JPH1136196A - 喫煙製品用包装紙、該包装紙の不透明度を高める方法、および該包装紙を用いた喫煙製品 - Google Patents

喫煙製品用包装紙、該包装紙の不透明度を高める方法、および該包装紙を用いた喫煙製品

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JPH1136196A
JPH1136196A JP10094602A JP9460298A JPH1136196A JP H1136196 A JPH1136196 A JP H1136196A JP 10094602 A JP10094602 A JP 10094602A JP 9460298 A JP9460298 A JP 9460298A JP H1136196 A JPH1136196 A JP H1136196A
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    • Y10T428/2913—Rod, strand, filament or fiber

Abstract

(57)【要約】 【課題】 不透明度の高い喫煙製品用包装紙（タバコ巻
紙等）、該包装紙の製造方法、該包装紙の不透明度を高
める方法、さらにその包装紙を用いた喫煙製品を提供。 【解決手段】 喫煙製品用包装紙は、喫煙製品に使用さ
れる包装紙であって、紙材と、この紙材に含まれ、かつ
粒子径の中央値が０．１μｍないし０．５μｍの範囲内
にある白色顔料からなる第１の充填剤と、紙材に最大で
２重量％含まれる黒色顔料からなる第２の充填剤とを有
し、さらに不透明度が少なくとも８０％、明度が少なく
とも７０％である。また、喫煙製品はこの包装紙を使用
して製造される。

Description

【発明の詳細な説明】
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は、喫煙製品に利用さ
れる不透明度の高い包装紙と、該包装紙を製造するため
の方法とに関する。特に、本発明は包装紙の不透明度を
高めるために光の散乱および吸収を効果的に行う一方で
商業的に許容される範囲内で包装紙の色彩を明るくする
白色および黒色の顔料からなる混合物を含有する不透明
度の高い包装紙および該包装紙の製造方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】シガレット等の喫煙製品は、従来から円
柱状のタバコを白色の包装紙で包むことによって製造さ
れる。その一端部には、喫煙者が喫煙製品を吸う際に利
用されるフィルタが設けられている。この場合、白色の
包装紙に接着剤でつけられたチッピング・ペーパを用い
てフィルタが喫煙製品に付着している。喫煙製品を構成
するのに利用される包装紙およびチッピング・ペーパは
一般に亜麻繊維またはセルロース繊維から作られ、かつ
炭酸カルシウム等の充填剤が含まれている。
【０００３】また、包装紙およびチッピング・ぺーパは
シガレットがばらばらにならないように保持しておくこ
とに加えてシガレットの物理的性質や特徴にも貢献して
おり、さらにそれらの調整にも関与している。例えば、
シガレットの包装紙はシガレットの燃焼速度やパフあた
りの全タール送達量にも影響を及ぼす。包装紙によって
影響を受ける他のシガレットの性質として、その外観と
シガレット燃焼時に生ずる灰の特徴とが挙げられる。シ
ガレット用の包装紙（以下、タバコ巻紙ともいう）は、
シガレットの火が消されずに放置された場合にシガレッ
トの火がついている部分から生ずる煙の量を抑えたり、
火がついている部分に隣接するシガレットの他の表面に
火が移る傾向を抑えることにも利用可能である。
【０００４】上記の機能を果たすことに加えて、タバコ
巻紙はシガレットに対して美的外観を与えるものとす
る。例えば、可能な限り鮮やかにする。また、タバコ巻
紙は不透明度がかなり高いものとする。不透明度が高い
ことで、シガレットの内容物が隠される。
【０００５】従来、タバコ巻紙の不透明度は主としてタ
バコ巻紙に取り込まれた充填材の量によって決定され
た。一般に、不透明度の度合いはタバコ巻紙に添加され
る充填材の量に比例して増大する。
【０００６】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術で
は、残念なことに不透明度を高めるために充填材の増量
すると、タバコ巻紙の他の性質に悪影響を及ぼす。例え
ば、充填材の濃度を高めることでタバコ巻紙の強度が落
ちる。充填材の量を変えることは、タバコ巻紙の透過性
に影響を及ぼし、その結果としてその燃焼特性にも影響
が及ぶ。そのようなことから、タバコ巻紙の充填材濃度
を現在の範囲内に維持しておかなければならないという
プレッシャーが当業者にはあり、タバコ巻紙の不透明性
を高める方法の実現が顕著に制限される。
【０００７】さらに、充填材濃度の上昇に加えて、タバ
コ巻紙の不透明性は完成紙料(fiberfurnish) が精製さ
れる量を完成紙料の組成物を変えることである程度変化
する。完成紙料またはその精製される量を変えること
で、タバコ巻紙の他の物理的特性に悪影響を及ぼす可能
性もある。さらに、精製方法を変えることで、または異
なる完成紙料の選択によって不透明性をわずかながら変
えることもできる。
【０００８】このような限界があることから、充填材と
して炭酸カルシウムを含有する市販のタバコ巻紙は、不
透明度がたったの７４％ないし７６％程度しかない。す
なわち、従来は不透明度が８０％以上で、かつ商業的に
許容されるタバコ巻紙を生産するのはたいへん困難であ
った。
【０００９】したがって、不透明度が８０％以上の喫煙
製品用包装紙（以下、タバコ巻紙ともいうが、該包装紙
はいわゆるタバコ巻紙に限定されるものではない）、該
包装紙を製造するための方法、喫煙製品用包装紙の物理
的特性等を損なうことなく不透明度を高める方法、さら
に充填材濃度を高めることなく喫煙製品用包装紙の不透
明度を高める方法が従来から求められている。
【００１０】よって、本発明は概して不透明度の高い喫
煙製品用包装紙を提供することを目的とする。本発明に
よれば、不透明度の高い包装紙は白色顔料と黒色顔料と
の混合物を含む。
【００１１】紙の不透明度は光を散乱させる能力と光を
吸収する能力との関数である。本発明によれば、光を散
乱させるために白色の顔料、例えば所定の粒径範囲にあ
る炭酸カルシウムを添加する。一方、黒色の顔料、例え
ば炭素を包装紙に添加して光の吸収を可能とさせる。一
般に、黒色顔料の添加量は白色顔料の添加量よりも少な
い。
【００１２】ところで、炭素粒子および炭酸カルシウム
粒子を一緒にしてタバコ巻紙に含有させることが従来か
ら行われている。例えば、米国特許第３，７４４，４９
６号(McCarty, et al.) は喫煙製品用の炭素充填包装紙
を開示している。しかし、炭素が添加されているにもか
かわらず、包装紙の不透明度は改善されていない。ま
た、その米国特許には加熱時にフラボラントが放出され
るようにするために炭素で該フラボラントを保持するこ
とが開示されている。特に、上記米国特許は包装紙に約
５ないし９０重量％の炭素を添加することが開示されて
いる。
【００１３】米国特許第３，７４４，４９６号(McCart
y, et al.) に開示されたように、従来のタバコ巻紙に
炭素を添加することで、紙の白色度が著しく減少して紙
の明度が許容できないレベルに達する。そのため、煤煙
成分を減少させるために、あるいはフラボラントを含ま
せるための炭素充填包装紙のほとんどは内側に設けられ
る包装紙として用いられる。特に、シガレットの美的外
観を改善するために、円柱状になったタバコの周面をま
ず炭素充填紙で包み、さらにその外側を別の包装紙で包
むようにした。上記米国特許で述べられているように、
外側の包装紙は内側の灰色の炭素が充填されたライナー
を隠すために使われる。
【００１４】しかし、本発明によれば、黒色顔料をタバ
コ巻紙に入れて該タバコ巻紙の不透明性を高め、一方で
タバコ巻紙の白色度や明度を従来のものと同程度に保つ
ようにした。したがって、本発明は、喫煙製品の外装用
の包装紙として使用することができ、白色顔料および黒
色顔料を含み、不透明度が高い包装紙を提供することで
ある。このことから、本発明の別の目的としてシガレッ
ト用のタバコ巻紙を提供することが挙げられる。本発明
によれば、後述するように、該タバコ巻紙に少量の黒色
顔料とともに含まれる白色顔料の粒径は可視光線の波長
の半分にほぼ等しい。
【００１５】以上説明したように、本発明の解決すべき
課題をまとめると、本発明は上記従来の問題点を解決
し、不透明度の高い喫煙製品用包装紙（タバコ巻紙
等）、該包装紙の製造方法、その包装紙を用いた喫煙製
品を提供することを目的とする。
【００１６】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明にもとづく喫煙製品に使用される包装紙であ
って、紙材と、紙材に含まれ、かつ粒子径の中央値が
０．１μｍないし０．５μｍの範囲内にある白色顔料か
らなる第１の充填剤と、紙材に最大で２重量％含まれる
黒色顔料からなる第２の充填剤とを有し、さらに不透明
度が少なくとも８０％、明度が少なくとも７０％である
ことを特徴とする。
【００１７】好ましくは、白色顔料は、炭酸カルシウム
を含む。
【００１８】好ましくは、黒色顔料は、炭素、酸化鉄、
および炭素と酸化鉄との混合物からなる群から選択され
る材料を含む。
【００１９】好ましくは、白色顔料は、紙材の重量あた
り２０％ないし４０％含まれる。
【００２０】好ましくは、白色粒子は、粒径の中央値が
０．２μｍないし０．４μｍの範囲内にある。
【００２１】好ましくは、紙材は坪量が１８ｇ／ｍ2 な
いし６０ｇ／ｍ2 であり、また透過性が５コレスタ単位
ないし８０コレスタ単位である。
【００２２】好ましくは、紙材は燃焼制御用添加剤の被
覆が施されており、燃焼制御用添加剤はアルカリ金属
塩、酢酸塩、リン酸塩、およびこれらの混合物からなる
群から選択される材料である。
【００２３】好ましくは、紙材に含まれる黒色顔料の量
が０．１重量％ないし１．０重量％である。
【００２４】つぎに、本発明にもとづく喫煙製品用包装
紙は、喫煙製品に使用される包装紙であって、紙材と、
紙材に２０重量％ないし４０重量％含まれ、かつ粒子径
の中央値が０．１μｍないし０．５μｍの範囲内にある
炭酸カルシウムからなる第１の充填剤と、紙材に最大で
２重量％含まれる黒色顔料からなる第２の充填剤とを有
することを特徴とする。
【００２５】好ましくは、不透明度が少なくとも８０
％、明度が少なくとも７０％である。
【００２６】好ましくは、包装紙は、不透明度が少なく
とも９０％である。
【００２７】好ましくは、包装紙は、Ｌ値が少なくとも
８０％である。
【００２８】好ましくは、黒色顔料は、炭素、酸化鉄、
およびそれらの混合物からなる群から選択される材料を
含み、また黒色顔料は紙材中に、０．１重量％ないし
１．０重量％存在する。
【００２９】好ましくは、炭酸カルシウムは、粒径の中
央値が０．２μｍないし０．４μｍである。
【００３０】好ましくは、紙材は、坪量が２２ｇ／ｍ2
ないし３６ｇ／ｍ2 であり、また透過性が１５コレスタ
単位ないし５５コレスタ単位である。
【００３１】つぎに、本発明にもとづく喫煙製品用の包
装紙の不透明度を高める方法は、粒径の中央値が０．１
μｍないし０．５μｍである白色顔料を２０重量％ない
し４０重量％含む第１の充填剤を紙材に取り込ませる工
程と、黒色顔料を最大で２重量％含む第３の充填材を紙
材に取り込ませる工程とを有し、さらに、白色顔料およ
び黒色顔料の含有量は、包装紙の不透明度を少なくとも
８０％まで高めるのに十分な量であることを特徴とす
る。
【００３２】好ましくは、包装紙は、少なくとも７０％
の明度と少なくとも８０％のＬ値とを有する。
【００３３】好ましくは、白色顔料は、炭酸カルシウム
を含む。
【００３４】好ましくは、白色顔料は、紙材中に２５重
量％ないし３５重量％含まれ、かつ粒径の中央値が０．
２μｍないし０．４μｍの範囲内にある。
【００３５】好ましくは、黒色顔料は、炭素、酸化鉄、
およびそれらの混合物からなる群から選択される材料で
ある。
【００３６】好ましくは、紙材は、坪量が２２ｇ／ｍ2
ないし３６ｇ／ｍ2 であり、また透過性が１５コレスタ
単位ないし５５コレスタ単位である。
【００３７】好ましくは、包装紙は、少なくとも９０％
の不透明度を有する。
【００３８】さらに、本発明にもとづく喫煙製品は、発
煙性充填材からなる円柱と、該発煙性充填材からなる円
柱の周面を覆う包装紙とを有し、包装紙は粒径の中央値
が０．２μｍないし０．４μｍの範囲内にある炭酸カル
シウムを含有する紙材を有し、さらに紙材は坪量が２２
ｇ／ｍ2 ないし３６ｇ／ｍ2 、透過性が１５コレスタ単
位ないし５５コレスタ単位、全充填材含有量が約２５重
量％ないし３６重量％、および不透明度が少なくとも８
０％であることを特徴とする。
【００３９】好ましくは、黒色顔料は炭素を含み、また
該炭素は紙材中に最大で２重量％含まれる。
【００４０】好ましくは、包装紙は、少なくとも７０％
の明度と少なくとも８０％のＬ値とを有する。
【００４１】好ましくは、包装紙は、少なくとも約９０
％の不透明度を有する。
【００４２】
【発明の実施の形態】本発明は、概して不透明度が高い
喫煙製品用包装紙に関する。包装紙は、白色顔料と黒色
顔料とを含む。白色顔料は包装紙に当たった光を散乱さ
せるのに効果的である。一方、黒色顔料は光を吸収す
る。これら白色顔料と黒色顔料とを組み合わせて使用す
ることで、従来のものに比べて著しく不透明度が高くな
る。
【００４３】本発明にもとづいて包装紙の不透明度を高
めることで、包装紙によって創られる喫煙製品の全体的
な美的外観を著しく向上させることができる。本発明の
包装紙は、ほとんどの場合、不透明度が少なくとも８０
％なので、従来のものが７４％ないし７６％程度であっ
たのに比べて著しい改善であることがわかる。実際、本
発明にもとづいて製造された包装紙は、不透明度を９０
％以上とすることも可能である。例えば、これまでは包
装紙の不透明度を８２％ないし９６％程度にして製造し
てきた。そのような不透明度の高い紙は、特有の満足の
ゆく外観を有しており、喫煙製品に適用することでたば
この色や様相を隠す効果がある。
【００４４】本発明にもとづいて製造される包装紙の特
徴の一つとして、許容されないレベル以下には白色度お
よび明度を減少させることなく紙の不透明度を高めるた
めに、黒色顔料が少量含まれていることが挙げられる。
本発明によれば、黒色顔料を包装紙に取り込ませること
で、もし特別に選択された光学的特性を持つ白色顔料と
組み合わせるならば、包装紙の不透明度を著しく高める
ことができる。
【００４５】特に、白色顔料の粒径が所定の範囲内であ
るならば、不透明度を高めるだけではなく、紙の白色度
や明度も高める。紙の白色度や明度を従来のものよりも
高くすることで、黒色顔料の添加を可能とさせる。
【００４６】特に、本発明の包装紙に取り込まれた白色
顔料は、粒径の中央値が約０．１μｍないし０．５μｍ
程度、特に０．２μｍないし約０．４μｍの範囲内とす
る。上記範囲内の白色顔料を取り込んだ包装紙の白色度
および明度は、可視光線の波長のおおよそ半分に上記白
色顔料の粒径が一致するという事実に部分的にもとづい
て増大すると考えられる。この粒径の範囲内で、白色顔
料は光の散乱に対してよりいっそう効果的であり、光学
的特徴を提供する。
【００４７】本発明の一実施形態例では、包装紙に取り
込まれる白色の顔料は炭酸カルシウムであって、その粒
径は約０．１μｍないし約０．５μｍである。例えば、
炭酸カルシウム顔料はウルトラパーク（商標：ＵＬＴＲ
ＡＰＡＱＵＥ、製造元：Speciality Minerals, Inc. Ad
ams, Massachusetts) の名で市販されているものを使用
する。このＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥは、平均粒径が約０．
３μｍである沈降炭酸カルシウム充填材である。炭酸カ
ルシウム粒子は、菱面体の形状／形態をしており、表面
積が約７．５ｍ2 ／ｇｒである。ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥ
は、約４０重量％の固形分を含むスラリーとして、また
は乾燥粉末として商業的に入手することができる。ここ
で使用されているように、組成物の粒径は、セディグラ
フ(Sedigraph) 等を用いて沈降法により測定および決定
した。
【００４８】炭酸カルシウムに加えて、粒径が上記範囲
内である他の白色顔料を同様に用いて本発明にもとづく
包装紙を構成することができる。また、炭酸カルシウム
を単独で、あるいは他の白色顔料と組み合わせて使用す
ることもできよう。
【００４９】本発明にもとづくて白色顔料と組み合わせ
て使用される黒色顔料は、例えば、炭素（例：活性炭
素、黒色酸化鉄、またはそれらの混合物）である。黒色
顔料の粒径は白色顔料の粒径ほど厳密に定める必要はな
い。例えば、ほとんどの用途で、黒色顔料の粒径は約１
０μｍ以下までとすることができる。黒色顔料は、包装
紙の明度を許容レベル以下に下げることがないような量
でもって白色顔料と組み合わせて添加される。一般に、
黒色顔料を含む場合の包装紙の明度は、ＴＡＰＰＩ法に
よる測定で少なくとも約７０％とすべきである。好まし
くは、明度の度合いは約７０％ないし約８０％とする。
【００５０】同様に、白色度が従来のレベルよりも低く
ならないようにして黒色顔料を包装紙に添加しなければ
ならない。例えば、本発明の包装紙はほとんどの用途で
もってＬ値が少なくとも約８０％となるようにする。Ｌ
値は、ハンター・カラー・スケールでもって分光計（Ｔ
ＳＣ ＩＩ スペクトロフォトメータ）を用いて測定し
た紙の白色度の測定値である。特に、本発明にもとづい
て製造された包装紙のＬ値は、約８０％ないし約９０％
である。
【００５１】これまで、白色顔料として炭酸カルシウム
が使用され、かつ黒色顔料として酸化鉄または炭素のい
ずれかが使用される場合、包装紙の全重量を基準にして
黒色顔料を約２重量％まで、特に約０．１重量％ないし
１．０重量％程度、包装紙に添加することができる。本
発明によれば、上記したレベル以下に包装紙の白色度ま
たは明度を減少させることなく上記の濃度範囲内で白色
顔料を包装紙に取り込むことができよう。
【００５２】本発明の別の特徴は、包装紙内の充填材の
全体量を増大させることなく実質的に包装紙の不透明度
を高めることができるということである。本発明にもと
づいて製造された包装紙は、充填材全体の量（白色顔料
および黒色顔料の重量が含まれる）が約２０重量％ない
し約４０重量％、特に約２５重量％ないし約３６重量％
である。充填材は、白色顔料または黒色顔料から完全に
作ることができ、あるいは必要に応じて他の充填材料を
添加することもできる。
【００５３】本発明の一実施形態例では、粒径が約０．
１μｍから約０．５μである炭酸カルシウムを約２０重
量％ないし約４０重量％の量でもって、約２重量％まで
の黒色顔料と組み合わせて包装紙に添加することができ
る。このような範囲内では、包装紙の不透明度を高める
ことができる一方で、該包装紙の物理的特性、例えば透
過性を損なうことはない。
【００５４】本発明にもとづいて包装紙を作る際に使用
される完成紙料は、例えば亜麻、軟材、または堅木から
得ることができるセルロース繊維を含むことができる。
本発明になんら支障なく、包装紙の物理的特性の違いに
応じて異なる繊維混合物を使用することができ、また包
装紙の精製の量を変えることも可能である。
【００５５】本発明にもとづいて製造される包装紙の透
過性は、一般に約５コレスタ単位ないし約８０コレスタ
単位である。多くの用途で、透過性は約１５コレスタ単
位ないし約５５コレスタ単位の範囲内とすべきである。
【００５６】包装紙の坪量は、約１８ｇ／ｍ2 ないし約
６０ｇ／ｍ2 、特に約２２ｇ／ｍ2ないし約３６ｇ／ｍ2
とする。包装紙を燃焼制御用添加物でもって処理して
もよい。そのような燃焼制御用添加物としては、例え
ば、アルカリ金属塩、酢酸塩、リン酸塩、またはそれら
の混合物を挙げることができる。特に好ましい燃焼制御
用添加物は、クエン酸カリウムとクエン酸ナトリウムと
の混合物である。燃焼制御用添加物は、約０．３重量％
ないし約１２重量％、特に約０．３重量％ないし約３重
量％の濃度範囲でもって包装紙に添加される。
【００５７】本発明の白色顔料および黒色顔料は、種々
の既知の方法でもって包装紙に添加することができよ
う。例えば、一実施形態例として、顔料をスラリーに結
合させて、紙を作る際にセルロース繊維の懸濁液に加え
てもよい。
【００５８】以下、実施例にもとづいて本発明を詳しく
説明する。
【００５９】（実施例１）本発明を実証するために、白
色顔料および黒色顔料を包装紙に取り込んで種々のハン
ド・シートを２組作製した。
【００６０】第一組目のハンド・シートは、包装紙に取
り込んだ白色顔料がＡＬＢＡＣＡＲ５９７０炭酸カルシ
ウム充填材であり、該充填材は粒径の中央値が約１．９
μｍである従来から使用されている充填材である。ＡＬ
ＢＡＣＡＲ５９７０ 充填材（Specialty Minerals, In
c. Adams, Massachusetts から入手）を２８重量％の濃
度でもって包装紙に取り込んだ。この包装紙の坪量は２
８ｇ／ｍ2 であった。
【００６１】第２組のハンド・シートでは、ＡＬＢＡＣ
ＡＲ ５９７０充填材のかわりに、粒径が約０．３μｍ
のＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥ炭酸カルシウム粒子を本発明に
もとづいて包装紙に添加した。包装紙に対するＵＬＴＲ
ＡＰＡＱＵＥ充填材の添加量は、２８重量％とした。包
装紙の坪量は２８ｇ／ｍ2 であった。
【００６２】第３組目のハンド・シートもまた、本発明
にもとづいてＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥ粒子を含有するもの
とした。しかし、この第３組ではＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥ
の添加量を３１重量％とした。ハンド・シートの坪量は
３１ｇ／ｍ2 であった。
【００６３】これら３通りの組の各々に対して、活性炭
素を添加してゆき最大で１重量％まで添加した。活性炭
素はCalgon Corporation (Pittsburgh, Pennsylvania)
からＫＣＧ（商標）の名で市販されているものを入手し
た。ハンド・シートの不透明度は混濁計(opacity mete
r) を用いて測定した。得られた結果を図１に示す。
【００６４】図１は、活性炭素の増加にともなう不透明
度の増加を示す。図中、○印は２８％ＡＬＢＡＣＡＲ
５９７０を含有し、坪量が２８ｇ／ｍ2 のハンド・シー
ト、□印は２８％ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有し、坪量
が２８ｇ／ｍ2 のハンド・シート、さらに△印は３６％
ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有し、坪量が３１ｇ／ｍ2の
ハンド・シートを使用して得られた結果のプロットであ
る。この図に示すように、本発明にもとづいて粒径の中
央値が０．３μｍである白色顔料を有するハンド・シー
トは、ＡＬＢＡＣＡＲ５９７０を使用して作られたハン
ド・シートよりも最初の不透明度および最終の不透明度
ともに高かった。実際、ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥ顔料を含
むハンド・シートは、炭素を１重量％添加することで不
透明度が９０％を上回った。
【００６５】（実施例２）実施例１で作製したハンド・
シートと同様のハンド・シートを用いてＬ値に関する試
験を行った。この試験は、ハンター・カラー・スケール
で包装紙の白色度を計ることで行った。得られた結果を
図２に示す。図２は、黒色顔料の増加にともなう白色度
またはＬ値の増加を示す。図中、○印は２８％ＡＬＢＡ
ＣＡＲ ５９７０を含有し、坪量が２８ｇ／ｍ2 のハン
ド・シート、□印は２８％ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有
し、坪量が２８ｇ／ｍ2 のハンド・シート、さらに△印
は３６％ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有し、坪量が３１ｇ
／ｍ2 のハンド・シートを使用して得られた結果のプロ
ットである。
【００６６】ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥ充填材で作製したハ
ンド・シートはＡＬＢＡＣＡＲ ５９７０で作製したハ
ンド・シートよりもかなり高い白色度を試験開始当初お
よび最後ともに示した。実際、実際、ＵＬＴＲＡＰＡＱ
ＵＥ顔料を含むハンド・シートは、炭素を１重量％添加
することでＡＬＢＡＣＡＲ ５９７０顔料を含むハンド
・シート（炭素含まず）の最初の白色度に匹敵する白色
度の値を有した。
【００６７】（実施例３）実施例１で作製したハンド・
シートと同様のハンド・シートを用いて明度に関する試
験を行った。この試験は、明度計で包装紙の明度を計る
ことで行った。得られた結果を図３に示す。図中、○印
は２８％ＡＬＢＡＣＡＲ ５９７０を含有し、坪量が２
８ｇ／ｍ2 のハンド・シート、□印は２８％ＵＬＴＲＡ
ＰＡＱＵＥを含有し、坪量が２８ｇ／ｍ2 のハンド・シ
ート、さらに△印は３６％ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有
し、坪量が３１ｇ／ｍ2 のハンド・シートを使用して得
られた結果のプロットである。
【００６８】ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥ充填材で作製したハ
ンド・シートはＡＬＢＡＣＡＲ ５９７０で作製したハ
ンド・シート（炭素なし）よりもかなり高い明度を試験
開始当初示した。
【００６９】ハンド・シートに炭素を添加すると、包装
紙の明度が減少した。しかし、ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥ充
填材で作製したハンド・シートはＡＬＢＡＣＡＲ ５９
７０で作製したハンド・シート（炭素なし）よりもかな
り高い明度を試験開始当初示していたことから、ＵＬＴ
ＲＡＰＡＱＵＥシートの初期の明度がＡＬＢＡＣＡＲ５
９７０ハンド・シートの初期の明度よりも著しく低く減
少することなしに、ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥシートに炭素
を添加することができる。
【００７０】以上、本発明の実施例を説明したけれど
も、これらの実施例は本発明の説明および理解を容易に
するためのものであってこれらの実施例によって本発明
の思想および範囲を限定するものではない。本発明の特
許請求の範囲内で種々の変形例および修飾が可能である
ことは当業者に容易に理解されよう。
【００７１】
【発明の効果】本発明によれば不透明度の高い喫煙製品
用包装紙（タバコ巻紙等）、該包装紙の製造方法、その
包装紙を用いた喫煙製品を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明にもとづく喫煙製品用包装紙の一実施形
態において、活性炭素の増加にともなう不透明度の変化
を示すグラフであり、図中、○印は２８％ＡＬＢＡＣＡ
Ｒ ５９７０を含有し、坪量が２８ｇ／ｍ2 のハンド・
シート、□印は２８％ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有し、
坪量が２８ｇ／ｍ2 のハンド・シート、さらに△印は３
６％ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有し、坪量が３１ｇ／ｍ
2 のハンド・シートを使用して得られた結果のプロット
である。
【図２】本発明にもとづく喫煙製品用包装紙の一実施形
態において、活性炭素の増加にともなうＬ値の変化を示
すグラフであり、図中、○印は２８％ＡＬＢＡＣＡＲ５
９７０を含有し、坪量が２８ｇ／ｍ2 のハンド・シー
ト、□印は２８％ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有し、坪量
が２８ｇ／ｍ2 のハンド・シート、さらに△印は３６％
ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有し、坪量が３１ｇ／ｍ2 の
ハンド・シートを使用して得られた結果のプロットであ
る。
【図３】本発明にもとづく喫煙製品用包装紙の一実施形
態において、活性炭素の増加にともなう明度の変化を示
すグラフであり、図中、○印は２８％ＡＬＢＡＣＡＲ５
９７０を含有し、坪量が２８ｇ／ｍ2 のハンド・シー
ト、□印は２８％ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有し、坪量
が２８ｇ／ｍ2 のハンド・シート、さらに△印は３６％
ＵＬＴＲＡＰＡＱＵＥを含有し、坪量が３１ｇ／ｍ2 の
ハンド・シートを使用して得られた結果のプロットであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 398022202 100 Ｎｏｒｔｈ Ｐｏｉｎｔ Ｃｏｎｔ ｅｒ Ｅａｓｔ，Ｓｕｉｔｅ 600，Ａｌ ｐｈａｒｅｔｔａ，Ｇｅｏｒｇｉａ Ｕ. Ｓ．Ａ.

Claims (26)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項１】 喫煙製品に使用される包装紙であって、 紙材と、 前記紙材に含まれ、かつ粒子径の中央値が０．１μｍな
    いし０．５μｍの範囲内にある白色顔料からなる第１の
    充填剤と、 前記紙材に最大で２重量％含まれる黒色顔料からなる第
    ２の充填剤とを有し、さらに不透明度が少なくとも８０
    ％、明度が少なくとも７０％であることを特徴とする包
    装紙。
  2. 【請求項２】 前記白色顔料は、炭酸カルシウムを含む
    ことを特徴とする請求項１に記載の包装紙。
  3. 【請求項３】 前記黒色顔料は、炭素、酸化鉄、および
    炭素と酸化鉄との混合物からなる群から選択される材料
    を含むことを特徴とする請求項１または２に記載の包装
    紙。
  4. 【請求項４】 前記白色顔料は、前記紙材の重量あたり
    ２０％ないし４０％含まれることを特徴とする請求項１
    ないし３のいずれか一項に記載の包装紙。
  5. 【請求項５】 前記白色顔料は、粒径の中央値が０．２
    μｍないし０．４μｍの範囲内にあることを特徴とする
    請求項１ないし４のいずれか一項に記載の包装紙。
  6. 【請求項６】 前記紙材は坪量が１８ｇ／ｍ2 ないし６
    ０ｇ／ｍ2 であり、また透過性が５コレスタ単位ないし
    ８０コレスタ単位であることを特徴とする請求項１ない
    し５のいずれか一項に記載の包装紙。
  7. 【請求項７】 前記紙材は燃焼制御用添加剤の被覆が施
    されており、前記燃焼制御用添加剤はアルカリ金属塩、
    酢酸塩、リン酸塩、およびこれらの混合物からなる群か
    ら選択される材料であることを特徴とする請求項１ない
    し６のいずれか一項に記載の包装紙。
  8. 【請求項８】 前記紙材に含まれる前記黒色顔料の量が
    ０．１重量％ないし１．０重量％であることを特徴とす
    る請求項１ないし７のいずれか一項に記載の包装紙。
  9. 【請求項９】 喫煙製品に使用される包装紙であって、 紙材と、 前記紙材に２０重量％ないし４０重量％含まれ、かつ粒
    子径の中央値が０．１μｍないし０．５μｍの範囲内に
    ある炭酸カルシウムからなる第１の充填剤と、 前記紙材に最大で２重量％含まれる黒色顔料からなる第
    ２の充填剤とを有することを特徴とする包装紙。
  10. 【請求項１０】 不透明度が少なくとも８０％、明度が
    少なくとも７０％であることを特徴とする請求項９に記
    載の包装紙。
  11. 【請求項１１】 前記包装紙は、不透明度が少なくとも
    ９０％であることを特徴とする請求項９または１０に記
    載の包装紙。
  12. 【請求項１２】 前記包装紙は、Ｌ値が少なくとも８０
    ％であることを特徴とする請求項９ないし１１のいずれ
    か一項に記載の包装紙。
  13. 【請求項１３】 前記黒色顔料は、炭素、酸化鉄、およ
    びそれらの混合物からなる群から選択される材料を含
    み、また前記黒色顔料は前記紙材中に、０．１重量％な
    いし１．０重量％存在することを特徴とする請求項９な
    いし１２のいずれか一項に記載の包装紙。
  14. 【請求項１４】 前記炭酸カルシウムは、粒径の中央値
    が０．２μｍないし０．４μｍであることを特徴とする
    請求項９ないし１３のいずれか一項に記載の包装紙。
  15. 【請求項１５】 前記紙材は、坪量が２２ｇ／ｍ2 ない
    し３６ｇ／ｍ2 であり、また透過性が１５コレスタ単位
    ないし５５コレスタ単位であることを特徴とする請求項
    ９ないし１４のいずれか一項に記載の包装紙。
  16. 【請求項１６】 喫煙製品用の包装紙の不透明度を高め
    る方法であって、 粒径の中央値が０．１μｍないし０．５μｍである白色
    顔料を２０重量％ないし４０重量％含む第１の充填剤を
    紙材に取り込ませる工程と、 黒色顔料を最大で２重量％含む第３の充填材を紙材に取
    り込ませる工程とを有し、さらに、 前記白色顔料および前記黒色顔料の含有量は、前記包装
    紙の不透明度を少なくとも８０％まで高めるのに十分な
    量であることを特徴とする喫煙製品用包装紙の不透明度
    を高める方法。
  17. 【請求項１７】 前記包装紙は、少なくとも７０％の明
    度と少なくとも８０％のＬ値とを有することを特徴とす
    る請求項１６に記載の喫煙製品用包装紙の不透明度を高
    める方法。
  18. 【請求項１８】 前記白色顔料は、炭酸カルシウムを含
    むことを特徴とする請求項１６または１７に記載の喫煙
    製品用包装紙の不透明度を高める方法。
  19. 【請求項１９】 前記白色顔料は、前記紙材中に２５重
    量％ないし３５重量％含まれ、かつ粒径の中央値が０．
    ２μｍないし０．４μｍの範囲内にあることを特徴とす
    る請求項１６ないし１８のいずれか一項に記載の喫煙製
    品用包装紙の不透明度を高める方法。
  20. 【請求項２０】 前記黒色顔料は、炭素、酸化鉄、およ
    びそれらの混合物からなる群から選択される材料である
    ことを特徴とする請求項１６ないし１９のいずれか一項
    に記載の喫煙製品用包装紙の不透明度を高める方法。
  21. 【請求項２１】 前記紙材は、坪量が２２ｇ／ｍ2 ない
    し３６ｇ／ｍ2 であり、また透過性が１５コレスタ単位
    ないし５５コレスタ単位であることを特徴とする請求項
    １６ないし２０のいずれか一項に記載の喫煙製品用包装
    紙の不透明度を高める方法。
  22. 【請求項２２】 前記包装紙は、少なくとも９０％の不
    透明度を有することを特徴とする請求項１６ないし２１
    のいずれか一項に記載の喫煙製品用包装紙の不透明度を
    高める方法。
  23. 【請求項２３】 喫煙製品であって、 発煙性充填材からなる円柱と、該発煙性充填材からなる
    円柱の周面を覆う包装紙とを有し、前記包装紙は粒径の
    中央値が０．２μｍないし０．４μｍの範囲内にある炭
    酸カルシウムを含有する紙材を有し、さらに前記紙材は
    坪量が２２ｇ／ｍ2 ないし３６ｇ／ｍ2 、透過性が１５
    コレスタ単位ないし５５コレスタ単位、全充填材含有量
    が約２５重量％ないし３６重量％、および不透明度が少
    なくとも８０％であることを特徴とする喫煙製品。
  24. 【請求項２４】 前記黒色顔料は炭素を含み、また該炭
    素は前記紙材中に最大で２重量％含まれることを特徴と
    する請求項２３に記載の喫煙製品。
  25. 【請求項２５】 前記包装紙は、少なくとも７０％の明
    度と少なくとも８０％のＬ値とを有することを特徴とす
    る請求項２３または２４に記載の喫煙製品。
  26. 【請求項２６】 前記包装紙は、少なくとも約９０％の
    不透明度を有することを特徴とする請求項２３ないし２
    ５のいずれか一項に記載の喫煙製品。
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