JPH1138120A - 不要信号抑圧方法及び装置 - Google Patents

不要信号抑圧方法及び装置

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JPH1138120A
JPH1138120A JP9195499A JP19549997A JPH1138120A JP H1138120 A JPH1138120 A JP H1138120A JP 9195499 A JP9195499 A JP 9195499A JP 19549997 A JP19549997 A JP 19549997A JP H1138120 A JPH1138120 A JP H1138120A
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JP
Japan
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range bin
noise
signal
received signal
load
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Application number
JP9195499A
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English (en)
Inventor
Yasuhiro Harasawa
康弘 原沢
Tetsuo Kirimoto
哲郎 桐本
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Publication of JPH1138120A publication Critical patent/JPH1138120A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 距離方向に沿ってクラッタに大きな変動が生
じている場合でも、目標を安定的に検出できるようにす
る。 【解決手段】 処理レンジビン2に係る信号を適応フィ
ルタ5により濾波する際に、処理レンジビン2から所定
距離以上離れた距離を占める荷重計算レンジビン3a及
び3bに係る受信信号と、ノイズデータ選択手段6によ
って選択されたレンジビン2に係る受信信号とに基づ
き、荷重計算手段4が適応フィルタ5にて用いる荷重を
設定する。ノイズデータ選択手段6により選択されたレ
ンジビンに係る信号が荷重計算に際して疑似ノイズとし
て付加されるため、距離方向に沿ったクラッタの振幅変
動に伴うヌル乃至ノッチの影響が軽減され、適応フィル
タ5の出力が安定化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、レーダ装置等の
受信信号に含まれる不要信号を抑圧する不要信号抑圧方
法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】レーダ装置の受信信号にはクラッタと呼
ばれる不要信号が含まれている。目標ではないのに目標
として検出したり逆に目標であるのに目標ではないと見
なしてしまったりする確率即ち誤警報確率を、小さく且
つ一定の値にするには、受信信号中のクラッタを抑圧す
る必要がある。そのため、従来からクラッタ抑圧のため
の方法及び装置が各種開発されている。例えば"Trade-o
ff Studies on AdaptiveFiltering Algorithms Used fo
r Adaptive Moving Target Indicators", Hideaki Wata
nabe, Tetsuo Kirimoto and Michimasa Kondo, Proc. o
f ICASSP 86, 1986に開示されている各種のクラッタ抑
圧手法は、受信信号中に現れるドップラ周波数から移動
中の目標の存否や速度を検出するレーダ装置等にて、用
いられる手法である。
【0003】図8に、上記文献に記載されているアルゴ
リズムのうちブロック化ラティスアルゴリズム(Blocke
d Lattice Algorithm)に基づきクラッタを抑圧する装
置の機能構成を示す。まず、この図には記していない
が、レーダ装置にて受信された信号はまず無線周波数か
らベースバンドに変換され、更に標本化及び量子化を経
てディジタル信号となる。このディジタル信号は受信位
相を保持しており、複素形式の受信信号X(n)=I
(n)+jQ(n)で表すことができる。なお、nはヒ
ット番号、Iは同相成分、Qは直交成分、jは虚数単位
である。図8中では、2個のラティスフィルタ35a及
び35bが縦続接続されており、受信信号X(n)は第
1ステージのラティスフィルタ35aに信号f0(n)
及びb0(n)として入力されている。ラティスフィル
タ35aは、信号f0(n)及びb0(n)から、信号f
1(n)及びb1(n)を生成する。第2ステージのラテ
ィスフィルタ35bは、第1ステージのラティスフィル
タ35aにて生成された信号f1(n)及びb1(n)か
ら、信号f2(n)及びb2(n)を生成する。この図で
は、ラティスフィルタを2ステージ(35aと35bの
2個)設けているが、3ステージ以上設けても構わな
い。
【0004】ラティスフィルタ35aは、遅延素子31
a、複素乗算器32a及び32b、複素加算器33a及
び33b並びに複素共役器34aを有している。遅延素
子31aは信号b0(n)を1ヒット遅延させているか
ら、その出力は信号b0(n−1)になる。複素乗算器
32bは、後述のようにして反射係数計算手段30aに
より求められる反射係数を信号b0(n−1)に乗じ、
複素乗算器32bは、反射係数計算手段30aからの反
射係数の複素共役値を信号f0(n)に乗ずる。複素加
算器33aは、複素乗算器32bから与えられる信号を
信号f0(n)と加算することにより信号f1(n)を生
成し、複素加算器33bは、遅延素子31aから与えら
れる信号を複素乗算器32bから与えられる信号と加算
することにより信号b1(n)を生成する。複素共役器
34aは、反射係数計算手段30aにて得られた反射係
数の複素共役値を求める手段である。なお、ラティスフ
ィルタ35bも、同様に、遅延素子31b、複素乗算器
32c及び32d、複素加算器33c及び33d並びに
複素共役器34bを有している。これらラティスフィル
タ35bの構成部材の機能はラティスフィルタ35a中
の対応する部材と同様であるので、ここでは説明を省略
する。
【0005】上述の信号のうちfm(n)は前向予測誤
差信号、信号bm(n)は後向予測誤差信号と呼ばれる
(m=0,1,2)。1ヒット中のレンジビンの個数を
k(k:2以上の自然数)と表すこととした場合、受信
信号x(n)、前向予測誤差信号fm(n)及び後向予
測誤差信号bm(n)は、次の式
【数1】 に表されるようにベクトル表現できる。なお、Tは転置
である。上の式(1d)においてρi m(i=1,2,
…,k)をその成分とする対角行列として定義されてい
るPmは、反射係数計算手段30a及び30bにて計算
される反射係数である。図8に示される装置では、反射
係数計算手段30a及び30bにてfm(n)及びb
m(n−1)から反射係数Pmを計算し、その結果得られ
る反射係数Pmや更にその複素共役値を利用して、適応
信号処理を実行している。
【0006】この適応信号処理においては、まず、次の
【数2】 に示すように受信信号X(n)が第1ステージのラティ
スフィルタ35aに入力され、入力された受信信号X
(n)即ち前向予測誤差信号f0(n)及び後向予測誤
差信号b0(n)に基づき次の式
【数3】 に示される処理が実行される。式(3a)及び(3b)
にて用いられる反射係数P1は、反射係数計算手段30
aにて次の式
【数4】 に従い計算される。ここに記した反射係数計算式は、Bu
rg法に準拠している。また、式(5a)では、計算の基
礎とするサンプル数を増すためにヒット方向(アンテナ
ビームの回転方向即ち方位方向)についての総和を行っ
ている。
【0007】更に、第2ステージのラティスフィルタ3
5bでは、第1ステージのラティスフィルタ35aにて
得られた前向予測誤差信号f1(n)及び後向予測誤差
信号b1(n)に基づき次の式
【数5】 に示される処理が実行される。式(6a)及び(6b)
にて用いられる反射係数P2は、反射係数計算手段30
bにて次の式
【数6】 に従い計算される。式(8a)でも、ヒット方向につい
ての総和を行っている。図8の装置からは、前向予測誤
差信号f2(n)が、クラッタが抑圧された受信信号と
して、出力される。
【0008】以上の処理では、反射係数計算手段30a
及び30bにて求められる反射係数Pmを、いわば、前
向予測誤差信号fm-1(n)と後向予測誤差信号b
m-1(n−1)とを結合させる荷重として用いている。
更に、反射係数Pmを求める際に、上述の式(4a)、
(4b)、(7a)及び(7b)において、前向予測誤
差信号及び後向予測誤差信号から、反射係数計算用のベ
クトルデータ(即ち荷重計算用データ)bfm-1(n)
及びbbm-1(n)を生成している。式(4a)、(4
b)、(7a)及び(7b)でベクトルデータbfm-1
(n)及びbbm-1(n)を作成する際に用いているレ
ンジビン即ち荷重計算レンジビンは、図9の最上段に示
すように、現時点で濾波しようとしているレンジビン即
ち処理レンジビン2からみて、受信信号1中でより近距
離側にあるNL個のレンジビン3aと、より遠距離側に
あるNR個のレンジビン3bである。即ち、これら合計
NL+NR個のレンジビンが、荷重計算レンジビンとし
て用いられている。また、この荷重計算レンジビン3a
及び3bは、図9各段に示されているように、処理レン
ジビン2に対し常にΔRの間隔を保持し続けるよう、処
理レンジビン2がi番目からi+1番目へ、更にi+2
番目へ、…というように移動するにつれ移動する。
【0009】荷重計算レンジビン3a及び3bをこのよ
うに設定するのは、目標からのエコー即ち目標信号は高
々1レンジビン程度の範囲にのみ存在するのに対しクラ
ッタは非常に広い範囲に広がっていて、かつ、クラッタ
の電力スペクトルはその範囲内で急激に変化することは
ない、という仮定が、概ね成立し得るからである。即
ち、上に述べたクラッタ抑圧手法は、処理レンジビンと
は別のレンジビンを荷重計算レンジビンとして用い、荷
重計算レンジビンに属する信号のレベルに応じて荷重た
る反射係数を適応設定することにより、出力信号の自乗
平均電力を最小化し、これによりクラッタを抑圧する手
法である。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実に
は、クラッタの電力スペクトルに急激な変動が現れるこ
とがある(図10参照)。この場合、同一方向に係る受
信信号中の他のレンジビンを荷重計算レンジビンとして
用いる前述の手法では、レンジビン毎にクラッタ抑圧の
程度が相違することとなってしまう。これは、誤警報確
率の増大を招く原因となる。
【0011】この発明は、上述の問題点を解決すること
を課題としてなされたものであり、距離方向においてそ
の電力スペクトルが比較的大きな変動を示すような不要
信号が生じているときでも、不要信号抑圧の程度がレン
ジビン毎に大きく相違してしまわないような不要信号抑
圧方法及び装置を実現することを第1の目的とする。こ
の発明は、更に、第1の目的を達成するために新たに導
入する信号を、簡素な手段で又は容易な処理で、また好
適に、生成できるようにすることを第2の目的とする。
この発明は、更に、第1の目的を達成するために新たに
導入する処理の内容を、信号レベルに応じて調整するこ
とにより、より好適な処理を実行できるようにすること
を第3の目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明に係る不要信号
抑圧方法は、処理レンジビンに属する受信信号及びこれ
を遅延させた信号を加重加算することにより処理レンジ
ビンに属する受信信号を濾波するステップと、処理レン
ジビンから所定距離以上離れたレンジビンである荷重計
算レンジビンに属する受信信号と目標からのエコーに比
べ小さいレベルの疑似ノイズとの結合により荷重計算デ
ータを生成し、生成した荷重計算データに基づき、処理
レンジビンに係る受信信号について不要信号のレベルに
適応した濾波が行われるよう、加重加算の際に用いる荷
重を設定するステップとを実行すること、即ち荷重計算
データに意図的に疑似ノイズを付加することにより、不
要信号の電力変動の影響を抑制するようにしたものであ
る。
【0013】この発明に係る不要信号抑圧装置は、処理
レンジビンに属する受信信号及びこれを遅延させた信号
をその内部で加重加算することにより処理レンジビンに
属する受信信号を濾波するフィルタと、処理レンジビン
から所定距離以上離れたレンジビンである荷重計算レン
ジビンに属する受信信号と目標からのエコーに比べ小さ
いレベルの疑似ノイズとの結合により荷重計算データを
生成し、生成した荷重計算データに基づき、加重加算の
際に上記フィルタで用いる荷重を設定する荷重計算手段
とを設け、レーダ装置にて得られる受信信号中の不要信
号を濾波により抑圧すると共に、不要信号に現れる変動
の影響を荷重計算データへの意図的な疑似ノイズの付加
により抑制するようにしたものである。
【0014】この発明に係る不要信号抑圧装置は、より
好ましくは、計算又は発振により疑似ノイズを発生させ
る疑似ノイズ発生手段を備えるものである。
【0015】この発明に係る不要信号抑圧装置は、更に
好ましくは、ノイズのみが含まれると見なせるレンジビ
ンをノイズ生成レンジビンとして選択しこのノイズ生成
レンジビンに属する受信信号を利用して疑似ノイズを生
成するノイズデータ選択手段を備えるものである。
【0016】この発明に係る不要信号抑圧装置は、好ま
しくは、ノイズデータ選択手段が、最大探知距離に係る
レンジビンをノイズ生成レンジビンとして選択するよう
にしたものである。
【0017】この発明に係る不要信号抑圧装置は、好ま
しくは、ノイズデータ選択手段が、ノイズ生成レンジビ
ンに属する受信信号とノイズ生成レンジビンの周辺の距
離に係るレンジビンに属する受信信号とを平均化するこ
とにより疑似ノイズを生成するようにしたものである。
【0018】この発明に係る不要信号抑圧装置は、好ま
しくは、ノイズデータ選択手段が、ノイズ生成レンジビ
ンに属する受信信号を複数の方位について平均化するこ
とにより疑似ノイズを生成するようにしたものである。
【0019】この発明に係る不要信号抑圧装置は、好ま
しくは、ノイズデータ選択手段が、所定レベルを上回る
受信信号がノイズ生成レンジビンに現れたときにそれま
でのノイズ生成レンジビンに代え他のレンジビンを新た
にノイズ生成レンジビンとして選択するようにしたもの
である。
【0020】この発明に係る不要信号抑圧装置は、好ま
しくは、荷重計算手段が、処理レンジビンにおける受信
信号レベルにて荷重計算レンジビンにおける受信信号レ
ベルを除すことにより、各荷重計算レンジビンについて
レベル調整係数を求め、求めたレベル調整係数が所定値
を上回る荷重計算レンジビンについては疑似ノイズの加
算を許可し、それ以外の荷重計算レンジビンについては
禁止するようにしたものである。
【0021】この発明に係る不要信号抑圧装置は、好ま
しくは、荷重計算手段が、疑似ノイズを加算すべき受信
信号を、当該加算に先立ち、その受信信号が属する荷重
計算レンジビンに係るレベル調整係数で除するようにし
たものである。
【0022】この発明に係る不要信号抑圧装置は、好ま
しくは、荷重計算手段が、各レンジビンについて複数の
方位に亘る平均電力乃至電力総和を計算することによ
り、処理レンジビン及び荷重計算レンジビン各々におけ
る受信信号レベルを求めるようにしたものである。
【0023】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.図1に、この発明の実施の形態1に係る
クラッタ抑圧装置の構成を示す。この図に示す装置は、
受信信号1中の処理レンジビン2を適応フィルタ5によ
って濾波し出力信号e(k)を得る構成を有している。
適応フィルタ5は例えば図2に示されるごとく複数の単
位遅延器10、複数の複素乗算器11、複素加算器12
及び複素減算器13にて構成されるFIR(Finite Imp
ulse Response)型のフィルタである。図1中の荷重計
算手段4は、受信信号1中の荷重計算レンジビン3a及
び3bに係る信号に基づき荷重w1 (k),w2 (k)
…,wL (k)を計算し、適応フィルタ5中の複素乗算
器11にこれを設定する。さらに、この実施の形態にお
ける荷重レンジビン3a及び3bの設定態様は、前述の
従来技術と同様である。
【0024】この実施の形態においては、さらに、ノイ
ズデータ選択手段6が設けられている。ノイズデータ選
択手段6は、受信信号1中の複数のレンジビンのうち、
そのレンジビンに属する信号がほとんどノイズであると
見なせるレンジビン、例えば最大探知距離に相当するレ
ンジビンを、ノイズ生成レンジビンとして選択する。但
し、最大探知距離に相当するレンジビンを選択するの
は、レーダから十分離れた距離からのエコーが十分小さ
く受信信号がほとんどノイズであると考えられるためで
あるから、同様の条件を満たす限りにおいて、他のレン
ジビンをノイズ生成レンジビンとして選んでもかまわな
い。また、ノイズデータ選択手段6は、適宜、ノイズ生
成レンジビンを変更する。
【0025】荷重計算レンジビン3a及び3bに係る信
号に基づき例えばDMI(Direct Matrix Inversion)な
どの適応アルゴリズムによって適応フィルタ5に荷重w
1 (k),w2 (k)…,wL (k)を設定したときに
は、平均電力が最小になるように適応フィルタ5が動作
するため、受信信号X(n)の電力に応じて適応フィル
タ5の周波数応答におけるヌルの深さが決まる。従っ
て、図10に示すようにクラッタレベルがレンジビン毎
に大きく変動する場合には、図3中にフィルタ振幅特性
20として示されているように、処理レンジビン2にお
ける実際のクラッタレベルに比べて過剰な深さのヌルが
形成され、その結果、受信機雑音スペクトル21にノッ
チが現れる。この実施の形態では、このような現象を防
ぐべく、前述のようにノイズデータ選択手段6を設け、
荷重計算に際して利用するデータに意図的に疑似ノイズ
を付加している。これによって、この実施の形態におい
ては、図4中にフィルタ振幅特性22として示されるご
とくヌルの深さが調整され、従って、受信機雑音スペク
トル23にも図3中の受信機雑音スペクトル21のよう
なノッチは現れなくなる。
【0026】次に、この実施の形態におけるノイズデー
タ選択手段6及び荷重計算手段4の動作手順に関し、よ
り詳細に説明する。この実施の形態におけるノイズデー
タ選択手段6は、図5に示されるように、まず最大探知
距離のレンジビンをノイズ生成レンジビンとして選択す
る(100)。ノイズデータ選択手段6は、選択したノ
イズ生成レンジビンに属する受信信号を入力し(10
1)、そのレベルを所定値と比較する(102)。受信
信号のレベルが所定値を上回っている場合には、ノイズ
データ選択手段6は他のレンジビンをノイズ生成レンジ
ビンとして選択し(103)、ステップ101に戻る。
逆に、受信信号のレベルが所定値を上回っていないとき
には、現在のノイズ生成レンジビンにおける受信信号の
レベルと、このノイズ生成レンジビンに近い距離を占め
る他のレンジビンにおける受信信号のレベルとを平均化
し(104)、またこれを複数ヒット分平均化する(1
05)。すなわち、次の式
【数7】 により、平均化されたレベルn0 (n)を求める。ノイ
ズデータ選択手段6は、このようにして得られた信号を
疑似ノイズn0 (n)として、荷重計算手段4に出力す
る(106)。なお、ステップ102〜105は、その
一部乃至は全部を省略することが可能である。
【0027】荷重計算手段4は、図6に示すように、ノ
イズデータ選択手段6から疑似ノイズn0 (n)を入力
する(200)。荷重計算手段4は、荷重計算レンジビ
ン3a及び3bに係る受信信号と、入力した疑似ノイズ
0 (n)とに基づき、荷重計算データD(n,i)を
計算する(201)。この計算に際しては、次の式
【数8】 によりレベル調整係数α(m)を計算し(203)、さ
らにこのレベル調整係数α(m)と1との大小関係に応
じ(204)次の式
【数9】 に基づき第mレンジビンに係る受信信号x(n,m)を
調整し荷重計算用のデータxmod(n,m)を生成する
(205)という処理を、m=is ,…,if d
fu,…ie について繰り返し実行する(202)。
【0028】荷重計算手段4は、この実施の形態では、
適応アルゴリズムとしてDMIを用いている。すなわ
ち、荷重計算手段4は、前述の式(12)またはステッ
プ205に係る処理により得られた荷重計算データx
mod(n,m)を成分とする受信信号ベクトル
【数10】 から、次の式
【数11】 にて表される共分散行列R(i)及び相互相関ベクトル
P(i)を計算し(206)、さらに、次の式
【数12】 にて定義される荷重ベクトルW(i)を次の式
【数13】 に従い計算する(206)。この後、荷重計算手段4の
処理はステップ200に戻る。
【0029】荷重計算手段4において得られた荷重ベク
トルW(i)は、適応フィルタ5に出力され、これに応
じて前述の複素乗算器11に荷重w1 (k),w
2 (k)…,wL (k)が設定される。適応フィルタ5
においては、受信信号X(n)を各単位遅延器10によ
り単位時間ずつ遅延させた信号が、複素乗算器11及び
複素加算器12により加重加算される。従って、複素加
算器12の出力は、
【数14】 で表される信号となる。複素減算器13は、受信信号X
(n)から複素加算器12の出力y(k)を減ずる。す
なわち、次の式
【数15】 に示される式に従い出力信号e(n,m)を生成する。
得られた出力信号e(n,m)は、クラッタに距離方向
の変動が生じている場合でも安定している。従って、こ
の実施の形態によれば、誤警報確率が低くかつ一定で、
目標の自動検出性能に優れた装置が得られる。
【0030】実施の形態2.図7に、この発明の実施の
形態2に係るクラッタ抑圧装置の構成を示す。この実施
の形態では、実施の形態1におけるノイズデータ選択手
段6に代えて疑似ノイズ発生手段7が設けられている。
疑似ノイズ発生手段7は、疑似ノイズを生成する計算機
や、あるいはノイズジェネレータのような専用装置から
構成されている。従って、この実施の形態でも、実施の
形態1と概ね同様の効果を得ることができる。但し、ノ
イズジェネレータ等の装置が不要である点で実施の形態
1の方が優れている面があり、逆に、ノイズ生成レンジ
ビンの選択が必要でない点で実施の形態2の方が優れて
いる面がある。
【0031】
【発明の効果】この発明に係る不要信号抑圧方法によれ
ば、荷重計算データに意図的に疑似ノイズを付加したデ
ータに基づき、濾波の際に用いる荷重を設定するように
したため、不要信号の電力スペクトルにおいて距離方向
の変動が顕著となっているときでも、この変動に起因し
たレンジビン毎の不要信号抑圧程度の差異が生じにく
く、不要信号抑圧処理後の信号スペクトルが安定する。
従って、誤警報確率を低くすることができる。
【0032】この発明に係る不要信号抑圧装置によれ
ば、荷重計算データに意図的に疑似ノイズを付加したデ
ータに基づき、フィルタにおいて加重加算の際に用いる
荷重を設定するようにしたため、不要信号の電力スペク
トルにおいて距離方向の変動が顕著となっているときで
も、この変動に起因したレンジビン毎の不要信号抑圧程
度の差異が生じにくく、不要信号抑圧処理後の信号スペ
クトルが安定する。従って、誤警報確率を低くすること
ができる。
【0033】更に、上述の疑似ノイズを発生させる手段
として、計算又は発振により疑似ノイズを発生させる手
段即ち従来公知の回路乃至装置の転用乃至応用にて実現
できる手段を用いることにより、上述の疑似ノイズを比
較的簡単に生成することができる。
【0034】更に、ノイズのみが含まれると見なせるレ
ンジビンをノイズ生成レンジビンとして選択し、このノ
イズ生成レンジビンに属する受信信号を利用して疑似ノ
イズを生成するようにすれば、信号資源を有効利用でき
また装置構成上の改変が少なくて済む。
【0035】更に、一般にほとんどノイズしか存してい
ないと見なしうる最大探知距離に係るレンジビンを、ノ
イズ生成レンジビンとして選択するようにすれば、複雑
な処理乃至制御なしに、疑似ノイズを生成できる。
【0036】更に、ノイズ生成レンジビンに属する受信
信号とノイズ生成レンジビンの周辺の距離に係るレンジ
ビンに属する受信信号とを平均化することにより、疑似
ノイズを生成するようにすれば、より安定的に疑似ノイ
ズを生成できる。
【0037】更に、ノイズ生成レンジビンに属する受信
信号を複数の方位について平均化することにより疑似ノ
イズを生成するようにすれば、より安定的に疑似ノイズ
を生成できる。
【0038】更に、所定レベルを上回る受信信号がノイ
ズ生成レンジビンに現れたときに他のレンジビンを新た
にノイズ生成レンジビンとして選択するようにすれば、
無視できないレベルを呈しているレンジビンをノイズ生
成レンジビンとして扱ってしまう恐れが小さくなる。
【0039】更に、処理レンジビンにおける受信信号レ
ベルにて荷重計算レンジビンにおける受信信号レベルを
除すことにより、各荷重計算レンジビンについてレベル
調整係数を求め、求めたレベル調整係数が所定値を上回
る荷重計算レンジビンについては疑似ノイズの加算を許
可し、それ以外の荷重計算レンジビンについては禁止す
るようにすれば、疑似ノイズ付加の効果を処理レンジビ
ンや荷重計算レンジビンにおける信号のレベルに適応さ
せることができる。
【0040】更に、疑似ノイズを加算すべき受信信号
を、当該加算に先立ち、その受信信号が属する荷重計算
レンジビンに係るレベル調整係数で除するようにすれ
ば、疑似ノイズ付加の効果を処理レンジビンや荷重計算
レンジビンにおける信号のレベルに適応させることがで
きる。
【0041】更に、各レンジビンについて複数の方位に
亘る平均電力乃至電力総和を計算することにより、処理
レンジビン及び荷重計算レンジビン各々における受信信
号レベルを求めるようにすれば、計算の基礎となるデー
タの量が増すためより安定な処理となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1に係るクラッタ抑圧
装置の構成を示すブロック図である。
【図2】 この実施の形態における適応フィルタの内部
構成を示すブロック図である。
【図3】 従来のクラッタ抑圧装置におけるフィルタ振
幅特性及び受信機雑音スペクトルを示す図である。
【図4】 この発明の実施の形態1におけるフィルタ振
幅特性及び受信機雑音スペクトルを示す図である。
【図5】 この発明の実施の形態1におけるノイズデー
タ選択手段の動作の流れを示すフローチャートである。
【図6】 この発明の実施の形態1における荷重計算手
段の動作の流れを示すフローチャートである。
【図7】 この発明の実施の形態2に係るクラッタ抑圧
装置の構成を示すブロック図である。
【図8】 従来技術に係るクラッタ抑圧装置の構成を示
すブロック図である。
【図9】 処理レンジビンと荷重計算レンジビンの関係
を示す概念図である。
【図10】 その振幅が距離方向に大きく変動するクラ
ッタの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 受信信号、2 処理レンジビン、3a,3b 荷重
計算レンジビン、4荷重計算手段、5 適応フィルタ、
6 ノイズデータ選択手段、7 疑似ノイズ発生手段。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 処理レンジビンに属する受信信号及びこ
    れを遅延させた信号を加重加算することにより上記処理
    レンジビンに属する受信信号を濾波するステップと、上
    記処理レンジビンから所定距離以上離れたレンジビンで
    ある荷重計算レンジビンに属する受信信号と目標からの
    エコーに比べ小さいレベルの疑似ノイズとの結合により
    荷重計算データを生成し、生成した荷重計算データに基
    づき、上記処理レンジビンに係る受信信号について不要
    信号のレベルに適応した濾波が行われるよう、上記加重
    加算の際に用いる荷重を設定するステップとを有し、上
    記不要信号の電力変動の影響を上記荷重計算データへの
    意図的な上記疑似ノイズの付加により抑制することを特
    徴とする不要信号抑圧方法。
  2. 【請求項2】 処理レンジビンに属する受信信号及びこ
    れを遅延させた信号をその内部で加重加算することによ
    り上記処理レンジビンに属する受信信号を濾波するフィ
    ルタと、上記処理レンジビンから所定距離以上離れたレ
    ンジビンである荷重計算レンジビンに属する受信信号と
    目標からのエコーに比べ小さいレベルの疑似ノイズとの
    結合により荷重計算データを生成し、生成した荷重計算
    データに基づき、上記加重加算の際に上記フィルタで用
    いる荷重を設定する荷重計算手段とを備え、レーダ装置
    にて得られる上記受信信号中の不要信号を上記濾波によ
    り抑圧すると共に、上記不要信号の電力変動の影響を上
    記荷重計算データへの意図的な上記疑似ノイズの付加に
    より抑制することを特徴とする不要信号抑圧装置。
  3. 【請求項3】 計算又は発振により上記疑似ノイズを発
    生させる疑似ノイズ発生手段を備えることを特徴とする
    請求項2記載の不要信号抑圧装置。
  4. 【請求項4】 ノイズのみが含まれると見なせるレンジ
    ビンをノイズ生成レンジビンとして選択しこのノイズ生
    成レンジビンに属する受信信号を利用して上記疑似ノイ
    ズを生成するノイズデータ選択手段を備えることを特徴
    とする請求項2記載の不要信号抑圧装置。
  5. 【請求項5】 上記ノイズデータ選択手段が、最大探知
    距離に係るレンジビンを上記ノイズ生成レンジビンとし
    て選択することを特徴とする請求項4記載の不要信号抑
    圧装置。
  6. 【請求項6】 上記ノイズデータ選択手段が、上記ノイ
    ズ生成レンジビンに属する受信信号と上記ノイズ生成レ
    ンジビンの周辺の距離に係るレンジビンに属する受信信
    号とを平均化することにより上記疑似ノイズを生成する
    ことを特徴とする請求項4又は5記載の不要信号抑圧装
    置。
  7. 【請求項7】 上記ノイズデータ選択手段が、上記ノイ
    ズ生成レンジビンに属する受信信号を複数の方位につい
    て平均化することにより上記疑似ノイズを生成すること
    を特徴とする請求項4乃至6のいずれか記載の不要信号
    抑圧装置。
  8. 【請求項8】 上記ノイズデータ選択手段が、所定レベ
    ルを上回る受信信号が上記ノイズ生成レンジビンに現れ
    たときに、それまでのノイズ生成レンジビンに代え他の
    レンジビンを新たにノイズ生成レンジビンとして選択す
    ることを特徴とする請求項4乃至7のいずれか記載の不
    要信号抑圧装置。
  9. 【請求項9】 上記荷重計算手段が、上記処理レンジビ
    ンにおける受信信号レベルにて荷重計算レンジビンにお
    ける受信信号レベルを除すことにより、各荷重計算レン
    ジビンについてレベル調整係数を求め、求めたレベル調
    整係数が所定値を上回る荷重計算レンジビンについては
    上記疑似ノイズの加算を許可し、それ以外の荷重計算レ
    ンジビンについては禁止することを特徴とする請求項3
    乃至8のいずれか記載の不要信号抑圧装置。
  10. 【請求項10】 上記荷重計算手段が、上記疑似ノイズ
    を加算すべき受信信号を、当該加算に先立ち、その受信
    信号が属する荷重計算レンジビンに係る上記レベル調整
    係数で除することを特徴とする請求項9記載の不要信号
    抑圧装置。
  11. 【請求項11】 上記荷重計算手段が、各レンジビンに
    ついて複数の方位に亘る平均電力乃至電力総和を計算す
    ることにより、上記処理レンジビン及び上記荷重計算レ
    ンジビン各々における受信信号レベルを求めることを特
    徴とする請求項3乃至10のいずれか記載の不要信号抑
    圧装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008275339A (ja) * 2007-04-25 2008-11-13 Mitsubishi Electric Corp 目標検出装置
KR20150109871A (ko) * 2014-03-21 2015-10-02 한양대학교 산학협력단 Uwb 레이더의 노이즈 억제 장치 및 방법

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