JPH1146005A - 凹凸膜作製方法,光学素子並びに光起電力素子及びその製造方法 - Google Patents

凹凸膜作製方法,光学素子並びに光起電力素子及びその製造方法

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JPH1146005A
JPH1146005A JP9199003A JP19900397A JPH1146005A JP H1146005 A JPH1146005 A JP H1146005A JP 9199003 A JP9199003 A JP 9199003A JP 19900397 A JP19900397 A JP 19900397A JP H1146005 A JPH1146005 A JP H1146005A
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substrate
uneven
liquid
concavo
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JP9199003A
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Masaaki Kameda
正明 亀田
Hisao Haku
久雄 白玖
Haruhisa Hashimoto
治寿 橋本
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Sanyo Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光の散乱効果を呈するために有効な凹凸形状
を、簡易かつ低コストにて形成でき、しかもその凹凸形
状の制御性が良い凹凸膜作製方法を提供する。 【解決手段】 準備したガラス基板1(a)上に、内部
に多数の気泡2を含む液体(シリカ溶液)を塗布して液
状膜3を形成する(b)。液体膜3を塗布されたガラス
基板1を焼成すると、液状膜3に含まれていた気泡2が
弾けて外部に放散され、表面に凹凸形状を有するSiO
2 膜4を作製できる(c)。液体に含まれる気泡の大き
さ,濃度及び分布状態を調整することにより、所望の形
状をなす凹凸パターンを作製する。このような凹凸膜作
製手法を、光起電力素子の製造工程に適用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、物体の光照射面で
光の散乱効果を呈するための膜の作製方法、及び、その
作製方法を用いて形成した膜を有する光起電力素子等の
光学素子に関する。
【0002】
【従来の技術】光の散乱効果を利用した光学部材は多く
の種類のものが知られており、これらの例では、光を透
過または反射する物体の光に照射される面で入射した光
を散乱させる。具体的には、すりガラスのように光の全
体としての透過は保ちながら光の散乱成分を増やし、垂
直透過成分を減少させてガラス板を通して反対側が見え
ないように透視性をなくす目的、または、ガラス表面で
の光の反射を低減する、所謂つや消し効果を得る目的、
または、散乱光の性質を利用してガラス板自身を乳白色
に見せるなどの彩色の目的に、光の散乱効果が利用され
ている。このような光の散乱効果をもたらせるために
は、光の入射面に凹凸形状を作成することが一般的であ
る。
【0003】また、光散乱効果を利用する光学素子の具
体的な例として光起電力素子がある。光起電力素子の場
合、光の照射面に凹凸形状を設けることにより、入射す
る光を散乱透過させ、反射光を低減し、入射した光を照
射面からある一定の深さ方向の領域でより多く吸収させ
ることを目的としている。即ち、半導体の光電変換作用
を用いた光起電力素子では、半導体からなる光電変換層
を挟んで光入射側及び裏面側、または、その何れかに光
の散乱を起こさせるための凹凸形状を設け、光を散乱さ
せて光電変換層内での光の吸収を大きくするようにして
いる。
【0004】具体的に、非晶質シリコン半導体を光電変
換層とする光起電力素子では、ガラス基板に表面電極と
しての透明導電性膜(例えばSnO2 膜)を熱CVD法
にて形成する際に半ば自然発生的に得られる凹凸形状を
以て表面を凹凸化しておき、これに密着して光電変換層
としての非晶質シリコン半導体膜を形成し、裏面側に光
を良く反射する銀などの金属からなる裏面電極膜を形成
する。このようにして作製した光起電力素子では、ガラ
ス/透明導電性膜側から入射してきた光が凹凸形状を有
する透明導電性膜と非晶質シリコン半導体膜との界面で
散乱されて光電変換層である非晶質シリコン半導体膜内
に入射するので、非晶質シリコン半導体膜中に概ね斜め
に光が侵入し、光の実質的な光路が延びて光の吸収が増
大し、この結果、光起電力素子の出力が増加して良好な
効果をもたらす。
【0005】上述したように、光の入射面に凹凸形状を
設けて光を散乱させることにより様々な有効な効果が得
られる。このような凹凸形状を形成する手法としては、
上述したような光起電力素子の場合に見られるような自
然発生的な特別な手法の他に、研磨剤を用いたラッピン
グなどの表面研磨による表面の凹凸化手法、金型などに
よる機械的な凹凸面形成による凹凸化手法、、表面の化
学的エッチング加工による凹凸化手法などが一般的に用
いられている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上述したような各種の
凹凸化手法では、それぞれに凹凸形状の状態及び加工の
工程に問題点がある。表面研磨による表面の凹凸化手法
では、凹凸の制御性、特に凹凸部の表面を滑らかな形状
に仕上げる制御性に問題がある。また、凹凸の大きさ、
特に可視光の散乱程度の小さい凹凸を形成することが難
しい。また、加工後に研磨剤を落とすための洗浄が必要
である。また、研磨剤を用いるので作業者の健康上の問
題もある。また、飛散する研磨剤の半導体素子への影響
も無視できない。更に、凹凸面が鋭利に形成されるので
光が散乱しても外部に放散される割合が多くて光損失が
大きい。
【0007】金型などを用いる凹凸化手法では、金型な
どが必要であるので少量の作製時にコストアップにつな
がり、また、凹凸形状に対しても制限がある。また、表
面のエッチング加工による凹凸化手法では、加工の精度
は高いが、薬剤の使用による工程の煩雑化が問題であ
り、また、マスクなどを用いるので、コストが高くなる
点も問題である。
【0008】なお、光起電力素子の場合の自然発生的な
凹凸化手法では、特別の装置,薬剤などを必要としない
ので極めて簡易であるが、良好な凹凸形状を形成するた
めの制御性は全く果たされておらず、歩留りが低いとい
う問題がある。また、500〜600℃程度の高温での
処理が必要であり、低コスト化を妨げているという問題
もある。
【0009】本発明は斯かる事情に鑑みてなされたもの
であり、気泡を含む液体を付着させた基板を焼成するこ
とにより、光の散乱効果を呈するために有効な凹凸形状
を極めて簡易かつ低コストにて形成でき、しかもその凹
凸形状の制御性が良い凹凸膜作製方法を提供することを
目的とする。
【0010】本発明の他の目的は、このような凹凸膜作
製方法を用いることにより、凹部の形状が曲面になって
凹凸の辺縁が滑らかな形状となり、光の散乱効果を高め
ることができる光学素子を提供することにある。
【0011】本発明の更に他の目的は、光電変換に有効
な凹凸形状を制御性良く形成でき、歩留りの向上を図れ
る光起電力素子及びその製造方法を提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る凹凸膜作
製方法は、表面に凹凸形状を有する膜を基板上に作製す
る方法において、内部に気泡を含ませた前記膜の材料の
液体を前記基板に付着させ、付着した前記液体を加熱す
ることを特徴とする。
【0013】請求項2に係る凹凸膜作製方法は、請求項
1において、前記液体に含ませる気泡の大きさ,濃度及
び分布状態のうちの少なくとも1つを制御することを特
徴とする。
【0014】請求項3に係る光学素子は、光の散乱を起
こすための凹凸形状を有する光学素子において、請求項
1または2記載の方法を用いて作製した、凹部形状が曲
面からなる凹凸形状を有する膜を備えることを特徴とす
る。
【0015】請求項4に係る光起電力素子は、基板と、
該基板上に形成されており、表面に凹凸形状を有する凹
凸膜とを有する光起電力素子において、前記凹凸膜は請
求項1または2記載の方法を用いて作製されていること
を特徴とする。
【0016】請求項5に係る光起電力素子は、基板と、
該基板上に形成されており、表面に凹凸形状を有する凹
凸膜と、該凹凸膜に積層された第1電極膜,光電変換膜
及び第2電極膜とを有する光起電力素子において、前記
凹凸膜は請求項1または2記載の方法を用いて作製され
ていることを特徴とする。
【0017】請求項6に係る光起電力素子の製造方法
は、基板と、該基板上に形成されており、表面に凹凸形
状を有する凹凸膜とを有する光起電力素子を製造する方
法において、内部に気泡を含ませた前記凹凸膜の材料の
液体を前記基板に付着させる工程と、前記液体が付着し
た前記基板を焼成して前記凹凸膜を作製する工程とを有
することを特徴とする。
【0018】請求項7に係る光起電力素子の製造方法
は、基板と、該基板上に形成されており、表面に凹凸形
状を有する凹凸膜と、該凹凸膜に積層された第1電極
膜,光電変換膜及び第2電極膜とを有する光起電力素子
を製造する方法において、内部に気泡を含ませた前記凹
凸膜の材料の液体を前記基板に付着させる工程と、前記
液体が付着した前記基板を焼成して前記凹凸膜を作製す
る工程と、前記第1電極膜,光電変換膜及び第2電極膜
を順次、作製した前記凹凸膜に積層形成する工程とを有
することを特徴とする。
【0019】本発明では、表面を凹凸形状とする膜の材
料である液体に多数の気泡を含ませておき、気泡を含む
液体を基板に付着させ、その後、付着した液体を加熱す
る。そうすると、膜が固化形成される際に、液体に含ま
れている気泡が弾けて外部に放出され、気泡の存在によ
り形成されていた曲面からなる多数の凹部を持つ凹凸形
状を有する膜を形成できる。ここで、予め液体に含ませ
ておく気泡の大きさ,濃度及び分布状態を調整すること
により、所望の大きさ及びパターンの凹部を形成するこ
とができ、形成する凹凸形状の制御性が良い。また、研
磨剤洗浄などの後工程処理、金型などの特別な装置、エ
ッチングに必要なマスク,薬剤が不要であり、簡単な装
置構成にて極めて簡易に、しかも低コストで、所望の形
状を有する凹凸表面を作製することができる。
【0020】また、本発明により作製される凹凸構造で
は、曲面を有する1つの凹部形状が凹レンズ様の形を形
成するので、凹凸構造に光が入射されると、その凹部に
侵入した光は凹レンズの効果により、広がりつつ透過し
て光の屈折による散乱効果を得ることができる。凹部の
形状が一定でない従来の凹凸構造に対して、本発明によ
る凹凸構造では、凹部の形状が凹レンズ様であるので、
透過,反射の何れの場合でも散乱された光の損失が少な
く、光散乱効果は向上する。
【0021】本発明の凹凸膜作製方法は、簡単な手法に
て、光散乱効果を呈する凹凸形状を制御性良く作製でき
るので、光起電力素子などの光散乱効果を利用する所定
形状の光学素子を簡便に量産することができ、歩留りの
向上を図れる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、本発明をその実施の形態を
示す図面を参照して具体的に説明する。
【0023】(実施の形態1)まず、表面に凹凸形状を
有するSiO2 膜4をガラス基板1上に作製する実施の
形態について説明する。図1はこの作製工程を示す模式
的断面図、図2はこの作製処理の一工程(基板への液体
の付着工程)を実施するための装置構成を示す模式図で
ある。
【0024】図2において、12は液状の塗布型薄膜形
成材料としてのシリカ溶液11を収納した容器である。
容器12内には、内部のシリカ溶液11を攪拌する攪拌
機13が設けられている。容器12の下方には、N2
スを供給する供給管14が配設され、その供給管14か
ら5本のノズル15が容器12内に延びており、供給管
14から供給されたN2 ガスが、ノズル15を介して容
器12内に噴射注入されるようになっている。また、供
給管14には、圧力調整器17及び流量調整器18が設
置されており、供給するN2 ガスの圧力及び流量が制御
調整されるようになっている。なお、本例では、ノズル
15近傍に超音波振動子16を設置しており、ノズル1
5の詰まり防止及び気泡形状の安定化を図っている。
【0025】次に、動作について説明する。まず、シリ
カ溶液11を準備し、これを容器12内に入れる。次
に、このシリカ溶液11中に、ノズル15からN2 ガス
を注入し、バブリングしてシリカ溶液11中にN2 の気
泡を溶け込ませる。ガラス基板1上に作製されるSiO
2 膜4の凹凸形状は、この気泡の大きさ、シリカ溶液1
1中での気泡の濃度及び分布状態により決定される。こ
れらの気泡の大きさ、シリカ溶液11中での気泡の濃度
及び分布状態は、N2 ガス注入時の注入流量及び注入圧
力、注入口の大きさ、シリカ溶液11の攪拌方法などに
よって調整可能である。
【0026】なお、これらの気泡のパラメータは互いに
関連し合っているので、気泡の状態を単一のパラメータ
で制御することは困難であるが、シリカ溶液11の粘度
と注入気体の圧力及び流入速度とを一定にした場合に
は、気泡の大きさはノズル15の口径によって制御で
き、気泡の濃度は注入気体の流量により、気泡の分布は
攪拌状態によりそれぞれ制御できる。
【0027】本例では、10リットルのシリカ溶液11
を容器12に収納し、5本の各ノズル15より、100
cc/分の割合にて約0.1〜0.5kg/cm2 の加
圧状態のN2 ガスを注入した。このときの各ノズル15
の口径は約10μmとし、シリカ溶液11の温度は室温
状態に保った。また、使用するシリカ溶液11の粘度
は、20mPa・秒以上とした。
【0028】以上のようにして得られた気泡を含むシリ
カ溶液11内に、図1(a)に示すようなガラス基板1
を浸す。そして、気泡が消えないように静かにガラス基
板1をシリカ溶液11内から取り出し、気泡を内部に含
むシリカ溶液11をガラス基板1の表面に付着塗布す
る。図1(b)はこの時点での状態を示しており、ガラ
ス基板1に、気泡2を含む液状膜3が厚さ約30〜10
0μmで塗布されている。
【0029】なお、この際の液状膜3の塗布方法として
は、基板面を鉛直方向にシリカ溶液11内に浸してガラ
ス基板1にシリカ溶液11を付着塗布する以外に、基板
面をシリカ溶液11の液面に接触させて塗布するように
しても良い。
【0030】気泡2を含む液状膜3が塗布されたガラス
基板1(図1(b)参照)を焼成炉に入れ、30分後に
150℃の温度になるように除々に昇温する。このよう
な昇温処理が進むにつれて、液状膜3内部の気泡2が弾
けてクレータ状の凹部が形成される。更に、150℃の
温度に保持して30分間焼成させ、液状膜3中のシリカ
溶液11を完全に乾燥固化させた後、ガラス基板1を焼
成炉から取り出す。なお、焼成時に雰囲気を減圧状態に
することにより気泡2の弾け具合を調整できるので、減
圧状態にしてもよい。
【0031】図1(c)はこの時点での状態を示してお
り、ガラス基板1上に所望の凹凸形状を有するSiO2
膜4が形成されている。このSiO2 膜4における凹部
の大きさは(径)は10μm程度以下、深さは5μm程
度以下であった。
【0032】なお、上述した例では、薄膜の材料として
シリカ溶液を用いたが、塗布・焼成によって透明な薄膜
を形成できる材料であれば、シリカ溶液以外の材料を用
いても同様に凹凸形状を形成できる。但し、この液状の
薄膜材料は、粘度の調整が容易である物質が望ましい。
粘度が低すぎると気泡の滞留及び気泡の分布ががうまく
いかない場合がある。また、不透明なものの表面のつや
消しなどの用途の場合には、その薄膜材料が透明である
必要はない。更に、気泡の材料としてN2 ガスを利用し
たが、これは例示であって、他の気体を用いてもよい。
【0033】以上のようにして凹凸加工を施したガラス
板における光の散乱特性を下記表1に示す。なお、凹凸
加工を施していない平板ガラス板における光の散乱特
性、及び、従来の研磨剤を使った研磨すりガラス板にお
ける光の散乱特性も、比較例として表1に併せて示す。
光の散乱特性を示す指標として、光の垂直方向の透過率
(垂直透過率)と散乱成分を含む光の透過率(全透過
率)とを、波長550nmの光について測定し、その測
定結果を表1に示す。この光の垂直透過率と全透過率と
の差が大きいほど、光の散乱透過成分が大きいことにな
ってより大きな散乱効果を得ることになる。
【0034】
【表1】
【0035】表1の結果から、本発明による凹凸化ガラ
ス板は、従来の研磨すりガラス板とほぼ同等の光散乱効
果を得ていることが分かる。また、本発明の凹凸化ガラ
ス板は従来の研磨すりガラス板に比べて全透過率が高く
なっているが、これは、本発明の凹凸化ガラス板では、
滑らかな曲面からなる凹部が形成されており、散乱光の
損失が従来の研磨すりガラス板より少なくなっているこ
とに起因する。このように、本発明によって作製した凹
凸形状の膜を備えたガラス板は、光の損失が少なく充分
な光散乱効果を呈することができる。
【0036】(実施の形態2)次に、本発明による凹凸
化基板を用いた光起電力素子について説明する。図3
は、この光起電力素子の製造工程を示す模式的断面図で
ある。
【0037】まず、アルカリを含むガラス基板21上
に、上述した実施の形態1の手法にて、表面に凹凸形状
を有するSiO2 膜22を作製する(図3(a))。こ
こで、SiO2 膜22は、ガラス基板21からのアルカ
リの移動を防止するアルカリバリアの機能を有する。こ
の際、ノズル15の口径は5μm以下として、実施の形
態1よりも更に小さな気泡を形成する条件とした。な
お、光起電力素子に適した凹凸化形状としては、凹凸の
深さ(凹部底から凸部頂までの高さ)と凹凸のピッチ
(隣合う凹部から凸部までの平均的な距離)との比は約
1:10から1:1程度が良く、凹凸のピッチの大きさ
は10μm以下が良いことが知られており、本例でも、
気泡のパラメータを調整して、この条件を満たすような
凹凸形状を形成した。
【0038】次に、インジウム錫酸化物からなる表面電
極膜23を、SiO2 膜22上にスパッタリングにて蒸
着する(図3(b))。次いで、基板温度を120〜2
00℃で、プラズマCVD法により、非晶質シリコン・
カーボン半導体を主体とするp型半導体層24、非晶質
シリコン半導体を主体とするi型半導体層25、非晶質
シリコン半導体を主体とするn型半導体層26を、この
順に表面電極膜23上に積層して光電変換膜を形成する
(図3(c))。最後に、n型半導体層26上に、銀ま
たはアルミニウムからなる裏面電極膜27をスパッタ蒸
着して、光起電力素子を製造する(図3(d))。
【0039】次に、以上のようにして製造した本発明に
よる光起電力素子(本発明例と称する)の特性について
説明する。図4,図5は、本発明の光起電力素子とその
特性を比較する従来の光起電力素子の模式的断面図であ
る。
【0040】図4は、SnO2 を熱CVD法によって形
成する際に半ば自然発生的に得られる凹凸形状を利用す
る従来の光起電力素子(従来例1と称する)の構造を示
している。本発明例と同様のガラス基板31上に、表面
が平坦なSiO2 膜32を形成し、これに積層してSn
2 からなる表面電極膜33を500〜600℃程度の
高温熱CVD法によって形成するが、この際、自然発生
的に凹凸形状を有するように表面電極膜33が形成され
る。形成される凹凸形状は表面電極膜33の膜厚にほぼ
比例して大きくなるが、あまり表面電極膜33の膜厚を
厚くしすぎると表面電極膜33での光吸収が増加して本
来の光散乱効果を損なうことになる。従って、この従来
例1では、表面電極膜33の成膜時に自然発生的に生じ
る凹凸形状の大きさには限界がある。また、自然発生的
であるので、上述したような光起電力素子に適した凹凸
化形状を実現することは困難である。表面電極膜33上
には、本発明例と同様のp型半導体層34、i型半導体
層35、n型半導体層36からなる光電変換膜と裏面電
極膜37とがこの順に積層されている。
【0041】図5は、凹凸形状を有さない従来の光起電
力素子(従来例2と称する)の構造を示している。従来
例2の光起電力素子は、本発明例と同様のガラス基板4
1上に、表面が平坦なSiO2 膜42を形成し、これに
積層してインジウム錫酸化物からなる表面電極膜43を
室温でスパッタ蒸着し、更に、本発明例と同様のp型半
導体層44、i型半導体層45、n型半導体層46から
なる光電変換膜と裏面電極膜47とをこの順に積層した
構成をなす。
【0042】このような図3(d)に示す構成を有する
本発明例、図4に示す構成を有する従来例1、図5に示
す構成を有する従来例2の3種の光起電力素子における
特性を下記表2に示す。表2にはそれぞれの光起電力素
子に対して、AM1.5 100mW/cm2 の光を照
射した場合の、開放電圧(Voc:V)と短絡電流(Is
c:mA/cm2 )と曲線因子(FF)と変換効率
(η:%)との値を示す。
【0043】
【表2】
【0044】表2に示すように、本発明例では、凹凸形
状を有さない従来例2と比較して、大幅に特性が向上し
ている。これは、本発明例では光の散乱効果が得られる
ことに起因する。また、凹凸形状を有する従来例1と比
べて、本発明例は同等の特性結果を得ることができてお
り、本発明例では充分な光散乱効果が得られていること
を示している。
【0045】なお、上述した例では、透光性基板(ガラ
ス基板)にSiO2 膜,透光性の表面電極膜,非晶質半
導体膜,裏面電極膜をこの順に積層した構成をなす順タ
イプの光起電力素子の例について説明したが、金属基板
またはガラス基板、或いはプラスチック基板等の基板に
絶縁膜としてのSiO2 膜,裏面電極膜,非晶質半導体
膜,透光性の表面電極膜をこの順に積層した逆タイプの
光起電力素子についても、順タイプの光起電力素子と全
く同様の手順にて、表面に凹凸形状を有するSiO2
を基板上に作製することができ、同様の効果を奏する。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明では、気泡を含む
液体を基板に付着させた後、付着した液体を加熱して気
泡を放散させることにより、適切な光散乱効果をもたら
す凹凸形状を表面に有する膜を基板に作製するようにし
たので、光の散乱効果を呈するために有効な凹凸形状
を、簡易かつ容易に形成できる。また、液体に含まれる
気泡のパラメータを調整することにより、所望の形状の
凹凸表面を作製できる。
【0047】また、本発明では、形状が曲面である凹部
を形成して、辺縁が滑らかな凹凸形状を形成でき、光の
散乱効果を高めることができる。
【0048】更に、本発明では、制御性良く凹凸形状を
形成できるので、凹凸形状を構成して光散乱効果を利用
する光起電力素子などの光学素子を高い歩留りにて製造
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】表面に凹凸形状を有するSiO2 膜をガラス基
板上に作製する工程を示す模式的断面図である。
【図2】気泡を含むシリカ溶液のガラス基板への付着処
理を実施するための装置構成を示す模式図である。
【図3】本発明による光起電力素子の製造工程を示す模
式的断面図である。
【図4】従来の光起電力素子の構成を示す模式的断面図
である。
【図5】従来の光起電力素子の構成を示す模式的断面図
である。
【符号の説明】
1 ガラス基板 2 気泡 3 液状膜 4 SiO2 膜 11 シリカ溶液 13 攪拌機 14 供給管 15 ノズル 17 圧力調整器 18 流量調整器 21 ガラス基板 22 SiO2 膜 23 表面電極膜 24 p型半導体層 25 i型半導体層 26 n型半導体層 27 裏面電極膜

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面に凹凸形状を有する膜を基板上に作
    製する方法において、内部に気泡を含ませた前記膜の材
    料の液体を前記基板に付着させ、付着した前記液体を加
    熱することを特徴とする凹凸膜作製方法。
  2. 【請求項2】 前記液体に含ませる気泡の大きさ,濃度
    及び分布状態のうちの少なくとも1つを制御する請求項
    1記載の凹凸膜作製方法。
  3. 【請求項3】 光の散乱を起こすための凹凸形状を有す
    る光学素子において、請求項1または2記載の方法を用
    いて作製した、凹部形状が曲面からなる凹凸形状を有す
    る膜を備えることを特徴とする光学素子。
  4. 【請求項4】 基板と、該基板上に形成されており、表
    面に凹凸形状を有する凹凸膜とを有する光起電力素子に
    おいて、前記凹凸膜は請求項1または2記載の方法を用
    いて作製されていることを特徴とする光起電力素子。
  5. 【請求項5】 基板と、該基板上に形成されており、表
    面に凹凸形状を有する凹凸膜と、該凹凸膜に積層された
    第1電極膜,光電変換膜及び第2電極膜とを有する光起
    電力素子において、前記凹凸膜は請求項1または2記載
    の方法を用いて作製されていることを特徴とする光起電
    力素子。
  6. 【請求項6】 基板と、該基板上に形成されており、表
    面に凹凸形状を有する凹凸膜とを有する光起電力素子を
    製造する方法において、内部に気泡を含ませた前記凹凸
    膜の材料の液体を前記基板に付着させる工程と、前記液
    体が付着した前記基板を焼成して前記凹凸膜を作製する
    工程とを有することを特徴とする光起電力素子の製造方
    法。
  7. 【請求項7】 基板と、該基板上に形成されており、表
    面に凹凸形状を有する凹凸膜と、該凹凸膜に積層された
    第1電極膜,光電変換膜及び第2電極膜とを有する光起
    電力素子を製造する方法において、内部に気泡を含ませ
    た前記凹凸膜の材料の液体を前記基板に付着させる工程
    と、前記液体が付着した前記基板を焼成して前記凹凸膜
    を作製する工程と、前記第1電極膜,光電変換膜及び第
    2電極膜を順次、作製した前記凹凸膜に積層形成する工
    程とを有することを特徴とする光起電力素子の製造方
    法。
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