JPH114044A - 化合物半導体エピタキシャルウエハおよびその製造方法 - Google Patents

化合物半導体エピタキシャルウエハおよびその製造方法

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JPH114044A
JPH114044A JP15375897A JP15375897A JPH114044A JP H114044 A JPH114044 A JP H114044A JP 15375897 A JP15375897 A JP 15375897A JP 15375897 A JP15375897 A JP 15375897A JP H114044 A JPH114044 A JP H114044A
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JP
Japan
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compound semiconductor
type
semiconductor layer
epitaxial wafer
carbon
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JP15375897A
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English (en)
Inventor
Kenji Shibata
憲治 柴田
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Hitachi Cable Ltd
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Hitachi Cable Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】レーザダイオードや発光ダイオードに適用した
場合に、しきい値電流密度を従来に比べ低下させ発振寿
命を向上させる。 【解決手段】従来と特徴的に異なることは、p型AlG
aAsクラッド層5Aを成長する際に、炭素を添加する
ための原料として臭化炭素CBr4 を使用していること
である。p型AlGaAsクラッド層5Aの不純物濃度
は、標準的なp型AlGaAsクラッド層での不純物濃
度である2×1018cm-3とした。レーザダイオードを製
造する際に必要になる数層エピタキシャル層をこのエピ
タキシャルウエハ上に成長させた後に、深さ方向組成分
布をSIMS分析によって調べた結果、p型ドーパント
である炭素の隣接層への混入はほとんど起こらなかっ
た。これによって、後のエピタキシャル成長の際に、熱
によるp型AlGaAsクラッド層5Aのドーパントの
拡散が起こりにくくなった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、化合物半導体エピ
タキシャルウエハおよびその製造方法に関し、たとえ
ば、AlGaAs系のレーザダイオード用や発光ダイオ
ード用エピタキシャルウエハおよびその製造方法に適用
し得る。
【0002】
【従来の技術】最近、CD(コンパクトディスク)、M
D(ミニディスク)、CD−ROMなどの需要が伸びて
おり、その再生時に利用される光ピックアップの一部を
構成するレーザダイオードが数多く製造されている。
【0003】図3は、活性層にアンドープの量子井戸構
造を有する発振波長780nmのAlGaAs系レーザダ
イオード用エピタキシャルウエハの断面構造図である。
この図3において、エピタキシャルウエハは、n型(S
iドープ)導電性GaAs基板1の上に、MOVPE
(metal organic vapor phas
e epitaxial growth:有機金属気相
エピタキシャル成長)法によってn型(Seドープ)G
aAsバッファ層2を形成している。このn型GaAs
バッファ層2の上にn型(Seドープ)AlGaAsク
ラッド層3を形成している。このn型AlGaAsクラ
ッド層3の上にアンドープのAlGaAs量子井戸活性
層4を形成している。このアンドープのAlGaAs量
子井戸活性層4の上にp型(亜鉛ドープ)AlGaAs
クラッド層5を形成している。このp型AlGaAsク
ラッド層5の上にp型(亜鉛ドープ)GaAsキャップ
層6を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述の図3に示した構
造のエピタキシャルウエハから製造したレーザダイオー
ドの中に、しきい値電流密度が高いものがあった。ま
た、レーザを連続発振させた際に、寿命が著しく短いも
のがあった。
【0005】これらの原因を調べるために、レーザダイ
オード用エピタキシャルウエハの深さ方向の組成分布を
SIMS(secondary ion mass s
pectroscopy:二次イオン質量分析)による
分析を行った。この結果を図4に示す。この図4から、
p型AlGaAsクラッド層5のドーパントである亜鉛
がアンドープAlGaAs量子井戸活性層4中に拡散し
ていることが分かった。この亜鉛のアンドープAlGa
As量子井戸活性層4への拡散がレーザのしきい値電流
密度を増加させていることが分かった。これは、レーザ
ダイオード用エピタキシャルウエハを成長させる際の7
00〜800℃という温度が、ドーパントである亜鉛の
拡散を引き起こしていることによる。さらに、このエピ
タキシャルウエハを用いてレーザダイオードを製造する
際に、さらに1度もしくは2度のエピタキシャル成長が
必要であり、この成長時の熱によってさらに亜鉛の拡散
が進む可能性が高かった。
【0006】このようなことから、レーザダイオードや
発光ダイオードに適用した場合において、しきい値電流
密度を従来に比べ低下させ、しかも発振寿命を向上させ
ることができる化合物半導体エピタキシャルウエハおよ
びその製造方法の実現が要請されている。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明は、第1
のn型化合物半導体層(たとえば、n型のAlGaA
s)と、第2のp型化合物半導体層(たとえば、p型の
AlGaAs)との間に、第3の化合物半導体層として
アンドープ化合物半導体(たとえば、AlGaAs)、
p型の化合物半導体(たとえば、GaAs)、上記第1
のn型化合物半導体層および上記第2のp型化合物半導
体層よりも禁制帯幅が小さい化合物半導体(たとえば、
AlGaAs)のうちのいずれかを挟んだ構造を有する
化合物半導体エピタキシャルウエハにおいて、以下のよ
うな特徴的な構成で上述の課題を解決する。
【0008】すなわち、第2のp型化合物半導体層(た
とえば、p型AlGaAs)のドーパントとして炭素が
使用されている。これによって、エピタキシャル層のp
型不純物が隣接するエピタキシャル層へ拡散することを
防止することができる。このため、しきい値電流密度を
従来に比べ小さくすることができ、たとえばレーザダイ
オードに適用した場合に連続発振による寿命を長くする
ことができる。
【0009】また、化合物半導体として、GaP系やG
aInP系のものに適用することもできる。
【0010】
【発明の実施の形態】次に本発明の好適な実施の形態を
図面を用いて説明する。
【0011】本実施の形態においては、p型半導体層の
ドーパントの熱による拡散を抑制し、隣接する半導体層
への悪影響を防止した化合物半導体エピタキシャルウエ
ハを構成する。そして、p型ドーパントの隣接層への侵
入をなくすことによって、レーザダイオードや発光ダイ
オードの素子特性を向上させる。また、MOVPE法に
よるエピタキシャルウエハを成長させる際に、簡単に熱
的に安定したp型エピタキシャル層を得られるように構
成する。
【0012】そこで、本実施の形態において具体的に
は、p型の半導体層であるAlGaAsを有する化合物
半導体エピタキシャルウエハにおいて、p型のドーピン
グを炭素の添加によって行う。このような方法が適用で
きるエピタキシャルウエハとしては、基板にGaAs上
に成長させたレーザダイオードや発光ダイオード用エピ
タキシャルウエハなどがある。p型不純物である炭素を
ドーピングするための原料としては、CBr4 が使用で
きる。その他、特に添加のために原料を用いず、有機金
属原料であるTMG(トリメチルガリウム)やTMA
(トリメチルアルミニウム)の熱分解によって発生する
炭素を利用する方法もある。また、炭素によるドーピン
グだけでは目標の不純物濃度に対して不十分である際
は、併せて亜鉛などを添加するように構成する。
【0013】図1は、本実施の形態のMOVPE法によ
って製造したレーザダイオード用エピタキシャルウエハ
の断面図である。従来と特徴的に異なることは、p型A
lGaAsクラッド層5Aを成長する際に、炭素を添加
するための原料として臭化炭素CBr4を使用している
ことである。
【0014】p型AlGaAsクラッド層5Aの不純物
濃度は、標準的なp型AlGaAsクラッド層での不純
物濃度である2×1018cm-3とした。レーザダイオード
を製造する際に必要になる数層のエピタキシャル層をこ
のエピタキシャルウエハ上に成長させた後に、深さ方向
組成分布をSIMS分析によって調べた結果、p型ドー
パントである炭素の隣接層への混入はほとんど起こらな
かった。これによって、後のエピタキシャル成長の際
に、熱によるp型AlGaAsクラッド層5Aのドーパ
ントの拡散が起こりにくくなった。
【0015】次に、上述の方法によって得たエピタキシ
ャルウエハを加工して、ストライプ構造の電極を有する
簡易レーザダイオードを製造した。
【0016】図2は、本実施の形態におけるストライプ
構造の電極を有する簡易レーザダイオードの構造図であ
る。この図2において、n型電極10は、300μm×
300μmの大きさである。p型電極30は、50μm
×300μmの大きさである。活性層20の幅は、70
μmである。
【0017】この素子の注入電流に対する光出力特性を
調べた結果、しきい値電流密度は、0.5KA/cm2
なった。p型AlGaAsクラッド層のドーピングを亜
鉛で行っている標準的なレーザダイオードのしきい値電
流密度が0.7KA/cm2 であることに対して、小さい
値を得ることができた。また、本レーザダイオードを、
55℃の温度で加速劣化試験を行ったところ、標準的な
レーザダイオードに比べて寿命が長くなる傾向を得るこ
とができた。
【0018】(本発明の実施の形態の効果): 以上の
本発明の実施の形態によれば、p型AlGaAsクラッ
ド層5Aにドーパントとして炭素を添加したことで、エ
ピタキシャル層のp型不純物が熱によって隣接するエピ
タキシャル層へ拡散することを防止することができる。
このようなエピタキシャルウエハを使用してレーザダイ
オードを製造することで、連続発振の寿命を伸ばし素子
の特性を向上させることができる。また、上述のエピタ
キシャルウエハを発光ダイオードに適用しても素子の特
性を向上させることができる。また、炭素などをドーパ
ントとして使用するための方法も簡単な工程であるた
め、製造方法も簡単である。
【0019】他の実施態様として、p型AlGaAsク
ラッド層5Aのドーピングを炭素と亜鉛とを混合して行
うことで、エピタキシャル層の高濃度のp型ドーピング
が可能になる。また、炭素と亜鉛のそれぞれの濃度をそ
れほど高濃度にしないようにすることで、隣接エピタキ
シャル層への拡散を起こりにくくさせることができる。
【0020】さらに、MOVPEによってドーピングを
行う際に、2つの不純物原料ガス(CBr4とDMZ
(ジメチル亜鉛)と)を同時に供給することで、高濃度
で隣接層へのドーパントの拡散が起こりにくいp型エピ
タキシャル層を成長させることができる。また、p型A
lGaAsクラッド層5Aを成長する際に、炭素のドー
ピングを有機金属材料(TMGやTMA)の熱分解時に
生じる残留炭素を利用して行うことで、不純物原料ガス
の供給を行うことなく、エピタキシャル層への炭素ドー
ピングを行うこともできる。
【0021】上述の実施の形態においては、化合物半導
体として、AlGaAs系のもを使用して説明したが、
他に、GaP系やGaInP系のものを使用して本発明
を適用することもできる。
【0022】
【発明の効果】以上述べたように本発明は、第1のn型
化合物半導体層と、第2のp型化合物半導体層との間
に、第3の化合物半導体層としてアンドープ化合物半導
体、p型化合物半導体、第1のn型化合物半導体層およ
び第2のp型化合物半導体層よりも禁制帯幅が小さい化
合物半導体のうちのいずれかを挟んだ構造の化合物半導
体エピタキシャルウエハにおいて、第2のp型化合物半
導体層のドーパントとして炭素が使用されていること
で、ドーパントの熱による拡散を抑制でき、隣接するエ
ピタキシャル層への悪影響を防止できるので、しきい値
電流密度を従来に比べ低下させ、しかも発振寿命を向上
させることができる。さらに、製造方法も簡単である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のAlGaAs系レーザダ
イオード用エピタキシャルウエハの構造断面図である。
【図2】本実施の形態のストライプ構造の電極を有する
簡易レーザダイオードの構造図である。
【図3】従来例の活性層にアンドープの量子井戸構造を
有する発振波長780nmのAlGaAs系レーザダイオ
ード用エピタキシャルウエハの断面構造図である。
【図4】従来の構造のレーザダイオード用エピタキシャ
ルウエハの深さ方向の組成分布をSIMS分布によって
調べた結果の特性図である。
【符号の説明】
1 n型(Siドープ)導電性GaAs基板 2 n型(Seドープ)GaAsバッファ層 3 n型(Seドープ)AlGaAsクラッド層 4 アンドープAlGaAs量子井戸活性層 5A p型AlGaAsクラッド層 6 p型(亜鉛ドープ)GaAsキャップ層

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】第1のn型化合物半導体層と、第2のp型
    化合物半導体層との間に、第3の化合物半導体層として
    アンドープ化合物半導体、p型化合物半導体、上記第1
    のn型化合物半導体層および上記第2のp型化合物半導
    体層よりも禁制帯幅が小さい化合物半導体のうちのいず
    れかを挟んだ構造を有する化合物半導体エピタキシャル
    ウエハにおいて、上記第2のp型化合物半導体層のドー
    パントとして炭素が使用されていることを特徴とする化
    合物半導体エピタキシャルウエハ。
  2. 【請求項2】上記第2のp型化合物半導体層のドーパン
    トとして、さらに亜鉛も使用されていることを特徴とす
    る請求項1記載の化合物半導体エピタキシャルウエハ。
  3. 【請求項3】第1のn型化合物半導体層と、第2のp型
    化合物半導体層との間に、第3の化合物半導体層として
    アンドープ化合物半導体、p型化合物半導体、上記第1
    のn型化合物半導体層および上記第2のp型化合物半導
    体層よりも禁制帯幅が小さい化合物半導体のうちのいず
    れかを挟むように製造する化合物半導体エピタキシャル
    ウエハの製造方法において、上記第2のp型化合物半導
    体層の有機金属気相エピタキシャル成長の際に、炭素ま
    たは、炭素と亜鉛をドーピングすることを特徴とする化
    合物半導体エピタキシャルウエハの製造方法。
  4. 【請求項4】上記炭素または、炭素と亜鉛をドーピング
    するために、臭化炭素とジメチル亜鉛とを同時に供給す
    ることを特徴とする請求項3記載の化合物半導体エピタ
    キシャルウエハの製造方法。
  5. 【請求項5】上記第2のp型化合物半導体層に対して炭
    素のドーピングを行うために、有機金属材料が熱分解時
    に発生する残留炭素を使用することを特徴とする請求項
    3記載の化合物半導体エピタキシャルウエハの製造方
    法。
  6. 【請求項6】上記有機金属材料が、トリメチルガリウム
    またはトリメチルアルミニウムであることを特徴とする
    請求項5記載の化合物半導体エピタキシャルウエハの製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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