JPH1137044A - プランジャオイルポンプ - Google Patents

プランジャオイルポンプ

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JPH1137044A
JPH1137044A JP9191234A JP19123497A JPH1137044A JP H1137044 A JPH1137044 A JP H1137044A JP 9191234 A JP9191234 A JP 9191234A JP 19123497 A JP19123497 A JP 19123497A JP H1137044 A JPH1137044 A JP H1137044A
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憲夫 竹花
Hisanori Ito
久範 伊藤
Katsuya Yoneda
勝也 米田
Nagahiko Naiki
長彦 内記
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 小型化の要求を満たし、吐出能力の低下を防
止し、良好な作動性を確保したプランジャオイルポンプ
を提供する。 【解決手段】 プランジャ50は、ハウジング10の素
材と同一素材から成るポンプ作用部材52と、耐摩耗性
のある鋼材等の素材から成る駆動部材54との2つの部
材から構成する。ポンプ作用部材52には、駆動部材5
4の突起58と嵌合するための凹部56を形成し、その
凹部56は外壁までには至らないようにする。これによ
って、ポンプ作用部材52におけるハウジング10との
有効接触長さを従来より長くすることができる。前記駆
動部材54の外周面に設ける歯車60は転造によって形
成することで、不完全歯車部の長さを従来より短くし
て、駆動部材54に2個の軸受部62,64を形成し
て、駆動部材54の良好な作動性を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハウジング内でプ
ランジャが回転運動並びに往復運動をしてポンプ作用を
するプランジャオイルポンプに関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、潤滑オイル等を循環させるも
のとしてプランジャオイルポンプが使用されている。プ
ランジャオイルポンプは、ハウジング内にプランジャを
回転自在かつ往復移動自在に備え、そのプランジャにク
ランク軸の回転力を伝達して回転運動をさせると共に、
そのプランジャの先端に取り付けられたカムによってプ
ランジャに往復運動をさせ、そのプランジャの回転往復
運動によってオイルを吸入吐出するものである。このプ
ランジャオイルポンプにおいては従来から一般に、ハウ
ジングの素材に軽量で安価なアルミニウムを使用し、プ
ランジャの素材にドライビングウォームと噛み合うため
の耐摩耗性の高い鋼材を使用していた。
【0003】しかし、エンジンルーム内の温度の上昇に
伴ってプランジャオイルポンプの温度が上昇すると、ハ
ウジングの素材であるアルミニウムとプランジャの素材
である鋼材との熱膨張率が相違するため、ハウジングと
プランジャとの接触部の隙間が大きくなる。その結果、
ハウジングとプランジャとの接触部の隙間からオイルが
漏れて、オイルの吐出能力が低下するという不具合が発
生した。
【0004】この不具合を解消するために、一体物とし
て構成していたプランジャを、回転往復運動に変換する
ための駆動部材と、ポンプ作用を行うポンプ作用部材と
の2つの部材に分離するプランジャオイルポンプが提案
されている。プランジャを2つの部材に分離したことに
よって、ポンプ作用部材の素材をハウジングの素材と同
一にして、ハウジングとポンプ作用部材との接触部の隙
間が熱変化によって大きくなるのを防止して、オイルの
吐出能力を低下させないようにすることができる。
【0005】ここで、2つの部材に分離した構成のプラ
ンジャを図7乃至図9に示す。例えばアルミニウムを素
材とするハウジング10内にはシリンダ12が形成さ
れ、そのシリンダ12内にプランジャ14が回転自在か
つ摺動自在に収容されている。このプランジャ14は、
例えばアルミニウム合金を素材とするポンプ作用部材1
6と、例えば鋼材を素材とする駆動部材18との2つの
部材から構成する。ハウジング10内には吸入口20と
吐出口22とが形成され、ポンプ作用部材16には、そ
のポンプ作用部材16が回転することによって吸入口2
0と吐出口22の両方に連絡するポンプ作用室24が形
成される。駆動部材18の外周面にはホブカッタによっ
て歯車26が形成され、そのホブカッタによって形成さ
れた歯車26は、図示しないクランク軸等の回転力を伝
達する駆動手段としてのドライビングウォーム28と噛
み合っている。
【0006】図8及び図9に示すように、ポンプ作用部
材16における駆動部材18に対向する側の端面には、
外壁面にまで至るスリ割りの溝30が形成される。駆動
部材18におけるポンプ作用部材16に対向する側の端
面には、前記溝30に嵌合する突起32が形成される。
ポンプ作用部材16の溝30と駆動部材18の突起32
とは嵌合した状態でハウジング10内に備えられる。駆
動部材18において、ポンプ作用部材16の反対側には
カム34が形成される。カム34と接触する位置に、ハ
ウジング10に取り付けられたピン36が配置される。
ハウジング10内には、ポンプ作用部材16と駆動部材
18とをピン36側に押圧するスプリング38が備えら
れ、このスプリング38によってカム34がピン36に
常に接触するよう設定されている。
【0007】ドライビングウォーム28が回転すると、
駆動部材18がシリンダ12内で回転し、駆動部材18
の突起32とポンプ作用部材16の溝30との嵌合箇所
を介してポンプ作用部材16も回転する。また、駆動部
材18の回転に応じて、カム34並びにスプリング38
の働きで駆動部材18とポンプ作用部材16とが軸方向
に往復運動する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】図7乃至図10に示し
たプランジャオイルポンプにおいて、プランジャ14の
ハウジング10に接触する箇所の全長をX0 とし、ポン
プ作用部材16のハウジング10と接触する全長をX1
とし、ポンプ作用部材16のハウジング10との有効接
触長さをX2 とし、駆動部材18の長さをX3 とする。
ここで、X0 =X1 +X3 となる。スリ割りの溝30を
介してオイル漏れが発生するので、X2 はスリ割りの溝
30を含まない長さであり、X2 <X1 となる。ハウジ
ング10とポンプ作用部材16との隙間からのオイル漏
れを少なくするために、ポンプ作用部材16のハウジン
グ10との有効接触長さX2 を出来るだけ長くするのが
望ましい。その要求に応じて長さX2 を長くすると、ポ
ンプ作用部材16のハウジング10と接触する全長X1
も長くしなければならない。最近では、プランジャオイ
ルポンプに更なる小型化が要求されているため、プラン
ジャの全長X0 を長くしないで、ポンプ作用部材16の
有効接触長さX2 を伸ばすことが求められる。ここで、
ポンプ作用部材16の有効接触長さX2 をオイル漏れの
少ない所望の長さにすると、ポンプ作用部材16の全長
1 も長くなる。そして、プランジャの全長X0 を変え
ないとすると、駆動部材18の長さX3 (X3 =X0
1 )は短くならざるをえない。
【0009】即ち、X2 をオイル漏れの少ない長さにす
ると、駆動部材18の長さX3 は短く制限される。その
制限された長さX3 の範囲内で、駆動部材18には図1
0に示されるホブカッタ40によって形成される歯車2
6が形成されていた。ホブカッタ40による歯車26の
不完全歯車部の長さaは長いので、制限された長さX3
の駆動部材18では、1箇所しか軸受部42を設けるこ
とができなかった。しかし、駆動部材18に1箇所の軸
受部42を設けただけでは、回転時の駆動部材18のガ
タにより、ハウジング10における駆動部材18との接
触部に摩耗が生じ、回転不良などの不具合が生じる。こ
れに対して、駆動部材18にもう1つの軸受部を形成す
る(2箇所の軸受部を形成する)と、増加した1個の軸
受部の分だけ駆動部材18の長さが長くなり、小型化の
要求を満足できない(プランジャの全長がX0 より長く
なる)という不具合があった。
【0010】本発明は上記問題に鑑みてなされたもの
で、ポンプ作用部材と駆動部材との2つの部材に分離し
たプランジャを備えるプランジャオイルポンプにおい
て、プランジャの全長を長くしないようにして小型化の
要求を満たし、ポンプ作用部におけるハウジングとの有
効接触長さを長くしてオイルプ吐出能力の低下を防止
し、駆動部材に2箇所の軸受部を設けて良好な作動性を
確保するようにしたプランジャオイルポンプを提供する
ことを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決
するために、ハウジングと、そのハウジング内に回転自
在かつ往復運動自在なプランジャと、前記ハウジングに
形成される吸入口並びに吐出口と、前記プランジャに形
成されるものであってそのプランジャの回転によって前
記吸入口と前記吐出口とに交互に連絡するポンプ作用室
と、前記プランジャの外表面に設けられる歯車と前記プ
ランジャの端面に形成されるカムとを有し、前記駆動手
段によって前記歯車を回転させて前記プランジャに回転
運動かつ往復運動を行わせるプランジャオイルポンプに
おいて、前記プランジャをポンプ作用室を含むポンプ作
用部材と前記歯車と前記カムとを有する駆動部材との2
体から構成し、前記ポンプ作用部材を前記ハウジングと
同一素材で構成すると共に前記駆動部材を前記ハウジン
グより耐摩耗性のある素材で構成し、前記ポンプ作用部
材と前記駆動部材との互いの対向面において一方の部材
の対向面に外壁までに達しない凹部を形成すると共に他
方の部材の対向面に前記凹部に嵌合する突起を形成し、
前記駆動部材に備えられる前記歯車を転造により形成
し、その駆動部材に前記ハウジングと接触する2個の軸
受部を設けるようにしたものである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明を図面に基づいて説
明する。図1は本発明に係るプランジャオイルポンプの
一実施形態を示す断面図である。図1において図7と同
一符号は同一部分を示す。プランジャ50は、ハウジン
グ10の素材と同一素材から成るポンプ作用部材52
と、ハウジング10の素材よりも耐摩耗性のある鋼材等
の素材から成る駆動部材54との2つの部材から構成す
る。図2及び図3に示すように、ポンプ作用部材52の
駆動部材54に対向する側の端面に、外壁までには至ら
ない(スリ割りではない)凹部56を形成し、図4及び
図5に示すように、駆動部材54のポンプ作用部材52
に対向する側の端面に、前記凹部56に嵌合する突起5
8を形成する。ポンプ作用部材52の凹部56と駆動部
材54の突起58とは、嵌合した状態でハウジング10
のシリンダ12内に収容されている。この駆動部材54
の回転によって、前記突起58と凹部56との嵌合箇所
を介してポンプ作用部材52も回転し、しかも駆動部材
54とポンプ作用部材52とは往復運動を行う。駆動部
材54の外周面には転造による歯車60を形成し、その
歯車60の両側に軸受部62,64を形成する。ここ
で、駆動部材54に歯車60を形成する転造ダイス66
を図6に示す。転造(rolling )とは、冷間加工や熱間
加工により、転造ダイス66等の転造工具でねじや歯車
を作る方法のことである。駆動部材54には歯車60を
形成するため、耐摩耗性のある素材が用いられており、
必要に応じて駆動部材54は浸炭処理などの硬度処理を
して、更に耐摩耗性を向上させることが望ましい。
【0013】プランジャオイルポンプに小型化が要求さ
れているためと、従来プランジャとの比較を容易にする
ため、本発明においても従来と同様に、プランジャ50
のハウジング10に接触する箇所の全長を例えばX0
する。ポンプ作用部材52のハウジング10に接触する
箇所の全長を例えば従来と同じX1 とし、駆動部材54
のハウジング10に接触する箇所の全長を例えば従来と
同じX3 とする。ポンプ作用部材52にはすり割りが設
けられていないので、長さX1 の全ての箇所において外
壁がハウジング10の内壁に接触するようになる。従っ
て、本発明におけるポンプ作用部材52のハウジング1
0との有効接触長さはX1 となり、従来(図7)の有効
接触長さX2 より大きくなり、従来のものと比べてオイ
ル漏れをより少なくすることができる。ポンプ作用部材
52の素材がアルミ合金の場合には、アルマイト処理等
の表面硬化処理を施すことにより摩耗が少なくなり、ポ
ンプ作用部材52には好ましい。X0 が一定であるとの
条件の下に、駆動部材54の長さとの関係もあるが、ポ
ンプ作用部材52の長さは可能な限り長くするのが望ま
しい。
【0014】駆動部材54においては、転造によって形
成した歯車60の両側に2箇所の軸受部62,64を形
成する。転造によって形成した歯車60の不完全歯車部
の長さbは、ホブカッタによって形成する歯車の不完全
歯車部の長さaより短いので、駆動部材54の長さが従
来と同じくX3 (X3 =X0 −X1 )であっても、駆動
部材54に2箇所の軸受部62,64を形成することが
可能となる。このように、本発明では歯車60を転造に
よって形成することにより、駆動部材54に2箇所の軸
受部62,64を形成でき、接触部のガタや摩耗の発生
を無くして、駆動部材18の良好な作動性を確保するこ
とができる。なお、駆動部材54に歯車60と2箇所の
軸受部62,64とを形成することができれば、駆動部
材54の長さを出来るだけ短くして、その分ポンプ作用
部材52の長さを長くすれば、ポンプ作用部材52のハ
ウジング10との有効接触長さを更に長くして、オイル
漏れを更に少なくすることができる。
【0015】
【発明の効果】以上のように、本発明に係るプランジャ
オイルポンプによれば、ポンプ作用部材と駆動部材とか
ら成るプランジャ全体の長さを長くせずに、ポンプ作用
部材におけるハウジングとの接触部の有効接触長さを従
来より長くして、その接触部の隙間からのオイルの漏れ
を更に防止して、オイルの吐出能力の低下を一層防止す
ることができる。また、駆動部材に形成する歯車を転造
によって作ることにより歯車の不完全歯車部の長さを短
くでき、駆動部材に2箇所の軸受部を形成することがで
きる。これによって、接触部のガタや摩耗の発生を少な
くして、駆動部材の良好な作動性を確保することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るプランジャオイルポンプの一実施
形態を示す断面図である。
【図2】図1に示すポンプ作用部材の断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図1に示す駆動部材の断面図である。
【図5】図4のB−B線断面図である。
【図6】駆動部材に歯車を形成する転造ダイスを示す正
面図である。
【図7】従来のプランジャオイルポンプの断面図であ
る。
【図8】図7に示すに示すポンプ作用部材のC−C線断
面図である。
【図9】図7に示す駆動部材の正面図である。
【図10】駆動部材に歯車を形成するホブカッタを示す
正面図である。
【符号の説明】
10 ハウジング 20 吸入口 22 吐出口 24 ポンプ作用室 28 ドライビングウォーム 34 カム 50 プランジャ 52 ポンプ作用部材 54 駆動部材 56 凹部 58 突起 60 歯車 62 軸受部 64 軸受部 66 転造ダイス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 内記 長彦 岩手県岩手郡滝沢村滝沢字外山309番地 株式会社ミクニアデック内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングと、そのハウジング内に回転
    自在かつ往復運動自在なプランジャと、前記ハウジング
    に形成される吸入口並びに吐出口と、前記プランジャに
    形成されるものであってそのプランジャの回転によって
    前記吸入口と前記吐出口とに交互に連絡するポンプ作用
    室と、前記プランジャの外表面に設けられる歯車と前記
    プランジャの端面に形成されるカムとを有し、前記駆動
    手段によって前記歯車を回転させて前記プランジャに回
    転運動かつ往復運動を行わせるプランジャオイルポンプ
    において、前記プランジャをポンプ作用室を含むポンプ
    作用部材と前記歯車と前記カムとを有する駆動部材との
    2体から構成し、前記ポンプ作用部材を前記ハウジング
    と同一素材で構成すると共に前記駆動部材を前記ハウジ
    ングより耐摩耗性のある素材で構成し、前記ポンプ作用
    部材と前記駆動部材との互いの対向面において一方の部
    材の対向面に外壁までに達しない凹部を形成すると共に
    他方の部材の対向面に前記凹部に嵌合する突起を形成
    し、前記駆動部材に備えられる前記歯車を転造により形
    成し、その駆動部材に前記ハウジングと接触する2個の
    軸受部を設けたことを特徴とするプランジャオイルポン
    プ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN102235278A (zh) * 2010-04-23 2011-11-09 三菱电机株式会社 燃料供给装置
US8162632B2 (en) 2007-09-28 2012-04-24 Brp Us Inc. Fluid pump

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8162632B2 (en) 2007-09-28 2012-04-24 Brp Us Inc. Fluid pump
CN102235278A (zh) * 2010-04-23 2011-11-09 三菱电机株式会社 燃料供给装置
JP2011226449A (ja) * 2010-04-23 2011-11-10 Mitsubishi Electric Corp 燃料供給装置

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