JPH1138467A - 絞り装置及びそれを用いたレンズ鏡筒とレンズ鏡筒の組立方法 - Google Patents

絞り装置及びそれを用いたレンズ鏡筒とレンズ鏡筒の組立方法

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JPH1138467A
JPH1138467A JP19554497A JP19554497A JPH1138467A JP H1138467 A JPH1138467 A JP H1138467A JP 19554497 A JP19554497 A JP 19554497A JP 19554497 A JP19554497 A JP 19554497A JP H1138467 A JPH1138467 A JP H1138467A
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JP
Japan
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aperture
diaphragm
opening
lens barrel
optical axis
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JP19554497A
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Inventor
Hidekazu Nagaoka
英一 長岡
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビデオカメラ等のレンズ鏡筒に用いられ、複
数枚の絞り羽根を駆動手段により駆動して開口部の遮光
量を調整する絞り装置を小型化すると共に、それを用い
た小型レンズ鏡筒を、安価に提供すること。 【解決手段】 絞り羽根11,12,13を駆動手段に
よって駆動することによって基台1の開口部20を開閉
する。絞り羽根11〜13に開口部の一部を主遮光部が
遮光する際に、開口部の外周部と絞り羽根の主遮光部と
の間にできる未遮光領域を複数の絞り羽根間で相互に補
って遮光する補助遮光部を設ける。これによって主遮光
部の占有面積を減らし、小型の絞り装置及びそれを用い
たレンズ鏡筒を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はビデオカメラやスチ
ルカメラなどの光学機器に好適な、受光量を制御する絞
り装置、及びそれを用いたレンズ鏡筒とレンズ鏡筒の組
立方法に関する。
【0002】
【従来の技術】複数のレンズを組み合わせたレンズ鏡筒
を用い、CCD受光素子やフィルム面に光線を結像さ
せ、動画もしくは静止画を記録するビデオカメラやスチ
ルカメラにおいては、レンズ鏡筒の光学系の途中に、受
光量を制御する絞り装置を組み込むのが普通である。近
年になって、ビデオカメラやスチルカメラの小型化に対
する要求が高まるにつれ、レンズ鏡筒の小型化が求めら
れ、絞り装置もより一層小型化することが必要になって
きた。このような要求に応じて、絞り装置を小型化した
例が、特開平6−273822公報に開示されている。
あるいは、絞り装置を小型化したレンズ鏡筒の例が、特
開平6−337340公報などに開示されている。
【0003】図16は、この種の絞り装置を示す分解斜
視図である。図16においては、水平方向に示した中心
線19がレンズ鏡筒の光軸に一致する。円形状の開口部
20を有する基台1のメータ取り付け部3には、駆動源
であるところのガルバノメータ部2が取り付けられ、マ
グネットロータ4の先端が、レバー5を囲った凹部6の
底面から突出している。
【0004】レバー5と、マグネットロータ4とは、一
体的に回動するように組立てられ、ねじりバネ7が組み
付けられて、レバー5に時計周りの方向の付勢力を与え
るようになっている。又レバー5に設けた駆動ピン8
は、基台1に回動自在に支持される回動リング9のカム
穴10と係合している。
【0005】絞り羽根11,12,13はこの順番に基
台1に組み付けられ、各絞り羽根の回動穴11a,12
a,13aが基台1に設けた固定ピン14a,14b,
14cと各々係合する。一方、各絞り羽根のカム穴11
b,12b,13bは、回動リング9に設けた回動ピン
15a,15b,15cと各々係合する。そしてカバー
16がネジ17a,17bによって基台1に取り付けら
れ、絞り羽根11,12,13を基台1との間に保持す
る。
【0006】以上のように構成された絞り装置18につ
いて、以下その動作について説明する。初めに図16に
示した状態は、ガルバノメータ部2に電力が供給されて
いない状態であり、絞り羽根11,12,13は開口部
20を全閉した状態にある。図17は絞り装置の正面図
であり、開口部20を全閉した時の絞り羽根11,1
2,13の位置を示している。
【0007】ガルバノメータ部2に、図示しないリード
線を介して通電すると、ねじりバネ7の付勢力に抗して
マグネットロータ4及びレバー5が反時計方向に回転
し、回動リング9が時計方向に回転する。このため回動
ピン15a,15b,15cと、カム穴11b,12
b,13bを介して係合関係にある絞り羽根11,1
2,13は、固定ピン14a,14b,14cを中心と
して反時計方向に回転する。このようにしてガルバノメ
ータ部2への通電量を増加させると、絞り羽根11,1
2,13が開く方向に回転し、やがて図18に示すよう
に、開口部20が全開となる。
【0008】そしてガルバノメータ部2への通電量を制
御することによって、図17の全閉状態と図18の全開
状態の間で、所望の開口量を得ることができるのであ
る。
【0009】次に絞り羽根13の形状について、図19
を用いて説明する。図19において、円弧13d(点線
で延長した部分も含む)とエッジ13e,13fによっ
て囲まれた領域が主遮光部13cである。図17に示し
た全閉状態において、この主遮光部13cが開口部20
を覆う必要があり、主遮光部の外周形状は中心角βの円
弧13dとする必要がある。しかも、この円弧13dの
直径は開口部20の直径よりもわずかに大きくしなくて
はならない。即ち、開口部20の外周円20aよりも、
わずかに直径の大きい円20bを覆うように設計する必
要がある。これは、量産時における絞り羽根11,1
2,13、回動リング9、基台1等の加工精度や寸法ば
らつきのために、開口部20を主遮光部13cが覆えな
くなることを防止するために必要な直径である。
【0010】一方、開口量を調整する際には、絞り羽根
11,12,13によって形成される絞り開口部の形状
が、ほぼ六角形になるように、エッジ13e,13f間
の角度αは120°程度に設定する。このため円弧13
dの実質的な中心角βは、約240°となる。
【0011】次に図20は、図16〜19において説明
した絞り装置18を用いたビデオカメラ用レンズ鏡筒の
一部分を示す分解斜視図である。絞り装置18はネジ2
1を用いて、固定レンズ群40を保持する固定レンズ枠
41に、開口部20の中心が光軸19と一致するように
取り付けられる。固定レンズ枠41に設けた第1,第2
のガイド穴42,43には、各々ガイドポール22、2
3を差込み固定する。尚ガイドポール22,23の他端
は、図示しない他の固定レンズ群を保持するレンズ保持
枠に保持されている。
【0012】ズームレンズ群30を保持する可動レンズ
枠31は、そのフランジ部の端部に設けた案内軸受け部
32がガイドポール23と摺接し、フランジ部の他端に
設けた周り止め部33がガイドポール22と摺接して、
光軸19方向に移動自在に支持されている。そして、案
内軸受け部32に回動自在に支持されているホルダ34
には、ハーフナット部35が直立して設けられている。
このハーフナット部35は、図示しないズームモータと
一体的に回転するリードスクリューに螺合し、リードス
クリューが回転することによって、図示しないレンズ鏡
筒本体に覆われた空間の中で、可動レンズ枠31が光軸
19方向に移動するようになっている。
【0013】以上のように構成されたレンズ鏡筒につい
て、以下その動作について説明する。使用者の操作に従
って、図示しないズームモータが回転して可動レンズ枠
31が光軸19方向に移動し、所望のズーム量に対応し
た位置にズームレンズ群30を位置決めする。絞り装置
18の開口部20,固定レンズ群40を経た光線は、図
示しないフォーカスレンズのフォーカシング動作によっ
てピント調整が行われ、CCD受光素子上に結像する。
この際、絞り装置18のガルバノメータ部2への通電量
が制御されて開口部20の開口量が調整され、図示しな
いCCD受光素子の受光量が一定値に保たれる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うな絞り装置においては、絞り羽根11,12,13を
回動することによって開口部20の開口量を調整してい
るので、装置全体の形状が円形となり、光軸19に垂直
な方向の小型化が困難であるという欠点があった。即ち
図19に示した全開状態のときには、絞り羽根11,1
2,13が開口部20より外側に退避しなくてはならな
いので、基台1は退避した絞り羽根11,12,13が
占める領域よりも広い円形状としなくてはならない。
【0015】更にカバー16を基台1に取り付けている
ネジ17a,17bを、全開状態時の絞り羽根11,1
2,13よりも外側に配置しなくてはならないので、ネ
ジ17a,17bの頭部を含めて、基台1及びカバー1
6を大型化する必要があった。
【0016】又このような絞り装置18を用いたレンズ
鏡筒においても、光軸19に垂直な方向の小型化が困難
であるという欠点があった。即ち可動レンズ枠31を案
内するガイドポール22,23は、直径の大きい円形状
の基台1よりも、更に外側に配置しなくてはならない。
しかも可動レンズ枠31が絞り装置18に最も近づいた
位置に移動したとき、案内軸受け部32,ホルダ34,
ハーフナット部35等が絞り装置18と干渉しないよう
に、ガイドポール23を配置しなくてはならない。この
ため図20において明らかなように、ガイドポール22
及び23と光軸19との距離を大きく取らなくてはなら
ず、ズームレンズ群30の直径に比べて大型の可動レン
ズ枠31を使用する必要があった。従って絞り装置1
8,可動レンズ枠31等を覆うレンズ鏡筒全体のサイズ
も大きくなり、ビデオカメラやスチルカメラの小型化を
阻害する原因となっていた。
【0017】又絞り装置を組立てる際には、ネジ17
a,17bを使用してカバー16を基台1に取り付けて
いるので、部品点数が多く、組立てコストが高いという
問題があった。
【0018】同様に、絞り装置をレンズ鏡筒に組み付け
る際にもネジ21を用いているので、レンズ鏡筒の部品
点数が増え、組立てコストが高くなるという問題があっ
た。
【0019】本発明は、小型の絞り装置及びそれを用い
た小型レンズ鏡筒を安価に提供することを目的とする。
【0020】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、レンズ鏡筒の光軸を中心とした略円形の開口部を有
する基台と、前記開口部を遮光する主遮光部を有する複
数の絞り羽根と、前記基台との間に前記複数の絞り羽根
を挟持する保持カバーと、前記絞り羽根を駆動して前記
開口部の遮光面積を変化させる駆動手段とを備えた絞り
装置において、前記各絞り羽根は、前記開口部の少なく
とも一部を前記主遮光部が遮光する際に、前記開口部の
外周部と前記絞り羽根の前記主遮光部との間にできる未
遮光領域を、前記複数の絞り羽根間で相互に補って遮光
する補助遮光部を有することを特徴とするものである。
【0021】本願の請求項2の発明は、レンズ鏡筒の光
軸を中心とした略円形の開口部を有する基台と、光軸に
対称に配置され、前記開口部を遮光するN枚の絞り羽根
と、前記基台との間にN枚の絞り羽根を回動自在に挟持
する保持カバーと、前記絞り羽根を駆動して前記開口部
を遮光面積を変化させる駆動手段とを備えた絞り装置に
おいて、前記各絞り羽根は、前記開口部の360°/N
の角度分の開口を被う円弧状の主遮光部と、前記開口部
の少なくとも一部を前記主遮光部が遮光する際に、前記
開口部の外周部と前記絞り羽根の前記主遮光部との間に
できる未遮光領域を、前記複数の絞り羽根間で相互に補
って遮光する補助遮光部と、を有することを特徴とする
ものである。
【0022】本願の請求項3の発明は、請求項1又は2
の絞り装置において、前記基台は第1の挿入部を有し、
前記保持カバーは前記第1の挿入部と係合する係合部を
有し、前記第1の挿入部と係合する際に前記係合部が弾
性変形して、前記保持カバー及び前記基台を前記光軸方
向に位置決めすることを特徴とするものである。
【0023】本願の請求項4の発明は、レンズを保持す
るレンズ枠と、前記レンズ枠に保持されたレンズと光軸
を一致させて取付けられた請求項1又は2のいずれか1
項記載の絞り装置と、を具備することを特徴とするもの
である。
【0024】本願の請求項5の発明は、前記保持カバー
の係合部が挿入される第2の挿入部を有し、レンズを保
持するレンズ枠と、前記レンズ枠に保持されたレンズと
光軸を一致させて取付けられた請求項3記載の絞り装置
と、を具備することを特徴とするものである。
【0025】本願の請求項6の発明は、請求項5記載の
レンズ鏡筒の組立方法であって、前記第1の挿入部と前
記係合部を係合させて、前記基台と前記保持カバーの間
に前記絞り羽根を挟持した状態で、前記係合部を前記第
2の挿入部に挿入して、前記絞り装置を前記レンズ枠に
対して固定することを特徴とするものである。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図1から図15を用いて説明する。尚、先に従来例
で示した構成部材に対しては、同一の符号を付して説明
する。
【0027】(実施の形態1)図1及び図2は、本願の
請求項1及び請求項2記載の絞り装置を示す分解斜視図
である。図1において、水平方向に示した中心線19が
レンズ鏡筒の光軸に一致する。円形状の開口部20を有
する基台1のメータ取り付け部3には、駆動源であると
ころのガルバノメータ部2が取り付けられ、マグネット
ロータ4の先端がレバー5を囲った凹部6の底面から突
出している。
【0028】レバー5は、マグネットロータ4に対して
圧入又は接着などの接合手段を用いて一体的に回動する
ように組立て、ねじりバネ7を組み付ける。この際、ね
じりバネ7の一端は凹部6の側面に設けた固定バネ掛け
部6aに係止し、他の一端はレバー5に設けたバネ掛け
部5aと係合して、レバー5に時計周りの方向の付勢力
を与えるようになっている。
【0029】レバー5に設けた駆動ピン8は、基台1に
回動自在に支持される回動リング9のカム穴10と係合
しており、レバー5が回動すると、回動リング9が光軸
19を中心として回動する。
【0030】これらガルバノメータ部2,レバー5,ね
じりバネ7,回動リング9によって、駆動手段の作用を
行う。
【0031】絞り羽根11,12,13はこの順番に基
台1に組み付け、各絞り羽根の回動穴11a,12a,
13aが基台1に設けた固定ピン14a,14b,14
cと各々係合する。一方、各絞り羽根のカム穴11b,
12b,13bは、回動リング9に設けた回動ピン15
a,15b,15cと各々係合する。そして保持カバー
であるところのカバー16が基台1に取り付けられ、絞
り羽根11,12,13を基台1との間に保持する。
【0032】以上のように構成した絞り装置18につい
て、以下その動作について説明する。初めに図1及び図
2に示した状態は、ガルバノメータ部2に電力が供給さ
れていない状態であり、絞り羽根11,12,13は受
光開口部20を全閉した状態にある。図3は絞り装置の
正面図であり、受光開口部20を全閉した時の絞り羽根
11,12,13の位置を示している。
【0033】ガルバノメータ部2に図示しないリード線
を介して通電すると、ねじりバネ7の付勢力に抗してマ
グネットロータ4及びレバー5が反時計方向に回転す
る。駆動ピン8とカム穴10を介して係合している回動
リング9は、光軸19を中心として時計方向に回転す
る。回動ピン15a,15b,15cも光軸19を中心
として時計方向に回動するので、カム穴11b,12
b,13bを介して係合関係にある絞り羽根11,1
2,13は、固定ピン14a,14b,14cを中心と
して反時計方向に回転する。このようにしてガルバノメ
ータ部2への通電量を増加させると、絞り羽根11,1
2,13が開く方向に回転し、やがて図4に示すよう
に、受光開口部20が全開となる。
【0034】そしてガルバノメータ部2への通電量を制
御することによって、図3の全閉状態と図4の全開状態
の間で、所望の開口量を得ることができるのである。
【0035】次に、絞り羽根11,12,13の形状に
ついて、図5及び図7を用いて説明する。ここで、図7
は本実施の形態の構成要件である絞り羽根13の正面図
である。図5は説明のために描いた別形状の絞り羽根1
3の例であって、図7のものとは一部形状が異なってい
る。又、絞り羽根11,12の形状は、絞り羽根13の
形状と同じである。
【0036】従来技術の説明において述べたように、図
19に示した絞り羽根13の主遮光部13cの形状は中
心角βの円弧13dとする必要がある。そして円弧13
dの実質的な中心角βは、約240°となる。しかしな
がら開口部20を全閉する際に、3枚の絞り羽根を用い
て覆うことができればよいのであるから、中心角βは1
20°程度で十分なはずである。即ち、n枚の絞り羽根
で円形状の開口部を全閉する場合、中心角度βは 36
0/n(deg)より大きければ良い。
【0037】そこで図5に示す絞り羽根においては、中
心角βを120°より少し大きい角度、例えば125°
に設定し、主遮光部13cの残りの領域に第1の切欠き
202を設け、カム穴13bの近傍に第2の切欠き20
3を設けて、両者の間を滑らかに接続した形状とした。
このような形状にすることによって、全開状態の時に絞
り羽根11,12,13が占める面積を小さくすること
ができ、絞り装置の小型化が達成できる。
【0038】しかしながら全閉状態と全開状態の中間状
態において、主遮光部13cに設けた第1の切欠き20
2から光が漏れるという問題がある。図6はこの中間状
態を示した絞り装置の正面図である。図において開口部
20はかなり絞られた状態にあるが、このとき第1の切
欠き202の近傍に円20bの一部が露出し、開口部2
0の外周円20aの一部も露出しかかっている領域20
4が存在する。量産時における絞り羽根11,12,1
3、回動リング9、基台1等の加工精度や寸法ばらつき
を考慮すると、図6に示す状態では領域204から光が
漏れる可能性があり、絞り量を正確に制御することがで
きなくなってしまう。しかも狭いすきまから漏れた光は
回折現象を起こしやすいので、レンズ鏡筒の性能を著し
く低下させる原因となる。
【0039】そこで図7に示した本発明の構成要件であ
る絞り羽根13では、主遮光部13cの先端部に補助遮
光部201を設けた。補助遮光部201の形状は、円弧
13dに接する別の直径の円弧206と、エッジ13e
を延長した形状とした。絞り羽根13は回動穴13aと
係合する固定ピン14cを中心として回動するので、円
弧206の中心を回動穴13aの中心と一致させてい
る。従って、絞り羽根13が回動する際に補助遮光部2
01が描く軌跡は、固定ピン14cを中心とする扇形と
なる。これによって、絞り装置を構成する他の部品との
干渉が無い状態で、補助遮光部201の面積を最大にす
ることができる。又、絞り羽根13が回動する際に補助
遮光部201の先端が他の絞り羽根に引っかからないよ
うに、円弧206とエッジ13eの間は、別の円弧20
7で滑らかに接続した形状とした。
【0040】以上のような形状とした絞り羽根11,1
2,13を用いれば、全閉状態と全開状態の中間状態に
おいても光が漏れることがなく、絞り量を正確に制御す
ることができる。図8は、図6と同じ中間状態を示した
絞り装置の正面図である。図6においては、第1の切欠
き202の近傍に円20bの一部が露出していたが、図
8においては円20bの全周に渡って絞り羽根11,1
2,13によって覆われている。これは、絞り羽根13
に第1の切欠き202を設けたために、覆うことができ
なかった円20bの一部分を、絞り羽根12に設けた補
助遮光部208によって覆うことができるからである。
即ち、一つの絞り羽根に第1の切欠きを設けたために、
覆うことができなかった領域を開口部の円周方向に隣り
合って取り付けた別の絞り羽根の補助遮光部が覆うこと
ができるのである。
【0041】円20bの直径は、量産時における絞り羽
根11,12,13、回動リング9、基台1等の加工精
度や寸法ばらつきを考慮して、開口部20の外周円20
aよりも、例えば1mm程度大きな直径に設定すれば良
い。主遮光部13cの先端部に補助遮光部201を設け
れば、このような直径を有する円20bを絞り羽根1
1,12,13が常に全周に渡って覆うように絞り羽根
の形状を決定できるので、所定の範囲内で寸法ばらつき
が発生しても光が漏れることがなく、絞り量を正確に制
御できるのである。
【0042】さて図7に示す形状とした絞り羽根11,
12,13を用いれば、全開状態の時に絞り羽根11,
12,13が占める面積を小さくすることができ、絞り
装置を小型化することが可能となる。以下、図1〜図7
を用いて説明を続ける。
【0043】図1,図4において基台1には、L字形カ
ット部121を設けた。又カバー16にも、同じ形状の
L字形カット部122を設けた。これらL字形カット部
121,122を設けても、絞り羽根11に第1及び第
2の切欠きを設けているので、絞り羽根11が絞り装置
18より外側に露出することがない。又、回動リング9
の外周部には、円弧状カット部131,132を設け
た。このためレバー5が回動し、回動リング9が光軸1
9を中心として回動しても、回動リング9が絞り装置1
8より外側に露出することがない。これによって、L字
形カット部121,122の分だけ、絞り装置18を小
型化することが可能となる。更に、絞り装置18を組み
付けたレンズ鏡筒においては、L字形カット部121,
122の部分にモータや案内軸等を配置することがで
き、レンズ鏡筒の小型化に大きく寄与することができ
る。
【0044】又図1において、L字形カット部121,
122と光軸19を挟んで垂直方向にほぼ対称な位置に
は、基台1に貫通穴123,カバー16には同じ形状の
貫通穴124を設けた。絞り羽根12に第1及び第2の
切欠きを設けているので、絞り羽根12が貫通穴123
及び貫通穴124を塞ぐことはない。同様に、回動リン
グ9の外周部には、円弧状カット部131,132を設
けたので、レバー5が回動し、回動リング9が光軸19
を中心として回動しても、回動リング9が貫通穴123
及び貫通穴124を塞ぐことはない。従って、絞り装置
18を組み付けたレンズ鏡筒においては、これらの貫通
穴にモータの駆動軸や各種案内軸等を配置することがで
き、レンズ鏡筒を小型化することができる。
【0045】ここで、回動リング9の外周部に円弧状カ
ット部131,132を設けた理由について説明する。
回動リング9に設けた回動ピン15a,15b,15c
と光軸19との距離を短くし、回動ピン15a,15
b,15cを光軸19に近づけることができれば、回動
リング9の外周部の直径を小さくでき、円弧状カット部
131,132を設ける必要がなくなる。しかしなが
ら、回動ピン15a,15b,15cを光軸19に近づ
けるほど、絞り羽根11,12,13を一定量回動させ
るのに必要な回動リング9の回転角度が大きくなる。こ
のため、レバー5を介して回動リング9を駆動するガル
バノメータ部2のマグネットロータ4の回転角度を大き
くする必要がある。ところが周知の構造のガルバノメー
タ部2においては、マグネットロータ4は直径方向に二
極着磁されており、定格トルクを発生できる回動角度
は、せいぜい40〜60°程度である。このため回動ピ
ン15a,15b,15cを光軸19に近づけるために
は、ガルバノメータ部2を大型化して発生トルクを大き
くする必要があり、絞り装置18が大型化するという問
題が生じる。これに対して回動リング9の外周部に円弧
状カット部131,132を設ければ、回動ピン15
a,15b,15cを光軸19に近づける必要がなく、
ガルバノメータ部2を大型化する必要がないのである。
【0046】又絞り羽根13の補助遮光部201は、主
遮光部13cの先端部に設けているので、図4を見ると
明らかなように、絞り羽根11の上に重なっている。即
ち、絞り羽根13に補助遮光部201を設けて絞り羽根
単体の平面積が増加しても、全開状態の時に絞り羽根1
1,12,13が占める面積が増加することがなく、絞
り装置の小型化を阻害することはない。
【0047】更に、絞り羽根11,12,13に第1及
び第2の切欠き202,203を設けているので、絞り
羽根を製造する際の素材シートの必要面積を低減するこ
とができ、安価な絞り装置を提供することができる。
【0048】尚、絞り羽根13に設けた補助遮光部20
1の形状は、本実施の形態の形状に限るものではない。
例えば図9に示すように、円弧206の直径を大きくし
て円弧13dに接する直線206aを含む形状としても
良い。この場合補助遮光部201の面積を大きくできる
ので、第1の切欠き202を大きくして、全開状態のと
きき絞り羽根11,12,13が占める面積を一層小さ
くすることができるという効果がある。
【0049】又、本実施の形態においては、絞り羽根1
1,12,13の形状を同一としたが、異なる形状とし
ても良く、一部の絞り羽根にのみ第1及び第2の切欠き
を設け、それらと隣り合って円周方向に配置した絞り羽
根にのみ補助遮光部を設けても良い。
【0050】更に、基台1及びカバー16に設けたL字
形カット部121,122の形状も、本実施の形態の形
状に限るものではない。又、本発明の適用範囲は、絞り
羽根が3枚の場合に限定されるものではなく、n枚の絞
り羽根(n≧2)を有する絞り装置に適用可能である。
【0051】(実施の形態2)次に、本願の請求項3記
載の絞り装置、請求項4及び請求項5記載のレンズ鏡
筒、及び請求項6記載のレンズ鏡筒の組立方法について
説明する。
【0052】初めに、請求項3記載の絞り装置の構成は
実施の形態1と同一の部分が多いので、異なる部分につ
いてのみ説明する。
【0053】図1及び図2に示すように、保持カバーで
あるところのカバー16の裏面には、基台1に向かう方
向に直立した係合部101,102を設けた。そして基
台1には、係合部101,102と係合する第1の挿入
部であるところの開放溝111,112を設けた。図1
0及び図11は絞り装置の縦方向断面図である。図10
は、基台1に回動リング9、絞り羽根11,12,13
を組み付けた状態を示しており、更にカバー16を取り
付けた状態を図11に示す。以下図10,11及び図1
〜3を参照しながら、説明を続ける。
【0054】係合部101,102には、断面形状が三
角形となる第1のラッチ部101b,102bが設けら
れると共に、やはり断面形状が三角形となる第2のラッ
チ部101f,102fが設けられている。そして第1
のラッチ部101b,102bでは、光軸19に近づく
方向に三角形が突出する形状とした。一方、第2のラッ
チ部101f,102fでは逆に光軸19から離れる方
向に、三角形が突出する形状とした。
【0055】又開放溝111,112は、光軸19から
離れる方向に開放した溝形状であって、基台1の裏面1
a側には、溝の深さが一段深くなった切欠き111b,
112bが設けてある。
【0056】第1のラッチ部101b,102bの斜面
から係合部101,102の先端にかけては、傾きの小
さいスロープ部101e,102eが夫々設けてあるの
で、係合部101,102の光軸側先端エッジ101
c,102cの位置は、開放溝111,112のエッジ
111c,112cよりも、夫々光軸19から離れる方
向に位置している。このため図10の状態からカバー1
6を基台1側に押し付けると、係合部101,102
を、スムーズに開放溝111,112に挿入することが
できる。しかも開放溝111,112は光軸19から離
れる方向に開放した溝形状であるため、第2のラッチ部
101f,102fが挿入動作を妨げることがなく、第
1のラッチ部101b,102bの斜面が開放溝11
1,112のエッジ111c,112cと当接する位置
までカバー16を基台1側に押し付けることができる。
【0057】更にカバー16を押し続けると、エッジ1
11c,112cと第1のラッチ部101b,102b
の斜面が摺動して、係合部101,102が光軸19か
ら離れる方向に曲げ変形しながら、カバー16が右側に
進む。この曲げ変形は、図11に示すように、第1のラ
ッチ部101b,102bが、溝の深さが一段深くなっ
た切欠き111b,112bに収まることによって解消
され、カバー16の裏面16aが、基台1に設けた位置
決め面113,114に当接して取り付けが完了する。
【0058】この際、開放溝111,112の縦方向位
置決め面111a,112aと、係合部101,102
の縦方向位置決め面101a,102aが当接して、カ
バー16の基台1に対する縦方向の位置決めが行われ
る。又、カバー16に設けた穴141aには、基台1に
設けた固定ピン14a及び回動リング9に設けた回動ピ
ン15aがはまり込む。同様に、カバー16に設けた穴
141b,141cには、基台1に設けた固定ピン14
b,14c及び回動リング9に設けた回動ピン15b,
15cが、各々はまり込む。
【0059】ここで、第1のラッチ部101bの抜け止
め面101dと、開放溝111の直立面111dの間に
は、図11に示すようにすきまを設けてある。第1のラ
ッチ部102bの抜け止め面102dと、開放溝112
の直立面112dの間にも同量のすきまを設けてある。
このすきまの範囲内で、カバー16は基台1に対して光
軸方向に移動することができる。即ち、カバー16は基
台1に対して光軸方向に移動することができるように構
成している。但し、カバー16に設けた穴141aに固
定ピン14a及び回動ピン15aがはまり込んでいるの
で、絞り羽根11がはずれることはない。同様にカバー
16に設けた穴141b,141cに、固定ピン14
b,14c及び回動ピン15b,15cが各々はまり込
んでいるので、絞り羽根12,13がはずれることはな
い。従って、カバー16が基台1に対して光軸方向に移
動可能であって、しかも絞り羽根11,12,13をカ
バー16と基台1との間に確実に保持することができる
のである。
【0060】次に、絞り装置18を用いたレンズ鏡筒に
ついて説明する。図12,13は絞り装置18を用いた
ビデオカメラ用レンズ鏡筒の一部分を示す分解斜視図で
ある。固定レンズ群40を保持する固定レンズ枠41に
は、第2の挿入部であるところの挿入穴301,302
を設けてある。そして絞り装置18の裏面1aから突き
出した係合部101,102を挿入することによって、
開口部20の中心が光軸19と一致するように、絞り装
置18を固定レンズ枠41に取り付けることができる。
【0061】固定レンズ枠41には、絞り装置18の貫
通穴123,124に対応する位置に第1のガイド穴4
2を設け、ガイドポール22を差込み固定するように構
成している。そして、絞り装置18のL字形カット部1
21,122のある側に第2のガイド穴43を設け、ガ
イドポール23を差込み固定する。尚、ガイドポール2
2,23の他端は、図示しない他の固定レンズ群を保持
するレンズ保持枠に保持されている。
【0062】ズームレンズ群30を保持する可動レンズ
枠31は、そのフランジ部の端部に設けた案内軸受け部
32がガイドポール23と摺接し、フランジ部の他端に
設けた周り止め部33がガイドポール22と摺接して、
光軸19方向に移動自在に支持されている。そして、案
内軸受け部32に回動自在に支持したホルダ34には、
ハーフナット部35を設けている。案内軸受け部32と
摺接するガイドポール23は、第2のガイド穴43に差
込み固定しているので、案内軸受け部32,ホルダ3
4,ハーフナット部35は、絞り装置18のL字形カッ
ト部121,122のある側に自動的に配置されること
になる。
【0063】ハーフナット部35は、図示しないズーム
モータと一体的に回転するリードスクリューに螺合し、
リードスクリューが回転することによって、図示しない
レンズ鏡筒本体に覆われた空間の中で、可動レンズ枠3
1が光軸19方向に移動するようになっている。
【0064】又、絞り装置18のガルバノメータ部2及
びメータ取り付け部3は、周り止め部33側に配置して
いる。
【0065】次に、図14及び図15は絞り装置18を
用いたレンズ鏡筒の一部分についての縦方向断面図であ
る。図14は、絞り装置18を固定レンズ枠41に取り
付ける前の状態を示しており、図15は絞り装置18を
固定レンズ枠41に取り付けた後の状態に示す。以下図
14、15及び図10〜13を参照しながら、レンズ鏡
筒の組立方法について説明する。
【0066】挿入穴301,302のエッジ301i,
302iは、係合部101,102の先端エッジ101
i,102iよりも、夫々光軸19から離れる方向に位
置している。このため図14の状態から、絞り装置18
を固定レンズ枠41側に押し付けると、係合部101,
102を、スムーズに挿入穴301,302に挿入でき
る。
【0067】更に絞り装置18を押し続けると、エッジ
301i,302iと第2のラッチ部101f,102
fの斜面が摺動して、係合部101,102が光軸19
に近づく方向に曲げ変形しながら、絞り装置18が右側
に進む。尚、絞り装置18を押す際には、係合部10
1,102の裏側に当たる16b,16cの位置に力を
加えることが望ましい。これによって、カバー16の不
要な変形を防止することができる。
【0068】ここで、係合部101,102が光軸19
に近づく方向に曲げ変形すると、係合部101,102
の光軸側先端エッジ101c,102cの位置も光軸1
9側に近づくことになる。しかしながら挿入穴301,
302のエッジ301c,302cは、更に光軸19側
に近い位置にあるので、エッジ101c,102cが固
定レンズ枠41に当接して挿入動作を妨げることはな
い。又、係合部101,102は光軸19に近づく方向
に曲げ変形するので、第1のラッチ部101b,102
bが外れることはない。従って、組立て途中に絞り装置
18が分解するといった不具合が発生しない構成となっ
ている。
【0069】係合部101,102の曲げ変形は、図1
5に示すように、第2のラッチ部101f,102f
が、空間301b,302bに各々収まることによって
解消され、基台1の裏面1aが固定レンズ枠41の位置
決め面44,45に当接して、絞り装置の組み付けが完
了する。
【0070】この際、挿入穴301,302の縦方向位
置決め面301g,302gと、係合部101,102
の縦方向位置決め面101g,102gが当接して、絞
り装置18の固定レンズ枠41に対する縦方向の位置決
めが行われる。
【0071】又、挿入穴301,302の光軸方向位置
決め面301h,302hと、係合部101,102の
光軸方向位置決め面101h,102hも当接する。こ
の際、係合部101,102が弾性変形して引っ張り応
力が発生するよう、光軸方向位置決め面301h,30
2hの光軸方向の位置を設定している。即ち、係合部1
01,102の光軸方向位置決め面101h,102h
と、基台1の裏面1aとの距離をL1、固定レンズ枠4
1の位置決め面44、45と、挿入穴301,302の
光軸方向位置決め面301h,302hとの距離をL2
としたとき、L2はL1よりも数十ミクロン程度長くな
るように設定している。このため、第2のラッチ部10
1f,102fが301b,302bに各々収まると、
係合部101,102は光軸方向にL2−L1だけ引き
伸ばされることになり、光軸方向の引っ張り応力が発生
する。
【0072】先に述べたように、カバー16が基台1に
対して光軸方向に移動可能であるので、係合部101,
102に引っ張り応力が発生すると、カバー16は右側
に引き付けられ、カバー16の裏面16aが基台1に設
けた位置決め面113,114に押し付けられる。する
と基台1も右側に押されるので、基台1の裏面1aが、
固定レンズ枠41の位置決め面44,45に押し付けら
れる。従って、カバー16及び基台1が固定レンズ枠4
1に対して、光軸方向に位置決めされることになる。
【0073】ここで、基台1に設けた位置決め面11
3,114、及び固定レンズ枠41に設けた位置決め面
44,45は、弾性変形する係合部101,102に最
も近い位置に配置している。従って引っ張り応力のため
に、カバー16や基台1が曲がったりせず、絞り羽根1
1,12,13がスムーズに回動できるという利点を有
している。
【0074】このようにして、固定レンズ枠41に絞り
装置18を取り付けた後、第1のガイド穴42にガイド
ポール22を差込み固定する。そして、第2のガイド穴
43にガイドポール23を差込み固定する。その後、ズ
ームレンズ群30を保持する可動レンズ枠31をガイド
ポール22,23に挿入し、図12,13に示したレン
ズ鏡筒の一部分についての組立てを完了する。
【0075】以上説明したように、実施の形態2による
絞り装置においては、係合部101,102を、第1の
挿入部であるところの開放溝111,112に挿入する
だけで、保持カバーであるところのカバー16を基台1
に取り付けることができる。このため従来例のように、
全開状態時の絞り羽根11,12,13よりも外側にネ
ジ17a,17bを配置する必要がなく、ネジ頭部の大
きさを含めて、基台1及びカバー16を小型化すること
が可能となり、絞り装置の小型化に有益である。更に、
ネジ17a,17bの部品が削減でき、コスト低減に効
果がある。
【0076】又、係合部101,102を第2の挿入部
であるところの挿入穴301,302に挿入するだけ
で、絞り装置18を固定レンズ枠41に取り付けること
ができる。しかもこの際、係合部101,102が弾性
変形して、カバー16及び基台1が固定レンズ枠41に
対して、光軸方向に位置決めできる。このため、従来例
のようにネジ21を用いた場合や、レンズ鏡筒取り付け
用の部材を別に設ける場合に比べて、基台1及びカバー
16を小型化することが可能となり、絞り装置の小型化
に有益である。更に、ネジ21の部品が削減でき、コス
ト低減に効果がある。
【0077】次に実施の形態2のレンズ鏡筒において
は、絞り装置18の貫通穴123,124に対応する位
置に、ガイドポール22を配置すると共に、絞り装置1
8のL字形カット部121,122のある側に、ガイド
ポール23を配置したので、ガイドポール22及び23
と光軸19との距離を小さくできる。特に、可動レンズ
枠31の案内軸受け部32,ホルダ34,ハーフナット
部35を絞り装置18のL字形カット部121,122
のある側に配置し、小型化した絞り装置18を最も有効
に利用する配置方法を採用したので、ガイドポール23
と光軸19との距離を小さくできるという特徴がある。
これによって、小型の可動レンズ枠31を使用すること
が可能となり、絞り装置18,可動レンズ枠31等を覆
うレンズ鏡筒全体のサイズも小さくできて、ビデオカメ
ラやスチルカメラの小型化に有益である。更に、小型の
可動レンズ枠31を使用するので、可動部の質量が低減
し、ズーム動作時の騒音や振動を低減する効果もある。
【0078】更に実施の形態のレンズ鏡筒の組立方法に
おいては、係合部101,102を第1の挿入部である
ところの開放溝111,112に挿入して、絞り装置1
8を組立てた後、係合部101,102を、第2の挿入
部であるところの挿入穴301,302に挿入して、絞
り装置18を固定レンズ枠41に取り付けているので、
従来例のように、ネジ21を締め付ける作業が不要にな
り、タクトタイムが減少して、組立てコストを低減でき
るという効果がある。
【0079】又、絞り装置18を固定レンズ枠41に取
り付け、第1のガイド穴42にガイドポール22を差込
み、第2のガイド穴43にガイドポール23を差込ん
で、ズームレンズ群30を保持する可動レンズ枠31を
ガイドポール22、23に挿入する。この一連の作業は
一方向からの挿入作業だけであるので、タクトタイムが
更に減少する。しかも自動組立て機の導入に好適な組立
方法であり、組立てコストを低減できるという効果があ
る。
【0080】
【発明の効果】以上のように請求項1,2記載の絞り装
置によれば、絞り羽根が駆動手段によって駆動され、開
口部の少なくとも一部を主遮光部が遮光する際に、開口
部の外周部と絞り羽根の主遮光部との間にできる未遮光
領域を、複数の絞り羽根間で相互に補って遮光する補助
遮光部を絞り羽根に設けているので、全開状態の時に全
絞り羽根が占める面積を小さくすることができ、絞り装
置を小型化することができるという有利な効果がある。
【0081】請求項3記載の絞り装置によれば、保持カ
バーに設けた係合部と、基台に設けた第1の挿入部とを
係合するだけで、絞り装置を組立てることができ、絞り
装置の小型化とコスト削減に効果がある。
【0082】請求項4記載のレンズ鏡筒によれば、請求
項1及び請求項2記載の絞り装置を用いているので、絞
り装置を小型化することができる。又空いたスペース
に、可動レンズ枠に設けた軸受け部やハーフナット部、
あるいは案内軸等を配置できるので、レンズ鏡筒全体の
サイズも小さくできて、ビデオカメラやスチルカメラの
小型化に有益である。
【0083】又請求項5のレンズ鏡筒によれば、係合部
をレンズ鏡筒に設けた第2の挿入部と係合するだけで、
係合部が弾性変形して、保持カバー及び基台をレンズ鏡
筒に対して光軸方向に位置決めできるので、絞り装置の
小型化しコストを削減できるという効果がある。
【0084】請求項6記載のレンズ鏡筒の組立方法によ
れば、第1の挿入部と係合部を係合させて、基台と保持
カバーの間に絞り羽根を挟持した状態で、係合部を第2
の挿入部に挿入して、絞り装置をレンズ鏡筒に対して固
定しているので、組立て作業が簡単かつ一方向から行
え、組立てコストを低減できるという有利な効果が得ら
れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態による絞り装置を示す分
解斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態による絞り装置を示す分
解斜視図である。
【図3】本発明の一実施の形態による絞り装置を示す正
面図である。
【図4】本発明の一実施の形態による絞り装置を示す正
面図である。
【図5】説明用の絞り羽根を示す平面図である。
【図6】説明用の絞り装置を示す平面図である。
【図7】本発明の一実施の形態による絞り羽根を示す平
面図である。
【図8】本発明の一実施の形態による絞り装置を示す正
面図である。
【図9】本発明の一実施の形態による絞り羽根を示す平
面図である。
【図10】本発明の一実施の形態による絞り装置を示す
分解断面図である。
【図11】本発明の一実施の形態による絞り装置を示す
断面図である。
【図12】本発明の一実施の形態によるレンズ鏡筒を示
す分解斜視図である。
【図13】本発明の一実施の形態によるレンズ鏡筒を示
す分解斜視図である。
【図14】本発明の一実施の形態によるレンズ鏡筒を示
す分解断面図である。
【図15】本発明の一実施の形態によるレンズ鏡筒を示
す分断面図である。
【図16】従来例の絞り装置を示す分解斜視図である。
【図17】従来例の絞り装置を示す正面図である。
【図18】従来例の絞り装置を示す正面図である。
【図19】従来例の絞り羽根を示す平面図である。
【図20】従来例のレンズ鏡筒を示す分解斜視図であ
る。
【符号の説明】
1 基台 2 ガルバノメータ部 3 メータ取り付け部 4 マグネットロータ 5 レバー 7 ねじりバネ 8 駆動ピン 9 回動リング 1 カム穴 11,12,13 絞り羽根 13c 主遮光部 11a,12a,13a 回動穴 14a,14b,14c 固定ピン 11b,12b,13b カム穴 15a,15b,15c 回動ピン 16 カバー 18 絞り装置 19 光軸 20 開口部 22,23 ガイドポール 30 ズームレンズ群 31 可動レンズ枠 32 案内軸受け部 33 周り止め部 34 ホルダ 35 ハーフナット部 40 固定レンズ群 41 固定レンズ枠 42 第1のガイド穴 43 第2のガイド穴 101、102 係合部 111,112 開放溝 121,122 L字形カット部 123,124 貫通穴 131,132 円弧状カット部 201 補助遮光部 202 第1の切欠き 203 第2の切欠き 301,302 挿入穴

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レンズ鏡筒の光軸を中心とした略円形の
    開口部を有する基台と、 前記開口部を遮光する主遮光部を有する複数の絞り羽根
    と、 前記基台との間に前記複数の絞り羽根を挟持する保持カ
    バーと、 前記絞り羽根を駆動して前記開口部の遮光面積を変化さ
    せる駆動手段とを備えた絞り装置において、 前記各絞り羽根は、前記開口部の少なくとも一部を前記
    主遮光部が遮光する際に、前記開口部の外周部と前記絞
    り羽根の前記主遮光部との間にできる未遮光領域を、前
    記複数の絞り羽根間で相互に補って遮光する補助遮光部
    を有することを特徴とする絞り装置。
  2. 【請求項2】 レンズ鏡筒の光軸を中心とした略円形の
    開口部を有する基台と、 光軸に対称に配置され、前記開口部を遮光するN枚の絞
    り羽根と、 前記基台との間にN枚の絞り羽根を回動自在に挟持する
    保持カバーと、 前記絞り羽根を駆動して前記開口部を遮光面積を変化さ
    せる駆動手段とを備えた絞り装置において、 前記各絞り羽根は、 前記開口部の360°/Nの角度分の開口を被う円弧状
    の主遮光部と、 前記開口部の少なくとも一部を前記主遮光部が遮光する
    際に、前記開口部の外周部と前記絞り羽根の前記主遮光
    部との間にできる未遮光領域を、前記複数の絞り羽根間
    で相互に補って遮光する補助遮光部と、を有することを
    特徴とする絞り装置。
  3. 【請求項3】 前記基台は第1の挿入部を有し、 前記保持カバーは前記第1の挿入部と係合する係合部を
    有し、 前記第1の挿入部と係合する際に前記係合部が弾性変形
    して、前記保持カバー及び前記基台を前記光軸方向に位
    置決めすることを特徴とする請求項1又は2記載の絞り
    装置。
  4. 【請求項4】 レンズを保持するレンズ枠と、 前記レンズ枠に保持されたレンズと光軸を一致させて取
    付けられた請求項1又は2のいずれか1項記載の絞り装
    置と、を具備することを特徴とするレンズ鏡筒。
  5. 【請求項5】 前記保持カバーの係合部が挿入される第
    2の挿入部を有し、レンズを保持するレンズ枠と、 前記レンズ枠に保持されたレンズと光軸を一致させて取
    付けられた請求項3記載の絞り装置と、を具備すること
    を特徴とするレンズ鏡筒。
  6. 【請求項6】 請求項5記載のレンズ鏡筒の組立方法で
    あって、 前記第1の挿入部と前記係合部を係合させて、前記基台
    と前記保持カバーの間に前記絞り羽根を挟持した状態
    で、前記係合部を前記第2の挿入部に挿入して、前記絞
    り装置を前記レンズ枠に対して固定することを特徴とす
    るレンズ鏡筒の組立方法。
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