JPH114596A - 電動機駆動装置およびこれを用いた空気調和機 - Google Patents

電動機駆動装置およびこれを用いた空気調和機

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JPH114596A
JPH114596A JP9153208A JP15320897A JPH114596A JP H114596 A JPH114596 A JP H114596A JP 9153208 A JP9153208 A JP 9153208A JP 15320897 A JP15320897 A JP 15320897A JP H114596 A JPH114596 A JP H114596A
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voltage
motor
control
circuit
inverter
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JP9153208A
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Nobuhiro Kawashima
信弘 川嶋
Takashi Otomo
隆 大友
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Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Sharp Corp
Original Assignee
Shindengen Electric Manufacturing Co Ltd
Sharp Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 運転状況に応じて、電動機の制御を切り換
え、常時最高の総合効率で作動する省エネルギータイプ
の電動機駆動装置を提供する。 【解決手段】 交流電力を整流回路3で整流して平滑回
路5で平滑し、平滑した直流電圧をインバータ回路6に
供給して電動機8を駆動する電動機駆動装置において、
電動機8の回転数が予め定めた所定の回転数No以下で
は、整流回路3の前段または後段に設けた降圧PAM制
御回路でインバータ回路6への入力電圧を降圧PAM制
御し、上記回転数No以上では、インバータ回路6への
入力電圧を一定の高電圧で且つ、電動機8の回転数指令
値a6に応じたPWM変調の施された電圧にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インバータを用い
た電動機駆動装置およびこれを用いた空気調和機に係
り、インバータの入力電圧を可変制御するとともにイン
バータの出力周波数、出力電圧も制御可能とし、電動機
に交流電力を供給することにより、回転速度制御を行う
ようにした電動機駆動装置およびこれを用いた空気調和
機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インバータを用いた電動機駆動装置の従
来技術としては、例えば特開昭59−181973号公
報に記載のように、インバータの出力電圧の制御をイン
バータの入力電圧を制御して行う領域と、入力電圧は一
定のままでインバータの通電率を制御して行う領域とに
分けるものが提案されている。
【0003】また、特開平6−105563号公報に
は、整流回路とインバータ間に昇圧回路を設け、インバ
ータの直流電圧を所定の一定の電圧に保ったままインバ
ータをPWM制御したり、昇圧回路によりインバータの
直流入力電圧をPAM制御する技術が開示されている。
【0004】これらは、いずれもインバータの出力電圧
が所定値以下の範囲では、インバータで可変周波数、可
変電圧を制御して電動機をPWM制御し、インバータの
出力電圧が所定値以上の範囲では昇圧PAM制御を行
い、インバータ入力電圧(可変電圧)を制御し、インバ
ータでは可変周波数制御のみを行うようにしたもの、ま
たはその中間の処置として昇圧PAM制御とPWM制御
を組み合わせたものであった。
【0005】図10および図11は、上記の従来例に相
当するもので、インバータ6の出力電圧が所定値以下で
は電動機8をPWM制御し、所定値以上ではインバータ
へ入力する電圧を昇圧PAM制御するようにしている。
両図において、交流電源1より供給される交流電圧は、
全波整流器31で整流された後、チョークコイル47,
48、パワーデバイス43,44および高速リカバリー
ダイオード45,46より成る電圧制御回路41,42
に供給され、ここで昇圧PAM制御される。そして平滑
回路5で平滑された直流電圧がインバータ6を介して電
動機8に供給される。
【0006】ロータ位置検出回路7で検出した電動機8
の回転数検出信号a5により、電動機8の回転数を検出
し、インバータ6の出力電圧が上記所定値より低いとき
には、電動機駆動制御回路9より導出される制御信号a
3でインバータ6を制御し、インバータ6のPWM制御
で電動機8を所定の回転数に駆動する。
【0007】また、インバータ6の出力電圧が上記の所
定値より高いときには、電動機駆動制御回路9より導出
される制御信号a2及びa3で電圧制御回路41、42
を昇圧PAM制御するとともにインバータ6を制御し、
電動機8の入力電圧を図12に示すように昇圧PAM制
御する。図10、11において、23は電圧制御回路4
1,42の出力電圧を検出する電圧検出回路であり、こ
の電圧検出回路23で検出した直流電圧は制御信号a4
として、上記電動機駆動制御回路9に供給する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術による電
動機駆動装置では、電動機回転数が高い範囲で昇圧PA
M制御を行っていた。こうすることで電動機をインバー
タのPWM制御のみで行う場合より高い電動機回転数が
得られる。しかし、省エネルギーという観点から見ると
昇圧PAM制御での回路損失が無視できないレベルにな
る。
【0009】一般に誘導負荷に対する電動機の効率をP
AM制御とPWM制御で比較すると、電動機の回転数と
効率の関係は図4に示すようになる。このように電動機
の効率がPWM制御よりPAM制御の方が高くなるの
は、PWM制御ではスイッチング周波数に伴う高周波電
流に起因した鉄損(うず電流損)がPAM制御に比べ増
大していることがあげられる。そして、電動機の回転数
が高くなればなるほどPWM制御のスイッチング周波数
が低くなるので上記の鉄損が抑えられ、PAM制御の場
合との効率の差が小さくなる。
【0010】一方、電動機を駆動する電装回路の効率を
PWM制御とPAM制御の場合で比較すると図5に示す
ようになる。図5に示すように、電動機の回転数に対す
る電装回路の効率は、回転数の全域に亘って、PWM制
御の方が高いが、回転数の低い領域でPWM制御時の効
率低下が著しい。
【0011】従って、省エネルギーという観点では、上
記電動機の効率と電装回路の効率を合わせた総合効率で
判断することが必要になる。図6は電動機の回転数に対
する総合効率の変化を示すものである。図6から明らか
なように、電動機の回転数が高い領域ではPWM制御の
方がPAM制御より高効率になるが、回転数の低い領域
では逆になる。
【0012】上記従来技術は、電動機の回転数が低い領
域ではPWM制御を行い、回転数が高い領域では昇圧P
AM制御を行っているので、全回転数の領域に亘って、
総合効率の低い使い方をしており、省エネルギーの観点
から損失が大きいという問題があった。特に近年、電動
機を使用した空気調和機等は終日電源を投入した状態で
使用するケースが増えている。
【0013】この場合、電動機の回転数が高いフル稼動
状態は時間的に短く、大半は回転数が低い待機状態ある
いは一部機能だけが作動している状態にある。従って、
電源投入期間の大半を占める回転数が低い領域での効率
を上げることは省エネルギーの観点からは極めて重要な
問題である。
【0014】本発明は、上記の問題を解決するため、電
動機の回転数が低い領域では降圧PAM制御を行い、回
転数が高い領域ではPWM制御を行うようにして、省エ
ネルギー化を図ることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するため、請求項1記載の電動機駆動装置は、交流
電圧を直流電圧に変換する整流手段と、上記直流電圧を
一定電圧に平滑する平滑手段と、該平滑手段により平滑
された直流電圧を交流電圧に変換するインバータ手段
と、このインバータ手段により駆動される電動機と、該
電動機の回転数が指令値に一致するように上記平滑手段
により平滑された直流電圧を制御するため上記整流手段
の前段または後段に設けた電圧制御手段と、上記電動機
を指令の回転数で運転するようにインバータ手段の出力
周波数と出力電圧を制御する電動機駆動制御手段を設
け、上記電動機の回転数が、予め定めた所定の値以下の
領域では、上記電圧制御手段で電動機駆動制御手段から
の制御信号に応じて、入力電圧のオンとオフの時間比を
制御して所定のレベルの出力電圧を得る降圧PAM制御
を行わせて、上記インバータ手段の出力電圧を制御し、
上記電動機の回転数が上記所定の値以上の領域では、上
記電動機駆動制御手段からの制御信号で上記インバータ
手段に入力される信号をPWM制御して、電動機に指令
された回転数に応じた電圧を供給するようにしたことを
特徴とする。
【0016】上記整流手段の前段に設けた電圧制御手段
は、電圧通電率制御ができる半導体素子であり、またこ
の半導体素子を短絡する開閉手段を設けたことを特徴と
する。
【0017】また、上記整流手段の後段に設けた電圧制
御手段は、パワーデバイス、チョークコイルおよび高速
リカバリーダイオードで構成した降圧PAM制御回路で
あり、またこの降圧PAM制御回路を短絡する開閉手段
を設けたことを特徴とする。
【0018】上記整流手段は、倍電圧整流回路、全波整
流回路および半波整流回路を選択できる選択回路を備
え、この選択回路により、上記降圧PAM制御時には、
全波整流または半波整流を選択し、PWM制御時には倍
電圧整流回路を選択するようにしたことを特徴とする。
【0019】上記電動機駆動装置を圧縮機用の電動機駆
動装置に用いたことを特徴とする空気調和機であり、ま
た、上記空気調和機の圧縮機起動時に圧縮機用電動機の
回転数指令値に応じて、上記倍電圧整流回路、全波整流
回路および半波整流回路のいずれかの整流回路を選択す
る選択手段を設けたことを特徴とする。
【0020】従って、交流電源より供給された交流電圧
は、整流手段で直流に変換された後、平滑手段で一定の
直流電圧に平滑されインバータ手段に供給される。この
インバータ手段は電動機駆動制御手段から供給される制
御信号で制御され、電動機に所定の周波数で所定の電圧
を供給し、電動機を所定の回転数で回転させる。この場
合、上記平滑電圧が所定値より低いときは、上記整流手
段の前段または後段に設けた電圧制御手段により、電動
機の回転数が指令値に一致するように、上記の平滑され
た直流電圧を制御し、また、上記平滑電圧が所定値より
高いときは電動機が指令の回転数で運転するようにイン
バータ手段の出力周波数と出力電圧を制御する。
【0021】上記平滑電圧が所定値より低い場合、上記
電圧制御手段は、上記電動機駆動制御手段からの制御信
号で降圧PAM制御され、インバータ手段の入力端子に
上記電動機を所定の回転数で回転させるに必要な直流入
力電圧を供給する。この場合、インバータ手段は、PW
M制御は行わず、電動機に回転数に対応したレベルの電
圧を供給する。
【0022】逆に上記平滑電圧が所定値より高い場合
は、上記電動機駆動制御手段により、上記インバータ手
段を制御して電動機を高電圧でPWM制御する。この場
合、上記整流手段の前段あるいは後段に設けた電圧制御
手段は短絡するか、電圧制御手段に設けた制御素子を常
時ONになるように制御する。
【0023】従って、電動機は全回転数の範囲に亘っ
て、電動機駆動装置としての総合効率の高い状態で作動
させることができ、省エネルギー化を図ることができ
る。
【0024】また、上記整流手段の前段に設けた電圧制
御手段は、電圧通電率制御ができるトライアック等の半
導体素子で構成されるので、この半導体素子の導通角を
電動機駆動制御手段により制御することによって、イン
バータ手段より電動機に印加する電圧のレベルを簡単に
制御することができる。
【0025】この制御は、電動機の回転数が予め定めた
所定の回転数より低い場合のPAM制御時に行われる。
また、トライアック等の半導体素子による電圧通電率制
御の精度を上げるために、インバータ手段への入力電圧
の所定値で全波整流と半波整流を切り換えるようにして
もよい。この切り換えは、交流電圧のゼロクロス点で行
うようにする。
【0026】また、上記半導体素子を短絡する開閉手段
を設けているので、整流手段の前段に設けた電圧制御手
段を選択的に駆動状態にすることができる。即ち、上記
開閉手段により、PWM制御を行う上記整流手段の後段
に設けた電圧制御手段の作動時には、上記半導体素子を
短絡して、整流手段の前段に設けた電圧制御手段が実質
的に省かれた状態にする。この場合、上記開閉手段によ
り整流回路の前段に設けた電圧制御手段を短絡する代わ
りにトライアック等の半導体素子を常時ONにしてもよ
いが、ON損失が生じ、省エネルギー効果が薄らぐこと
になる。
【0027】上記整流手段の後段には、パワーデバイ
ス、チョークコイルおよび高速リカバリーダイオードで
構成した降圧コンバータ回路より成る電圧制御手段が設
けられているので、上記パワーデバイスのONデューテ
ィを電動機駆動制御手段により制御することによって、
降圧PAM制御によるインバータ手段への直流入力電圧
の制御を行わせることができ、インバータ手段より電動
機に回転数に応じた電圧を供給することができる。この
場合もインバータ手段ではPWM制御を行わず周波数の
みを制御する。
【0028】ここで降圧コンバータ回路による平滑直流
電圧制御は、電動機の実回転数と目標回転数を電動機駆
動制御手段で比較演算し、電動機の実回転数が目標回転
数より低い時は、降圧コンバータ回路のパワーデバイス
のONデューティを上昇させて、上記平滑直流電圧を上
げ、また、電動機の実回転数が目標回転数より高いとき
は、降圧コンバータ回路のパワーデバイスのONデュー
ティを下げて、上記平滑直流電圧を下げるようにする。
【0029】この制御は、電動機の回転数が、予め定め
られた所定の回転数より低い場合のPAM制御時に行わ
れる。そして、パワーデバイスのONデューティによる
電圧制御の精度を上げるため、インバータ手段への入力
電圧の所定値で全波整流と半波整流を切り換えるように
し、この切り換えを交流電圧のゼロクロス電圧で行うよ
うにしてもよい。
【0030】また、上記降圧コンバータ回路を短絡する
開閉手段を設けているので、整流手段の後段に設けた電
圧制御手段を選択的に駆動状態にすることができる。即
ち、上記開閉手段によりPWM制御時や、上記整流手段
の前段に設けた電圧制御手段の作動時には、上記降圧コ
ンバータ回路を短絡して、整流手段の後段に設けた電圧
制御手段が実質的に省かれた状態にする。この場合、開
閉手段により整流回路の後段に設けた電圧制御手段を短
絡する代わりに降圧コンバータ回路のパワーデバイスを
常時ONにしてもよいが、ON損失が生じ省エネルギー
効果が多少薄らぐことになる。
【0031】また、上記整流手段は、選択回路により、
倍電圧整流回路、全波整流回路および半波整流回路を選
択できるようにしているので、電動機の指令回転数に応
じて、電動機に印加する電圧を生成するのに最も適した
整流回路を選択することができる。
【0032】この場合、電動機の回転数が予め定めた所
定の回転数より低く、PAM制御が行われている領域の
中でも、回転数が低い場合は、電動機に印加する電圧は
最も低くなるので、選択回路により半波整流回路を選択
し、PAM制御が行われる領域の中では、回転数が高い
場合は選択回路により全波整流回路を選択する。電動機
の回転数が予め定めた所定の回転数より高くPWM制御
を行う場合は、電動機に印加する電圧は最も高くなるの
で選択回路により、倍電圧整流回路を選択してインバー
タ手段への入力直流電圧として高い電圧を生成する。
【0033】また、上記の電動機駆動装置を空気調和機
の圧縮機用の電動機駆動装置として使用するので、あら
ゆる負荷状態において総合効率の高い空気調和機を得る
ことができる。また選択手段により圧縮機の起動時に電
動機の回転指令値に応じた電圧を生成するのに適した整
流回路を倍電圧整流回路、全波整流回路および半波整流
回路より選択することができるので、インバータ手段に
よる圧縮機用電動機の回転制御を効率よく行わせること
ができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、本発明を図面に示す実施形
態に基づいて詳細に説明する。図1は、本発明の電動機
駆動装置の構成図であり、図10、11に示す従来例に
対応する部分は同一符号で示す。図1において、交流電
源1から供給される交流電圧は、整流回路3で整流され
て非平滑直流電圧として導出される。この非平滑直流電
圧は、平滑回路5で平滑されて直流電圧となり、インバ
ータ入力電圧としてインバータ回路6に供給される。イ
ンバータ回路6では入力された直流電圧を可変周波数、
可変電圧の交流電圧として電動機8に印加する。
【0035】電動機8として誘導電動機、または直流電
動機があるが、誘導電動機の場合、インバータ回路の出
力周波数、出力電圧で電動機8の回転数を制御し、直流
電動機の場合、回転数は入力電圧の値に比例するので、
インバータ回路の出力電圧で電動機8の回転数を制御し
ている。
【0036】本実施形態では、電動機8として直流電動
機を用いた場合の制御について述べる。ここで、上記イ
ンバータ回路6の入力電圧を制御する手段として、上記
整流回路の前段に電動機駆動制御回路9からの制御信号
a1で交流電圧の通電率が制御されるトライアック等の
半導体素子で構成した電圧制御回路2を設け、整流回路
3の後段には、上記電動機駆動制御回路9からの制御信
号a2でONデューティが制御されるパワーデバイス1
7、高速リカバリーダイオード(FRD)18およびチ
ョークコイル19よりなる降圧コンバータ回路4を設け
る。また、上記平滑回路5の平滑直流電圧を検出する手
段として、平滑回路5の前段に抵抗10と11より成る
分圧回路を設け、この分圧回路で分圧した電圧を制御信
号a4として上記電動機駆動制御回路9に入力する。
【0037】また、電動機8が直流電動機の場合は、そ
の回転数を検出する回転数検出手段として、インバータ
回路6と電動機8の間に電動機8のロータ位置を検出す
るロータ位置検出回路7を設ける。このロータ位置検出
回路7より導出されるロータ位置検出信号a5は、電動
機8の回転数演算用信号を兼ねた信号として電動機駆動
制御回路9に入力される。
【0038】電動機駆動制御回路9では回転数指令値a
6と上記ロータ位置検出信号a5より演算した電動機8
の回転数を比較して、制御信号a1またはa2を導出
し、この制御信号a1またはa2により、電圧制御回路
2または降圧コンバータ回路4を制御して、上記インバ
ータ回路6に入力する直流電圧を制御するとともに、イ
ンバータ回路6をドライブする制御信号a3を出力す
る。
【0039】図2および図3は、本発明の具体的な回路
構成を示すものである。図2は、図1における電圧制御
回路2での降圧PAM制御としてトライアック13によ
り交流電圧制御を行った場合の回路例であり、図1に対
応する部分には同一符号を付し、説明を省略する。交流
電源1より供給される交流電圧は、トライアック13で
電圧通電率制御が行われ、リアクトル12を介して、ダ
イオードブリッジ回路31で構成した全波整流回路31
に入力される。
【0040】ここで、リアクトル12は力率改善用コイ
ルであり、リレー14はトライアック13の短絡用リレ
ーであり、リレー15は上記ダイオードブリッジ回路3
1の1辺に直列に設けられ、ダイオードブリッジ回路3
1を全波整流と半波整流に切り換えるリレーであり、リ
レー16は充電回路21と共働して、上記ダイオードブ
リッジ回路31を選択的に倍電圧整流回路に切り換える
リレーである。
【0041】上記の構成により、リレー14,15,1
6のすべてをONにすると倍電圧整流回路となり、上記
リレー15をONにし、リレー14,16をOFFにす
ると全波整流回路になり、リレー14,15,16のす
べてをOFFにすると半波整流回路になる。上記ダイオ
ードブリッジ回路31より上述するようにして得られた
直流電圧は平滑回路5で平滑され、インバータ入力電圧
としてインバータ回路6に入力される。また、この平滑
された直流電圧は抵抗10,11で分圧され、インバー
タ回路6への直流入力電圧を示す制御信号a4として電
動機駆動制御回路9に入力される。
【0042】電動機駆動制御回路9に回転数指令値a6
として入力される電動機8の回転数が予め定めた所定の
値より低い場合は、上記リレー14,15,16をすべ
てOFFにして半波整流にするか、リレー15のみをO
Nにして全波整流にして、トライアック13により電動
機8を降圧PAM制御する。
【0043】また、電動機駆動制御回路9に回転数指令
値a6として入力される電動機8の回転数が予め定めた
所定の値より高い場合は、上記リレー14,15,16
をすべてONにして倍電圧整流を行わせるとともに、ト
ライアック13を短絡する。そして、インバータ回路6
より電動機8を回転させる回転数に応じてパルス幅変調
された一定の高い電圧を電動機8に供給し、該電動機を
PWM制御する。
【0044】ここで、上記トライアック13を用いた電
圧制御、即ち降圧PAM制御は、トライアック13の通
電率を制御する場合、交流電源1のゼロクロス電圧を基
準にして制御するものと、抵抗22を流れる電流を検出
しゼロクロス電流を基準として制御する手法があり、い
ずれの制御を行わせてもよい。
【0045】図3は、図2に示すダイオードブリッジ回
路31の前段に設けた電圧制御回路2をなくし、降圧P
AM制御として整流回路3の後段にパワーデバイス1
7、高速リカバリーダイオード(FRD)18およびチ
ョークコイル19よりなる降圧型PAM制御を構成する
降圧コンバータ回路4を設けるとともに、この降圧コン
バータ回路4を選択的に短絡する短絡用リレー20を設
けたものであり、上記図1および図2に対応する部分に
は、同一符号を付し、説明を省略する。
【0046】ここで平滑回路5に入力される直流電圧は
パワーデバイス17のONデューティにより制御されて
いる。そして、倍電圧整流の場合は、リレー15,1
6,20のすべてをONにし、全波整流の場合は、リレ
ー15をONにし、リレー16,20をOFFにし、半
波整流の場合は、リレー15,16,20のすべてをO
FFにする。こうして得られた直流電圧を平滑回路5で
平滑し、インバータ入力電圧としてインバータ回路6に
入力する。
【0047】また、この平滑された直流電圧は抵抗1
0,11で分圧し、制御信号a4として電動機駆動制御
回路9に入力する。この場合、インバータ回路6に入力
される直流電圧の電圧検知は上記の抵抗10,11の分
圧で行わず、降圧PAM回路を構成する降圧コンバータ
回路4のパワーデバイス17のデューティ比に基づいて
行うことができ、この場合は上記抵抗10,11を省略
することができる。
【0048】電動機駆動制御回路9に回転数指令値a6
として入力される電動機8の回転数が、予め定めた所定
の値より低い場合は、リレー20を開成状態にして降圧
コンバータ回路4を動作状態に設定し、同時にリレー1
6を開成状態にする。そして電動機8の回転数が著しく
低い場合は、リレー15を開成して半波整流回路を形成
し、電動機8の回転数が著しく低くない場合はリレー1
5を閉成して全波整流回路を形成する。
【0049】そして、上記の半波あるいは全波整流回路
で整流された直流電圧は、上記降圧コンバータ回路4で
降圧PAM制御され、平滑回路5で平滑されて、電動機
8を所定の回転数で回転させるに必要な直流電圧をイン
バータ回路6に入力する。この場合、電動機8の回転数
指令値a6に基づく制御信号a2が電動機駆動制御回路
9より導出され、この制御信号a2によりパワーデバイ
ス17のONデューティが制御される。その結果、平滑
回路5より電動機8が所定の回転数で回転するに必要な
直流電圧をインバータ回路6に供給することができる。
【0050】電動機駆動制御回路9に回転数指令値a6
として入力される電動機8の回転数が、予め定めた所定
の値より高い場合は、リレー20を閉成して、降圧コン
バータ回路4を短絡し、リレー15,16を閉成して倍
電圧整流回路を形成する。そして、電動機駆動制御回路
9より回転数指令値a6に応じた制御信号a3を導出
し、この制御信号a3で電動機8を所定の回転数で回転
させるに必要なPWM制御された一定レベルの電圧をイ
ンバータ回路6に供給し、該インバータ回路6より電動
機8に対して回転数に対応した電圧を与え、該電動機8
を所定の回転数で回転させる。
【0051】電動機8の回転数と効率の関係は、上述す
るように図4乃至図6に示すようなものになる。即ち、
電動機の効率のみを考えると図4に示すように電動機の
出力が同一の場合、例えば電動機を空気調和機に用いた
ときの空気調和機の冷凍能力が同一特性の場合、PWM
制御よりPAM制御の方が高い効率が得られる。
【0052】しかしながら、PAM制御には、図1乃至
図3および図8、図9に示すような、昇圧PAM方式、
昇降圧PAM方式、降圧PAM方式のようにパワーデバ
イス17を用いた、いわゆるアクティブフィルター方式
とトライアック13を用いた電圧制御方式があり、いず
れも回路損失が発生する。アクティブフィルター方式で
の回路損失をPAM制御とPWM制御で比較すると、図
5に示すようになり、回路効率はPWM制御の場合の方
が高い。
【0053】従って、上記図4と図5に示す電動機の効
率と回路効率を考慮した電動機駆動装置の総合効率は、
図6に示すように、電動機8が所定の回転数Noより低
い低回転数領域では、PAM制御の方がPWM制御の場
合よりも高くなり、上記所定の回転数Noより高い高回
転数領域ではPWM制御の方がPAM制御の場合よりも
総合効率が高くなる。この場合の上記所定の回転数は、
使用する直流電動機の特性や回路特性に依存し、必ずし
も一定値ではない。
【0054】従って、図1乃至図3に示す上記の実施形
態において、降圧PAM制御とPWM制御との切り換え
を行う電動機の回転数は、図6に示すPAM制御とPW
M制御の総合効率のクロスする回転数Noに設定すれば
よい。この場合におけるインバータ回路6の入力電圧と
出力電圧の関係は図7に示すようになる。電動機の回転
数Nと印加電圧Vの関係は、V/N=一定となる比例関
係にあるので、点線で示すようにインバータ回路からの
出力電圧の上昇に伴い電動機の回転数は上昇する。
【0055】インバータ回路6への入力電圧は電動機8
が、予め定めた所定の回転数No以下では、降圧PAM
制御を行わせるので、電動機の回転数に比例した値の直
流電圧となり、電動機が上記の所定の回転数No以上で
は、PWM制御を行わせるので、高い値の一定電圧とな
り、電動機の回転数に応じてパルス幅変調された電圧に
なる。
【0056】図8は、PAM制御、PWM制御と倍電圧
整流、半波整流、全波整流の切り換え動作を説明するフ
ローチャートであり、図9は、上記図8に示すフローチ
ャートの各状態における電動機8の回転数と上記インバ
ータ回路6より出力する直流電圧の関係を示す図であ
る。
【0057】図8に示すフローチャートにおいて、ステ
ップS1で電動機8の回転数が上昇中か下降中かを判断
し、上昇中であればステップS2に進み、PAM制御が
行われているか、PWM制御が行われているかを判断す
る。PWM制御中であれば、ステップS3に進み、リレ
ーの切り換えは行わず、PWM制御のままで回転数指令
値a6で与えられる回転数まで直流電動機8の回転数を
上昇させる。
【0058】上記ステップS2でPAM制御中であると
判断されると、ステップS4に進み、全波整流であるか
半波整流であるかを判断し、全波整流であるとステップ
S5に進み、半波整流であるとステップS6に進む。上
記ステップS5では、その時のインバータ回路6より出
力される直流電圧の値が図9に示すDより高いか低いか
を判断し、高いときはステップS7で、図2および図3
に示す回路のリレー14,16をOFFよりONに切り
換えて、全リレー14,15,16をON状態にした倍
電圧整流にし、リレー20をOFFするとともにPAM
制御からPWM制御に切り換える。上記ステップS5
で、インバータ回路6より出力される直流電圧がDより
高くない場合はステップS8で全リレー14,15,1
6の切り換えは行わず、リレー15をON、リレー1
4,16をOFFにした全波整流を維持させる。
【0059】ステップS6では、インバータ回路6より
出力される直流電圧が図9に示すBより高いか否かを判
断し、Bより高い場合はステップS9に進み、リレー1
5をONに切り換えて、リレー14,15,16をそれ
ぞれOFF、ON、OFFに設定し、半波整流より全波
整流に切り換える。ステップS6でインバータ回路6の
出力直流電圧がBより高くない場合は、リレー14,1
5,16を全てOFFの状態に維持させ、半波整流の状
態に保持する。
【0060】一方、上記ステップS1で直流電動機8の
回転数が下降中であると判断されるとステップS11に
進み、PAM制御中か、PWM制御中かの判断を行う。
PAM制御中であればステップS12へ、また、PWM
制御中であればステップS13に進む。上記ステップS
13では、PWM制御中における、インバータ回路6か
らの出力直流電圧が図9に示すCより高いか否かを判断
する。
【0061】高い場合はステップS17に進み、全リレ
ー14,15,16をON状態に維持して倍電圧整流状
態を保持し、低い場合はステップS18に進み、リレー
14と16をONよりOFFに切り換え、リレー14,
15,16をそれぞれOFF、ON、OFFの状態にし
て倍電圧整流より全波整流に切り換える。この時、リレ
ー20をOFFからONに切り換えPWM制御からPA
M制御に切り換える。
【0062】ステップS12ではPAM制御が全波整流
で行われているか、半波整流で行われているかを判断
し、全波整流が行われている場合は、ステップS14で
インバータ回路6からの出力直流電圧が図9に示すAよ
り低いか否かを判断し、低い場合は、ステップS15に
進み、リレー15をONよりOFFに切り換えて、全リ
レー14,15,16をOFF状態にした半波整流にす
る。また上記ステップS12で半波整流であると判断し
た場合及びステップS14でインバータ回路6からの出
力直流電圧が図9に示すAより低くない場合はステップ
S16に進み、リレー14,15,16の切り換えは行
わない。
【0063】ここで、整流方式の切り換えにはヒステリ
シス特性を持たせる必要があり、そのしきい値の関係は
図8、図9に示すようにA<B<C<Dとなる。また、
PWM制御から全波PAM制御への切り換えはPWM制
御のデューティ比に閾値を設け切り換えるようにしても
よい。
【0064】上記の制御を行う電動機駆動装置を空気調
和機の圧縮機用の電動機駆動装置として用いることによ
り、空気調和機の省エネルギー化を図ることができる。
また、上述する電動機駆動装置を空気調和機に使う場
合、半波整流、全波整流、倍電圧整流の切り換えは、一
度圧縮機を停止してから行うようにしてもよい。その
際、電動機駆動制御回路9に入力される電動機回転数指
令値a6に応じて圧縮機起動時にいずれの整流方式にす
るかを決定する。
【0065】
【発明の効果】本発明は以上のように、電動機駆動回路
の効率を電動機自体の効率だけでなく、回路損失も加味
した総合効率でとらえ、この総合効率が高くなるように
電動機の回転に応じて、PAM制御とPWM制御を選択
するので、回転数の広い範囲で高効率の制御を行わせる
ことができ、電動機駆動装置およびこれを用いた空気調
和機の省エネルギー化を図ることができる。また、電動
機の低回転数領域のみで降圧PAM制御を行うようにし
ているので、降圧PAM制御回路を構成するパワーデバ
イス、チョークコイル等の容量を抑えることができ、回
路の低コスト化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態の概要を示す構成図であ
る。
【図2】 本発明の他の実施形態の回路構成図である。
【図3】 本発明の更に他の実施形態の回路構成図であ
る。
【図4】 本発明の動作説明に用いる電動機の特性図で
ある。
【図5】 本発明の動作説明に用いる電動機駆動回路の
特性図である。
【図6】 本発明の動作説明に用いる電動機駆動装置の
総合特性図である。
【図7】 本発明の動作説明図である。
【図8】 本発明の制御回路の切り換え動作を示すフロ
ーチャートである。
【図9】 本発明の動作説明図である。
【図10】 従来例の構成図である。
【図11】 従来例の構成図である。
【図12】 従来例の動作説明図である。
【符号の説明】
1 交流電源 2 電圧制御回路 3 整流回路 4 降圧コンバータ回路 5 平滑回路 6 インバータ回路 7 ロータ位置検出回路 8 電動機 9 電動機駆動制御回路 12 リアクトル 13 トライアック 14,15,16,20 リレー 17 パワーデバイス 18 高速リカバリーダイオード 19 チョークコイル a1,a2,a3,a4 制御信号 a5 ロータ位置検出信号 a6 回転数指令値

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 交流電圧を直流電圧に変換する整流手段
    と、上記直流電圧を一定電圧に平滑する平滑手段と、該
    平滑手段により平滑された直流電圧を交流電圧に変換す
    るインバータ手段と、このインバータ手段により駆動さ
    れる電動機と、該電動機の回転数が指令値に一致するよ
    うに上記平滑手段により平滑された直流電圧を制御する
    ため上記整流手段の前段または後段に設けた電圧制御手
    段と、上記電動機を指令の回転数で運転するようにイン
    バータ手段の出力周波数と出力電圧を制御する電動機駆
    動制御手段を設け、上記電動機の回転数が、予め定めた
    所定の値以下の領域では、上記電圧制御手段で電動機駆
    動制御手段からの制御信号に応じて、入力電圧のオンと
    オフの時間比を制御して所定のレベルの出力電圧を得る
    降圧PAM制御を行わせて、上記インバータ手段の出力
    電圧を制御し、上記電動機の回転数が上記所定の値以上
    の領域では、上記電動機駆動制御手段からの制御信号で
    上記インバータ手段に入力される信号をPWM制御し
    て、電動機に指令された回転数に応じた電圧を供給する
    ようにしたことを特徴とする電動機駆動装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の電動機駆動装置におい
    て、上記整流手段の前段に設けた電圧制御手段は、電圧
    通電率制御ができる半導体素子であることを特徴とする
    電動機駆動装置。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の電動機駆動装置におい
    て、上記半導体素子を短絡する開閉手段を設けたことを
    特徴とする電動機駆動装置。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の電動機駆動装置におい
    て、上記整流手段の後段に設けた電圧制御手段は、パワ
    ーデバイス、チョークコイル、高速リカバリーダイオー
    ド(FRD)で構成した降圧PAM制御回路であること
    を特徴とする電動機駆動装置。
  5. 【請求項5】 請求項4記載の電動機駆動装置におい
    て、上記降圧PAM制御回路を短絡する開閉手段を設け
    たことを特徴とする電動機駆動装置。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の電動機駆動装置におい
    て、上記整流手段は、倍電圧整流回路、全波整流回路、
    半波整流回路を選択できる選択回路を備え、該選択回路
    により、上記降圧PAM制御時には、全波整流回路また
    は半波整流回路を選択し、PWM制御時には倍電圧整流
    回路を選択するようにしたことを特徴とする電動機駆動
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項1から請求項6記載の電動機駆動
    装置を圧縮機用の電動機駆動装置に用いたことを特徴と
    する空気調和機。
  8. 【請求項8】 請求項7記載の空気調和機において、圧
    縮機起動時に圧縮機用電動機の回転数指令値に応じて上
    記倍電圧整流回路、全波整流回路、半波整流回路のいず
    れかの整流回路を選択する選択手段を設けたことを特徴
    とする空気調和機。
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