JPH1135711A - 防曇、防黴性農業用フィルムの製造方法 - Google Patents

防曇、防黴性農業用フィルムの製造方法

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JPH1135711A
JPH1135711A JP9195679A JP19567997A JPH1135711A JP H1135711 A JPH1135711 A JP H1135711A JP 9195679 A JP9195679 A JP 9195679A JP 19567997 A JP19567997 A JP 19567997A JP H1135711 A JPH1135711 A JP H1135711A
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coating
weight
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agricultural film
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JP9195679A
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Kenji Tokuoka
謙二 徳岡
Seichi Watanabe
清致 渡辺
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防藻性、防黴性及び防曇性を有する塗膜組成
物の農業用フィルムに対する塗布層の接着性が大きく、
優れた防藻性、防黴性及び防曇性と、その経時安定性を
有する防曇、防黴性農業用フィルムの製造方法を提供す
る。 【解決手段】 全量100重量部に対して、水75〜9
7重量部、粒径0.1μm以下の酸化亜鉛微粒子0.5
〜20重量部及び非イオン性界面活性剤0.05〜5重
量部を媒質高速剪断攪拌して得られた塗布液を、表面処
理されたポリオレフィン系樹脂フィルムの表面に塗布
し、乾燥することを特徴とする防曇、防黴性農業用フィ
ルムの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、防曇、防黴性農業
用フィルムの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】H型鋼、C型鋼等の鋼製骨格の大型温室
や、鉄パイプ等のパイプ骨格の中・小型温室に可塑化塩
化ビニル系樹脂フィルムやポリオレフィン系樹脂フィル
ム等の農業用フィルムが用いられてきたが、これらの農
業用フィルムは、親水性に乏しいため、雰囲気の温度、
湿度及び温室内外の温度差等によってフィルム表面に結
露し、該フィルムを曇らせて太陽光線の入射を阻害した
り、天井部分に結露し、成長して可成り大きくなった水
滴が圃場の幼芽や柔らかい葉や茎の上に落下してきて物
理的な被害を及ぼしたり、上記水滴中や、これらの水滴
が連続して形成された水膜中で繁殖ないしは繁茂した各
種黴類や藻類等が、太陽光線の入射を阻害したり、圃場
の作物の病害の発生の原因となったりする等様々な問題
を有するものである。
【0003】上記農業用フィルムの結露による曇りや水
膜の形成による太陽光線の入射阻害を改善するために、
用いられる可塑化塩化ビニル系樹脂やポリオレフィン系
樹脂に、界面活性剤を中心とする防曇剤を練り込んだ
り、表面に塗布したりして対応してきた。しかし、疎水
性の高分子物質に、親水性の低分子物質を混練するもの
であるので、得られた防曇性農業用フィルムといって
も、該フィルムからの防曇剤のブリードが大きく、防曇
性を発揮し得る有効期間は長くて1年6ヵ月程度であ
り、これらの相溶性改善の努力もなされているが、短い
ものでは数ヵ月に過ぎない。
【0004】従って、太陽光線に照射強度が小さく、昼
夜の温度差の激しい冬季間の促成栽培にあっては、一
旦、防曇性が低下ないしは失われた上記農業用フィルム
の防曇性を回復させるために促成栽培期間中、防曇性が
失われる都度、噴霧タイプの防曇剤を動力噴霧器等を用
いて温室内の農業用フィルム表面に噴霧し続けなければ
ならないものであり、その労力とコストは莫大なものと
なり、作物によっては栽培期間の防曇剤の噴霧が不可の
ものがあったりして未だ充分な防曇対策となっていない
等の問題点を有するものである。
【0005】特に、パイプ骨格の中・小型温室にあって
は環境制御が充分になされないケースが多いので、長期
の展張の間にフィルム内面に着生した各種黴類や藻類等
に気中の塵埃が加わり光線透過率が低下してしまって、
汚れによる原因のみで、フィルムを張り替えねばならな
い場合も生じる。
【0006】上記各種黴類や藻類等による農業用フィル
ムの汚れ対策として、各種有機系抗菌剤(特開平3−1
67103号公報等)やAgやCuイオン等の無機系抗
菌剤(特開平2−247239号公報等)の使用が提案
されている。しかしながら、特開平3−167103号
公報に開示されている有機系抗菌剤は、独特の臭気、農
業用フィルム成形時の熱分解、経時のブリードアウトに
よる防黴性能の低下等の問題があり、特開平2−247
239号公報に開示されている無機系抗菌剤は、酸化に
よるフィルムの黒化、黄変等の着色の問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、叙上の
事実に鑑み、防藻性、防黴性及び防曇性を有する塗膜組
成物の農業用フィルムに対する塗布層の接着性アップ法
並びに上記防藻性、防黴性及び防曇性の性能アップ法に
ついて鋭意検討し、粒径0.1μm以下の酸化亜鉛微粒
子を非イオン系界面活性剤及び水の特定組成において、
媒質高速剪断攪拌を行うことによって、表面処理された
ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面に塗布し、乾燥し
て形成された塗布層が、該ポリオレフィン系樹脂フィル
ムに対する高い接着強度と、経時防曇性に優れ、且つ、
経時防藻性及び防黴性にも優れたものであることを見出
し、本発明を完成するに至ったものである。
【0008】即ち、本発明の目的とするところは、防藻
性、防黴性及び防曇性を有する塗膜組成物の農業用フィ
ルムに対する塗布層の接着性が大きく、優れた防藻性、
防黴性及び防曇性と、その経時安定性を有する防曇、防
黴性農業用フィルムの製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、全量100重
量部に対して、水75〜97重量部、粒径0.1μm以
下の酸化亜鉛微粒子0.5〜20重量部及び非イオン性
界面活性剤0.05〜5重量部を媒質高速剪断攪拌して
得られた塗布液を、表面処理されたポリオレフィン系樹
脂フィルムの表面に塗布し、乾燥することを特徴とする
防曇、防黴性農業用フィルムの製造方法をその要旨とす
るものである。
【0010】本発明で用いられる酸化亜鉛微粒子の一次
粒径は、0.1μm以下である。上記酸化亜鉛微粒子の
一次粒径が0.1μmを超えると、該酸化亜鉛微粒子を
含む塗布液の塗膜の初期透明性が低下し、太陽光線入射
量を低下させるので上記範囲に限定される。
【0011】酸化亜鉛微粒子の添加量は、上記塗布液1
00重量部中、0.5〜20重量部、好ましくは0.5
〜10重量部、より好ましくは1〜6重量部である。酸
化亜鉛微粒子の添加量が塗布液100重量部中、0.5
重量部未満であると、上記塗布液のポットライフが短く
なり、塗布作業性が低下するばかりか、塗布された塗膜
の均一性が低下し、基材の表面処理されたポリオレフィ
ン系樹脂フィルムに対する接着強度も低下する。
【0012】本発明で用いられる非イオン性界面活性剤
は、上記塗布液にあって、その分散安定性、基材の表面
処理されたポリオレフィン系樹脂フィルムに対する濡れ
性及び接着強度の向上に寄与する。
【0013】上記非イオン性界面活性剤は、特に限定さ
れるものではないが、例えば、ポリオキシエチレンアル
キルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルフェノー
ルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル
類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル
類、脂肪酸アルキロールアマイド類、セルロースエーテ
ル類等が挙げられ、就中、取扱の容易さ及び経済性等の
観点から水溶性メチルセルロース等の水溶性セルロース
エーテル類が好適に用いられる。
【0014】非イオン性界面活性剤の添加量は、上記塗
布液100重量部中、0.05〜5重量部である。上記
非イオン性界面活性剤の添加量が塗布液100重量部
中、0.05重量部未満であると、基材の表面処理され
たポリオレフィン系樹脂フィルムに対する濡れ性が充分
に得られず、塗布された塗膜の均一性が低下し、基材の
表面処理されたポリオレフィン系樹脂フィルムに対する
接着強度も低下する。又、5重量部を超えると、上記塗
布液の粘度が高くなり過ぎ、塗布作業性を悪化させ、延
いては塗布ムラによって、得られる農業用フィルムの透
明性も接着強度も低下する。
【0015】因みに、本発明において用いられる上記組
成の塗布液の粘度は、1〜1000Pa・s程度である
が、上記非イオン性界面活性剤の添加量5重量部を超え
ると、塗布液の粘度は、1000Pa・sを超え塗布作
業性を悪化させるものである。
【0016】上記塗布液の調製方法は、特に限定される
ものではないが、例えば、予め酸化亜鉛微粒子を水に高
濃度に分散しておき、同様に、高濃度非イオン性界面活
性剤を残部の水に逐次混合し、高速回転によって回転子
に剪断応力を発生させ、2次、3次、・・・と凝集して
いる粒子を1次粒子にまで効率的に解離分散させる媒質
高速剪断攪拌装置によって分散安定性に富んだ塗布液を
得る方法が挙げられる。上記塗布液の調製において、高
濃度分散液ないしは高濃度溶液同士を混合すると、混合
液の分離が発生し易くなり、分散安定性が低下し、塗布
作業性を悪化させるおそれがあるので、上記のように水
乃至低濃度分散液ないしは低濃度溶液に高濃度分散液な
いしは高濃度溶液を逐次混合していくことが好ましい。
【0017】上記媒質高速剪断攪拌装置としては、特に
限定されるものではないが、例えば、ホモジナイザー、
コロイドミル、ハンディーミキサー等の媒質高速剪断攪
拌機が挙げられる。このように媒質高速剪断攪拌装置を
用いて調製された上記塗布液は、分散安定性が優れたも
のではあるが、好ましくは、塗布作業毎に、該塗布作業
直前に調製されることが好ましい。
【0018】本発明で用いられるポリオレフィン系樹脂
フィルムを構成するポリオレフィン系樹脂は、必要強度
及び耐候性を有するものであれば特に限定されるもので
はないが、例えば、分岐状低密度ポリエチレン(LDP
E)、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂(EVA)、線
状低密度ポリエチレン(L−LDPE)等が挙げられ、
これらは単独で用いられてもよく、又、2種以上が混合
されて用いられてもよい。更に、同種、異種の樹脂が積
層されたものでも構わない。
【0019】上記ポリオレフィン系樹脂には、必要に応
じて安定剤、酸化防止剤、可塑剤、安定化助剤、紫外線
安定化剤、保温剤、滑剤、着色剤等が添加されてもよ
い。保温剤としては、例えば、酸化珪素、珪酸塩類、燐
酸塩類、ガラス微粉末等が挙げられる。これらの保温剤
の添加量は、少ないと十分な保温効果が得られず、逆に
多過ぎると得られるポリオレフィン系樹脂フィルムの可
視光線透過率が低下するので、ポリオレフィン系樹脂1
00重量部に対し、好ましくは2〜20重量部、より好
ましくは4〜10重量部である。
【0020】紫外線安定化剤としては、例えば、ベンゾ
フェノン系、ベンゾトリアゾール系、ハイドロキノン
系、サリチル酸系、ベンゾエート系、シアノアクリレー
ト系等の紫外線吸収剤が挙げられ、ヒンダードアミン系
の光安定化剤と共に、基材フィルムの耐候性向上に寄与
する。
【0021】上記ポリオレフィン系樹脂を用いてポリオ
レフィン系樹脂フィルムを成形する手段は、特に限定さ
れるものではなく、例えば、Tダイ方式もしくはインフ
レーション方式の押出成型法によって、単層フィルムな
いしは2層以上を積層した多層フィルムとして成形され
てもよく、カレンダー成形法、溶液流延法等によって成
形されてもよい。更に、これらのポリオレフィン系樹脂
フィルムの2種以上が必要に応じて接着樹脂層を介し、
もしくは介せずして熱ラミネート法もしくは押出ラミネ
ート法によって多層フィルムを成形する方法が採られて
もよい。
【0022】ポリオレフィン系樹脂フィルムの厚さは、
特に限定されるものではないが、薄過ぎると温室の被覆
資材としての機械的強度が低下し、逆に厚くなり過ぎる
と柔軟性が失われ、温室の被覆資材としての各種加工や
温室への展張作業時のハンドリングが難しくなるので、
好ましくは0.02〜0.3mm、より好ましくは0.
03〜0.2mmである。
【0023】上記ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面
処理とは、該ポリオレフィン系樹脂フィルムに上記塗布
液をより強固に接着せしめるための接着面に対する総て
の前処理手段を包含するものであって、特に限定された
表面処理法を指すものではない。上記表面処理として
は、例えば、上記ポリオレフィン系樹脂フィルムの接着
面を、イソプロパノール等のアルコール、前記非イオン
性界面活性剤を含む水等の洗浄剤で予め洗浄する方法、
プラズマ放電処理、コロナ放電処理、火炎処理、重クロ
ム酸カリウム等の酸化剤による表面酸化処理、親水性プ
ライマーによる下塗り処理等が挙げられる。これらの表
面処理法は単独で用いられてもよいが、2種以上を組み
合わせて用いられてもよい。上記表面処理法のうち、就
中、コロナ放電処理は、コンパクトな装置で、処理作業
性が容易であること等から好適に用いられるが、処理後
長時間経過すると、該処理効果が低下するので、処理後
可及的速やかに塗布液の塗工がなされることが好まし
い。
【0024】表面処理されたポリオレフィン系樹脂フィ
ルムに、上記塗布液を塗工する手段は、特に限定される
ものではないが、例えば、スプレーコート法、ディップ
コート法、ロールコート法、バーコート法、ナイフコー
ト法、刷毛塗り法等が挙げられる。上記塗布液の塗布量
は、好ましくは乾燥時換算で0.1〜0.8g/m2
ある。塗布量が乾燥時換算で0.1g/m2 未満である
と、得られる農業用フィルムの、特に経時防曇性の低下
が大きく、防黴性及び防藻性も低下する。又、塗布量が
乾燥時換算で0.8g/m2 を超えると、防黴性及び防
藻性等の効果は、経時性能(持続性)においても飽和す
るが、可視光線透過率が低下するおそれがある。
【0025】塗布された塗膜の乾燥手段は、特に限定さ
れるものではなく、自然乾燥法、強制乾燥法のいずれが
用いられてもよいが、強制乾燥法が用いられる場合の乾
燥温度は、好ましくは50〜150℃である。上記乾燥
温度が50℃未満では、乾燥速度が遅いため強制乾燥に
よる経済効果が得られにくく、150℃を超えると、乾
燥後捲重された農業用フィルムがブロッキングし易く、
加熱による農業用フィルムの劣化も増大する。
【0026】上記強制乾燥に用いられる加熱手段は、特
に限定されるものではないが、例えば、熱風加熱法、赤
外線加熱法、遠赤外線加熱法等が挙げられる。これらの
加熱手段は単独で用いられてもよいが、2以上の方法が
併用されてもよい。
【0027】本発明の防曇、防黴性農業用フィルムの製
造方法は、叙上の如く、粒径0.1μm以下の酸化亜鉛
微粒子を非イオン性界面活性剤及び水と共に、上記する
配合比率で、特に逐次希釈する媒質高速剪断攪拌によっ
て塗布液を調製し、表面処理されたポリオレフィン系樹
脂フィルムに塗工されるものであるので、調製される塗
布液の分散安定性、ポットライフが長く、塗工作業性を
良好にならしめると共に基材ポリオレフィン系樹脂フィ
ルムと塗膜の密着性を高め、得られる農業用フィルムの
防曇性、防黴性及び防藻性の初期及び経時の高い効果を
長期間安定して奏するものである。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を示し、更
に詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例に限定
されるものではない。
【0029】(実施例1) 〔非イオン性界面活性剤水溶液の調製〕攪拌下の70℃
の熱水中に、メチルセルロース(信越化学工業社製、商
品名「メトローズ SM−25」)を添加し攪拌混合し
て、固形分4重量%の非イオン性界面活性剤水溶液を調
製した。
【0030】〔酸化亜鉛微粒子水分散液の調製〕水79
0g、酸化亜鉛微粒子(1次粒子の平均粒径0.01μ
m)200g及びメチルセルロース(同上)10gを、
ホモジナイザー(特殊機化工業社製、商品名「T.K.
オートホモミキサー(M型)」)を用い、回転数900
0rpmで10分間媒質高速剪断攪拌を行い、固形分2
0重量%の酸化亜鉛微粒子水分散液を調製した。
【0031】次いで、水1000gに、上記酸化亜鉛微
粒子水分散液275gを加え、上記ホモジナイザーを用
い、回転数9000rpmで10分間媒質高速剪断攪拌
を行い、酸化亜鉛微粒子水分散液を更に希釈した。上記
希釈された酸化亜鉛微粒子水分散液に、上記非イオン性
界面活性剤水溶液100gを加え、上記ホモジナイザー
を用い、回転数9000rpmで10分間媒質高速剪断
攪拌を行い塗布液を作製した。
【0032】更に、上記塗布液に、水性インキ(プラチ
ナ社製、赤色)を10gを加え、上記ホモジナイザーを
用い、回転数9000rpmで10分間媒質高速剪断攪
拌を行い塗布液(赤色)を作製した。
【0033】〔ポリオレフィン系樹脂フィルムの調製〕
インフレーション方式による3層押出成形法によって、
外層:L−LDPE(MI=2.1、密度:0.92g
/cm3 )20μm、中層:EVA(酢酸ビニル含量=
14%、MI=1.4、密度:0.93g/cm3 )6
0μm及び内層:EVA(酢酸ビニル含量=10%、M
I=1.4、密度:0.93g/cm3)20μmから
なるポリオレフィン系樹脂フィルムを調製した。次い
で、上記ポリオレフィン系樹脂フィルムを切開し、その
内層面に、コロナ放電処理を施し、処理面の表面張力を
42dyn/cmとした。
【0034】得られた表面コロナ放電処理ポリオレフィ
ン系樹脂フィルムの処理面に、直ちに、上記塗布液を、
メイヤーバーコーター(R.D.Specialtie
s社製、タイプ:No.8)を用いて表1に示す塗布量
で塗布し、60℃×1分間、オーブン中で加熱し、乾燥
して防曇、防黴性農業用フィルムを作製した。
【0035】(実施例2)実施例1におけるコロナ放電
処理面の表面張力を36dyn/cmとしたこと以外、
実施例1と同様にして防曇、防黴性農業用フィルムを作
製した。
【0036】(比較例1)実施例1のコロナ放電処理を
行わなかったこと以外、実施例1と同様にして防曇、防
黴性農業用フィルムを作製した。尚、ポリオレフィン系
樹脂フィルムの内層の表面張力は32dyn/cmであ
った。
【0037】(比較例2)実施例1の塗布液を以下のよ
うに変更したこと以外、実施例1と同様にして防曇、防
黴性農業用フィルムを作製した。 〔塗布液の作製〕水1000gに、上記酸化亜鉛微粒子
水分散液58g及び非イオン性界面活性剤水溶液100
gを加え、上記ホモジナイザーを用い、回転数9000
rpmで10分間媒質高速剪断攪拌を行い、固形分濃度
が1.3重量%の塗布液を作製した。
【0038】(比較例3)実施例1の塗布液を以下のよ
うに変更し、塗布機(メーカーは同じ、タイプ:No.
10)を塗布液に応じて変更したこと以外、実施例1と
同様にして防曇、防黴性農業用フィルムを作製した。 〔塗布液の作製〕水1000gに、上記酸化亜鉛微粒子
水分散液600g及び非イオン性界面活性剤水溶液12
0gを加え、上記ホモジナイザーを用い、回転数900
0rpmで10分間媒質高速剪断攪拌を行い、固形分濃
度が7.3重量%の塗布液を作製した。
【0039】実施例1〜2及び比較例1〜3で得られた
防曇、防黴性農業用フィルム及びこれらに用いられた塗
布液の性能を評価するため、塗布液の安定性、塗膜の接
着性、防曇、防黴性農業用フィルムの全光線透過率、防
曇性、防黴性及び防藻性について、以下に示す方法で試
験した。試験結果は表1に示す。
【0040】(性能評価) 1.塗布液の安定性:得られた塗布液を、透明ガラス製
試薬瓶に充填し、通常の封緘をして、室内の太陽光線が
直射しない位置に、常温に静置して保管し、24時間
後、48時間後、72時間後における塗布液の分散安定
性を目視によって観察し、○:塗布液作製、充填後72
時間で、酸化亜鉛微粒子の分散状態は均一で安定してい
るもの、△:同48時間で酸化亜鉛微粒子の分離沈殿が
認められるもの、×:同24時間で酸化亜鉛微粒子の分
離沈殿が認められるもの、の3段階で評価した。
【0041】2.塗膜の接着性:塗布液(赤色)を用い
て作製された防曇、防黴性農業用フィルムの塗布液塗布
面に、JIS Z 0237に準じて、テスト用粘着テ
ープ(日東電工社製、商品名「ポリエステルテープ31
B」を貼合わせ、該テスト用粘着テープ背面に、荷重2
kgのローラーを300mm/分の速度で往復させるこ
とによって両者を密着させて、試験片を作成した。上記
試験片に就いて、貼合わせたテスト用粘着テープを貼合
わせ面から300mm/分の速度で、180度ピールを
行い、防曇、防黴性農業用フィルムに残った塗布液の塗
膜を、赤色部分の残存度合いによって測定し、以下の3
段階の基準で塗膜の接着性を評価した。 ○:接着性大→全く剥離がないもの、△:接着性中→一
部剥離が認められる、×:接着性小→殆ど全面が剥離し
ているもの。
【0042】3.全光線透過率:得られた防曇、防黴性
農業用フィルムの全光線透過率を、日本電色工業社製の
「DIGITAL HAZEMETER NDH−20
D」によって、作製直後(初期)、1年後、2年後及び
3年後について測定した。
【0043】4.防曇性:(促進試験法)については、
得られた防曇、防黴性農業用フィルムを、器壁上端面が
10度の傾斜を有する水槽の上端面を封ずるように展張
し、水槽内の水温を30±1℃、外部温度を10±1℃
に保持して、試験開始10分後(初期)及び3ヵ月経過
後の防曇、防黴性農業用フィルム内面の水滴付着の状況
を目視により観察し、5:小水滴が破れ、フィルム全面
が透明に濡れているもの、4:小水滴が大部分破れ、フ
ィルムの80%程度が透明に濡れているもの、3:小水
滴がが破れ、フィルムの60%程度が透明に濡れている
もの、2:小水滴が破れ、フィルムの40%程度が透明
に濡れているもの、1:小水滴が大部分残り、フィルム
の20%程度のみが透明に濡れているもの、の5点法で
評価した。
【0044】(実張法)については、得られた防曇、防
黴性農業用フィルムを、宮城県亘理郡亘理町の自社実験
圃場に、間口3.6m、奥行き6mのパイプハウスにフ
ィルムを展張し、3ヵ年経過後の防曇性を目視により観
察し、○:殆ど水滴の付着による曇りがないもの、△:
水滴の付着が展張場所によって一部認められるもの、
×:大部分が水滴の付着により曇りが発生したもの、の
3段階で評価した。
【0045】5.防黴性及び防藻性:前項の防曇性(実
張り法)評価の3ヵ年経過後の防曇、防黴性農業用フィ
ルムについて、防黴性及び防藻性を併せて目視により観
察し、○:黴の着生も藻類の着生も認められないもの、
△:黴、藻類共に僅かに着生が認められるもの、×:フ
ィルムの10%以上に黴、藻類の着生が認められるも
の、の3段階で評価した。
【0046】
【表1】
【0047】
【発明の効果】本発明の防曇、防黴性農業用フィルムの
製造方法は、叙上の如く構成されているので、調製され
る塗布液の分散安定性、ポットライフが長く、塗工作業
性を良好にならしめると共に基材ポリオレフィン系樹脂
フィルムと塗膜の密着性を高め、得られる農業用フィル
ムの防曇性、防黴性及び防藻性の初期及び経時の高い効
果を長期間安定して奏するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B32B 27/18 B32B 27/18 F 27/32 27/32 Z C09K 3/18 C09K 3/18

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 全量100重量部に対して、水75〜9
    7重量部、粒径0.1μm以下の酸化亜鉛微粒子0.5
    〜20重量部及び非イオン性界面活性剤0.05〜5重
    量部を媒質高速剪断攪拌して得られた塗布液を、表面処
    理されたポリオレフィン系樹脂フィルムの表面に塗布
    し、乾燥することを特徴とする防曇、防黴性農業用フィ
    ルムの製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003327730A (ja) * 2002-05-16 2003-11-19 Achilles Corp 農業用合成樹脂フィルム
JP2016155765A (ja) * 2015-02-23 2016-09-01 東洋紡株式会社 農業用資材
JP2017048132A (ja) * 2015-08-31 2017-03-09 大日本印刷株式会社 防カビ性部材、及び農業用防カビ性物品
JP2017175963A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 七王工業株式会社 防藻シート及び植物の栽培方法

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