JP2006178095A - カメラ用レンズバリア装置 - Google Patents

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Junichi Matsumoto
淳一 松本
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Abstract

【課題】相互に重合されず、同一平面上で、相反する方向へ回転させられる二つのバリア板を、効果的に開閉させることのできるカメラ用レンズバリア装置を提供すること。
【解決手段】直進筒14の壁14bに回転可能に取り付けられている2枚のバリア板16,17は、回転軸と直交する方向へも若干移動できるようにして取り付けられている。また、バネ21,22の付勢力は、それらのバリア板16,17を、異なる方向へ回転させ得るようにして掛けられている。更に、バリア板16,17の閉じ方向の端縁は曲線状となっていて、それらの端面が、閉鎖状態においては全面的に接触し得るようになっている。
【選択図】 図4

Description

本発明は、カメラの不使用状態において、撮影レンズを保護するために、その前面をバリア板で覆うようにしたレンズバリア装置に関する。
撮影レンズの前面が汚れたり傷付いたりしないようにするために、カメラの不使用状態においては、撮影レンズの前面をバリア板によって覆っており、カメラの使用に際しては、そのバリア板を撮影レンズの前面から退去させるようにしたレンズバリア装置が知られている。そして、そのようなレンズバリア装置の中には、カメラボディーに直接設置することもできるが、特に、カメラボディーから被写体側に突き出たレンズ鏡胴内に設置するのに適したものとして、下記の特許文献1に記載されているような、二つのバリア板を相反する方向へ回転させるように構成したものが知られている。
ところで、最近のカメラは、デジタルカメラの普及に伴って、光軸方向の寸法が一段と小さく(以下、薄型化という)なってきている。ところが、レンズバリア装置の場合には、少なくともバリア板を、撮影レンズの前面で、撮影光路の開閉作動を行えるように配置することから、カメラの薄型化の観点からすると、そのようなバリア板を配置すること自体問題である。このことは、撮影レンズを備えているレンズ筒(鏡胴)が、カメラボディーに固定されているカメラの場合はもちろんのこと、そのレンズ筒がカメラボディーから被写体側に進退するカメラの場合にも問題であり、特に、沈胴式カメラの場合には、その分だけ格納スペースを大きくしなければならなくなるので、極めて問題である。
そのため、レンズバリア装置を備える場合には、たとえ僅かであっても、レンズバリア装置自体の薄型化を図る必要が生じてくる。しかしながら、特許文献1に記載されている構成の場合には、二つのバリア板は、それらの根元部を重ねている構成であるから、それらを格納する光軸方向のスペースは、最小限でも、バリア板2枚の厚さ分を考慮しなければならない。そこで、このような問題点を解決するためには、下記の特許文献2に記載されているレンズバリア装置の構成が参考になる。即ち、そのレンズバリア装置の場合には、撮影光路用の開口部の中央部を覆う2枚のバリア板(駆動羽根6,7)と、周辺部を覆う2枚のバリア板(従動羽根8,9)とを設けた構成になっているが、開口部の中央部を覆っている2枚のバリア板(駆動羽根6,7)を大きくして、それらのバリア板だけで開口部全体を覆うようにすれば、上記のスペースとしては、バリア板1枚の厚さ分だけを考慮すればよいことになる。本発明は、そのような構成をしたカメラ用バリア装置に関するものである。
実開昭61−89825号公報 実開平5−27731号公報
ところで、バリア装置の場合には、撮影レンズの前面でカメラの基体に形成されている開口部を閉じたとき、二つのバリア板の間に隙間のないことが好ましい。隙間があると、そこから埃などが進入し、撮影レンズの前面が汚れてしまうし、見た目にもおかしいからである。そのような観点から特許文献1に記載のバリア装置を見てみると、二つのバリア板は、基体に取り付けられている根元部を重ね合わせているため、同一平面上で作動する構成とはなっていない。そのため、閉じ状態において、両者の間に隙間が生じないようにするためには、殆ど同じ構成をしているシャッタ装置の場合と同様に、開口部を覆っている遮蔽部の一部を重ね合わせる構成にすればよいことになる。
それに対して、特許文献2に記載されたバリア装置の場合には、二つのバリア板(駆動羽根6,7)が全く重なり合うことがなく、同一平面上で開閉作動を行うため、開口部を閉じた状態で両者の間に隙間がないようにするためには、それらのバリア板の閉じ方向の端面を接触させるようにする必要がある。ところが、実際には、二つのバリア板の加工公差や基体の取付部の加工公差などがあるために、そのように製作するのは極めて難しい。そこで、その点を補う一つの方法として、バリア板の閉じ方向の端面を、バリア板の平面に対して直角な平面とはせず、特許文献2の図6,図9,図10に記載されているように、凹凸面にしたり、斜面にしたりすることが考えられる。しかしながら、そのようにした場合には、見た目の問題は略解決できると言えるが、それらの凹凸面間や斜面間の隙間の問題を解決できるとは言いがたい。しかも、薄いバリア板の端面をそのような形状に加工するとなると、コストアップになってしまうということがある。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、根元部と遮蔽部とが同一面となるように形成されている二つのバリア板が、それらの根元部の一部を基体上の近接位置に個々に取り付けられていて、バリア開閉部材によって、同一平面上で、相反する方向へ回転させられることにより、それらの遮蔽部が撮影レンズの前面で光路を開閉するようにしたレンズバリア装置において、低コストで製作でき、しかも、閉じ状態においては、それらの遮蔽部における閉じ方向の端面が、好適に接触するようにしたカメラ用レンズバリア装置を提供することである。
上記の目的を達成するために、本発明のカメラ用レンズバリア装置は、撮影光路用の開口部を有している基体と、根元部と遮蔽部とが同一面となる平板状に形成されていて該根元部には係接部を有しており該根元部の一部で前記基体に対して回転可能に取り付けられ第1ばねによって一方方向へ回転するように付勢されている第1バリア板と、根元部と遮蔽部とが同一面となる平板状に形成されていて該根元部には係接部を有しており前記第1バリア板と重ならないようにして該根元部の一部を前記第1バリア板の取付部の近傍位置で前記基体に対して回転可能に取り付けられ第2ばねによって前記第1バリア板とは反対方向へ回転するように付勢されている第2バリア板と、前記二つの係接部に係接する係接手段を有していて前記基体に対して往復作動可能に取り付けられており一方へ作動したときには該係接手段が前記二つの係接部を押し前記二つのばねの付勢力に抗して前記二つのバリア板に前記開口部の開き作動を行わせ他方へ作動したときには前記二つのばねの付勢力によって前記二つの係接部が該係接手段に追従し前記二つのバリア板が前記開口部の閉じ作動をし得るようにするバリア開閉部材と、を備えており、前記二つの遮光部は、前記開口部を閉じる方向の端縁が、相互に凹凸が逆となるように曲線状に形成されており、前記二つのバリア板の少なくとも一方は、前記基板に対してその回転軸と直交する方向へは若干移動し得るようにして取り付けられているようにする。
また、前記第2ばねの付勢力よりも前記第1ばねの付勢力の方が大きく、前記開口部の閉鎖状態においては、前記第1バリア板が、その閉じる方向の端面を前記基体に設けられたストッパに当接して停止しており、前記第2バリア板が、その遮蔽部の閉じる方向の端面を前記第1バリア板の遮蔽部の閉じる方向の端面に当接させて停止しているようにすると、二つのバリア板の閉じ位置が常に一定となり、安定した状態が得られる。
また、前記第1ばねが、その一端を前記第1バリア板に掛け、他端を前記バリア開閉部材に掛けており、前記第2ばねが、その一端を前記第2バリア板に掛け、他端を前記バリア開閉部材に掛けていて、前記二つのバリア板は、前記係接手段が前記二つの係接部を押すことによって前記開口部の開き作動を行い、前記バリア開閉部材が前記二つのばねの前記他端を押すことによって前記開口部の閉じ作動を行うようにすると、開き作動時において、バリア開閉部材を作動させる駆動力に対し、二つのばねの付勢力が僅かな負荷としてしか作用しない構成になる。更に、その場合、前記第1ばねの前記他端と前記第2ばねの前記他端とが、前記バリア開閉部材の前記係接手段に掛けられているようにすると、バリア開閉部材の加工が簡単になって、一層好適な構成になる。
本発明は、二つのバリア板を重ね合わせずに、同一平面上で相反する方向へ往復回転させるようにした薄型のバリア装置において、それらのバリア板の閉じ方向の端面が、バリア板の板面に対して略直角の平面に形成されていても、閉じ状態においては、それらの端面が好適に接触し得るという利点がある。
本発明の実施の形態を、図示した実施例によって説明する。尚、実施例は本発明をズームレンズを備えた沈胴式のデジタルカメラに適用したものであって、図1はカメラの不使用状態(撮影レンズの沈胴状態)を示した断面図であり、図2は撮影レンズを図1の位置からカメラの使用可能な初期位置へ繰り出した状態を示した断面図である。また、図3は図1の状態において直進筒内を撮像素子側から見た平面図であり、図4は図1の状態において直進筒内のバリア機構だけを撮像装置側から見た平面図であり、図5は図2の状態において直進筒内のバリア機構だけを撮像装置側から見た平面図であり、図6は図5からバリア室のカバー板を取り除いて示した平面図である。更に、図7は図3におけるA−A線断面図であり、図8は図3におけるB−B線断面図であり、図9は図3におけるC−C線断面図である。そして、図10は直進筒に対する第1レンズ群の移動状態を示した断面図であって、図10(a)は第1レンズ群が直進筒に対して右限位置にある状態を示したものであり、図10(b)は左限位置にある状態を示したものである。
先ず、本実施例の構成のうち、レンズ繰り出し機構の構成を、主に図1及び図2を用いて説明する。ベース部材1は、適宜な手段によって図示していないカメラボディーに取り付けられており、少なくとも一つのねじ2によって撮像装置3を取り付けている。周知のように、この撮像装置3は、CCDなどの固体撮像素子を備えていて、通常は、その被写体側に、ローパスフィルタなどのフィルタ板や、透明なカバー板を配置している。また、ベース部材1には、被写体側の面に、柱状をしたカム部材4が取り付けられているが、このカム部材4は、断面が略四角形をしていて、その先端上方部にはカム面が直線状の斜面として形成されている。
このベース部材1の被写体側の面には、図示していない手段によって固定筒5が一体的に取り付けられている。この固定筒5の内周面には、その形状と配置が明示されていないが、周知のように、等間隔の角度位置に、後述の回転筒8が回転しながら光軸方向へも移動することを可能にする三つのカム溝5aが形成されている。図1は、それらのうちの二つのカム溝5aが分かるように断面して示したものである。また、固定筒5の内周面には、そのような回転筒8の移動に伴って後述のキー筒9が光軸方向へ直線的に移動することを可能にするために、光軸と平行な二つのキー溝5bが、カム溝5aとは干渉しないようにして形成されている。
図2に示されている固定筒5は、その上方の部位を、図1とは異なる角度位置で断面して示したものであるが、この固定筒5には、二つの張出部5c,5dが形成されている。そして、それらの張出部5c,5dに設けられた孔には、モータ取付板6に立設された軸6aが嵌装されていて、歯車7が、その軸6aに回転可能に取り付けられ、その一部を固定筒5の内部に臨ませている。尚、モータ取付板6は、図示していないステップモータや減速歯車を取り付けていて、ベース部材1とは別に、カメラボディーに取り付けられている。
固定筒5の内側には回転筒8が配置されている。この回転筒8は、図2に示されているように、撮像装置3側の端部に、所定の角度範囲で形成された部分歯車8aを有していて、それを上記の歯車7に噛合させている。また、この回転筒8の外周面には、等間隔の角度位置に三つのピン8bが設けられていて、それらは固定筒5に設けられた上記のカム溝5aに夫々嵌合している。そのため、この回転筒8は、光軸を中心にして回転すると、カム溝5aによって光軸方向にも移動させられるようになっている。更に、回転筒8の内周面には、カム形状の異なる2種類のカム溝8c,8d(8dについては図2参照)が三つずつ形成されているが、それらは、等間隔の角度位置に交互に配置されている。そして、それのうち、一方の形状をしたカム溝8cは、後述の第2レンズ枠10を光軸方向へ移動させるためのものであり、他方の形状をしたカム溝8dは、後述の直進筒14を光軸方向へ移動させるためのものである。
回転筒8の内側には、キー筒9が配置されていて、回転筒8が回転すると、光軸方向に直線的に移動するように構成されている。即ち、このキー筒9の被写体側の端部には、所定の角度位置に可撓性を有する複数のフック部9aが形成されていて、それらを、回転筒8の内周に環状に形成した溝8eに嵌合させている。また、このキー筒9には、撮像装置3側に二つのキー9bが形成されていて、図1に示すように、それらを上記の二つのキー溝5bに嵌合させている。従って、このキー筒9は、回転筒8が歯車7によって回転されながらカム溝5aによって光軸方向へ移動するとき、固定筒5のキー溝5bに案内されて、光軸方向へだけ直線的に移動させられることになる。更に、このキー筒9には、光軸と平行になるようにして、2種類のキー溝9c,9dが、等間隔の角度位置に三つずつ交互に形成されている。そのうち、キー溝9cは、後述する第2レンズ枠10の腕部10aの先端部を挿入させていて、その先端部に設けられたピン10bを、回転筒8の上記のカム溝8cに嵌合させ得るようにしている。また、キー溝9dは、後述の直進筒14のピン14aを貫通させ、回転筒8の上記のカム溝8dに嵌合させ得るようにしている。
そこで、そのような第2レンズ枠10と直進筒14のうち、先ず、第2レンズ枠10と、それに取り付けられている部材について説明する。この第2レンズ枠10は、放射状に三つの腕部10aを有していて、その先端の折曲部を上記のようにキー筒9のキー溝9cに挿入し、それらの先端部に設けたピン10bを回転筒8のカム溝8cに嵌合させている。そのため、この第2レンズ枠10は、回転筒8が回転すると、ピン10bがカム溝8cに案内されて移動するが、キー筒9のキー溝9cにも案内されるため、回転筒8のようには回転せず、光軸方向へだけ直線的に移動する。また、その移動量は、カム溝8cの形状によって、回転筒8が光軸方向へ移動する量とは異なるし、設計によっては、方向も異なる場合がある。
この第2レンズ枠10には、シャッタ装置が取り付けられている。図1及び図2においてブロックで示したように、第2レンズ枠10の被写体側の面には、モータ等の駆動手段11が取り付けられている。また、撮像装置3側の面には、所定の間隔を空けてシャッタ用カバー板12が取り付けられており、それらの間に図示していないシャッタ羽根を配置し、駆動手段11によって開閉作動をさせられるようになっている。そのため、この第2レンズ枠10は、シャッタ装置という観点からはシャッタ地板であるともいえる。但し、このように構成せず、シャッタ装置をユニットとして構成し、そのユニットを第2レンズ枠10に取り付けるようにしても構わない。また、絞り装置も必要とする場合には、絞り装置用の駆動手段も第2レンズ枠10の被写体側に取り付け、第2レンズ枠10とシャッタ用カバー板12との間には、シャッタ羽根のほかに絞り羽根も配置すればよいことになる。そして、この第2レンズ枠10は、光軸を中心にして形成されている円筒部に、第2レンズ群13を取り付けている。
次に、本発明の基体に相当する直進筒14と、それに組み付けられている部材を説明する。先ず、直進筒14の外周には、等間隔の角度位置に三つのピン14a(図2において一つだけ図示してある)が設けられており、上記したように、それらは、キー筒9のキー溝9dに挿入され、先端を回転筒8のカム溝8dに嵌合させている。そのため、この直進筒14は、回転筒8が回転すると、ピン14aがカム溝8dに案内されて移動するが、キー筒9のキー溝9dにも案内されることになるため、回転筒8のようには回転せず、光軸方向へだけ直線的に移動する。また、その移動量は、カム溝8dの形状によって、回転筒8の光軸方向の移動量とは異なるし、設計によっては方向も異なる場合がある。そして、この直進筒14は、外面に周知のような化粧部材15が取り付けられていて、被写体側に形成されている壁14bには、撮影光路用の開口部14cが形成されている。
直進筒14の内部には、レンズバリア装置と、第1レンズ群も含めた焦点調節装置とが配置されている。そこで、先ず、それらのうちレンズバリア装置の構成部材と、それらの取り付け構成を、主に図3〜図6を用いて説明する。図6から分かるように、直進筒14の壁14bの内面には、三つの軸14d,14e,14fが設けられているほかに、三つの受け部兼ストッパ14g,14h,14iと、二つの取付部14j,14kと、三つの軸受け孔14m,14n,14pと、壁14bを肉薄にした一つの窪み部14qと、一つのピン14rとが設けられていて、取付部14j,14kの先端面には、ねじ穴が形成されている。また、直進筒14の筒部の内面には、図6に示されているように、壁14bとの間に空間を形成するようにして、引っ掛け部14sが設けられており、光軸と平行な一つのキー溝14tも形成されているほか、図6の上方位置には、図8に示されているような係止部14uが設けられている。
図6から分かるように、バリア板16,17は、根元部と遮蔽部とから成っていて、根元部の一部に形成された孔を上記の軸14d,14eに回転可能に嵌合させている。そして、本実施例の場合には、それらの嵌合は通常よりも緩くなっていて、バリア板16,17は、単に回転ができるだけではなく、それらの軸14d,14eと直交する方向(径方向)へも若干移動し得るようになっている。但し、後述する説明からも分かるように、いずれか一方の嵌合だけが緩くなっているだけであっても、本発明の効果を奏することは可能である。また、バリア板16,17の根元部には、係接部16a,17aと、折り曲げ状のバネ掛け部16b,17bが形成されている。そして、図6は、バリア板16,17の遮蔽部が、開口部14cを全開にしている状態を示したものであるが、このとき、バリア板16,17は、上記の受け部兼ストッパ14g,14hに接触している。尚、本実施例においては、このように、直進筒14の壁14bに軸14d,14eを設け、バリア板16,17に孔を形成しているが、バリア板16,17の根元部の方に軸部を設け、壁14bに形成された孔に対し回転可能に嵌合させるようにしても構わない。
また、図6から分かるように、本実施例のバリア板16,17は、異なる平面形状をしており、それらの閉じ方向の端縁が、相互に凹凸が逆となるような曲線状となっていて、それらの接触する端面(厚さ面)は、板面に対して略直角な平面に形成されていて、開口部14cを閉鎖したとき、それらの端縁の端面(厚さ面)が接触するようになっている。そして、開口部14cを閉鎖するとき、バリア板17は、その先端部の端面を、上記の受け部兼ストッパ14iに当接させて、時計方向への回転を停止させられるが、バリア板16の方は、その端縁の端面を、バリア板17の端縁の端面に当接させて、反時計方向への回転を停止させられるようになっている。そのため、この図6と、閉鎖状態を示している図4とを対比してみれば分かるように、本実施例のバリア板16,17は、どのような作動位置であっても、相互に重なることがなく、その分だけ、後述するバリア室の光軸方向の寸法を全面的に小さくすることが可能になっている。
このような2枚のバリア板16,17は、直進筒14の壁14bとカバー板18との間に構成されたバリア室に配置されている。そこで、次に、カバー板18の構成と、そのカバー板18とバリア板16,17とに関係する部材の構成を説明する。図4及び図5に示すように、カバー板18は、上記の受け部兼ストッパ14g,14h,14iに、撮像装置3側(図4,図5の手前側)から接触して、壁14b側への移動を阻止され、壁14bとの間にバリア室を構成している。また、カバー板18には、二つのバネ軸部材19,20が、かしめ加工によって固定されており、被写体側に形成されている穴を上記の軸14d,14eの先端に嵌合させ、それらの軸14d,14eの先端によっても、壁14b側への移動を阻止されるようになっている(図7,図9参照)。そして、それらのバネ軸部材19,20には、バネ21,22が巻回されていて、それらの一端を各々バリア板16,17の上記のバネ掛け部16b,17bに掛け、それらの他端を後述するバリア開閉部材23のピン23aに掛けているが、本実施例の場合には、バネ22の付勢力の方がバネ21の付勢力よりも大きくなっている。
また、このカバー板18は、薄い部材であって、それ自体可撓性を有していることから、図4,図5の上方位置に形成した折曲部18aを、図8に示すように、係止部14uに掛け、撮像装置3側への移動が阻止されるようになっている。尚、このような組み付け方だけでは、図4,図5においてカバー板18の下方部が撮像装置3側に浮き上がってしまうことになるが、本実施例の場合には、後述する手段によって、そのようなことが生じないように、その下方部を支え、カバー板18が壁14bと略平行になるようにしている。このように、本実施例のバリア装置は、直進筒14にバリア板16,17とカバー板18を取り付けるに際し、専用の固定部材を一つも用いていないのが特徴である。
このようにして組み付けられているカバー板18は、図4,図5に示すように、略中央部に撮影光路用の開口部18bを有していて、その上方位置には、直進筒14の壁14bに形成されている上記の窪み部14qよりも一回り大きな形状の長孔18cが形成されている。また、開口部18bを挟む位置に形成された二つの孔18d,18eの縁からは、撮像装置3側に起立して先端を鉤状に曲げた形状のフック部18f,18g(フック部18gの側面形状は図8参照)が形成されている。更に、カバー板18には、軸14fを貫通させる孔(符号なし)と、バネ掛け用の孔18hと、バリア板17のバネ掛け部17bを貫通させる長孔18iが形成されているほか、折曲部18jとバネ掛け部18kが形成されている。
上記の軸14fには、カバー板18の撮像装置3側において、バリア開閉部材23が回転可能に取り付けられ、止め部材24によって抜け止めされている(図8の断面図も参照)。また、バリア開閉部材23の軸部の外周にはバネ25が巻回されており、その一端を上記のカバー板18の孔18hに掛け、他端をバリア開閉部材23のバネ掛け部23cに掛けることにより、バリア開閉部材23を時計方向へ回転させるように付勢している。更に、このバリア開閉部材23は、カバー板18側に、断面が略楕円形をしたピン23aを有していて、撮像装置3側に、断面が円形をしたピン23bを有している。それらのうち、ピン23aは、長孔18cを貫通して、バリア室内でバリア板16,17の係接部16a,17aに接触可能となっており、その先端を上記の窪み部14qに挿入している。また、ピン23bの方は、先端部が、上記のベース部材1に取り付けられているカム部材4に接離し得るようになっている。
本実施例においては、このようなカバー板18と接するようにして、遮蔽筒26を配置している。この遮蔽筒26は、カバー板18の開口部18bよりも直径が大きく、軸方向の長さが直進筒14よりも短い筒状をしていて、図3に示すように、外周面から放射状に形成された二つの突起部26a,26bを、上記のフック部18f,18gに挿入し係合させている(フック部18gと突起部26bとの係合関係は図8にも示されている)。そのため、フック部18f,18gは、遮蔽筒26が光軸に沿った方向へ移動しないようにするための規制部であるということもいえる。それに対して、カバー板18との関係だけでいうと、遮蔽筒26は、光軸と直交する方向への移動は可能になっている。
次に、主に図3と図7〜図9を用い、焦点調節装置に関係する構成部材と、それらの組み付け構成を説明する。センサ27を取り付けたセンサ取付板28は、その一端を、図6で説明した引っ掛け部14sに掛け、他端を、上記の取付部14jに対し、ネジ29によって取り付けている。また、その取付部14jともう一つの取付部14kには、上記のネジ29ともう一つのネジ30によって、モータ取付板31を取り付けているが、その取り付け状態においては、そこに形成された孔に、上記のピン14rを嵌合させている。そして、このモータ取付板31が、上記の折曲部18jと接触し(図8参照)、上記したようなカバー板18の浮き上がりを阻止している。また、図9から分かるように、センサ取付板28も、カバー板18の浮き上がりを阻止し得るようになっている。
モータ取付板31には、ステップモータ32が取り付けられており、その出力歯車33は、直進筒14の壁14bとモータ取付板31との間に配置されている。また、図3にだけ示されている歯車34も壁14bとモータ取付板31との間に配置されていて、回転軸を上記の軸受け孔14mとモータ取付板31に軸受けされ、上記の出力歯車33に噛合している。また、直進筒14内には第1レンズ枠35が配置されている。この第1レンズ枠35は、円筒部35aに第1レンズ群36を保持させており、その円筒部35aを上記の遮蔽筒26内に嵌合させている。そして、第1レンズ群36は、その一部が円筒部35aから被写体側に突き出ていて、その前面には略長方形をした開口を有するマスク37が取り付けられている。
図3に示されているように、第1レンズ枠35には、放射状に腕部35b,遮光部35c,張出部35dが設けられている。そのうち、腕部35bは、その先端が上記のキー溝14tに嵌合しており、上記のステップモータ32が回転したとき、後述のように伝達機構を介して、直進筒14に対し、光軸方向に移動し得るようになっている。また、遮光部35cは、上記のセンサ27に設けられたスリットに出入り可能となっていて、直進筒14を固定筒5内に沈胴させるに際し、センサ27が、直進筒14と第1レンズ枠35との相対位置を検出し得るようにしているが、その理由は後述する。
また、第1レンズ枠35の張出部35dは、複雑な形状をしている。先ず、図8に示されているように、直進筒14の壁14bに形成された上記の孔14nには、比較的長い部材である案内ピン38の一端が圧入されている。他方、張出部35dには、光軸に沿った方向に所定の間隔を有して二つの折曲部35e,35fが設けられていて、それらに形成された孔を、案内ピン38に嵌合させている。また、折曲部35eの近傍位置には、バネ掛け部35gが設けられていて、上記のカバー板18との間にスプリング39を掛けているが、このスプリング39は、常に第1レンズ枠35を被写体側へ付勢することによって、後述のリードスクリュー機構によって移動された第1レンズ枠35の位置を安定化させるためのものであり、俗にガタ寄せばねなどといわれているものである。
更に、張出部35dには、図7から分かるように、軸方向の一端に壁を有した円筒部35hが設けられていて、その壁には円形の孔35iが形成されている。また、その円筒部35hの近傍部には、ナット部材40の一部を挿入させるための被挿入部35jが形成されている。そして、そのナット部材40は、金属製であって、平面形状が円形部と方形部とからなる鍵穴状をしており、その円形部の中央に設けた円形孔の内周には雌ねじを形成していて、方形部だけを被挿入部35jに対して着脱可能に挿入するようになっている。他方、被挿入部35jの方は、図7の下方が上記の方形部の挿入口になっていて、明示されていないが、ナット部材40の挿入された状態では、ナット部材40が、図7の紙面に垂直な方向へは実質的に動けない形状になっている。また、第1レンズ枠35が合成樹脂製であることから、図3及び図7に示されているような壁35kを形成するために孔35mが形成されているが、後述のリードスクリュー41と螺合させた図7の状態では、ナット部材40が図7の左右方向へ殆ど動けないようになっている。
本実施例のリードスクリュー41は、金属製であって、図7に示されているように、一端に軸部41aを有し、他端にはスリワリ41bを有していて、略中央部には雄ねじ41cを形成しているが、その雄ねじ41cの形成部からスリワリ41bを形成した端部までは、円柱部41dとなっている。また、このリードスクリュー41は、雄ねじ41cの形成部から軸部41aの間に、圧入によって、歯車42を取り付けているが、この歯車42は、直進筒14の壁14bとモータ取付板31との間に配置されていて、図3から分かるように、上記の歯車34に噛合している。そして、このリードスクリュー41は、図7の状態においては、軸部41aを壁14bに設けられた孔14pに回転可能に嵌合させ、円柱部41dを第1レンズ枠35の円筒部35hに設けられた孔35iに、第1レンズ枠が光軸方向へ摺動可能に嵌合させている。
ここで、第1レンズ枠35とリードスクリュー41の組み付け方を説明する。これまでの説明からも理解されるように、第1レンズ枠35とリードスクリュー41を組み付ける前の組立状態は、図4及び図5に示された状態において、直進筒14の軸受け孔14nに案内ピン38の一端を圧入した状態である。その状態で、先ず、リードスクリュー41を一時的に組み付ける。その順序は、予め歯車42を取り付けておいたリードスクリュー41の軸部41aを直進筒14の孔14pに嵌合させておいてから、モータ取付板31の孔31aをリードスクリュー41のスリワリ41b側から嵌合させ、そのモータ取付板31をネジ29,30によって直進筒14に取り付ける。そのため、その場合におけるリードスクリュー41は、歯車42が歯車34に噛合していて、且つモータ取付板31によって抜け止めされているとはいえ、極めて不安定な状態になっていて、壁14bに対して垂直な姿勢を確実には保ちにくい状態になっている。
このような状態にしておいてから、第1レンズ枠35を組み付けることになるが、その場合には、ナット部材40の方形部を被挿入部35jに挿入しておき、そのナット部材40が脱落しないように注意をしながら、腕部35bの先端と直進筒14のキー溝14tとの位置合わせと、張出部35dの孔と案内ピン38との位置合わせと、ナット部材40の孔とリードスクリュー41のスリワリ41b側の端部との位置合わせを行って、第1レンズ枠35を直進筒14の壁14b側へ移動させていく。そのため、ナット部材40の雌ねじ形成孔はリードスクリュー41の円柱部41dに嵌まるが、その直後には、第1レンズ枠35の円筒部35hがリードスクリュー41の円柱部41dに挿入されることになるので、それ以後は、ナット部材40の脱落に気を使う必要はなくなる。
その状態で、第1レンズ枠35をなおも移動させてゆき、孔35iをリードスクリュー41の円柱部41dに嵌合させると、スリワリ41bの形成面が孔35iの反対側に突き出た直後に、ナット部材40の雌ねじがリードスクリュー41の雄ねじに当接するため、第1レンズ枠35は、そのままではそれ以上直進させることができなくなる。他方、その段階では、第1レンズ群36の取付部である第1レンズ枠35の円筒部35aは、未だ遮蔽筒26に嵌合しておらず、その直前位置に達している。そして、その後は、マイナスドライバーの先端をスリワリ41bに挿入して回転させると、上記の雌ねじと雄ねじが螺合し、第1レンズ枠35の直進が可能になる。
ところで、既に説明したように、本実施例は、遮蔽筒26を、第1レンズ枠35の円筒部35aに嵌合させるが、その遮蔽筒26は、カバー板18と一体的にはなっていない。即ち、カバー板18は、専用の固定部材を用いていないとはいえ、直進筒14に対しては相対的に変位しないように取り付けられているため、直進筒14に対して一体的に取り付けられているということができる。しかしながら、遮蔽筒26は、カバー板18に一体的に取り付けられておらず、光軸に沿った方向への移動は制限されているが、光軸と直交する方向へは、どちらの方向へも若干移動することが可能になっている。そのため、上記のように、リードスクリュー41を回転させて第1レンズ枠35を組み付ける段階では、遮蔽筒26を、その中心位置が円筒部35aの中心位置となるように位置調整しながら行うことになる。そして、遮蔽筒26は、円筒部35aを嵌合させたことによって、光軸と直交する方向への移動も制限されることになる。
このことからも分かるように、本実施例の場合には、遮蔽筒26を、直接的にも間接的にも、直進筒14とは一体的に構成していない。しかしながら、もし一体化した場合には、その一体化された構成部材は、遮蔽筒部の配置位置や形状を、他の各部の形状寸法との関係を考慮しながら製作しなければならなくなるため、その構成部材の全体を高精度に製作することが要求され、極めてコスト高になってしまう。ところが、本実施例の場合には、部品点数は一つ増えることになるが、遮蔽筒26と円筒部35aとの嵌合公差が高精度に得られてさえいれば、双方を好適に組み付けることが可能となるので、全体としてのコストは抑えられる。更に、このような構成は、第1レンズ枠35自体の外形形状のばらつきによる影響や、腕部35bの先端と直進筒14のキー溝14tとの連結関係,張出部35dの孔と案内ピン38との連結関係などの影響によって、直進筒14内における円筒部35aの配置位置が、設計基準どおりに得られないときにも、円筒部35aのそれぞれの位置に対応させて、遮蔽筒26と円筒部35aを好適に嵌合させることを可能にしている。
また、このようにして、第1レンズ枠35の組み付けられた状態においては、リードスクリュー41の姿勢も安定したものになっている。即ち、上記したように、第1レンズ枠35を組み付ける前の段階では、リードスクリュー41は、その軸部41aと孔14pとの嵌合部を支点にして、若干ぐらつく可能性のある状態になっていた。ところが、第1レンズ枠35を組み付けた状態では、円柱部41dが円筒部35hの孔35iに軸受けされた状態になるため、極めて安定した配置状態を維持できるようになっている。また、通常のリードスクリューの場合は、少なくとも2箇所を固定部材によって支持する構成になっているが、本実施例の場合には、そのような固定部材に相当する直進筒14に対し、一箇所を支持されているだけであり、もう一箇所は直進筒14に対して可動な第1レンズ枠35に軸受けされているため、リードスクリュー41と第1レンズ枠35との相対的な組み付け作業が極めて容易であり、しかも、両者間の安定した機能が確保できるという特徴がある。従って、コスト上でも極めて有利となっている。
次に、本実施例の作動を説明する。図1,図3,図4は、カメラの不使用状態を示したものであって、第1レンズ群36と第2レンズ群13とは、図1に示されているように、カメラボディーに固定された固定筒5内に収容されており、所謂沈胴状態となっている。このとき、バリア開閉部材23は、カム部材4のカム面(斜面)によってピン23bを押され、図4に示すように、バネ25の付勢力に抗して反時計方向へ回転させられており、そのピン23bが光軸に一番遠い状態となっている。そのため、バリア板17は、一端をピン23aに押されているバネ22の付勢力によって時計方向へ回転させられ、その先端部を受け部兼ストッパ14iに当接して停止させられている。また、バリア板16は、一端をピン23aによって押されているバネ21の付勢力によって反時計方向へ回転させられ、その曲線状の端縁の端面を、バリア板17の曲線状の端縁の端面に当接させて停止させられている。そして、このとき、バリア板16,17の係接部16a,17aは、バリア開閉部材23のピン23aに接触していない。
カメラを使用するに際して電源をオンにすると、図示していないステップモータが回転して、固定筒5に取り付けられている歯車7(図2参照)を回転させる。そのため、回転筒8は、回転しながら被写体側にも直進させられるが、キー筒9,第2レンズ枠10,直進筒14は、回転せずに被写体側に直進させられ、第1レンズ群36と第2レンズ群13を繰り出していく。また、このとき、回転筒8とキー筒9とは同じ速度で被写体側へ移動するが、第2レンズ枠10は全体としてはそれらよりも速く、さらに直進筒14は全体として第2レンズ枠10よりも速く移動し、最終的には、図2に示すように、第1レンズ群36と第2レンズ群13の間隔が大きくなる。
他方、直進筒14が被写体側へ移動していくため、バリア開閉部材23のピン23bがカム部材4から離れていく。そのとき、バリア開閉部材23は、バネ25によって図4において時計方向へ回転するように付勢されているため、その回転によってピン23bは、その先端がカム部材4のカム面(斜面)を辿って光軸に近づいていく。そのため、バリア開閉部材23に設けられたもう一つのピン23aは、バリア板16,17に掛けられた夫々のバネ21,22の緊張を緩めてゆき、やがて、係接部16a,17aに接触すると、その後はそれらの緊張を緩めることなく、係接部16a,17aを押し下げてゆき、一方のバリア板16を時計方向へ回転させ、他方のバリア板17を反時計方向へ回転させていく。そして、開口部14cを全開にした後、バリア板16は受け部兼ストッパ14gに当接して停止し、バリア板17は受け部兼ストッパ14hに当接して停止する。図5及び図6は、そのようにして停止させられている状態を示したものである。そして、その直後には、図示していないステップモータが停止して、全ての部材の作動が停止する。
このようにして、繰り出し作動の終了した状態が、図2に示された初期状態(撮影待機状態)であり、本実施例の場合には、この初期状態のとき、撮影レンズ(第1レンズ群36,第2レンズ群13)は無限遠での撮影可能状態となっている。そして、撮影を行うに際して、ズーミングを行う場合には、撮影レンズと連動して作動させられるズームファインダを覗きながら、上記の図示していないステップモータを正・逆転させ、固定筒5と回転筒8に形成されているカム溝5a,8c,8dの形状により、直進筒14と第2レンズ枠10とを光軸方向に同時に移動させ、第1レンズ群36と第2レンズ群13との相対位置関係を変えるようにする。
また、本実施例の場合には、焦点調節を行うとき、ステップモータ32を回転させて、直進筒14に対する第1レンズ群36の位置を変えるようにしており、その結果として第1レンズ群36と第2レンズ群13との相対位置が変わるようになっている。即ち、ステップモータ32が回転すると、その回転は、出力歯車33から歯車34を介して歯車42に伝達され、リードスクリュー41を回転させるため、そのリードスクリュー41と螺合したナット部材40をかかえている第1レンズ枠35が、リードスクリュー41の回転方向に対応して、光軸に沿ったいずれかの方向へ移動させられるようになっている。そして、上記のズーミングとこのような焦点調節が行われた後、撮影が行われることになる。
ところで、図10は、焦点調節を行った場合における直進筒14と第1レンズ枠35との相対位置関係を示したものであって、図10(a)は第1レンズ枠35が一番撮像装置3側にあるときを示し、図10(b)は第1レンズ枠35が一番被写体側にあるときを示したものであるが、特に、図10(a)に示した状態のときには、もしも、本実施例のように遮蔽筒26を備えていないと、カバー板18と第1レンズ枠35の円筒部35aとの間に大きな隙間ができてしまうことになる。そのため、直進筒14の開口部14cから入ってきた外界の塵埃が、カバー板18の開口部18bに入ったあと、その隙間を通過して撮像装置3側に入り込み、第1レンズ群36の撮像装置3側の面に付着したり、第2レンズ群13の両面に付着したり、撮像装置3の前面に付着したりしてしまうことになる。
そして、特に、撮像装置3の前面にまで達した塵埃は、その付着面が撮像面と接近していることから、撮影の都度累積されていくことによって、やがて、画質のよい映像が得られないようにしてしまう。しかも、そのようにして付着した塵埃は、第1レンズ群36の被写体側の面に付着した場合のように、ユーザーが簡単にクリーニングすることができず、専門店に依頼してカメラを分解して行わざるを得なくなる。そこで、本実施例の場合は、遮蔽筒26を設けることによって、そのような事態の発生を極力抑制するようにしていると共に、遮蔽筒26を、カバー板18とは一体化しないことによって、上記したように、高コストにはならず、しかも、直進筒14に対する第1レンズ枠35の組み付けを好適に行える構成にしてある。
このようにして、撮影が行われ、その後は、もはや撮影をしないことになった場合は、カメラの電源スイッチをオフにするが、そのようにオフにした場合でも遅延回路が働いていて、所定の時間だけはオン状態が継続するようになっており、上記のオフ信号によって、ステップモータ32と、もう一つの図示していないステップモータは、回転させられるようになっている。先ず、電源スイッチをオフにしたとき、第1レンズ群36は、図10(b)に示された状態になっていることがある。そのため、もしも、この状態のままで、バリア板16,17(図10(b)では図示を省略されている)に開口部14cの閉じ作動を行わせると、それらのバリア板16,17は、第1レンズ群36のマスク37に衝突してしまうことになる。そこで、本実施例の場合には、ステップモータ32を回転させ、第1レンズ枠35を、図2に示した初期状態に復帰させるようにしている。そして、その復帰状態を検出し、ステップモータ32の回転を停止させるようにするのが、上記のセンサ27である。
他方、もう一方の図示していないステップモータが回転させられると、固定筒5が、歯車7を介して、図1の状態から図2の状態になるときとは、逆方向に回転させられる。そのため、回転筒8は、回転しながら撮像装置3側へも直進させられ、キー筒9は、回転せずに撮像装置3側へ直進させられる。また、第2レンズ枠10と直進筒14も、直進筒14の方が第2レンズ枠10よりも全体として速く作動することによって撮像装置3側に直進させられ、第1レンズ群36と第2レンズ群13を沈胴させていく。
また、それと並行して、バリア開閉部材23のピン23bが、カム部材4に接して先端のカム面に案内されるようになるため、バリア開閉部材23は、バネ25の付勢力に抗して、図5において反時計方向へ回転させられる。そのため、バリア開閉部材23のピン23aが、そこに掛けられている二つのバネ21,22の一端を押すが、それらのバネ21,22の他端は各々バリア板16,17に掛けられているため、それらを緊張させることなく、バリア板16を反時計方向へ、バリア板17を時計方向へ回転させる。そして、設計上は、バリア板17が受け部兼ストッパ14iに当接するのと同時に、バリア板16の曲線状の端縁の端面がバリア板17の曲線状の端縁の端面に当接するようにしているが、実際には、そのように製作することは至難である。また、そのときに、バリア板16の端縁の端面が、バリア板17の端縁の端面に全面的には接触しているように製作することも至難である。
そこで、本実施例の場合には、予めバネ22の付勢力の方を、バネ21の付勢力よりも若干大きくしてある。また、バリア板17が、バリア板16に当接する前に受け部兼ストッパ14iに当接した場合であっても、それとは反対に、バリア板17が、受け部兼ストッパ14iに当接する前にバリア板16に当接した場合であっても、バリア開閉部材23は、その後も僅かに回転させられるようにしてある。そのため、バリア開閉部材23は、その後は、最初から最後までバネ21,22の両方を緊張させていくか、最初はバネ21だけを緊張させてゆき、最終的には、バネ21,22の両方を緊張させることになる。それによって、バリア板16とバリア板17とが当接したとき、それらの端面が全面的には接触していなくても、本実施例の場合には、バリア板16,17が、回転軸と直交する方向へ若干移動することが可能であることと、端縁が相互に凹凸が逆となるような曲線状に形成されていることから、端面同士がカム作用を行い、端面同士が全面的に接触し、バリア板17が受け部兼ストッパ14iに接触した状態で停止する。
このように、本実施例においては、同一平面上を作動する二つのバリア板16,17に対し、個々にストッパを設けず、一つのストッパを設けるだけで、所定の閉鎖状態が得られるようになっている。そして、その後、ピン23bがカム部材4の上方位置に押し上げられた状態になると、図示していないステップモータが停止し、図1に示された沈胴状態になる。尚、本実施例では、二つのバリア板16,17の両方が、各々の回転軸と直交する方向へ若干移動することができるように構成されている場合で説明したが、バリア板16,17の停止状態が、本実施例の場合よりも精度よく得られるようにするためには、いずれか一方のバリア板だけを上記の構成にした方がよい。また、本実施例の場合よりも、停止状態がばらついてもよいのであれば、バネ21,22の付勢力を同じにしてもよいし、受け部兼ストッパ14iを設けなくても構わない。そのような、いずれの構成を採用したとしても、本実施例の場合と同様に、バリア板16,17の端面は、全面的に接触した状態になる。
また、本実施例は、本発明を、ズームレンズを備えた沈胴式のデジタルカメラに適用した場合の一例であるが、本発明は、そのような構成に限定されるものではない。即ち、本実施例は、沈胴式のレンズ鏡胴であるため、一番被写体側にある第1レンズ群36を収容した直進筒14が、カメラボディーに対して光軸方向へ移動可能になっている。また、ズーミングを可能にするために回転筒8内に収容されている第2レンズ群13との相対位置を変えるために、直進筒14が回転筒8に対しても光軸方向へ移動可能となっている。しかしながら、本発明は、それらの回転筒8などを備えておらず、本発明の基体に相当する直進筒14を、カメラボディーに対して一体的に取り付けた構成としても差し支えない。また、本発明の基体は、レンズ筒に限定されず、カメラボディーと一体の部材であればよく、極端な場合には、カメラボディーそのものであっても構わない。
また、本実施例においては、バリア開閉部材23のピン23aが、バリア板16,17の係接部16a,17aを押して、バリア板16,17に開き作動を行わせ、バネ21,22の一端を押して、バリア板16,17に閉じ作動を行わせているが、本発明は、このような構成に限定されるものではない。即ち、本実施例のように、バネ21,22を、バリア板16,17と、ピン23aの間に掛けるのではなく、バリア板16,17と、壁14bに設けられた固定のバネ掛け部との間に掛けるようにし、バリア板16,17の一方への回転は、常にバネ21,22の付勢力によって行い、他方への回転は、常にバネ21,22の付勢力に抗して行うようにしても構わない。更に、本実施例は、沈胴式のカメラに適用された場合の構成であるため、カム部材4と協働させるために、バリア開閉部材23にバネ25を掛けているが、本発明のバリア開閉部材は、このようなバネ25の存在を必須とせず、また、回転する部材である必要もない。所定の二つの位置の間で往復作動することの可能な部材であれば、どのような部材であっても構わない。
カメラの不使用状態(撮影レンズの沈胴状態)における実施例の断面図である。 撮影レンズを図1の位置からカメラの使用可能な初期位置に繰り出した状態を示す断面図である。 図1の状態において直進筒内を撮像素子側から見た平面図である。 図1の状態において直進筒内のバリア機構だけを撮像装置側から見た平面図である。 図2の状態において直進筒内のバリア機構だけを撮像装置側から見た平面図である。 図5においてバリア室のカバー板を取り除いて示した平面図である。 図3におけるA−A線断面図である。 図3におけるB−B線断面図である。 図3におけるC−C線断面図である。 直進筒に対する第1レンズ群の移動状態を示した断面図であって、図10(a)は第1レンズ群が直進筒に対して右限位置にある状態を示したものであり、図10(b)は左限位置にある状態を示したものである。
符号の説明
1 ベース部材
2,29,30 ねじ
3 撮像装置
4 カム部材
5 固定筒
5a,8c,8d カム溝
5b,9c,9d,14t キー溝
5c,5d,35d 張出部
6,31 モータ取付板
6a,14d,14e,14f 軸
7,34,42 歯車
8 回転筒
8a 部分歯車
8b,10b,14a,14r,23a,23b ピン
8e 溝
9 キー筒
9a,18f,18g フック部
9b キー
10 第2レンズ枠
10a,35b 腕部
11 駆動手段
12 シャッタ用カバー板
13 第2レンズ群
14 直進筒
14b,35k 壁
14c,18b 開口部
14g,14h,14i 受け部兼ストッパ
14j,14k 取付部
14m,14n,14p 軸受け孔
14q 窪み部
14s 引っ掛け部
14u 係止部
15 化粧部材
16,17 バリア板
16a,17a 係接部
16b,17b,18k,23c,35g バネ掛け部
18 カバー板
18a,18j,35e,35f 折曲部
18c,18i 長孔
18d,18e,18h,31a,35i,35m 孔
19,20 バネ軸部材
21,22,25 バネ
23 バリア開閉部材
24 止め部材
26 遮蔽筒
26a,26b 突起部
27 センサ
28 センサ取付板
32 ステップモータ
33 出力歯車
35 第1レンズ枠
35a,35h 円筒部
35c 遮光部
35j 被挿入部
36 第1レンズ群
37 マスク
38 案内ピン
39 スプリング
40 ナット部材
41 リードスクリュー
41a 軸部
41b スリワリ
41c 雄ねじ
41d 円柱部

Claims (4)

  1. 撮影光路用の開口部を有している基体と、根元部と遮蔽部とが同一面となる平板状に形成されていて該根元部には係接部を有しており該根元部の一部で前記基体に対して回転可能に取り付けられ第1ばねによって一方方向へ回転するように付勢されている第1バリア板と、根元部と遮蔽部とが同一面となる平板状に形成されていて該根元部には係接部を有しており前記第1バリア板と重ならないようにして該根元部の一部を前記第1バリア板の取付部の近傍位置で前記基体に対して回転可能に取り付けられ第2ばねによって前記第1バリア板とは反対方向へ回転するように付勢されている第2バリア板と、前記二つの係接部に係接する係接手段を有していて前記基体に対して往復作動可能に取り付けられており一方へ作動したときには該係接手段が前記二つの係接部を押し前記二つのばねの付勢力に抗して前記二つのバリア板に前記開口部の開き作動を行わせ他方へ作動したときには前記二つのばねの付勢力によって前記二つの係接部が該係接手段に追従し前記二つのバリア板が前記開口部の閉じ作動をし得るようにするバリア開閉部材と、を備えており、前記二つの遮光部は、前記開口部を閉じる方向の端縁が、相互に凹凸が逆となるように曲線状に形成されており、前記二つのバリア板の少なくとも一方は、前記基板に対してその回転軸と直交する方向へは若干移動し得るようにして取り付けられていることを特徴とするカメラ用レンズバリア装置。
  2. 前記第2ばねの付勢力よりも前記第1ばねの付勢力の方が大きく、前記開口部の閉鎖状態においては、前記第1バリア板が、その閉じる方向の端面を前記基体に設けられたストッパに当接して停止しており、前記第2バリア板が、その遮蔽部の閉じる方向の端面を前記第1バリア板の遮蔽部の閉じる方向の端面に当接させて停止していることを特徴とする請求項1に記載のカメラ用レンズバリア装置。
  3. 前記第1ばねが、その一端を前記第1バリア板に掛け、他端を前記バリア開閉部材に掛けており、前記第2ばねが、その一端を前記第2バリア板に掛け、他端を前記バリア開閉部材に掛けていて、前記二つのバリア板は、前記係接手段が前記二つの係接部を押すことによって前記開口部の開き作動を行い、前記バリア開閉部材が前記二つのばねの前記他端を押すことによって前記開口部の閉じ作動を行うようにしたことを特徴とする請求項1又は2に記載のカメラ用レンズバリア装置。
  4. 前記第1ばねの前記他端と前記第2ばねの前記他端とが、前記バリア開閉部材の前記係接手段に掛けられていることを特徴とする請求項3に記載のカメラ用レンズバリア装置。
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