JP4981966B2 - 放射線治療装置制御方法および放射線治療装置制御装置 - Google Patents

放射線治療装置制御方法および放射線治療装置制御装置 Download PDF

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Description

本発明は、放射線治療装置制御方法および放射線治療装置制御装置に関し、特に、人体内部の腫瘍患部を放射線治療(粒子線治療を含む)するときに利用される放射線治療装置制御方法および放射線治療装置制御装置に関する。
腫瘍患部に治療用放射線を曝射することにより患者を治療する放射線治療が知られている。その放射線治療を実行する放射線治療装置は、カウチと、そのカウチに横臥する患者のX線画像を撮像するイメージャシステムと、その患者に治療用放射線を曝射する治療用放射線照射装置とを備えている。その放射線治療装置は、事前に撮影された患者のCT画像と直前に撮影されたその患者のX線画像とに基づいてその患者の患部が所定の位置に配置されるようにそのカウチが位置調整された後に、その患部に治療用放射線を曝射する。その放射線治療では、その患者の患部をより高精度に所定の位置に配置することが望まれている。
特許第4159227号公報には、判別が難しい軟部組織中の照射ターゲットの位置を直接計測することにより、位置決め精度を向上させる患者位置ずれ計測装置が開示されている。その患者位置ずれ計測装置は、患者位置の目標位置からのずれ量を計測するための患者位置ずれ計測装置において、予め計算した患者位置ずれ量の予想範囲内における、画像上の画素の動きをベクトルで表したオプティカルフローを全て保存する保存手段と、実際のオプティカルフローを計測する計測手段と、前記保存手段に保存された保存オプティカルフローと実際に計測された計測オプティカルフローを比較して、患者の位置ずれ量を求めるマッチング手段と、を備えたことを特徴としている。
特許第3825384号公報には、放射線の照射対象を放射線照射範囲内に容易に位置決めすることのできる放射線治療装置が開示されている。その放射線治療装置は、放射線とレーザ光線とを同軸に出射する放射線発生装置と、前記放射線の中心軸が患者に入射する位置を示し照射対象に対する方位が設定された少なくとも3つの体表面マーキングと、前記放射線と前記レーザ光線が同軸に出射される照射軸が1点で交わるようにアイソセンタを中心に所定の距離の半径の軌道に沿って前記放射線発生装置を円弧移動させるガイドと、前記放射線発生装置の前記ガイドに沿う円弧移動の回転軸と前記アイソセンタにおいて交差する傾倒軸を中心に前記ガイドを回転させる支持部材と、前記放射線発生装置を前記ガイドに沿って移動する可動部材と、同可動部材を用いて設定された各方位から投影されるレーザ光線に対応する前記体表面マーキングが一致するように、患者を移動させるスライドボードと、前記アイソセンタとこの近傍に配置される前記放射線の照射対象とを含む範囲の透視画像の情報を検出する検出器と、前記検出器が複数の方位でそれぞれ検出した複数の前記透視画像の情報と前記アイソセンタに対して前記透視画像を検出した方位の情報とを基に前記アイソセンタの位置と前記照射対象の位置との相対位置関係を演算する解析装置と、前記相対位置関係を基に前記放射線発生装置を移動させる制御装置とを備えることを特徴としている。
特許第4310319号公報には、被検体の所定位置をより高精度に放射線治療装置の所定位置に合致させる放射線治療装置制御装置が開示されている。その放射線治療装置制御装置は、治療用放射線を放射する治療用放射線照射装置と、被検体を透過する放射線により前記被検体のイメージャ画像を生成するイメージャと、前記被検体が配置されるカウチを前記治療用放射線照射装置に対して移動する駆動装置とを備える放射線治療装置を制御する。その放射線治療装置制御装置は、前記イメージャにより撮像された透過画像に基づいて前記被検体の3次元データを生成する3次元データ作成部と、前記3次元データに基づいて2次元画像を作成する2次元画像作成部と、前記イメージャにより前記被検体の撮像イメージャ画像を撮像する透過画像撮像部と、前記被検体が備える特徴点が前記撮像イメージャ画像に映し出される位置と前記2次元画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置が適正かどうかを判別する患部位置制御部と、前記撮像イメージャ画像に基づいて参照イメージャ画像を作成する参照画像作成部とを具備し、前記患部位置制御部は、さらに、前記イメージャにより撮像された他の撮像イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置と前記参照イメージャ画像に前記特徴点が映し出される位置とに基づいて前記治療用放射線照射装置に対する前記カウチの相対位置が適正かどうかを判別する。
特許第4159227号公報 特許第3825384号公報 特許第4310319号公報
本発明の課題は、被検体の位置をより高精度に調整する放射線治療装置制御方法および放射線治療装置制御装置を提供することにある。
本発明の他の課題は、被検体の位置をより高速に調整する放射線治療装置制御方法および放射線治療装置制御装置を提供することにある。
本発明による放射線治療装置制御方法は、第1部位と第2部位とを有する被検体の透過画像により示されるその第1部位の位置と向きとに基づいて回転補正量と第1並進補正量とを算出するステップと、その透過画像により示されるその第2部位の位置と向きとその回転補正量とに基づいて第2並進補正量とを算出するステップとを備えている。このとき、その回転補正量とその第1並進補正量とは、その被検体が配置されるカウチがその回転補正量だけ回転移動するときに、かつ、そのカウチがその第1並進補正量だけ平行移動するときに、その第1部位が所定の部位に配置されるように、算出される。その第2並進補正量は、その被検体が配置されるそのカウチがその回転補正量だけ回転移動するときに、かつ、そのカウチがその第2並進補正量だけ平行移動するときに、その第2部位が所定の部位に配置されるように、算出される。その第1部位は、その第2部位より大きい。
このような放射線治療装置制御方法によれば、その透過画像により示されるその第2部位の位置と向きとだけを用いてそのカウチの位置を調整することに比較して、そのカウチを回転移動させるための補正量をより高精度に算出することができる。このような放射線治療装置制御方法によれば、さらに、その透過画像により示されるその第1部位の位置と向きとだけを用いてそのカウチの位置を調整することに比較して、そのカウチを平行移動させるための補正量をより高精度に算出することができる。この結果、このような放射線治療装置制御方法によれば、第2部位がより高精度に所定の位置に配置するように、そのカウチをより高精度に位置調整することができる。
本発明による放射線治療装置制御方法は、その被検体の治療計画用3次元データを収集するステップをさらに備えている。このとき、その回転補正量とその第1並進補正量とは、その透過画像のうちのその治療計画用3次元データに基づいて算出される第1テンプレートにマッチングする第1検出領域に基づいて算出される。その第2並進補正量は、その透過画像のうちのその治療計画用3次元データに基づいて算出される第2テンプレートにマッチングする第2検出領域とその回転補正量とに基づいて算出される。
その第1検出領域は、特徴点照合により算出される。その第2検出領域は、その特徴点照合と異なるパターン照合により算出される。このような放射線治療装置制御方法によれば、その第1検出領域とその第2検出領域とをそれぞれ適切な照合方法により算出することができ、その結果、その回転補正量と第2並進補正量とをより高精度に算出することができ、第2部位がより高精度に所定の位置に配置するように、そのカウチをより高精度に位置調整することができる。
その第1検出領域は、その透過画像から変換された第1輝度レンジ補正後透過画像に基づいて算出される。その第1輝度レンジ補正後透過画像が示している複数の輝度が取り得る範囲は、その透過画像が示している複数の輝度が取り得る範囲より狭い。その第2検出領域は、その透過画像から変換された第2輝度レンジ補正後透過画像に基づいて算出される。その第2輝度レンジ補正後透過画像が示している複数の輝度が取り得る範囲は、その透過画像が示している複数の輝度が取り得る範囲より狭い。このような放射線治療装置制御方法によれば、その第1検出領域とその第2検出領域とを算出するときの情報量を小さくすることができ、その第1検出領域とその第2検出領域とをより高速に算出することができ、そのカウチをより高速に位置調整することができる。
その第1検出領域は、その透過画像から変換された階調粗さ補正後透過画像に基づいて算出される。その透過画像の階調は、その階調粗さ補正後透過画像の階調より細かい。このような放射線治療装置制御方法によれば、その第1検出領域とその第2検出領域とを算出するときの情報量を小さくすることができ、その第1検出領域とその第2検出領域とをより高速に算出することができ、そのカウチをより高速に位置調整することができる。
その第1検出領域は、階調補正後透過画像が示している複数の輝度の度数分布がその治療計画用3次元データから算出されるDRR画像が示している複数の輝度の度数分布に概ね一致するように、その透過画像から変換されたその階調補正後透過画像に基づいて算出される。その第2検出領域は、その階調補正後透過画像に基づいて算出される。このような放射線治療装置制御方法によれば、その透過画像を撮影したイメージャと別個のモダリティによりその治療計画用3次元データが作成された場合であっても、第2部位をより高精度に所定の位置に配置させることができる。
本発明による放射線治療装置制御装置は、第1部位と第2部位とを有する被検体の透過画像を撮影する撮影部と、その透過画像により示されるその第1部位の位置と向きとに基づいて回転補正量と第1並進補正量とを算出する第1補正部と、その透過画像により示されるその第2部位の位置と向きとその回転補正量とに基づいて第2並進補正量とを算出する第2補正部と、その被検体が配置されるカウチがその回転補正量だけ回転移動するように、かつ、そのカウチがその第2並進補正量だけ平行移動するように、そのカウチを駆動するカウチ駆動装置を制御するカウチ制御部とを備えている。その第1部位は、その第2部位より大きい。
このような放射線治療装置制御装置は、その透過画像により示されるその第2部位の位置と向きとだけを用いてそのカウチの位置を調整することに比較して、そのカウチを回転移動させるための補正量をより高精度に算出することができる。このような放射線治療装置制御装置は、さらに、その透過画像により示されるその第1部位の位置と向きとだけを用いてそのカウチの位置を調整することに比較して、そのカウチを平行移動させるための補正量をより高精度に算出することができる。この結果、このような放射線治療装置制御装置は、第2部位をより高精度に所定の位置に配置させることができる。
本発明による放射線治療装置制御装置は、その被検体の治療計画用3次元データを収集する治療計画収集部をさらに備えている。その第1補正部は、その透過画像のうちのその治療計画用3次元データに基づいて算出される第1テンプレートにマッチングする第1検出領域に基づいてその回転補正量とその第1並進補正量とを算出する。その第2補正部は、その透過画像のうちのその治療計画用3次元データに基づいて算出される第2テンプレートにマッチングする第2検出領域とその回転補正量とに基づいてその第2並進補正量を算出する。
その第1補正部は、特徴点照合によりその第1検出領域を算出する。その第2補正部は、その特徴点照合と異なるパターン照合によりその第2検出領域を算出する。このような放射線治療装置制御装置は、その第1検出領域とその第2検出領域とをそれぞれ適切な照合方法により算出することができ、その結果、その回転補正量と第2並進補正量とをより高精度に算出することができ、第2部位がより高精度に所定の位置に配置するように、そのカウチをより高精度に位置調整することができる。
その第1補正部は、その透過画像から変換された第1輝度レンジ補正後透過画像に基づいてその第1検出領域を算出する。その第1輝度レンジ補正後透過画像が示している複数の輝度が取り得る範囲は、その透過画像が示している複数の輝度が取り得る範囲より狭く、その第2補正部は、その透過画像から変換された第2輝度レンジ補正後透過画像に基づいてその第2検出領域を算出する。その第2輝度レンジ補正後透過画像が示している複数の輝度が取り得る範囲は、その透過画像が示している複数の輝度が取り得る範囲より狭い。このような放射線治療装置制御装置は、その第1検出領域とその第2検出領域とを算出するときの情報量を小さくすることができ、その第1検出領域とその第2検出領域とをより高速に算出することができ、そのカウチをより高速に位置調整することができる。
その第1補正部は、その透過画像から変換された階調粗さ補正後透過画像に基づいてその第1検出領域を算出する。その透過画像の階調は、その階調粗さ補正後透過画像の階調より細かい。このような放射線治療装置制御装置は、その第1検出領域とその第2検出領域とを算出するときの情報量を小さくすることができ、その第1検出領域とその第2検出領域とをより高速に算出することができ、そのカウチをより高速に位置調整することができる。
その第1補正部は、階調補正後透過画像が示している複数の輝度の度数分布がその治療計画用3次元データから算出されるDRR画像が示している複数の輝度の度数分布に概ね一致するように、その透過画像から変換されたその階調補正後透過画像に基づいてその第1検出領域を算出する。その第2補正部は、その階調補正後透過画像に基づいてその第2検出領域を算出する。このような放射線治療装置制御装置は、その透過画像を撮影したイメージャと別個のモダリティによりその治療計画用3次元データが作成された場合であっても、第2部位をより高精度に所定の位置に配置させることができる。
本発明による放射線治療装置制御装置は、その第2部位に治療用放射線が曝射されるように、治療用放射線照射装置を制御する照射部をさらに備えている。このような放射線治療装置制御装置は、第2部位をより高精度に所定の位置に配置させることにより、第2部位に治療用放射線をより高精度に曝射させることができる。
その照射部は、その透過画像を撮影したイメージャを用いてその被検体の他の透過画像を撮影した後に、その第2部位にその治療用放射線が曝射されるように、治療用放射線照射装置を駆動する首振り装置をその他の透過画像に基づいて制御する。このような放射線治療装置制御装置は、その治療用放射線を動体追尾照射することに好適である。
本発明による放射線治療装置制御方法および放射線治療装置制御装置は、被検体の位置をより高精度に調整することができる。
図1は、放射線治療システムを示すブロック図である。 図2は、放射線治療装置を示す斜視図である。 図3は、放射線治療装置制御装置を示すブロック図である。 図4は、DRR画像を示す図である。 図5は、X線画像を示す図である。 図6は、患者の位置を調整する動作を示すフローチャートである。
図面を参照して、本発明による放射線治療装置制御装置の実施の形態を記載する。その放射線治療装置制御装置2は、図1に示されているように、放射線治療システム1に適用されている。放射線治療システム1は、放射線治療装置制御装置2と放射線治療装置3とを備えている。放射線治療装置制御装置2は、パーソナルコンピュータに例示されるコンピュータである。放射線治療装置制御装置2と放射線治療装置3とは、双方向に情報を伝送することができるように、互いに接続されている。
図2は、放射線治療装置3を示している。放射線治療装置3は、Oリング12と走行ガントリ14と治療用放射線照射装置16とを備えている。Oリング12は、リング状に形成され、回転軸17を中心に回転可能に基礎に支持されている。回転軸17は、鉛直方向に平行である。走行ガントリ14は、リング状に形成され、Oリング12のリングの内側に配置され、回転軸18を中心に回転可能にOリング12に支持されている。回転軸18は、鉛直方向に垂直であり、回転軸17に含まれるアイソセンタ19を通っている。回転軸18は、Oリング12に対して固定され、すなわち、Oリング12とともに回転軸17を中心に回転する。
治療用放射線照射装置16は、走行ガントリ14のリングの内側に配置されている。治療用放射線照射装置16は、チルト軸21に回転可能に、かつ、パン軸22に回転可能に、走行ガントリ14に支持されている。パン軸22は、走行ガントリ14に対して固定され、回転軸18に交差しないで回転軸18に平行である。チルト軸21は、パン軸22に直交している。チルト軸21とパン軸22との交点は、アイソセンタ19から1mだけ離れている。
放射線治療装置3は、さらに、旋回駆動装置11と首振り装置15とを備え、図示されていない走行駆動装置を備えている。旋回駆動装置11は、放射線治療装置制御装置2により制御されることにより、回転軸17を中心にOリング12を回転させる。旋回駆動装置11は、さらに、基礎に対してOリング12が配置される旋回角度を測定し、その旋回角度を放射線治療装置制御装置2に出力する。その走行駆動装置は、放射線治療装置制御装置2により制御されることにより、回転軸18を中心に走行ガントリ14を回転させる。その走行駆動装置は、さらに、Oリング12に対して走行ガントリ14が配置されるガントリ角度を測定し、そのガントリ角度を放射線治療装置制御装置2に出力する。首振り装置15は、放射線治療装置制御装置2により制御されることにより、パン軸22を中心に治療用放射線照射装置16を回転させ、チルト軸21を中心に治療用放射線照射装置16を回転させる。
治療用放射線照射装置16は、放射線治療装置制御装置2により制御されることにより、治療用放射線23を曝射する。治療用放射線23は、パン軸22とチルト軸21とが交差する交点を頂点とするコーンビームである。治療用放射線23は、一様強度分布を持つように形成されている。治療用放射線照射装置16は、マルチリーフコリメータ20を備えている。マルチリーフコリメータ20は、治療用放射線23が進行する領域に配置されるように、治療用放射線照射装置16に固定されている。マルチリーフコリメータ20は、放射線治療装置制御装置2により制御されることにより、治療用放射線23の一部を遮蔽し、治療用放射線23が患者に照射されるときの照射野の形状を変更する。
治療用放射線23は、このように治療用放射線照射装置16が走行ガントリ14に支持されることにより、治療用放射線照射装置16がアイソセンタ19に向かうように走行ガントリ14に固定されると、旋回駆動装置11によりOリング12が回転し、または、その走行駆動装置により走行ガントリ14が回転しても、常に概ねアイソセンタ19を通る。即ち、走行・旋回を行うことで任意方向からアイソセンタ19に向けて治療用放射線23の照射が可能になる。
放射線治療装置3は、さらに、複数のイメージャシステムを備えている。すなわち、放射線治療装置3は、第1診断用X線源24と第2診断用X線源25と第1センサアレイ32と第2センサアレイ33とを備えている。第1診断用X線源24は、走行ガントリ14に支持され、アイソセンタ19から第1診断用X線源24を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とのなす角が鋭角になるように、走行ガントリ14のリングの内側に配置されている。第2診断用X線源25は、走行ガントリ14に支持され、アイソセンタ19から第2診断用X線源25を結ぶ線分とアイソセンタ19から治療用放射線照射装置16を結ぶ線分とのなす角が鋭角になるように、走行ガントリ14のリングの内側に配置されている。第2診断用X線源25は、さらに、アイソセンタ19から第1診断用X線源24を結ぶ線分とアイソセンタ19から第2診断用X線源25を結ぶ線分とのなす角が直角(90度)になるように、配置されている。第1センサアレイ32は、走行ガントリ14に支持され、アイソセンタ19を介して第1診断用X線源24に対向するように、配置されている。第2センサアレイ33は、走行ガントリ14に支持され、アイソセンタ19を介して第2診断用X線源25に対向するように、配置されている。
第1診断用X線源24は、放射線治療装置制御装置2により制御されることにより、所定のタイミングで第1診断用X線35をアイソセンタ19に向けて曝射する。第1診断用X線35は、第1診断用X線源24が有する1点から曝射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。第2診断用X線源25は、放射線治療装置制御装置2により制御されることにより、所定のタイミングで第2診断用X線36をアイソセンタ19に向けて曝射する。第2診断用X線36は、第2診断用X線源25が有する1点から曝射され、その1点を頂点とする円錐状のコーンビームである。
第1センサアレイ32は、受光部を備えている。第1センサアレイ32は、放射線治療装置制御装置2により制御されることにより、その受光部に受光されるX線に基づいて第1X線画像を生成する。第2センサアレイ33は、受光部を備えている。第2センサアレイ33は、放射線治療装置制御装置2により制御されることにより、その受光部に受光されるX線に基づいて第2X線画像を生成する。そのX線画像は、複数の画素から形成されている。その複数の画素は、そのX線画像上にマトリクス状に配置され、それぞれ輝度に対応付けられている。そのX線画像は、その複数の画素の各々に対応する輝度がその複数の画素の各々に着色されることにより、被写体を映し出している。第1センサアレイ32と第2センサアレイ33としては、FPD(Flat Panel Detector)、X線II(Image Intensifier)が例示される。
このようなイメージャシステムによれば、第1センサアレイ32と第2センサアレイ33とにより得た画像信号に基づき、アイソセンタ19を中心とするX線画像を生成することができる。
放射線治療装置3は、さらに、カウチ41とカウチ駆動装置42とを備えている。カウチ41は、x軸とy軸とz軸とを中心に回転移動可能に、かつ、そのx軸とy軸とz軸とに平行に平行移動可能に基礎に支持されている。そのx軸とy軸とz軸とは、互いに直交している。カウチ41は、放射線治療システム1により治療される患者43が横臥することに利用される。カウチ41は、図示されていない固定具を備えている。その固定具は、患者43が動かないように、患者43をカウチ41に固定する。カウチ駆動装置42は、放射線治療装置制御装置2により制御されることにより、カウチ41を回転移動させ、カウチ41を平行移動させる。
図3は、放射線治療装置制御装置2を示している。その放射線治療装置制御装置2は、コンピュータであり、図示されていないCPUと記憶装置とリムーバルメモリドライブと通信装置と入力装置と出力装置とインターフェースとを備えている。そのCPUは、放射線治療装置制御装置2にインストールされるコンピュータプログラムを実行して、その記憶装置と入力装置と出力装置とを制御する。その記憶装置は、そのコンピュータプログラムを記録し、そのCPUに利用される情報を記録し、そのCPUにより生成される情報を記録する。そのリムーバルメモリドライブは、記録媒体が挿入されたときに、その記録媒体に記録されているデータを読み出すことに利用される。そのリムーバルメモリドライブは、特に、コンピュータプログラムが記録されている記録媒体が挿入されたときに、そのコンピュータプログラムを放射線治療装置制御装置2にインストールするときに利用される。その通信装置は、通信回線網を介して接続される他のコンピュータから配信される情報を放射線治療装置制御装置2にダウンロードする。その通信装置は、特に、他のコンピュータからコンピュータプログラムを放射線治療装置制御装置2にダウンロードし、そのコンピュータプログラムを放射線治療装置制御装置2にインストールするときに利用される。その入力装置は、ユーザに操作されることにより生成される情報をそのCPUに出力する。その入力装置としては、キーボード、マウスが例示される。その出力装置は、そのCPUにより生成された情報をユーザに認識可能に出力する。その出力装置としては、そのCPUにより生成された画像を表示するディスプレイが例示される。
そのインターフェースは、放射線治療装置制御装置2に接続される外部機器により生成される情報をそのCPUに出力し、そのCPUにより生成された情報をその外部機器に出力する。その外部機器は、放射線治療装置3の旋回駆動装置11と走行駆動装置と首振り装置15と治療用放射線照射装置16とマルチリーフコリメータ20と第1診断用X線源24と第2診断用X線源25と第1センサアレイ32と第2センサアレイ33とカウチ駆動装置42とを含んでいる。
放射線治療装置制御装置2にインストールされるコンピュータプログラムは、放射線治療装置制御装置2に複数の機能をそれぞれ実現させるための複数のコンピュータプログラムから形成されている。その複数の機能は、治療計画収集部51と撮影部52と照合データ作成部53と照合方法選択部54と第1補正部55と第2補正部56とカウチ制御部57と照射部58とを含んでいる。
治療計画収集部51は、入力装置から治療計画を収集する。その治療計画は、3次元データを示し、照射角度と線量との組み合わせを示している。その3次元データは、複数のボクセルに複数の透過率を対応付けている。その複数のボクセルは、それぞれ、患者43が配置される空間を隙間なく充填する複数の直方体に対応している。その直方体としては、一辺の長さが0.4mmである立方体が例示される。その各ボクセルに対応する透過率は、その各ボクセルに対応する位置の立方体のX線の透過率を示している。その3次元データは、寝台に横臥した患者43の複数の臓器の立体的な形状とその複数の臓器がそれぞれ配置される複数の位置とを示している。その照射角度は、患者43の患部に治療用放射線23を照射する方向を示し、カウチ位置とOリング回転角とガントリ回転角とを示している。そのカウチ位置は、基礎に対するカウチ41の位置を示している。そのOリング回転角は、基礎に対するOリング12の位置を示している。そのガントリ回転角は、Oリング12に対する走行ガントリ14の位置を示している。その線量は、その各照射角度から患者43に照射される治療用放射線23の線量を示している。
撮影部52は、カウチ41に横臥した患者43を映し出す2枚のX線画像が撮影されるように、放射線治療装置3を制御する。すなわち、撮影部52は、基礎に対してカウチ41が所定の位置に配置されるように、カウチ駆動装置42を制御する。撮影部52は、基礎に対してOリング12が所定の旋回角度に配置されるように、旋回駆動装置11を制御する。撮影部52は、さらに、走行ガントリ14が所定の走行角度に配置されるように、放射線治療装置3の走行駆動装置を制御する。撮影部52は、さらに、第1診断用X線35が曝射されるように、第1診断用X線源24を制御する。撮影部52は、さらに、第1診断用X線35が曝射されたときに、第1X線画像が生成されるように、第1センサアレイ32を制御する。撮影部52は、さらに、第2診断用X線36が曝射されるように、第2診断用X線源25を制御する。撮影部52は、さらに、第2診断用X線36が曝射されたときに、第2X線画像が生成されるように、第2センサアレイ33を制御する。
照合データ作成部53は、治療計画収集部51により収集された治療計画の3次元データに基づいて第1DRR画像と第2DRR画像とを作成する。その第1DRR画像は、その3次元データにより示される患者43がカウチ41に横臥したときに、第1センサアレイ32により生成されると推測される画像を示している。その第2DRR画像は、その3次元データにより示される患者43がカウチ41に横臥したときに、第2センサアレイ33により生成される第2X線画像を示している。
照合方法選択部54は、入力装置を介して入力された情報に基づいて、第1照合方法と第2照合方法とを算出する。その第1照合方法は、第1X線画像または第2X線画像に所定の像が映し出される位置と向きとを算出する方法の1つを示し、たとえば、「パターン照合」と「特徴点照合」とのうちのいずれかである。その第2照合方法は、第1X線画像または第2X線画像に所定の像が映し出される位置と向きとを算出する方法の1つを示し、たとえば、「パターン照合」と「特徴点照合」とのうちのいずれかである。
第1補正部55は、撮影部52により生成された第1X線画像をガンマ補正後第1X線画像に補正する。そのガンマ補正後第1X線画像は、そのガンマ補正後第1X線画像が示す複数の輝度の度数分布が照合データ作成部53により算出される第1DRR画像が示す複数の輝度の度数分布に概ね一致するように、算出される。すなわち、そのガンマ補正後第1X線画像は、そのガンマ補正後第1X線画像のガンマ特性がその第1DRR画像のガンマ特性に一致するように、ガンマ変換される。
第1補正部55は、さらに、そのガンマ補正後第1X線画像を輝度レンジ補正後第1X線画像に補正する。その輝度レンジ補正後第1X線画像は、そのガンマ補正後第1X線画像を構成する複数の画素のうちの所定の輝度レンジに含まれる画素から形成される。その輝度レンジは、その第1DRR画像に第1部位(骨)が映し出されている像を構成する複数の画素がそれぞれ示す複数の輝度が取り得る値の範囲を示している。
第1補正部55は、さらに、その輝度レンジ補正後第1X線画像を階調粗さ補正後第1X線画像に補正する。その階調粗さ補正後第1X線画像は、その階調粗さ補正後第1X線画像を構成する複数の画素が示す複数の輝度が取り得る値の個数(階調数)がその輝度レンジ補正後第1X線画像を構成する複数の画素が示す複数の輝度が取り得る値の個数(階調数)より少なくなるように、算出される。その階調粗さ補正後第1X線画像の階調数は、その階調粗さ補正後第1X線画像からその第1部位(骨)が映し出されている像を抽出することに十分であるように、算出される。
第1補正部55は、さらに、照合方法選択部54により選択された第1照合方法を用いて、その階調粗さ補正後第1X線画像に映し出された第1部位の像の位置と向きとを算出する。
第1補正部55は、さらに、撮影部52により生成された第2X線画像に関しても、その第1X線画像と同様にして、ガンマ補正後第2X線画像と輝度レンジ補正後第2X線画像と階調粗さ補正後第2X線画像とを算出する。第1補正部55は、さらに、照合方法選択部54により選択された第1照合方法を用いて、その階調粗さ補正後第2X線画像に映し出された第1部位の像の位置と向きとを算出する。
第1補正部55は、さらに、その階調粗さ補正後第1X線画像に映し出された第1部位の像の位置と向きとその階調粗さ補正後第2X線画像に映し出された第1部位の像の位置と向きとに基づいて、回転補正量と並進補正量とを算出する。その回転補正量は、x軸回転補正量とy軸回転補正量とz軸回転補正量とから形成されている。そのx軸回転補正量は、x軸を中心にカウチ41を回転する回転角度を示している。そのy軸回転補正量は、y軸を中心にカウチ41を回転する回転角度を示している。そのz軸回転補正量は、z軸を中心にカウチ41を回転する回転角度を示している。その並進補正量は、カウチ41を平行移動する距離と向きとを示し、x軸並進補正量とy軸並進補正量とz軸並進補正量とから形成されている。そのx軸並進補正量は、x軸に平行にカウチ41を平行移動する距離を示している。そのy軸並進補正量は、y軸に平行にカウチ41を平行移動する距離を示している。そのz軸並進補正量は、z軸に平行にカウチ41を平行移動する距離を示している。その回転補正量と並進補正量とは、x軸を中心にそのx軸回転補正量だけカウチ41を回転し、x軸を中心にカウチ41が回転した後にy軸を中心にそのy軸回転補正量だけカウチ41を回転し、y軸を中心にカウチ41が回転した後にz軸を中心にそのz軸回転補正量だけカウチ41を回転し、z軸を中心にカウチ41が回転した後にその並進補正量だけ平行移動したときに、カウチ41に配置された患者43の第1部位が所定の位置に配置されるように、算出される。その所定の位置は、治療計画収集部51により収集された治療計画の3次元データが示す第1部位の位置を示している。
第2補正部56は、撮影部52により生成された第1X線画像をガンマ補正後第1X線画像に補正する。そのガンマ補正後第1X線画像は、そのガンマ補正後第1X線画像が示す複数の輝度の度数分布が照合データ作成部53により算出される第1DRR画像が示す複数の輝度の度数分布に概ね一致するように、算出される。すなわち、そのガンマ補正後第1X線画像は、そのガンマ補正後第1X線画像のガンマ特性がその第1DRR画像のガンマ特性に一致するように、ガンマ変換される。すなわち、そのガンマ補正後第1X線画像は、第1補正部55により算出されたガンマ補正後第1X線画像に一致し、第1補正部55により算出されたガンマ補正後第1X線画像を流用することもできる。
第2補正部56は、さらに、そのガンマ補正後第1X線画像を輝度レンジ補正後第1X線画像に補正する。その輝度レンジ補正後第1X線画像は、そのガンマ補正後第1X線画像を構成する複数の画素のうちの所定の輝度レンジに含まれる画素から形成される。その輝度レンジは、その第1DRR画像に第2部位(患部)が映し出されている像を構成する複数の画素がそれぞれ示す複数の輝度が取り得る値の範囲を示している。その輝度レンジは、第1補正部55で輝度レンジ補正後第1X線画像を算出するときに適用された輝度レンジより小さい。
第2補正部56は、さらに、その輝度レンジ補正後第1X線画像を階調粗さ補正後第1X線画像に補正する。その階調粗さ補正後第1X線画像は、その階調粗さ補正後第1X線画像を構成する複数の画素が示す複数の輝度が取り得る値の個数(階調数)がその輝度レンジ補正後第1X線画像を構成する複数の画素が示す複数の輝度が取り得る値の個数(階調数)より少なくなるように、算出される。その階調粗さ補正後第1X線画像の階調数は、その階調粗さ補正後第1X線画像からその第2部位(患部)が映し出されている像を抽出することに十分であるように、かつ、第1補正部55で階調粗さ補正後第1X線画像を算出するときに適用された階調数より大きくなるように、算出される。
第2補正部56は、さらに、照合方法選択部54により選択された第2照合方法を用いて、その階調粗さ補正後第1X線画像に映し出された第2部位の像の位置と向きとを算出する。
第2補正部56は、さらに、撮影部52により生成された第2X線画像に関しても、その第1X線画像と同様にして、そのガンマ補正後第2X線画像と輝度レンジ補正後第2X線画像と階調粗さ補正後第2X線画像とを算出する。第2補正部56は、さらに、照合方法選択部54により選択された第2照合方法を用いて、その階調粗さ補正後第2X線画像に映し出された第2部位の像の位置と向きとを算出する。
なお、第2補正部56は、第1補正部55により算出された並進補正量に基づいて算出された初期値を用いて、その階調粗さ補正後第1X線画像または階調粗さ補正後第2X線画像に映し出された第2部位の像の位置と向きとをより高速に算出することもできる。このとき、第2補正部56は、その初期値を用いないで第2部位の像の位置と向きとを算出することに比較して、第2部位の像の位置と向きとをより高速に算出することができる。
第2補正部56は、さらに、第1補正部55により算出された回転補正量に基づいて、さらに、その階調粗さ補正後第1X線画像に映し出された第2部位の像の位置と向きとその階調粗さ補正後第2X線画像に映し出された第2部位の像の位置と向きとに基づいて、並進補正量を算出する。その並進補正量は、カウチ41を平行移動する距離と向きとを示し、x軸並進補正量とy軸並進補正量とz軸並進補正量とから形成されている。そのx軸並進補正量は、x軸に平行にカウチ41を平行移動する距離を示している。そのy軸並進補正量は、y軸に平行にカウチ41を平行移動する距離を示している。そのz軸並進補正量は、z軸に平行にカウチ41を平行移動する距離を示している。その並進補正量は、その回転補正量が示すようにカウチ41が回転した後にその並進補正量だけ平行移動したときに、カウチ41に配置された患者43の第2部位が所定の位置に配置されるように、算出される。その所定の位置は、治療計画収集部51により収集された治療計画の3次元データが示す第2部位の位置を示している。
カウチ制御部57は、第1補正部55により算出された回転補正量と第2補正部56により算出された並進補正量とに基づいて、カウチ駆動装置42を制御する。すなわち、カウチ制御部57は、x軸を中心にそのx軸回転補正量だけカウチ41が回転し、x軸を中心にカウチ41が回転した後にy軸を中心にそのy軸回転補正量だけカウチ41が回転し、y軸を中心にカウチ41が回転した後にz軸を中心にそのz軸回転補正量だけカウチ41が回転し、z軸を中心にカウチ41が回転した後にその並進補正量だけカウチ41が平行移動するように、カウチ駆動装置42を制御する。
照射部58は、治療計画収集部51により収集された治療計画に示される放射線治療が実行されるように、放射線治療装置3を制御する。すなわち、照射部58は、その治療計画が示す照射角度に治療用放射線照射装置16が患者43に対して配置されるように、カウチ駆動装置42を制御し、旋回駆動装置11を制御し、放射線治療装置3の走行駆動装置を制御する。照射部58は、さらに、2枚の患者43のX線画像が撮影されるように、第1診断用X線源24と第2診断用X線源25と第1センサアレイ32と第2センサアレイ33とを制御する。照射部58は、さらに、その2枚のX線画像に基づいて、患者43の患部の位置を算出し、その患部の形状を算出する。照射部58は、さらに、その算出された患部の位置に治療用放射線照射装置16が向くように、首振り装置15を制御する。照射部58は、さらに、その患部の形状に治療用放射線23の照射野が一致するように、マルチリーフコリメータ20を制御する。照射部58は、さらに、その患部に治療用放射線23が照射されるように、治療用放射線照射装置16を制御する。照射部58は、さらに、その治療計画が示す線量の治療用放射線23が患者43の患部に照射されるまで、そのX線画像の撮影から治療用放射線23の照射までの動作を繰り返して実行する。
図4は、照合データ作成部53により作成される第1DRR画像を示している。その第1DRR画像61は、第1部位像63と第2部位像62と第3部位像64とを含んでいる。第2部位像62は、患者43の患部を映し出している。第1部位像63は、患者43の骨を映し出している。なお、骨は、患者43の患部より大きく、かつ、患者43の患部よりX線画像に鮮明に映し出される他の部位に置換されることもできる。このような部位としては、肺、患者43の体内に埋め込まれるマーカが例示される。第3部位像64は、患者43のリスク臓器を映し出している。そのリスク臓器としては、脊髄が例示される。
第1DRR画像61は、さらに、第1テンプレート領域66と第2テンプレート領域67とを示している。第2テンプレート領域67は、第2部位像62を含んでいる。第1テンプレート領域66は、第1部位像63を含み、第2テンプレート領域67より大きい。
図5は、撮影部52により撮影された第1X線画像を示している。その第1X線画像71は、第1部位像73と第2部位像72と第3部位像74とが映し出されている。第1部位像73は、患者43の骨を映し出している。第2部位像72は、患者43の患部を映し出している。第3部位像74は、患者43のリスク臓器を映し出している。
このとき、第1補正部55は、第1X線画像71から第1テンプレート領域66に最も類似する領域を抽出し、ずれ量を算出する。そのずれ量は、x方向ずれ量とy方向ずれ量と回転ずれ量とを示している。そのx方向ずれ量は、第1DRR画像61のうちの第1テンプレート領域66が配置される位置のx座標と第1X線画像71のうちのその抽出された領域が配置される位置のx座標との差を示している。そのy方向ずれ量は、第1DRR画像61のうちの第1テンプレート領域66が配置される位置のy座標と第1X線画像71のうちのその抽出された領域が配置される位置のy座標との差を示している。その回転ずれ量は、第1DRR画像61のうちの第1テンプレート領域66が配置される向きと第1X線画像71のうちのその検索された領域が配置される向きとの差を示している。第1補正部55は、そのずれ量に基づいて回転補正量と並進補正量とを算出する。
このとき、第2補正部56は、第1X線画像71から第2テンプレート領域67に最も類似する領域を抽出し、ずれ量を算出する。そのずれ量は、x方向ずれ量とy方向ずれ量と回転ずれ量とを示している。そのx方向ずれ量は、第1DRR画像61のうちの第2テンプレート領域67が配置される位置のx座標と第1X線画像71のうちのその抽出された領域が配置される位置のx座標との差を示している。そのy方向ずれ量は、第1DRR画像61のうちの第2テンプレート領域67が配置される位置のy座標と第1X線画像71のうちのその抽出された領域が配置される位置のy座標との差を示している。その回転ずれ量は、第1DRR画像61のうちの第2テンプレート領域67が配置される向きと第1X線画像71のうちのその検索された領域が配置される向きとの差を示している。第2補正部56は、そのずれ量に基づいて並進補正量を算出する。
このとき、第1X線画像71のうちの第2テンプレート領域67に基づいて抽出された領域の向きは、第2テンプレート領域67が第1テンプレート領域66に比較して小さいために、第1X線画像71のうちの第2テンプレート領域67に基づいて抽出された領域の向きに比較して誤差が大きい。このため、第1補正部55により算出される回転補正量は、第1X線画像71のうちの第2テンプレート領域67に基づいて抽出された領域の向きに基づいて算出される回転補正量に比較して、より高精度である。
患者43の骨と患者43の患部との位置関係は、時間とともに変化することが知られ、常に一定であるとは限らない。このため、第2補正部56により算出される並進補正量は、第1補正部55により算出される並進補正量に比較して、より高精度である。
このため、カウチ制御部57は、患者43の患部がより高精度に所定の位置と向きとに配置されるように、カウチ駆動装置42を制御することができる。この結果、照射部58は、治療用放射線23がより高精度に患者43の患部に照射されるように、首振り装置15と放射線照射装置16とを制御することができる。
本発明による放射線治療装置制御方法の実施の形態は、放射線治療装置制御装置2により実行され、患者の位置を調整する動作と放射線治療する動作とを備えている。
図6は、その患者の位置を調整する動作を示している。ユーザは、まず、過去に作成された治療計画を放射線治療装置制御装置2に入力する。その治療計画は、3次元データを示し、照射角度と線量との組み合わせを示している。その3次元データは、複数のボクセルに複数の透過率を対応付けている。その複数のボクセルは、それぞれ、患者43が配置される空間を隙間なく充填する複数の直方体に対応している。その各ボクセルに対応する透過率は、その各ボクセルに対応する位置の立方体のX線の透過率を示している。その3次元データは、寝台に横臥した患者43の複数の臓器の立体的な形状とその複数の臓器がそれぞれ配置される複数の位置とを示している。その3次元データは、さらに、寝台に横臥した患者43の骨の立体的な形状とその骨の位置とを示し、患者43の患部の立体的な形状とその患部の位置とを示している。その照射角度は、患者43の患部に治療用放射線23を照射する方向を示し、カウチ位置とOリング回転角とガントリ回転角とを示している。そのカウチ位置は、基礎に対するカウチ41の位置と向きとを示している。そのOリング回転角は、基礎に対するOリング12の位置を示している。そのガントリ回転角は、Oリング12に対する走行ガントリ14の位置を示している。その線量は、その各照射角度から患者43に照射される治療用放射線23の線量を示している。
放射線治療装置制御装置2は、その3次元データに基づいて第1DRR画像と第2DRR画像とを作成する。その第1DRR画像は、カウチ41がそのカウチ位置に配置されたときに、かつ、Oリング12がそのOリング回転角に配置されたときに、かつ、走行ガントリ14がそのガントリ回転角に配置されたときに、第1センサアレイ32により生成されると推測される画像を示している。その第2DRR画像は、その第1DRR画像は、カウチ41がそのカウチ位置に配置されたときに、かつ、Oリング12がそのOリング回転角に配置されたときに、かつ、走行ガントリ14がそのガントリ回転角に配置されたときに、第2センサアレイ33により生成されると推測される画像を示している。
放射線治療装置制御装置2は、さらに、その3次元データとその第1DRR画像とに基づいてその第1DRR画像に映し出される第1テンプレート領域66と第2テンプレート領域67とを算出する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その3次元データとその第2DRR画像とに基づいてその第2DRR画像に映し出される第1テンプレート領域66と第2テンプレート領域67とを算出する。
ユーザは、放射線治療装置3のカウチ41に患者43を固定する。放射線治療装置制御装置2は、基礎に対してカウチ41がそのカウチ位置に配置されるようにカウチ駆動装置42を制御する。放射線治療装置制御装置2は、基礎に対してOリング12がそのOリング回転角に配置されるように旋回駆動装置11を制御する。放射線治療装置制御装置2は、Oリング12に対して走行ガントリ14がそのガントリ回転角に配置されるように、放射線治療装置3の走行駆動装置を制御する。放射線治療装置制御装置2は、患者43の第1X線画像が撮影されるように、第1診断用X線源24を制御し、第1センサアレイ32を制御する。放射線治療装置制御装置2は、患者43の第2X線画像が撮影されるように、第2診断用X線源25を制御し、第2センサアレイ33を制御する(ステップS1)。
ユーザは、入力装置を操作することにより、放射線治療装置制御装置2により示される複数の照合方法から第1照合方法を選択し、その複数の照合方法から第2照合方法を選択する(ステップS2)。
放射線治療装置制御装置2は、その第1X線画像をガンマ補正後第1X線画像に補正する(ステップS3)。そのガンマ補正後第1X線画像は、そのガンマ補正後第1X線画像が示す複数の輝度の度数分布がその第1DRR画像が示す複数の輝度の度数分布に概ね一致するように、算出される。すなわち、その第1X線画像は、そのガンマ補正後第1X線画像のガンマ特性がその第1DRR画像のガンマ特性に一致するように、ガンマ変換される。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その第2X線画像をガンマ補正後第2X線画像に補正する。そのガンマ補正後第2X線画像は、そのガンマ補正後第2X線画像が示す複数の輝度の度数分布がその第2DRR画像が示す複数の輝度の度数分布に概ね一致するように、算出される。すなわち、その第2X線画像は、そのガンマ補正後第2X線画像のガンマ特性がその第2DRR画像のガンマ特性に一致するように、ガンマ変換される。
放射線治療装置制御装置2は、さらに、そのガンマ補正後第1X線画像を輝度レンジ補正後第1X線画像に補正する(ステップS4)。その輝度レンジ補正後第1X線画像は、そのガンマ補正後第1X線画像を構成する複数の画素のうちの所定の輝度レンジに含まれる画素から形成される。その輝度レンジは、その第1DRR画像に第1部位(骨)が映し出されている像を構成する複数の画素がそれぞれ示す複数の輝度が取り得る値の範囲を示している。放射線治療装置制御装置2は、さらに、そのガンマ補正後第2X線画像を輝度レンジ補正後第2X線画像に補正する。その輝度レンジ補正後第2X線画像は、そのガンマ補正後第2X線画像を構成する複数の画素のうちのその輝度レンジに含まれる画素から形成される。
放射線治療装置制御装置2は、さらに、その輝度レンジ補正後第1X線画像を階調粗さ補正後第1X線画像に補正する(ステップS5)。その階調粗さ補正後第1X線画像は、その階調粗さ補正後第1X線画像を構成する複数の画素が示す複数の輝度が取り得る値の個数(すなわち、階調数)がその輝度レンジ補正後第1X線画像を構成する複数の画素が示す複数の輝度が取り得る値の個数(すなわち、階調数)より少なくなるように、算出される。その階調粗さ補正後第1X線画像の階調数は、その階調粗さ補正後第1X線画像からその第1部位(骨)が映し出されている像を抽出することに十分であるように、算出される。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その階調粗さ補正後第1X線画像と同様にして、その輝度レンジ補正後第2X線画像を階調粗さ補正後第2X線画像に補正する。
放射線治療装置制御装置2は、さらに、その第1照合方法を用いて、その階調粗さ補正後第1X線画像から第1テンプレート領域66に最も類似する領域を抽出し、その階調粗さ補正後第2X線画像から第1テンプレート領域66に最も類似する領域を抽出する。放射線治療装置制御装置2は、その階調粗さ補正後第1X線画像に映し出された第1部位の像の位置と向きとに基づいて、さらに、その階調粗さ補正後第2X線画像に映し出された第1部位の像の位置と向きとに基づいて、回転補正量と並進補正量とを算出する(ステップS6)。
放射線治療装置制御装置2は、さらに、そのガンマ補正後第1X線画像を輝度レンジ補正後第1X線画像に補正する(ステップS7)。その輝度レンジ補正後第1X線画像は、そのガンマ補正後第1X線画像を構成する複数の画素のうちの所定の輝度レンジに含まれる画素から形成される。その輝度レンジは、その第1DRR画像に第2部位(患部)が映し出されている像を構成する複数の画素がそれぞれ示す複数の輝度が取り得る値の範囲を示し、第1補正部55で輝度レンジ補正後第1X線画像を算出するときに適用された輝度レンジより小さい。放射線治療装置制御装置2は、さらに、そのガンマ補正後第2X線画像を輝度レンジ補正後第2X線画像に補正する。その輝度レンジ補正後第2X線画像は、そのガンマ補正後第2X線画像を構成する複数の画素のうちの所定の輝度レンジに含まれる画素から形成される。
放射線治療装置制御装置2は、さらに、その輝度レンジ補正後第1X線画像を階調粗さ補正後第1X線画像に補正する(ステップS8)。その階調粗さ補正後第1X線画像は、その階調粗さ補正後第1X線画像を構成する複数の画素が示す複数の輝度が取り得る値の個数(すなわち、階調数)がその輝度レンジ補正後第1X線画像を構成する複数の画素が示す複数の輝度が取り得る値の個数(すなわち、階調数)より少なくなるように、算出される。その階調粗さ補正後第1X線画像の階調数は、その階調粗さ補正後第1X線画像からその第2部位(患部)が映し出されている像を抽出することに十分であるように、算出される。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その階調粗さ補正後第1X線画像と同様にして、その輝度レンジ補正後第2X線画像を階調粗さ補正後第2X線画像に補正する。
放射線治療装置制御装置2は、さらに、その第2照合方法を用いて、その階調粗さ補正後第1X線画像から第2テンプレート領域67に最も類似する領域を抽出し、その階調粗さ補正後第2X線画像から第2テンプレート領域67に最も類似する領域を抽出する。放射線治療装置制御装置2は、ステップS6で算出された回転補正量に基づいて、さらに、その階調粗さ補正後第1X線画像に映し出された第2部位の像の位置と向きとに基づいて、さらに、その階調粗さ補正後第2X線画像に映し出された第2部位の像の位置と向きとに基づいて、並進補正量を算出する(ステップS9)。
放射線治療装置制御装置2は、ステップS6で算出された回転補正量とステップS9で算出された並進補正量とに基づいて、カウチ駆動装置42を制御する。すなわち、放射線治療装置制御装置2は、ステップS6で算出された回転補正量が示すようにカウチ41が回転した後に、ステップS9で算出された並進補正量が示すようにカウチ41が平行移動するように、カウチ駆動装置42を制御する(ステップS10)。
その放射線治療する動作は、その患者の位置を調整する動作が終了した後に実行される。すなわち、放射線治療装置制御装置2は、カウチ41とOリング12と走行ガントリ14とが所定の位置に配置された後に、患者43の第1追尾用X線画像が撮影されるように第1診断用X線源24と第1センサアレイ32とを制御し、患者43の第2追尾用X線画像が撮影されるように第2診断用X線源25と第2センサアレイ33とを制御する。
放射線治療装置制御装置2は、その第1追尾用X線画像と第2追尾用X線画像とに基づいて患者43の患部の位置と形状とを算出する。放射線治療装置制御装置2は、その算出された位置に治療用放射線照射装置16が向くように、首振り装置15を制御する。放射線治療装置制御装置2は、その患部の形状に治療用放射線23の照射野が一致するように、マルチリーフコリメータ20を制御する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その患部に治療用放射線23が所定の線量だけ照射されるように、治療用放射線照射装置16を制御する。放射線治療装置制御装置2は、さらに、その治療計画が示す線量の治療用放射線23が患者43の患部に照射されるまで、その追尾用X線画像の撮影から治療用放射線23の照射までの動作を周期的に繰り返して実行する。その周期としては、0.2秒が例示される。
その階調粗さ補正後第1X線画像のうちの第1テンプレート領域66に基づいて抽出された領域の向きは、第1テンプレート領域66が第2テンプレート領域67に比較して大きいために、その階調粗さ補正後第1X線画像のうちの第2テンプレート領域67に基づいて抽出された領域の向きに比較して、誤差が小さい。このため、このような放射線治療装置制御方法によれば、ステップS6で算出される回転補正量は、その階調粗さ補正後第1X線画像のうちの第2テンプレート領域67に基づいて抽出された領域の向きに基づいて算出される回転補正量に比較して、より高精度である。
患者43の骨と患者43の患部との位置関係は、時間とともに変化することが知られ、常に一定であるとは限らない。このため、このような放射線治療装置制御方法によれば、ステップS9で算出される並進補正量は、ステップS6で算出される並進補正量に比較して、より高精度である。
このため、このような放射線治療装置制御方法によれば、放射線治療装置制御装置2は、患者43の患部がより高精度に所定の位置と向きとに配置されるように、カウチ駆動装置42を制御することができる。この結果、放射線治療装置制御装置2は、治療用放射線23がより高精度に患者43の患部に照射されるように、首振り装置15と放射線照射装置16とを制御することができる。このような放射線治療装置制御方法によれば、さらに、治療計画時のセットアップマージンを小さくすることができる。
さらに、ステップS3のガンマ変換によれば、その治療計画が示す3次元データを作成するときに利用された機器のガンマ特性と放射線治療装置3のイメージャのガンマ特性とが大きく異なる場合であっても、より適切に第1テンプレート領域66と第2テンプレート領域67とがX線画像から適切に抽出されることができる。
さらに、ステップS4の輝度レンジの設定によれば、第1テンプレート領域66をX線画像から抽出するときの情報量を低減することができる。さらに、ステップS7の輝度レンジの設定によれば、第2テンプレート領域67をX線画像から抽出するときの情報量を低減することができる。この結果、放射線治療装置制御装置2は、患者43の位置をより高速に調整することができる。
さらに、ステップS5の階調数の設定によれば、第1テンプレート領域66をX線画像から抽出するときの情報量を低減することができる。さらに、ステップS8の階調数の設定によれば、第2テンプレート領域67をX線画像から抽出するときの情報量を低減することができる。この結果、放射線治療装置制御装置2は、患者43の位置をより高速に調整することができる。
なお、治療計画が示す3次元データは、放射線治療装置3を用いて作成されることもできる。このとき、放射線治療装置制御装置2は、既述の実施の形態と同様にして、患者43の位置をより高精度に調整することができる。このとき、放射線治療装置制御装置2は、さらに、ステップS3のガンマ変換を省略することができる。すなわち、そのガンマ補正後第iX線画像(i=1,2)は、その第iX線画像に一致させることもできる。
なお、放射線治療装置制御装置2は、計算処理能力を十分に有しているときに、ステップS4、S7の輝度レンジの設定またはステップS5、S8の輝度数の設定を省略することもできる。すなわち、その輝度レンジ補正後第iX線画像は、そのガンマ補正後第iX線画像に一致させることもでき、階調粗さ補正後第iX線画像は、その輝度レンジ補正後第iX線画像に一致させることもできる。
本発明による放射線治療装置制御装置の実施の他の形態は、既述の実施の形態における照合方法選択部54が他の照合方法選択部に置換されている。その照合方法選択部は、第1照合方法として特徴点照合を採用し、第2照合方法としてパターン照合を採用する。その特徴点照合は、コントラストが大きい像のマッチングに適している照合方法である。そのパターン照合は、コントラストが小さい像のマッチングに適している照合方法である。このような放射線治療装置制御装置は、その第1照合方法と第2照合方法とを固定した場合であっても、既述の実施の形態における放射線治療装置制御装置2と同様にして、患者43の位置をより高精度に調整することができる。さらに、その第1照合方法と第2照合方法とは、第1部位の像と第2部位の像との両方のマッチングに適した照合方法がある場合に、その照合方法に一致させることもできる。
本発明による放射線治療装置制御装置の実施のさらに他の形態は、既述の実施の形態における撮影部52と第1補正部55と第2補正部56とが他の撮影部と第1補正部と第2補正部とにそれぞれ置換されている。
その撮影部は、さらに、走行ガントリ14が回転軸18を中心に回転するように、放射線治療装置3の走行駆動装置を制御する。その撮影部は、さらに、走行ガントリ14が回転しているときに、Oリング12に対して第1診断用X線源24が所定の複数の撮影角度に配置されるタイミングで第1診断用X線35がそれぞれ曝射されるように、第1診断用X線源24を制御し、Oリング12に対して第2診断用X線源25が所定の複数の撮影角度に配置されるタイミングで第2診断用X線36がそれぞれ曝射されるように、第2診断用X線源25を制御する。その撮影部は、さらに、第1診断用X線35が曝射されたときに、第1X線画像が生成されるように、第1センサアレイ32を制御し、第2診断用X線36が曝射されたときに、第2X線画像が生成されるように、第2センサアレイ33を制御する。その撮影部は、さらに、その複数の第1X線画像と複数の第2X線画像とに基づいて3次元データを作成する。その3次元データは、治療計画が示す3次元データと同様にして、複数のボクセルに複数の透過率を対応付けている。
その第1補正部は、既述の実施の形態における第1補正部55と同様にして、その撮影部により作成された3次元データをガンマ補正後3次元データに補正し、そのガンマ補正後3次元データを輝度レンジ補正後3次元データに補正し、その輝度レンジ補正後3次元データを階調粗さ補正後3次元データに補正する。その第1補正部は、治療計画が示す3次元データのうちの患者43の骨を映し出す第1テンプレート3次元領域に最も類似する3次元領域をその階調粗さ補正後3次元データから抽出し、その抽出された3次元領域の位置と向きとに基づいて、回転補正量と並進補正量とを算出する。
その第2補正部は、既述の実施の形態における第2補正部56と同様にして、その撮影部により作成された3次元データをガンマ補正後3次元データに補正し、そのガンマ補正後3次元データを輝度レンジ補正後3次元データに補正し、その輝度レンジ補正後3次元データを階調粗さ補正後3次元データに補正する。その第2補正部は、治療計画が示す3次元データのうちの患者43の患部を映し出す第2テンプレート3次元領域に最も類似する3次元領域をその階調粗さ補正後3次元データから抽出し、その抽出された3次元領域の位置と向きとその第1補正部により算出された回転補正量とに基づいて、並進補正量を算出する。
このような放射線治療装置制御装置は、既述の実施の形態における放射線治療装置制御装置2と同様にして、患者43の位置をより高精度に調整することができる。
1 :放射線治療システム
2 :放射線治療装置制御装置
3 :放射線治療装置
11:旋回駆動装置
12:Oリング
14:走行ガントリ
15:首振り装置
16:放射線照射装置
17:回転軸
18:回転軸
19:アイソセンタ
20:マルチリーフコリメータ
21:チルト軸
22:パン軸
23:治療用放射線
24:第1診断用X線源
25:第2診断用X線源
32:第1センサアレイ
33:第2センサアレイ
35:第1診断用X線
36:第2診断用X線
41:カウチ
42:カウチ駆動装置
43:患者
51:治療計画収集部
52:撮影部
53:照合データ作成部
54:照合方法選択部
55:第1補正部
56:第2補正部
57:カウチ制御部
58:照射部
61:第1DRR画像
63:第1部位像
62:第2部位像
64:第3部位像
66:第1テンプレート領域
67:第2テンプレート領域
71:第1X線画像
73:第1部位像
72:第2部位像
74:第3部位像

Claims (14)

  1. 第1部位と第2部位とを有する被検体の透過画像により示される前記第1部位の位置と向きとに基づいて回転補正量と第1並進補正量とを算出するステップと、
    前記透過画像により示される前記第2部位の位置と向きと前記回転補正量とに基づいて第2並進補正量とを算出するステップとを具備し、
    前記回転補正量と前記第1並進補正量とは、前記被検体が配置されるカウチが前記回転補正量だけ回転移動するときに、かつ、前記カウチが前記第1並進補正量だけ平行移動するときに、前記第1部位が所定の部位に配置されるように、算出され、
    前記第2並進補正量は、前記被検体が配置されるカウチが前記回転補正量だけ回転移動するときに、かつ、前記カウチが前記第2並進補正量だけ平行移動するときに、前記第2部位が所定の部位に配置されるように、算出され、
    前記第1部位は、前記第2部位より大きい
    放射線治療装置制御方法。
  2. 請求の範囲1において、
    前記被検体の治療計画用3次元データを収集するステップをさらに具備し、
    前記回転補正量と前記第1並進補正量とは、前記透過画像のうちの前記治療計画用3次元データに基づいて算出される第1テンプレートにマッチングする第1検出領域に基づいて算出され、
    前記第2並進補正量は、前記透過画像のうちの前記治療計画用3次元データに基づいて算出される第2テンプレートにマッチングする第2検出領域と前記回転補正量とに基づいて算出される
    放射線治療装置制御方法。
  3. 請求の範囲2において、
    前記第1検出領域は、特徴点照合により算出され、
    前記第2検出領域は、前記特徴点照合と異なるパターン照合により算出される
    放射線治療装置制御方法。
  4. 請求の範囲2または請求の範囲3のいずれかにおいて、
    前記第1検出領域は、前記透過画像から変換された第1輝度レンジ補正後透過画像に基づいて算出され、
    前記第1輝度レンジ補正後透過画像が示す複数の輝度が取り得る範囲は、前記透過画像が示す複数の輝度が取り得る範囲より狭く、
    前記第2検出領域は、前記透過画像から変換された第2輝度レンジ補正後透過画像に基づいて算出され、
    前記第2輝度レンジ補正後透過画像が示す複数の輝度が取り得る範囲は、前記透過画像が示す複数の輝度が取り得る範囲より狭い
    放射線治療装置制御方法。
  5. 請求の範囲2〜請求の範囲4のいずれかにおいて、
    前記第1検出領域は、前記透過画像から変換された階調粗さ補正後透過画像に基づいて算出され、
    前記透過画像の階調は、前記階調粗さ補正後透過画像の階調より細かい
    放射線治療装置制御方法。
  6. 請求の範囲2〜請求の範囲5のいずれかにおいて、
    前記第1検出領域は、階調補正後透過画像が示す複数の輝度の度数分布が前記治療計画用3次元データから算出されるDRR画像が示す複数の輝度の度数分布に概ね一致するように、前記透過画像から変換された前記階調補正後透過画像に基づいて算出され、
    前記第2検出領域は、前記階調補正後透過画像に基づいて算出される
    放射線治療装置制御方法。
  7. 第1部位と第2部位とを有する被検体の透過画像を撮影する撮影部と、
    前記透過画像により示される前記第1部位の位置と向きとに基づいて回転補正量と第1並進補正量とを算出する第1補正部と、
    前記透過画像により示される前記第2部位の位置と向きと前記回転補正量とに基づいて第2並進補正量とを算出する第2補正部と、
    前記被検体が配置されるカウチが前記回転補正量だけ回転移動するように、かつ、前記カウチが前記第2並進補正量だけ平行移動するように、前記カウチを駆動するカウチ駆動装置を制御するカウチ制御部とを具備し、
    前記第1部位は、前記第2部位より大きい
    放射線治療装置制御装置。
  8. 請求の範囲7において、
    前記被検体の治療計画用3次元データを収集する治療計画収集部をさらに具備し、
    前記第1補正部は、前記透過画像のうちの前記治療計画用3次元データに基づいて算出される第1テンプレートにマッチングする第1検出領域に基づいて前記回転補正量と前記第1並進補正量とを算出し、
    前記第2補正部は、前記透過画像のうちの前記治療計画用3次元データに基づいて算出される第2テンプレートにマッチングする第2検出領域と前記回転補正量とに基づいて前記第2並進補正量を算出する
    放射線治療装置制御装置。
  9. 請求の範囲8において、
    前記第1補正部は、特徴点照合により前記第1検出領域を算出し、
    前記第2補正部は、前記特徴点照合と異なるパターン照合により前記第2検出領域を算出する
    放射線治療装置制御装置。
  10. 請求の範囲8または請求の範囲9のいずれかにおいて、
    前記第1補正部は、前記透過画像から変換された第1輝度レンジ補正後透過画像に基づいて前記第1検出領域を算出し、
    前記第1輝度レンジ補正後透過画像が示す複数の輝度が取り得る範囲は、前記透過画像が示す複数の輝度が取り得る範囲より狭く、
    前記第2補正部は、前記透過画像から変換された第2輝度レンジ補正後透過画像に基づいて前記第2検出領域を算出し、
    前記第2輝度レンジ補正後透過画像が示す複数の輝度が取り得る範囲は、前記透過画像が示す複数の輝度が取り得る範囲より狭い
    放射線治療装置制御装置。
  11. 請求の範囲8〜請求の範囲10のいずれかにおいて、
    前記第1補正部は、前記透過画像から変換された階調粗さ補正後透過画像に基づいて前記第1検出領域を算出し、
    前記透過画像の階調は、前記階調粗さ補正後透過画像の階調より細かい
    放射線治療装置制御装置。
  12. 請求の範囲8〜請求の範囲11のいずれかにおいて、
    前記第1補正部は、階調補正後透過画像が示す複数の輝度の度数分布が前記治療計画用3次元データから算出されるDRR画像が示す複数の輝度の度数分布に概ね一致するように、前記透過画像から変換された前記階調補正後透過画像に基づいて前記第1検出領域を算出し、
    前記第2補正部は、前記階調補正後透過画像に基づいて前記第2検出領域を算出する
    放射線治療装置制御装置。
  13. 請求の範囲7〜請求の範囲12のいずれかにおいて、
    前記第2部位に治療用放射線が曝射されるように、治療用放射線照射装置を制御する照射部
    をさらに具備する放射線治療装置制御装置。
  14. 請求の範囲13において、
    前記照射部は、前記透過画像を撮影したイメージャを用いて前記被検体の他の透過画像を撮影した後に、前記第2部位に治療用放射線が曝射されるように、前記治療用放射線照射装置を駆動する首振り装置を前記他の透過画像に基づいて制御する
    放射線治療装置制御装置。
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