JPH1136061A - 物理蒸着装置のマスキング治具 - Google Patents

物理蒸着装置のマスキング治具

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JPH1136061A
JPH1136061A JP19238097A JP19238097A JPH1136061A JP H1136061 A JPH1136061 A JP H1136061A JP 19238097 A JP19238097 A JP 19238097A JP 19238097 A JP19238097 A JP 19238097A JP H1136061 A JPH1136061 A JP H1136061A
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physical vapor
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vapor deposition
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JP19238097A
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English (en)
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Naoki Uchiyama
直樹 内山
Makoto Kinoshita
真 木下
Munetaka Mashima
宗位 真嶋
Yorishige Hashimoto
頼重 橋本
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Mitsubishi Materials Corp
Original Assignee
Mitsubishi Materials Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 物理蒸着装置を使用してCD−ROM、CD
−RまたはCD−E基板に金属、特に貴金属物理蒸着膜
を形成するに際し、物理蒸着膜を付着させない個所に使
用するマスキング治具を提供する。 【解決手段】 マスキング治具2の基体表面に、水で洗
浄することにより除去できる水溶性樹脂コーティング剤
膜またはカーボン離型剤膜を形成してなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、物理蒸着装置を
使用してCD−ROM(メモリー専用コンパクトディス
ク)、CD−R(記録・再生可能なコンパクトディス
ク)またはCD−E(消去可能なコンパクトディスク)
など(以下、これらをCDと総称する)の基板の表面に
反射膜としての金属物理蒸着膜、特に貴金属物理蒸着膜
を形成するに際し、物理蒸着膜を付着させたくない個所
に使用するマスキング治具に関するものであり、この発
明は、貴金属物理蒸着膜の内でも特にAuを物理蒸着す
る際に使用するマスキング治具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、CDの基板の表面に反射膜として
Au物理蒸着膜を形成して作製することは良く知られて
いるところであり、そのためのAu物理蒸着装置は、図
1に示されるように、Au物理蒸着装置の容器(図示せ
ず)の内壁にAu物理蒸着膜が付着するのを防止するた
めのシールドリング5、CD基板1の表面にリング状の
Au物理蒸着膜4を形成してCDを作製したのち新しい
CD基板1と交換する時にAuターゲットから発生した
活性Au金属7の流れを一時遮断するためのシャッター
6などを有している。
【0003】前記Au物理蒸着装置を用いてCD基板1
の表面にリング状のAu物理蒸着膜4を形成するには、
図1に示されるように、CD基板1の上にマスキング治
具2を載置した状態でAu物理蒸着装置のシールドリン
グ5内に設置し、Auターゲット3から発生した活性A
u金属7をCD基板1に物理蒸着させる。
【0004】前記CD基板1に載置するマスキング治具
2は、いかなる金属材料で製造することも可能である
が、主としてCuまたはCu合金で作られており、図2
の斜視図に示されるように、円板状の中央遮蔽板21と
リング状の外周遮蔽板22を有しており、中央遮蔽板2
1とリング状外周遮蔽板22とは同心円状にかつ中央遮
蔽板21と外周遮蔽板22の間にリング状開口23を形
成するように取り付けられており、さらに前記中央遮蔽
板21は外周胴24から伸びた支持腕25により支柱2
6を介して支持されている構造になっている。
【0005】かかる構造のマスキング治具2をCD基板
1の上に載置してCD基板1の表面にリング状のAu物
理蒸着膜4を形成すると、載置したマスキング治具2の
表面にも当然Au物理蒸着膜4は付着する。このマスキ
ング治具2の表面に付着したAu物理蒸着膜4は回収す
るが、その回収方法として(イ)サンドブラスト処理な
どの機械的剥離による回収方法、(ロ)マスキング治具
の表面にアルミニウム膜を形成しておき、このアルミニ
ウム膜をNaOH水溶液により溶解することによりアル
ミニウム膜の上に形成されたAu物理蒸着膜を回収する
方法、(ハ)表面に白金族金属(Pt,Rh,Ir,R
uなど)の電気メッキ層を形成したマスキング治具を使
用し、このマスキング治具の表面に物理蒸着したAuを
市販の金剥離剤を用いて回収する方法、などが知られて
いる。
【0006】これらの方法により物理蒸着したAuを回
収除去した後、マスキング治具は再利用される。したが
って、従来のマスキング治具としては、CuまたはCu
合金からなるマスキング治具基体のみからなるマスキン
グ治具、CuまたはCu合金からなるマスキング治具基
体の表面にアルミニウム膜を形成したマスキング治具、
CuまたはCu合金からなるマスキング治具基体の表面
に白金族金属(Pt,Rh,Ir,Ruなど)の電気メ
ッキ層を形成したマスキング治具などが知られている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記従来の
(イ)〜(ハ)に示した回収方法は、いずれも工程が複
雑であると共に特殊な設備を必要とし、さらにマスキン
グ治具基体に付着したAuを回収するには長時間かか
り、簡単にできるものではない。例えば、サンドブラス
ト処理などの機械的剥離による回収方法は、何度も繰り
返し回収を行うと、精密な寸法精度および水平度が要求
されるマスキング治具が変形したり寸法が小さくなった
りして使用寿命が極めて短くなり、高価なマスキング治
具を長期間再利用するには好ましくない。また、サンド
ブラスト処理粉からのAu回収はマスキング治具のCu
またはCu合金も含まれているために、回収に多くの工
程を必要とするので効率が悪い。
【0008】一方、マスキング治具の表面にアルミニウ
ム膜を物理蒸着等により形成し、その上にAuを物理蒸
着する方法では、Au物理蒸着膜を回収してマスキング
治具を再利用するたびにアルミニウム膜を形成する必要
があり、アルミニウム膜を形成するには時間がかかると
ともに、形成したアルミニウム膜はアルミナ被膜になり
やすいので保管に注意が必要であり、また回収の際のN
aOH溶液への浸漬によりCu素地が腐食するという欠
点がある。
【0009】したがって、現在では白金族金属の電気メ
ッキ層を形成したマスキング治具を使用し、Au物理蒸
着のマスキング治具を市販の金剥離剤とKCNとNaO
Hを溶解した水溶液に温度:50℃以下に保ちながら浸
漬し、物理蒸着したAuをシアン錯体として回収する前
記(ハ)の方法が最も多く使用されている。しかしこの
回収方法は、KCNなど毒薬を使用するために管理と特
殊な設備を必要とするところから設備費と回収コストが
かかり、簡単に安価にマスキング治具基体に付着したA
uを回収できるものではなかった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
前記従来よりも簡単に安価にAu物理蒸着膜の回収が行
えて何回も再利用可能なマスキング治具を得るべく研究
を行った結果、(a)CuまたはCu合金製マスキング
治具基体の表面に水で洗浄することにより除去できる離
型剤膜を形成しておくと、離型剤膜表面にAu物理蒸着
膜が付着しても、離型剤膜は水で簡単に洗浄することに
より除去できるところから、このAu物理蒸着膜が付着
したマスキング治具を水に浸漬し、必要に応じて揺動ま
たは振動させることによりマスキング治具基体表面の離
型剤膜を短時間で簡単に除去することができ、したがっ
て、離型剤膜の除去と同時に離型剤膜の表面に付着した
Au物理蒸着膜も短時間で簡単に剥離することができ
る、(b)この時、CuまたはCu合金製マスキング治
具基体の表面に形成する離型剤膜は、水に簡単に短時間
で溶解する水溶性樹脂コーティング剤膜が好ましく、こ
の水溶性樹脂コーティング剤膜は、 脂肪酸エステル:6〜8重量%、ポリエチレングリコー
ル:4〜6重量%を含有し、残部が水からなる組成の水
溶性樹脂コーティング剤の塗布膜、 脂肪酸エステル:6〜8重量%、アルキルアミン:2〜
3重量%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性樹脂
コーティング剤の塗布膜、 ポリエチレングリコール:5〜7重量%、アルキルアミ
ン:2〜3重量%を含有し、残部が水からなる組成の水
溶性樹脂コーティング剤の塗布膜、 脂肪酸エステル:10〜11重量%を含有し、残部が水
からなる組成の水溶性樹脂コーティング剤の塗布膜、 ポリエチレングリコール:7〜9重量%を含有し、残部
が水からなる組成の水溶性樹脂コーティング剤の塗布
膜、 の内のいずれかの水溶性樹脂コーティング剤の塗布膜で
あることが好ましい、(c)また、CuまたはCu合金
製マスキング治具基体の表面に形成する離型剤膜は、カ
ーボン離型剤膜であることが好ましく、前記カーボン離
型剤膜は、ノルマルヘキサン:23〜26重量%、イソ
プロピルアルコール:7〜9重量%を含有し、残部が黒
鉛粉末からなる組成のカーボン離型剤の塗布膜であるこ
とが好ましい、などの知見を得たのである。
【0011】この発明は、かかる知見に基づいてなされ
たものであって、(1)マスキング治具基体の表面に、
水で洗浄することにより除去できる離型剤膜を形成して
なる物理蒸着装置のマスキング治具、(2)マスキング
治具基体の表面に、水で洗浄することにより除去できる
水溶性樹脂コーティング剤膜を形成してなる物理蒸着装
置のマスキング治具、(3)マスキング治具基体の表面
に、脂肪酸エステル:6〜8重量%、ポリエチレングリ
コール:4〜6重量%を含有し、残部が水からなる組成
の水溶性樹脂コーティング剤の塗布膜を形成してなる物
理蒸着装置のマスキング治具、(4)マスキング治具基
体の表面に、脂肪酸エステル:6〜8重量%、アルキル
アミン:2〜3重量%を含有し、残部が水からなる組成
の水溶性樹脂コーティング剤の塗布膜を形成してなる物
理蒸着装置のマスキング治具、(5)マスキング治具基
体の表面に、ポリエチレングリコール:5〜7重量%、
アルキルアミン:2〜3重量%を含有し、残部が水から
なる組成の水溶性樹脂コーティング剤の塗布膜を形成し
てなる物理蒸着装置のマスキング治具、(6)マスキン
グ治具基体の表面に、脂肪酸エステル:10〜11重量
%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性樹脂コーテ
ィング剤の塗布膜を形成してなる物理蒸着装置のマスキ
ング治具、(7)マスキング治具基体の表面に、ポリエ
チレングリコール:7〜9重量%を含有し、残部が水か
らなる組成の水溶性樹脂コーティング剤の塗布膜を形成
してなる物理蒸着装置のマスキング治具、(8)マスキ
ング治具基体の表面に、水で洗浄することにより除去で
きるカーボン離型剤膜を形成してなる物理蒸着装置のマ
スキング治具、(9)マスキング治具基体の表面に、ノ
ルマルヘキサン:23〜26重量%、イソプロピルアル
コール:7〜9重量%を含有し、残部が黒鉛粉末からな
る組成のカーボン離型剤の塗布膜を形成してなる物理蒸
着装置のマスキング治具、に特徴を有するものである。
【0012】また、本発明者等は、離型剤膜をCuまた
はCu合金製マスキング治具基体の表面全面に形成して
得られたマスキング治具は、貴金属蒸着膜が離型剤膜か
ら極めて分離しやすいところから、貴金属蒸着膜が付着
したマスキング治具を物理蒸着装置から取り出す際に微
小の振動または衝撃を与えるとマスキング治具基体の表
面に付着した貴金属蒸着膜は隔離して落下することがあ
る。これを解決するためには、離型剤を縞または格子の
ように一定間隔をおいて塗布し、CuまたはCu合金製
マスキング治具基体の表面の一部が露出するように塗布
すると、マスキング治具基体の表面付着した貴金属蒸着
膜の一部はマスキング治具基体の地肌表面に直接強固に
付着する部分が生じ、微小の振動で貴金属蒸着膜が落下
することはない、という知見を得たのである。
【0013】この発明は、かかる知見に基づいてなされ
たものであって、(10)マスキング治具基体の表面
に、水で洗浄することにより除去できる離型剤膜を一定
間隔をおいて形成してなる物理蒸着装置のマスキング治
具、(11)マスキング治具基体の表面に、水で洗浄す
ることにより除去できる離型剤膜を縞状に一定間隔をお
いて形成してなる物理蒸着装置のマスキング治具、(1
2)マスキング治具基体の表面に、水で洗浄することに
より除去できる離型剤膜を格子状に一定間隔をおいて形
成してなる物理蒸着装置のマスキング治具、(13)マ
スキング治具基体の表面に、水で洗浄することにより除
去できる水溶性樹脂コーティング剤を一定間隔をおいて
形成してなる物理蒸着装置のマスキング治具、(14)
マスキング治具基体の表面に、水で洗浄することにより
除去できる水溶性樹脂コーティング剤を縞状に一定間隔
をおいて形成してなる物理蒸着装置のマスキング治具、
(15)マスキング治具基体の表面に、水で洗浄するこ
とにより除去できる水溶性樹脂コーティング剤を格子状
に一定間隔をおいて形成してなる物理蒸着装置のマスキ
ング治具、に特徴を有するものである。
【0014】前記水で洗浄することにより除去できる水
溶性樹脂コーティング剤としては、(イ)脂肪酸エステ
ル:6〜8重量%、ポリエチレングリコール:4〜6重
量%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性樹脂コー
ティング剤、(ロ)脂肪酸エステル:6〜8重量%、ア
ルキルアミン:2〜3重量%を含有し、残部が水からな
る組成の水溶性樹脂コーティング剤、(ハ)ポリエチレ
ングリコール:5〜7重量%、アルキルアミン:2〜3
重量%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性樹脂コ
ーティング剤、(ニ)脂肪酸エステル:10〜11重量
%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性樹脂コーテ
ィング剤、(ホ)ポリエチレングリコール:7〜9重量
%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性樹脂コーテ
ィング剤、などがある。
【0015】さらに、この発明は、(16)マスキング
治具基体の表面に、水で洗浄することにより除去できる
カーボン離型剤を一定間隔をおいて形成してなる物理蒸
着装置のマスキング治具、(17)マスキング治具基体
の表面に、水で洗浄することにより除去できるカーボン
離型剤を縞状に一定間隔をおいて形成してなる物理蒸着
装置のマスキング治具、(18)マスキング治具基体の
表面に、水で洗浄することにより除去できるカーボン離
型剤を格子状に一定間隔をおいて形成してなる物理蒸着
装置のマスキング治具、に特徴を有するものである。
【0016】前記水で洗浄することにより除去できるカ
ーボン離型剤としては、ノルマルヘキサン:23〜26
重量%、イソプロピルアルコール:7〜9重量%を含有
し、残部が黒鉛粉末からなる組成のカーボン離型剤があ
る、
【0017】マスキング治具基体、特にCuまたはCu
合金製マスキング治具基体の表面に形成する水で洗浄す
ることにより除去できる離型剤膜の膜厚は、水溶性樹脂
コーティング剤の塗布膜である場合は、0.1〜2μm
の範囲内にあることが好ましい。その理由は、水溶性樹
脂コーティング剤の膜厚が0.1μm未満ではマスキン
グ治具基体の表面を十分に保護することができず、一
方、2μmを越えると水溶性樹脂コーティング剤の塗布
に時間がかかりすぎるので好ましくないことによるもの
である。
【0018】また、マスキング治具基体、特にCuまた
はCu合金製マスキング治具基体の表面に形成する離型
剤膜の膜厚が、カーボン離型剤の塗布膜である場合は、
5〜20μmの範囲内にあることが好ましい。その理由
は、カーボン離型剤の膜厚が5μm未満の厚さにカーボ
ン離型剤を塗布することは難しく、一方、カーボン離型
剤の塗布膜の厚さが20μmを越えるとエッジ部の寸法
が規格から外れるので好ましくないことによるものであ
る。
【0019】この発明のマスキング治具基体の表面の離
型剤の塗布膜は、離型剤を刷毛またはスプレーによりマ
スキング治具基体表面の全面に塗布したのち乾燥するこ
とにより得られる。また、離型剤の塗布膜はマスキング
治具基体表面に15〜20mmの間隔をおいて縞状また
は格子状に刷毛またはスプレーにより離型剤を塗布した
のち乾燥することにより得られる。この縞状または格子
状の離型剤膜を有するマスキング治具は、微小の振動ま
たは衝撃を加えても付着した貴金属膜が剥がれることが
なく、運搬中などに不注意に微小の振動または衝撃を加
えても付着した貴金属膜が脱落することがないので好ま
しい。しかし、離型剤膜の間隔が20mmを越えると、
離型剤膜を形成した効果が薄れてくるので好ましくな
い。
【0020】金属製マスキング治具基体は、耐熱性に優
れたいかなる金属材料で作製することもできるが、熱伝
導性、価格などを考慮すると、CuまたはCu合金で作
ることが好ましい。また、この発明の離型剤膜を有する
マスキング治具の表面に物理蒸着を施すことにより付着
した貴金属膜を除去するには、貴金属膜が付着したマス
キング治具を水中に浸漬し、必要に応じて振動させれば
良い。この場合、貴金属膜が付着したマスキング治具を
水中に浸漬し、20〜100KHZ(好ましくは、30
〜50KHZ)で超音波洗浄することが好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】
実施例1 旋盤仕上げ(3.2−S)のCu製マスキング治具基体
を用意した。このCu製マスキング治具基体の表面に、
脂肪酸エステル:7重量%、ポリエチレングリコール:
5重量%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性樹脂
コーティング剤を刷毛で塗布し、平均膜厚:1μmの水
溶性樹脂コーティング剤膜を形成することにより本発明
マスキング治具1を作製した。この本発明マスキング治
具1をCD−ROM基板表面に載置した状態でAu物理
蒸着膜を形成することによりCD−ROM記録媒体を作
製し、本発明マスキング治具1の表面に1mmのAu物理
蒸着膜が付着した時点でこのマスキング治具を取り出
し、水に浸漬し、超音波振動数:40KHZをかけなが
ら超音波洗浄を行った。
【0022】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に25分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は、加熱して水を除
去し、水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去すること
により容易に回収することができた。この様なAu回収
操作およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行い、
マスキング治具基体の寸法精度および変形がなくマスキ
ング治具基体を再利用しうる回数(以下、再利用回数と
いう)を測定した結果、本発明マスキング治具1の再利
用回数は193回であった。
【0023】実施例2 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、脂肪酸エステル:7重量%、アルキルアミン:2.
5重量%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性樹脂
コーティング剤を刷毛で塗布し、平均膜厚:1μmの水
溶性樹脂コーティング剤膜を形成することにより本発明
マスキング治具2を作製した。この本発明マスキング治
具2をCD−ROM基板表面に載置した状態でAu物理
蒸着膜を形成することによりCD−ROM記録媒体を作
製し、本発明マスキング治具2の表面に1mmのAu物理
蒸着膜が付着した時点でこのマスキング治具を取り出
し、水に浸漬し、超音波振動数:45KHZをかけなが
ら超音波洗浄を行った。
【0024】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に20分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は、加熱して水を除
去し、水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去すること
により容易に回収することができた。この様なAu回収
操作およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行うこ
とのできる再利用回数を測定した結果、本発明マスキン
グ治具2の再利用回数は190回であった。
【0025】実施例3 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、ポリエチレングリコール:6重量%、アルキルアミ
ン:2.5重量%を含有し、残部が水からなる組成の水
溶性樹脂コーティング剤を刷毛で塗布し、平均膜厚:1
μmの水溶性樹脂コーティング剤膜を形成することによ
り本発明マスキング治具3を作製した。この本発明マス
キング治具3をCD−ROM基板表面に載置した状態で
Au物理蒸着膜を形成することによりCD−ROM記録
媒体を作製し、本発明マスキング治具3の表面に1mmの
Au物理蒸着膜が付着した時点でこのマスキング治具を
取り出し、水に浸漬し、超音波振動数:50KHZをか
けながら超音波洗浄を行った。
【0026】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に19分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は加熱して水を除去
し水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去することによ
り容易に回収することができた。この様なAu回収操作
およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行うことの
できる再利用回数を測定した結果、本発明マスキング治
具3の再利用回数は189回であった。
【0027】実施例4 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、脂肪酸エステル:10.5重量%を含有し、残部が
水からなる組成の水溶性樹脂コーティング剤を刷毛で塗
布し、平均膜厚:1μmの水溶性樹脂コーティング剤膜
を形成することにより本発明マスキング治具4を作製し
た。この本発明マスキング治具4をCD−ROM基板表
面に載置した状態でAu物理蒸着膜を形成することによ
りCD−ROM記録媒体を作製し、本発明マスキング治
具4の表面に1mmのAu物理蒸着膜が付着した時点でこ
のマスキング治具を取り出し、水に浸漬し、超音波振動
数:35KHZをかけながら超音波洗浄を行った。
【0028】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に25分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は加熱して水を除去
し水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去することによ
り容易に回収することができた。この様なAu回収操作
およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行うことの
できる再利用回数を測定した結果、本発明マスキング治
具4の再利用回数は195回であった。
【0029】実施例5 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、ポリエチレングリコール:8重量%を含有し、残部
が水からなる組成の水溶性樹脂コーティング剤を刷毛で
塗布し、平均膜厚:1μmの水溶性樹脂コーティング剤
膜を形成することにより本発明マスキング治具5を作製
した。この本発明マスキング治具5をCD−ROM基板
表面に載置した状態でAu物理蒸着膜を形成することに
よりCD−ROM記録媒体を作製し、本発明マスキング
治具5の表面に1mmのAu物理蒸着膜が付着した時点で
このマスキング治具を取り出し、水に浸漬し、超音波振
動数:30KHZをかけながら超音波洗浄を行った。
【0030】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に30分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は加熱して水を除去
し水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去することによ
り容易に回収することができた。この様なAu回収操作
およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行うことの
できる再利用回数を測定した結果、本発明マスキング治
具5の再利用回数は205回であった。
【0031】実施例6 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、ノルマルヘキサン:25重量%、イソプロピルアル
コール:8重量%を含有し、残部が平均粒径:0.7μ
mの黒鉛粉末からなる組成のカーボン離型剤を刷毛で塗
布し、平均膜厚:13μmのカーボン離型剤膜を形成す
ることにより本発明マスキング治具6を作製した。この
本発明マスキング治具6をCD−ROM基板表面に載置
した状態でAu物理蒸着膜を形成することによりCD−
ROM記録媒体を作製し、本発明マスキング治具6の表
面に1mmのAu物理蒸着膜が付着した時点でこのマスキ
ング治具を取り出し、水に浸漬し、超音波振動数:40
KHZをかけながら超音波洗浄を行った。
【0032】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に35分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は加熱して水を除去
し水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去することによ
り容易に回収することができた。この様なAu回収操作
およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行うことの
できる再利用回数を測定した結果、本発明マスキング治
具5の再利用回数は203回であった。
【0033】実施例7 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、脂肪酸エステル:7重量%、ポリエチレングリコー
ル:5重量%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性
樹脂コーティング剤を刷毛で18mmの間隔をおいて縞
状に塗布し、平均膜厚:1μmの水溶性樹脂コーティン
グ剤の縞状膜を形成することにより本発明マスキング治
具7を作製した。この本発明マスキング治具7をCD−
ROM基板表面に載置した状態でAu物理蒸着膜を形成
することによりCD−ROM記録媒体を作製し、本発明
マスキング治具1の表面に1mmのAu物理蒸着膜が付着
した時点でこのマスキング治具を物理蒸着装置から取り
出し、軽い衝撃を加えたがAu物理蒸着膜が落下するこ
とはなかった。このマスキング治具を水に浸漬し、超音
波振動数:40KHZをかけながら超音波洗浄を行っ
た。
【0034】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に40分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は加熱して水を除去
し水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去することによ
り容易に回収することができた。この様なAu回収操作
およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行い、再利
用回数を測定した結果、本発明マスキング治具7の再利
用回数は175回であった。
【0035】実施例8 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、脂肪酸エステル:7重量%、アルキルアミン:2.
5重量%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性樹脂
コーティング剤を刷毛で18mmの間隔をおいて格子状
に塗布し、平均膜厚:1μmの水溶性樹脂コーティング
剤の格子状膜を形成することにより本発明マスキング治
具8を作製した。この本発明マスキング治具8をCD−
ROM基板表面に載置した状態でAu物理蒸着膜を形成
することによりCD−ROM記録媒体を作製し、本発明
マスキング治具8の表面に1mmのAu物理蒸着膜が付着
した時点でこのマスキング治具を物理蒸着装置から取り
出し、軽い衝撃を加えたがAu物理蒸着膜が落下するこ
とはなかった。このマスキング治具を水に浸漬し、超音
波振動数:45KHZをかけながら超音波洗浄を行っ
た。
【0036】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に40分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は加熱して水を除去
し水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去することによ
り容易に回収することができた。この様なAu回収操作
およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行うことの
できる再利用回数を測定した結果、本発明マスキング治
具8の再利用回数は160回であった。
【0037】実施例9 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、ポリエチレングリコール:6重量%、アルキルアミ
ン:2.5重量%を含有し、残部が水からなる組成の水
溶性樹脂コーティング剤を刷毛で18mmの間隔をおい
て縞状に塗布し、平均膜厚:1μmの水溶性樹脂コーテ
ィング剤の縞状膜を形成することにより本発明マスキン
グ治具9を作製した。この本発明マスキング治具9をC
D−ROM基板表面に載置した状態でAu物理蒸着膜を
形成することによりCD−ROM記録媒体を作製し、本
発明マスキング治具3表面に1mmのAu物理蒸着膜が付
着した時点でマスキング治具を物理蒸着装置から取り出
し、軽い衝撃を加えたがAu物理蒸着膜が落下すること
はなかった。このマスキング治具を水に浸漬し、超音波
振動数:50KHZをかけながら超音波洗浄を行った。
【0038】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に26分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は加熱して水を除去
し水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去することによ
り容易に回収することができた。この様なAu回収操作
およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行うことの
できる再利用回数を測定した結果、本発明マスキング治
具3の再利用回数は183回であった。
【0039】実施例10 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、脂肪酸エステル:10.5重量%を含有し、残部が
水からなる組成の水溶性樹脂コーティング剤を刷毛で1
8mmの間隔をおいて格子状に塗布し、平均膜厚:1μ
mの水溶性樹脂コーティング剤の格子状膜を形成するこ
とにより本発明マスキング治具10を作製した。この本
発明マスキング治具10をCD−ROM基板表面に載置
した状態でAu物理蒸着膜を形成することによりCD−
ROM記録媒体を作製し、本発明マスキング治具10の
表面に1mmのAu物理蒸着膜が付着した時点でマスキン
グ治具を物理蒸着装置から取り出し、軽い衝撃を加えた
がAu物理蒸着膜が落下することはなかった。このマス
キング治具を水に浸漬し、超音波振動数:35KHZを
かけながら超音波洗浄を行った。
【0040】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に30分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は加熱して水を除去
し水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去することによ
り容易に回収することができた。この様なAu回収操作
およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行うことの
できる再利用回数を測定した結果、本発明マスキング治
具10の再利用回数は185回であった。
【0041】実施例11 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、ポリエチレングリコール:8重量%を含有し、残部
が水からなる組成の水溶性樹脂コーティング剤を刷毛で
縞状に塗布し、平均膜厚:1μmの水溶性樹脂コーティ
ング剤の縞状膜を形成することにより本発明マスキング
治具11を作製した。この本発明マスキング治具11を
CD−ROM基板表面に載置した状態でAu物理蒸着膜
を形成することによりCD−ROM記録媒体を作製し、
本発明マスキング治具11の表面に1mmのAu物理蒸着
膜が付着した時点でマスキング治具を物理蒸着装置から
取り出し、軽い衝撃を加えたがAu物理蒸着膜が落下す
ることはなかった。このマスキング治具を水に浸漬し、
超音波振動数:30KHZをかけながら超音波洗浄を行
った。
【0042】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に30分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は加熱して水を除去
し水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去することによ
り容易に回収することができた。この様なAu回収操作
およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行うことの
できる再利用回数を測定した結果、本発明マスキング治
具5の再利用回数は210回であった。
【0043】実施例12 実施例1で用意したCu製マスキング治具基体の表面
に、ノルマルヘキサン:25重量%、イソプロピルアル
コール:8重量%を含有し、残部が平均粒径:0.7μ
mの黒鉛粉末からなる組成のカーボン離型剤を刷毛また
はスプレーで縞状に塗布し、平均膜厚:13μmのカー
ボン離型剤の縞状膜を形成することにより本発明マスキ
ング治具12を作製した。この本発明マスキング治具1
2をCD−ROM基板表面に載置した状態でAu物理蒸
着膜を形成することによりCD−ROM記録媒体を作製
し、本発明マスキング治具12の表面に1mmのAu物理
蒸着膜が付着した時点でマスキング治具を物理蒸着装置
から取り出し、軽い衝撃を加えたがAu物理蒸着膜が落
下することはなかった。このマスキング治具を水に浸漬
し、超音波振動数:40KHZをかけながら超音波洗浄
を行った。
【0044】その結果、マスキング治具基体表面の水溶
性樹脂コーティング剤膜は水で洗浄されて除去され、付
着したAu物理蒸着膜は水中に40分で完全に脱落し
た。水中に脱落したAu物理蒸着膜は加熱して水を除去
し水溶性樹脂コーティング剤を燃焼し除去することによ
り容易に回収することができた。この様なAu回収操作
およびマスキング治具基体の再生を繰り返し行うことの
できる再利用回数を測定した結果、本発明マスキング治
具12の再利用回数は198回であった。
【0045】従来例1 実施例1で用意したCD−ROM製造用Cu製マスキン
グ治具基体の表面に、通常の電気メッキ条件で厚さ:1
μmのRh膜を形成し、従来マスキング治具1を作製し
た。この従来マスキング治具1を使用してCD−ROM
基板表面にAu物理蒸着膜を形成することによりCD−
ROMを作製し、従来マスキング治具1の表面に1mmの
Au物理蒸着膜が付着した時点でこれらマスキング治具
を市販の金剥離剤を溶解した金剥離液(液温:30℃)
に5時間浸漬し、Auを回収するとともにマスキング治
具を再生を繰り返し行い、従来マスキング治具1の再利
用回数を測定した結果、再利用回数は8回であった。
【0046】従来例2 実施例1で用意したCD−ROM製造用Cu製マスキン
グ治具基体の表面に通常の電気メッキ条件で厚さ:0.
5μmのPt膜を形成し、従来マスキング治具2を作製
した。この従来マスキング治具2を使用してCD−RO
M基板表面にAu物理蒸着膜を形成することによりCD
−ROM、CD−RまたはCDを作製し、従来マスキン
グ治具2の表面に1mmのAu物理蒸着膜が付着した時点
でこれらマスキング治具を市販の金剥離剤を溶解した金
剥離液(液温:30℃)に5時間浸漬し、Auを回収す
るとともにマスキング治具を再生を繰り返し行い、従来
マスキング治具1の再利用回数を測定した結果、再利用
回数は9回であった。
【0047】実施例1〜12および従来例1〜2に示さ
れる結果から、(イ)水で洗浄できる離形剤膜を形成し
た本発明マスキング治具1〜12は、白金族膜を形成し
た従来マスキング治具1〜2に比べていずれも再利用回
数が大幅に増加する、(ロ)厚さ:1mmの付着したAu
物理蒸着膜を除去する時間は、白金族膜を形成した従来
マスキング治具1〜2の場合、5時間を必要としている
のに対し、本発明マスキング治具1〜12は、20〜6
0分で剥離が可能であり、剥離に要する時間が極めて短
く効率的であり、さらにマスキング治具の寿命について
も、従来マスキング治具1〜2の再利用は10回以下で
あるに対し、本発明マスキング治具1〜12は160〜
250回の再利用が可能であるところから、大幅に伸び
ていることが分かる。
【0048】以上、物理蒸着装置のマスキング治具に付
着したAu物理蒸着膜をマスキング治具から剥離する実
施例を従来例と比較しながら詳述したが、この発明は、
Auを物理蒸着する装置のマスキング治具に限定される
ものではなく、Au以外の貴金属(Ag、Pt、Pd、
Rh)、さらにCr、Ni、Al、Cuなどの金属を物
理蒸着する装置のマスキング治具としても適用すること
ができる。
【0049】
【発明の効果】上述のように、この発明のハンダ膜が形
成されている物理蒸着装置の防着部品、特にマスキング
治具は、再利用回数が大幅に増加し、さらに付着した物
理蒸着膜を短時間で除去することができるのでコストの
削減に大いに貢献しうるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】Au物理蒸着装置の構造を示す断面概略図であ
る。
【図2】マスキング治具の斜視図である。
【符号の説明】
1 CD基板 2 マスキング治具 3 Auターゲット 4 Au物理蒸着膜 5 シールドリング 6 シャッター 7 活性Au金属 21 中央遮蔽板 22 外周遮蔽板 23 リング状開口 24 外周胴 25 支持腕 26 支柱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 橋本 頼重 兵庫県三田市テクノパ−ク12−6 三菱マ テリアル株式会社三田工場内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 マスキング治具基体の表面に水で洗浄す
    ることにより除去できる離型剤膜を形成してなることを
    特徴とする物理蒸着装置のマスキング治具。
  2. 【請求項2】 マスキング治具基体の表面に水で洗浄す
    ることにより除去できる離型剤膜を一定間隔をおいて形
    成してなることを特徴とする物理蒸着装置のマスキング
    治具。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の水で洗浄するこ
    とにより除去できる離型剤膜は、水溶性樹脂コーティン
    グ剤膜であることを特徴とする物理蒸着装置のマスキン
    グ治具。
  4. 【請求項4】 前記水溶性樹脂コーティング剤膜は、脂
    肪酸エステル:6〜8重量%、ポリエチレングリコー
    ル:4〜6重量%を含有し、残部が水からなる組成の水
    溶性樹脂コーティング剤の塗布膜であることを特徴とす
    る請求項3記載の物理蒸着装置のマスキング治具。
  5. 【請求項5】 前記水溶性樹脂コーティング剤膜は、脂
    肪酸エステル:6〜8重量%、アルキルアミン:2〜3
    重量%を含有し、残部が水からなる組成の水溶性樹脂コ
    ーティング剤の塗布膜であることを特徴とする請求項3
    記載の物理蒸着装置のマスキング治具。
  6. 【請求項6】 前記水溶性樹脂コーティング剤膜は、ポ
    リエチレングリコール:5〜7重量%、アルキルアミ
    ン:2〜3重量%を含有し、残部が水からなる組成の水
    溶性樹脂コーティング剤の塗布膜であることを特徴とす
    る請求項3記載の物理蒸着装置のマスキング治具。
  7. 【請求項7】 前記水溶性樹脂コーティング剤膜は、脂
    肪酸エステル:10〜11重量%を含有し、残部が水か
    らなる組成の水溶性樹脂コーティング剤の塗布膜である
    ことを特徴とする請求項3記載の物理蒸着装置のマスキ
    ング治具。
  8. 【請求項8】 前記水溶性樹脂コーティング剤膜は、ポ
    リエチレングリコール:7〜9重量%を含有し、残部が
    水からなる組成の水溶性樹脂コーティング剤の塗布膜で
    あることを特徴とする請求項3記載の物理蒸着装置のマ
    スキング治具。
  9. 【請求項9】 請求項1または2記載の水で洗浄するこ
    とにより除去できる離型剤膜は、カーボン離型剤膜であ
    ることを特徴とする物理蒸着装置のマスキング治具。
  10. 【請求項10】 前記カーボン離型剤膜は、ノルマルヘ
    キサン:23〜26重量%、イソプロピルアルコール:
    7〜9重量%を含有し、残部が黒鉛粉末からなる組成の
    カーボン離型剤の塗布膜であることを特徴とする請求項
    9記載の物理蒸着装置のマスキング治具。
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