JPH1137561A - 燃焼暖房器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 臭気の発生が避けられない燃焼暖房器に空気
清浄機能を持たせ、暖房器の設置される居住空間の空気
の清浄化が行なえるようにする。 【解決手段】 そのために、暖房終了時からつぎの暖房
運転が行なわれるまでの間は、光触媒フィルターの設置
された排気筒７に外郭カバー１内の空気が流入するよう
にして、暖房運転終了時とその後の気化器温度が比較的
高い間に一時的に大量に発生する臭気物質を含む空気が
能率良く無臭化されるようにした。これに対して、暖房
運転が行なわれている間は、カバー１内空気の取り込み
を止めて室内空気が直接供給されるようにし、排気筒７
への空気の取り込みが暖房用送風機５の影響を受けずに
安定して行なえるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、灯油の燃焼ガスを
居住室内に放出して暖房を行なうファンヒータなどの暖
房器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】灯油を燃焼させると、水と二酸化炭素、
それに微量ではあるが種々の物質を生成する。そしてそ
の微量成分が室内空気を汚染する。それら汚染物質は、
壁や調度品の黄ばみの原因となるほかに、好ましからざ
る臭気として感知される。

【０００３】このことに呼応するように、日常活動によ
って発生する塵埃と燃焼暖房によって発生する汚染物質
を捕集する装置が普及し、生活環境の質の改善が図られ
るようになっている。

【０００４】しかし、その種の空気清浄器は燃焼暖房器
の運転と関連づけて作動するものではなかった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来の空気清浄器を連
続運転させることにより、その間に発生して室内に放出
される汚染物質の相当量を浄化することができるが、浄
化の対象はあくまでも室内に放出されたあとのものであ
るため、燃焼の停止時のように短時間に比較的大量の臭
気物質が放出されてしまうと、それには効果的に対応す
ることができなかった。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するためになされたものであり、暖房運転中および暖房
運転が行なわれていないときには、室内の空気が清浄化
されるようにし、暖房運転終了時の臭気物質の大量発生
時には、その発生臭気を能率良く収集して無臭化が行な
われるようにする。

【０００７】そのために、暖房器本体の外郭をなすカバ
ーと、このカバー内に設置されて気化した灯油を燃焼さ
せるバーナと、このバーナに灯油の気化ガスを供給する
気化器と、この気化器を灯油の気化温度に加熱する電熱
ヒータと、バーナに対して燃焼用の空気を供給するため
ならびに燃焼後のガスを室内に放出するための空気を発
生するための第一の送風装置と、カバーの天井部に開設
された通気口と、カバーの外側の所定部位にそれぞれ入
口と出口を開設した排気筒と、この排気筒の入口がカバ
ーの通気口にのみ接続されるようにして加カバーの空気
が出口へ導かれるようにするかまたは通気口を閉鎖して
カバー外の空気のみが入口から出口へ導かれるようにす
るかを択一的に切り替える入口切り替え装置と、排気筒
内において入口から出口に向けて流通する空気と接触す
るように設けられるとともに紫外線の被爆により酸化触
媒機能を発揮する光触媒層を形成した空気フィルター部
材と、この空気フィルター部材に紫外線を照射する紫外
線発生器と、排気筒内において入口から出口へ向かう空
気流を生成させる第二の送風装置と、電熱ヒータ、第一
の送風装置、入口切り替え装置、紫外線発生装置、第二
の送風装置の作動を制御する制御装置と、そしてこの制
御装置に対して電熱ヒータと第一の送風装置の作動によ
る暖房運転の指示を行なう指示装置とで加熱調理器を構
成した。

【０００８】

【発明の実施の形態】本発明の燃焼暖房器は上述の通り
のものであり、制御装置は、電熱ヒータと第一の送風装
置が作動していない間、つまり、暖房が行なわれていな
い間は、排気筒内に外郭カバー内の空気が流入するよう
にする。そのために、排気筒の入口が外郭カバー天井の
通気口と連通するよう入口切り替え装置を作動させる。
すなわち、入口切り替え装置が排気筒入口の居住室内に
通じる側を閉め、第二の送風装置によって外郭カバー内
の空気が空気フィルターを通過するように風路の切り替
えを行なう。制御装置は同時に紫外線発生装置を作動さ
せ、空気フィルターへの紫外線の照射を行なわせる。こ
れによって、外郭カバー内の比較的少量の臭気物質を含
む空気が空気フィルターに接触し、無臭化されることに
なる。

【０００９】これに対して、指示装置から燃焼暖房の運
転開始が指示された場合は、制御装置は、入口切り替え
装置を作動させて排気筒とカバー天井の通気口との連通
を閉鎖し、居住室内の空気が空気フィルターへ向かうよ
うにし、紫外線発生装置と第二の送風装置の動作を継続
させ、空気を清浄化する。

【００１０】指示装置から運転終了が指示されると、制
御装置は電熱ヒータの通電駆動と第一の送風装置の通電
駆動を終了することとなるが、その際比較的大量の臭気
物質の生成放出が不可避的に行なわれる。

【００１１】制御装置はその際、入口切り替え装置を作
動させて排気筒入口がカバーの通気口と連通させ、臭気
物質を大量に含んでカバー内を上昇してくる空気が、通
気口を介して排気筒内に吸引されるようにする。それに
よって燃焼終了時の気になる臭気が能率良く消臭され、
消火臭に悩まされないで済むようになる。

【００１２】汚染物質（臭気）の発生は消火時に集中す
るが、気化器が高温である間は、微量ではあるもの、燃
料灯油の蒸発が避けられない。その臭いは、燃焼生成物
のそれとは性質も程度も異なるが、好ましからざるもの
であることに違いはない。

【００１３】本発明にあっては、制御装置は、暖房運転
終了後次の運転再開が指示されるまでの間、排気筒の入
口が外郭カバーの通気口と連通し続けるようにして、外
郭カバー内を立ち上る空気が空気フィルターに供給され
るようにする。

【００１４】

【実施例】以下本発明の一実施例を説明する。

【００１５】図１において、１はファンヒータの外郭カ
バーで、２はこのカバー１の内部に設けられたバーナ、
３はこのバーナ２に灯油の気化ガスを供給する気化器、
４はこの気化器を灯油の気化温度に加熱する電熱ヒータ
である。５はバーナ２に向けて燃焼用の空気を供給する
一方で燃焼ガスを外郭カバー１の外部の居住室内に放出
するための空気を発生する送風機であり、６は外郭カバ
ー１の天井に開設された通気口である。

【００１６】７は、外郭カバー１外において一端をこの
通気口６に接続し、他端を加熱室１外の所定部分に開口
する排気筒である。

【００１７】この排気筒７において、８はこの排気筒の
左端の、つまり外郭カバー１の天井壁の通気口６側の入
口であり、９は同右端の出口である。

【００１８】１０は排気筒７の左端入口において、排気
筒７内に流通する空気が外郭カバー１内側の空気になる
ようにするか、あるいはその外側のものになるようにす
るかの切り替えを択一的に行なう入口切り替え装置であ
り、電動モーターと回転フラップを主体に構成されたも
のである。１１はその回転フラップであり、実線で記載
されている状態というのは通気口６を閉鎖している状態
である。１２は排気筒７内を流通する空気流のうちのカ
バー１外すなわち居住室内から供給される空気流を示
し、１３は同様カバー１内すなわち通気口６を通じて補
集される空気流を示す。回転フラップ１１が図の実線の
ように通気口６を塞いでいる状態では、排気筒７内に流
通する空気は、実線矢印のように、専ら居住室内の空気
である。同様に、回転フラップ１１が点線の位置にある
ときには、カバー１の内側と通路がつながるため、排気
筒７に供給される空気は専らカバー１内の空気となる。

【００１９】１４は排気筒７を流通する空気流に曝され
るように設けられた空気フィルターであり、詳細図示は
しないが、３５０から４００ｎｍの紫外線が照射される
ことによって酸化触媒作用を発揮する二酸化チタンを主
成分とする光触媒層をフィルター表面に形成したもので
ある。なお、この空気フィルター１４は排気筒７に対し
て脱着自在であり、必要時水洗い等のクリーニングが可
能になっているものである。

【００２０】１５は空気フィルター１４の下流側に近接
して設けられた紫外線発生装置で、空気フィルター１４
に向けて効率良く紫外線を照射し得るように設けられて
いるものである。

【００２１】１６は紫外線発生装置１５の更に下流位置
に設けられてカバー１内の空気または居住室内の空気を
吸引して空気フィルター１４に向かう流れをつくる送風
機である。

【００２２】１７は暖房運転の開始停止のほか暖房目標
温度や暖房開始停止時刻等に関する信号を生成する指示
装置である。

【００２３】そして、１８はこの指示装置１７の情報を
取り込んで上述の電熱ヒータ４、送風機９、入口切り替
え装置１０、紫外線発生装置１５および送風装置１６を
駆動制御する制御装置である。

【００２４】本発明一実施例の構成は以上の通りであ
り、つぎにその動作を説明する。

【００２５】まず、暖房器が停止しているときには、制
御装置１８は排気筒７の入口８に設けられた入口切り替
え装置１０を駆動して回転フラップ１１が点線で画かれ
た位置つまり居住室内（外郭カバー１外）に通じる入口
を閉鎖する位置に固定されるようにする。それにより、
空気フィルター１４に通じる通路を外郭カバー１内に連
通させ、カバー１内空気１３のみが空気フィルター１４
に供給されるようにする。この間紫外線発生装置１５と
送風機１６は駆動されているので、カバー１内の空気は
空気フィルター１４を通過する際に清浄化され、排気筒
７の出口９から無臭の空気として放出される。

【００２６】このような状況下で指示装置１７から暖房
開始の指示を受け付けたときには、制御装置１８は電熱
ヒータ４と送風機５の動作を適宜制御して暖房運転を開
始させる。すると、制御装置１８は入口切り替え装置１
０の作動させて、フラップ１１がカバー１の天井の通気
口６を閉鎖し、空気フィルター１４へは居住室内の空気
が供給されるようにする。暖房運転中、空気フィルター
１４は、暖房器から吐き出される燃焼排気ガスを直接的
にではなく、室内に放出された後に間接的に吸引して浄
化する。

【００２７】その後、指示装置１７が操作されて運転停
止の信号が発せられると、制御装置１８は気化器３の電
熱ヒータ４への通電を停止するとともに送風機５への通
電を停止する。それにより、燃焼炎が消失し、暖房が終
了する。制御装置１８は同時に入口切り替え装置１０を
制御して、フラップ１１を点線の位置に移動させ、排気
筒７の入口をカバー１の通気口６に連通させる。それに
より、カバー１の内側で一時的に大量に発生してカバー
１天井部に上昇してくる臭気物質を能率良く捕捉収集
し、空気フィルター１４へ供給する。そして、その後
も、その状態を持続させて、通気口６を通じて吸引され
る空気を浄化する。

【００２８】この状態が続く中、再び指示装置１７が操
作されて暖房運転が開始されるときには、上述した、通
気口６を閉鎖し、居住室内の空気を吸引する制御が実行
されることになる。

【００２９】このように、光触媒層を備えた空気フィル
ター１７を設けるとともに、暖房運転の終了時つまり一
時的に大量の臭気物質が発生するときからその後つぎの
暖房運転が開始されるまでの間、空気フィルター１７へ
は外郭カバー１内の空気が供給されるので、運転終了時
ないしその後のしばらくの間の気化器温度が比較的高い
間に発生蒸発してカバー１天井部へ上昇する臭気物質を
効率よく捕捉収集して無臭化することができるようにな
った。

【００３０】また、暖房用の送風機５が作動してカバー
１内に空気流動が生じている間は、排気筒７への空気の
取り込みはカバー１内からではなく居住室内から直接行
なうようにしたから、暖房用送風機５の影響を受けずに
安定した量の空気を取り込むことができるようになっ
た。

【００３１】以上の実施例では、空気フィルター１７と
して光触機能だけを備えたものの例を取り上げたが、臭
気物質の吸着機能を合わせ持つものを利用し、通常時は
紫外線発生装置１５を休止させたまま送風機１６のみ作
動させて吸着作用だけが働くようにしておき、特定の条
件が成立したとき、例えば所定の時刻帯にあるときある
いは暖房動作終了後の一定時間だけ紫外線発生詩１５を
作動させて吸着物質の酸化を促進させるという使い方を
してもよい。

【００３２】

【発明の効果】以上本発明によれば、暖房終了時の一時
的に大量の汚染物質が発生する時点からつぎの暖房運転
が開始されまでの間、空気フィルターへは暖房器の外郭
カバーの内部の空気を供給するようにしたから、外郭カ
バー内を上昇する汚染物質を、居住空間に放出される前
に効率良く捕捉収集することができるようになった。

【００３３】その間加熱室内空気とは隔絶された加熱室
外の空気を空気フィルターに供給して空気清浄機能が間
断することなく継続して発揮されるようにしているか
ら、即効的ではないものの、調理器の設置された室内空
間の、臭気の含まれた空気の清浄化が、確実に行なえる
ようになった。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例を示す模式図である。

【符号の説明】

１ 外郭カバー ２ バーナ ３ 気化器 ４ 電熱ヒータ ５ 送風機 ６ 通気口 ７ 排気筒 ８ 入口 ９ 出口 １０ 入口切り替え装置 １１ フラップ １４ 空気フィルター １５ 紫外線発生装置 １６ 送風機 １７ 指示装置 １８ 制御装置

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 荒井 達志 千葉県柏市新十余二３番地１ 株式会社日 立ホームテック内

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 暖房器本体の外郭をなすカバー（１）
   と、このカバー内に設置されて気化した灯油を燃焼させ
   るバーナ（２）と、このバーナに灯油の気化ガスを供給
   する気化器（３）と、この気化器を灯油の気化温度に加
   熱する電熱ヒータ（４）と、前記バーナに対して燃焼用
   の空気を供給するためならびに燃焼後のガスを室内に放
   出するための空気流を発生するための第一の送風機
   （５）と、前記カバーの天井部に開設された通気口
   （６）と、前記カバーの外側の所定部位においてそれぞ
   れ入口（８）と出口（９）を開設した排気筒（７）と、
   この排気筒の前記入口が前記カバーの前記通気口にのみ
   接続されるようにして前記カバー内の空気が前記出口へ
   導かれるようにするかまたは前記通気口を閉鎖して前記
   カバー外の空気のみが前記入口から前記出口へ導かれる
   ようにするかを択一的に切り替える入口切り替え装置
   （１０）と、前記排気筒内において前記入口から前記出
   口に向けて流通する空気と接触するように設けられると
   ともに紫外線の被爆により酸化触媒機能を発揮する光触
   媒層を形成した空気フィルター部材（１４）と、この空
   気フィルター部材に紫外線を照射する紫外線発生器（１
   ５）と、前記排気筒内において前記入口から前記出口へ
   向かう空気流を生成させる第二の送風機（１６）と、前
   記電熱ヒータ、前記第一の送風装置、前記入口切り替え
   装置、前記紫外線発生装置、前記第二の送風装置の作動
   を制御する制御装置（１８）と、そしてこの制御装置に
   対して前記電熱ヒータと前記第一の送風装置の作動によ
   る暖房運転の指示を行なう指示装置（１７）とで構成さ
   れていることを特徴とする加熱調理器。