JP5127218B2 - 太陽電池の基体の製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、太陽電池の基体の製造方法に関する。
太陽電池の一種である薄膜系太陽電池では、例えばシリコンなどの光電変換層を形成する基材として、図8に示す太陽電池用基体140が用いられる。この太陽電池用基体140は、ガラス等の透明基体141上に透明電極層142を設けることで構成される。この透明電極層142としては、例えば、ITO(酸化インジウムすず)、SnO、ZnO等の透明導電膜が用いられており、この透明電極層142の表面には微細な凹凸を有するテクスチャ構造145が形成されている。
この凹凸を有するテクスチャ構造145を形成する透明電極層142としては、ITO等の透明導電膜と比べて容易に形成できるSnO透明導電膜が多く用いられる。このSnO透明導電膜は、熱CVD(化学気相成長)法により、数10〜数100nm径の結晶粒を成長させることにより形成される。また、このような凹凸テクスチャ構造は、例えば、特許文献1(特開平7−122764号公報)、特許文献2(特開平10−70294号公報)、特許文献3(特開2002−260448号公報)、特許文献4(特開2005−347490号公報)で示されるようにCVD法、スパッタ法などによって形成される。
透明電極層142に凹凸テクスチャ構造145が設けられる理由は、以下の通りである。薄膜系太陽電池では、半導体光電吸収層を含む半導体光電変換層143が薄いため、光吸収係数の小さい長波長領域の光が十分に吸収されないという問題がある。
そこで、入射した光を有効に利用するため、半導体光電変換層143を含む光電変換ユニットにおいて、光入射側の透明電極層142に凹凸テクスチャ構造145を形成し、入射光を半導体光電変換層143内で散乱させて、半導体光電変換層143内での光路長を長くしている。これによって、半導体光電変換層143において、光電変換のために吸収される光量を増大させて太陽電池の出力電流を増大させることができる。
透明電極層142の凹凸テクスチャ構造145上には、半導体光電変換層143が形成されており、さらに、この半導体光電変換層143上には、銀、アルミニウム等からなる裏面電極層144が形成されている。
なお、本願の各断面図において、図面の明瞭化のために凹凸テクスチャ構造の凹凸は誇張されて示されており、各層の厚さ等は実際の寸法関係を反映していない。
上記太陽電池用基体140を有する太陽電池モジュールでは、透明基体141側から入射した入射光は、透明基体141を通り、さらに透明電極42、半導体光電変換層143へ入射する。この入射した光の一部は、透明基体141と透明電極層142との間の界面140A、および、透明電極142と半導体光電変換層143との間の界面140Bで反射する。この反射は、界面140Aを挟む2つの物質間の屈折率の差異,界面140Bを挟む2つの物質間の屈折率の差異が大きいほど大きくなる。一般に、光は、ある物質から他の物質に入射した場合、これら2つの物質間に屈折率の差異があると、フレネル反射によって、入射した光の一部は、これら2つの物質の界面で反射する。この反射は2つの物質間の屈折率の差異が大きいほど大きくなる。
例えば、透明基体141がガラス、透明電極層142がSnO、半導体光電変換層143がシリコンで作製されているとすると、透明基体141、透明電極層142、半導体光電変換層143の屈折率はそれぞれ、1.5、1.8、3.8である。このとき、界面140A、140Bでの反射率は、それぞれ、0.8%、12.8%となり、界面140Aでの反射に比べて界面140Bでの反射の方が大きく、反射による太陽光エネルギーの損失は、界面140Aに比べて界面140Bの方が大きい。
このような界面での反射の抑制は、太陽電池関連だけでなく、光通信、光メモリ、ディスプレイなどの幅広い分野においても切望されている。
ところで、このようなフレネル反射を抑制するための物質の表面加工手法として、入射光の波長よりも短い周期構造をもった構造体を材料表面に形成する手法が知られている。
この周期構造は、特許文献6(特開2006−38928号公報)で開示されているようにモスアイ構造(蛾の目構造)とも呼ばれ、1967年にC.G.Bernhardによって発見された。このモスアイ構造は、図9の側面図、図10の斜視図に例示するように、物質体151の表面に形成された矩形の2次元周期構造体152からなる。この2次元周期構造体152は、空気側から物質体151中に入射する光に対して、空気とこの物質体151との中間の屈折率を持つ物質が空気と物質体151との間に存在するのと同様の効果を及ぼして、反射率が低下する。さらに、この矩形の構造体152を、錐形にすることによって空気と物質体151との間との屈折率が緩やかに変化するようになって、反射率がさらに低下することが知られている。
しかしながら、上述したCVD法、スパッタ法によって形成されたSnO透明電極層142は、表面テクスチャ構造を形成するための反応温度として500℃程度の高温が必要である。このため、表面テクスチャ構造を形成するプロセス自体にコストが掛かり、しかも高温に耐えられない有機高分子フィルムのような基材をもつ太陽電池モジュールには適用できないという難点がある。
さらに、従来の手法で形成した表面テクスチャ構造は反射率の低減に貢献するが、やはり10%程度の反射は残り、反射率の低減が不十分で入射光の利用効率への寄与は小さい。
さらに、基板の表面に研磨剤や化学的エッチングで凹凸をつける方法を採用した場合でも、凹凸の大きさ、高さなどの形状を制御することは非常に困難である。特に、錐形の表面テクスチャ構造を形成する場合、この錐形の表面テクスチャ構造の先端の尖った部分で膜のクラックやピンホールなどの欠陥が生じる可能性がある。また、表面テクスチャ構造の凹凸を形成した後で、洗浄が必要になるので、コストがかかるという問題も生じる。
特開平7−122764号公報 特開平10−70294号公報 特開2002−260448号公報 特開2005−347490号公報 特開平4−36586号公報 特開2006−38928号公報
そこで、この発明の課題は、低コストで入射光の利用効率を向上できる太陽電池の基体の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決するため、一参考例の太陽電池の基体は、透光性基板と、
上記透光性基板に積層される透明導電膜とを備え、
上記透明導電膜は、
入射光の波長よりも短いピッチの凹凸を有する凹凸部が表面に形成されていることを特徴としている。
この参考例の太陽電池の基体によれば、透光性基板に積層される透明導電膜は、入射光の波長よりも短いピッチの凹凸を有する凹凸部が表面に形成されているので、透明導電膜の表面での反射率を低減できて、入射光の利用効率を向上できる。
また、一参考例の太陽電池の基体では、上記凹凸部の凹凸のピッチが、300nm以下である。
この参考例によれば、透明導電膜の表面の凹凸部によって、入射光となる太陽光に、この太陽光の波長領域で、太陽電池の基体の透明導電膜と太陽電池の半導体光電変換層との界面で、上記透明導電膜と上記半導体光電変換層との中間の屈折率を持つ物質が存在するような作用を与えて、上記界面での反射率を低下させることができる。よって、入射光の利用効率をさらに高めることができる。
また、一参考例の太陽電池の基体では、上記凹凸部は、錐形の凸部を有する。
この参考例によれば、透明導電膜の表面の凹凸部が錐形の凸部によって、太陽電池の基体の透明導電膜と太陽電池の半導体光電変換層との界面で、屈折率の変化を緩やかにすることができるので、入射光となる太陽光の波長領域で反射率を低下させることができる。これによって、入射光の利用効率をさらに高めることができる。
また、一参考例の太陽電池の基体では、上記凹凸部は、底が湾曲した凹部または先端が湾曲した凸部を有する。
この参考例によれば、上記凹凸部の凹部の底または凸部の先端が湾曲しているので、透明導電膜の凹凸部に接する膜にクラックやピンホールなどの欠陥が発生することを抑えることができる。よって、入射光の利用効率をさらに高めることができる。
また、本発明の太陽電池の基体の製造方法では、透光性基板と、上記透光性基板に積層される透明導電膜とを備え、上記透明導電膜は、入射光の波長よりも短いピッチの凹凸を有する凹凸部が表面に形成されている太陽電池の基体を製造する方法であって、
上記透光性基板は、ガラス基板であり、
上記透明導電膜は、In−SnO系ゾルを上記ガラス基板の表面に塗布して乾燥させて形成したゲル膜であり、
上記透明導電膜の表面に、凹凸が形成されたスタンパの表面を押圧すると共に上記透明導電膜とスタンパを、加熱して、上記透明導電膜の表面に凹凸部を形成する。
この発明の製造方法によれば、上記透明導電膜の表面に凹凸部を低コストで安定して形成でき、入射光の利用効率を向上できる太陽電池の基体を低コストで作製できる。
また、一参考例の太陽電池の基体の製造方法では、透光性基板と、上記透光性基板に積層される透明導電膜とを備え、上記透明導電膜は、入射光の波長よりも短いピッチの凹凸を有する凹凸部が表面に形成されている太陽電池の基体を製造する方法であって、
上記透光性基板の表面に、凹凸が形成されたスタンパの表面を押圧すると共に上記透光性基板とスタンパを加熱して、上記透光性基板の表面に凹凸部を形成し、上記透光性基板の上記凹凸部が形成された表面に透明導電膜を形成する。
この参考例の製造方法によれば、透明導電膜の表面にスタンパを押圧して凹凸部を形成することが困難な場合に有効であり、スタンパの押圧によって凹凸部が形成された透光性基板の表面に透明導電膜を形成することで、透明導電膜の表面に低コストで安定に凹凸部を形成できる。
また、一参考例の太陽電池モジュールでは、上記太陽電池の基体を太陽電池上に設けたので、透明導電膜の表面の凹凸部によって、入射光の利用効率を高めて、高性能で安価な薄膜太陽電池モジュールを実現できる。
この発明の太陽電池の基体の製造方法によれば、透明導電膜の表面に凹凸部を低コストで安定して形成でき、入射光の利用効率を向上できる太陽電池の基体を低コストで作製できる。
以下、この発明を図示の実施の形態により詳細に説明する。
(実施の形態)
この発明の実施形態としての太陽電池の基体の製造方法を説明する。まず、図1に示すように、塗布型の透明導電材料としてIn−SnO系ゾルを使用し、ゾル−ゲル法にて透光性基板1の表面に透明導電膜2を形成する。この透明導電膜2は、In−SnO系薄膜であり、In−SnO系ゾルを透光性基板1に塗布して、この透光性基板1の表面にゲル膜を形成した後、そのゲル膜に対し紫外光を照射してゲル膜を結晶化させることにより得られる。
なお、In−SnO系ゾルは、InアルコキシドおよびSnアルコキシドを出発原料とし、それらのアルコキシドを含む溶液を加水分解および重合させて調製される。InアルコキシドおよびSnアルコキシドとしては、例えば、Inアルコキシドとしては、Inメトキシド、Inエトキシド、Inプロポキシド、InブトキシドおよびInペントキシドが使用される。
また、Snアルコキシドとしては、Snメトキシド、Snエトキシド、Snプロポキシド、SnブトキシドおよびSnペントキシドが使用される。これらはそれぞれ、1種類を使用してもよいし、2種以上を組み合わせて使用してもよい。アルコキシドのうちのInアルコキシドとSnアルコキシドとの含有割合は、得ようとするIn−SnOのうちの酸化インジウム(In)と酸化錫(SnO)との割合に合わせ、Inアルコキシド/Snアルコキシドの混合モル比を、例えば97/3〜80/20の範囲とする。
アルコキシドを溶解させる溶剤としては、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、2−メトキシエタノール、2−エトキシエタノールなどのアルコキシアルコール、酢酸エチルなどの有機酸エステル、アセトニトリル、アセトンやメチルエチルケトンなどのケトン類、テトラヒドラフラン(THF)やジオキサンなどのシクロエーテル、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)などの酸アミド、炭化水素、芳香族などが使用され、特に限定されないが、DMFが好適に使用される。
また、In−SnO系ゾルの調製方法も特に限定されないが、アルコキシドを含む溶液の加水分解には、例えばアルコキシドの0.5モル倍〜1.5モル倍の水が用いられる。この加水分解には、塩酸などの鉱酸や酢酸などの有機酸が用いられる。
ここでは、トリ−t−ブトキシインジウムとテトラ−s−ブトキシ錫とを、その混合モル比が90:10となるようにDMFに溶解させた後、その溶液に添加したときにInおよびSnOの固形分濃度が5重量%となるように1N塩酸−DMF混合液((In+Sn)/HOのモル比は1)を調製し、その塩酸−DMF混合液をアルコキシドの溶液に添加することにより、均質なIn−SnOゾルを得た。
上記In−SnO系ゾルを透光性基板1の表面に塗布し、それを乾燥させて透光性基板1の表面にゲル膜を形成する。なお、透光性基板1としては、ガラス基板、さらにPET(ポリエチレンテレフタレート)、ポリイミド、PC(ポリカーボネート)、アクリル等の樹脂フィルムが使用される。透光性基板1の表面にIn−SnO系ゾルを塗布する方法は、特に限定されず、通常行われるディップコート法、スピンコート法、フローコート法、スプレイコート法などが用いられる。ここでは、図1のように、透光性基板1であるガラス基板1上にスピンコートにてIn−SnO系ゾルを塗布した。
次に、この実施形態の製造方法では、透光性基板1上にIn−SnO系ゾルを塗布して形成した透明導電膜2に、図3に示すように、ナノインプリント形成装置33を用いて、凹凸部3を形成する。すなわち、この凹凸部3を形成する工程では、図2A,図2Bに示されるピラミッド型のNi電鋳金型21を使用する。このスタンパとしてのNi電鋳金型21は、四角錐形状の複数の凸部22を有し、この複数の凸部22のピッチaと高さbは共に100nmとした。このスタンパとしてのNi電鋳金型21は、上記ナノインプリント形成装置33に装着される。
そして、図3に示すように、上記ナノインプリント形成装置33に装着されたNi電鋳金型21の複数の凸部22を透明導電膜2の表面に押し付けて、
Ni電鋳金型21と透明導電膜2を加熱し、120℃に熱しながら、10分間圧着し、透明導電膜2に凹凸部3を形成する。
その後、透明導電膜2を低抵抗化するために、透明導電膜2の表面のゲル膜に対して紫外光を照射する。紫外光の光源としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、シンクロトロン放射光などが使用される。また、これらの光源のうちの2つもしくはそれ以上のものを組み合わせて使用することも可能である。この実施形態では、ArFエキシマレーザ(193nm)を20mJ/cmのエネルギー密度で、8ショット照射した。
こうして形成した透明導電膜2付きガラス基板1の上にアモルファスシリコン薄膜をプラズマCVD法でp層(25nm)、i層(350nm)、n層(20nm)の順に積層し、さらに反射層としてAgの蒸着層を300nmの厚さで形成して太陽電池モジュールを作製した。
また、上記一例では、薄膜太陽電池としてアモルファスSi系について述べたが、このような凹凸形状の透明導電膜2上に形成できる薄膜半導体であれば何れでも良い。例えば、上記薄膜半導体としては、多結晶Siや他のIV族元素、また、CdSなどのII‐VI族化合物などを挙げることができる。
こうして得られた薄膜太陽電池モジュールについて、25℃においてAM(Air Mass:エアマス)1.5の光を100mWの光量で照射した場合の短絡電流を測定し、光閉じこめ効果を確認した。この測定結果は、図7Aの凹凸ピッチ100nmの欄に示す。この凹凸ピッチ100nmとは、透明導電膜2の凹凸部3の凸部3Aのピッチが100nmであることを表している。また、図7Aでは、従来例の欄に、従来例の透明導電膜を使用して作製された薄膜太陽電池の光電変換特性を示している。図7Aから明らかなように、上記実施形態による太陽電池モジュールによれば、従来例に比べて短絡電流と変換効率が改善されていることがわかる。すなわち、この実施形態による薄膜太陽電池モジュールによれば、従来例に比べて吸収される光量が増加していることが分かる。また、図7Aを参照すれば、凹凸ピッチが300nmを上回ると短絡電流と変換効率が急減していることが分る。
(参考例)
なお、上記実施形態の製造方法では、透明導電膜2に凹凸部3を形成したが、透明導電膜2の表面にスタンパを押圧して凹凸部を形成することが困難な場合には、次のようにしてもよい。
すなわち、図4に示す透光性基板81(一例としてガラス基板)の表面に、図5に示すように、図2A,図2Bに示すような複数の凸部22が形成されたスタンパ(Ni電鋳金型21)が装着された図3に示したナノインプリント形成装置33によって、スタンパの複数の凸部22を透光性基板81の表面に押し付ける。この際、図9に示すように、ナノインプリント形成装置33に装着されたNi電鋳金型21と透光性基板81を加熱して、500℃に熱しながら、5分間圧着し、透光性基板81の表面に凹凸部88を形成する。
次に、図6に示すように、透光性基板81上に、In−SnO系ゾルを塗布して透明導電膜82を形成し、その後、透明導電膜82を低抵抗化するために、透明導電膜82の表面のゲル膜に対して紫外光を照射する。この紫外光の光源としては、高圧水銀ランプ、低圧水銀ランプ、エキシマランプ、ArFエキシマレーザ、KrFエキシマレーザ、シンクロトロン放射光などが使用される。また、これらの光源のうちの2つもしくはそれ以上のものを組み合わせて使用することも可能である。ここでは、一例として、ArFエキシマレーザ(193nm)を20mJ/cmのエネルギー密度で8ショット照射した。
この参考例によれば、この凹凸部88が形成された透光性基板81の表面に透明導電膜82を形成することで、透明導電膜82に凹凸部89を形成した。このように、スタンパの押圧によって凹凸部88が形成された透光性基板81の表面に透明導電膜82を形成することで、透明導電膜82の表面に低コストで安定に凹凸部89を形成できる。
こうして形成した透明導電膜82付き透光性基板81の上にアモルファスシリコン薄膜をプラズマCVD法でp層(25nm)、i層(350nm)、n層(20nm)の順に積層し、さらに反射層としてAgの蒸着層を300nmの厚さで形成して太陽電池モジュールを作製した。
こうして得られた薄膜太陽電池モジュールについて、25℃においてAM(Air Mass:エアマス)1.5の光を100mWの光量で照射した場合の短絡電流を測定し、光閉じこめ効果を確認した。この測定結果は、図7Bの凹凸ピッチ100nmの欄に示す。この凹凸ピッチ100nmとは、透明導電膜82の凹凸部89の凸部89Aのピッチが100nmであることを表している。また、図7Bでは、従来例の欄に、従来例の透明導電膜を使用して作製された薄膜太陽電池の光電変換特性を示している。図7Bから明らかなように、上記実施形態による太陽電池モジュールによれば、従来例に比べて短絡電流と変換効率が改善されていることがわかる。すなわち、この実施形態による薄膜太陽電池モジュールによれば、従来例に比べて吸収される光量が増加していることが分かる。また、図7Bを参照すれば、凹凸ピッチが300nmを上回ると変換効率が従来例よりも低くなり、短絡電流が従来例とあまり変わらなくなった。
また、上記実施形態では、スタンパとしてNi電鋳金型21を使用したが、スタンパとしてはその他の材質(例えば、Si,SiC,SiN,多結晶Si,ガラス,Ni,Cr,Cu)およびこれらを1種類以上含むものを使用できる。また、上記実施形態では、透明導電膜2に形成する凹凸部3の凸部3Aの形状を四角錐形状としたが凹凸部の凸部の形状は三角錐形状,五角錐形状,もしくはそれ以上の多角錐形状,円錐形状でもよい。さらには、上記凹凸部の凸部は先端が湾曲した凸部であってもよく、上記凹凸部の凹部は底が湾曲した形状であってもよい。この場合、透明導電膜の凹凸部に接する膜にクラックやピンホールなどの欠陥が発生することを抑えることができるので、入射光の利用効率をさらに高めることができる。また、上記実施形態では、透明導電膜2に形成する凹凸部3の凹凸のピッチを100nmとしたが、100nmよりも小さくしてもよい。また、上記実施形態では、透明導電膜2に形成する凹凸部3の凸部3Aの高さを100nmとしたが、100nm未満としてもよい。また、凸部3Aの高さを100nmよりも高くしてもよい。
また、上述された実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。この発明の範囲は上述した説明だけではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図されることは言うまでもない。
この発明の実施形態としての太陽電池の基体の製造方法の一工程を示す断面図である。 上記実施形態で使用するNi電鋳金型を示す斜視図である。 上記実施形態で使用するNi電鋳金型を示す断面図である。 上記実施形態の一工程を示す断面図である。 この発明の参考例としての太陽電池の基体の製造方法の一工程を示す断面図である。 上記参考例の製造方法の一工程を示す断面図である。 上記参考例の製造方法の一工程を示す断面図である。 上記実施形態で作製した太陽電池の基体を有する太陽電池モジュールおよび比較例,従来例の光電変換特性を示す図である。 この発明の参考例で作製した太陽電池の基体を有する太陽電池モジュールおよび比較例,従来例の光電変換特性を示す図である。 従来の太陽電池の構成を示す断面図である。 モスアイ構造の一例を示す側面図である。 モスアイ構造の一例を示す斜視図である。
1、81 透光性基板
2、82 透明導電膜
3、88、89 凹凸部
3A、89A 凸部
21 Ni電鋳金型
22 凸部
33 ナノインプリント形成装置

Claims (1)

  1. 透光性基板と、上記透光性基板に積層される透明導電膜とを備え、上記透明導電膜は、入射光の波長よりも短いピッチの凹凸を有する凹凸部が表面に形成されている太陽電池の基体を製造する方法であって、
    上記透光性基板は、ガラス基板であり、
    上記透明導電膜は、In−SnO系ゾルを上記ガラス基板の表面に塗布して乾燥させて形成したゲル膜であり、
    上記透明導電膜の表面に、凹凸が形成されたスタンパの表面を押圧すると共に上記透明導電膜とスタンパを、加熱して、上記透明導電膜の表面に凹凸部を形成することを特徴とする太陽電池の基体の製造方法。
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