JPH1138811A - 定着装置 - Google Patents

定着装置

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JPH1138811A
JPH1138811A JP20552997A JP20552997A JPH1138811A JP H1138811 A JPH1138811 A JP H1138811A JP 20552997 A JP20552997 A JP 20552997A JP 20552997 A JP20552997 A JP 20552997A JP H1138811 A JPH1138811 A JP H1138811A
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heating
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ等
で使用される定着装置において、金属性の薄肉の加熱ロ
ールを用いる場合に生じる強度不足の問題を解決した定
着装置を提供する。 【解決手段】 トナー像を担持した記録媒体を加熱およ
び加圧してトナー像を記録媒体上に溶融および圧着する
定着装置は、前記記録媒体を加熱する加熱定着ロール
と、この加熱定着ロールを回転駆動する回転駆動手段
と、記録媒体に対して前記加熱定着ロールと反対側に配
置され、前記加熱定着ロールを押圧する加圧体を備え
る。前記加熱定着ロールは、薄肉の金属製円筒体と、こ
の金属製円筒体の外周面に設けられた耐熱性離型層を有
しており、金属製円筒体として、その厚さ方向全域に軟
窒化処理による窒素の拡散層が形成された円筒体を用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、金属製の薄肉円筒
体を定着プロセスの加熱ロールとして用いる定着装置に
関し、特に、電子写真複写機、プリンタ、ファクシミリ
等で使用される定着装置において、金属性の薄肉の加熱
ロールを用いる場合に生じる強度不足の問題を解決した
定着装置に関するものである。。
【0002】
【従来の技術】従来から、電子写真プロセスを利用した
複写機において、記録シート上に形成された未定着トナ
ー像は、定着して永久画像とする必要がある。その定着
方法としては、加熱によってトナーを溶融させ、記録シ
ート上に融着させる加熱定着法が広く採用されている。
【0003】このような加熱定着法による定着装置につ
いて説明する。図1は、加熱定着装置の構成を説明する
図である。図1において、11は加熱用のヒータ、12
は中空の金属性の円筒状芯金、13は耐熱性離型層、1
4は定着ローラ、15は円筒状芯金、16は耐熱弾性体
層、17は加圧ローラ、18は定着されるトナー像、1
9はシート(記録紙)である。
【0004】加熱定着装置は、図1に示すように、円筒
状芯金12の内部に加熱用のヒータ11を備え、その外
周面に耐熱性離型層13を形成した定着ローラ14と、
この定着ローラ14に対して圧接して配置される加圧ロ
ーラ17とで構成される。加圧ローラ17は、円筒状芯
金15の外周面に耐熱弾性体層16が形成されたもので
ある。
【0005】このような構成の定着装置による定着プロ
セスでは、定着ローラ14と加圧ローラ17の間に、未
定着トナー像18の形成されたシート(記録紙)19を
挿通させて定着を行う。この種の熱定着ローラ方式の定
着装置は、他の加熱定着法のフラッシュ定着方式やオー
ブン定着方式と較べて熱効率が高いため、低電力であ
り、高速性に優れ、しかも、紙詰まりによる火炎の危険
性も少ないことから、現在、最も広く利用されている。
【0006】また、熱定着ローラ方式の定着装置におい
ては、加熱ロールの表面温度を室温から所定の設定温度
まで上昇させるのに必要な時間(以下ウォームアップタ
イムと言う)を短くすることが望まれているが、通常
は、1〜10分という長い時間を必要する。これは、ロ
ール熱容量がある程度にしか削減できないためである。
ウォームアップタイムは、単純計算すると、ロールの熱
容量と投入電力関係で決定される。このため、ウォーム
アップタイムを短くするために、ロール熱容量を削減す
ることが試みられるが、ロール熱容量はロール剛性よ
り、削減の限界が存在する。
【0007】ところで、熱定着ローラ方式の定着装置に
おいて、加熱ロールと加圧ロールの接触領域(ニップ領
域)内の圧力は、所定の定着性能を確保するには、一般
的には、0.5〜5.0kg/cm2程度の圧力が必要
とされている。これ以下の圧力では、用紙やロール表面
の凹凸の存在によるすきまを埋めることができず、粉体
トナーに効率良く熱を伝達することができなくなるから
である。また、定着後のトナー表面がまだらになってし
まい、画質が低下してしまう。
【0008】この程度のニップ領域内の圧力を得るため
に、両ロール間に与える総荷重は、20〜200kgに
達する。このため、加熱ロールは、この荷重に耐えられ
る強度を有するように、作成する必要がある。また、加
熱ロールの剛性上の必要性から、ロールの小径化および
薄肉化には限界が存在していた。
【0009】これに対して、従来から薄肉のロールの許
容応力を増大させるための様々な技術が開発されてい
る。次に、これらのロールの許容応力を増大するための
技術を利用する場合について、これまでの許容応力を増
大させるための技術と、それらを定着装置に適用した場
合の問題点について考察する。
【0010】ロールの許容応力を増大するための第1の
方法として、金属製の薄肉ロールに対し、高周波焼き入
れや浸炭焼き入れなど変態を伴う熱処理を施す方法があ
る。この第1の方法によると、ロールの許容応力は増大
するが、ロールに対する処理が高温で行われ、材料の中
で変態を伴うために、ロールのそりや曲がりなどが発生
する。そのため、定着装置に適用する場合に、定着プロ
セスの圧接領域(ニップ領域)の形状が軸方向で不均一
となったり、ロールの熱処理後に耐熱性弾性体層を被覆
する際、耐熱弾性体の被覆量が不均一になるなどの問題
が発生し、加熱ロールとしては使用できない。
【0011】第2の方法として、例えば、特開昭56−
158359号公報に記載されているように、定着ロー
ラとして用いる鉄製ローラ材に対して、窒化処理を施す
方法がある。この方法によると、ローラ材に対する窒化
処理は、通常の場合、500℃〜600℃の低温下で行
われるため、ロールのそりや曲がりなどの形状劣化は生
じにくい。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】ところで、定着装置
は、定着ロールとする金属性加熱ロールの両端部が軸支
される構造であり、このような構造の金属性加熱ロール
では、両端部の軸支される場所において、作用応力が増
大する傾向にある。そのため、金属性加熱ロールは両端
部を補強するような構造とされる。例えば、図2に示す
ように、金属性加熱ロール芯金1の両端部に金属性のボ
ス部3を設け、金属性加熱ロール芯金1の表面には、オ
フセット防止層2を設ける構造とされる。これは、前述
した特開昭56−158359号公報にも記載されてい
るとおりである。
【0013】しかしながら、金属性加熱ロール芯金とし
て、薄肉の金属性ロールを用いる場合には、薄肉である
ために、加熱ロール芯金の両端部にボス部3を設けるこ
とは困難である。このため、このようなボス部3を設け
ることに替えて、例えば、図3に示すように、絞り加工
が施された加熱ロール芯金4が定着ロールとして用いら
れる。金属性ロールに対して絞り加工が施すことは、両
端部補強のためには有効であるが、絞り加工を施す場合
には、ある程度の肉厚が必要であり、金属性ロールが薄
肉である場合、変形や製造上の公差の問題より実施が困
難である。なお、図3において、4は絞り加工を施した
加熱ロール芯金、2はオフセット防止層を示している。
【0014】ところで、金属性ロールを定着ロールとし
て用いる場合に、窒化処理などの変態を伴わない表面熱
処理を行うと、通常は、表面部を硬化させることで疲労
強度を増大させることができるが、薄肉の金属性加熱ロ
ールでは、定着装置の定着プロセスで、内部にまで大き
な応力振幅が加わるため、表面硬化のみの表面熱処理で
は、それほど疲労強度が増大しない。
【0015】本発明は上記のような問題に鑑みてなされ
たものであり、本発明の目的は、製造コストアップを伴
わず、ウォームアップタイムを大幅に短縮することが可
能な薄肉加熱ロールを用いる定着装置を提供することに
ある。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記のような目的を達成
するため、本発明の定着装置は、第1の特徴として、両
端が軸支された加熱ロールと圧接する加圧体で形成され
る加圧領域に、未定着トナー像を担持した転写材を通過
させ加熱定着する定着装置において、前記加熱ロール芯
金に、その厚さ方向全域に軟窒化処理による窒素の拡散
層が形成されるように、窒化処理(軟窒化処理を含む)
を行うことを特徴とする。つまり、トナー像を担持した
記録媒体を加熱および加圧してトナー像を記録媒体上に
溶融および圧着する定着装置において、前記記録媒体を
加熱する加熱定着ロールと、この加熱定着ロールを回転
駆動する回転駆動手段と、前記記録媒体に対して前記加
熱定着ロールと反対側に配置され、前記加熱定着ロール
を押圧する加圧体を備え、前記加熱定着ロールが、薄肉
の金属製円筒体と、この金属製円筒体の外周面に設けら
れた耐熱性離型層を有し、前記金属製円筒体が、その厚
さ方向全域に軟窒化処理による窒素の拡散層が形成され
た円筒体であることを特徴とする。
【0017】また、第2の特徴として、本発明の定着装
置においては、薄肉金属性ロール芯金の全域において窒
素の拡散層を設ける。また、第3の特徴として、本発明
の定着装置は、薄肉金属性ロール芯金の肉厚が1mm以
下であることを特徴とする。すなわち、金属製円筒体の
肉厚が、0.1mmから1mmの範囲であることを特徴
とする。
【0018】本発明の定着装置は、更に、第4の特徴と
して、加圧体が加圧ロールであり、薄肉金属製ロールを
用いた加熱ロールと加圧ロールが圧接したときに、加熱
ロールと加圧ロールの撓み方向が同一方向になるように
する。このため、前記加圧ロールが、中空の円筒体と、
前記中空の円筒体の内部に挿通され、前記中空の円筒体
を前記加熱定着ロールに押圧する両端部よりも中央部の
径が拡大された押圧部材とを備えるような構成とする。
【0019】また、第5の特徴として、本発明の定着装
置は、加圧体がパッドのような固定加圧部材であり、固
定加圧部材の加熱ロールと圧接する部位には、軸方行に
凸形状部を設け、定着ローラと前記固定加圧部材が圧接
したときに、加熱ロールのたわみ方向と固定加圧部材の
凸形状の方向が同一方向になるようにする。
【0020】また、第6の特徴として、本発明による定
着装置が適用される転写装置は、加熱ロールと加圧体の
圧接部に有端もしくは無端ベルトが狭持されており、前
記ベルトが、像担持体上に形成されたトナー像が転写さ
れる中間転写体であることを特徴とする。
【0021】また、第7の特徴として、本発明の定着装
置もしくは転写定着装置において、前記加熱ロールの設
定温度を可変とすることで画像光沢度を変更することを
特徴とする。
【0022】前述したように、従来の厚肉の加熱ロール
は、図2または図3に示すように、端部を補強する構造
を実施することが可能であるが、薄肉の金属性加熱ロー
ルにおいては、ボス部を設けるなどして、端部を補強す
る構造を用いることが困難である。したがって、本発明
の定着装置においては、加熱ロール駆動型の加熱ロール
を用いるが、この場合、加熱ロール駆動型の加熱ロール
では、図4に示すように、例えば、金属製円筒体41の
端部に切り欠き部(キー溝)43を設けて、この切り欠
き部43に駆動用のギヤを連結する構造を用いる。切り
欠き部43は端部の支持部に近接しており、応力集中部
となるが、後述するように、窒化処理により、窒素の拡
散層を形成したロールコアを用い、十分な疲労強度を有
するようにする。なお、図4において、42は離型層で
ある。
【0023】窒化処理は、処理条件によっても異なる
が、基本的には鉄鋼の表面に鉄窒化物などからなる薄い
化合物層(数μm〜数10μm)と、その下に窒素によ
る固溶硬化あるいは析出硬化した拡散層(数100μm
〜数mm)を形成する処理である。化合物層の硬度はH
v500〜600程度であり、拡散層ではHv300程
度となる。
【0024】窒化処理の種類としては、ガス窒化、
塩浴窒化、ガス軟窒化、イオン窒化の方法がある。
ガス窒化では、処理温度が500℃〜560℃で処理
時間が50〜100時間であり、窒化層の厚さは1mm
程度に達する。ただし、処理時間が長くなるため、生産
効率は低くなる。また、適応する金属材料としても、窒
化鋼が要求されるため適用範囲が狭い。処理後の表面に
もろいFe2Nが発生するため、加熱ロールに耐熱性離型
材料や耐熱性弾性層を設ける場合には剥離の問題などが
発生する。
【0025】これに対して、塩浴窒化では、処理温度
が500〜600℃で、処理時間が0.5〜20時間で
あり、窒化層の厚さは0.3〜0.5mmである。
【0026】また、ガス軟窒化では、処理温度が55
0〜600℃で、処理時間が0.5〜20時間であり、
窒化層の厚さは0.3〜0.5mmである。
【0027】また、イオン窒化では、処理温度が35
0℃以下で、処理時間が2〜20時間であり、窒化層の
厚さは0.3〜0.5mmである。
【0028】したがって、これら〜の窒化方法を用
いると、処理時間が短く生産性が高い。また、処理材も
鉄鋼材料全般が可能であり、イオン窒化に至ってはア
ルミニウムなどの非鉄材料にも処理が可能である。この
ため、〜の窒化方法を用いることが好ましい。加熱
ロールの温度分布が、画質等に対して、特に、問題とな
るカラー定着装置の加熱ロールの芯金の処理としては、
非常に有効である。また、イオン窒化では、処理温度
が最も低く、薄肉金属ロールの処理方法としては、より
好ましい処理方法となっている。
【0029】薄肉の加熱ロールを定着装置に装着して使
用する場合、疲労による破壊の問題が発生する。薄肉加
熱ロールでは、その破壊の開始位置が端部の切り欠き部
などの応力集中部であることが多い。そして、窒化処理
を行った場合、通常、疲労破壊を防止することが考慮さ
れるのは、硬度の高い最外層の化合物層が亀裂発生を防
止するためであるが、薄肉加熱ロールの場合には、内部
においても大きな応力振幅を受けるため、硬度が増加し
た窒素拡散層の役割が重要であることが実験結果により
判明した。
【0030】したがって、本発明による定着装置では、
定着ロールとして用いる金属製円筒体に対して、その厚
さ方向全域に軟窒化処理による窒素の拡散層が形成され
るようにする。加熱ロールの端部の切り欠き部の応力集
中部に全域拡散層が及ぶことは当然必要であるが、更に
内部においても全域拡散層が及ぶことで、薄肉加熱ロー
ルの疲労強度が大幅に増大する。なお、ここでの窒素拡
散層とは、JSHS1001((社)日本熱処理技術協
会規格)で定められている実用硬化層深さ(プラクティ
カル、ND−P)と同一であり、母材の硬さよりHV5
0高い硬さまでの深さを言う。
【0031】逆に、内部まで拡散層がおよばない場合に
は、薄肉加熱ロールでは処理を施さない場合とほぼ同様
の疲労限度までしか達しないので好ましくない。
【0032】加熱ロールの芯金の窒化処理に用いる方法
としては、もろいFe2N層が最外層に析出しない塩浴
窒化、ガス軟窒化、イオン窒化が好ましく、これら
の窒化方法により全域窒素拡散層を形成するためには、
加熱ロールの芯金の肉厚は1mm以下であることが好ま
しい。また、金属ロールコアの製造上の観点から、ロー
ル真円度、ふれを満足するためには、0.1mm以上で
あることが望ましい。したがって、金属製円筒体の肉厚
が0.1mmから1mmの範囲であるとする。この場合
には、ウォームアップタイムは、5秒〜2分程度の短時
間にすることが可能となる。
【0033】また、鉄鋼材料を加熱ロールとして用いる
場合は、疲労限度を下げたり、ロール表面のオフセット
防止層やゴム層の剥離の原因となる「錆」が非常に問題
となるが、窒化処理を施すことで「錆」は防止できるこ
とがわかった。このことは、もろいFe2N層が最外層に
析出しない塩浴窒化、ガス軟窒化、イオン窒化の
窒化方法を用いることで、より効果が顕著となる。
【0034】また、切り欠き部などの応力集中部の加工
を窒化処理の前に行うと、機械加工を施した部分より錆
が発生することになる。そのため、機械加工部に防錆処
理を必要とし、高価なものとなるが、軟窒化処理の後に
切り欠きなどの応力集中部の加工を行うことで、軟窒化
処理の防錆効果は維持される。この場合、従来、必要と
された防錆処理を省略することが可能となり、製造コス
トの削減にもなる。
【0035】また、本発明による定着装置においては、
薄肉の金属製ロールを加熱ロール芯金に用いる場合、窒
化処理により材料許容応力を増大させるが、加熱ロール
芯金自身の弾性係数に変化がないため、薄肉の金属製ロ
ールを加熱ロールとして定着装置に装着し、荷重を印加
すると加熱ロールには軸方向のたわみ変形が生じる可能
性がある。このたわみ量が大幅に増加すると、加熱ロー
ルと加圧ロールの接触領域(ニップ領域)が不均一とな
り、未定着用紙を通紙すると用紙に紙しわが発生した
り、用紙中央部での定着強度が弱くオフセットが発生
し、次のコピー用紙を汚したり、また、画像が欠落した
りしてしまうという問題が発生する。これに対して、本
発明の定着装置においては、加熱ロールの軸方向のたわ
みを補正する機構を付加する構成とすることで、このよ
うな問題は解決される。
【0036】例えば、定着装置の加圧ロールとして、中
空の円筒体と、前記中空の円筒体の内部に挿通され、前
記中空の円筒体を前記加熱定着ロールに押圧する両端部
よりも中央部の径が拡大された押圧部材とを有するもの
を用いる(図7)。また、定着装置の加圧体として、非
回転の固定加圧体であって、前記固定加圧体の前記定着
ロールを押圧する部分が前記加熱定着ロールの軸方向に
凸状であるものを用いる(図9)。
【0037】また、特にカラー定着機やカラー転写定着
装置では、本発明の定着装置のような薄肉の金属ロール
を用いた場合、非常に小さい熱容量の加熱ロールを実現
することができ、ロール表面の温度を比較的短時間で変
化させることができる。そのため、画像光沢度(75度
の入射光に対して75度の反射光の割合を言う。この画
面光沢度を以下「グロス」と言う)を容易にコントロー
ルができる。
【0038】このように定着装置を構成することによ
り、金属性の薄肉の加熱ロールを用いる定着装置におい
ては、ウォームアップタイムを大幅に短縮することがで
き、スタンバイ時の消費エネルギーを大幅に削減するこ
とが可能となる。また、カラー複写機の定着装置に適用
する場合においては、小熱容量の加熱ロールを使用する
ことが可能となり、短時間で加熱ロールの設定温度が変
更でき、画像のグロスを適宜変更することが可能とな
る。
【0039】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施する場合の形
態について、図面を参照して具体的に説明する。図4
は、本発明の一実施例の定着装置で用いる薄肉の加熱ロ
ールの形状を示す横断面図である。加熱ロールは、直径
35mm、肉厚0.4mm、長さ380mmの鉄製のロ
ールコア41を用い、このロールコア41の表面に離型
層42として、PFA(パーフロロアルキルビニールエ
ーテル共重合樹脂)を25μm成形したものである。な
お、ロールコア41は、肉厚0.4mm、長さ380m
mのSTKM11A素管より、センタレス研削を経て、
製造したものである。端部には長さ19mm、幅5mm
のキー溝43が形成されている。この、キー溝43と図
示しないギアとが連結して、加熱ロールが駆動モータに
より駆動される。ロールコア41には、窒化処理が施さ
れる。
【0040】このような構成の加熱ロールのロールコア
41に対して、本発明の実施例と従来例との比較のた
め、次のような3種類のロールコアを作成して実験を行
った。 1.無処理のままのもの(Aロール)、 2.窒素拡散層が表裏双方片側0.1mmのもの(Bロ
ール)、 3.窒素拡散層が表裏双方片側0.2mmのもの(窒素
拡散層が全域に及ぶ)(Cロール)を作成した。 なお、BロールとCロールに関しては、タフトライドと
呼ばれる塩浴窒化処理法を用いて窒化処理を行った。B
ロールに対しては、560℃で0.5時間の処理を行
い、一方、Cロールに対しては、560℃で2時間の処
理を行った。
【0041】この3種類のロールコアによる加熱ロール
を、定着装置(図示しない)に装着し、実モード疲労試
験として、非通紙の空回転を実施した。試験時の定着装
置の条件としては、設定温度を180℃とし、プロセス
スピードを300mm/secとした。トータル荷重に
ついては、10kgf〜100kgfの間で変化させ
た。その場合の疲労試験の結果は、図5に示されるとお
りとなった。ここでの試験では経過時間を測定したが、
図5に示すグラフでは、圧縮引っ張りの繰り返し応力の
サイクル数として表示している。
【0042】図5のグラフにより明らかであるが、Aロ
ールとBロールでは疲労強度にほとんど差がなく、ほと
んど同一の荷重から、切り欠き部で亀裂が発生してい
る。一方、Cロールでは、疲労強度が大幅に上昇してい
る。これは、薄肉金属製加熱ロールでは窒素拡散層が全
域に及んでいないと、窒化処理による強化効果が得られ
ないことを示している。
【0043】次に、本発明による実施例の定着装置につ
いて説明する。図6は、本発明の定着装置で用いる加圧
ロールの一例を示す図である。定着装置の構成は、図1
に示したような構成とし、このような構成の定着装置に
おいて、加圧ローラ17としては、図6に示すように、
中央で支持されたロール61に耐熱性離型層62を被覆
したものを用いる構成とする。これにより、加圧ローラ
17により加熱用の定着ローラ14を押圧したとき、加
圧ローラ17と定着ローラ(加熱ロール)14の撓み方
向が同一方向になる。
【0044】本発明の定着装置で用いる加圧ローラは、
中央で支持されたロール61に、厚さ4mmのシリコン
ゴムの耐熱性離型層62が被服されている。加熱ロール
14としては、前述したように、図4に示すような加熱
ロールを用いた。両端の軸受部より、総荷重70kgが
印加されている。この状態では、加熱ロールの中央部で
のたわみは、0.5(mm)に達したが、図6に示すよ
うに、中央で支持するロール61を用いた加圧ロールに
より、このたわみが補正され、加熱ロールと加圧ロール
で形成されるニップを測定したところ、ロール端部ニッ
プ7.0mm、ロールセンター部ニップ6.4mmとな
り、このような構成によると、ニップ形状指数(センタ
ー部ニップ量/端部ニップ量)0.9を得ることができ
た。この状態で富士ゼロックス(株)製の複写機「Vi
vace550(商品名)」で絵出しされた未定着トナ
ー像を定着した場合、十分な定着性が得られるととも
に、紙しわの発生は一切なかった。
【0045】図7は、本発明の定着装置で用いる加圧ロ
ールの別の一例を示す図である。加圧ロールとしては、
図7に示すように、中央部が凸状になった構造のロール
を用いることでも、全く同様の効果が得られる。すなわ
ち、図7に示す構造の加圧ロールは、加圧回転体72の
内部に、中央部が凸状になった荷重印加ロール73を設
けた構成のものとなっている。
【0046】図7において、71は加熱ロールである。
このような構成の定着装置の加熱ロール71に印加され
る荷重は、加圧回転体72を介して荷重印加ロール73
から印加される構成となっている。上記の構成では、加
熱ロール(定着ロール)71がたわんでも、荷重印加ロ
ール73の表面形状を、加熱ロール71のたわみ量と加
圧回転体72の剛性を考慮した太鼓形状にすることによ
って、加圧回転体72は加熱ロール(定着ロール)のた
わみ曲線に追随してたわむため、ほぼ均一のニップ形状
を得る事ができる。
【0047】図8は、本発明の別の実施例の定着装置の
構成を説明する横断面図である。図8に示すように、こ
の実施例の定着装置において、加熱ロール81は、直径
35mm、肉厚0.4mm、長さ335mmの鉄製コア
83に対して、タフトライドと呼ばれる塩浴窒化処理
を、560℃で2時間の処理により行い、その鉄製コア
83に離型層84として、フッ素樹脂(テフロン/デュ
ポン社の商品名)が30μmの厚さに被覆したものを用
いる。
【0048】加熱ロール81の中心には、加熱源85と
して、100v,1000w赤外線ランプが配設されて
おり、加熱ロール81の側部に設けられた温度センサー
93より、常に150℃になるように、温度コントロー
ラにより制御される。この時のウォームアップタイム
は、10秒を達成することが可能となる。また、加熱ロ
ール81は、駆動モータ(図示しない)により250m
m/sのスピードで駆動される。
【0049】加圧回転体82は、外径30mm、肉厚
0.2mm、長さ310mmのステンレス製コア86に
肉厚2.0mmのシリコンゴム87を被覆した空中のロ
ールで構成される。加圧回転体82の内部に配設される
荷重印加ロール88は、外径20mm、長さ320mm
のステンレス製コア89にロール端部肉厚1.0mm、
ロール中央部1.6mmとなるようにシリコンゴム90
を被覆した太鼓型ロールである。両端の軸受部より総荷
重50kgが印加され、加圧回転体82に対して中央部
から荷重する。
【0050】この時の加熱ロール(定着ロール)のたわ
み量は約0.5mmとなる。従来のたわみ量の限界と考
えられていた0.1mmに比較して、この様な大きなた
わみ量でも、ロール端部ニップ6.0mm、ロールセン
ター部ニップ5.4mmとなっており、この構成の定着
装置は、ニップ形状指数0.9を得ることができる。こ
の状態で富士ゼロックス(株)製の複写機「Vivac
e550(商品名)」で絵出しされた未定着トナー像9
1を記録紙92に定着した場合、十分な定着性が得られ
るとともに、紙しわの発生は一切なかった。また、応力
振幅が106サイクル加わる空回転モードにおいても、
定着ロールの破壊は見られなかった。
【0051】図9は、本発明の更に別の実施例の定着装
置の構成を説明する図である。この実施例の定着装置
は、加圧ロールのかわりに、加熱ロールとたわみ方向が
一致するように、軸方向に凸形状を設けた圧力パッドタ
イプの加圧部材を用いる定着装置である。図9に示すよ
うに、この実施例の定着装置は、定着ロール20と、薄
膜のエンドレスベルト30と、エンドレスベルト30の
内側に配置された圧力パッド50とを備え、薄膜のエン
ドレスベルト30を介して、圧力パッド50が定着ロー
ル20に押圧され、定着ロール20とエンドレスベルト
30の間に記録シートが通過させられるニップ部が形成
される。
【0052】定着ロール20は、外径30mm、肉厚
0.35mm、長さ360mmの円筒状の鉄製金属芯金
の鉄製コア21に、タフトライドと呼ばれる塩浴窒化処
理を、560℃で2時間の処理により行い、その鉄製コ
ア21の外周面に、弾性層22としてシリコーンHTV
ゴム(ゴム硬度45度:JIS−A)を500μmの厚
さで被覆し、更に、その表面に離型層23としてフッ素
ゴムを30μmの厚さにディップコートしたものであ
り、その表面は、鏡面状態に近い表面に仕上げられてい
る。また、定着ロール20は、加熱源として600wの
ハロゲンランプ24が内部に配設されており、定着ロー
ル20の表面温度は、温度センサー25により検知さ
れ、温度コントローラによりハロゲンランプ24の通電
制御を行い、その表面温度が150℃に制御される。ま
た、離型剤として、粘度300CSのアミノ変性シリコ
ーンオイルが、図示しないオイル供給システムにより均
一に定着ロールの離型層23に供給されている。
【0053】一方、エンドレスベルト30は、周長94
mm、肉厚75μm、長さ320mmの熱硬化性ポリイ
ミドを基材31とし、その外周面にPFAを30μmの
厚さにコーティングし、離型層32を形成したものであ
る。
【0054】加圧体となる圧力パッド50は、支持体5
1と、支持体51の上に配置された弾性体52と、弾性
体52とエンドレスベルト30との接触面となる表面に
張られた低摩擦フィルム54と、ベルトがスムーズに回
転するように設けられたベルト走行ガイド55とから構
成されている。弾性体52は、幅10mm、肉厚5m
m、長さ320mmのシリコーンゴムであり、その表面
に配置された低摩擦フィルム54には、テフロン樹脂を
含浸させたガラス繊維シートが用いられる。ベルト走行
ガイド55の表面には、ベルト回転方向のリブを設け、
エンドレスベルト30の内周面との接触面積を少なくし
ている。また、ベルト走行ガイド55の両端には、ベル
トの寄りを規制する鍔(つば)状の部材(図示せず)が
設けられている。
【0055】所定の定着性能を得るため、耐熱性固定部
材の圧力パッド50は、薄膜のエンドレスベルト30を
介して、圧縮コイルスプリング(図示せず)により、定
着ロール20に40kgの荷重で押圧される。この場
合、弾性体52は、図9(b)に示すように、その凸部
の高さは0.4mmとしている。また、本実施例では、
弾性体52に凸部を設けたが、凸部を支持体51に設け
るようにしてもよいことは言うまでもない。定着ロール
20へのエンドレスベルト30の巻き付け角度は約45
度であり、この時、ニップ幅は約10mmとなる。駆動
源となるモータからの駆動力は、定着ロール20に伝達
され、定着ロール20および薄膜エンドレスベルト30
は矢印の方向に160mm/secの速度で回転する。
【0056】前述したように、圧力パッド50表面には
低摩擦シート54を設けるが、この低摩擦シート54と
しては、例えば、中興化成工業(株)製のテフロンを含
浸させたガラス繊維シート(FGF−400−4)を用
い、弾性体52を被覆させている。この圧力パッド50
の表面と、エンドレスベルト30の内面の間にはアミノ
変性シリコーンオイルを潤滑剤として介在させている。
【0057】この状態で、富士ゼロックス(株」製のカ
ラー複写機「A−color 935(商品名)」によ
り絵出しされた未定着トナー像を定着した場合、十分な
定着性が得られるとともに、紙しわの発生は一切なかっ
た。また、応力振幅が106サイクル加わる空回転モー
ドにおいても、定着ロールの破壊は見られなかった。
【0058】更に、上記の条件にて、イエロー、マゼン
タ、サイアンの単色でのグロス平均値として「50」が
得られた。加熱ロールの設定温度を145℃、155℃
とすると、それぞれグロス平均値が「40」、「58」
を得ることが可能となる。その時に、中心温度の150
℃より、設定温度(145℃、155℃)に変更するた
めに必要な時間は、前者の冷却の場合で8秒であり、後
者加熱の場合で4秒であった。このように、非常に短時
間で設定温度を可変にでき、容易にグロスをコントロー
ルすることができる。
【0059】また、本発明による定着装置は、転写定着
装置の加熱ロールとしても好適に適用できる。このよう
な実施例について説明する。図10は、本発明の更に別
の実施例の画像形成装置の構成を説明する図である。図
10において、101は中間転写媒体であり、矢印10
2の方向に300mm/sの速度で回転する。該中間転
写媒体101には耐熱性が必要である。基材としてポリ
エステル、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアクリ
レート、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフフォ
ン、ポリエーテルケトン、ポリバラバン酸等のフィルム
シートを使用することができる。
【0060】この実施例の転写定着装置においては、中
間転写媒体101として、周長800mm、幅320m
m、厚み12μmのポリアミドの基材に離型性が良好な
PFAフッ素樹脂を3μm被覆したものを使用した。ま
た、静電転写性能を考慮して基材中にカーボンを分散さ
せて、その抵抗値を1010(Ωcm)としたものを用い
ている。
【0061】中間転写媒体101の走行方向102に対
応して、カラー画像の各色の画像形成ユニット104
Y,104M,104C,104Kが配設されており、
その下流側に、加熱部材105と加圧部材106が配設
される。
【0062】加熱部材105および加圧部材106は、
対向して配設された加熱ローラ107および加圧ローラ
108から構成されており、この間に中間転写媒体10
1を挟み、加熱領域ニップ部PAと転写定着領域の圧接
部分であるニップ部PBを形成する。加熱領域ニップ部
PAは、加熱ローラ107に、中間転写媒体101を1
80度巻き付けることにより、78.5mmのニップ部
PAを形成している。
【0063】加熱部材105は、直径49.5mm、肉
厚0.4mmの鋼製の中空コアに、タフトライドと呼ば
れる塩浴窒化処理を、560℃で2時間の処理により行
った加熱ロールを用い、更に表面には、厚み250μm
の0.75×10-3cal/℃・sec・cmの熱伝導率を有する
シリコーンゴムを被覆したものである。加熱部材105
の中心には、加熱源として、650Wと550Wの2種
類のハロゲンランプ109A,109Bが内蔵される。
このような構成により、電源投入時の初期動作の温度の
立ち上げ時には両方のランプをオンすることによって約
20秒の立上げ時間を達成している。
【0064】加圧部材106は、加熱ローラ107と対
向して配設されるとともに、35kgの圧接力で加熱ロ
ーラ107を加圧する。加圧部材106は、外部側ロー
ル108として、外径30mm、肉厚0.3mmの鋼製
パイプにポリイミド等の耐熱性硬質樹脂を被覆し、さら
にその表面に20μmPFAチューブを形成されたロー
ルを用い、その内部に、荷重印加ロール111として2
00μmのテーパをクラウン状に形成したものを設けて
いる。
【0065】荷重印加ロール111の外表面は、肉厚
1.0mmの硬質シリコーンゴムが被覆されている。こ
のような加圧部材106の構成により、中央部1.5m
m、両端部1.6mmの転写定着ニップ形状が得られて
いる。このニップを通過する時のデュエルタイムは0.
005秒であり、この短い時間では転写定着領域で中間
転写媒体を加熱することはほとんどない。
【0066】また、中間転写媒体101の走行方向にお
ける加熱部材105および加圧部材106の下流側に
は、中間転写媒体101を走行させるための駆動ローラ
112が配設される。記録支持体(画像記録紙)103
は、ニップ出口付近で中間転写媒体101から剥離装置
113によって分離させられる。また、中間転写媒体1
01は、一定の張力を与えるための引張ローラ114に
掛けられている。
【0067】このような構成の転写定着装置において
は、中間転写媒体101と加熱ローラ107が密着して
いる加熱領域ニップ部PAで、中間転写媒体101とそ
の上のトナー画像110は加熱ローラ107から熱が伝
達される。これにより、中間転写媒体101上のトナー
画像110は粘度低下を起こし、最上部トナー層と最下
部トナー層との適度な混合を生じせしめ、更に、トナー
層自体の透明性が急激に増加し、良好な減色混合を起こ
して、定着プロセスが進行する。
【0068】ニップ部PAの出口では、加熱ローラの設
定温度に等しいトナー軟化点温度の2.0倍の200℃
まで加熱される。加熱ロールは温度センサー115で2
00℃にコントロールされる。その後、カラーのトナー
画像が転写された中間転写媒体101が転写定着ニップ
PBの入口で記録支持体103が重ねられ、加熱ローラ
107および加圧ローラ108によって挟持され圧接さ
れる。トナー画像は記録支持体103と圧接し、記録材
の繊維中に浸透しながら冷却固化し、転写定着が完了す
る。ニップ出口ではトナー温度は軟化点温度以下となる
ため、トナー凝集力が増大し固体状態に戻る。更に、ト
ナー画像110のトナーの凝集力が大きくなり、一体と
なって中間転写媒体101から、トナーとの接着力が大
きい記録支持体103に移動させられ、浸透させられ
る。このようにして、中間転写媒体101のカラーのト
ナー画像は記録支持体103に転写され、同時に定着さ
せられる。
【0069】このような条件の状態で、富士ゼロックス
(株)製のカラー複写機「A−color 935(商
品名)」で絵出しされた未定着トナー像を定着した場
合、十分な定着性が得られるとともに、紙しわの発生は
一切なかった。また、応力振幅が106サイクル加わる
空回転モードにおいても、加熱ロールの破壊は見られな
かった。
【0070】
【発明の効果】以上説明したように、本発明における定
着装置および転写定着装置で用いられる加熱ロールは薄
肉の金属ロールであり、従来と比較して格段にウォーム
アップタイムが短い。本発明は薄肉金属ロールの強度不
足が原因で発生する加熱ロール破壊の問題を解消すると
同時に、鉄製ロールの使用時には従来問題であったさび
の問題も解決することが可能である。また、加熱ロール
の強度改善であるため、高い荷重を用いる高速複写機や
カラー複写機においても、寿命の長い加熱ロールコアを
提供できる。さらに、カラー複写機やカラープリンタに
おいては、小熱容量の加熱ロールを用いることが可能と
なるため、設定温度を短時間で変更することが可能とな
り画像のグロスを容易に変更することも可能となる。上
記の効果を考慮すると本発明の産業上の利用価値は非常
に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 加熱定着装置の構成を説明する図、
【図2】 従来の定着ロールの構造の一例を示す図、
【図3】 従来の定着ロールの構造の別の一例を示す
図、
【図4】 本発明の一実施例の定着装置で用いる薄肉の
加熱ロールの形状を示す横断面図である。
【図5】 3種類のロールコアによる加熱ロールを定着
装置に装着して実モード疲労試験を行った結果を示す
図、
【図6】 本発明の定着装置で用いる加圧ロールの一例
を示す図、
【図7】 本発明の定着装置で用いる加圧ロールの別の
一例を示す図、
【図8】 本発明の別の実施例の定着装置の構成を説明
する横断面図、
【図9】 本発明の更に別の実施例の定着装置の構成を
説明する図、
【図10】 本発明の更に別の実施例の画像形成装置の
構成を説明する図である。
【符号の説明】
1…金属性加熱ロール芯金、2…オフセット防止層、3
…ボス部、4…加熱ロール芯金、11…加熱用のヒー
タ、12…円筒状芯金、13…耐熱性離型層、14…定
着ローラ、15…円筒状芯金、16…耐熱弾性体層、1
7…加圧ローラ、18…定着されるトナー像、19…シ
ート(記録紙)、20…定着ロール、21…鉄製コア、
22…弾性層、23…離型層、24…ハロゲンランプ、
25…温度センサー、30…エンドレスベルト、31…
基材、32…離型層、41…ロールコア、42…離型
層、43…キー溝、50…圧力パッド、51…支持体、
52…弾性体、54…低摩擦フィルム、55…ベルト走
行ガイド、61…中央で支持されたロール、62…耐熱
性離型層、71…加熱ロール、72…加圧回転体、73
…荷重印加ロール、81…加熱ロール、82…加圧回転
体、83…鉄製コア、84…離型層、85…加熱源、8
6…ステンレス製コア、87…シリコンゴム、88…荷
重印加ロール、89…ステンレス製コア、90…シリコ
ンゴム、91…未定着トナー像、92…記録紙、93…
温度センサー、101…中間転写媒体、102…、10
3…記録支持体(画像記録紙)、104…、105…、
106…加圧部材、107…加熱ローラ、108…加圧
ローラ、110…トナー画像、111…荷重印加ロー
ル、112…駆動ローラ、113…剥離装置、114…
引張ローラ、115…温度センサー。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トナー像を担持した記録媒体を加熱およ
    び加圧してトナー像を記録媒体上に溶融および圧着する
    定着装置において、 前記記録媒体を加熱する加熱定着ロールと、 この加熱定着ロールを回転駆動する回転駆動手段と、 記録媒体に対して前記加熱定着ロールと反対側に配置さ
    れ、前記加熱定着ロールを押圧する加圧体を備え、 前記加熱定着ロールが、薄肉の金属製円筒体と、この金
    属製円筒体の外周面に設けられた耐熱性離型層を有し、 前記金属製円筒体が、その厚さ方向全域に軟窒化処理に
    よる窒素の拡散層が形成された円筒体であることを特徴
    する定着装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の定着装置において、 前記金属製円筒体の肉厚が、0.1mmから1mmの範
    囲であることを特徴とする定着装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の定着装置において、 前記加圧体が、加圧ロールであって、 前記加圧ロールにより前記加熱定着ロールを押圧したと
    きに、前記加圧ロールと前記加熱定着ロールの撓み方向
    が同一方向になることを特徴とする定着装置。
  4. 【請求項4】 請求項3に記載の定着装置において、 前記加圧ロールが、中空の円筒体と、前記中空の円筒体
    の内部に挿通され、前記中空の円筒体を前記加熱定着ロ
    ールに押圧する両端部よりも中央部の径が拡大された押
    圧部材とを有することを特徴とする定着装置。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の定着装置において、 前記加圧体が非回転の固定加圧体であって、 前記固定加圧体の前記加熱定着ロールを押圧する部分が
    前記加熱定着ロールの軸方向に凸状であることを特徴す
    る定着装置。
  6. 【請求項6】 トナー像保持体に保持されたトナー像を
    受像体に転写すると共に定着する転写装置において、 前記トナー像保持体上のトナー像を加熱する加熱定着ロ
    ールと、 前記トナー像保持体に対して前記加熱定着ロールと反対
    側に配置され、前記トナー像保持体を介して前記加熱定
    着ロールを押圧する加圧体とを備え、 前記加熱定着ロールが、少なくとも薄肉の金属製円筒体
    を有し、 前記金属製円筒体が、その厚さ方向全域に軟窒化処理に
    よる窒素の拡散層が形成された円筒体であることを特徴
    とする転写装置。
  7. 【請求項7】 トナー像を保持するトナー像保持体と、 このトナー像保持体上のトナー像と記録媒体とを接触さ
    せ、前記トナー像を加熱して前記記録媒体上に転写する
    と共に定着する転写定着手段とを備えた画像形成装置に
    おいて、 前記転写定着手段が前記トナー像保持体上のトナー像を
    加熱する加熱定着ロールと、 この加熱定着ロールを回転駆動する回転駆動手段と、 前記トナー像保持体に対して前記加熱定着ロールと反対
    側に配置され、前記トナー像保持体を介して前記加熱定
    着ロールを押圧する加圧体とを備え、 前記加熱定着ロールが、少なくとも薄肉の金属製円筒体
    を有し、 前記金属製円筒体が、その厚さ方向全域に軟窒化処理に
    よる窒素の拡散層が形成された円筒体であることを特徴
    とする画像形成装置。
  8. 【請求項8】 トナー像を保持するトナー像保持体と、 記録媒体と、 前記トナー像保持体上のトナー像を前記記録媒体に転写
    する転写手段と、 前記記録媒体に転写されたトナー像を定着する定着手段
    とを備え、 前記定着手段が、前記記録媒体を加熱する加熱定着ロー
    ルと、 この加熱定着ロールを回転駆動する回転駆動手段と、 前記記録媒体に対して前記加熱定着ロールと反対側に配
    置され、前記加熱定着ロールを押圧する加圧体とを備
    え、 前記加熱定着ロールが、少なくとも薄肉の金属製円筒体
    を有し、 前記金属製円筒体が、その厚さ方向全域に軟窒化処理に
    よる窒素の拡散層が形成された円筒体であることを特徴
    とする画像形成装置。
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US7242898B2 (en) * 2005-03-02 2007-07-10 Fuji Xerox Co., Ltd. Fixing unit image forming apparatus with interior crown-shaped roll

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