JPH11355993A - 回転電機の回転子 - Google Patents

回転電機の回転子

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JPH11355993A
JPH11355993A JP16234498A JP16234498A JPH11355993A JP H11355993 A JPH11355993 A JP H11355993A JP 16234498 A JP16234498 A JP 16234498A JP 16234498 A JP16234498 A JP 16234498A JP H11355993 A JPH11355993 A JP H11355993A
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slot
rotor
field winding
magnetic pole
magnetic
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JP16234498A
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English (en)
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Masashi Fujita
真史 藤田
Hideyuki Nakamura
英之 中村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】通気式回転電機の回転子において、サブスロッ
ト部での磁気抵抗を低減し、より小形で軽量にして、界
磁電流を小さくすることにある。 【解決手段】コイルスロット2下部の絶縁シート11と
サブスロット10との間あるいはサブスロット10内部
に磁性体からなるブリッジ材41を設け、このブリッジ
材41に半径方向の通気通路に対応する位置に孔50を
設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は通気式回転電機の回
転子において、例えばタービン発電機の円筒形回転子の
構造を改良したものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来の例えばタービン発電機の回転子と
しては、図16に示すような構成のものがある。図16
において、1はタービン発電機の回転子であり、図では
1極分について示してある。この回転子1は機械強度を
持たせるために単一鋼塊から製作し、磁極部6と非磁極
部を形成している。非磁極部には回転子1の周方向に等
間隔に複数個の巻線挿入用コイルスロット2を設け、こ
のスロット間にはティースを設ける。
【0003】このコイルスロット2内に界磁巻線3を納
める。この界磁巻線3は平角銅帯等からなり層間を絶縁
して形成したものである。図16では最も磁極部6に近
いコイルスロットのみについて詳しく示してあり、それ
以外のコイルスロットについては内部の構成物は省略し
てある。コイルスロット2の開口端部に回転子ウエッジ
8を挿入して界磁巻線3を保持する構造とする。
【0004】このようにすれば、界磁巻線3を励磁する
ことによって直軸12の方向に磁束を発生させることが
できる。また、コイルスロット2の内側端部には、軸方
向の通気通路であるサブスロット10を設け、界磁巻線
3と回転子ウエッジ8には半径方向に通気通路として孔
を設け、サブスロット10から供給される冷却冷媒によ
って界磁巻線3でジュール発熱によって発生する熱を冷
却する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、通常コ
イルスロットは遠心力方向となる回転子の径方向に掘ら
れた溝で構成されており、回転子の軸方向に垂直な断面
内の磁束は、磁極部近傍のコイルスロット底あるいはサ
ブスロット底で直軸側に湾曲する。図17は2次元磁界
解析による回転子断面の磁束線分布の例である。この湾
曲した磁束線は直軸に対して対向するコイルスロット底
あるいはサブスロット底間の磁極底部で集中し、この磁
極部の磁束密度が高くなり、磁気飽和の原因となる。磁
極底部での磁気飽和は界磁電流の増加につながり、また
磁気飽和を軽減するため、磁極底部の磁路を広くとるこ
とは発電機の体格の増大につながる。
【0006】本発明は上記のような事情に鑑みなされた
もので、コイルスロット底あるいはサブスロット底間の
磁極部における磁路を増加し、磁極底部での磁束の集中
を緩和して磁気飽和を軽減し、界磁電流の軽減を図ると
共に回転電機本体の体格の縮小化を図ることができる回
転電機の回転子を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明による回転電機の
回転子は、従来磁気抵抗として作用するサブスロット部
に磁性体からなるブリッジ材を設けることで、磁路を増
加して磁束の集中を緩和することを特徴とするものであ
る。
【0008】請求項1に対応する本発明の回転電機の回
転子は、界磁巻線とサブスロットの間に半径方向の通気
通路に対応する孔を有する磁性体板からなるブリッジ材
を備え、サブスロット上部にも磁路を設けたものであ
る。これにより、界磁巻線とサブスロットの間に磁路を
形成することができる。
【0009】請求項2に対応する本発明の回転電機の回
転子は、サブスロット内部に、半径方向の通気通路に対
応する孔を有する磁性体板からなるブリッジ材を備え、
サブスロット内部に磁路を設けたものである。これによ
り、サブスロット内部に磁路を形成することができる。
【0010】請求項3に対応する本発明の回転電機の回
転子は、サブスロット内部に界磁巻線側に前記半径方向
の通気通路に対応する孔を有する磁性体管からなるブリ
ッジ材を備え、サブスロット内部に磁路を設けたもので
ある。これにより、サブスロット内部に磁路を形成する
ことができる。また、管状ブリッジ材をサブスロット部
に挿入し、その上部の界磁巻線によって磁性体を固定で
きるため、より高い製作性と耐久性を確保できる。
【0011】請求項4に対応する発明の回転電機の回転
子は、サブスロットに界磁巻線側に半径方向の通気通路
に対応する孔を有する磁性体U字型鋼からなるブリッジ
材を備えたものである。これにより、サブスロット内部
に磁路を形成することができ、またU字型のブリッジ材
をサブスロット部に挿入し、その上部の界磁巻線によっ
て磁性体を固定できるため、より高い製作性と耐久性を
確保できる。
【0012】請求項5に対応する発明の回転電機の回転
子は、磁極に隣接するスロットに対応するサブスロット
を磁極側で浅く、磁極と反対側で深くし、サブスロット
磁極側の磁路を広げたものである。これにより、磁極底
部のサブスロット底間の磁路が広がり、磁気飽和が軽減
できる。
【0013】請求項6に対応する発明の回転電機の回転
子は、磁極に隣接するスロットに対応するサブスロット
を磁極側で浅く、磁極と反対側で深くなるように、前も
って軸方向の孔を設けた矩形断面の磁性体からなるブリ
ッジ材をサブスロット部に挿入するものである。これに
より、磁極底部のサブスロット底間の磁路を広げて磁気
飽和を軽減するとともに、機械強度の強さが要求される
サブスロットをより単純な形状で掘削できる。
【0014】請求項7に対応する発明の回転電機の回転
子は、サブスロット上部あるいは内部に設置する磁性体
板や管からなるブリッジ材を軸方向に分割したユニット
で構成したものである。これにより、サブスロット内部
に磁路を形成することができると同時に回転子の製作性
を高めることができる。
【0015】請求項8に対応する発明の回転電機の回転
子は、サブスロット上部あるいは内部に設置する磁性体
板や管からなるブリッジ材の厚さを変え、あるいは通気
通路の深さを変え、軸方向中央部に近付くほど通気通路
の断面積が狭くなるようにしたものである。これによ
り、サブスロット内部に磁路を形成することができると
同時に、冷却媒体の軸方向の流量分布が回転子端部で大
きく、回転子軸方向中央部に近付くほど小さくなる分布
となり、回転子コイルの温度分布の均一化を実現でき
る。
【0016】請求項9及び10に対応する発明の回転電
機の回転子は、サブスロットの両側面壁間を針状または
棒状の磁性体ブリッジ材によって橋架したものである。
これによりサブスロット内部に磁路を形成することがで
きる。さらに、請求項10に対応する発明の回転電機の
回転子ではブリッジ材の配置密度を軸方向中央部が高
く、軸方向端部が低くなるようにしたものであり、冷却
冷媒の軸方向の流量分布が回転子端部で大きく、回転子
軸方向中央部に近付くほど小さくなる分布となり、回転
子コイルの温度分布の均一化を実現できる。
【0017】請求項11に対応する発明の回転電機の回
転子は、サブスロット上部あるいは内部に設置するブリ
ッジ材を軸方向で分割し、さらに軸方向中央部に近付く
ほどブリッジ材の厚さを厚くしたものである。これによ
り、サブスロット内部に磁路を形成することができると
同時に、冷却冷媒の軸方向の流量分布が回転子端部で大
きく、回転子軸方向中央部に近付くほど小さくなる分布
となり、回転子コイルの温度分布の均一化を実現でき
る。
【0018】請求項12に対応する発明の回転電機の回
転子は、サブスロット上部及びあるいは内部に設置する
ブリッジ材を磁化容易方向が回転子の周方向となるよう
な方向性磁性体としたものである。よれにより、磁気抵
抗が軽減でき、ブリッジ材に磁束が流れ易くなる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1は本発明による回転電機の回転
子の第1の実施の形態を示す1極分の断面図である。
【0020】図1において、回転子1に設けられたコイ
ルスロット2に界磁巻線3を納め、この界磁巻線3の外
端側(上部)には対地絶縁をとるためのクリページブロ
ック9を設け、さらにその外側のスロット開口端部に回
転子ウエッジ8を挿入して界磁巻線3を保持する。この
場合、界磁巻線3の内端側(下部)にはスロット底と電
気的絶縁を保つための絶縁シート11が設けられてい
る。
【0021】図1では最も磁極部6に近いコイルスロッ
トのみについて詳しく示してあり、それ以外のコイルス
ロットについては内部の構成物は省略してある。また、
コイルスロット2の内端側(下部)には軸方向の通気通
路であるサブスロット10を設け、界磁巻線3とクリペ
ージ・ブロック9及び回転子ウエッジ8には半径方向に
通気通路として孔14を設け、サブスロット10から供
給される冷却媒体によって界磁巻線3でジュール発熱に
よって発生する熱を冷却する。
【0022】本発明の第1の実施の形態では、界磁巻線
3の下部の絶縁シートとサブスロット10との間に磁性
体板からなるブリッジ材41を設け、ブリッジ材41と
絶縁シート11には界磁巻線3の半径方向通気通路14
に対応する位置に孔50を設ける構成とするものであ
る。
【0023】このような構成の回転電機の回転子におい
て、運転時には界磁巻線3を励磁することによって直軸
12の方向に磁束を発生させるが、磁束線は通気通路で
あるサブスロット10及びスロット内の非磁性体である
界磁巻線3、絶縁シート11などを避けるように分布す
る。
【0024】本実施の形態においては、サブスロット1
0と絶縁シート11の間に磁性体のブリッジ材41を設
けているため、磁束線の一部はこのブリッジ材41内を
通ることができる。また、ブリッジ材41の半径方向に
通気通路に対応する孔50が設けてあるので、界磁巻線
3を冷却する冷却媒体も通風通路14を通過することが
できる。
【0025】本実施の形態によれば、ブリッジ材41に
よってコイルスロット2とサブスロット10の間で磁路
が増加する分、磁極部6における磁気飽和が軽減できる
ため、界磁電流の軽減あるいは発電機体格の縮小が可能
である。
【0026】図2は本発明による回転電機の回転子の第
2の実施の形態を示す1スロット分の断面図であり、図
1と同一部品には同一符号を付してその説明を省略す
る。図2に示すように、サブスロット10の左右両側面
に案内用溝51を設け、磁性体板からなるブリッジ材4
1を案内用溝51に挿入して固定する。ブリッジ材41
には界磁巻線3とクリページ・ブロック9及び回転子ウ
エッジの半径方向通気通路14に対応する位置に孔50
を設ける。
【0027】このような構成の回転電機の回転子におい
て、界磁巻線3を励磁した場合に生じる磁束はサブスロ
ット10に設けたブリッジ材41内を通ることができ
る。第2の実施の形態では、ブリッジ材41の段数が2
段の場合について示しているが、ブリッジ材の段数を増
加すると、磁束に対する磁気抵抗は減少する。そこで、
サブスロット10内を通過する冷却媒体に対する通風抵
抗は増加するため、設計条件によって適当な段数を選べ
ば良い。
【0028】第2の実施の形態によれば、ブリッジ材4
1によって磁路が増加する分、磁極部6における磁気飽
和が軽減でき、界磁電流の軽減及び発電機の体格の縮小
を図ることができる。
【0029】図3は本発明による回転電機の回転子の第
3の実施の形態を示す1スロット分の断面図であり、図
1と同一部品には同一符号を付してその説明を省略す
る。図3に示すように、サブスロット10の内部に磁性
体の管からなるブリッジ材42を設ける。このブリッジ
材42には界磁巻線3側の面に半径方向の通気通路14
に対応する孔50を設ける。
【0030】これにより、サブスロット内部に磁路を形
成すると同時に、ブリッジ材42は絶縁シート11、界
磁巻線3及びクリページ・ブロック9を介して回転子ウ
エッジ8により保持されており、ブリッジ材42の固定
が容易であり、より耐久性を確保できる。
【0031】第3の実施の形態では、コイルスロット2
の下部にサブスロット10を設けた場合について述べた
が、サブスロット10に相当する部分の幅がスロット幅
に等しく、塊状鉄心を掘削してスロット2を設ける場合
に、サブスロット10に相当する深さまで同一幅で掘っ
てもよい。このようにすると、掘削用の工具をコイルス
ロット2用とサブスロット10用とで別々に用いる必要
がなくなり、回転子1の機械加工が少なくてすむ。
【0032】図4は本発明による回転電機の回転子の第
4の実施の形態を示す1スロット分の断面図であり、図
1と同一部品には同一符号を付してその説明を省略す
る。図4に示すように、サブスロット10の内部に磁性
のU字型鋼からなるブリッジ材43を設ける。このブリ
ッジ材43はU字の中央辺が界磁巻線3側になるように
配置され、界磁巻線3側の面に半径方向の通気通路14
に対応する孔50を設ける。
【0033】これにより、サブロケット内部に磁路を形
成すると同時に、ブリッジ材42は絶縁シート11、界
磁巻線3及びクリページ・ブロック9を介して回転子ウ
エッジ8により保持され、ブリッジ材42の固定が容易
である。また、断面内でU字形状なので多段構成とした
場合に各ブリッジ材43a,43b,43cそれぞれに
関して通気通路に対応する孔50を1つの面のみに設け
ればよく、製作が容易である。
【0034】なお、第4の実施の形態ではコイルスロッ
ト2の下部にサブスロット10を設けた場合について述
べたが、第3の実施の形態と同様にサブスロット10に
相当する部分の幅がスロット幅に等しく、塊状鉄心を掘
削してスロット2を設けた場合に、サブスロット2を設
ける場合に、サブスロット10に相当する深さまで同一
幅で掘削しても良い。
【0035】また、第4の実施の形態ではブリッジ材の
段数が3段の場合について述べたが、ブリッジ材の段数
を増加すると、磁束に対する磁気抵抗は減少する。そこ
で、サブスロット10内を通過する冷却媒体に対する通
風抵抗は増加するため、設計条件によって適当な段数を
選べば良い。
【0036】図5は本発明による回転電機の回転子の第
5の実施の形態を示す断面図であり、図1と同一部品に
は同一符号を付してその説明を省略する。また、図5で
は磁極部6から2つ分のスロットのみについて詳細に示
し、それ以外のコイルスロットについての内部の構成は
省略してある。
【0037】図5に示すように、磁極部6に隣接するス
ロットに対応するサブスロット10aの深さを、磁極部
6側で浅く、磁極部6と反対側で深くし、サブスロット
10aの磁極部6側の磁路を広げたものである。
【0038】上記のような形状にサブスロット10aを
形成すると、従来のような矩形断面の場合に比べて、軸
方向の通気通路断面積が減少するが、第5の実施の形態
においては、磁極部6に隣接するスロット2の界磁巻線
3aの巻回数を他のスロットの界磁巻線3bの巻回数よ
り少なくすると同時にスロット2の深さを浅くし、さら
にサブスロット10aの最深部を他のサブスロット10
bの底と同等径まで深くすることで、このスロット内の
界磁巻線3aにおける発熱量を抑えると共に、冷却媒体
の通気通路を確保している。
【0039】図6は第5の実施の形態に対応する回転子
断面内の2次元磁界解析による磁束線図の例を示す。図
16に示した従来例の場合に比べて磁極部6における磁
束線の集中が緩和されることは明らかである。
【0040】このような構成とすることで、磁極底部の
サブスロット底間の磁路が広がり、磁極部6における磁
気飽和が軽減できる。図7は本発明による回転電機の回
転子の第6の実施の形態における磁極部6に隣接する1
スロット分の断面図であり、図1と同一部品には同一符
号を付してその説明を省略する。
【0041】前述した図5に示す第5の実施の形態で
は、サブスロット10aの深さを磁極部側と磁極部と反
対側とで直線的に変化させているが、図7においてはサ
ブスロット10aの深さを階段状に段階的に変化させる
ようにしたものである。
【0042】このように形状のサブスロット10bとし
ても、磁極部6での磁気飽和を緩和する効果が得られ
る。図8は本発明による回転電機の回転子の第7の実施
の形態における磁極部6に隣接する1スロット分の断面
図であり、図1と同一部品には同一符号を付してその説
明を省略する。
【0043】図8に示すように、サブスロット10部の
通気通路の深さが磁極側で浅く、磁極と反対側で深くな
るように前もって軸方向の孔を設けた矩形断面の磁性体
からなるブリッジ材44をサブスロット部に挿入し、こ
のブリッジ材44の界磁巻線3側の面に、半径方向の通
気通路14に対応する孔50を設けている。
【0044】このような構成のサブスロット10とすれ
ば、磁極部側の磁路が広がると同時に、サブスロット1
0のスロット2側にも磁路が設けられるため、磁極部6
での磁気飽和が抑制できる。また、機械加工時にはサブ
スロット10は矩形断面で掘削できるので、製作が容易
である。
【0045】図9は本発明による回転電機の回転子の第
7の実施の形態におけるブリッジ材を示す斜視図であ
り、第1の実施の形態におけるブリッジ材に適用したも
のである。
【0046】図9に示すようにサブスロット上部に設置
されるブリッジ材41を回転軸に垂直に、軸方向に分割
したユニット41a,41b,41c……により構成す
るものである。この場合、ブリッジ材41には界磁巻線
3や絶縁シート11等に設けた半径方向の通気通路14
に対応する孔50a,50b,50c……が設けられ
る。
【0047】これにより、回転子の製作性をより高める
ことができ、また孔の中心から次の孔の中心までを1つ
のユニットとして構成すれば、ブリッジ材に対する孔あ
け作業が不要となる。また、孔50の形状は、多角形や
楕円形等、通気通路14への通風を妨げず、且つブリッ
ジ材41が磁路として有効に機能する範囲に選ぶことが
できるが、ユニット端部を多角形あるいは半楕円形に切
取ることで、組み立てたときに通気通路14に対応する
孔50を有するブリッジ材41を得ることができる。
【0048】なお、界磁巻線を励磁した場合の磁束はほ
ぼ周方向の磁束となるため、各ブリッジ材の切れ目54
にほぼ沿った磁束が誘起され、ブリッジ材41を分割し
たことによる磁気抵抗の増加は小さい。
【0049】図10は本発明による回転電機の回転子の
第8の実施の形態に示す軸を含む断面図であり、第4の
実施の形態におけるブリッジ材に適用したもので、他の
構成は図4と同一部品に同一符号を付してその説明を省
略する。
【0050】図10に示すように、サブスロット10の
内部に設置するブリッジ材43の厚さをテーパ状に変化
させ、軸方向中央部に近付くほど通気通路の断面積が狭
くなるようにしたものである。
【0051】このような構成の回転子において、界磁巻
線3で生じる発熱を冷却するための冷却媒体は、回転子
両端からサブスロット10内に流れ込み、界磁巻線3、
絶縁シート11、クリページ・ブロック9、回転子ウエ
ッジ9に半径方向に設けた通気通路14を通過するが、
軸方向通気通路の断面積を狭くして風量を絞ることによ
って、軸方向に均一な風量分布となる。このことによ
り、従来軸方向に不均一となっていた回転子コイルの温
度分布を均一にすることができる。
【0052】また、図11は本発明の第9の実施の形態
として、図1に示す第1の実施の形態に適用されるブリ
ッジ材の形状を示す斜視図である。図11に示すよう
に、ブリッジ材41のスロット底に面する部分81を薄
く、サブスロット内部に対する部分82を厚くした構成
としたものである。
【0053】このような構成のブリッジ材41を用いる
ことにより、軸方向中央部で、サブスロット内部に対す
る部分82のみを厚くし、軸中央部の軸方向通気通路の
断面積を狭くすることができる。
【0054】図12は本発明による回転電機の回転子の
第10の実施の形態における磁極部6に隣接する1スロ
ット分の断面図であり、図1と同一部品には同一符号を
付してその説明を省略する。なお、半径方向の通気通路
14の中心を通る断面での切断面と図となっている。
【0055】図12に示すように、サブスロット10の
両側面に支え板52を設置し、この支え板52に設けた
孔に棒状磁性体のブリッジ材45を通してサブスロット
10内に設ける構成としたものである。
【0056】このような構成とすれば、針状のブリッジ
材45によってサブスロット10の両側面間が橋架さ
れ、この部分を磁束が通ることができる。図13は本発
明による回転電機の回転子の第11の実施の形態を示す
軸を含む断面図であり、図1と同一部品には同一符号を
付してその説明を省略する。
【0057】図13に示すように、サブスロット10の
両側面に支え板52を設置し、この支え板52に設けた
孔に棒状磁性体のブリッジ材45を通して、サブスロッ
ト10内に設置する。さらに、ブリッジ材45の配置密
度を軸方向中央部が高く、軸方向端部が低くなるように
したものである。
【0058】このような構成の回転子とすれば、サブス
ロット10内部に磁束の流路を設けることができるの
で、磁極部での磁気飽和が緩和されると同時に、冷却媒
体の軸方向の流量分布が回転子端部で大きく、回転子軸
方向中央部に近付くほど小さくなる分布となり、回転子
コイルの温度分布の均一化を実現できる。
【0059】図14は本発明による回転電機の回転子の
第12の実施の形態を示す軸を含む断面図であり、第4
の実施の形態にブリッジ材を適用したものである。図1
4に示すように、サブスロット10内部の設置するブリ
ッジ材43を軸方向に複数のユニット43a,43b,
43…に分割し、軸方向中央部に近付くほどブリッジ材
ユニット43a,43b,43c……の厚さを厚くす
る。
【0060】これにより、サブスロット10部での磁気
抵抗が小さく、磁極部での磁気飽和が緩和できると同時
に、冷却媒体の軸方向の流量分布が回転子端部で大き
く、回転子軸方向中央部に近付くほど小さくなる分布と
なり、回転子コイルの温度分布の均一化を図ることがで
きる。
【0061】図15は本発明による回転電機の回転子の
第13の実施の形態におけるブリッジ材を示した斜視図
であり、第1の実施の形態のブリッジ材に適用したもの
である。
【0062】図15に示すように、ブリッジ材41を磁
化方向91が回転子の周方向に容易な方向性磁性体で構
成したものである。このような構成とすれば、磁束が速
やかにブリッジ材41を経由して磁極部へと流れ易くな
り、磁気抵抗を軽減することができる。
【0063】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、コイ
ルスロット底あるいはサブスロット底間の磁極部におけ
る磁路を増加し、磁極底部での磁束の集中を緩和して磁
気飽和を軽減し、界磁電流の軽減を図ると共に回転電機
本体の体格の縮小化を図ることができる回転電機の回転
子を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による回転電機の回転子の第1の実施の
形態を示す断面図。
【図2】本発明による回転電機の回転子の第2の実施の
形態における1スロット分を示す断面図。
【図3】本発明による回転電機の回転子の第3の実施の
形態における1スロット分を示す断面図。
【図4】本発明による回転電機の回転子の第4の実施の
形態における1スロット分を示す断面図。
【図5】本発明による回転電機の回転子の第4の実施の
形態を示す断面図。
【図6】同実施の形態の2次元解析による回転子断面内
の磁束分布を示す線図。
【図7】本発明による回転電機の回転子の第5の実施の
形態における1スロット分を示す断面図。
【図8】本発明による回転電機の回転子の第6の実施の
形態における1スロット分を示す断面図。
【図9】本発明による回転電機の回転子の第7の実施の
形態におけるブリッジ材を示す断面図。
【図10】本発明による回転電機の回転子の第8の実施
の形態を示す軸を含む断面図。
【図11】本発明による回転電機の回転子の第9の実施
の形態におけるブリッジ材を示す斜視図。
【図12】本発明による回転電機の回転子の第10の実
施の形態における1スロット分を示す断面図。
【図13】本発明による回転電機の回転子の第11の実
施の形態に示す軸を含む断面図。
【図14】本発明による回転電機の回転子の第12の実
施の形態に示す軸を含む断面図。
【図15】本発明による回転電機の回転子の第13の実
施の形態におけるブリッジ材を示した斜視図。
【図16】従来の回転電機の回転子を示す断面図。
【図17】2次元解析による回転子断面内の磁束分布を
示す線図。
【符号の説明】
1……回転子 2……スロット 3……界磁巻線 6……回転子磁極部 8……回転子ウエッジ 9……クリページ・ブロック 10……サブスロット 11……絶縁シート 12……直軸 14……通気通路 41……磁性体板からなるブリッジ材 42……磁性体管からなるブリッジ材 43……磁性U字型鋼からなるブリッジ材 44……軸方向孔あきブリッジ材 45……針状磁性体からなるブリッジ材 50……孔 51……案内溝 52……支え板 81……スロット底に面する部分 82……サブスロット内部に対する部分

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁極部とこの磁極部以外の部分に形成さ
    れた複数個の巻線挿入用スロットとこのスロット間に形
    成されたティースを有する塊状回転子鉄心と、前記スロ
    ット内に挿入された界磁巻線と、前記スロット開口端部
    に挿入され前記界磁巻線を保持するウェッジとを備えた
    回転電機の回転子において、 前記界磁巻線と前記ウエッジとに半径方向の通気通路を
    設け、この半径方向の通気通路に対して冷却媒体を供給
    するように前記スロットの内端側にサブスロットを設
    け、このサブスロットと前記界磁巻線との間に前記界磁
    巻線側の通気通路に対応する孔を有する磁性体板からな
    るブリッジ材を備えたことを特徴とする回転電機の回転
    子。
  2. 【請求項2】 磁極部とこの磁極部以外の部分に形成さ
    れた複数個の巻線挿入用スロットとこのスロット間に形
    成されたティースを有する塊状回転子鉄心と、前記スロ
    ット内に挿入された界磁巻線と、前記スロット開口端部
    に挿入され前記界磁巻線を保持するウェッジとを備えた
    回転電機の回転子において、 前記界磁巻線と前記ウエッジとに半径方向の通気通路を
    設け、この半径方向の通気通路に対して冷却媒体を供給
    するように前記スロットの内端側にサブスロットを設
    け、このサブスロット内部に前記界磁巻線側の通気通路
    に対応する孔を有する磁性体板からなるブリッジ材を1
    段あるいは複数段に亘って備えたことを特徴とする回転
    電機の回転子。
  3. 【請求項3】 磁極部とこの磁極部以外の部分に形成さ
    れた複数個の巻線挿入用スロットとこのスロット間に形
    成されたティースを有する塊状回転子鉄心と、前記スロ
    ット内に挿入された界磁巻線と、前記スロット開口端部
    に挿入され前記界磁巻線を保持するウェッジとを備えた
    回転電機の回転子において、 前記界磁巻線と前記ウエッジとに半径方向の通気通路を
    設け、この半径方向の通気通路に対して冷却媒体を供給
    するように前記スロットの内端側にサブスロットを設
    け、このサブスロットの前記界磁巻線側に通気通路に対
    応する孔を有する磁性体管からなるブリッジ材を備えた
    ことを特徴とする回転電機の回転子。
  4. 【請求項4】 磁極部とこの磁極部以外の部分に形成さ
    れた複数個の巻線挿入用スロットとこのスロット間に形
    成されたティースを有する塊状回転子鉄心と、前記スロ
    ット内に挿入された界磁巻線と、前記スロット開口端部
    に挿入され前記界磁巻線を保持するウェッジとを備えた
    回転電機の回転子において、 前記界磁巻線と前記ウエッジとに半径方向の通気通路を
    設け、この半径方向の通気通路に対して冷却媒体を供給
    するように前記スロットの内端側にサブスロットを設
    け、このサブスロットに前記界磁巻線側の通気通路に対
    応する孔を有する磁性体U字型鋼からなるブリッジ材を
    1段または複数段に亘って備えたことを特徴とする回転
    電機の回転子。
  5. 【請求項5】 磁極部とこの磁極部以外の部分に形成さ
    れた複数個の巻線挿入用スロットとこのスロット間に形
    成されたティースを有する塊状回転子鉄心と、前記スロ
    ット内に挿入された界磁巻線と、前記スロット開口端部
    に挿入され前記界磁巻線を保持するウェッジとを備えた
    回転電機の回転子において、 前記界磁巻線と前記ウエッジとに半径方向の通気通路を
    設け、この半径方向の通気通路に対して冷却媒体を供給
    するように前記スロットの内端側にサブスロットを設
    け、前記磁極に隣接するスロットに対応するサブスロッ
    トを磁極側で浅く、磁極と反対側で深くなるような形状
    にしたことを特徴とする回転電機の回転子。
  6. 【請求項6】 磁極部とこの磁極部以外の部分に形成さ
    れた複数個の巻線挿入用スロットとこのスロット間に形
    成されたティースを有する塊状回転子鉄心と、前記スロ
    ット内に挿入された界磁巻線と、前記スロット開口端部
    に挿入され前記界磁巻線を保持するウェッジとを備えた
    回転電機の回転子において、 前記界磁巻線と前記ウエッジとに半径方向の通気通路を
    設け、この半径方向の通気通路に対して冷却媒体を供給
    するように前記スロットの内端側にサブスロットを設
    け、前記磁極に隣接するスロットに対応するサブスロッ
    トを磁極側で浅く、磁極と反対側で深くなるような形状
    の孔を設けた矩形断面の磁性体からなるブリッジ材を設
    けたことを特徴とする回転電機の回転子。
  7. 【請求項7】 請求項1乃至請求項4及び請求項6の何
    ずれか1つの項に記載の回転電機の回転子において、前
    記ブリッジ材が回転軸方向に分割したユニットから構成
    されることを特徴とする回転電機の回転子。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至請求項4及び請求項6の何
    ずれか1つの項に記載の回転電機の回転子において、前
    記ブリッジ材によって形成される通気経路が軸方向中央
    部に近付くほど狭くなるようにテーパ状に形成したこと
    を特徴とする回転電機の回転子。
  9. 【請求項9】 磁極部とこの磁極部以外の部分に形成さ
    れた複数個の巻線挿入用スロットとこのスロット間に形
    成されたティースを有する塊状回転子鉄心と、前記スロ
    ット内に挿入された界磁巻線と、前記スロット開口端部
    に挿入され前記界磁巻線を保持するウェッジとを備えた
    回転電機の回転子において、 前記界磁巻線と前記ウエッジとに半径方向の通気通路を
    設け、この半径方向の通気通路に対して冷却媒体を供給
    するように前記スロットの内端側にサブスロットを設
    け、このサブスロットの両側面壁間を針状または鉢状の
    磁性体棒からなるブリッジ材によって橋架したことを特
    徴とする回転電機の回転子。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の回転電機の回転子に
    おいて、前記ブリッジ材の配置密度を軸方向中央部が高
    く、軸方向端部が低くなるようにしたことを特徴とする
    回転電機の回転子。
  11. 【請求項11】 請求項7に記載の回転電機の回転子に
    おいて、前記ブリッジ材の厚さを軸方向中央部が厚く、
    軸方向端部が薄くなるようにしたことを特徴とする回転
    電機の回転子。
  12. 【請求項12】 請求項1乃至請求項4及び請求項乃至
    10の何ずれか1つの項に記載の回転電機の回転子にお
    いて、前記ブリッジ材を前記回転子の周方向に磁化方向
    が容易な方向性磁性体とすることを特徴とする回転電機
    の回転子。
JP16234498A 1998-06-10 1998-06-10 回転電機の回転子 Pending JPH11355993A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1898513A1 (de) * 2006-09-06 2008-03-12 Siemens Aktiengesellschaft Rotorkühlung für eine dynamoelektrische Maschine
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JP2015112006A (ja) * 2013-12-05 2015-06-18 ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ 冷却マニホールドを有するロータ
JP2019161738A (ja) * 2018-03-08 2019-09-19 三菱重工業株式会社 超電導回転機械用かご型ロータ、超電導回転機械用ステータ、及び超電導回転機械

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