JP2617284B2 - 放射線治療装置の位置設定装置およびその装置を用いた放射線治療装置 - Google Patents

放射線治療装置の位置設定装置およびその装置を用いた放射線治療装置

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JP2617284B2
JP2617284B2 JP7132450A JP13245095A JP2617284B2 JP 2617284 B2 JP2617284 B2 JP 2617284B2 JP 7132450 A JP7132450 A JP 7132450A JP 13245095 A JP13245095 A JP 13245095A JP 2617284 B2 JP2617284 B2 JP 2617284B2
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英希 高橋
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放射線治療装置に関
し、特に、定位的放射線治療において治療計画で設定さ
れた標的を、正確にアイソセンターに一致させることが
可能な放射線治療装置の治療台に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の放射線治療装置は、マイクロトロ
ン、ライナック等の高エネルギー電子加速器により発生
させた高エネルギーX線ビームをがん等の患部に照射す
る、放射線治療が行われている。
【0003】従来の放射線治療装置では、腹部等の呼吸
性移動を伴う場所の患部に放射線治療を行う場合、ま
ず、X線コンピュータトモグラフィ装置(X線CT、X
線断層撮影装置)で測定、診断、および、高エネルギー
X線ビーム(以下、「放射線」と記す。)の照射標的と
して設定された位置に、放射線の照射位置をあわせるた
めに、患者の体表面の複数箇所に皮膚マークをつけ、こ
の皮膚マークに照射野の位置を示す光線が当たるように
治療台の位置、あるいは、患者の体位を決める。
【0004】次に、放射線治療装置は、放射線治療計画
で定められた照射野の放射線を定められた1方向あるい
は垂直・水平の2方向から照射することにより、治療を
行っている。
【0005】前述した従来の放射線治療では、放射線の
照射方向が1方向あるいは2方向であるため、患部に照
射するための放射線曝射により、正常な組織も被曝す
る。
【0006】近年、呼吸に伴う移動(呼吸性移動)のな
い頭部における放射線治療では、患部周囲のあらゆる立
体方向から、腫瘍(患部)の位置で集光するように放射線
を照射するという定位的放射線治療が、頭部の治療に適
用されだした。
【0007】この定位的放射線治療では、「Handb
ook of STEREOTAXY Using t
he CRW Apparatus:Malcolm
F.Pell、David G.T. Thomas:
Williams & Wilkins A WAVE
RLY COMPANY,Copyright199
4」に示されるように、まず、頭部専用の位置決め治具
で頭部を治療台に固定してX線CT装置で頭部のX線C
T画像を撮影し、放射線治療計画を立て、前記頭部専用
の位置決め治具座標系での腫瘍の位置を決定し、この位
置に放射線治療装置のアイソセンターを一致させた線
に、放射線治療装置で放射線治療を行っていた。
【0008】すなわち、頭部専用の位置決め治具で頭部
を治療台に固定した状態でX線CT画像を測定し、位置決
め治具の座標系での腫瘍位置を決定し、次に、放射線治
療装置の治療台上に患者の頭を位置決め治具で固定した
後、位置決め治具の座標系で表示された腫瘍位置をアイ
ソセンターに正確に一致させて治療が行われる。
【0009】前記定位的放射線治療は、正常組織である
腫瘍の周囲の組織の被曝量を抑制しつつ、治療部位の腫
瘍への放射線の照射量を大きく設定できるので、良好な
治療成績を挙げつつあり、頭部以外の他の部位、特に腹
部への適用が望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記従来
技術を検討した結果、以下の問題点を見いだした。
【0011】従来の定位的放射線治療は、放射線治療装
置の治療台に固定された患者の腫瘍の位置に、各方向か
ら照射した放射線を集光させるので、腫瘍の位置に正確
に放射線を照射する必要があり、このために、CT画像
を撮影した患者の体位を放射線治療装置の治療台上で正
確に再現する必要がある。
【0012】しかしながら、X線CT装置での撮影位置
を放射線治療装置で正確に再現するための頭部専用の位
置決め治具は、頭部に固定する構造であるため、骨格構
造が頭部と大きく異なる腹部には適用できない。
【0013】また、腹部は頭部と異なり呼吸性移動を行
っており、このため、腹部の表面の皮膚のみならず、肝
臓等の内臓の位置も移動するという問題があった。
【0014】前述した従来の放射線治療においては、腹
部の表面に皮膚マークを付け、その皮膚マークに放射線
治療装置の照射野を合わせることにより、放射線の照射
方向および照射位置を設定としても、定位的放射線治療
に要求される多方向からの皮膚マークの表示は困難であ
るという問題があった。
【0015】本発明の目的は、呼吸性移動をしている腹
部においても適用可能な位置決め可能な放射線治療装置
を提供することである。
【0016】本発明の他の目的は、呼吸性移動をする患
部の部分にのみ、放射線を照射可能な技術を提供するこ
とである。
【0017】本発明の前記ならびにその他の目的と新規
な特徴は、本明細書の記述及び添付図面によって明らか
になるであろう。
【0018】
【課題を解決するための手段】本願において開示される
発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、
下記のとおりである。
【0019】(1)断層画像をX線コンピュータトモグ
ラフィ装置で撮影した、複数の断層画像から算出した標
的位置に、予め定められた量の放射線を照射する放射線
治療装置の位置設定装置であって、被検者を固定台に固
定する固定手段と、該固定手段に少なくとも4個以上設
けられたX線吸収係数の大きい基準点と、被検者を固定
台に固定したままで患部および前記基準点を設けた範囲
の断層画像を撮影する撮影手段と、前記断層画像に撮影
された前記患部および前記基準点のX線CT座標系での
位置を予め定められた所定位置を原点とする3次元の座
標値を計算する位置座標計算手段と、前記放射線照射手
段から照射される放射線の少なくとも3個以上の投光手
段から投光される平行光が交叉する点として与えられる
アイソセンターと基準点とを一致させた位置設定手段
と、該位置設定手段により表示されたアイソセンターに
前記基準点を一致させたときの放射線治療装置における
治療台の天板の3次元座標値を基準点として検出する検
出手段と、前記断層画像から計算した前記基準点の座標
値と前記検出手段で検出した基準点の座標値を用いて断
層画像における座標値を放射線治療装置における座標値
に変換するための変換係数を計算する計算手段と、前記
計算された変換係数を用いて前記患部の断層画像におけ
る患部の位置の座標を放射線治療装置における患部の位
置の座標に変換する変換手段とを具備する。
【0020】(2)前記基準点は、タングステン、白
金、あるいは、鉄−ニッケル−クロム合金等のX線吸収
係数の大きい直径0.3mmから3.0mmの球体と、
該球体を不透明もしくは半透明面を有するX線を吸収し
ない支持・固定手段とから構成される。
【0021】(3)前記基準点は、タングステン、白
金、あるいは、鉄−ニッケル−クロム合金等のX線吸収
係数が大きく、外径が0.3mmから1.0mm、長さ
が5mmから50mmの少なくとも2本の線と、該2本
の線を支持・固定する半透明もしくは透明でない面を少
なくとも1面有する支持・固定手段とから構成される。
【0022】(4)断層画像をX線コンピュータトモグ
ラフィ装置で撮影した、複数の断層画像から算出した標
的位置に、予め定められた量の放射線を照射する放射線
治療装置であって、被検者を固定台に固定する固定手段
と、該固定手段に少なくとも4個以上設けられたX線吸
収係数の大きい基準点と、被検者を固定台に固定し、基
準点の断層画像を撮影すると共に、被検者の呼吸に同期
させて患部の断層画像を撮影する撮影手段と、前記断層
画像に撮影された前記患部および前記基準点の位置を予
め定められた所定位置を原点とする3次元の座標値を計
算する位置座標計算手段と、前記放射線照射手段から照
射される放射線のアイソセンターと少なくとも3個以上
の投光手段から投光される平行光が交叉する点とを一致
させた位置設定手段と、該位置設定手段を前記基準点に
一致させたときの放射線治療装置における天板の3次元
座標値を基準点位置として検出する検出手段と、前記断
層画像から計算した前記基準点の座標値と前記検出手段
で検出した基準点の座標値を用いて断層画像における座
標値を放射線治療装置における座標値に変換するための
変換係数を計算する計算手段と、前記計算された変換係
数を用いて前記患部の断層画像における患部の位置の座
標を放射線治療装置における患部の位置の座標に変換す
る変換手段と、前記変換手段が計算した座標値と断層画
像を撮影した被検者の呼吸の位相との関係をグラフ化す
るグラフ作成手段と、治療時の被検者の呼吸量を検出す
る呼吸量検出手段と、該呼吸量検出手段の出力値を所定
時間観測し、記憶する出力記憶手段と、前記検出時点に
ある呼吸量検出手段の出力値と記憶手段に記憶された呼
吸量検出手段の出力値を比較して被検者の呼吸の位相を
算出する位相算出手段と、該算出された位相値と前記グ
ラフ作成手段が作成したグラフとを比較し、患部の放射
線治療装置における座標値を算出する患部位置算出手段
と、該算出された座標値に放射線の照射野の中心部が位
置するように、固定台を移動させる移動制御手段とを具
備する。
【0023】ここで、本発明による放射線治療装置の座
標変換の原理を説明する。
【0024】X線断層撮影装置で撮影した複数枚の断層
画像における縦軸座標、横軸座標、および、各断層画像
のスライスの枚数番号の方向でそれぞれ定義された3次
元断層画像の座標系(α、β、γ)で、少なくとも4個
の基準点および放射線照射の標的である患部の位置座標
を表示し、放射線治療装置では被検者を載せた固定台を
前記放射線治療装置の天板に配置して天板を3軸方向に
動作させて基準点の位置を放射線の照射中心(アイソセ
ンター)に一致させた時に得られる天板位置の3軸方向
指示値をそれぞれ基準点の位置X、Y、Zで定義した放
射線治療装置の座標系(X、Y、Z)で、前記基準点の
位置座標を表示させるようにして、断層画像の座標系に
おける標的P0の座標値を放射線治療装置の座標系にお
ける座標値に変換する。
【0025】すなわち、少なくとも4個の基準点の断層
画像の座標系における座標値をP1(α1、β1
γ1)、P2(α2、β2、γ2)、P3(α3、β3
γ3)、P4(α4、β4、γ4)と、標的P0の座標を
(α0、β0、γ0)とし、一方、前記4個の基準点の放
射線治療装置の座標系における座標値をP1(X1
1、Z1)、P2(X2、Y2、Z2)、P3(X3
3、Z3)と、標的P0の座標を(X0、Y0、Z0)と
する。
【0026】また、放射線治療装置の座標系における断
層画像の座標系における原点座標を(Xa、Ya、Z
a)とすると、断層画像の座標系(α、β、γ)から放
射線治療装置の座標系(X、Y、Z)へ座標変換する変
換係数のマトリックスを[P]とすると、
【0027】
【数1】
【0028】ただし、
【0029】
【数2】
【0030】となる。4個の基準点の座標値をそれぞれ
数1に代入し、連立一次方程式を解くことにより、数2
のマトリックスの要素P11、P12、P13、P21、P22
23、P31、P32、P33、および、原点座標Xa、Y
a、Zaが求められる。
【0031】このようにして算出された変換係数のマト
リックスおよび原点座標を代入した数1に、たとえば、
断層画像の座標系(α、β、γ)における標的P0の座
標(α0、β0、γ0)を代入すれば、放射線治療装置の座
標系(X、Y、Z)における標的P0の座標(X0
0、Z0)が算出できる。
【0032】
【作用】前述した(1)、(2)、(3)の手段によれ
ば、固定手段が被検者を固定した固定台に、少なくとも
4個以上設けられたX線吸収係数の大きい基準点を取付
けて断層画像を撮影すると、断層画像には患部および基
準点が撮影される。
【0033】一方、前記固定台を被検者および基準点を
固定し、取付けたままで放射線治療装置に配置し、放射
線照射手段から照射される放射線のアイソセンターと、
少なくとも2個以上の投光手段から投光される平行光が
交叉する点とを一致させた位置設定手段から投光される
平行光が前記基準点で交叉するようにして、その時の放
射線治療装置における座標値を基準点の座標とする。
【0034】こうして、全ての基準点座標を調べる。
【0035】得られた基準点の放射線治療装置における
座標値と、断層画像から得られた基準点の座標値とか
ら、計算手段に変換係数を計算させることにより、断層
画像における座標値で表わされた標的の座標値から、容
易に放射線治療装置における標的の座標値を算出するこ
とができるので、標的の位置を放射線の照射位置に合わ
せるための設定を容易に行うことができる。
【0036】また、標的の位置が放射線治療装置におけ
る座標位置で表示できるので、標的の位置を放射線の照
射位置に高精度で合わせるための位置制御が容易に行う
ことができる。
【0037】前述した(4)の手段によれば、撮影手段
は被検者の呼吸に同期させて断層画像を撮影することに
より、被検者の呼吸に伴い移動する患部が撮影できる。
【0038】このとき、被検者の呼吸に伴い移動する患
部が描く軌跡は、被検者の呼吸が安定している場合に
は、呼吸の周期に合わせて移動し、通常、1呼吸を1周
期と考えると、1呼吸(1周期)で患部は元の位置に戻
ることになる。
【0039】このため、1周期の特定の瞬間を示すため
に被検者の呼吸の位相を用いると、前記撮影手段が撮影
した断層画像から、所定の位相における患部の位置が特
定できるので、まず、位置座標計算手段に所定の位相に
おける患部の位置の座標値を計算させる。
【0040】次に、基準点の測定により算出された変換
係数を用いて、計算手段に前記患部の断層画像における
位置の座標値を、放射線治療装置における位置の座標値
に変換させる。
【0041】この座標値と被検者の呼吸の位相との関係
を示すグラフを、グラフ作成手段によりグラフ化させ、
この結果を記憶させておくことにより、任意の移動が入
力された場合でも即座に放射線治療装置における座標値
を算出することができる。
【0042】一方、被検者の呼吸量を検出するための呼
吸量検出手段は現在の呼吸量の変化を検出し、出力して
いるので、たとえば、治療開始直前の呼吸量検出手段の
出力値を出力記憶手段で少なくとも1周期分記憶してお
き、治療時には、出力記憶手段に記憶されている呼吸量
検出手段の出力値と、検出時点にある呼吸量検出手段の
出力値とを位相算出手段で比較することにより、検出時
点の位相値を算出する。
【0043】次に、この算出された位相値と前記グラフ
作成手段が作成したグラフとを比較することにより、呼
吸量検出手段が被検者の呼吸量を検出した時点での放射
線治療装置における患部の位置の座標値を算出できる。
【0044】この算出した座標値を固定台を移動させる
移動制御手段に入力すると、放射線治療装置から照射さ
れる放射線の照射野の中心部(アイソセンター)が被検
者の患部に位置する。
【0045】
【実施例】以下、本発明について、実施例とともに図面
を参照して詳細に説明する。
【0046】なお、実施例を説明するための全図におい
て、同一機能を有するものは同一符号を付け、その繰り
返しの説明は省略する。
【0047】図1は、本発明の放射線治療装置の一実施
例の概略構成を示すブロック図であり、101は治療用
ガントリ、102は照射ヘッド、104は位置決め治
具、105は治療台、106はマイクロトロン本体、1
07は制御装置、108は操作卓である。
【0048】図2は、治療台105の部分を拡大した拡
大図であり、201は被検者、202はレーザ光源(位
置設定手段)、203〜206は基準点P1〜P4、2
07は固定ベルト(固定手段)、208は固定マット、
209は固定台、210は(天板)Z方向移動台、211
はX方向移動台、212はY方向移動台、213は昇降
装置、214は治療台支持台、215はターンテーブ
ル、216は基準点固定治具、217は頭部固定治具で
ある。
【0049】図1および図2において、治療用ガントリ
101は、図示しないX線管で発生させたX線を所定の
照射野で照射させる照射ヘッド102と、照射したX線
の位置を検出するためのX線ビーム位置モニタ103と
を有している。
【0050】位置決め治具104は固定台209、基準
点P1〜P4(203〜206)、固定ベルト207、
および、固定マット208からなり、被検者201の体
位が動かないように固定する。
【0051】治療台105は、X方向移動台210、Z
方向移動台211、Y方向移動台212、昇降装置21
3、治療台支持台214、および、ターンテーブル21
5からなり、位置決め治具104を互いに直交するX
軸、Y軸、Z軸方向に3次元で移動させる。
【0052】マイクロトロン本体106は、内部機構の
開示を略したが高エネルギー電子ビーム発生器である。
【0053】制御装置107は、操作卓108から入力
されるオペレータの支持に基づき、治療用ガントリ10
1および治療台105の移動と、マイクロトロン本体1
06の制御とを行う。
【0054】操作卓108は、オペレータの支持の入力
装置であると共に、入力されたデータに基づく演算処理
と、治療用ガントリ101および治療台105に設置さ
れたロータリエンコーダ(検出手段)からなる図示しな
い位置センサからの信号に基づく治療用ガントリ101
および治療台105の位置の表示と、現在のX線の照射
量等とを表示する。
【0055】ターンテーブル215は、図示しないステ
ッピングモータを動力源とする周知の駆動装置により、
図示しない円形のガイドレールに沿って左および右周り
の回転を行い、治療台支持台214からなる治療台10
5および被検者201を左もしくは右周りに回転する。
【0056】Z方向移動台210およびX方向移動台2
11は、図示しないステッピングモータを動力源とする
周知の駆動装置により、図示しない直線のガイドレール
に沿って、図示するX軸、Z軸方向にそれぞれ移動す
る。
【0057】Y方向移動台212は、図示しない周知の
油圧シリンダーを動力源として昇降装置213を駆動す
ることにより、X方向移動台210、Z方向移動台21
1、および、固定台209に固定される被検者201を
図示するY軸方向に移動させる。
【0058】固定台209は、本発明の放射線治療装置
の治療台105に着脱可能であると共に、図示しないX
線コンピュータトモグラフィ装置(X線CT装置、撮影
手段)の天板として使用でき、本実施例においては、治
療台105のZ方向移動台211に装着した実施例を示
す。
【0059】また、固定台209には、周知の固定マッ
ト208でロール巻きにした被検者201を固定台20
9に固定するための固定ベルト207と、着脱可能な基
準点P1〜P4(203〜206)を設置・固定するた
めの図示しない固定孔が設けられている。
【0060】固定ベルト207は、ナイロン繊維等の合
成樹脂からできているが、X線を透過させると共に、固
定台209の移動の際に発生する荷重に耐えられる材質
のものならば使用可能であることはいうまでもない。
【0061】P1〜P4の4個の基準点203〜206
の内、基準点P1(203)と基準点P2(204)と
は図2を正面から見て、被検者201の手前側(以下、
「右側面」とする。)に、基準点P4(206)は被検
者201の向こう側(以下、「左側面」とする。)にそ
れぞれ図示しない固定孔で固定台209に固定される。
【0062】一方、基準点P3(205)は、基準点P
1(203)に取付けた基準点固定治具216を介し
て、固定台209に固定される。
【0063】なお、前述する基準点P1〜P4(203
〜206)と、3個のレーザ光源202との間に遮光物
がないように、基準点P1〜P4(203〜206)を
設置することは言うまでもない。
【0064】周知の固定マット208は、内部にプラス
チックの小球が詰められた気密なプラスチックバッグ、
図示しない排気用チューブ、および、図示しない真空ポ
ンプより構成されており、プラスチックバッグの内部気
圧が大気圧の場合はサンドバッグのように任意の形状に
変形でき、一方、図示しない真空ポンプを動作させ、内
部気圧を10torr以下にした場合は硬化し、その時
の形状が保存される。
【0065】このため、被検者201を固定マット20
8でロール巻きし、図示しない真空ポンプを動作させ、
プラスチックバッグの内部気圧を10torr以下にす
ることにより、被検者201の体位を固定できる。
【0066】さらに、被検者201の頭は、周知の頭部
固定治具217により固定される。
【0067】なお、本実施例においては、被検者201
の右側面に基準点P1〜P3(203〜205)が、左
側面に基準点P4(206)が配置される実施例を示し
たが、少なくとも4個の基準点P1〜P4(203〜2
06)は3次元座標が相異なり、かつ、いずれの3点も
同一直線上でない任意の位置にそれぞれ配置しても良い
ことは言うまでもない。
【0068】少なくとも2台の可視光であるレーザ光源
ビームを投光するレーザ光源202は、光軸が平行とな
らないように設置されると共に、投光されたレーザ光源
ビームの交点として、放射線治療装置の照射の中心位置
であるアイソセンターと一致するように設定されてい
る。
【0069】このため、X方向移動台210とZ方向移
動台211の図示しない駆動装置、および、Y方向移動
台212の昇降装置213を動作させ、まず、2台のレ
ーザ光源202から投光されるレーザ光源ビームが基準
点P1(203)で上で交差するように移動させ、X方
向移動台210、Z方向移動台211、および、Y方向
移動台212のそれぞれに設置されたロータリーエンコ
ーダからなる図示しない位置センサの位置指示値を読み
取ることにより、基準点P1(203)の治療台座標系
座標値が検出できる。
【0070】前述する手順を他の基準点P2〜P4(2
04〜206)に繰り返すことにより、基準点P2〜P
4(204〜206)の位置がそれぞれ治療台座標系座
標値として検出できる。
【0071】図3は、制御装置107の概略構成を示す
ブロック図であり、301はデータ入力および治療台位
置計算部、302はデータ入力手段1、303はデータ
入力手段2、304は位置計算手段、305はデータ出
力手段、306はデータ表示手段1、307はデータ表
示手段2、308はデータ表示手段3、309は数値デ
ータ入力手段、310はデータ出力装置、311は治療
台移動手動操作手段、321は治療台位置制御部、32
2はX方向治療台位置制御手段、323はY方向治療台
位置制御手段、324はZ方向治療台位置制御手段、3
31は治療台駆動部、332はX方向治療台駆動部、3
33はY方向治療台駆動部、334はZ方向治療台駆動
部、341はX方向エンコーダ、342はY方向エンコ
ーダ、343はZ方向エンコーダ、351は治療計画装
置(位置座標計算手段)、352はデータ記憶装置であ
る。
【0072】図3において、データ入力および治療台位
置計算部301のデータ入力手段1(302)には、治
療計画装置351、光ディスクあるいはフロッピーディ
スク等をデータ記憶媒体とするデータ記憶装置352、
もしくは、数値をオペレータが手入力する数値データ入
力手段309のいずれかを用いて、基準点P1〜P4
(203〜206)および図示しない標的(患部)P0
のX線CT装置で撮影した断層画像における座標系で表
わした座標値が入力される。
【0073】データ表示手段1(306)は、データ入
力手段1(302)に入力された座標値を表示する。
【0074】データ入力手段2(303)には、X方向
エンコーダ341、Y方向エンコーダ342、Z方向エ
ンコーダ343により検出される、あるいは、数値デー
タ入力手段309から手入力されるX軸、Y軸、Z軸方
向の座標値が入力される。
【0075】データ表示手段2(307)は、データ入
力手段2(203)に入力された座標値を表示する。
【0076】位置計算手段304(変換手段、計算手
段)は、前述する座標値の変換原理に示す手順により、
変換変数を計算すると共に、図示しない標的P0の断層
画像における座標値を放射線治療装置における座標系
(以下、「治療台座標系」と記す。)で表わした座標値
に変換する。
【0077】データ出力手段305は、計算手段304
が計算した標的P0の治療台座標系における座標値を、
治療台位置制御部321に出力する。
【0078】データ表示手段3(308)は、計算手段
304が計算した標的P0の治療台座標系における座標
値を表示する。
【0079】データ出力装置310は、データ入力手段
1(302)に入力された座標値、データ入力手段2
(203)に入力された座標値、および、計算手段30
4が計算した標的P0の治療台座標系における座標値に
入力された座標値(3次元の位置座標を表わすデータ)
を、数値表として一括して出力する。
【0080】治療台移動手動操作手段311は、手動で
治療台105をアイソセンターに合わせるときに、治療
台105の移動量を直接入力することにより治療台10
5が移動する。
【0081】治療台位置制御部321は、X軸方向治療
台駆動部332を制御し、X方向移動台211をデータ
出力手段305に指示された位置にまで移動させるX軸
方向治療台位置制御手段322と、Y軸方向治療台駆動
部333を制御し、Y方向移動台212をデータ出力手
段305に指示された位置にまで移動させるY軸方向治
療台位置制御手段323と、Z軸方向治療台駆動部33
4を制御し、Z方向移動台210をデータ出力手段30
5に指示された位置にまで移動させるZ軸方向治療台位
置制御手段324とからなる。
【0082】X軸方向エンコーダ341、Y軸方向エン
コーダ342、Z軸方向エンコーダ343は、それぞれ
X方向移動台211、Y方向移動台212、Z方向移動
台210の座標値を検出し、データ入力手段2(30
3)に出力する。
【0083】図4は、基準点P1〜P4(203〜20
6)の概略構成を示す図であり、401は投影板、40
2は金属球、403は支持具、411および412は2
つのレーザ光源202から投光されたレーザ光源ビーム
である。
【0084】投影板401は、基準面である紙面垂直方
向から見て上側のEE’面を光学的な乱反射をする面と
することにより、この面に投光されたレーザ光源ビーム
411,412の入射位置が写し出されるようにしてい
る。
【0085】金属球402は、投影板401のEE’面
側の中心に取付けられている。
【0086】さらには、タングステン、白金、あるい
は、鉄−ニッケル−クロム合金等のX線吸収係数の大き
な材料等の金属材料からなり、その直径は0.3mmか
ら3.0mmの範囲にある金属球体であり、X線断層画
像に撮影される最小の大きさを有する。
【0087】支持具403は、たとえば、アクリル樹
脂、塩化ビニル、ポリカーボネート等のプラスチック材
料・高分子樹脂、あるいは、木材に代表されるX線を透
過すると共に、機械的破壊に対する強度が強い材料で構
成することにより、X線断層画像の撮影および放射線治
療装置における治療に支障をきたさないようにする。
【0088】図4において、垂直、水平の2方向から投
光されたレーザ光源ビーム411,412の交点とし
て、放射線治療装置のアイソセンターが表示された空間
に基準点P1〜P4(203〜206)を順番に配置す
れば、乱反射面EE’にレーザ光源ビームの入射位置が
2点のスポット光として写し出されるので、2点のスポ
ット光が1点になる位置がレーザ光源ビーム411,4
12の交点即アイソセンターであり、この位置に金属球
35の位置を一致させることにより、基準点P1〜P4
(203〜206)をアイソセンターに合わせることが
できる。
【0089】なお、アイソセンターを表示するレーザ光
源ビーム411,412の投光角度として垂直、水平の
2方向の実施例を示したが、任意の2方向より投光して
も良いことは言うまでもない。
【0090】図5は、データ入力および治療台位置計算
部301の図示しない操作部の概略構成を示すブロック
図であり、X方向手動操作ボタン501,Y方向手動操
作ボタン502,Z方向手動操作ボタン503により治
療台105の対応するX軸方向治療台駆動部332、Y
軸方向治療台駆動部333、Z軸方向治療台駆動部33
4が操作され、治療台105を任意の位置に移動でき
る。
【0091】また、表示部504、505、506に
は、治療台のX、Y、Z軸方向エンコーダ341、34
2、343で検出された治療台105の現在位置の座標
値(X、Y、Z)が表示される。
【0092】命令ボタン507、508、509により
表示部504、505、506の表示データがデータ入
力の設定値として与えられて、設定データ表示部51
0、511、512によりX、Y、Z座標の設定データ
が表示される。
【0093】数値手入力開始キー513、数値設定キー
ボード514により数値データを手入力でき、数値設定
キーボード514に入力された数値データは表示選択ボ
タン515、516、517によりX、Y、Z座標のい
ずれかを選択することにより、設定値が設定データ表示
部510、511、512に表示される。
【0094】設定されたX、Y、Z座標の各データは、
基準点P1〜P4(203〜206)、標的P0の断層
画像の座標系の座標値をそ れぞれ設定する断層画像座
標系座標値設定ボタン518、519、520、52
1、522、あるいは、基準点P1〜P4(203〜2
06)の治療台の座標系における座標値をそれぞれ設定
する治療台座標系座標値設定ボタン523、524、5
25、526の中から設定データに対応する点のボタン
を選択して設定される。
【0095】前述するデータ入力が完了した後、計算開
始ボタン527により、標的P0の治療台の座標系にお
ける座標値が計算される。
【0096】断層画像座標系座標値設定ボタン518、
519、520、521、522、あるいは、治療台座
標系座標値設定ボタン523、524、525、526
および計算開始ボタン527の選択により、入力あるい
は計算された基準点P1〜P4(203〜206)、標
的P0の治療台の座標系における座標値データのいずれ
かの点の指定とデータ設定が行われ、断層画像における
座標値の表示を命令する断層画像座標値表示ボタン52
8、529、530、531、532、あるいは、治療
台の座標系における座標値の表示を命令する治療台座標
値表示ボタン533、534、535、536、537
により、設定データ表示部510、511、512に表
示される。
【0097】選択ボタン538、539、540、54
1、542により、治療台座標系座標値設定ボタン52
3、524、525、526にから入力された基準点P
1〜P4(203〜206)および計算開始ボタン52
7により計算された標的P0のいずれかを選択して、該
当する点の治療台の座標系における座標値に治療台10
5が移動するように命令され、該当する設定点がアイソ
センターに一致するように治療台105が動く。
【0098】なお、基準点P1〜 P4(203〜20
6)および標的P0の断層画像の座標系における座標値
のデータ入力は、以下に述べる方法で行っても良い。
【0099】治療計画装置選択ボタン543により、断
層画像の座標系における座標値のデータ入力先が治療計
画装置351に選択され、データ入力開始ボタン544
により治療計画装置351から数値設定キーボード51
4を介して、断層画像座標系座標値設定ボタン518、
519、520、521、522のそれぞれの設定値と
してデータ入力を開始することが命令される。
【0100】外部記憶装置ボタン545によりデータの
入力先が光ディスク、フロッピーディスク等の外部記憶
装置に選択され、入力開始ボタン546により光ディス
クあるいはフロッピーディスク等のデータ記憶装置35
2から数値設定キーボード514を介して、層画像座標
系座標値設定ボタン518、519、520、521、
522のそれぞれの設定値としてデータ入力を開始する
ことが命令される。
【0101】前述するデータ入力の終了の表示は、終了
表示ランプ547の点灯により通知される。
【0102】なお、前述するように入力あるいは計算さ
れた基準点P1〜P4(203〜206)、標的P0の
断層画像の座標系における座標値のデータや治療台の座
標系における座標値のデータは、データ出力命令ボタン
548を押すことにより、数表として一括出力できるの
で、データの検算、確認、記憶等ができる。
【0103】また、本発明による治療台移動制御装置の
操作部に、治療台105の床上回転の駆動装置操作部5
49を設置しても良いことは言うまでもない。
【0104】図6は、同一の断層画像面内に3個の基準
点が撮影されている場合の座標値の変換方法を説明する
ための図、図7はその断層画像を示す図であり、以下、
図6および図7に基づき、断層画像面内に3個の基準点
が撮影されている場合の座標値の算出手順を説明する。
【0105】図6において、面A BCD(601)は
一枚の断層画像面であり、この面ABCD(601)内
に、基準点P1〜P3(203〜205)が投影されて
いる。
【0106】断層画像の座標系を3次元の座標系(α,
β,γ)で表わすと、画面の縦軸α、横軸βおよび画面
スライスの枚数番号方向の座標γと定義することができ
る。
【0107】一方、図7において、701はX線断層撮
影装置画像、702は人体解剖図画像、703は基準点
P1(203)の画像、704は基準点P2(204)
の画像、705は基準点P3(205)の画像をそれぞ
れ示す。
【0108】このとき、断層画像における座標系におけ
る基準点P1(203)の画像703の座標は、画面の
縦軸座標値α、横軸座標値β、および、画像スライスの
枚数番号に対応したX線断層撮影装置の固定台209の
座標値γとして求められる。
【0109】特に、座標値γは、X線断層撮影装置に装
着された天板の位置検出器により求められる。
【0110】次に、図8に呼吸性移動に同期させて治療
台105を移動させるための制御装置107の動作フロ
ーチャートを、図9に呼吸性移動の周期と移動量の関係
を示す図を示し、以下、図8および図9に基づいて本発
明の放射線治療装置の動作を説明する。
【0111】図8に示すフローチャートの開始は、オペ
レータによる操作卓108からの放射線治療の開始であ
るが、開始を指示する前に、前述する座標値の変換原理
で説明した手順で、X線断層撮影装置で撮影された断層
画像に撮影されている標的P0の座標値を、放射線治療
装置の治療台105における座標値に変換するための変
換係数である数2および数1のXa、Ya、Zaを基準
点P1〜P4(203〜206)を使用し、算出してお
かなければならない。
【0112】まず、ステップ801でX線断層撮影装置
で撮影した呼吸同期画像を取得し、次のステップ802
に進む。
【0113】ステップ802では、ステップ801で取
得した呼吸同期画像から、予め定めた複数の位相、たと
えば、位相θ=θ1、θ2、θ3、θ4、θ5と定めた5位
相での断層画像の座標系における標的P0の座標値を求
め、次のステップ803に進む。
【0114】ステップ803では、基準点P1〜P4
(203〜206)をもとに算出した変換係数である数
2および数1のXa、Ya、Zaから、断層画像の座標
系における標的P0の座標値を、治療台105の座標系
における標的P0の座標値に変換し、次のステップ80
4に進む。
【0115】ステップ804では、ステップ803で変
換した治療台105の座標系における標的P0の座標値
と撮影時の位相θとから図9の(c)に示すような、位
相θと治療台105の座標系における標的P0の座標値
とのグラフを作成し、記憶した後、次のステップ805
に進む。
【0116】ステップ805では、周知の半導体ストレ
ンゲージ(呼吸量検出手段)による皮膚の伸び縮みの観
測から、たとえば、図9の(a)に示すように、所定の
時刻t1での呼吸信号となる半導体ストレンゲージによ
る皮膚の伸び縮み量V0を検出する。
【0117】ステップ806では、予め記憶したV0
位相θの関係のグラフ(図9(b))から、この伸び縮
み量V0に相当する位相θ1を算出し、次のステップ80
7に進む。
【0118】ステップ807では、ステップ806で算
出した位相θ1での標的P0の治療台の座標系における
座標値(X1、Y1、Z1)をステップ804で記憶した
グラフ図9(c)から求め、次のステップ808に進
む。
【0119】ステップ808では、標的P0の座標値を
データ出力手段304から治療第1制御部321に出力
することにより、治療台駆動部331を駆動し、治療台
105を算出した座標値(X1、Y1、Z1)まで移動さ
せる。
【0120】X軸方向エンコーダ341、Y軸方向エン
コーダ342、Z軸方向エンコーダ343が、座標値
(X1、Y1、Z1)まで治療台105が移動したことを
検出したならば、制御装置107はマイクロトロン本体
106に予め定められた量の放射線が放射される指示を
し、照射ヘッドから所定の照射野で標的P0に所定時
間、放射線を照射した後、再びステップ806に戻り、
次の時刻t2での位相θ2を求め、次のステップ807に
進む、と言う動作を繰り返すことにより、標的P0の呼
吸性移動に同期した放射線の照射が可能となる。
【0121】以上説明したように、まず、被検者201
が動かないように固定した固定台209に、少なくとも
4個以上のX線断層画像撮影装置で撮影される基準点P
1〜P4(203〜206)を設けて、患部(標的)P
0と共に撮影し、1枚毎では2次元画像である断層画像
に断層画像のスライス方向を加えた3次元座標系(α、
β、γ)における基準点P1〜P4(203〜206)
の座標値を算出する。
【0122】次に、固定台209をX線断層撮影をした
ままで放射線治療装置の治療台105に図示しない固定
具で固定し、少なくとも3台以上のレーザ光源202か
ら投光されるレーザ光源ビームの交点が、アイソセンタ
ーと一致するように予めセットされたレーザ光源ビーム
の交点に、基準点P1〜P4(203〜206)を順番
に合わせ、所定の点が原点とされる治療台105の座標
系(X、Y、Z)における基準点P1〜P4(203〜
206)の座標値をX軸方向ロータリーエンコーダ34
1、Y軸方向ロータリーエンコーダ342、Z軸方向ロ
ータリーエンコーダ343で検出する。
【0123】この基準点P1〜P4(203〜206)
の放射線治療装置の治療台105の座標系(X、Y、
Z)における座標値と、断層画像に断層画像のスライス
方向を加えた3次元座標系(α、β、γ)における座標
値とから、前述する変換原理で示す手順により、変換係
数(数2の[P]およびXa、Ya、Za)を計算す
る。
【0124】次に、被検者201呼吸の周期に同期させ
てX線断層撮影装置で撮影した断層画像から、位相毎の
断層画像における座標値を計算し、さらに、前記座標値
から放射線治療装置における座標値に、数1に今求めた
変換変数を代入し、ここに、断層画像における座標値を
代入することにより、位相毎の放射線治療装置における
座標値を計算し、この位相と座標値とからグラフを作成
する、すなわち、任意の位相における標的P0の座標値
を計算し、その結果を図示しない主記憶に記憶しておく
ことにより、任意の位相における標的P0の座標値が算
出できる。
【0125】ここで、周知の図示しない半導体ストレン
ゲージを被検者201の呼吸の検出手段とした場合、こ
の半導体ストレンゲージからの検出信号から位置計算手
段304は、まず、検出信号に対応する位相を計算し、
次に、この位相の値に対応する標的P0に位置座標を、
前記グラフから算出し、この算出した座標値を治療台位
置制御部321に出力し、、標的P0が算出された座標
位置になるように治療台を移動させることにより、標的
P0の位置をアイソセンターに合わせることができる。
【0126】前記動作を連続して行うことにより、標的
P0の位置を常にアイソセンターに合わせることができ
るので、標的P0にのみ放射線を照射することができ
る。
【0127】また、数1により、断層画像における座標
値を放射線治療装置における座標値に変換できるので、
放射線治療装置の座標値で照射位置等の設定および位置
決めが正確に行うことができる。
【0128】以上、本発明者によってなされた発明を、
前記実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は、前
記実施例に限定されるものではなく、その要旨を逸脱し
ない範囲において種々変更可能であることは勿論であ
る。
【0129】たとえば、基準点を図10に示すような構
成としてもよい。
【0130】図10において、1001は投影治具であ
り、光学的な乱反射をする面を少なくとも一面有してい
る。
【0131】図10の基準点では、EE’面はその面と
なり、このEE’面の中心には金属球402が取付けら
れている。
【0132】また、投影治具1001は、たとえば、ア
クリル樹脂、塩化ビニル、ポリカーボネート等のプラス
チック材料・高分子樹脂、あるいは、木材に代表される
X線を透過させると共に、機械的破壊に対する強度が強
い材料で構成することにより、X線断層画像の撮影、お
よび、放射線治療装置における治療に支障をきたさない
ようにする。
【0133】また、図11は基準点のその他の実施例
を、光学的な乱反射をする面の垂線方向から見た図であ
り、1101は金属素線であり、タングステン線、白金
線、鉄−ニッケル−クロム合金線、ニクロム線、スチー
ル線等のX線吸収係数の大きい金属材料からなり、太さ
の直径は、0.3mmから1.0mm、長さは5.0m
mから50.0mmの範囲にある。
【0134】投影板1102の正面に見えている面は光
学的な乱反射をする面EE’であり、 この面EE’
に、2本の金属素線1101が交差して配置される。
【0135】本実施例では2本の金属素線1101の交
点をLとしているので、断層画像を撮影する場合に、2
枚の断層画像FF’とGG’の中間に基準点L(交点)
が存在した場合であっても、断層画像FF’に撮影され
ているスポットH、I、および、断層画像GG’に撮影
されているスポットJ、Kを測定することにより、線分
JI、HKの交点Lとして、基準点の座標値が正確に求
められる。
【0136】
【発明の効果】本願において開示される発明のうち代表
的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、下
記のとおりである。
【0137】(1)天板に取付けた少なくとも4個以上
の基準点の放射線治療装置における座標値とX線断層画
像における座標値とから、X線断層画像における座標値
から放射線治療装置における座標値へ座標値を変換する
ことにより、放射線治療装置における座標値で患部(標
的)の位置が表示できるので、呼吸性移動をしている腹
部においても正確な位置決めができる。
【0138】(2)呼吸性移動をする患部(標的)の位
置を、呼吸の位相で計算し、呼吸性移動で移動した標的
の位置に放射線が照射されるように、被検者を固定した
天板を移動させることにより、標的の部分にのみ放射線
を照射できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線治療装置の一実施例の概略構成
を示すブロック図である。
【図2】図1に示す治療台の部分を拡大した図である。
【図3】制御装置の概略構成を示すブロック図である。
【図4】基準点の概略構成を示す図である。
【図5】データ入力および治療台位置計算部の操作部の
概略構成を示す図である。
【図6】同一断層画像面内に3個の基準点が撮影されて
いる場合の座標値の変換方法を説明するための図であ
る。
【図7】同一断層画像面内に3個の基準点が撮影されて
いる断層画像である。
【図8】呼吸性移動に同期させて治療台を移動させるた
めの制御装置の動作フローチャートを示す図である。
【図9】呼吸性移動の周期と移動量との関係を示す図で
ある。
【図10】他の実施例の基準点の概略構成を示す図であ
る。
【図11】他の実施例の基準点の概略構成を示す図であ
る。
【符号の説明】
101…治療用ガントリ、102…照射ヘッド、103
…X線ビーム位置モニタ、104…位置決め治具、10
5…治療台、106…マイクロトロン本体、107…制
御装置、108…操作卓、201…被検者、202…レ
ーザ光源、203〜206…基準点P1〜P4、207
…固定ベルト、208…固定マット、209…天板、2
10…X方向移動台、211…Z方向移動台、212…
Y方向移動台、213…昇降装置、214…治療台支持
台、215…ターンテーブル、216…基準点固定治
具、217…頭部固定治具、301…データ入力および
治療台位置計算部、302…データ入力手段1、303
…データ入力手段2、304…位置計算手段、305…
データ出力手段、306…データ表示手段1、307…
データ表示手段2、308…データ表示手段3、309
…数値データ入力手段、310…データ出力装置、31
1…治療台移動手動操作手段、321…治療台位置制御
部、322…X方向治療台位置制御手段、323…Y方
向治療台位置制御手段、324…Z方向治療台位置制御
手段、331…治療台駆動部、332…X方向治療台駆
動部、333…Y方向治療台駆動部、334…Z方向治
療台駆動部、341…X方向エンコーダ、342…Y方
向エンコーダ、343…Z方向エンコーダ、351…治
療計画装置、352…データ記憶装置、401…投影
板、402…金属球、403…支持具、411,412
…レーザ光源ビーム、501…X方向手動操作ボタン、
502…Y方向手動操作ボタン、503…Z方向手動操
作ボタン、504〜506…表示部、507〜509…
命令ボタン、510〜512設定データ表示部、513
…数値手入力開始キー、514…数値設定キーボード、
515〜517…表示選択ボタン、518〜522…談
像画像座標系座標値設定ボタン、523〜526…治療
台座標系座標値設定ボタン、527…計算開始ボタン、
528〜532…断層画像座標値表示ボタン、533〜
537…治療台座標値表示ボタン、538〜542…選
択ボタン、543…治療計画装置選択ボタン、544…
データ入力開始ボタン、601…面ABCD、701…
X線断層撮影装置、702…人体改造図画像、703…
基準点P1、704…基準点2、705…基準点P3、
1001…投影治具、1101…金属素線。

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 断層画像をX線コンピュータトモグラフ
    ィ装置で撮影した、複数の断層画像から算出した標的位
    置に、予め定められた量の放射線を照射する放射線治療
    装置の位置設定装置であって、 被検者を固定台に固定する固定手段と、該固定手段に少
    なくとも4個以上設けられたX線吸収係数の大きい基準
    点と、被検者を固定台に固定したままで患部および前記
    基準点を設けた範囲の断層画像を撮影する撮影手段と、
    前記断層画像に撮影された前記患部および前記基準点の
    X線CT座標系での位置を予め定められた所定位置を原
    点とする3次元の座標値を計算する位置座標計算手段
    と、前記放射線照射手段から照射される放射線の少なく
    とも3個以上の投光手段から投光される平行光が交叉す
    る点として与えられるアイソセンターと基準点とを一致
    させた位置設定手段と、該位置設定手段により表示され
    たアイソセンターに前記基準点を一致させたときの放射
    線治療装置における治療台の天板の3次元座標値を基準
    点として検出する検出手段と、前記断層画像から計算し
    た前記基準点の座標値と前記検出手段で検出した基準点
    の座標値を用いて断層画像における座標値を放射線治療
    装置における座標値に変換するための変換係数を計算す
    る計算手段と、前記計算された変換係数を用いて前記患
    部の断層画像における患部の位置の座標を放射線治療装
    置における患部の位置の座標に変換する変換手段とを具
    備することを特徴とする放射線治療装置の放射線照射位
    置設定装置。
  2. 【請求項2】 前記基準点は、タングステン、白金、あ
    るいは、鉄−ニッケル−クロム合金等のX線吸収係数の
    大きい直径0.3mmから3.0mmの球体と、該球体
    を不透明もしくは半透明面を有するX線を吸収しない支
    持・固定手段とから構成されることを特徴とする請求項
    1に記載の放射線治療装置の放射線照射位置設定装置。
  3. 【請求項3】 前記基準点は、タングステン、白金、あ
    るいは、鉄−ニッケル−クロム合金等のX線吸収係数が
    大きく、外径が0.3mmから1.0mm、長さが5m
    mから50mmの少なくとも2本の線と、該2本の線を
    支持・固定する半透明もしくは透明でない面を少なくと
    も1面有する支持・固定手段とから構成されることを特
    徴とする請求項1に記載の放射線治療装置の放射線照射
    位置設定装置。
  4. 【請求項4】 断層画像をX線コンピュータトモグラフ
    ィ装置で撮影した、複数の断層画像から算出した標的位
    置に、予め定められた量の放射線を照射する放射線治療
    装置であって、 被検者を固定台に固定する固定手段と、該固定手段に少
    なくとも4個以上設けられたX線吸収係数の大きい基準
    点と、被検者を固定台に固定し、基準点の断層画像を撮
    影すると共に、被検者の呼吸に同期させて患部の断層画
    像を撮影する撮影手段と、前記断層画像に撮影された前
    記患部および前記基準点の位置を予め定められた所定位
    置を原点とする3次元の座標値を計算する位置座標計算
    手段と、前記放射線照射手段から照射される放射線のア
    イソセンターと少なくとも3個以上の投光手段から投光
    される平行光が交叉する点とを一致させた位置設定手段
    と、該位置設定手段を前記基準点に一致させたときの放
    射線治療装置における天板の3次元座標値を基準点位置
    として検出する検出手段と、前記断層画像から計算した
    前記基準点の座標値と前記検出手段で検出した基準点の
    座標値を用いて断層画像における座標値を放射線治療装
    置における座標値に変換するための変換係数を計算する
    計算手段と、前記計算された変換係数を用いて前記患部
    の断層画像における患部の位置の座標を放射線治療装置
    における患部の位置の座標に変換する変換手段と、前記
    変換手段が計算した座標値と断層画像を撮影した被検者
    の呼吸の位相との関係をグラフ化するグラフ作成手段
    と、治療時の被検者の呼吸量を検出する呼吸量検出手段
    と、該呼吸量検出手段の出力値を所定時間観測し、記憶
    する出力記憶手段と、前記検出時点にある呼吸量検出手
    段の出力値と記憶手段に記憶された呼吸量検出手段の出
    力値を比較して被検者の呼吸の位相を算出する位相算出
    手段と、該算出された位相値と前記グラフ作成手段が作
    成したグラフとを比較し、患部の放射線治療装置におけ
    る座標値を算出する患部位置算出手段と、該算出された
    座標値に放射線の照射野の中心部が位置するように、固
    定台を移動させる移動制御手段とを具備することを特徴
    とする放射線治療装置。
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