JPH1143921A - 防舷材の受衝板取付構造 - Google Patents

防舷材の受衝板取付構造

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JPH1143921A
JPH1143921A JP9203069A JP20306997A JPH1143921A JP H1143921 A JPH1143921 A JP H1143921A JP 9203069 A JP9203069 A JP 9203069A JP 20306997 A JP20306997 A JP 20306997A JP H1143921 A JPH1143921 A JP H1143921A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防舷材本体の前面側にボルトによって受衝板
を取り付けてなる防舷材において、このボルト締め作業
を容易に行うことができるようにする。 【解決手段】 防舷材本体72の前面側に埋設された埋
込鉄板96に雌ネジ孔96aが設けられている。前面板
76及び後面板78を有した中空密閉構造の受衝板74
に貫通孔Hが設けられ、この孔Hと取付座板84の貫通
孔92を通してボルト94が雌ネジ孔96aに螺じ込ま
れる。孔Hの前面側はシールリング102付きの蓋状体
100によって閉鎖される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、岸壁等と船体等と
の直接接触を防ぐための防舷材に係り、特に防舷材本体
の前面側に対する受衝板の取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】防舷材は一般にゴム等の緩衝性材料より
なる防舷材本体と、該防舷材本体の前面部に設けられた
受衝板とを備えている。また、船体等と受衝板との摩擦
係数を低下させて防舷材本体に負荷される剪断応力を軽
減するために、該受衝板の前面側にポリエチレン、ナイ
ロン等の低摩擦係数材料よりなる板状のパッドを取り付
けることが多い。
【0003】このような防舷材の従来例について第9,
10図を参照して説明する。第9図は従来の一例に係る
防舷材の使用状態を示す斜視図、第10図(a)はパッ
ドの取付状態を示す断面図、第10図(b)は同(a)
のB−B矢視図である。
【0004】この防舷材10は、略円筒状の防舷材本体
12と、該防舷材本体12に取り付けられた受衝板14
と、該受衝板14の前面に取り付けられたパッド16と
からなる。防舷材本体12は、その円筒軸心線方向が水
平方向となるように岸壁18の側面に取り付けられてい
る。
【0005】この防舷材本体12は、後端と先端とにそ
れぞれフランジ12a,12bが設けられており、後端
側のフランジ12aがアンカーボルト20及び該アンカ
ーボルト20に締め込まれたナット22とによって岸壁
18に固定されている。
【0006】受衝板14に設けられたフック部12cと
岸壁18に設けられたUアンカー24とがシェアーチェ
ーン26、テンションチェーン28によって連結され、
防舷材本体12の変形が抑制されている。なお、前記受
衝板14とUアンカー24とがラバーフレックスチェー
ン30によって連結されている。
【0007】防舷材本体12の先端側のフランジ12b
に対し受衝板14がボルト及びナット(図示略)によっ
て取り付けられている。
【0008】この受衝板14の前面に取り付けられたパ
ッド16は、ポリエチレンなど低摩擦材にて構成されて
いる。船体が当接してきたときに該船体外面が該パッド
16の外面に沿って滑動し、防舷材本体12が過大に剪
断変形することが防止される。
【0009】第10図の通り、このパッド16には座ぐ
り状の凹部32が設けられ、この凹部32の中心を通る
ようにしてボルト挿通孔34がパッド16の厚み方向に
貫設されている。パッド16の前面側からボルト38が
該ボルト挿通孔34及び受衝板14のボルト挿通孔36
に挿通され、該ボルト36とナット40とを螺合させる
ことによりパッド16が受衝板14に固定される。な
お、ボルト38の頭部と凹部32の底面部32aとの間
に座金42が介在される。
【0010】第9,10図の受衝板14は1枚の板から
なるものであるが、このような単板構造のものよりも強
度の高い中空殻体構造よりなるものも用いられている。
【0011】第7図(a)はかかる中空殻体構造の受衝
板50の使用状態を示す側面図、同(b)は同(a)の
B部分の拡大図、第8図はこの受衝板50の要部斜視図
である。
【0012】この受衝板50は、前面板52と後面板5
4と、側周を囲む側板56と、受衝板50内部に配置さ
れ前面板52と後面板54との双方に溶接により連結さ
れた補強用ウェブ58とからなる。
【0013】後面板54にはボルト挿通用の開口60が
設けられ、受衝板50内側から該開口60と同軸的に袋
ナット62が該後面板54に溶接により固着されてい
る。
【0014】防舷材本体64の前面側のフランジ66を
通してボルト68が該袋ナット62に螺じ込まれること
により該受衝板60がフランジ66に固定されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】第7,8図の受衝板の
取付構造にあっては、受衝板の交換時等において袋ナッ
トに腐食やネジ山潰れが生じていたり、あるいは袋ナッ
トが脱落したときなどにはボルトによって受衝板を固定
することができなくなり、受衝板全体を新しいものと交
換せざるを得なくなるという解決すべき課題があった。
【0016】本発明は、中空殻体の受衝板を防舷材本体
に対して確実に繰り返し着脱することができる防舷材の
受衝板取付構造を提供することを目的とする。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明の防舷材の受衝板
取付構造は、防舷材本体の前面側に受衝板をボルトによ
って取り付けた防舷材であって、該受衝板は、前面板と
後面板との間が密閉空間となっている中空殻体である防
舷材において、該受衝板を厚み方向に貫通する孔が設け
られ、該孔に前記ボルトが通されていると共に、該孔を
囲む囲壁によって該孔の内側領域と受衝板内部の密閉空
間とが隔絶されていることを特徴とするものである。
【0018】かかる防舷材の受衝板取付構造において
は、受衝板に設けられた孔を通してボルトを受衝板前方
から着脱することができる。しかもこのボルトが螺じ込
まれる雌ネジ部分は受衝板内部以外の箇所に配置されて
おり、従来のように密閉空間内に配置された袋ナットに
ボルトを着脱することが不要である。
【0019】本発明の一態様では、ボルトの頭部が前記
受衝板の孔の内部に配置され、該孔の後面側は該ボルト
の頭部が係合した板状体によって閉鎖され、該孔の前面
側は蓋状体によって閉鎖されている。この場合、蓋状体
の外周にシールリングが装着され、該蓋状体の一部が該
受衝板に溶接されていることが好ましい。このように構
成することにより、ボルトが海水等と全く接触しないよ
うになり、ボルトの腐食が防止される。
【0020】本発明の別の態様では後面板から後方に離
隔した取付座板が該受衝板と一体に設けられており、該
取付座板には前記受衝板の孔の後方投影領域にボルト挿
通口が設けられ、該ボルト挿通口に挿通された前記ボル
トによって該受衝板が前記防舷材本体に取り付けられて
いる。
【0021】
【発明の実施の形態】第1図は本発明の実施の形態に係
る防舷材の使用状態を示す側面図であり、該防舷材の下
側半分を縦断面としている。第2図(a)は受衝板と防
舷材本体との連結部の拡大断面図、第2図(b),
(c)はそれぞれ第2図(a)のB−B線、C−C線に
沿う断面図である。第3図は受衝板の背面図、第4図は
第3図のIV−IV線に沿う断面図である。
【0022】この実施の形態においても、ゴムよりなる
防舷材本体72が岸壁18の側面にボルトによって取り
付けられている。この防舷材本体72の前面側に受衝板
74が取り付けられている。
【0023】この受衝板74は、前面板76と、該前面
板76と平行な後面板78と、受衝板74の側周を構成
している側板80と、前面板76と後面板78とを連結
している補強用のウェブ82とを備えている。
【0024】第2図に示されるように、前面板76には
第1の開口86が設けられ、後面板78には、該第1の
開口86と重なる位置に該第1の開口86と同一大きさ
の第2の開口88が設けられている。これらの開口8
6,88は円形開口であり、該開口86,88に筒状の
囲壁90が内嵌され、該囲壁90の全周に亘って該囲壁
90が前面板76及び後面板78に溶接されている。こ
の囲壁90の内部が、受衝板74を厚み方向に貫通する
孔Hとなっている。
【0025】受衝板74は、後面板78に溶接により固
着された取付座板84を備えており、この取付座板84
にボルト挿通用の貫通孔92が穿設されている。この貫
通孔92は孔Hと同軸状に設けられている。
【0026】前記防舷材本体72内には、その前面に沿
って埋込鉄板96が埋設され、この埋込鉄板96に雌ネ
ジ孔96aが設けられている。
【0027】貫通孔92がこの雌ネジ孔96aと同軸的
となるように受衝板74を防舷材本体72の前面に当接
させた後、孔H及び貫通孔92を通してボルト94を該
雌ネジ孔96aに螺じ込む。なお、孔Hが深いため、通
常のソケットレンチ等ではボルト94の頭部94aをし
っかりと回すことができない恐れがある。そこで、この
実施の形態にあっては、ボルト頭部94aに直径方向に
溝94bを穿設し、この溝94bに小片98を嵌合させ
ている。この小片98を適宜の治具で挟んでボルト94
を回すことができる。
【0028】なお、ボルト94を十分に締め込んだ後
は、小片98を囲壁90の内周面に溶接することによ
り、ボルト94の緩みを確実に防止することができる。
この溶接は、例えば、鏨などによって除去することがで
き、この溶接を除去することにより小片98を介してボ
ルト94を緩み側に回し、受衝板74を防舷材本体72
から取り外すことが可能である。
【0029】この孔Hを塞ぐように蓋状体100が囲壁
90内に内嵌され、この蓋状体100の一部が囲壁90
に対し溶接により固着されている。この場合にあって
も、この蓋状体100と囲壁90との溶接を鏨等により
切断することにより、蓋状体100を取り外すことが可
能である。なお、孔H内に水が浸入することを防止する
ために、蓋状体100の外周面に設けられたシールリン
グ102が囲壁90の内周面に密着している。
【0030】このように構成された防舷材70にあって
は、受衝板74の取り付けに際し、該受衝板74の前方
側からボルト94を回すことができ、この取り付け作業
を容易に行うことができる。そして、このボルト94を
締め込む雌ネジ孔96aが、防舷材本体72内に埋設さ
れた埋込鉄板96に穿設されているため、従来の如く中
空受衝板74内に設けられた袋ナットにボルトを螺じ込
むことが不要である。
【0031】なお、この実施の形態にあっては、孔H内
に水(例えば海水)が全く浸入しない。即ち、孔Hの前
面側はシールリング102付きの蓋状体100によって
密閉されている。また、孔Hの後面側は、取付座板84
がゴム製の防舷材本体72に密着しているため、この後
面側から水が孔H内に浸入することも全くない。従っ
て、このボルト94は海水等の水と接触することが全く
なく、ボルトの腐食を確実に防止することが可能であ
る。
【0032】第5図は本発明の別の実施の形態に係る防
舷材の要部の断面図であり、受衝板74Aと防舷材本体
72Aとの連結部分の断面を示している。
【0033】この防舷材本体72Aは、その前面側にフ
ランジ110が加硫接着等により一体的に固着されてお
り、このフランジ110にボルト挿通用の貫通孔112
が設けられている。
【0034】受衝板74Aは、上記実施の形態と同様
に、前面板76、後面板78、ウェブ82等を備えた中
空密閉体であり、前面板76に第1の開口86が設けら
れ、後面板78に第2の開口88Aが設けられている。
この第2の開口88Aは第1の開口86よりも小径であ
り、ナット118が該第2の開口88Aの縁部に当接し
ている。第1の開口86に内嵌された囲壁90は、該第
1の開口86の内周と後面板78の全面に溶接されてい
る。
【0035】ワッシャ114を介してボルト116をフ
ランジ110の後方側から貫通孔112及び第2の開口
88Aに挿通し、ナット118とボルト116とを強く
締め込む。なお、ナット118は予め後面板78に溶接
されていても良く、ボルト116とナット118とを締
め込んだ後に該ナット118を後面板78に溶接しても
良い。ボルト116は、このナット118に締め込んだ
後ワッシャ114に溶接される。このワッシャ114
は、フランジ110の側面に回り込む回り込み部114
aを有したL型断面形状のものであり、回り込み部11
4aがフランジ110の側面に係合することにより、ワ
ッシャ114がボルト116の周囲に回転することがな
い。そして、ボルト116をこのワッシャ114に溶接
することにより、ボルト116の緩みが確実に防止され
る。
【0036】第6図は本発明の異なる実施の形態を示す
ものであり、(a)図は使用状態の側面図(一部を縦断
面としている。)、(b)図は(a)図の受衝板74B
と防舷材本体72との連結部の拡大断面図である。
【0037】この実施の形態にあっては、防舷材本体7
2は前記第1図ないし第4図の実施の形態の防舷材本体
と同一構成のものであり、埋込鉄板96に雌ネジ孔96
aが穿設されている。
【0038】受衝板74Bは、後面板78から離隔して
取付座板120が設けられたものとなっている。この取
付座板120は、台座部材122を介して後面板78に
連結されている。前面板76及び後面板78にそれぞれ
第1の開口86と第2の開口88が設けられ、これらの
開口86,88に内嵌した囲壁90が溶接により固着さ
れている。この囲壁90の内側の孔Hと同軸的となるよ
うに取付座板120に貫通孔124が設けられている。
この貫通孔124を通してボルト126を埋込鉄板96
の雌ネジ孔96aに螺じ込むことにより、受衝板74B
が防舷材本体72に取り付けられる。なお、この取り付
けの後、ボルト126を溶接により取付座板120に固
着し、ボルト126の緩みを確実に防止することができ
る。なお、この溶接も鏨等によって除去することがで
き、ボルト126を緩めることが可能となっている。
【0039】孔Hは、ボルト126の頭部を通過させる
大きさのものとなっており、ボルト126を締め込むと
きには、受衝板74Bの前面側からボルト126を貫通
孔124に差し込むことができる。従って、取付座板1
20と受衝板74Bの後面板78との間隔をボルト長さ
よりも小さいものとすることができる。このように、取
付座板120と後面板78との間隔を小さくすることに
より、岸壁18の側面からパッド16の前面までの距離
を小さくすることが可能である。
【0040】
【発明の効果】以上の通り、本発明構造では、防舷材本
体と受衝板とを連結するためのボルトの螺じ込み相手先
が中空受衝板内部の袋ナットではなく、それ以外の箇所
に配置されたものとなっているため、袋ナットの腐食や
脱落等による取付不能事態の発生を確実に防止すること
ができる。本発明によると、ボルト締め作業を受衝板の
前面側から行うことも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態に係る防舷材の側面図である。
【図2】図1の防舷材の要部拡大構成図である。
【図3】受衝板の背面図である。
【図4】図3のIV−IV線に沿う断面図である。
【図5】別の実施の形態に係る防舷材の要部断面図であ
る。
【図6】さらに別の実施の形態に係る防舷材の構成図で
ある。
【図7】従来例に係る防舷材の構成図である。
【図8】従来例に係る防舷材の受衝板の要部断面図であ
る。
【図9】別の従来例に係る防舷材の斜視図である。
【図10】図9の防舷材の要部拡大図である。
【符号の説明】
10,70 防舷材 12,64,72,72A 防舷材本体 14,50,74,74A,74B 受衝板 16 パッド 52,76 前面板 54,78 後面板 62 袋ナット 84 取付座板 90 囲壁 100 蓋状体 102 シールリング 110 フランジ 120 取付座板

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 防舷材本体の前面側に受衝板をボルトに
    よって取り付けた構造であって、 該受衝板は、前面板と後面板との間が密閉空間となって
    いる中空殻体である防舷材の受衝板取付構造において、 該受衝板を厚み方向に貫通する孔が設けられ、該孔に前
    記ボルトが通されていると共に、 該孔を囲む囲壁によって該孔の内側領域と受衝板内部の
    密閉空間とが隔絶されていることを特徴とする防舷材の
    受衝板取付構造。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記ボルトの頭部が
    前記受衝板の孔の内部に配置され、 該孔の後面側は該ボルトの頭部が係合した板状体によっ
    て閉鎖され、 該孔の前面側は蓋状体によって閉鎖されていることを特
    徴とする防舷材の受衝板取付構造。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記蓋状体の外周に
    シールリングが装着され、該蓋状体の一部が該受衝板に
    溶接されていることを特徴とする防舷材の受衝板取付構
    造。
  4. 【請求項4】 請求項1において、前記後面板から後方
    に離隔した取付座板が該受衝板と一体に設けられてお
    り、 該取付座板には前記受衝板の孔の後方投影領域にボルト
    挿通口が設けられ、該ボルト挿通口に挿通された前記ボ
    ルトによって該受衝板が前記防舷材本体に取り付けられ
    ていることを特徴とする防舷材の受衝板取付構造。
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