JPH1140046A - 陰極部材の製造方法およびこの陰極部材を用いた電子管 - Google Patents

陰極部材の製造方法およびこの陰極部材を用いた電子管

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JPH1140046A
JPH1140046A JP19661897A JP19661897A JPH1140046A JP H1140046 A JPH1140046 A JP H1140046A JP 19661897 A JP19661897 A JP 19661897A JP 19661897 A JP19661897 A JP 19661897A JP H1140046 A JPH1140046 A JP H1140046A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 CRTなどに使用される従来の陰極部材は熱
活性化に長時間を要し、また、熱活性化にともなう変
形、蒸発の問題があり、また、実使用時に最大陰極電流
(MIk)が低下する。 【解決手段】 ニッケル粉末と希土類金属酸化物粉末を
均一に混合し(1) 、前記混合物を水素雰囲気中または不
活性雰囲気中または真空中にて加熱処理し(2)、前記加
熱処理完了粉末と電子放射剤粉末を均一に混合し(5) 、
前記混合物を熱間等方加圧処理(8) により焼結一体化す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は陰極部材、特にCR
T(陰極線管)等に用いられる陰極部材の製造方法に関
する。また、前記陰極部材を搭載した電子管に関する。
【0002】
【従来の技術】熱間等方加圧処理を用いた従来の陰極部
材は例えば特開平8−50849号公報に開示されてい
るように、まず、マグネシウムおよびシリコンを含むニ
ッケル合金粉末と、炭酸バリウム粉末と、炭酸ストロン
チウム粉末と、炭酸カルシウム粉末とをボールミルを用
いてよく混合する。次に、前記混合物をゴム型に詰めて
密封し冷間等方加圧により成形品をつくる。次に、前記
成型品をガラスカプセルに真空封入し熱間等方加圧処理
して焼結一体化する。次に、前記焼結一体化品をカプセ
ルから取出し、切断,研摩などの機械加工により所定の
形状の陰極ペレットを得る。次に、前記陰極ペレットを
陰極キャップ、陰極スリーブに挿入し溶接固定する。以
上により陰極部材が完成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】発明が解決しようとす
る課題を明確にするため、前記従来の陰極部材をCRT
に実装して評価する工程の概略を再度特開平8−508
49号公報を参照して説明する。
【0004】まず、前記陰極部材とヒーターを電子銃に
組込む。次に前記電子銃をCRTガラスバルブに組み込
み(封入)、前記CRTの排気中にヒ−ターを点灯して
陰極ペレットを加熱し、前記ペレット中に含まれるバリ
ウム・ストロンチウム・カルシウム三元共沈炭酸塩を分
解してバリウム・ストロンチウム・カルシウム三元酸化
物に変換する。封止後再度ヒータを点灯し陰極ペレット
を加熱し陰極の電子放射能力を上げる。
【0005】ここで、電子放射能力を上げるのに単に加
熱だけによる方法を熱活性化といい、加熱しながら陰極
にマイナス電位、陽極にプラス電位を印加して電子放射
をさせながら行う方法を電流活性化という。前記従来の
工程においては熱活性化をまず行い次に電流活性化を行
う。これらの活性化により十分な電子放射能力が得られ
実用的な陰極が完成する。しかし従来の陰極部材には下
記の問題点があった。
【0006】1.熱活性化に高温、長時間を要した。こ
のため以下の問題点を生じていた。 陰極キャップ、陰極スリーブはニクロム合金製で耐熱
温度が低いため、熱活性化中に陰極キャップ、陰極スリ
ーブが熱変形する恐れがあった。 熱活性化中に高温のため陰極ペレット中に含まれるバ
リウムが多量蒸発し、そのため陰極寿命が短くなる恐れ
があった。 また蒸発したバリウムが多量にグリッドに付着してグ
リッドからも電子放射が発生し、CRT画面に不要な発
光部をもたらす恐れがあった。
【0007】2.電流活性化による電子放射増加効果が
不十分であった。通常電流活性化は熱活性化に比べはる
かに低温で電子放射増加効果が得られる。このため極力
熱活性化時間を短縮し電流活性化を主として前記の加熱
による変形、蒸発の問題点をさける。ところが前記従来
の陰極部材は電流活性化の効果がほとんどないため、熱
活性化時間を短縮することができなかった。このため熱
活性化時間が長くならざるを得ず前記1.に記した変
形、蒸発の問題点が避けられなかった。
【0008】3.実使用時における最大陰極電流(MI
k)の低下防止が不十分であった。前記従来の陰極部材
は酸化物陰極に比較すれば実使用時における最大陰極電
流(MIk)の低下がはるかに少なく長寿命であるが、
まだ陰極ペレット内にバリウムが残っている段階でも少
しずつ最大陰極電流(MIk)が低下する傾向にあっ
た。理想的な陰極はバリウムが残存している間は最大陰
極電流(MIk)が低下しない陰極である。前記従来の
陰極部材はまだ前記理想状態に達していなかった。
【0009】本発明は以上の点を考慮してなされたもの
で、その目的は、電流活性化による電子放射増加効果が
大きく、そのため熱活性化が短時間で済み、したがって
熱活性化にともなう変形、蒸発の問題がなく、また、実
使用時にバリウムが残存している間は最大陰極電流(M
Ik)の低下がない陰極部材と、この陰極部材を用いた
電子管を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
本発明の陰極部材の製造方法は、ニッケル粉末と希土類
金属酸化物粉末を均一に混合する工程と、この混合物を
水素雰囲気中または不活性雰囲気中または真空中で加熱
処理する工程と、前記加熱処理完了粉末と電子放射剤粉
末を均一に混合する工程と、この混合物を熱間等方加圧
処理により焼結一体化する工程とを具備することを特徴
とする。
【0011】この手段により、ニッケル粉末と希土類金
属酸化物粉末が前記加熱処理中に反応してニッケル・希
土類金属間化合物が生成され、これが電子放射剤である
酸化バリウムを分解してバリウム原子の生成を促進す
る。これにより初期には電流活性化による電子放射増加
効果が大きく、そのため熱活性化が短時間で済み、した
がって熱活性化にともなう変形、蒸発の問題がなく、ま
た、実使用時にバリウムが残存している間は最大陰極電
流(MIk)の低下がない陰極部材を提供できる。
【0012】また、前記加熱処理完了品を粉砕すること
を特徴とする。この手段により、加熱処理で粗粒化した
粒子が微粉化され、これによって陰極ペレットの表面に
粗大な粒子が現れることが防止され、最大陰極電流(M
Ik)のばらつきの少ない陰極部材を提供できる。
【0013】また、粉砕された加熱処理完了粉末の粒径
をふるい分けすることを特徴とする。この手段により加
熱処理完了粉末の粒度分布がそろうので、電子放射剤粉
末との混合がより均一になり、最大陰極電流(MIk)
のばらつきのより少ない陰極部材を提供できる。
【0014】また、粒径を20μm以下にふるい分けす
ることにより、粒径20μmを越える粗粒を除去でき、
これにより粒径を電子銃のグリッド1の孔径(300な
いし400μm)の5%以下に抑制できるので、前記孔
径内での電子放射分布の一様性を確保できる。
【0015】また、ニッケル粉末が純度99.9%以
上、平均粒径1ないし10μmであり、電子放射剤粉末
がバリウム、ストロンチウム、カルシウムの共沈炭酸塩
粉末であり、希土類金属酸化物粉末が純度99.9%以
上、平均粒径1ないし10μmの酸化スカンジウム粉末
であることを特徴とする。この手段により、純度と電子
放射剤の限定によって電子放射特性が向上し、さらに粒
径の限定によって電子放射面の電子の出ない領域が小さ
くなり、CRTに搭載した場合、フォーカス特性が向上
して解像度が上がる。
【0016】また、加熱処理の際のニッケル粉末と酸化
スカンジウム粉末の重量比がニッケル粉末100に対し
酸化スカンジウム粉末が1.7ないし7であり、熱間等
方加圧処理の際の加熱処理完了粉末と電子放射剤粉末の
重量比が加熱処理完了粉末100に対し電子放射剤粉末
が36ないし144であることを特徴とする。ニッケル
粉末と酸化スカンジウム粉末の重量比を限定したことに
より、ニッケル・スカンジウム金属間化合物の生成量が
適量となって電子放射剤の分解が促進され、電流活性化
による電子放射増加効果が向上すると共に、実使用時に
おける最大陰極電流(MIk)の低下を防止できる。さ
らに、加熱処理完了粉末と電子放射剤粉末の重量比を限
定したことにより、電子放射密度が大きくなると共に、
ニッケル量が適量となってニッケル中を流れる電流によ
るジュール熱が適正となり陰極温度の加熱が防止され、
寿命が伸びる効果がある。また、機械的強度も向上す
る。
【0017】また、加熱処理の温度が900℃ないし1
200℃であることを特徴とする、。この手段により、
ニッケルの溶融が防止されると共に、ニッケルと希土類
金属の金属間化合物が十分に生成する。
【0018】また、熱間等方加圧処理の温度が900℃
ないし1200℃であり、圧力が500kg/cm2
上であることを特徴とする。この手段により、ニッケ
ル、電子放射剤が溶融して電子放射特性が低下すること
がなく、かつ、十分な焼結ができる。
【0019】また、前記の各種方法で製造された陰極部
材を電子管に搭載することによって、熱活性化が短時間
で済み、熱活性化にともなう変形、蒸発の問題がなく、
実使用時に最大陰極電流の低下がない電子管を提供でき
る。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を詳述する。図1は本発明の陰極部材を製造す
る工程図である。以下図1に沿って本発明の陰極部材の
材料仕様および製造仕様を説明する。
【0021】1.粉末混合(1) 純度99.9%以上、平均粒径3μmのニッケル粉末1
00gと、純度99.9%以上、平均粒径5μmの酸化
スカンジウム粉末3.5gをシェイカーミキサーにより
30分間混合した。前記ニッケル粉末、酸化スカンジウ
ム粉末の純度が99.9%より悪い場合、不純物の種類
によっては電子放射特性の低下をもたらすため、純度は
99.9%以上が必要である。このさい次工程の過熱処
理で十分なニツケル・スカンジウム金属間化合物が生成
されるためには前記ニッケル粉末と酸化スカンジウム粉
末が均一に混合される必要がある。
【0022】ニッケル粉末と酸化スカンジウム粉末の粒
径はそれぞれ1〜10μmが好適する。粒径が1μmよ
り小さくなると、各粒子の表面が酸化されやすくなるこ
とと、各粒子が二次粒子を形成して粗粒化する傾向が強
くなることから電子放射特性が低下するという不具合が
あり、粒径が10μmより大きくなると、CRTの電子
銃のグリッド1の孔径(300〜400μm)内におい
て局所的に電子が放射されない領域の大きさが無視でき
なくなり、CRTの蛍光面上のフォーカス特性が低下す
るという不具合がある。
【0023】前記ニッケル粉末と酸化スカンジウム粉末
の重量比については、ニッケル粉末の重量を100とし
た場合酸化スカンジウム粉末重量が1.7未満の場合は
ニッケル・スカンジウム金属間化合物の生成量が不足す
るため、電流活性化による電子放射増加効果および実使
用時の最大陰極電流(MIk)の低下防止効果が不十分
となる。逆に酸化スカンジウム粉末重量が7を越える
と、均一に混合されていても酸化スカンジウム粉末の一
部がニッケル粉末と非接触状態となるため、ニッケル・
スカンジウム金属間化合物の生成量は飽和する。したが
って7以下の場合を上回るような特性向上の効果はな
い。一方、酸化スカンジウム粉末が非常に高価なためコ
スト高になるデメリットが発生する。したがって、ニッ
ケル粉末と酸化スカンジウム粉末の重量比は1.7ない
し7が適切である。
【0024】2.加熱処理 前記混合済みの粉末を、温度1100℃の水素炉で15
分間加熱処理した。当加熱処理の目的は、ニッケル粉末
と酸化スカンジウム粉末を反応させてニッケル・スカン
ジウム金属間化合物を生成させることである。前記ニッ
ケル・スカンジウム金属間化合物を十分生成させるため
温度は最低900℃必要である。しかし、温度が120
0℃を越えると、ニッケルが一部溶融状態になって異常
反応が発生し電子放射特性が低下するため温度は900
℃ないし1200℃が適切である。
【0025】3.粉砕 前記加熱処理済み粉末はニッケル粉末の一部が焼結して
粗粒化しているため、めのう乳鉢により粉砕した。粉砕
方法はめのう乳鉢に限るものではなく、ボールミル、ス
タンプミルなども良いが不純物の混合のないことが重要
である。
【0026】4.ふるい分け 前記粉砕品は粗粒が完全には粉砕されていないため、開
口部20μmのメッシュによりふるい分けを実施し粒径
20μmを越える粗粒を除去した。粒径20μmを越え
る粗粒を除去した理由は、電子銃内グリッド1の孔径が
300ないし400μmであることを考え、当孔径内で
の電子放射分布の一様性を確保するためには粒子サイズ
が孔径の5%以下であることが必要と考えられるためで
ある。
【0027】5.粉末混合(2) 前記ふるい分け完了粉末100gと、バリウム・ストロ
ンチウム・カルシウム共沈三元炭素塩粉末からなる電子
放射剤粉末72gをシェイカーミキサーにより30分間
混合した。このとき前記ふるい分け完了粉末と前記電子
放射剤粉末が均一に混合されることが、陰極表面での一
様な電子放射分布を確保するため必要である。
【0028】6.成形 前記混合済み粉末を、円筒形ゴム型に密封し、圧力20
00kg/cm2 で円柱形に成形した。当成形圧力は、
後工程での取り扱いに十分な成形体の強度が得られれば
より低くても高くても電子放射特性に影響しない。
【0029】7.カプセル封入 前記成形済み品を円筒形軟鋼製カプセルに真空封入し
た。このときの真空度は1Paであった。また、前記成
形済み品と前記カプセルの接触と反応を防止するため両
者の間にボロンナイトライド粉末を詰めた。当カプセル
封入の目的は、次工程の熱間等方加圧処理で、前記成型
体の表面に一様な圧力を加えることである。したがっ
て、カプセルの材質は軟鋼に限らず、熱間等加圧処理の
温度で十分軟化するような金属またはガラスでもよい。
またカプセル内を真空にする理由は、熱間等方加圧処理
中にニッケル粉末の酸化を防ぐためである。このため真
空度が1Paより良いのは差し支えない。また、反応防
止剤としてボロンナイトライド以外にアルミナも可能で
ある。
【0030】8.熱間等方加圧処理 前記カプセル封入済み品を図2に示す温度・圧力プログ
ラムに従い熱間等方加圧処理した。図2に示す温度・圧
力プログラムは一例であり以下に述べる範囲で種々の条
件が選択できる。本プログラムにおいて770℃まで徐
々に昇温し、770℃で保持する理由はカプセルを徐々
に軟化させ加圧時にカプセルの割れ、不等変形などの発
生することを防止するためである。したがって、昇温勾
配についてはカプセルの軟化が問題なく実現される範囲
で自由に選択できる。
【0031】本プログラムにおいて焼結温度は最も温度
の高い領域すなわち1100℃である。焼結温度が90
0℃未満では十分な焼結ができないため後工程の研削・
研摩がほとんど不可能な上十分な電子放射特性も得られ
ない。一方、焼結温度が1200℃を越えるとニッケル
及びバリウム・ストロンチウム・カルシウム共沈三元炭
酸塩が一部溶融して電子放射特性が非常に低下する。こ
のため焼結温度は900℃ないし1200℃が適切であ
る。また、圧力が500kg/cm2 未満であると十分
な焼結ができないが、圧力の高いのは特に問題ないため
圧力の上限はない。したがって、圧力は500kg/c
2 以上が適切である。
【0032】9.切断 前記熱間等方加圧処理済み品(円柱形状)をカプセルか
ら取り出し円柱の軸に垂直に0.3mm厚さに切断し多
数の円板状ウェハを得た。
【0033】10.研削・研摩 前記ウェハを所要の厚さ(0.2mm)まで研削した
後、表面をダイヤモンドスラリーで鏡面研摩した。
【0034】11.打ち抜き 鏡面研摩完了の前記ウェハをパンチーダイセットにより
打ち抜き、所要の大きさの陰極ペレット(直径1.3m
m、厚さ0.2mmの円板形状)を得た。
【0035】12.組立 前記陰極ペレットを内径1.3mm深さ0.15mm板
厚50μmのニクロム合金(ニッケル80%、クロム2
0%)製キャップに挿入した。さらに前記キャップを内
径1.4mmのニクロム合金(ニッケル80%、クロム
20%)製スリーブに挿入した。次に、前記スリーブの
外周から抵抗溶接を行い、前記スリーブ、前記キャッ
プ、前記陰極ペレットを一体化溶接しカソード構体を得
た。
【0036】13.CRT実装 まず、前記陰極部材とヒーターを電子銃に組み込んだ。
次に、前記電子銃を通常の方法でCRTガラスバルブに
組み込み排気封止した。排気中に前記陰極ヒーターに通
電して前記陰極ペレットを加熱し,中に含まれたバリウ
ム・ストロンチウム・カルシウム三元炭酸塩を分解しバ
リウム・ストロンチウム・カルシウム三元酸化物に変換
した。
【0037】14.活性化 まず、熱活性化を1100℃/10分行った。次に、電
流活性化を950℃/30分行った。以上の活性化工程
により陰極は十分に活性化され必要十分な最大陰極電流
(MIk)が得られた。本実施例は従来品と異なり電流
活性化による電子放射増加効果が大きいため、熱活性化
では最大陰極電流(MIk)が最終的に必要な値の20
%程度得られれば良く、残り80%は電流活性化により
得られる。(従来品は熱活性化でほぼ100%得られる
必要があった。)
【0038】このように電流活性化による電子放射増加
効果が大きい理由は熱間等方加圧処理に先立ちあらかじ
めニッケル粉末と酸化スカンジウム粉末が均一に混合さ
れ、前記混合物が水素雰囲気中にて加熱処理が行われた
ため、ニッケル粉末と酸化スカンジウム粉末が前記加熱
処理中に反応して、ニッケル・スカンジウム金属間化合
物が生成され、これが酸化バリウムを分解してバリウム
原子生成を促進する効果を有するためである。
【0039】本実施例では熱活性化が短時間であったた
め、陰極キャップ、スリーブの変形は見られなかった。
また、熱活性化中のバリウムの蒸発が僅かなためグリッ
ドからの不要電子放射は見られなかった。なお、上記の
活性化条件は一例であり、活性化の温度・時間の組み合
わせは多数可能である。
【0040】次に、寿命試験における本実施例の陰極部
材の最大陰極電流(MIk)の変化を説明する。CRT
の実使用時の陰極電流密度は0.2ないし0.5A/c
2で加速寿命試験した。前記加速寿命試験は直流で連
続的に実施し、最大陰極電流(MIk)を試験開始前、
500時間後、1000時間後、1500時間後、20
00時間後、2500時間後、3000時間後に測定し
て変化を見た。前記加速寿命試験の結果、従来品はまだ
陰極ペレット内にバリウムが残っているにもかかわら
ず、徐々に最大陰極電流(MIk)が減少し3000時
間後には試験開始前の85ないし90%に低下した。一
方、本実施例は3000時間後も全く最大陰極電流(M
Ik)が減少しなかった。この試験により本実施例の陰
極部材はバリウムが残存している間は最大陰極電流(M
Ik)が減少しないことが確認された。
【0041】前記の実施の形態ではニッケル粉末に酸化
スカンジウム粉末を混合した例について説明したが、酸
化スカンジウムにかえて酸化イットリウムなど他の希土
類金属酸化物を使用することもできる。また、加熱処理
の雰囲気は、水素中のほか窒素、アルゴンなどの不活性
気体中でもよいし、真空中でもよい。ただし、ニッケル
の微小酸化を防止するためには水素中が最も適してい
る。
【0042】本発明の方法で製造された陰極部材は、C
RT(陰極線管)、進行波管などの電子管に使用できる
が、特にCRTに好適する。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば初期
には電流活性化による電子放射増加効果が大きく、その
ため熱活性化が短時間で済み、したがって、熱活性化に
ともなう変形、蒸発の問題がなく、実使用時にバリウム
が残存している間は最大陰極電流(MIk)の低下がな
い陰極部材が実現される。
【0044】また、上記陰極部材を搭載することにより
熱活性化が短時間で済み、グリッドからの不要電子放射
がなく、熱活性化にともなう変形、蒸発の問題がなく、
実使用時に最大陰極電流(MIk)の低下がない電子管
特にCRTが実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の陰極部材を製造する工程図
【図2】 本発明の陰極部材を製造する熱間等方加圧処
理の温度・圧力プログラム
【符号の説明】
1 ニッケル粉末と酸化スカンジウム粉末を混合する工
程 2 混合物を水素雰囲気中で加熱処理する工程 3 加熱済品を粉砕して微粉化する工程 4 粉砕品をふるい分けて粒径をそろえる工程 5 ふるい分け完了粉末と電子放射剤粉末を混合する工
程 8 熱間等方加圧処理工程
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 畑 昇一 滋賀県大津市晴嵐2丁目9番1号 関西日 本電気株式会社内

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ニッケル粉末と希土類金属酸化物粉末を均
    一に混合する工程と、この混合物を水素雰囲気中または
    不活性雰囲気中または真空中で加熱処理する工程と、前
    記加熱処理完了粉末と電子放射剤粉末を均一に混合する
    工程と、この混合物を熱間等方加圧処理により焼結一体
    化する工程とを具備する陰極部材の製造方法。
  2. 【請求項2】加熱処理完了粉末を粉砕して後電子放射剤
    粉末と均一に混合する工程を具備することを特徴とする
    請求項1に記載の陰極部材の製造方法。
  3. 【請求項3】粉砕された加熱処理完了粉末の粒径をふる
    い分けし、電子放射剤粉末と均一に混合する工程を具備
    することを特徴とする請求項2に記載の陰極部材の製造
    方法。
  4. 【請求項4】ふるい分けにより粉砕粉末の粒径を20μ
    m以下に選択することを特徴とする請求項3に記載の陰
    極部材の製造方法。
  5. 【請求項5】ニッケル粉末が純度99.9%以上、平均
    粒径1ないし10μmであり、電子放射剤粉末がバリウ
    ム、ストロンチウム、カルシウムの共沈炭酸塩粉末であ
    り、希土類金属酸化物粉末が純度99.9%以上、平均
    粒径1ないし10μmの酸化スカンジウム粉末であるこ
    とを特徴とする請求項1に記載の陰極部材。
  6. 【請求項6】加熱処理の際のニッケル粉末と酸化スカン
    ジウム粉末の重量比がニッケル粉末を100とした場合
    酸化スカンジウム粉末が1.7ないし7であり、熱間等
    方加圧処理の際の加熱処理完了粉末と電子放射剤粉末の
    重量比が加熱処理完了粉末を100とした場合電子放射
    剤粉末が36ないし144であることを特徴とす請求項
    5に記載の陰極部材の製造方法。
  7. 【請求項7】加熱処理の温度が900℃ないし1200
    ℃であることを特徴とする請求項1に記載の陰極部材の
    製造方法。
  8. 【請求項8】熱間等方加圧処理の温度が900℃ないし
    1200℃であり、圧力が500kg/cm2 以上であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の陰極部材の製造方
    法。
  9. 【請求項9】請求項1から請求項8までのいずれかの方
    法で製造された陰極部材を搭載した電子管。
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