,dの信号強度を夫々IAb,I
Ac,IAdとする。
【0023】前述の様に位置表示マーカーの位置解析手
段7は、どのLEDが発光しているかを知ることができ
るため、各マーカー2毎に信号を弁別できる。各マーカ
ーは、大きさが数mm以下のLEDを使用する。
【0024】上記の手段によって指向性を無くし患者表
面の全方向にわたって均一の発光強度が得られれば、信
号強度は距離の2乗に反比例する。治療室内では、気温
や気圧が、場所によって大きく変動することが無いた
め、途中に障害物が無ければ可視光線が経路上で減衰す
ることは無い。
【0025】検出器aから、マーカーAまでの距離を任
意の単位でRAaとすると、他の検出器b,c,dとマー
カーAとの距離は各々
【数1】
【数2】
【数3】 として表わせる。
【0026】同様にして、他のマーカーB、Cについて
も、夫々の検出器3からの距離を任意の単位でRBa,RB
b,RBc,RBd,RCa,RCb,RCc,RCdとして計算すること
ができる。距離の測定精度は、検出信号の強度分解能
と、検出器3の設置位置によって異なる。
【0027】例えば、検出信号の最大強度を8bit
(10進数で255)で正規化した場合、約0.4%ま
での変化を検出できる。この場合、位置の検出精度は約
0.6%であり、マーカー2と検出器3との距離を1m
程度と仮定すると約6mmの精度となる。尚、検出信号
の分解能を例えば16bit(10進数で65535)
に向上させ、さらにダイナミックレンジの大きな検出器
を用いれば位置の検出精度はより向上する。
【0028】また、マーカー2に対し検出器3をさらに
近くに設置できればこの精度はさらに向上する。このよ
うにして、3つのマーカー2と4つの検出器3との相対
距離は夫々任意の単位で、RAa,RAb,RAc,RAd,RBa,R
Bb,RBc,RBd,RCa,RCb,RCc,RCdとして得られる。こ
うして得られた相対距離データは、位置解析手段8に渡
される。
【0029】位置解析手段8には、4つの検出器3の治
療室座標系における位置座標データと、各マーカー2に
対する病巣位置の座標データを、予め前記の位置データ
(検出器3の位置座標データと病巣位置の座標データ)
を校正して、記憶しておく。
【0030】4つの検出器3は、全てが同一平面上に無
いという条件を満たすならば一般に任意の位置に設置す
ることができるので、図3の様に治療室内のa,b,
c,dの4箇所に検出器3を設置する。この時、検出器
3の位置座標は、a(0,0,0),b(X0,0,0),c(0,Y
0,0),d(0,0,Z0)で、これらは治療室内の壁や柱に
固定する。
【0031】マーカーAの位置座標をA(XA,YA,ZA),
マーカーBの位置座標をB(XB,YB,ZB),マーカーCの
位置座標をC(XC,YC,ZC)とすると、以下の関係式が得
られる。
【数4】
【数5】
【数6】
【数7】
【数8】
【数9】
【数10】
【数11】
【数12】
【0032】これらの9つの関係式から、各マーカー2
の位置座標の9つの未知数を決定することができる。
今、マーカーAのみに注目して、
【数13】 とおくと、既知の定数を以下のように置き換えることが
できる。
【数14】
【数15】
【数16】
【数17】
【数18】
【数19】
【0033】このように定義するとマーカーAの位置座
標は以下の様に表現できる。
【数20】
【数21】
【数22】
【0034】これら(13)(20)(21)(22)
によって得られるDAに対する二次方程式をとけばマー
カーAの位置座標は決定することができる。同様にして
マーカーB,マーカーCの位置座標も決定できる。
【0035】図4のように検出器3をガントリ10に取
り付けた場合には、検出器3の位置がガントリ角度に応
じて変化する。この場合には検出器3のガントリ10に
対する取り付け位置のデータ(ガントリ回転軸を基準に
したガントリ座標系に対する位置座標データ)と、ガン
トリ10の回転軸の治療室の座標系における方程式およ
びガントリ角度データがあれば、座標の回転移動と平行
移動によって各マーカー2の位置は演算できる。
【0036】今、ガントリの回転軸がX軸に平行で、そ
のY座標がYg,Z座標がZgであるとする。検出器3
が、ガントリとともにθだけ回転した場合、回転前の検
出器3の位置を(x,y,z)とすると、回転後の検出
器3位置は、 〔x,{(y-Yg)・cosθ-(z-Zg)・sinθ+Yg},
{(z-Zg)・cosθ+(y-Yg)・sinθ+Zg}〕 となる。検出器の位置をこのように変換することによっ
てマーカーの位置を演算することができる。このように
検出器3をガントリ等の照射装置10に取り付けた場合
には、演算の手順は増えるが、検出器3を患者1近くに
設置できるため、精度を向上させる事ができる。また、
照射装置10の動きによって検出器3が隠れる心配が無
い。
【0037】照射装置10が動いても位置検出ができる
為の他の方法としては、図5のように検出器3をe〜i
の5個以上設置する方法がある。この場合には、照射装
置10が動いても必ず前記a〜iまでの検出器3のうち
の最低限4つの検出器はマーカー2の光を検出できる様
に設置しなければならない。この時の解析方法として
は、信号強度の大きい検出器から順に、上位4つの検出
器を選んで、マーカーの位置を演算する方法がある。
【0038】例えば、a〜iまでの5個の検出器3を用
いた場合、マーカーの一つが発光している時、前記5個
の検出器3の信号強度を比較する。今、信号強度の最大
の検出器をαとしその強度をIα,2番目に信号強度の
大きい検出器をβとしその強度をIβ,3番目をγとし
その強度をIγ,4番目をδとしその強度をIδ,最も
信号強度の小さい検出器をεとしその強度をIεとす
る。必ず最低限4つの検出器3はマーカーの光を検出で
きる様に設置しているため、Iα,Iβ,Iγ,Iδは
0ではない。
【0039】検出器が4つあればマーカーの位置を特定
できるため、εを除く4つの検出器の信号をIαで除算
すると、各検出器の信号は、 1=(Iα/Iα)>(Iβ/Iα)>(Iγ/Iα)>
(Iδ/Iα)>0 (23)となる。αと今発光しているマーカーとの距離
を基準に、各検出器のマーカーとの距離を計算し、マー
カーの位置を演算する方法は上述の通りである。
【0040】位置解析手段8は、このようにして各マー
カー2の位置を、検出器3の位置座標データと位置表示
マーカーの位置解析手段7から得た相対距離データから
決定する。
【0041】各マーカー2の位置が確定すれば、診断時
に得られた各マーカー2と病巣部中心との位置関係のデ
ータから病巣部中心位置を推定することができる。この
推定された病巣中心位置を基に、治療装置制御手段9
は、前記病巣部の位置と照射装置10から照射される放
射線のアイソセンタとが一致するように治療装置を制御
するためのものである。
【0042】この治療装置制御手段9には、照射装置1
0の位置座標データと治療台11の位置座標データを用
意しておく。以下、図6を用いて治療装置制御の例を示
す。
【0043】図6において、治療装置制御手段9には、
患者1を載せた治療台11を駆動制御する治療台制御手
段13と、放射線を照射するためのガントリや照射ヘッ
ド等の照射装置10を駆動制御する照射装置制御手段1
2がある。図6の例は、照射装置10の位置を固定して
治療台11の位置を制御する例である。
【0044】上述の様に、本システムは患者1を治療台
11に載せるだけで、病巣部位置の治療室における位置
を推定できる。放射線を照射するためには、通常アイソ
センタに病巣部5を合わせる。アイソセンタの位置は、
治療装置毎に決まっているので、治療装置制御手段9に
はアイソセンタの治療室における位置を持たせることが
できる。
【0045】今、アイソセンタの座標を(XI,YI,
ZI)とし、演算によって求めた病巣の位置を(x,
y,z)とする。治療台の前方向をX正方向,右方向を
Y正方向,上方向をZ正方向とすると、治療台の前後方
向の移動量はXI−x,左右方向の移動量はYI−y,
上下方向の移動量はZI−zとなる。
【0046】このように、治療台制御手段13は、リア
ルタイムでアイソセンタの位置と病巣部5の位置を比較
し、治療台11の前後、左右または、上下等の位置を制
御し、病巣部位置をアイソセンタに位置合わせする。ま
た、この位置設定制御は治療中常に行なわれ、患者1が
動いた場合にも、病巣部5がアイソセンタからずれない
ように動作する。
【0047】治療台の位置設定制御には0.1〜0.5
mm程度の精度が要求される。この高精度の位置制御を
実現するための治療台11には、公知のラックとギアの
組み合わせ、あるいはボールねじによる駆動機構が適用
できる。この場合、治療台11の位置を検出するエンコ
ーダは、通常はモータに取り付けるが、このような高精
度の位置制御のためには、位置を検出するエンコーダと
患者を載置する治療台天板との間の誤差を少なくする必
要がある。
【0048】そのため、エンコーダを治療台天板に直接
取り付けることで、エンコーダと天板とのがたを0.1
mm以下に抑制する。したがって、治療台の最大ストロ
ークを1000mmとすると、16bitのエンコーダ
を用いればその出力パルスは65535となり、位置の
分解能を0.015mm/pulseとすることがで
き、目標とする位置制御は可能となる。図7の例は、治
療台11の位置を固定し、照射装置制御手段12により
病巣位置に応じて照射装置10の位置を制御する例であ
る。上述のように放射線を照射するためには、通常アイ
ソセンタに病巣部を合わせるが、病巣部5の位置が知ら
れていれば、病巣部5と上記アイソセンタが常に一致す
るように照射装置10の位置制御を行ない、照射方向を
可変して放射線を病巣部5に追尾させる事ができる。
【0049】照射装置10には、照射野を限定するコリ
メータ14が装備されているが、このコリメータ14に
よって照射方向を変えることが可能である。コリメータ
14の方向は、照射装置制御手段12によって制御され
る。
【0050】コリメータ14の中心線は、照射装置毎に
決まっているので、病巣位置とコリメータ14の中心線
とのずれは、上述した位置解析手段8によって演算によ
り求めることができ、この演算結果を用いて照射装置制
御手段12により照射装置の位置を制御することができ
る。例えば病巣部がコリメータの中心軸に対して右方向
にあるときは、コリメータ14の右方向のブロックを開
き、左方向のブロックを閉じる様にする。
【0051】病巣がコリメータの中心軸に対して前方向
にあるときは、コリメータ14の前方向のブロックを開
き、後ろ方向のブロックを閉じる様にする。この様にコ
リメータ14を制御することによって、病巣部位置とコ
リメータ14の中心線とのずれをコリメータ14の方向
によって補正できる。なお、図7の例ではコリメータ1
4の方向を制御するようにしたが、このコリメータ14
の方向を固定し、照射装置の照射ヘッドやガントリ10
そのものを制御しても良い。
【0052】また、図6及び図7では照射装置若しくは
治療台のいずれか一方を固定し、固定されない他の一方
を駆動制御するようにしたが、これに限定するものでは
なく照射装置及び治療台の両方を制御しても良く、より
位置制御の自由度が増え、高精度の位置決めが可能とな
る。
【0053】
【発明の効果】本発明によれば,診断装置によって特定
した病巣部に相当する体表面に表示した3個以上の複数
のマーカーの位置をリアルタイムで検出し、このマーカ
ーの位置から、病巣部位置を推定し、放射線のアイソセ
ンタの中心と前記病巣部との位置ずれを求めてこの位置
ずれが所定値になるように、ガントリ,治療台,コリメ
ータ等の位置を制御することにより、病巣位置を照射野
内に位置づけ、安全で最適な放射線の照射ができる。
【0054】これによって、患者の移動や体位が変化し
ても病巣部と放射線のアイソセンタとのずれをリアルタ
イムに補正できるので、病巣部に正確に放射線を照射す
ることができ、期待される治療効果が得られ、正常組織
に対して余分な被曝を与えることがなくなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】発明の実施形態の実施例図。
【図2】位置表示マーカーとこのマーカーの位置検出手
段の動作説明図。
【図3】位置表示マーカーとこのマーカーの位置検出手
段の位置座標。
【図4】位置表示マーカーの位置検出手段を照射装置の
ガントリに取り付けた本発明の他の実施例図。
【図5】照射装置が動いた場合の位置表示マーカーとこ
の位置表示マーカーの位置検出手段との関係図。
【図6】照射装置の位置を固定して治療台の位置を制御
する実施例図。
【図7】治療台の位置を固定して照射装置の位置を制御
する実施例図。
【符号の説明】
1 患者 2 位置表示マーカー 3 位置表示マーカーの位置検出器 4 位置表示マーカーのスキャン手段 5 病巣部 7 位置表示マーカーの位置解析手段 8 位置解析手段 9 治療装置制御手段 10 照射装置(ガントリ) 11 治療台 12 照射装置制御手段 13 治療台制御手段 14 コリメータ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被治療体の体表面にこの被治療体の病巣
    部を表示する位置表示マーカーを設け、この位置表示マ
    ーカーを参照して前記被治療体に放射線を照射して治療
    を行う放射線治療装置において、前記放射線治療装置が
    設置されている治療室内における前記病巣部位置表示マ
    ーカーに対する病巣部の位置座標データと、前記位置表
    示マーカーの位置座標を検出する位置表示マーカーの位
    置座標検出手段と、この位置表示マーカーの位置座標検
    出手段の位置座標データと、放射線を照射する照射装置
    の位置座標データと、被治療体を載置する治療台の位置
    座標データと、前記位置表示マーカーの位置座標検出手
    段の出力と前記位置表示マーカーの位置座標検出手段の
    位置座標データとから前記位置表示マーカーの位置座標
    を演算する位置表示マーカーの位置座標演算手段とを具
    備し、前記病巣部の位置座標データと前記照射装置の位
    置座標データと前記治療台の位置座標データと前記位置
    表示マーカーの位置座標データとから前記照射装置から
    照射される放射線のアイソセンタを前記被治療体の病巣
    部に一致するための前記照射装置と治療台の両方若しく
    はそれらのいずれか一方と位置表示マーカーとの位置の
    ずれ量を求める位置ずれ量演算手段と、この位置ずれ量
    演算手段の出力を入力して前記位置ずれがなくなるよう
    に前記照射装置と治療台の両方若しくはそれらのいずれ
    か一方を制御する制御手段を具備して成る被治療体の病
    巣部の位置決め装置。
  2. 【請求項2】 上記位置表示マーカーは被治療体の体表
    面に設けた3個以上のマーカーから成り、この位置表示
    マーカーの位置検出手段は前記治療室内の同一平面内に
    無い4個以上の検出手段とから成ることを特徴とする請
    求項1に記載の被治療体の病巣部の位置決め装置。
  3. 【請求項3】 上記位置表示マーカーの位置座標検出手
    段は、上記照射装置の任意の位置に設けたことを特徴と
    する請求項1及び2に記載の被治療体の病巣部の位置決
    め装置。
  4. 【請求項4】 上記請求項1乃至3に記載の被治療体の
    病巣部の位置決め装置を用いたことを特徴とする放射線
    治療装置。
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