JPH114587A - 永久磁石形同期電動機の起動方法および該方法を備えた永久磁石形同期電動機用制御装置 - Google Patents

永久磁石形同期電動機の起動方法および該方法を備えた永久磁石形同期電動機用制御装置

Info

Publication number
JPH114587A
JPH114587A JP9155253A JP15525397A JPH114587A JP H114587 A JPH114587 A JP H114587A JP 9155253 A JP9155253 A JP 9155253A JP 15525397 A JP15525397 A JP 15525397A JP H114587 A JPH114587 A JP H114587A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
synchronous motor
command
angle
speed
signal
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9155253A
Other languages
English (en)
Inventor
Eiji Yamamoto
栄治 山本
Tadahiro Miyamoto
恭祐 宮本
Mitsujiro Sawamura
光次郎 沢村
Toshihiro Sawa
沢  俊裕
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yaskawa Electric Corp
Original Assignee
Yaskawa Electric Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yaskawa Electric Corp filed Critical Yaskawa Electric Corp
Priority to JP9155253A priority Critical patent/JPH114587A/ja
Publication of JPH114587A publication Critical patent/JPH114587A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Motor And Converter Starters (AREA)
  • Control Of Motors That Do Not Use Commutators (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁極を認識していない状態でも意図する回転
方向に一定に回転させることのできる永久磁石形同期電
動機の起動方法を提供する。 【解決手段】 運転開始時に、運転指令RNに基づいて
磁極検出指令発生部36は速度および電流制御ループへ
の指令信号を、速度指令発生部37からの任意の低周波
数の角度信号AI、速度信号SIに切換えて起動し、角
度補正部40が同期電動機の回転子が反転していると判
断した場合、位相補正出力を速度指令発生部へ出力し
て、C相パルスが検出されるまで速度検出器の出力が正
の値になるよう位相角を補正する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転子駆動用の磁
極として永久磁石が装着された永久磁石形同期電動機
と、永久磁石形同期電動機の回転シャフトに取り付け電
気角が互いに90°の位相差を有してそれぞれ1回転当
たりNパルスを発生するAB2相のパルス列および1回
転当たり1パルスであるC相パルス列を発生する回転位
置検出器とを有するなる回転位置検出器付きの永久磁石
形同期電動機の起動方法と起動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ACサーボモータなどに使用され
る永久磁石形同期電動機は、回転子に装着した永久磁石
の位置による磁束と一定の位相関係を有する駆動電流を
固定子巻線に供給して回転子を回転させる。この場合、
回転子を回転させる前に電気角を検出する必要があるた
めに、図8に示すようなエンコーダ81と磁極検出器8
2を永久磁石形同期電動機83に装着していた。
【0003】また、本出願人と同一出願人による特願平
7−11322号には、図8の磁極検出器82を省略し
て駆動する方法が提案されている。図9は磁極検出器を
省略した従来の永久磁石形同期電動機の制御装置を示す
図で、図の装置は永久磁石形同期電動機5と、その回転
シャフトに取り付けたエンコーダ6と、速度および電流
制御ループを有する制御回路部3´等で構成する電動機
制御装置1´からなるもので、永久磁石形同期電動機5
の磁極原点とエンコーダ6のC相パルス発生位置とが一
致するように、エンコーダ6を回転シャフトに取り付け
ている。
【0004】運転開始時には、永久磁石形同期電動機5
を駆動するインバータ23の電流を制御する電流制御部
35に、電流指令を与える電流指令発生部33などの電
流制御ループに指令する電流指令の低周波数の角度信号
AIを、制御回路部3´に内蔵の速度指令発生部37´
から任意の角度で指令し、また、その単位時間当たりの
角度変化量である速度信号SIを速度制御部32の指令
として、速度制御ループを作用させて電流指令の振幅を
制御し、この駆動によって永久磁石形同期電動機5に低
周波数の交流電流を供給して停止状態にあったエンコー
ダ付き回転シャフトを低速度で回転させる。
【0005】この状態でC相パルスを磁極原点検出部6
2により検出した時点で磁極位置に到達したとし、これ
に同期して先の速度指令発生部37´からの低周波数の
角度信号AIを、C相パルス位置を原点として回転子の
回転に合わせてカウントしたAB2相のパルスカウント
値を用いる、角度信号検出部61からの定常運転時にお
ける電流指令の角度信号に磁極検出指令発生部36によ
って切換える。速度制御部32の指令も速度指令SSに
切換えて、永久磁石形同期電動機5を起動するものであ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来例においては、図8に示した前者の方法では、エンコ
ーダ81および磁極検出器82の2つの検出器を具備し
なければならないので、装置が高価で複雑で大型になる
という問題があった。また、後者の方法は、前者の場合
の問題点を解決するものであったが、運転開始時に電流
制御ループに指令する電流指令の角度信号AIを、速度
指令発生部37から任意の角度で指令するために、C相
パルスを検出するまでのシャフトの回転方向が一定でな
く、時には反転してしまう。工作機械の主軸などに用い
られる同期電動機では、始動前にチャックに加工物が取
り付けられた状態で運転を開始する場合もあって、同期
電動機の回転子の回転方向が一定でないと、工具と加工
物が接触してしまって危険であるという問題があった。
【0007】そこで、本発明は上記問題点を解決するた
めに、永久磁石形同期電動機の回転位置検出器を小型簡
素化して、磁極を認識していない状態でも意図する回転
方向に一定に回転させることが可能な永久磁石形同期電
動機の起動方法を提供することを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1記載の発明によれば、回転子表面または回
転子内部に永久磁石を持つ同期電動機を、電気角が90
°位相差を持ちNパルス/1回転の割合で発生するAB
2相のパルス列および1パルス/1回転の割合で発生す
るC相パルス列を出力する前記同期電動機の回転子に取
り付けた回転位置検出器と、前記同期電動機を駆動する
インバータ部を含む主回路と、前記同期電動機を制御す
る電流制御ループを持つ制御回路部と、を用いて駆動す
る際の永久磁石形同期電動機の起動方法において、前記
回転位置検出器は前記回転子の磁極原点とC相パルス発
生位置とが一致するように取り付け、運転開始時に前記
電流制御ループに指令する電流指令の角度信号を前記制
御回路部から所定の角度で指令し、かつその単位時間当
たりの角度変化量である速度信号を速度指令として前記
電流制御ループに作用させて前記電流指令の振幅を制御
して前記制御回路部が前記同期電動機に低周波交流電流
を供給させ、停止状態にある前記同期電動機の回転子を
停止状態の電気角による位置から低速度で回転させた場
合に、前記同期電動機が指令回転方向と反対に回転して
いるときは前記同期電動機が前記指令回転方向と同一方
向に回転するまで、前記交流電流指令の角度をあらかじ
め設定した電気角度だけ進めることを特徴とするもので
ある。
【0009】また、請求項2記載の発明によれば、前記
永久磁石形同期電動機の起動方法において、前記同期電
動機が前記指令回転方向と同一方向に回転するまで、前
記交流電流指令の位相をあらかじめ設定した電気角度だ
け進めた後、C相パルスを検出したときに電流指令の角
度信号を0クリアすると共に、前記角度信号発生器の角
度信号から、前記AB2相のパルスから求めた電流指令
の角度信号に切り換え、速度指令部の指令も所要の速度
指令に切り換えて前記同期電動機を運転することを特徴
とするものである。
【0010】さらに、請求項3記載の発明によれば、前
記永久磁石形同期電動機の起動方法において、AB2相
パルスを検出し、A相パルスの立上がり時のB相パルス
のレベルがローかハイかによってそれぞれ回転子の正転
か反転かを検出することを特徴とするものである。
【0011】そして、請求項4記載の発明によれば、前
記永久磁石形同期電動機の起動方法において、前記回転
位置検出器を回転子の磁極原点とC相パルス発生位置が
一致するように取り付ける代わりに、予め磁極位置とC
相パルスのずれ量を前記電動機制御装置の不揮発メモリ
に格納して置き、前記C相パルスを検出した時に磁極位
置に到達したことを検出して、電流指令の角度信号を0
クリアする代わりに前記磁極位置とC相パルスのずれ量
を前記不揮発メモリより取り込み電流指令の角度信号の
初期値とすることを特徴とするものである。
【0012】また、請求項5記載の発明によれば、回転
子表面または回転子内部に永久磁石を持つ同期電動機
と、電気角が90°位相差を持ちNパルス/1回転の割
合で発生するAB2相のパルス列および1パルス/1回
転の割合で発生するC相パルス列を前記回転子の磁極原
点とC相パルス発生位置とが一致するように出力する前
記同期電動機の回転子に取り付けた回転位置検出器と、
前記同期電動機を駆動するインバータ部を含む主回路
と、前記同期電動機を制御する電流制御ループを持つ制
御回路部と、を含む永久磁石形同期電動機の制御装置で
あって、前記制御回路部は、前記回転位置検出器からの
信号を速度検出信号に変換する速度検出部と、前記速度
検出部の出力と速度指令により速度制御を行う速度制御
部と、前記回転位置検出器のC相パルス出力時を磁極原
点として前記AB2相パルスのカウント値を用いて電流
指令の角度信号を発生する角度信号検出部と、前記速度
制御部の出力信号と角度信号検出部の出力信号を入力し
て電流指令を発生する電流指令発生部と、前記電流指令
に基づきインバータの電流制御を行う電流制御部と、運
転指令に基づき磁極原点検出信号を受けて角度指令切り
換えおよび速度指令切り換えを行なう磁極検出指令発生
部と、前記電流制御ループに指令する電流指令の低周波
数の角度信号を任意の角度で指令し該角度信号の単位時
間当たりの角度変化量である低周波数の速度信号を発生
する速度指令発生部と、前記角度信号検出部の出力信号
と前記速度指令発生部の出力信号とを前記磁極検出指令
発生部の出力信号に基づいて切換えて前記電流指令発生
部へ送る角度指令切換え部と、前記速度指令と前記速度
指令発生部の出力信号とを前記磁極検出指令発生部の出
力信号に基づいて切換える速度指令切換え部と、を有す
るものにおいて、起動時に前記同期電動機が指令回転方
向と反対方向に回転していることを示す前記速度検出部
からの出力信号で前記前記速度指令発生部に対して交流
電流指令の位相をあらかじめ設定した電気角度だけ進め
る位相補正信号を出力する角度補正部を設けたことを特
徴とするものである。
【0013】したがって、請求項1および2記載の発明
によれば、永久磁石形同期電動機の検出器である磁極検
出器を用いないで、磁極を認識していない状態でも、意
図する回転方向に一定に回転させながら磁極原点の取り
込みまで永久磁石形同期電動機を駆動することが可能と
なる。
【0014】また、請求項3に記載の発明によれば、請
求項1記載の電動機制御装置における、回転子の反転補
正についての具体的な手法として、速度検出部は、AB
2相パルスよりA相パルスの立上がり時のB相パルスの
レベルがローかハイかによって、回転子の正転・反転を
簡単に検出している。
【0015】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
回転子の磁極原点とC相パルス発生位置を一致させるた
めに要する機械的な調整の時間と労力を省いて、簡単な
演算によって磁極位置検出誤差の解消を図ることができ
る。
【0016】そして、請求項5に記載の発明によれば、
上記起動方法を採用した具体的な永久磁石形同期電動機
用制御装置を簡単な構成によって提供することができ
る。
【0017】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)以下、本発明の第1の実施の形態
について図を参照して説明する。図1は本発明の第1の
実施の形態に係る永久磁石形同期電動機の起動方法が適
用される電動機制御装置のブロック図である。図2は図
1に示す永久磁石形同期電動機の回転磁界の発生場所と
回転子の一定回転方向を示す模式図で、図3は図1に示
す永久磁石形同期電動機の回転磁界の発生場所と回転子
の反転を含む回転方向を示す模式図である。図4は図2
に示す回転子の時間ごとの回転角度を表すタイムチャー
トであり、図5は図3に示す回転子の時間ごとの回転角
度を表すタイムチャートである。図6は図1に示すエン
コーダが時計回りに回転している時のAB2相パルスの
タイムチャートであり、図7は図1に示すエンコーダが
反時計回りに回転している時のAB2相パルスのタイム
チャートである。
【0018】図1において、図に示す電動機制御装置1
は、主回路部2と制御回路部3とからなり、回転位置検
出器であるエンコーダ6を備えた永久磁石形同期電動機
5を駆動する。この場合、エンコーダ6は永久磁石形同
期電動機5の回転角度に応じて電気角が互いに90°の
位相差を有する2相のABパルス信号と、1回転当たり
1パルスのC相パルス信号を出力する。なお、エンコー
ダ6は、回転子の磁極原点とC相パルス発生位置とが一
致するように取り付けられている。
【0019】主回路部2は、交流を直流に変換して出力
するコンバータ部21と、コンバータ21の出力を平滑
する平滑コンデンサ22と、制御信号に基づいて直流を
交流に変換し永久磁石形同期電動機5を駆動するインバ
ータ23とを有している。
【0020】制御回路部3は、永久磁石形同期電動機5
の制御のために、エンコーダ6からの信号を速度検出信
号に変換する速度検出部31と、速度検出部31の出力
と速度指令SSとにより永久磁石形同期電動機5の速度
制御を行う速度制御部32と、エンコーダ6のC相パル
スが出力された時その位置を磁極原点として、回転子の
回転に合わせカウントしたAB2相のパルスカウント値
を用いて電流指令の角度信号を発生する角度信号検出部
61と、速度制御部32の出力信号と角度信号検出部6
1の出力信号を入力して電流指令を発生する電流指令発
生部33と、電流指令とインバータ23の出力電流を検
出する電流検出器34の検出信号を入力として、インバ
ータ23の電流制御を行う電流制御部35を有してい
る。
【0021】さらに制御回路部3は、永久磁石形同期電
動機5の起動のために、運転指令RNに基づいてオープ
ンループでの運転を指令する磁極検出指令発生部36
と、低周波数の角度信号AIとその単位時間当たりの角
度変化量である速度信号SIを発生する速度指令発生部
37と、角度信号検出部61の出力信号と速度指令発生
部37の角度信号AIを、磁極検出指令発生部36の出
力信号に基づいて切換える角度指令切換え部38と、速
度指令SSと速度信号SIを磁極検出指令発生部36の
出力信号に基づいて切換える速度指令切換え部39と、
エンコーダ6のC相パルス信号を検出する磁極原点検出
部62と、AB2相パルスより回転子の反転を検出する
速度検出部31の出力信号より、出力信号が負の値をと
る場合は回転子が反転しているとして位相角の補正出力
を行う角度補正部40からなる。
【0022】つぎに動作について説明する。電動機制御
装置1の起動シーケンスは、先ず電動機制御装置1に運
転指令RNが入力すると、磁極検出指令発生部36は角
度指令切換え部38と速度指令切換え部39とに指令を
出力して、それぞれ速度指令発生部37が発生する低周
波数の角度信号AIと、同じく速度信号SIを選択す
る。この場合は、起動時には回転子の磁極原点位置は未
検出であるために、速度指令発生部37が発生する低周
波数の角度信号AIと速度信号SIを用いて起動する。
【0023】すなわち、電流指令発生部33に入力する
電流指令の周波数成分は、速度指令発生部37が発生し
た低周波数の角度信号AIであり、電流指令の振幅成分
は速度検出部31の出力と速度信号SIを入力とする速
度制御部32の出力信号である。
【0024】電流指令発生部33が出力した低周波数の
交流電流指令に基づいて、電流制御部35は電流制御ル
ープを作用させ、インバータ23が永久磁石形同期電動
機5に低周波数の交流電流を供給して、永久磁石形同期
電動機5のステータ部に回転磁界を発生させる。
【0025】この様子を図2と図3を用いて説明する。
図2と図3は共に2極の同期電動機を表す模式図であ
り、回転磁界は永久磁石がステータ上を移動するといっ
た形で表現している。なお、図では説明を簡単にするた
めに磁極を2極として示しているが、例えば4極であっ
ても多極であっても基本的には変わらない。
【0026】先ず、運転指令RNが初めて与えられた
時、速度指令発生部37の出力である任意の角度信号A
Iにより、ステータ巻線には、図2(a)で表す位置関
係に回転磁界が発生したとする。この回転磁界が時計回
りに回転している場合は、回転子にある永久磁石のN極
とステータに発生した回転磁界のS極は互いに吸引力が
働き、回転子は時計回りに回転して図2(b)の状態に
なる。以後、ステータに発生する回転磁界の回転速度に
同期して、図2(c)のように回転子は回転して行く。
【0027】この場合の回転子の回転角度は図4のよう
に表すことができる。図4中、a1点が図2(a)の状
態に対応し、b1点が図2(b)の状態に対応し、c1
点が図2(c)の状態に対応している。図4からも回転
子は反転することなく回転磁界に同期していく様子がわ
かる。
【0028】次に、運転指令RNが初めて与えられた
時、速度指令発生部37の出力である任意の角度信号A
Iにより、ステータ巻線には、図3(a)で表す位置関
係に回転磁界が発生したとする。図2の場合と同様に、
回転磁界が時計回りに回転している場合は、回転子にあ
る永久磁石のN極とステータに発生した回転磁界のS極
は互いに吸引力が働いて、回転子は今度は反時計回りに
回転して図3(b)の状態になる。以後、ステータに発
生する回転磁界の回転速度に同期して、図3(c)のよ
うに回転子は回転して行く。
【0029】この場合の回転子の回転角度は図5のよう
に表すことができる。図5中、a2点が図3(a)の状
態に対応し、b2点が図3(b)の状態に対応し、c2
点が図3(c)点に対応している。図5の場合は、回転
子が一旦反転して、その後に回転磁界に同期して回転し
ていく様子がわかる。
【0030】このように正転、反転と回転子の一定しな
い回転を、意図する回転方向に一定に回転させて安全で
容易な起動を行うために、本発明では次のような回転子
の反転防止方法を提案するものである。
【0031】回転シャフトにとり付けられたエンコーダ
6の時計回り、反時計回りの場合のパルス出力は、それ
ぞれ図6と図7のように表すことができる。速度検出部
31ではこれらのパルス出力から回転子の正転、反転を
検出している。具体的には、エンコーダ6のA相パルス
の立上がり時、つまり図6の(イ)、(ロ)点と、図7
の(ハ)、(ニ)点における、B相パルスのレベルがロ
ー、又はハイの違いによって速度の正負(回転子の正
転、反転)を検出している。
【0032】今、図3(a)の位置関係に回転磁界が発
生したとすると、回転子が反転しているため、速度検出
部31の出力は負の値をとる。速度検出部31の値が負
になると、角度補正部40は速度検出部31の出力が正
の値になるまで、回転磁界の位相を設定値分進める指令
を速度指令発生部37へ伝える。速度指令発生部37で
は現在の位相角に補正角を加えたものを新しい位相角と
して、角度信号AIとして出力する。これによって、回
転子は図3に示したように、エンコーダ6の最小分解能
(360°/分解能)分の角は反転するものの、回転磁
界と回転子の極性が同期してからは、時計回りに一定方
向に回転する。
【0033】続いて、位相角補正はエンコーダ6のC相
パルスを検出するまで回転させる。磁極原点検出部62
がC相パルスを検出すると、磁極原点検出部62は磁極
原点検出完了信号を磁極検出指令発生部36に送ると同
時に、角度信号検出部61に角度信号を初期値(0)に
するリセット信号を送る。また、磁極検出指令発生部3
6は磁極原点検出完了信号を受けて直ちに角度指令切換
え部38と速度指令切換え部39とに指令を出して、そ
れぞれ角度信号検出部61の出力信号と速度指令SSを
選択する。
【0034】以降は、C相パルス位置を原点として回転
子の回転に合わせてカウントしたエンコーダ6のAB2
相のパルスのカウント値を用いて、角度信号検出部61
が出力した電流指令の角度信号を用い、速度制御部32
の指令も所要の速度指令SSに切換えて、永久磁石形同
期電動機5を通常制御する磁極検出信号に基づいた速度
制御モードに切換えて運転する。
【0035】(第2の実施の形態)次に本発明の第2の
実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、
永久磁石形同期電動機5の回転子の磁極原点とC相パル
ス発生位置とが一致するように、エンコーダ6を回転シ
ャフトに取り付けていたが、こうした取付け調整作業を
正確に行うには、エンコーダ取付け部の機械加工精度や
永久磁石の着磁のバラツキ等のためにかなり難しい面が
あるので、第2の実施の形態は、回転子の磁極原点とC
相パルス発生位置を一致させる調整作業の代わりに簡単
な演算で対応しようとするもので、第1の実施の形態と
同様な図1に示す電動機制御装置において、予め磁極位
置とC相パルスのずれ量を制御回路部3内に不揮発メモ
リを設けて格納して置き、C相パルスを検出した時点で
電流指令の角度信号を0クリアする代わりに、磁極位置
とC相パルスのずれ量を不揮発メモリから取込み電流指
令の角度信号の初期値とするものである。このようにす
れば、エンコーダ6と永久磁石形同期電動機5の回転子
の磁極原点がずれた状態で取り付けられた場合でも対応
することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1および2
記載の発明によれば、永久磁石形同期電動機の検出器で
ある磁極検出器を用いないで、磁極を認識していない状
態でも、意図する回転方向に一定に回転させながら磁極
原点の取り込みまで永久磁石形同期電動機を駆動するこ
とが可能となる。
【0037】また、請求項3に記載の発明によれば、請
求項1記載の電動機制御装置における、回転子の反転補
正についての具体的な手法として、速度検出部は、AB
2相パルスよりA相パルスの立上がり時のB相パルスの
レベルがローかハイかによって、回転子の正転・反転を
簡単に検出できる。
【0038】さらに、請求項4に記載の発明によれば、
回転子の磁極原点とC相パルス発生位置を一致させるた
めに要する機械的な調整の時間と労力を省いて、簡単な
演算によって磁極位置検出誤差の解消を図ることができ
る。
【0039】そして、請求項5に記載の発明によれば、
上記起動方法を実現する具体的な永久磁石形同期電動機
の制御装置を簡単な回路の付加によって実現することが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る永久磁石形同
期電動機の起動方法が適用される電動機制御装置のブロ
ック図である。
【図2】図1に示す永久磁石形同期電動機の回転磁界の
発生場所と回転子の一定回転方向を示す模式図である。
【図3】図1に示す永久磁石形同期電動機の回転磁界の
発生場所と回転子の反転を含む回転方向を示す図であ
る。
【図4】図2に示す回転子の時間ごとの回転角度を表す
タイムチャートである。
【図5】図3に示す回転子の時間ごとの回転角度を表す
タイムチャートである。
【図6】図1に示すエンコーダが時計回りに回転してい
る時のAB2相パルスのタイムチャートである。
【図7】図1に示すエンコーダが反時計回りに回転して
いる時のAB2相パルスのタイムチャートである。
【図8】従来の永久磁石形同期電動機の構成図である。
【図9】従来の電動機制御装置のブロック図である。
【符号の説明】
1 電動機制御装置 2 主回路部 3 制御回路部 5 永久磁石形同期電動機 6 エンコーダ 21 コンバータ部 22 平滑コンデンサ 23 インバータ 31 速度検出部 32 速度制御部 33 電流指令発生部 34 電流検出器 35 電流制御部 36 磁極検出指令発生部 37 速度指令発生部 38 角度指令切換え部 39 速度指令切換え部 40 角度補正部 61 角度信号検出部 62 磁極原点検出部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 沢 俊裕 福岡県北九州市八幡西区黒崎城石2番1号 株式会社安川電機内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転子表面または回転子内部に永久磁石
    を持つ同期電動機を、電気角が90°位相差を持ちNパ
    ルス/1回転の割合で発生するAB2相のパルス列およ
    び1パルス/1回転の割合で発生するC相パルス列を出
    力する前記同期電動機の回転子に取り付けた回転位置検
    出器と、前記同期電動機を駆動するインバータ部を含む
    主回路と、前記同期電動機を制御する電流制御ループを
    持つ制御回路部と、を用いて駆動する際の永久磁石形同
    期電動機の起動方法において、 前記回転位置検出器は前記回転子の磁極原点とC相パル
    ス発生位置とが一致するように取り付け、 運転開始時に前記電流制御ループに指令する電流指令の
    角度信号を前記制御回路部から所定の角度で指令し、か
    つその単位時間当たりの角度変化量である速度信号を速
    度指令として前記電流制御ループに作用させて前記電流
    指令の振幅を制御して前記制御回路部が前記同期電動機
    に低周波交流電流を供給させ、停止状態にある前記同期
    電動機の回転子を停止状態の電気角による位置から低速
    度で回転させた場合に、 前記同期電動機が指令回転方向と反対に回転していると
    きは前記同期電動機が前記指令回転方向と同一方向に回
    転するまで、前記交流電流指令の角度をあらかじめ設定
    した電気角度だけ進めることを特徴とする永久磁石形同
    期電動機の起動方法。
  2. 【請求項2】 前記永久磁石形同期電動機の起動方法に
    おいて、 前記同期電動機が前記指令回転方向と同一方向に回転す
    るまで、前記交流電流指令の位相をあらかじめ設定した
    電気角度だけ進めた後、C相パルスを検出したときに電
    流指令の角度信号を0クリアすると共に、前記角度信号
    発生器の角度信号から、前記AB2相のパルスから求め
    た電流指令の角度信号に切り換え、速度指令部の指令も
    所要の速度指令に切り換えて前記同期電動機を運転する
    ことを特徴とする請求項1記載の永久磁石形同期電動機
    の起動方法。
  3. 【請求項3】 前記永久磁石形同期電動機の起動方法に
    おいて、 AB2相パルスを検出し、A相パルスの立上がり時のB
    相パルスのレベルがローかハイかによってそれぞれ回転
    子の正転か反転かを検出することを特徴とする請求項1
    又は2記載の永久磁石形同期電動機の起動方法。
  4. 【請求項4】 前記永久磁石形同期電動機の起動方法に
    おいて、 前記回転位置検出器を回転子の磁極原点とC相パルス発
    生位置が一致するように取り付ける代わりに、予め磁極
    位置とC相パルスのずれ量を前記電動機制御装置の不揮
    発メモリに格納して置き、前記C相パルスを検出した時
    に磁極位置に到達したことを検出して、電流指令の角度
    信号を0クリアする代わりに前記磁極位置とC相パルス
    のずれ量を前記不揮発メモリより取り込み電流指令の角
    度信号の初期値とすることを特徴とする請求項1記載の
    永久磁石形同期電動機の起動方法。
  5. 【請求項5】 回転子表面または回転子内部に永久磁石
    を持つ同期電動機と、電気角が90°位相差を持ちNパ
    ルス/1回転の割合で発生するAB2相のパルス列およ
    び1パルス/1回転の割合で発生するC相パルス列を前
    記回転子の磁極原点とC相パルス発生位置とが一致する
    ように出力する前記同期電動機の回転子に取り付けた回
    転位置検出器と、前記同期電動機を駆動するインバータ
    部を含む主回路と、前記同期電動機を制御する電流制御
    ループを持つ制御回路部と、を含む永久磁石形同期電動
    機の制御装置であって、 前記制御回路部は、 前記回転位置検出器からの信号を速度検出信号に変換す
    る速度検出部と、 前記速度検出部の出力と速度指令により速度制御を行う
    速度制御部と、 前記回転位置検出器のC相パルス出力時を磁極原点とし
    て前記AB2相パルスのカウント値を用いて電流指令の
    角度信号を発生する角度信号検出部と、 前記速度制御部の出力信号と角度信号検出部の出力信号
    を入力して電流指令を発生する電流指令発生部と、 前記電流指令に基づきインバータの電流制御を行う電流
    制御部と、 運転指令に基づき磁極原点検出信号を受けて角度指令切
    り換えおよび速度指令切り換えを行なう磁極検出指令発
    生部と、 前記電流制御ループに指令する電流指令の低周波数の角
    度信号を任意の角度で指令し該角度信号の単位時間当た
    りの角度変化量である低周波数の速度信号を発生する速
    度指令発生部と、 前記角度信号検出部の出力信号と前記速度指令発生部の
    出力信号とを前記磁極検出指令発生部の出力信号に基づ
    いて切換えて前記電流指令発生部へ送る角度指令切換え
    部と、 前記速度指令と前記速度指令発生部の出力信号とを前記
    磁極検出指令発生部の出力信号に基づいて切換える速度
    指令切換え部と、を有するものにおいて、 起動時に前記同期電動機が指令回転方向と反対方向に回
    転していることを示す前記速度検出部からの出力信号で
    前記速度指令発生部に対して交流電流指令の位相をあら
    かじめ設定した電気角度だけ進める位相補正信号を出力
    する角度補正部を設けたことを特徴とする永久磁石形同
    期電動機用制御装置
JP9155253A 1997-06-12 1997-06-12 永久磁石形同期電動機の起動方法および該方法を備えた永久磁石形同期電動機用制御装置 Pending JPH114587A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9155253A JPH114587A (ja) 1997-06-12 1997-06-12 永久磁石形同期電動機の起動方法および該方法を備えた永久磁石形同期電動機用制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9155253A JPH114587A (ja) 1997-06-12 1997-06-12 永久磁石形同期電動機の起動方法および該方法を備えた永久磁石形同期電動機用制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH114587A true JPH114587A (ja) 1999-01-06

Family

ID=15601889

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9155253A Pending JPH114587A (ja) 1997-06-12 1997-06-12 永久磁石形同期電動機の起動方法および該方法を備えた永久磁石形同期電動機用制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH114587A (ja)

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010226827A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Ihi Corp モータ制御駆動装置及びモータ始動位置決め方法
JP2011024297A (ja) * 2009-07-14 2011-02-03 Fuji Electric Systems Co Ltd 永久磁石同期モータの制御装置
CN103117692A (zh) * 2013-03-11 2013-05-22 华北电力大学(保定) 多种外部干扰下的带有机械弹性储能的永磁电动机组控制方法
CN103956944A (zh) * 2014-04-23 2014-07-30 上海理工大学 永磁同步电机带速启停控制系统及控制方法
CN107659225A (zh) * 2017-10-25 2018-02-02 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种低成本高可靠性永磁同步电机的位置检测装置
US10053012B2 (en) 2009-09-01 2018-08-21 Magna Electronics Inc. Imaging and display system for vehicle
CN113507254A (zh) * 2020-03-24 2021-10-15 株式会社安川电机 电机控制装置、电梯驱动系统和电机控制方法

Cited By (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010226827A (ja) * 2009-03-23 2010-10-07 Ihi Corp モータ制御駆動装置及びモータ始動位置決め方法
JP2011024297A (ja) * 2009-07-14 2011-02-03 Fuji Electric Systems Co Ltd 永久磁石同期モータの制御装置
US10053012B2 (en) 2009-09-01 2018-08-21 Magna Electronics Inc. Imaging and display system for vehicle
CN103117692A (zh) * 2013-03-11 2013-05-22 华北电力大学(保定) 多种外部干扰下的带有机械弹性储能的永磁电动机组控制方法
CN103117692B (zh) * 2013-03-11 2015-05-20 华北电力大学(保定) 多种外部干扰下的带有机械弹性储能的永磁电动机组控制方法
CN103956944A (zh) * 2014-04-23 2014-07-30 上海理工大学 永磁同步电机带速启停控制系统及控制方法
CN107659225A (zh) * 2017-10-25 2018-02-02 中国科学院宁波材料技术与工程研究所 一种低成本高可靠性永磁同步电机的位置检测装置
CN113507254A (zh) * 2020-03-24 2021-10-15 株式会社安川电机 电机控制装置、电梯驱动系统和电机控制方法
CN113507254B (zh) * 2020-03-24 2024-04-30 株式会社安川电机 电机控制装置、电梯驱动系统和电机控制方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100349871B1 (ko) 회전위치검출기가 붙은 영구자석형 동기전동기의 기동방법 및 전동기 제어장치
EP1612925B1 (en) A brushless DC motor controller
US6160367A (en) Apparatus and method for driving motor
EP1774644B1 (en) Drive circuit for a synchronous electric motor
JPH114587A (ja) 永久磁石形同期電動機の起動方法および該方法を備えた永久磁石形同期電動機用制御装置
RU99104510A (ru) Способ запуска и управления, в частности, синхронных электродвигателей с постоянным магнитом и устройство для его осуществления
JP5428825B2 (ja) モータ駆動装置
JP5793648B2 (ja) モータ駆動装置
JP2010226827A (ja) モータ制御駆動装置及びモータ始動位置決め方法
JP2011030385A (ja) モータ駆動装置、及びモータに備えられたロータの相対位置の判別方法
JP4346355B2 (ja) 主軸制御装置
US5554916A (en) Method of starting a sensorless motor
JP3711749B2 (ja) 永久磁石式同期電動機及びその制御方法
JP3706556B2 (ja) 永久磁石モータの制御装置
KR20200129227A (ko) 영구자석 동기 전동기 다상 제어 시스템 및 그 제어방법
JP3114937B2 (ja) モータ制御装置
JPH04197099A (ja) ステップモータの駆動方式
JPH03239186A (ja) ブラシレスモータの駆動装置
JPS6188784A (ja) ブラシレスモ−タの制御装置
KR100372235B1 (ko) 브러시리스 모터의 로터위치감지장치 세팅방법
JPH0584000A (ja) 電動機駆動装置
JPH03235695A (ja) ブラシレスモータの起動方法及び起動装置
JP2005278360A (ja) ブラシレスモータのセンサレス制御方法、ブラシレスモータのセンサレス制御装置及び電動ポンプ
JP2005269719A (ja) ブラシレスモータのセンサレス制御方法、ブラシレスモータのセンサレス制御装置及び電動ポンプ
JP2001258218A (ja) 回転電機

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040527

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20060324

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20070104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070530

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20070726

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20071129

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20071226