JPH1137444A - ガス化溶融におけるチャーの処理方法 - Google Patents
ガス化溶融におけるチャーの処理方法Info
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- JPH1137444A JPH1137444A JP9202625A JP20262597A JPH1137444A JP H1137444 A JPH1137444 A JP H1137444A JP 9202625 A JP9202625 A JP 9202625A JP 20262597 A JP20262597 A JP 20262597A JP H1137444 A JPH1137444 A JP H1137444A
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- Gasification And Melting Of Waste (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 流動層炉から溶融炉に供給するチャーの量を
調節して、溶融炉内の燃焼をコントロールできるガス化
溶融におけるチャーの処理方法を提供する。 【解決手段】 廃棄物aを流動層炉2で熱分解ガス化
し、得られるガスとチャーdを後段の溶融炉1で高温燃
焼する廃棄物のガス化溶融において、該流動層炉と該溶
融炉を連結するガスダクトの途中に、集塵装置12を設
置して、該チャーを前記熱分解ガスより分離捕集し、一
旦貯留13した後に、該捕集したチャーを該集塵装置後
方の該ガスダクト中に再度供給することを特徴とするチ
ャーの処理方法としたものであり、前記捕集チャーは、
前記ガスダクト中への供給速度を一定量とするか、又
は、前記ガスダクト中への供給速度を、通常運転時には
一定量とし、前記熱分解ガスの流量の上昇時又は流動層
炉内の圧力の上昇時には下げるか或いはゼロとすること
ができる。
調節して、溶融炉内の燃焼をコントロールできるガス化
溶融におけるチャーの処理方法を提供する。 【解決手段】 廃棄物aを流動層炉2で熱分解ガス化
し、得られるガスとチャーdを後段の溶融炉1で高温燃
焼する廃棄物のガス化溶融において、該流動層炉と該溶
融炉を連結するガスダクトの途中に、集塵装置12を設
置して、該チャーを前記熱分解ガスより分離捕集し、一
旦貯留13した後に、該捕集したチャーを該集塵装置後
方の該ガスダクト中に再度供給することを特徴とするチ
ャーの処理方法としたものであり、前記捕集チャーは、
前記ガスダクト中への供給速度を一定量とするか、又
は、前記ガスダクト中への供給速度を、通常運転時には
一定量とし、前記熱分解ガスの流量の上昇時又は流動層
炉内の圧力の上昇時には下げるか或いはゼロとすること
ができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、環境保全型の廃棄
物の処理方法に係り、特に、都市ごみ、固形化燃料、ス
ラリー化燃料、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス
廃棄物、自動車廃棄物、製紙スラッジ、医療廃棄物、選
炭廃棄物、廃油、焼却灰等の廃棄物をガス化溶融するこ
とにより、ダイオキシン類を発生することなく完全燃焼
し、廃棄物中に含まれる灰分を効率良く溶融スラグ化す
るガス化溶融におけるチャーの処理方法に関する。上記
廃棄物中、固形化燃料(=RDF)は、都市ごみを破砕
選別後、生石灰等を加えて圧縮成形したものであり、ス
ラリー化燃料(=SWM)は、都市ごみ等を破砕後水ス
ラリー化し、高圧下で水熱分解により抽出したものであ
る。
物の処理方法に係り、特に、都市ごみ、固形化燃料、ス
ラリー化燃料、廃プラスチック、廃FRP、バイオマス
廃棄物、自動車廃棄物、製紙スラッジ、医療廃棄物、選
炭廃棄物、廃油、焼却灰等の廃棄物をガス化溶融するこ
とにより、ダイオキシン類を発生することなく完全燃焼
し、廃棄物中に含まれる灰分を効率良く溶融スラグ化す
るガス化溶融におけるチャーの処理方法に関する。上記
廃棄物中、固形化燃料(=RDF)は、都市ごみを破砕
選別後、生石灰等を加えて圧縮成形したものであり、ス
ラリー化燃料(=SWM)は、都市ごみ等を破砕後水ス
ラリー化し、高圧下で水熱分解により抽出したものであ
る。
【0002】
【従来の技術】従来の焼却法に代わる新たな廃棄物処理
技術として、熱分解ガス化と高温燃焼を組み合わせた
「ガス化溶融システム」の開発が各社によって行われ、
既に実用化の段階に達している。こうした「ガス化溶融
システム」の中では、流動層炉(好ましくは内部旋回型
流動層炉)と溶融炉(好ましくは旋回溶融炉)を組み合
わせた方式が、下記の特長を有する点で、有力視されて
いる。 1.3程度の低空気比燃焼により、排ガス量は大幅
に低減される。 高温燃焼により、ダイオキシン類やその前駆体はほ
とんど分解される。 廃棄物中の灰分は、重金属の溶出しない無害で嵩の
小さなスラグとして回収される。このため、埋立地の延
命化を図ることが出来、路盤材等への利用も可能とな
る。 熱分解ガス化で生成するガス、タール、チャーの保
有するエネルギーを、高温溶融のための熱源に有効活用
できる。 システム中にダイオキシン分解や灰溶融の機能が組
み込まれるため、装置全体がコンパクト化され、建設コ
スト、ランニングコスト共に在来型の焼却設備より安価
となる。
技術として、熱分解ガス化と高温燃焼を組み合わせた
「ガス化溶融システム」の開発が各社によって行われ、
既に実用化の段階に達している。こうした「ガス化溶融
システム」の中では、流動層炉(好ましくは内部旋回型
流動層炉)と溶融炉(好ましくは旋回溶融炉)を組み合
わせた方式が、下記の特長を有する点で、有力視されて
いる。 1.3程度の低空気比燃焼により、排ガス量は大幅
に低減される。 高温燃焼により、ダイオキシン類やその前駆体はほ
とんど分解される。 廃棄物中の灰分は、重金属の溶出しない無害で嵩の
小さなスラグとして回収される。このため、埋立地の延
命化を図ることが出来、路盤材等への利用も可能とな
る。 熱分解ガス化で生成するガス、タール、チャーの保
有するエネルギーを、高温溶融のための熱源に有効活用
できる。 システム中にダイオキシン分解や灰溶融の機能が組
み込まれるため、装置全体がコンパクト化され、建設コ
スト、ランニングコスト共に在来型の焼却設備より安価
となる。
【0003】上記ガス化溶融システムが対象としている
廃棄物には、都市ごみや廃プラスチックを始めとして、
バルキー即ち嵩高いものが多い。これらの廃棄物は、通
常の焼却炉と同程度の破砕処理を施した後に、スクリュ
ーフィーダを用いて流動層の上方に定量供給される。と
ころが、時としてドカ落ちの発生することがあり、ドカ
落ちが発生すると、一時的にガスの発生が多くなり、大
量のチャーを伴って流動層炉から排出される。溶融炉で
は一定量の空気が供給されているため、一時的に不完全
燃焼の状態となり、燃焼排ガス中にCOが出たり、甚だ
しい時は未燃カーボンを発生したりする。こうしたドカ
落ちに伴う溶融炉の急激な温度上昇や燃焼域の後方の拡
大は、溶融炉及び溶融炉以降の機器にとって好ましくな
いことであった。回収したスラグ中に未燃カーボンが混
じることも、エネルギーの有効利用上あるいはスラグの
利用上好ましくなかった。
廃棄物には、都市ごみや廃プラスチックを始めとして、
バルキー即ち嵩高いものが多い。これらの廃棄物は、通
常の焼却炉と同程度の破砕処理を施した後に、スクリュ
ーフィーダを用いて流動層の上方に定量供給される。と
ころが、時としてドカ落ちの発生することがあり、ドカ
落ちが発生すると、一時的にガスの発生が多くなり、大
量のチャーを伴って流動層炉から排出される。溶融炉で
は一定量の空気が供給されているため、一時的に不完全
燃焼の状態となり、燃焼排ガス中にCOが出たり、甚だ
しい時は未燃カーボンを発生したりする。こうしたドカ
落ちに伴う溶融炉の急激な温度上昇や燃焼域の後方の拡
大は、溶融炉及び溶融炉以降の機器にとって好ましくな
いことであった。回収したスラグ中に未燃カーボンが混
じることも、エネルギーの有効利用上あるいはスラグの
利用上好ましくなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術の問題点を解消し、流動層炉から溶融炉に供給するチ
ャーの量を調節して、溶融炉内の燃焼をコントロールで
きるガス化溶融におけるチャーの処理方法を提供するこ
とを課題とする。
術の問題点を解消し、流動層炉から溶融炉に供給するチ
ャーの量を調節して、溶融炉内の燃焼をコントロールで
きるガス化溶融におけるチャーの処理方法を提供するこ
とを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明では、廃棄物を流動層炉で熱分解ガス化し、
得られるガスとチャーを後段の溶融炉で高温燃焼する廃
棄物のガス化溶融において、該流動層炉と該溶融炉を連
結するガスダクトの途中に、集塵装置を設置して、該チ
ャーを前記熱分解ガスより分離捕集し、一旦貯留した後
に、該捕集したチャーを該集塵装置後方の該ガスダクト
中に再度供給することを特徴とするチャーの処理方法と
したものである。前記処理方法において、捕集チャー
は、前記ガスダクト中への供給速度を一定量とすること
ができ、また、前記ガスダクト中への供給速度を、通常
運転時には一定量とし、前記熱分解ガスの流量の上昇時
又は前記流動層炉内の圧力の上昇時には、下げるか或い
はゼロとすることができる。
に、本発明では、廃棄物を流動層炉で熱分解ガス化し、
得られるガスとチャーを後段の溶融炉で高温燃焼する廃
棄物のガス化溶融において、該流動層炉と該溶融炉を連
結するガスダクトの途中に、集塵装置を設置して、該チ
ャーを前記熱分解ガスより分離捕集し、一旦貯留した後
に、該捕集したチャーを該集塵装置後方の該ガスダクト
中に再度供給することを特徴とするチャーの処理方法と
したものである。前記処理方法において、捕集チャー
は、前記ガスダクト中への供給速度を一定量とすること
ができ、また、前記ガスダクト中への供給速度を、通常
運転時には一定量とし、前記熱分解ガスの流量の上昇時
又は前記流動層炉内の圧力の上昇時には、下げるか或い
はゼロとすることができる。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明では、流動層炉と溶融炉を
連結するガスダクトの途中に、サイクロン等の集塵装置
を設置して、チャーをガスより分離捕集し、一旦貯留し
た後に、チャーを集塵装置後方のガスダクト中に再度供
給するものである。この時、捕集チャーのガスダクト中
への供給速度は原則として一定量とするが、ドカ落ちの
発生に伴うガス流量の上昇時には、その分だけ燃焼用空
気が不足するので、チャー供給速度を下げるか或いはゼ
ロとするのがより好ましい。同じく、捕集チャーのガス
ダクト中への供給速度を、流動層炉内圧力の上昇時にチ
ャー供給速度を下げるか或いはゼロとすることも出来
る。
連結するガスダクトの途中に、サイクロン等の集塵装置
を設置して、チャーをガスより分離捕集し、一旦貯留し
た後に、チャーを集塵装置後方のガスダクト中に再度供
給するものである。この時、捕集チャーのガスダクト中
への供給速度は原則として一定量とするが、ドカ落ちの
発生に伴うガス流量の上昇時には、その分だけ燃焼用空
気が不足するので、チャー供給速度を下げるか或いはゼ
ロとするのがより好ましい。同じく、捕集チャーのガス
ダクト中への供給速度を、流動層炉内圧力の上昇時にチ
ャー供給速度を下げるか或いはゼロとすることも出来
る。
【0007】次に、ドカ落ちの起きるメカニズムについ
て説明する。バルク状の廃棄物を流動層の上方から投入
することの最大のメリットは、スクリューフィーダの耐
久性向上にあることは言うまでもない。流動層中に直接
供給する方法だと、フィーダと高温の流動媒体が直接接
触するため、未分解物のフィーダへの付着、腐食,磨耗
による劣化、ガスリークによる周囲環境の悪化といった
問題がある。廃棄物の供給位置を流動層の上方とすれ
ば、こうした問題を緩和することが出来る。ところが、
流動層の上方より落下した廃棄物は、バルク状であるが
故に、時として流動層中にスムーズに呑み込まれないこ
とがある。こうして流動層の表面に堆積した廃棄物が、
何かのはずみで一挙に流動層内に呑み込まれれば、熱分
解ガス化が急激に進むことになる。こうした現象はバブ
リング流動層に多く見られる。こうした問題点を解決す
べく開発されたのが内部旋回型流動層炉である。流動層
中の流動媒体を積極的に循環運動させることにより、流
動層の上方から投入されるバルク状の廃棄物はスムーズ
に呑み込まれる。しかし、これとてもドカ落ちを完全に
防ぐことは出来なかった。なぜなら、ドカ落ちのもう一
つの原因はスクリューフィーダへの原料の食込み方の差
にあるからである。
て説明する。バルク状の廃棄物を流動層の上方から投入
することの最大のメリットは、スクリューフィーダの耐
久性向上にあることは言うまでもない。流動層中に直接
供給する方法だと、フィーダと高温の流動媒体が直接接
触するため、未分解物のフィーダへの付着、腐食,磨耗
による劣化、ガスリークによる周囲環境の悪化といった
問題がある。廃棄物の供給位置を流動層の上方とすれ
ば、こうした問題を緩和することが出来る。ところが、
流動層の上方より落下した廃棄物は、バルク状であるが
故に、時として流動層中にスムーズに呑み込まれないこ
とがある。こうして流動層の表面に堆積した廃棄物が、
何かのはずみで一挙に流動層内に呑み込まれれば、熱分
解ガス化が急激に進むことになる。こうした現象はバブ
リング流動層に多く見られる。こうした問題点を解決す
べく開発されたのが内部旋回型流動層炉である。流動層
中の流動媒体を積極的に循環運動させることにより、流
動層の上方から投入されるバルク状の廃棄物はスムーズ
に呑み込まれる。しかし、これとてもドカ落ちを完全に
防ぐことは出来なかった。なぜなら、ドカ落ちのもう一
つの原因はスクリューフィーダへの原料の食込み方の差
にあるからである。
【0008】ドカ落ちが発生すると、どうして大量のチ
ャーが排出されるのかについて説明すると、流動層内で
は廃棄物の熱分解ガス化に伴いガス、タール、チャーが
生成する。ガスとタールはガス状態であるため、流動層
を抜けて炉内を上昇し、炉頂より排出される。一方、固
体状のチャーは流動層内に留まり、流動媒体の攪乱運動
と酸素のアタックにより徐々に微粉化され、細かいもの
から順にガスの上昇流に同伴して炉から排出される。ガ
スに同伴されないが流動層内に留まれないサイズのチャ
ーが、流動媒体の形成する流動層の上に希薄なチャーの
流動層を形成する。このチャーの流動層から少しずつオ
ーバーフローして溶融炉に供給されれば問題は無いので
あるが、ドカ落ちに伴うガスの大量発生により、一挙に
炉外に排出されてしまうのである。溶融炉には常に一定
流量の空気が供給されているため、一時的に大量のガス
とチャーが供給されることにより炉内は不完全燃焼の状
態となり、燃焼排ガス中のCO濃度を突出させたり、未
燃カーボンを発生させたり、溶融炉温度を急上昇させた
り、燃焼域の後方拡大をもたらしたりする。こうしたド
カ落ちに伴って発生する諸々の現象は、溶融炉あるいは
溶融炉以降の機器にとって極めて不都合であった。
ャーが排出されるのかについて説明すると、流動層内で
は廃棄物の熱分解ガス化に伴いガス、タール、チャーが
生成する。ガスとタールはガス状態であるため、流動層
を抜けて炉内を上昇し、炉頂より排出される。一方、固
体状のチャーは流動層内に留まり、流動媒体の攪乱運動
と酸素のアタックにより徐々に微粉化され、細かいもの
から順にガスの上昇流に同伴して炉から排出される。ガ
スに同伴されないが流動層内に留まれないサイズのチャ
ーが、流動媒体の形成する流動層の上に希薄なチャーの
流動層を形成する。このチャーの流動層から少しずつオ
ーバーフローして溶融炉に供給されれば問題は無いので
あるが、ドカ落ちに伴うガスの大量発生により、一挙に
炉外に排出されてしまうのである。溶融炉には常に一定
流量の空気が供給されているため、一時的に大量のガス
とチャーが供給されることにより炉内は不完全燃焼の状
態となり、燃焼排ガス中のCO濃度を突出させたり、未
燃カーボンを発生させたり、溶融炉温度を急上昇させた
り、燃焼域の後方拡大をもたらしたりする。こうしたド
カ落ちに伴って発生する諸々の現象は、溶融炉あるいは
溶融炉以降の機器にとって極めて不都合であった。
【0009】本発明では、これを防ぐため、溶融炉入口
のガスダクトにサイクロン等の集塵装置を設置して、ガ
スに同伴されるチャーをガスより一旦分離した後に、再
びガスに戻すものである。用いるサイクロンの限界粒子
径は10〜100μ、好ましくは20〜50μである。
捕集されたチャーを戻すときの供給量を一定とすれば、
溶融炉に供給されるチャーはガス量の増減に関わらず一
定となるため、例えドカ落ちが発生しても、これにより
引き起こされる溶融炉内の酸素不足の状態、未燃カーボ
ンの発生、溶融炉温度の急上昇、燃焼域の後方拡大、ス
ラグ中への未燃カーボン混入等の現象を、かなり緩和す
ることが出来る。さらに、この方法を一歩進めて、ドカ
落ちに伴うガス流量や流動層炉圧力の上昇を検知して、
例えばガス量が通常の+20%となったり、炉圧力が通
常より20mmAg上昇した時だけ、チャーの戻し量を
減らすか止めれば、上記のような様々な問題を回避する
ことが出来る。
のガスダクトにサイクロン等の集塵装置を設置して、ガ
スに同伴されるチャーをガスより一旦分離した後に、再
びガスに戻すものである。用いるサイクロンの限界粒子
径は10〜100μ、好ましくは20〜50μである。
捕集されたチャーを戻すときの供給量を一定とすれば、
溶融炉に供給されるチャーはガス量の増減に関わらず一
定となるため、例えドカ落ちが発生しても、これにより
引き起こされる溶融炉内の酸素不足の状態、未燃カーボ
ンの発生、溶融炉温度の急上昇、燃焼域の後方拡大、ス
ラグ中への未燃カーボン混入等の現象を、かなり緩和す
ることが出来る。さらに、この方法を一歩進めて、ドカ
落ちに伴うガス流量や流動層炉圧力の上昇を検知して、
例えばガス量が通常の+20%となったり、炉圧力が通
常より20mmAg上昇した時だけ、チャーの戻し量を
減らすか止めれば、上記のような様々な問題を回避する
ことが出来る。
【0010】次に、本発明を図面を用いて具体的に説明
する。図1に、本発明を適用するガス化溶融システムの
主要構成図を示す。図1において、1は定量供給装置、
2は流動層炉、3は空気室、4は空気分散板、5は硅砂
の流動層、6はフリーボード、7は旋回式溶融炉、8は
一次燃焼室、9は二次燃焼室、10はスラグ分離部、1
1はチャーの希薄流動層、12はサイクロン、13はチ
ャーホッパー、14はロータリーバルブ、aは廃棄物、
bは空気(流動化用)、cは空気(酸化・燃焼用)、d
は生成ガス、eは不燃物、fはスラグ、gは燃焼排ガ
ス、hは捕集チャーである。廃棄物aは、粗破砕等の前
処理を施した後に、スクリュー式の定量供給装置1によ
り流動層炉2に供給される。流動層炉の底部に設置され
た空気分散板の上には硅砂が充填されており、空気室3
に供給された空気bが空気分散板4から上方へ吹き出す
ことにより、空気分散板上に硅砂の流動層5が形成され
る。硅砂は粒径0.5mm程度のものが用いられる。廃
棄物aは450〜650℃、好ましくは500〜600
℃に保持された流動層中に落下することにより速やかに
熱分解され、ガス,タール,チャーとなる。これらの生
成物は、空気b中の酸素と接触してガス化する。ガスと
タールは気体状態であるので、流動層5を抜けて炉内を
上昇し、フリーボード6を通過して、炉頂より排出され
る。
する。図1に、本発明を適用するガス化溶融システムの
主要構成図を示す。図1において、1は定量供給装置、
2は流動層炉、3は空気室、4は空気分散板、5は硅砂
の流動層、6はフリーボード、7は旋回式溶融炉、8は
一次燃焼室、9は二次燃焼室、10はスラグ分離部、1
1はチャーの希薄流動層、12はサイクロン、13はチ
ャーホッパー、14はロータリーバルブ、aは廃棄物、
bは空気(流動化用)、cは空気(酸化・燃焼用)、d
は生成ガス、eは不燃物、fはスラグ、gは燃焼排ガ
ス、hは捕集チャーである。廃棄物aは、粗破砕等の前
処理を施した後に、スクリュー式の定量供給装置1によ
り流動層炉2に供給される。流動層炉の底部に設置され
た空気分散板の上には硅砂が充填されており、空気室3
に供給された空気bが空気分散板4から上方へ吹き出す
ことにより、空気分散板上に硅砂の流動層5が形成され
る。硅砂は粒径0.5mm程度のものが用いられる。廃
棄物aは450〜650℃、好ましくは500〜600
℃に保持された流動層中に落下することにより速やかに
熱分解され、ガス,タール,チャーとなる。これらの生
成物は、空気b中の酸素と接触してガス化する。ガスと
タールは気体状態であるので、流動層5を抜けて炉内を
上昇し、フリーボード6を通過して、炉頂より排出され
る。
【0011】チャーは流動層中に留まり、流動媒体であ
る硅砂の攪乱運動と酸素のアタックにより徐々に微粉化
され、細かいものから順にガスの上昇流に同伴して炉か
ら排出される。ガスに同伴されないが偏析作用により流
動層5内に留まれないサイズのチャーが、硅砂の形成す
る流動層5の上にチャーの希薄流動層11を形成する。
フリーボード6の下部には空気bが吹き込まれ、650
〜850℃にて二次的なガス化を行う。炉底からはサイ
ズの大きな不燃物eが硅砂と共に排出される。不燃物e
には鉄,銅,アルミニウムといった金属が含まれるが、
流動層内が還元雰囲気であるため、未酸化でクリーンな
状態で回収できる。排出された不純物eと硅砂は、図示
していない分級装置に供給され、不燃物eを分離した後
の硅砂は再び流動層炉5に戻される。
る硅砂の攪乱運動と酸素のアタックにより徐々に微粉化
され、細かいものから順にガスの上昇流に同伴して炉か
ら排出される。ガスに同伴されないが偏析作用により流
動層5内に留まれないサイズのチャーが、硅砂の形成す
る流動層5の上にチャーの希薄流動層11を形成する。
フリーボード6の下部には空気bが吹き込まれ、650
〜850℃にて二次的なガス化を行う。炉底からはサイ
ズの大きな不燃物eが硅砂と共に排出される。不燃物e
には鉄,銅,アルミニウムといった金属が含まれるが、
流動層内が還元雰囲気であるため、未酸化でクリーンな
状態で回収できる。排出された不純物eと硅砂は、図示
していない分級装置に供給され、不燃物eを分離した後
の硅砂は再び流動層炉5に戻される。
【0012】微細化したチャーを同伴して流動層炉2を
出た生成ガスdは、旋回式溶融炉7の手前でサイクロン
12に供給され、ここで一定粒径以上のチャーhが捕集
される。捕集されたチャーhは、サイクロン12下方の
ホッパー13に貯留され、ロータリーバルブ14によ
り、サイクロンを出たガスに供給される。このように、
ドカ落ちに伴って排出されるチャーにとっては、いわば
ダムのような役割を果たすことになる。こうして、一定
量のチャーを含んだ生成ガスdは、旋回式溶融炉7に供
給される。初めに垂直の一次燃焼室8にて、予熱された
空気cと旋回流中で混合しながら、1200〜1600
℃の高温で高速燃焼する。チャー中の灰分は高温燃焼の
ためスラグミストとなるが、生成したスラグミストの9
0%近くは旋回流による遠心力のため、燃焼室炉壁上の
溶融スラグ相に捕捉される。炉壁を流れ下った溶融スラ
グfは、一次燃焼室8と二次燃焼室9の間にあるスラグ
分離部10より排出され、冷却された後に排出される。
出た生成ガスdは、旋回式溶融炉7の手前でサイクロン
12に供給され、ここで一定粒径以上のチャーhが捕集
される。捕集されたチャーhは、サイクロン12下方の
ホッパー13に貯留され、ロータリーバルブ14によ
り、サイクロンを出たガスに供給される。このように、
ドカ落ちに伴って排出されるチャーにとっては、いわば
ダムのような役割を果たすことになる。こうして、一定
量のチャーを含んだ生成ガスdは、旋回式溶融炉7に供
給される。初めに垂直の一次燃焼室8にて、予熱された
空気cと旋回流中で混合しながら、1200〜1600
℃の高温で高速燃焼する。チャー中の灰分は高温燃焼の
ためスラグミストとなるが、生成したスラグミストの9
0%近くは旋回流による遠心力のため、燃焼室炉壁上の
溶融スラグ相に捕捉される。炉壁を流れ下った溶融スラ
グfは、一次燃焼室8と二次燃焼室9の間にあるスラグ
分離部10より排出され、冷却された後に排出される。
【0013】流動層炉2と溶融炉の一次燃焼室8に供給
される空気中の酸素量は、投入廃棄物の理論燃焼量の4
0〜95%とするため、一次燃焼室8から二次燃焼室9
入口までは強い還元雰囲気となる。一次燃焼室8を出て
スラグを分離したガスは垂直の二次燃焼室9の下方から
入り、予熱された空気bと旋回流中で混合しながら、お
よそ900℃にて完全燃焼する。二次燃焼室9に供給さ
れる空気中の酸素量は理論燃焼量の25〜90%とする
ため、二次燃焼室9内は酸化雰囲気となる。こうして、
トータルで理論燃焼量の120〜130%の酸素量が供
給される。燃焼排ガスgは二次燃焼室9の頂部より排出
され、図示しない一連の熱回収装置や脱塵装置を経た後
に、大気放出される。溶融スラグとして回収されなかっ
た残りのスラグミストは、飛灰として主にバグフィルタ
ーで捕集される。このように、還元雰囲気下で溶融スラ
グの排出を行うため、低沸点重金属類がスラグから十分
揮散される。
される空気中の酸素量は、投入廃棄物の理論燃焼量の4
0〜95%とするため、一次燃焼室8から二次燃焼室9
入口までは強い還元雰囲気となる。一次燃焼室8を出て
スラグを分離したガスは垂直の二次燃焼室9の下方から
入り、予熱された空気bと旋回流中で混合しながら、お
よそ900℃にて完全燃焼する。二次燃焼室9に供給さ
れる空気中の酸素量は理論燃焼量の25〜90%とする
ため、二次燃焼室9内は酸化雰囲気となる。こうして、
トータルで理論燃焼量の120〜130%の酸素量が供
給される。燃焼排ガスgは二次燃焼室9の頂部より排出
され、図示しない一連の熱回収装置や脱塵装置を経た後
に、大気放出される。溶融スラグとして回収されなかっ
た残りのスラグミストは、飛灰として主にバグフィルタ
ーで捕集される。このように、還元雰囲気下で溶融スラ
グの排出を行うため、低沸点重金属類がスラグから十分
揮散される。
【0014】
【発明の効果】本発明によれば、流動層炉と溶融炉を連
通するガスダクト中に集塵装置を設けてチャーを分離捕
集して貯留しているので、ドカ落ちに伴う大量のチャー
を一時貯留でき、溶融炉に供給するチャーは一定量に調
節できる。さらに、貯留したチャーの供給を、ガス流量
の上昇時又は流動層内の圧力上昇時に下げるかゼロとす
ることにより、より溶融炉内温度を一定に保持でき、燃
焼排ガス中にCOとか未燃カーボンを排出することが防
止できる。
通するガスダクト中に集塵装置を設けてチャーを分離捕
集して貯留しているので、ドカ落ちに伴う大量のチャー
を一時貯留でき、溶融炉に供給するチャーは一定量に調
節できる。さらに、貯留したチャーの供給を、ガス流量
の上昇時又は流動層内の圧力上昇時に下げるかゼロとす
ることにより、より溶融炉内温度を一定に保持でき、燃
焼排ガス中にCOとか未燃カーボンを排出することが防
止できる。
【図1】本発明を適用するガス化溶融システムの主要構
成図。
成図。
1:定量供給装置、2:流動層炉、3:空気室、4:空
気分散板、5:硅砂の流動層、6:フリーボード、7:
旋回式溶融炉、8:一次燃焼室、9:二次燃焼室、1
0:スラグ分離部、11:チャーの希薄流動層、12:
サイクロン、13:チャーホッパー、14:ロータリー
バルブ、a:廃棄物、b:空気(流動化用)、c:空気
(酸化・燃焼用)、d:生成ガス、e:不燃物、f:ス
ラグ、g:燃焼排ガス、h:捕集チャー
気分散板、5:硅砂の流動層、6:フリーボード、7:
旋回式溶融炉、8:一次燃焼室、9:二次燃焼室、1
0:スラグ分離部、11:チャーの希薄流動層、12:
サイクロン、13:チャーホッパー、14:ロータリー
バルブ、a:廃棄物、b:空気(流動化用)、c:空気
(酸化・燃焼用)、d:生成ガス、e:不燃物、f:ス
ラグ、g:燃焼排ガス、h:捕集チャー
Claims (4)
- 【請求項1】 廃棄物を流動層炉で熱分解ガス化し、得
られるガスとチャーを後段の溶融炉で高温燃焼する廃棄
物のガス化溶融において、該流動層炉と該溶融炉を連結
するガスダクトの途中に、集塵装置を設置して、該チャ
ーを前記熱分解ガスより分離捕集し、一旦貯留した後
に、該捕集したチャーを該集塵装置後方の該ガスダクト
中に再度供給することを特徴とするチャーの処理方法。 - 【請求項2】 前記捕集チャーは、前記ガスダクト中へ
の供給速度を一定量とすることを特徴とする請求項1記
載のチャーの処理方法。 - 【請求項3】 前記捕集チャーは、前記ガスダクト中へ
の供給速度を、通常運転時には一定量とし、前記熱分解
ガスの流量の上昇時には下げるか或いはゼロとすること
を特徴とする請求項1記載のチャーの処理方法。 - 【請求項4】 前記捕集チャーは、前記ガスダクト中へ
の供給速度を、通常運転時には一定量とし、前記流動層
炉内の圧力の上昇時には下げるか或いはゼロとすること
を特徴とする請求項1記載のチャーの処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9202625A JPH1137444A (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | ガス化溶融におけるチャーの処理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9202625A JPH1137444A (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | ガス化溶融におけるチャーの処理方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1137444A true JPH1137444A (ja) | 1999-02-12 |
Family
ID=16460464
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9202625A Pending JPH1137444A (ja) | 1997-07-14 | 1997-07-14 | ガス化溶融におけるチャーの処理方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1137444A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008272707A (ja) * | 2007-05-07 | 2008-11-13 | Takuma Co Ltd | クロムを含有する燃料の焼却飛灰からの6価クロム溶出抑制方法及びこれに用いる燃焼装置 |
US20140272639A1 (en) * | 2013-03-15 | 2014-09-18 | Zietlow Innovative Engineering And Technology, Llc | Processes and systems for storing, distributing and dispatching energy on demand using and recycling carbon |
-
1997
- 1997-07-14 JP JP9202625A patent/JPH1137444A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008272707A (ja) * | 2007-05-07 | 2008-11-13 | Takuma Co Ltd | クロムを含有する燃料の焼却飛灰からの6価クロム溶出抑制方法及びこれに用いる燃焼装置 |
US20140272639A1 (en) * | 2013-03-15 | 2014-09-18 | Zietlow Innovative Engineering And Technology, Llc | Processes and systems for storing, distributing and dispatching energy on demand using and recycling carbon |
US9692069B2 (en) * | 2013-03-15 | 2017-06-27 | Ziet, Llc | Processes and systems for storing, distributing and dispatching energy on demand using and recycling carbon |
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