JPH1146023A - 薄膜センサ素子及びその製造方法 - Google Patents

薄膜センサ素子及びその製造方法

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JPH1146023A
JPH1146023A JP9201800A JP20180097A JPH1146023A JP H1146023 A JPH1146023 A JP H1146023A JP 9201800 A JP9201800 A JP 9201800A JP 20180097 A JP20180097 A JP 20180097A JP H1146023 A JPH1146023 A JP H1146023A
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magnetic
thin film
sensor
film
artificial lattice
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JP9201800A
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Takahito Murata
高人 村田
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は薄膜センサ素子及びその製造方法に
関し、電極をパターニングする工程を不要とすること
で、素子の低コスト化を実現することを目的とする。 【解決手段】 磁気検出素子10は、基板16に形成さ
れた磁性人工格子薄膜22が所定のパターンにパターニ
ングされてなる磁気感応部18を備える。磁気感応部1
8の表面には、金や白金等の貴金属よりなる低抵抗金属
層24が設けられる。保護膜26は磁気感応部18を覆
うように形成される。保護膜26の、磁気感応部18の
電極部18a、18bに対応する部位にはコンタクトホ
ール28、30が設けられる。電極部18a、18b
は、異方導電性フィルム15を介して、フレキシブル基
板14の電極34、36に電気的に接続される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薄膜センサ素子に
係り、特に、例えば磁気式回転センサ等における磁気検
出素子として好適な薄膜センサ素子及びその製造方法に
関する。
【0002】
【従来の技術】例えば磁気式回転数センサ等に適用する
ことが可能な磁気検出素子として、従来より磁性人工格
子薄膜素子が公知である。磁性人工格子薄膜素子は、強
磁性膜と非磁性膜とを交互に積層してなる素子であり、
作用する磁界の変化に応じて抵抗値が変化する特性を有
している。かかる磁性人工格子薄膜素子を磁気検出素子
として用いる場合、その抵抗変化を検出するために、素
子の表面に電極が設けられる。電極材料としてはアルミ
ニウムが一般的であるが、素子との接触抵抗を抑制する
等の点では、金等の貴金属を電極材料として用いること
が望ましい。
【0003】例えば、特開平4−360531号には、
金より構成された電極を備える半導体センサが開示され
ている。この半導体センサの製造工程において、絶縁基
板上にセンサ素子が形成された後、その表面に金の薄膜
が形成される。そして、この金薄膜がエッチングにより
所定のパターンにパターンニングされることで、電極が
形成される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述の如
く、磁性人工格子薄膜素子による磁界の検出は、磁界に
応じた抵抗値の変化に基づいて行なわれる。かかる磁界
の検出を高い感度で行なうため、磁性人工格子薄膜素子
は、一般に、細線状に形成されたセンサ部と、この検出
部の両端に設けられた電極部とよりなるパターンにパタ
ーニングされる。そして、電極部に外部配線を接続する
ことで、センサ部における抵抗値を検出することができ
る。従って、磁性人工格子薄膜素子を用いて磁気検出を
行なう場合、上記パターンの電極部との電気的接続を確
保することができれば、電極を別途パターニングして形
成することは不要である。
【0005】しかしながら、上記従来の半導体センサに
おいては、その製造工程において、電極を形成するため
に、電極のパターニングを行なうための工程が必要とさ
れ、製造コストが上昇してしまう。この点、上記従来の
半導体センサにおける電極の構成は、磁性人工格子薄膜
素子に適用するのに最適なものではない。本発明は、上
述の点に鑑みてなされたものであり、電極のパターニン
グ工程を不要とすることにより低コスト化を図ることが
可能な薄膜センサ素子及びその製造方法を提供すること
を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、請求項1
に記載する如く、基板と、該基板上に形成され、最上層
に低抵抗金属層を有すると共に、センサ部と、該センサ
部の両端にそれぞれ接続された一対の電極部とを有する
パターンにパターニングされたセンサ薄膜と、を備える
薄膜センサ素子により達成される。
【0007】また、上記の目的は、請求項2に記載する
如く、基板にセンサ薄膜を形成する工程と、該センサ薄
膜の表面に低抵抗金属層を形成する工程と、前記センサ
薄膜及び低抵抗金属層を、センサ部と、該センサ部の両
端にそれぞれ接続された一対の電極部とを有するパター
ンにパターニングする工程と、を備える薄膜センサ素子
の製造方法によっても達成される。
【0008】請求項1及び2記載の発明において、セン
サ薄膜は、センサ部と、該センサ部の両端にそれぞれ接
続された一対の電極部とを有するパターンにパターニン
グされる。従って、センサ薄膜のセンサ部の両端間にお
ける抵抗値は、電極部間の抵抗値に一致する。センサ薄
膜の最上層には低抵抗金属層が設けられる。従って、電
極部における低抵抗金属層を介して、センサ部の両端間
におけるセンサ薄膜の抵抗値を検出することができる。
なお、本発明において、センサ薄膜とは、検出される物
理量の変化に応じた抵抗値変化を示す薄膜を意味するも
のとする。
【0009】
【発明の実施の形態】図1は本発明の一実施例である磁
性人工格子薄膜素子10(以下、磁気検出素子10と称
す)が採用された磁気センサ12の断面図である。図1
に示す如く、磁気センサ12は、磁気検出素子10とフ
レキシブル基板14とを備えている。磁気検出素子10
は、異方導電性フィルム15を介してフレキシブル基板
14に接合されることで、いわゆるフェースダウン実装
されている。
【0010】磁気検出素子10は、基板16を備えてい
る。基板16は、例えばガラス基板や、表面にSiO2
層を備えるシリコンウエハ等の絶縁基板である。基板1
6の表面には、所定のパターンにパターニングされた磁
気感応部18が形成されている。 図2は、磁気感応部
18のパターンを示している。図2に示す如く、磁気感
応部18は、矩形上に形成された2つの電極部18a、
18bと、細線状に形成され、電極部18a、18bと
を接続するセンサ部18cとより構成されている。な
お、磁気感応部18のパターンは図2に示す構成に限ら
れるものではなく、一対の電極部と、この電極部を接続
する細線状のセンサ部とを有する任意のパターンを用い
ることができる。
【0011】図3は、磁気感応部18の構造を示す断面
図である。図3に示す如く、磁気感応部18は、基板1
6側から順に、バッファ層20、磁性人工格子薄膜2
2、及び低抵抗金属層24を備えている。バッファ層2
0は、鉄(Fe)あるいはニッケル鉄(NiFe)等よ
りなる厚さが例えば5nm程度の層であり、磁性人工格
子薄膜22の特性の向上を目的として設けられている。
ただし、磁性人工格子薄膜22の特性に応じてバッファ
層20を適宜省いてもよい。
【0012】磁性人工格子薄膜22は、バッファ層20
の表面に、厚さが例えば約1nm程度の強磁性層22a
と、厚さが例えば約2nm程度の非磁性層22bとを交
互にそれぞれ十数層積層してなる多層膜である。強磁性
層22aと非磁性層22bとを構成する材料の組み合わ
せとして、例えば、コバルト(Co)/銅(Cu)や、
クロム(Cr)/鉄(Fe)等の公知の任意の組み合わ
せを用いることができる。
【0013】低抵抗金属層24は、磁性人工格子薄膜2
2の表面に形成された厚さが例えば1〜2nm程度の金
属層である。低抵抗金属層24は、例えば、金(A
u)、白金(Pt)等の低抵抗貴金属材料より構成され
ている。磁性人工格子薄膜22は、上述の如く、強磁性
層22aと非磁性層22bとが交互に積層されて構成さ
れていることで、磁界の変化に応じてその抵抗値が変化
する特性を有している。図4は磁性人工格子薄膜22に
作用する磁界Hと、磁性人工格子薄膜22の単位面積当
たりの抵抗値Rとの関係を例示している。図4に示す如
く、磁性人工格子薄膜22の単位面積当たりの抵抗値R
は、磁界Hの絶対値の増加に応じて減少する。従って、
かかる抵抗値の変化を検出することで、磁性人工格子薄
膜22に作用する磁界の大きさを計測することができ
る。
【0014】再び図1を参照するに、基板16の表面に
は、磁気感応部18の全体を覆うように、保護膜26が
形成されている。保護層26は、例えば、酸化シリコン
SiO2 、ポリイミド、又は、窒化珪素SiNx 等より
構成された厚さ数百nm〜数μmの絶縁層である。保護
膜26は、磁気感応部18を外部環境から保護し、磁気
感応部18の酸化等を防止する役割を有している。保護
膜26の、磁気感応部18の電極部18a,18bに対
応する部位には、それぞれ、コンタクトホール28、3
0が設けられている。
【0015】保護膜26の表面には、異方導電性フィル
ム15が接合されている。異方導電性フィルム15は、
エポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の内部に導電性粒子が分
散されてなるフィルム状の部材である。後述する如く、
磁気検出素子10の製造工程において、異方電導性フィ
ルム15は厚さ方向に圧縮される。この過程で、電導性
粒子が異方導電性フィルム15の厚さ方向において互い
に接触することで、異方導電性フィルム15には厚さ方
向のみの異方的な導電性が付与されている。
【0016】フレキシブル基板14は、柔軟性を有する
帯状の樹脂製部材であり、その表面に、電極34、36
を備えている。フレキシブル基板14は、電極34、3
6が異方導電性フィルム15を隔てて、それぞれ、コン
タクトホール28、30と対向するように、異方導電性
フィルム15の表面に接合されている。このため、フレ
キシブル基板14の電極34、36は、異方導電性フィ
ルム15を介して、それぞれ、磁気感応部18の電極部
18a、18bと電気的に導通している。
【0017】次に、図5〜図11を参照して、磁気セン
サ12を製造する工程について説明する。先ず、図5〜
図10を参照して、磁気検出素子10を製造する工程に
ついて説明する。図5〜図10は、磁気検出素子10の
製造工程の各段階を示す図である。磁気検出素子10の
製造にあたっては、先ず、図5に示す如く、基板16の
表面に、バッファ層20が成膜される。次に、バッファ
層20の表面に、強磁性層22a及び非磁性層22bが
交互に成膜されることで、図6に示す如く、磁性人工格
子薄膜22が形成される。磁性人工格子薄膜22が形成
されると、次に、図7に示す如く、その表面に低抵抗金
属層24が成膜される。なお、上記図5〜図7に示す成
膜工程は、複数のターゲットを有する多元スパッタ装置
内でスパッタリングにより連続的に行なわれる。
【0018】上記スパッタリング工程が終了すると、次
に、図8に示す如く、バッファ層20、磁性人工格子薄
膜22、及び低抵抗金属層24がフォトリソグラフィー
技術を用いて上記図2に示すパターンにパターニングさ
れ、磁気感応部18が形成される。このパターニング
は、物理的ドライエッチングやリフトオフ法等の公知の
手法を用いて行なうことができる。あるいは、エッチン
グガスやエッチング液を適切に選択することで、化学的
ドライエッチングあるいはウェットエッチングにより行
なうこともできる。
【0019】磁気感応部18が形成されると、次に、図
9に示す如く、保護膜26が、磁気感応部18を覆うよ
うに基板16上に成膜される。なお、保護膜26を酸化
シリコンSiO2 又は窒化シリコンSiNx より構成す
る場合には、保護膜26の成膜はスパッタリングにより
行なうことができる。また、保護膜26をポリイミドよ
り構成する場合には、保護膜26の成膜はスピンコーテ
ィングにより行なうことができる。
【0020】保護膜26の成膜が終了すると、次に、図
10に示す如く、保護膜26にコンタクトホール28、
30が形成されることで、磁気検出素子10が完成す
る。コンタクトホール28、30の形成は、フォトリソ
グラフィー技術を用いたドライエッチング又はウェット
エッチング等の公知の手法により行なわれる。なお、上
述の如く、コンタクトホール28、30は、それぞれ、
磁気感応部18の電極部18a、18bに対応する部位
に設けられる。
【0021】上記工程により磁気検出素子10が完成す
ると、次に、磁気検出素子10のフレキシブル基板14
へのフェースダウン実装が行なわれる。図11は、磁気
検出素子10をフレキシブル基板14にフェースダウン
実装する工程を示す図である。図11に示す如く、磁気
検出素子10とフレキシブル基板14とは、磁気検出素
子10のコンタクトホール28、30が、それぞれ、フ
レキシブル基板14の電極34、36の少なくとも一部
と対向するように配置され、両者の間には、異方導電性
フィルム15が設置される。次に、異方導電性フィルム
15がその軟化温度まで加熱された状態で、磁気検出素
子10とフレキシブル基板14とが互いに押圧される。
【0022】磁気検出素子10とフレキシブル基板14
とが互いに押圧されると、異方導電性フィルム15は軟
化した状態で、両者の間で厚さ方向に圧縮される。この
ため、異方導電性フィルム15は、フレキシブル基板1
4の電極34、36に密着すると共に、コンタクトホー
ル28、30の内部を充填しながら、電極部18a、1
8bの低抵抗金属層24に密着する。この場合、上記し
たように、異方導電性フィルム15が厚さ方向に圧縮さ
れることで、異方導電性フィルム15に含まれる導電性
粒子が厚さ方向において互いに接触し、電極34、36
と電極部18a、18bとの間の電気的導通が確立され
る。
【0023】異方導電性フィルム15が上述の如く圧縮
された後、更に、異方導電性フィルム15をその硬化温
度まで加熱すると、異方導電性フィルム15は、フレキ
シブル基板14及び磁気検出素子10に接合された状態
で硬化する。そして、その後、異方導電性フィルム15
が冷却されることで、磁気センサ12が完成する。本実
施例においては、上記図2に示す如く、磁気感応部18
のセンサ部18cが細線状に形成されていることで、セ
ンサ部18cにおける磁性人工格子薄膜22の抵抗値
は、電極部18a、18bにおける抵抗値よりも十分に
大きい。このため、磁気感応部18に作用する磁界の変
化に伴って磁性人工格子薄膜22に生ずる抵抗変化は、
センサ部18cにおいて支配的となる。
【0024】一方、センサ部18cの表面には低抵抗金
属層24が形成されているが、センサ部18cが細い帯
状に形成され、かつ、低抵抗金属層24が1nm〜2n
mの非常に薄い厚さに形成されているため、センサ部1
8cにおける低抵抗金属層24の抵抗値は十分に大き
い。このため、センサ部18cの両端間における抵抗値
は、低抵抗金属層24の影響を受けず、磁性人工格子薄
膜22の抵抗値にのみ支配されるとみなすことができ
る。
【0025】このように、本実施例においては、センサ
部18cの表面全体に低抵抗金属層24が形成されてい
るにもかかわらず、電極部18a、18b間の抵抗値
は、磁性人工格子薄膜22のセンサ部18cにおける抵
抗値を示し、また、この抵抗値は、センサ部18cに作
用する磁界に応じた値となる。従って、フレキシブル基
板14の電極34、36を介して、電極部18a、18
b間の抵抗値を測定することで、磁性人工格子薄膜22
磁気検出素子10に作用する磁界の大きさを検出するこ
とができる。
【0026】なお、本実施例においては、磁気検出素子
10をフレキシブル基板14にフェースダウン実装する
ことで、異方導電性フィルム15を介して電極部18
a、18cから配線を取り出すこととしたが、これに限
らず、例えば導電性接着剤を用いて電極部18a、18
bの低抵抗金属層24から配線を取り出すこととしても
よい。
【0027】また、上記図11に示す工程において、フ
レキシブル基板14の電極34、36と磁気検出素子1
0の電極部18a、18bとの間の電気的導通をより良
好なものとするうえで、電極部18a、18bがそれぞ
れコンタクトホール28、30から突出することが好ま
しい。すなわち、電極部18a、18bがコンタクトホ
ール28、30から突出していると、フレキシブル基板
14の電極34、36と磁気検出素子10の電極部18
a、18bとの間において、異方導電性フィルム15に
大きな圧縮力が作用するため、その抵抗値が減少させる
ことができるのである。かかる構成は、例えば、図11
に示す工程の前に、コンタクトホール28、30にハン
ダを盛ることにより実現することができる。この場合、
低抵抗金属層24を構成する材料として、貴金属材料に
代えて、ハンダとの間の高い密着性を有するニッケルN
iを採用することで、ハンダと電極部18a、18bと
の間の良好な電気的導通を確保することができる。
【0028】次に、本実施例に磁気センサ12の適用例
について説明する。図12は、本実施例の磁気センサ1
2が回転体の回転数計測に適用された場合の構成を模式
的に示している。図12に示す構成において、ロータ1
00は円盤状に形成された磁性部材であり、図示しない
回転体と一体に回転する。ロータ100は、その外周部
に、周方向に一定のピッチで形成された歯部100aを
備えている。磁気センサ12は、磁気検出素子10がロ
ータ100の外周と対向するように設置されている。磁
気検出素子10を隔ててロータ100と対向する部位に
は、マグネット102が配設されている。
【0029】かかる構成によれば、ロータ100が、歯
部100aが磁気検出素子10と対向するような回転位
置にある場合は、マグネット102からロータ100の
歯部100aへ磁束が導かれることで、磁気検出素子1
0には大きな磁界が作用する。また、ロータ100が上
記回転位置から歯部100aのピッチの半分に相当する
角度だけ回転すると、歯部100aの間の谷間と、磁気
検出素子10とが対向するようになる。この状態では、
マグネット102からロータ100へ導かれる磁束が減
少することで、磁気検出素子10に作用する磁界も減少
する。
【0030】このように、図12に示す構成によれば、
ロータ100の回転角度に対して、磁気検出素子10に
作用する磁界が周期的に変化することになる。従って、
電極34、36間の抵抗値の変化に基づいて、かかる磁
界の変化を検出することで、ロータ100の回転数を計
測することができる。ところで、磁性人工格子薄膜を用
いた従来の磁気検出素子においては、一般に、磁性人工
格子薄膜の抵抗値を検出するための電極として、例えば
アルミニウムや金等からなる電極を磁気検出素子の表面
に形成することが行なわれている。すなわち、従来の磁
気検出素子の製造工程においては、本実施例における低
抵抗金属層24の連続形成は行なわれず、それに代え
て、図10に示すコンタクトホールの形成後、アルミニ
ウムや金の薄膜が形成される。そして、この薄膜が所定
の電極パターンにパターニングされることでアルミ電極
が形成される。このように、従来の磁気検出素子におい
ては、その製造にあたって、薄膜の成膜及びそのパター
ニングを行なうための工程を設けることが必要となる。
【0031】これに対して、本実施例の磁気検出素子1
0によれば、磁性人工格子薄膜22の表面に低抵抗金属
層24が形成されると共に、磁気感応部18が図2に示
す如く、電極部18a、18bとセンサ部18cとから
なるパターンに形成されることで、低抵抗金属層24の
うち電極部18a、18bを構成する部位が、磁性人工
格子薄膜22の抵抗値を検出するための電極としての役
割を有する構成となっている。このため、保護膜26に
コンタクトホール28、30を設けることのみで、磁気
検出素子10との電気的接続を実現することができる。
このように、本実施例によれば、磁気検出素子10に電
極をパターニングする工程が不要とされることで、磁気
検出素子10の製造工程が簡素化され、これにより、磁
気センサ12の低コスト化が図られている。
【0032】また、アルミニウム製の電極(以下、アル
ミ電極という)を用いる場合、成膜後のアルミニウムの
品質を向上させると共に、アルミ電極と磁性人工格子薄
膜との間の接触抵抗を低減するため、アルミ電極に50
0°C程度の高温でシンタリンング処理を施すことが望
ましい。しかしながら、磁性人工格子薄膜はその構造
上、約300°Cを越える温度で特性が劣化する性質を
有しているため、磁性人工格子薄膜にアルミ電極を適用
した場合には、上述の如き高温でのシンタリング処理を
行なうことはできない。このため、アルミ電極を用いた
従来の磁気検出素子においては、アルミ電極の品質が低
下すると共に、磁性人工格子薄膜とアルミ電極との間の
接触抵抗を十分に低減することができないという問題が
生ずる可能性がある。
【0033】また、アルミニウム電極からの配線の取り
出しは、一般にはワイヤボンディングにより行なわれ
る。この場合、アルミニウム電極の品質の低下に伴っ
て、ボンディングワイヤとアルミ電極との接合が確実に
行なわれず、ワイヤボンディング接続の信頼性の低下を
招くことにもなる。かかる不都合を回避するために、従
来の磁気検出素子において、導電性接着材を用いて電極
からの配線の取り出しを行なうことも考えられる。しか
しながら、アルミニウムは酸化し易い性質を有している
ため、導電性接着材を用いた場合には、アルミ電極表面
に形成された酸化膜の影響で、安定な電気的接続を確保
することが困難となる。
【0034】これに対して、本実施例においては、低抵
抗金属層24が金Au又は白金Pt等の低抵抗貴金属材
料から構成されているため、その表面に酸化層は形成さ
れ難い。このため、磁気検出素子10の電極部18a、
18cとの電気的接続を、異方導電性フィルム15(又
は、導電性接着材)を用いて低い接触抵抗で安定に実現
することができる。
【0035】また、本実施例の磁気センサ12において
は、電極34、36と磁気検出素子10との接続にワイ
ヤボンディングが用いられていないため、ボンディング
ワイヤの存在によって、磁気検出素子10と検出対象物
との間の距離の下限値が制限されることはない。すなわ
ち、例えば図12に示す構成においては、磁気検出素子
10からボンディングワイヤが突出しないため、ロータ
100の歯部100aの頂部との距離Lを十分に小さく
することができる。この場合、ロータ100の回転に伴
う、磁気検出素子10に作用する磁界の変化が大きくな
るため、ロータ100の回転数を高い信頼性で測定する
ことが可能となる。
【0036】このように、本実施例によれば、磁気検出
素子10からの配線の取り出しをワイヤボンディングを
用いることなく行なえることで、磁気検出素子10の配
置の自由度が向上するという利益をも得ることができ
る。なお、上記実施例においては、磁性人工格子薄膜2
2が請求項に記載したセンサ薄膜に相当している。ただ
し、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば磁
気抵抗素子の薄膜など、磁界その他の物理量の変化に応
じた抵抗値変化を示す任意の薄膜をセンサ薄膜として適
用することができる。
【0037】
【発明の効果】上述の如く、請求項1及び2記載の発明
によれば、薄膜センサ素子の製造工程において、電極を
パターニングする工程が不要とされる。従って、本発明
によれば、薄膜センサ素子の低コスト化を図ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である磁気検出素子が採用さ
れた磁気センサの断面図である。
【図2】本実施例の磁気検出素子が備える磁気感応部の
パターンを示す図である。
【図3】磁気感応部の構造を示す断面図である。
【図4】磁性人工格子薄膜に作用する磁界Hと単位面積
当たりの抵抗値Rとの関係を示す図である。
【図5】磁気検出素子の製造工程において、基板にバッ
ファ層が形成された後の状態を示す図である。
【図6】磁気検出素子の製造工程において、磁性人工格
子薄膜が形成された後の状態を示す図である。
【図7】磁気検出素子の製造工程において、低抵抗金属
層が形成された後の状態を示す図である。
【図8】磁気検出素子の製造工程において、磁気感応部
が形成された後の状態を示す図である。
【図9】磁気検出素子の製造工程において、保護膜が形
成された後の状態を示す図である。
【図10】磁気検出素子の製造工程において、保護膜に
コンタクトホールが形成され、磁気検出素子が完成した
状態を示す図である。
【図11】磁気検出素子を異方導電性フィルムを介して
フレキシブル基板にフェースダウン実装する工程を示す
図である。
【図12】本実施例の磁気センサを回転体の回転数計測
に適用した場合の構成を模式的に示す図である。
【符号の説明】
10 磁性人工格子薄膜素子(磁気検出素子) 16 基板 18 磁気感応部 18a、18b 電極部 18c センサ部 22 磁性人工格子薄膜 24 低抵抗層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基板と、 該基板上に形成され、最上層に低抵抗金属層を有すると
    共に、センサ部と、該センサ部の両端にそれぞれ接続さ
    れた一対の電極部とを有するパターンにパターニングさ
    れたセンサ薄膜と、 を備えることを特徴とする薄膜センサ素子。
  2. 【請求項2】 基板にセンサ薄膜を形成する工程と、 該センサ薄膜の表面に低抵抗金属層を形成する工程と、 前記センサ薄膜及び低抵抗金属層を、センサ部と、該セ
    ンサ部の両端にそれぞれ接続された一対の電極部とを有
    するパターンにパターニングする工程と、 を備えることを特徴とする薄膜センサ素子の製造方法。
JP9201800A 1997-07-28 1997-07-28 薄膜センサ素子及びその製造方法 Pending JPH1146023A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007258402A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 磁気センサ

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JP2007258402A (ja) * 2006-03-23 2007-10-04 Toyota Central Res & Dev Lab Inc 磁気センサ

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