JPH1135568A - 2,3−ジヒドロベンゾフラン誘導体 - Google Patents

2,3−ジヒドロベンゾフラン誘導体

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JPH1135568A
JPH1135568A JP14085598A JP14085598A JPH1135568A JP H1135568 A JPH1135568 A JP H1135568A JP 14085598 A JP14085598 A JP 14085598A JP 14085598 A JP14085598 A JP 14085598A JP H1135568 A JPH1135568 A JP H1135568A
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JP
Japan
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carbon atoms
hydrogen atom
butyl
substituent
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Application number
JP14085598A
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English (en)
Inventor
Akira Ishikawa
彰 石川
Yoshiaki Kato
好章 加藤
Kunio Tamura
邦雄 田村
Yoshiaki Takashima
佳昭 高嶋
Osamu Shinshi
修 進士
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Chugai Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 細胞保護作用を有し、腎疾患治療薬として有
用な2,3−ジヒドロベンゾフラン誘導体を提供する。 【解決手段】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は、水素原子またはアシル基を表し;R
2 、R3 およびR4 は、水素原子、低級アルキル基、ま
たは低級アルケニル基を表し;R5 およびR6 は、水素
原子、置換基を有していてもよいアルキル基を表すか、
またはR5 とR6 は一緒になってシクロアルキル基、ま
たは1つ以上の酸素原子、あるいはアルキル置換窒素原
子を含有する飽和複素環基を形成する。ただし、R2
3 が、同時にt−ブチル基であることはない。)で示
される化合物、その光学活性体、またはこれらの医薬上
許容される塩を含有する腎疾患治療剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、2,3−ジヒドロ
ベンゾフラン誘導体を有効成分とする腎疾患治療薬およ
び臓器保存剤、ならびに新規な2,3−ジヒドロベンゾ
フラン誘導体に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】腎臓
は、生体において最も酸化的ストレスの高い臓器の一つ
である。急性腎不全、薬剤惹起性腎障害、糸球体腎炎、
糖尿病性腎症、慢性腎不全、腎移植など各種腎疾患の成
立、進展機序に活性酸素、フリーラジカルが関与したラ
ジカル傷害の重要性が古くより指摘されてきた。近年、
その中でも細胞傷害における脂質の果たす役割が注目さ
れている(Keane WF.Lipids and
the kidney.Kidney Int,46:
910−920,1994;樋口千恵子、佐中 孜「腎
疾患」、抗酸化物質〜フリーラジカルと生体防御(二木
鋭雄、島崎弘幸・美濃 真編)学会出版センター、22
3−229,1994;青柳一正「抗酸化剤・スカベン
ジャーによる治療3 腎疾患」、治療学、26:592
−596,1992)。しかしながら、これまで腎疾患
に対する抗酸化剤、特に脂質過酸化抑制剤の効果はいま
だ十分には解明されておらず、腎疾患の治療、予防上あ
るいは臓器保存剤として有用な脂質過酸化抑制作用を有
する化合物は報告されていない。
【0003】ビタミンE(αトコフェロール)は天然に
存在する強力な脂質過酸化の抑制物質であり、腎移植お
よび腎阻血モデルでの使用も報告されているが(丸林誠
二、土肥雪彦、川崎 尚「腎保存と活性酸素」、腎と透
析、24:785−790,1988;Takenak
a M,Tatsukawa Y,Dohi K,Ez
aki H,Matsukawa K,Kawasak
i T.Transplantation,32:13
7−141,1981)、その効果は十分ではない。そ
の理由は、作用が生体内の膜、脂質表面近傍に限定され
ており、膜および脂質内部での脂質過酸化の抑制作用が
発現できない点である(Niki E.Chem Ph
ys Lipids, 44:227−253,198
7;)。内因的なビタミンEの量はかなり多量に存在し
ており(中村哲也「ビタミンEの吸収、分布、排泄」、
ビタミンE−基礎と臨床(五十嵐修編)、医歯薬出版、
33−58,1985)、膜および脂質表面近傍での脂
質過酸化の抑制作用としては内因的な量でも抑制が期待
される。一方、膜および脂質内部では生体が備える脂質
過酸化の防御機構が手薄であり、膜および脂質内部で脂
質過酸化を抑制することは腎疾患の治療、予防上の重要
な作用点と考えられる。また、脂溶性抗酸化物質である
プロブコールを用いた種々の腎疾患モデルでの効果が報
告されているが(Modi KS,Schreiner
GF,Purkerson ML,J Lab Cl
in Med,120:310−317,1992;B
irdJE Milhoan K,Wilson C
B,Young SG,Mundy CA,Parth
asarathy S,Blantz RC.J Cl
in Invest,81:1630−1638,19
88;Hirano T,Mamo JCL,Naga
no S,Sugisaki T.Nephron,5
8:95−100,1991)、プロブコール、but
ylated hydroxytolueneなどの単
純なフェノール性化合物は過酸化脂質ラジカルとの反応
速度がαトコフェロールと比較して一桁以上低く(Go
toh N,Shimizu K,Komuro E,
Tsuchiya J,Noguchi N,Niki
E.Biochem Biophys Acta,1
128:147−154,1992;Burton G
W,Ingold KU.JAm Chem Soc,
103:6472−6477,1981)、充分な腎機
能保護効果を示していない。そこで、各種腎疾患の予防
および治療ならびに臓器保存においては、ビタミンEで
は抑制困難な脂質過酸化を抑制する強力な細胞保護物質
が有効であると考えられる。これまで、そのような化合
物として、4,6−ジ−t−ブチル−2,3−ジヒドロ
ベンゾフラン誘導体が腎由来細胞に対し強力な細胞保護
作用を示すことが見出されているが(特開平10−72
458,WO97/9701729)、t−ブチル基を
有さないかまたは1つしか有さない2,3−ジヒドロベ
ンゾフラン誘導体がそのような作用を示すとの報告はな
い。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を解決する目的で鋭意研究を重ねた結果、特定の置換
基を有する2,3−ジヒドロベンゾフラン誘導体が腎由
来細胞に対し強力な細胞保護作用を示すことを見出し、
本発明を完成した。すなわち、本発明は、一般式(1)
【0005】
【化8】
【0006】(式中、R1 は、水素原子またはアシル基
を表し、R2 、R3 およびR4 は、それぞれ同一でも異
なっていてもよく、水素原子、低級アルキル基、または
低級アルケニル基を表し、R5 およびR6 は、それぞれ
同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換基を有し
ていてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいア
ルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、
または置換基を有していてもよいアリール基を表すか、
または、R5 とR6 は、一緒になってシクロアルキル
基、または1つ以上の酸素原子、硫黄原子あるいはアル
キル置換窒素原子を含有する飽和複素環基を形成する。
ただし、R2 およびR3 が同時にt−ブチル基であるこ
とはない。)で表される化合物、その光学活性体、また
は医薬として許容されるその塩を有効成分として含有す
る腎疾患治療薬を提供する。本発明は、また、上記一般
式(1)で表される化合物、その光学活性体、または医
薬として許容されるその塩を有効成分として含有する臓
器保存剤を提供する。
【0007】さらに、本発明は、一般式(1)
【化9】
【0008】(式中、R1 は、水素原子または置換基を
有していてもよいアシル基を表し、R2 、R3 およびR
4 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基、または低級アルケニル基を表す
が、R2 およびR3 のいずれか一方がt−ブチル基であ
って、R2 およびR3 の両方がt−ブチル基であること
はなく、そしてR5 およびR6 は、それぞれ同一でも異
なっていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよ
いアルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル
基、置換基を有していてもよいアルキニル基、または置
換基を有していてもよいアリール基を表すか、または、
5 とR6 は、一緒になってシクロアルキル基、または
1つ以上の酸素原子、硫黄原子あるいはアルキル置換窒
素原子を含有する飽和複素環基を形成する。ただし、R
4 が2−プロペニル基である場合;R2 、R3 、R4
5 およびR6 の3以上が同時に水素原子である場合;
2 およびR4 が同時に水素原子でありかつR5 および
6 が同時にメチル基である場合;およびR3 、R4
5 およびR6 が同時にメチル基である場合を除く。)
で示される化合物、その光学活性体、またはこれらの医
薬上許容される塩を提供する。一つの側面においては、
この一般式(1)の化合物は、一般式(2)
【0009】
【化10】
【0010】(式中、R4 は水素原子またはt−ブチル
基を表し、R1 、R3 、R5 およびR6 は前記と同じ意
味を有する。ただし、R4 が水素原子でありかつR5
よびR6 のいずれか一方が水素原子である場合を除
く。)で示される。別の側面においては、この一般式
(1)の化合物は、一般式(3)
【0011】
【化11】
【0012】(式中、R1 、R2 、R5 およびR6 は前
記と同じ意味を有する。)で示される。本発明は、また
は、一般式(1)
【0013】
【化12】
【0014】(式中、R1 は、水素原子または置換基を
有していてもよいアシル基を表し、R2 およびR4 は、
同時にt−ブチル基を表し、そしてR3 、R5 およびR
6は、同時に水素原子を表す。)で示される化合物、そ
の光学活性体、またはこれらの医薬上許容される塩を提
供する。本発明は、さらにまたは、一般式(1)
【0015】
【化13】
【0016】(式中、R1 は、水素原子または置換基を
有していてもよいアシル基を表し、R2 、R3 およびR
4 は、それぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原
子、低級アルキル基、または低級アルケニル基を表す
が、R2 およびR3 のいずれもt−ブチル基であること
はなく、そしてR5 およびR6 は、それぞれ同一でも異
なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素数1
〜10のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数
2〜10のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭
素数2〜10のアルキニル基、または置換基を有してい
てもよい炭素数6〜10のアリール基を表すか、また
は、R5 とR6 は、一緒になって炭素数3〜8のシクロ
アルキル基、または1〜3の酸素原子、硫黄原子あるい
はアルキル置換窒素原子を含有する5〜12員飽和複素
環基を形成する。ただし、R2 、R3 およびR4 が同時
にそれぞれ独立して水素原子またはメチル基である場
合;R2 およびR3 がそれぞれ水素原子、メチル基、イ
ソプロピル基または2−プロペニル基でありかつR5
よびR6 が同時にメチル基である場合;R2 がイソプロ
ピル基でありかつR3 およびR4 が同時にメチル基であ
る場合;およびR2 がn−ブチル基でありかつR3 、R
5 およびR6 が同時にメチル基である場合を除く。)で
示される化合物、その光学活性体、またはこれらの医薬
上許容される塩も提供する。
【0017】
【発明の実施の形態】一般式(1)で表される化合物の
置換基の定義において、R1 は、水素原子または置換基
を有していてもよいアシル基を表す。このアシル基には
炭素数1〜7のアシル基が含まれ、たとえば、アセチル
基、ホルミル基、プロピオニル基、トリメチルアセチル
基、およびベンゾイル基などが挙げられる。置換基を有
するアシル基としては、ベンジルオキシカルボニル基、
アミノアセチル基、N−メチルアミノアセチル基、およ
びN,N−ジメチルアミノアセチル基などが挙げられ
る。とはいえ、R1 は、好ましくは水素原子である。
【0018】R2 、R3 およびR4 は、水素原子、低級
アルキル基、または低級アルケニル基を表す。低級アル
キル基とは、炭素数1〜6の直鎖または分枝鎖状のアル
キル基を示し、たとえば、メチル基、エチル基、n−プ
ロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、s−ブチル
基、およびt−ブチル基などが挙げられる。低級アルケ
ニル基とは、炭素数2〜6の直鎖または分枝鎖状のアル
ケニル基を示し、たとえば、ビニル基、アリル基、ブテ
ニル基、ペンテニル基などが挙げられる。理論に拘束さ
れることを望まないが、本発明の一般式(1)で表され
る化合物は、R1 O−で表されるヒドロキシル基または
アシルオキシ基に隣接または近接するR2 、R3 および
4 が、一般式(1)におけるベンゼン環に適度な疎水
性を付与する結果、生体内の膜および脂質内部で脂質過
酸化を抑制し、腎由来細胞に対し強力な細胞保護作用を
示すものと考えられる。従って、R2 、R3 およびR4
は適度な疎水性を付与しうる基であることが望ましい。
かくして、R2 、R3 およびR4 の1または2が、炭素
数3〜6のアルキル基またはアルケニル基であることが
好ましく、炭素数3〜4の分枝鎖状アルキル基であるこ
とがより好ましく、そしてt−ブチル基であることが最
も好ましい。好ましい態様においては、R2 、R3 およ
びR4 の1または2がそれぞれ炭素数3〜6の分枝鎖状
のアルキル基またはアルケニル基であり、他が水素原子
である。より好ましい態様においては、R2 およびR3
の1または2がそれぞれ炭素数3〜6の分枝鎖状アルキ
ル基またはアルケニル基であって、R2 およびR3 の炭
素数の合計が8またはそれ未満であり、そしてR4 が水
素原子である。最も好ましい態様においては、R2 およ
びR3 の一方がt−ブチル基であって、R2 およびR3
の炭素数の合計が8またはそれ未満であり、そしてR4
が水素原子である。別の好ましい態様においては、R
2 、R3 およびR4 の1または2がt−ブチル基であ
り、他が水素原子であって、R2 、R3 およびR4 の炭
素数の合計が8またはそれ未満である。
【0019】R5 およびR6 は、それぞれ同一でも異な
っていてもよく、水素原子、置換基を有していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいアルケニル基、
置換基を有していてもよいアルキニル基、または置換基
を有していてもよいアリール基を表す。このアルキル基
とは、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜10、よ
り好ましくは炭素数1〜6、最も好ましくは炭素数2〜
6の直鎖または分枝鎖状のアルキル基を示し、たとえ
ば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピ
ル基、n−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペ
ンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニ
ル基、デシル基などが挙げられる。アルケニル基とは、
炭素数2〜20、好ましくは炭素数2〜10、より好ま
しくは炭素数2〜6の直鎖または分枝鎖状のアルケニル
基を示し、たとえば、ビニル基、アリル基、ブテニル
基、ペンテニル基、ゲラニル基、ファルネシル基などが
挙げられる。アルキニル基とは、炭素数2〜20、好ま
しくは炭素数2〜10、より好ましくは炭素数2〜6の
直鎖または分枝鎖状のアルキニル基を示し、たとえば、
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基などが挙げられ
る。アリール基とは、好ましくは炭素数6〜20、より
好ましくは炭素数6〜10の芳香族炭化水素から水素原
子1個を除いた1価の置換基を意味し、たとえば、フェ
ニル基、トリル基、キシリル基、ビフェニル基、ナフチ
ル基、アントリル基、フェナントリル基などである。
【0020】R5 およびR6 がアルキル基、アルケニル
基、アルキニル基、またはアリール基である場合に、そ
れらが有することができる置換基としては、ハロゲン原
子、低級アルキル基、低級アルケニル基、水酸基、アミ
ノ基、ジメチルアミノ基などの置換アミノ基、アルコキ
シ基、アリールオキシ基、ニトロ基、トリフルオロメチ
ル基、フェニル基、アセトキシ基などが挙げられる。ハ
ロゲン原子としては、塩素、臭素、フッ素、およびヨウ
素を挙げることができる。低級アルキル基および低級ア
ルケニル基としては、R2 について上に例示したものが
挙げられる。アルコキシ基およびアリールオキシ基とし
ては、R5 およびR6 について上に例示したアルキル基
およびアリール基から誘導されるアルキルオキシ基およ
びアリールオキシ基が挙げられる。
【0021】また、R5 とR6 は、一緒になってシクロ
アルキル基、または1つ以上の酸素原子、硫黄原子ある
いはアルキル置換窒素原子を含有する飽和複素環基を形
成する。この場合のシクロアルキル基とは、炭素数3〜
8、好ましくは炭素数5〜8のシクロアルキル基を示
し、たとえば、シクロプロピル基、シクロブチル基、シ
クロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル
基、シクロオクチル基などが挙げられる。酸素原子、硫
黄原子あるいはアルキル置換窒素原子を含有する飽和複
素環基には、これら異原子を1〜3個含有する5〜12
員飽和複素環基が含まれ、たとえば、テトラヒドロピラ
ニル基、テトラヒドロチオピラニル基、N−メチルピペ
リジル基などが挙げられる。
【0022】一般式(1)で表される化合物において、
2 がt−ブチル基である場合は、以下の置換基が好ま
しい。すなわち、R1 としては、水素原子、アセチル
基、トリメチルアセチル基、ベンジルオキシカルボニル
基、アミノアセチル基、N−メチルアミノアセチル基、
N,N−ジメチルアミノアセチル基が好ましく、特に、
水素原子、アセチル基、トリメチルアセチル基、N,N
−ジメチルアミノアセチル基が好ましい。R3 として
は、水素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、
i−プロピル基、i−ブチル基が好ましく、特に水素原
子、i−プロピル基が好ましい。R4 としては、水素原
子、メチル基、n−プロピル基、i−ブチル基、t−ブ
チル基が好ましく、特に水素原子、t−ブチル基が好ま
しい。R5 としては、水素原子、メチル基、エチル基、
n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−
ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル
基、N,N−ジメチルアミノメチル基が好ましく、特
に、水素原子、メチル基、n−ペンチル基、ベンジル
基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、N,N−ジ
メチルアミノメチル基が好ましい。R6 としては、水素
原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基、ベンジル基が好まし
く、特に、水素原子、メチル基、n−ペンチル基、ベン
ジル基が好ましい。R5 とR6 が一緒になって形成する
環としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基、シクロオクチル基、テトラヒドロピラ
ニル基、テトラヒドロチオピラニル基、N−メチルピペ
リジル基が好ましく、特に、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロピラニル
基が好ましい。
【0023】一般式(1)で表される化合物としてR3
がt−ブチル基である場合は、以下の置換基が好まし
い。すなわち、R1 としては、水素原子、アセチル基、
トリメチルアセチル基、ベンジルオキシカルボニル基、
アミノアセチル基、N−メチルアミノアセチル基、N,
N−ジメチルアミノアセチル基が好ましく、特に、水素
原子、アセチル基、トリメチルアセチル基、N,N−ジ
メチルアミノアセチル基が好ましい。R2 としては、水
素原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プ
ロピル基、i−ブチル基、s−ブチル基、アリル基、メ
タリル基が好ましく、特に、水素原子、メチル基、n−
プロピル基、i−プロピル基、i−ブチル基、s−ブチ
ル基が好ましい。R4 としては、水素原子、メチル基、
n−プロピル基が好ましく、特に、水素原子が好まし
い。R5 としては、水素原子、メチル基、エチル基、n
−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、i−ブ
チル基、s−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル
基、ベンジル基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル
基、N,N−ジメチルアミノメチル基が好ましく、特
に、水素原子、メチル基、n−ペンチル基、ベンジル
基、ヒドロキシメチル基、アミノメチル基、N,N−ジ
メチルアミノメチル基が好ましい。R6 としては、水素
原子、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロ
ピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、
t−ブチル基、n−ペンチル基、ベンジル基が好まし
く、特に、水素原子、メチル基、n−ペンチル基、ベン
ジル基が好ましい。R5 とR6 が一緒になって形成する
環としては、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シ
クロヘプチル基、シクロオクチル基、テトラヒドロピラ
ニル基、テトラヒドロチオピラニル基、N−メチルピペ
リジル基が好ましく、特に、シクロペンチル基、シクロ
ヘキシル基、シクロヘプチル基、テトラヒドロピラニル
基が好ましい。
【0024】好ましい態様においては、R1 が水素原子
または炭素数1〜7のアシル基であり;R2 、R3 およ
びR4 の1または2がそれぞれ炭素数3〜6の分枝鎖状
のアルキル基またはアルケニル基で、他のR2 、R3
よびR4 が水素原子であり;そして、R5 およびR6
それぞれ水素原子または炭素数1〜20のアルキル基を
表すかまたはR5 とR6 が一緒になって炭素数3〜8の
シクロアルキル基を形成する。より好ましい態様におい
ては、R1 が水素原子であり;R2 およびR3の1また
は2がそれぞれ炭素数3〜6の分枝鎖状アルキル基また
はアルケニル基であって、R2 およびR3 の炭素数の合
計が8またはそれ未満であり;R4 が水素原子であり;
そして、R5 およびR6 がそれぞれ水素原子または炭素
数1〜10のアルキル基を表すかまたはR5 とR6 が一
緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル基を形成す
る。最も好ましい態様においては、R1 が水素原子であ
り;R2 およびR3 の一方がt−ブチル基であって、R
2 およびR3 の炭素数の合計が8またはそれ未満であ
り;R4 が水素原子であり;そして、R5 およびR6
それぞれ水素原子または炭素数1〜6のアルキル基を表
すかまたはR5 とR6 が一緒になって炭素数5〜8のシ
クロアルキル基を形成する。別の好ましい態様において
は、R1 が水素原子であり;R2 、R3 およびR4 の1
または2がt−ブチル基で、他のR2 、R3 およびR4
が水素原子であって、R2 、R3 およびR4 の炭素数の
合計が8またはそれ未満であり;そして、R5 およびR
6 がそれぞれ水素原子または炭素数1〜6のアルキル基
を表すかまたはR5 とR6 が一緒になって炭素数5〜8
のシクロアルキル基を形成する。
【0025】本発明の一般式(1)の化合物は不斉中心
を有し得るので、光学活性であり得る。本発明は、その
ラセミ体のみならず光学活性体自体も包含する。一般式
(1)の化合物は、その置換基によっては、酸または塩
基と付加塩を形成することができる。従って、本発明
は、一般式(1)の化合物の医薬上許容される塩を包含
する。一般式(1)の化合物の酸付加塩としては、塩酸
塩、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩等の無機酸塩、および酢
酸塩、乳酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、p
−トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩を挙げることがで
きる。また、一般式(1)の化合物の塩基付加塩として
は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アルミ
ニウム塩、アンモニウム塩等の無機の塩基との塩のほか
有機アミン塩を挙げることができる。
【0026】本発明の化合物のうち、好ましい例として
以下のものが挙げられる:4,7−ジ−t−ブチル−5
−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン、4,7
−ジ−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2,
3−ジヒドロベンゾフラン、4,7−ジ−t−ブチル−
5−ヒドロキシ−2−n−オクチル−2,3−ジヒドロ
ベンゾフラン、4,7−ジ−t−ブチル−5−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ン、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジメチ
ル−2,3−ジヒドロベンゾフラン、
【0027】6−t−ブチル−2,2−ジ−n−ペンチ
ル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン、
6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベ
ンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン、6−
t−ブチル−5−ヒドロキシ−4−(2−プロペニル)
−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−
シクロヘプタン、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−4
−n−プロピル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−
スピロ−1’−シクロヘプタン、6−t−ブチル−5−
ヒドロキシ−4−(2−メチル−2−プロペニル)−
2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シ
クロヘプタン、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−4−
(2−メチルプロピル)−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン、6−t−ブチ
ル−5−ヒドロキシ−4−(1−メチル−2−プロペニ
ル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−
1’−シクロヘプタン、
【0028】6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−4−
(1−メチルプロピル)−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン、6−t−ブチ
ル−5−ヒドロキシ−4−メチル−2,3−ジヒドロベ
ンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン、6−
t−ブチル−4−エチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジ
ヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタ
ン、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒド
ロベンゾフラン、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2
−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン、2,2−ジ
エチル−5−ヒドロキシ−4,6−ジイソプロピル−
2,3−ジヒドロベンゾフラン、5−ヒドロキシ−2,
2−ジメチル−4,6−ジイソプロピル−2,3−ジヒ
ドロベンゾフラン、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−
2,2,4−トリメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ン、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジメチ
ル−4−イソプロピル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ン、および4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,2−
ジメチル−6−イソプロピル−2,3−ジヒドロベンゾ
フラン。
【0029】本発明の腎疾患治療薬は、有効成分である
一般式(1)で表される化合物に、生理的に無害な固体
または液体の製剤担体を配合した種々の医薬組成物とし
て使用することができる。この医薬組成物は、投与方法
に応じた各種の製剤形態に調製され使用される。製剤形
態としては、錠剤、顆粒剤、丸剤、カプセル剤、水剤、
シロップ剤、懸濁剤、乳濁剤または注射剤が挙げられ
る。製剤担体として、通常用いられる賦形剤、結合剤、
崩壊剤、滑沢剤、被覆剤、溶解補助剤、乳化剤、懸濁化
剤、安定化剤または溶剤を使用することができる。ま
た、本発明の腎疾患治療薬は、経口投与、静注などの非
経口投与、徐放性製剤による徐放性投与などにより使用
することができる。
【0030】本発明の腎疾患治療薬は、慢性腎不全、糖
尿病性腎症、糸球体腎炎、免疫複合体腎炎、急性腎不
全、シスプラチンなどの白金錯体系制癌剤やゲンタマイ
シンなどの薬剤による腎障害、パラコートなどの農薬に
よる腎障害、尿毒症などの各種腎疾患の治療に使用する
ことができる。必要とされる一般式(1)で表される化
合物の実際の投与量は、患者の年齢、性別、体重、症状
の重篤度、および投与経路などに依存し、一般に許容さ
れる有効な一日用量は成人に対し、例えば1〜1000
mgであり、好ましくは10〜500mgである。この
ような用量を治療を必要とする患者に一日につき1回〜
3回に分けて投与することが好ましい。
【0031】一般式(1)で表される化合物は、また、
臓器保存剤の有効成分として使用することもできる。一
般式(1)で表される化合物を臓器保存剤として使用す
る場合に対象となる臓器は、ヒトおよび動物のあらゆる
臓器であり、例えば、ヒトおよび動物の脳、心臓、腎
臓、膵臓、肺、肝臓、および骨髄細胞などを挙げること
ができ、腎臓がより好適である。本発明の化合物は、臓
器移植時に臓器提供者(ドナー)より摘出された臓器の
保存において、その臓器の障害を最小限に食い止めるた
めに、保存液中または灌流液中に添加して使用すること
ができる。また、本発明の化合物を使用すれば、摘出臓
器の劣化を抑制することができ、移植後まで臓器の機能
を維持することが可能である。本発明に従い、臓器保存
に必要とされる一般式(1)で表される化合物の保存液
としての使用は、一般に許容される有効な一日用量、例
えば1〜1000mgを、例えば、0.1〜10000
mg/Lの濃度で保存液に溶解して使用するのが好まし
い。
【0032】
【実施例】以下に、実施例および試験例により、本発明
をさらに説明するが、本発明はこれらに限定されるもの
ではない。
【0033】実施例1 4,7−ジ−t−ブチル−5−
ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン 4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベ
ンゾフラン[J.Org.Chem.53,4135
(1988)]2.84gのt−ブチルアルコール1
0.0g、およびクロロホルム20ml溶液に氷冷下メ
タンスルホン酸10mlを滴下した。0℃にて15分撹
拌した後、氷水中に注いだ。次いで、混合液を1N水酸
化ナトリウム水溶液で中和し酢酸エチルで抽出した。抽
出層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)にて精製し
たところ4,7−ジ−t−ブチル−5−ヒドロキシ−
2,3−ジヒドロベンゾフランが白色結晶として1.7
8g(収率48%)得られた。
【0034】1H NMR(60MHz,CDCl3 ) δppm:1.29(s,9H),1.41(s,9
H),3.35(t,2H,J=8.0Hz),4.1
0(s,1H),4.39(t,2H,J=8.0H
z),6.39(s,1H) Mass:248(M+
【0035】実施例2 4,7−ジ−t−ブチル−5−
ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ン 1)5−ベンジルオキシ−4−t−ブチルベンゾフラン
の合成 4−t−ブチル−5−ヒドロキシベンゾフラン[J.O
rg.Chem.53,4135(1988)]40.
0gとベンジルブロミド43.0g及び炭酸カリウム2
8.8gをN,N−ジメチルホルムアミド200mlに
溶かし、室温で一昼夜撹拌した。N,N−ジメチルホル
ムアミドを減圧下留去した後、水を加えて酢酸エチルで
抽出した。抽出層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%酢酸エ
チル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、無色油状
物質として5−ベンジルオキシ−4−t−ブチルベンゾ
フランが49.1g(収率83%)得られた。
【0036】1H NMR(60MHz,CDCl3 ) δppm:1.57(s,9H),5.06(s,2
H),6.86−7.43(m,9H) Mass:280(M+
【0037】2)5−ベンジルオキシ−4−t−ブチル
−2−ホルミルベンゾフランの合成 氷冷下N,N−ジメチルホルムアミド17mlにオキシ
塩化リン26.2mlを滴下し、続いて5−ベンジルオ
キシ−4−t−ブチルベンゾフラン40.0gのN,N
−ジメチルホルムアミド10ml溶液を滴下した。室温
で20分撹拌した後、80℃で2時間加熱撹拌した。冷
却後、反応液を水に注ぎ酢酸エチルで抽出した。抽出層
を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(10%酢酸エチル含有n−
ヘキサン)にて精製したところ、淡黄色の固体として5
−ベンジルオキシ−4−t−ブチル−2−ホルミルベン
ゾフランが16.2g(収率36%)得られた。
【0038】1H NMR(60MHz,CDCl3 ) δppm:1.58(s,9H),5.10(s,2
H),7.20−7.48(m,7H),7.92
(s,1H),9.76(s,1H) Mass:308(M+ ) m.p.:135.7℃
【0039】3)4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2
−メチルベンゾフランの合成 5−ベンジルオキシ−4−t−ブチル−2−ホルミルベ
ンゾフラン1.0gを酢酸エチル50mlと酢酸2ml
の混合溶媒に溶かし、これに10%パラジウム炭素1.
0gを加え水素雰囲気下20時間激しく撹拌した。パラ
ジウム炭素を濾別後濃縮し、シリカゲルカラムクロマト
グラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて
精製したところ、白色結晶として4−t−ブチル−5−
ヒドロキシ−2−メチルベンゾフランが0.11g(収
率17%)得られた。
【0040】1H NMR(60MHz,CDCl3 ) δppm:1.48(s,9H),2.29(s,3
H),4.87(s,1H),6.43(d,1H,J
=8.8Hz),6.60(s,1H),6.98
(d,1H,J=8.8Hz) Mass:204(M+
【0041】4)4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2
−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフランの合成 4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2−メチルベンゾフ
ラン0.25gにトリエチルシラン2.8mlを加え、
これに氷冷下トリフルオロ酢酸1.4mlを滴下した。
0℃にて15分、室温にて18時間撹拌した後、氷水中
に注ぎ混合液を酢酸エチルで抽出した。抽出層を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)に
て精製したところ、白色結晶として4−t−ブチル−5
−ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフ
ランが0.18g(収率74%)得られた。
【0042】1H NMR(60MHz,CDCl3 ) δppm:1.40(d,3H,J=4.0Hz),
1.48(s,9H),2.78−3.29(m,1
H),3.38−3.78(m,1H),4.42−
5.04(m,1H),5.30(s,1H),6.4
6(s,2H) Mass:206(M+
【0043】5)4,7−ジ−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフランの合
成 4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2−メチル−2,3
−ジヒドロベンゾフラン0.77gとt−ブチルアルコ
ール1.5g、およびクロロホルム6mlの溶液に氷冷
下メタンスルホン酸3mlを滴下した。0℃にて10分
撹拌した後、氷水中に注ぎ酢酸エチルで抽出した。抽出
層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(クロロホルム)にて精製した
ところ、白色結晶として4,7−ジ−t−ブチル−5−
ヒドロキシ−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ンが0.55g(収率57%)得られた。
【0044】1H NMR(60MHz,CDCl3 ) δppm:1.29(s,9H),1.41(d,3
H,J=4.0Hz),1.43(s,9H),2.7
3−3.17(m,1H),3.23−3.73(m,
1H),4.38−4.88(m,1H),4.68
(s,1H),6.42(br,1H) Mass:262(M+
【0045】実施例3 4,7−ジ−t−ブチル−5−
ヒドロキシ−2−n−オクチル−2,3−ジヒドロベン
ゾフラン 1)5−ベンジルオキシ−4−t−ブチル−2−(1−
オクテニル)ベンゾフランの合成 窒素雰囲気下、テトラヒドロフラン10mlにn−ヘプ
チルフェニルホスホニウムブロミド1.84gを懸濁さ
せ、この懸濁液にn−ブチルリチウム(1.6M n−
ペンタン溶液)2.6mlを滴下した。室温で30分撹
拌した後、実施例2−2)で合成した5−ベンジルオキ
シ−4−t−ブチル−2−ホルミルベンゾフラン1.0
gのテトラヒドロフラン10ml溶液を滴下した。次い
で30分加熱還流し、冷却後飽和塩化アンモニウム水溶
液を加えクロロホルムで抽出した。有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥後濃縮、残渣をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム)にて精製したところ、
5−ベンジルオキシ−4−t−ブチル−2−(1−オク
テニル)ベンゾフランが無色油状物質として1.14g
(収率91%)得られた。
【0046】1H NMR(60MHz,CDCl3 ) δppm:0.89(t,3H,J=6.0Hz),
1.13−1.72(m,8H),1.56(s,9
H),1.93−2.62(m,2H),5.03
(s,2H),6.02−6.40(m,2H),6.
78−7.46(m,8H) Mass:392(M+
【0047】2)4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2
−n−オクチルベンゾフランの合成 5−ベンジルオキシ−4−t−ブチル−2−(1−オク
テニル)ベンゾフラン1.1gを酢酸50mlに溶か
し、これに10%パラジウム炭素1.1gを加え水素雰
囲気下36時間撹拌した。パラジウム炭素を濾別後濃縮
し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホル
ム)にて精製したところ、4−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−2−n−オクチルベンゾフランが淡黄色油状物質
として0.6g(収率69%)得られた。
【0048】1H NMR(60MHz,CDCl3 ) δppm:0.87(t,3H,J=6.0Hz),
1.06−1.83(m,12H),1.57(s,9
H),2.70(t,2H,J=7.0Hz),4.6
7(s,1H),6.50(d,1H,J=8.4H
z),6.68(s,1H),7.07(d,1H,J
=8.4Hz) Mass:302(M+
【0049】3)4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2
−n−オクチル−2,3−ジヒドロベンゾフランの合成 4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2−n−オクチルベ
ンゾフラン0.3gにトリエチルシラン2.8mlを加
え、これに氷冷下トリフルオロ酢酸1.4mlを滴下し
た。0℃にて15分、室温にて1時間撹拌した後、氷水
中に注ぎ混合液を酢酸エチルで抽出した。抽出層を飽和
炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(クロロホルム)にて精製したところ、
無色油状物質として4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−
2−n−オクチル−2,3−ジヒドロベンゾフランが
0.25g(収率83%)得られた。
【0050】1H NMR(60MHz,CDCl3 ) δppm:0.87(t,3H,J=6.0Hz),
1.12−1.75(m,14H),1.44(s,9
H),2.75−3.70(m,2H),4.09−
4.68(m,1H),4.45(s,1H),6.4
2(s,2H) Mass:304(M+
【0051】4)4,7−ジ−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−2−n−オクチル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ンの合成 4−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2−n−オクチル−
2,3−ジヒドロベンゾフラン0.51gとt−ブチル
アルコール0.85g、およびクロロホルム2mlの溶
液に氷冷下メタンスルホン酸1.5mlを滴下した。0
℃にて15分撹拌した後、氷水中に注ぎ酢酸エチルで抽
出した。抽出層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物を
シリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン)
にて精製したところ、淡黄色油状物質として4,7−ジ
−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2−n−オクチル−
2,3−ジヒドロベンゾフランが0.35g(収率58
%)得られた。
【0052】1H NMR(200MHz,CDCl
3 ) δppm:0.87(t,3H,J=6.3Hz),
1.22−1.37(m,12H),1.30(s,9
H),1.45(s,9H),1.52−1.62
(m,2H),2.92−3.08(m,1H),3.
38−3.56(m,1H),4.36(s,1H),
4.49−4.64(m,1H),6.41(br,1
H) Mass:360(M+
【0053】実施例4 4,7−ジ−t−ブチル−5−
ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベン
ゾフラン 1)2,5−ジ−t−ブチル−4−トリメチルアセトキ
シフェノールの合成アルゴン雰囲気下、2,5−ジ−t
−ブチルヒドロキノン11.12gおよび無水トリメチ
ル酢酸10.1mlをアセトニトリル200mlに溶解
し、この溶液に触媒量の硫酸を加え、室温で一昼夜撹拌
した。反応物を減圧下濃縮することにより溶媒を留去し
た後、濃縮物をジイソプロピルエーテルに溶解した。こ
の溶液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、次いで飽和食
塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し
た。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(5
%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、
2,5−ジ−t−ブチル−4−トリメチルアセトキシフ
ェノールが白色固体として11.9g(収率78%)得
られた。
【0054】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.30(s,9H),1.37(s,9
H),1.38(s,9H),4.67(s,1H),
6.64(s,1H),6.67(s,1H)
【0055】2)2,5−ジ−t−ブチル−4−トリメ
チルアセトキシ−1−(2−メチル−2−プロペニルオ
キシ)ベンゼンの合成 窒素気流下0℃にて油性水素化ナトリウム0.08gを
ジメチルホルムアミド3mlに懸濁し、この中に2,5
−ジ−t−ブチル−4−トリメチルアセトキシフェノー
ル0.50gをジメチルホルムアミド3mlに溶かして
滴下した。30分間撹拌した後、メタリルクロリド0.
19mlを滴下し、室温に戻しながら3時間撹拌した。
飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反応を停止させた
後、水とn−ヘキサンを加え反応液を抽出した。有機層
は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後
濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(1%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したと
ころ、2,5−ジ−t−ブチル−4−トリメチルアセト
キシ−1−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)ベン
ゼンが無色油状物質として0.48g(収率82%)得
られた。
【0056】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.32(s,9H),1.37(s,9
H),1.39(s,9H),1.88(s,3H),
4.46(s,2H),5.00(d,1H,J=1.
7Hz),5.14(d,1H,J=1.7Hz),
6.70(s,1H),6.85(s,1H)
【0057】3)4,7−ジ−t−ブチル−2,2−ジ
メチル−5−トリメチルアセトキシ−2,3−ジヒドロ
ベンゾフランの合成 2,5−ジ−t−ブチル−4−トリメチルアセトキシ−
1−(2−メチル−2−プロペニルオキシ)ベンゼン
0.48gをジメチルアニリン5mlに溶解し窒素気流
下にて終夜還流した。溶液を室温に戻し真空下濃縮した
のち、反応液に酢酸エチル、5%塩酸を加えて抽出、有
機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(0.5%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精
製したところ、4,7−ジ−t−ブチル−2,2−ジメ
チル−5−トリメチルアセトキシ−2,3−ジヒドロベ
ンゾフランが無色固体として0.43g得られた。
【0058】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.29(s,9H),1.32(s,3
H),1.36(s,18H),1.38(s,3
H),3.19(s,2H),6.45(s,1H)
【0059】4)4,7−ジ−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ンの合成 窒素気流下、室温にて4,7−ジ−t−ブチル−2,2
−ジメチル−5−トリメチルアセトキシ−2,3−ジヒ
ドロベンゾフラン0.43gをn−ヘキサン5mlに溶
解し、この中に水素化ジイソブチルアルミニウム(1M
n−ヘキサン溶液)3.60mlを滴下して終夜撹拌
した。5%塩酸を加えて反応を停止した後、水と酢酸エ
チルを加え抽出した。有機層は飽和食塩水で洗浄し、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカ
ゲルのショートカラム(0.2%〜1%酢酸エチル含有
n−ヘキサン)にて精製したところ、4,7−ジ−t−
ブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−2,3−
ジヒドロベンゾフランが白色固体として0.22g(収
率67%)得られた。
【0060】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.30(s,9H),1.40(s,6
H),1.45(s,9H),3.17(s,2H),
4.31(s,1H),6.41(s,1H) Mass:276(M+
【0061】実施例5 6−t−ブチル−5−ヒドロキ
シ−2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン 特開平6−206842号公報に従って合成した4,6
−ジ−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル
−2,3−ジヒドロベンゾフラン0.28gをクロロホ
ルム5mlに溶解し、メタンスルホン酸0.06mlを
加え、室温で4時間撹拌した。次いで、反応液に飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液を加え、クロロホルムで抽出し
た。抽出層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)に
て精製したところ、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−
2,2−ジメチル−2,3−ジヒドロベンゾフランが白
色固体として0.09g(収率41%)得られた。
【0062】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.37(s,9H),1.45(s,6
H),2.93(s,2H),4.53(s,1H),
6.51(s,1H),6.69(s,1H)
【0063】実施例6 6−t−ブチル−5−ヒドロキ
シ−2,2−ジ−n−ペンチル−2,3−ジヒドロベン
ゾフラン 特開平6−206842号公報に従って合成した4,6
−ジ−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−
ペンチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン1.03gを
ジクロロメタン15mlに溶解し、メタンスルホン酸7
滴を加え、室温で一昼夜撹拌した。次いで、反応液に水
を加え、ジクロロメタンで抽出した。抽出層を飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。
濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(10%
酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、6
−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,2−ジ−n−ペン
チル−2,3−ジヒドロベンゾフランが無色油状物質と
して0.19g(収率22%)得られた。
【0064】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:0.88(t,6H,J=6.8Hz),
1.10−1.42(m,12H),1.37(s,9
H),1.58−1.75(m,4H),2.90
(s,2H),4.32(s,1H),6.48(s,
1H),6.67(s,1H) Mass:332(M+
【0065】実施例7 6−t−ブチル−5−ヒドロキ
シ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’
−シクロヘプタン 1)4−アセトキシ−3−t−ブチルフェノールの合成 3−t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール36gを1
00mlの無水酢酸に溶解し、触媒量の濃硫酸を加え、
室温で6日間撹拌した。反応液を減圧下濃縮後、濃縮物
をアセトニトリル200mlに溶解し、ヨウ化ナトリウ
ム60gを加えた。得られた溶液に室温でトリメチルシ
リルクロリド51mlを滴下、その後3時間加熱還流し
た。室温に戻した後、反応液を減圧濃縮し、水を加え、
これを酢酸エチルで抽出した。抽出層を飽和食塩水で洗
浄後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ濃縮したとこ
ろ、4−アセトキシ−3−t−ブチルフェノールが無色
油状物質として47.0g(定量的)得られた。
【0066】1H NMR(60MHz,CDCl3 ) δppm:1.30(s,9H),2.29(s,3
H),5.50(br,1H),6.30−7.15
(m,3H)
【0067】2)5−アセトキシ−4−t−ブチル−2
−ヒドロキシベンズアルデヒドの合成 4−アセトキシ−3−t−ブチルフェノール6.25g
をトリフルオロ酢酸15mlに溶解し、ヘキサメチレン
テトラミン4.63gを加えて、1時間加熱還流した。
室温に戻した後、反応混合物を水にあけ、酢酸エチルで
抽出した。有機層を1N水酸化ナトリウム水溶液、水、
さらに飽和食塩水の順で洗浄し、無水硫酸マグネシウム
で乾燥させ濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(20%酢酸エチル含有n−ヘキサン)に
て精製したところ、5−アセトキシ−4−t−ブチル−
2−ヒドロキシベンズアルデヒドが淡黄色油状物質とし
て3.68g(52%)得られた。
【0068】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.35(s,9H),2.35(s,3
H),7.02(s,1H),7.22(s,1H),
9.80(s,1H),10.78(s,1H)Mas
s:236(M+
【0069】3)4−アセトキシ−5−t−ブチル−2
−(シクロヘプチルヒドロキシメチル)フェノール、お
よび5−t−ブチル−2−(シクロヘプチルヒドロキシ
メチル)ベンゼン−1,4−ジオールの合成 窒素雰囲気下、5−アセトキシ−4−t−ブチル−2−
ヒドロキシベンズアルデヒド2.36gを無水テトラヒ
ドロフラン10mlに溶解し、油性水素化ナトリウム
0.40gを加え、室温で30分間撹拌した。次いで、
この反応液にマグネシウムおよびシクロヘプチルブロミ
ドより調製したグリニャール試薬(0.43Mテトラヒ
ドロフラン溶液)23mlを滴下し、室温で1時間撹拌
した。その後反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液を加
え、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮
物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(15%酢酸
エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、4−ア
セトキシ−5−t−ブチル−2−(シクロヘプチルヒド
ロキシメチル)フェノールが無色油状物質として0.7
7g(収率23%)得られるとともに、5−t−ブチル
−2−(シクロヘプチルヒドロキシメチル)ベンゼン−
1,4−ジオールが無色油状物質として0.72g(収
率25%)得られた。
【0070】4−アセトキシ−5−t−ブチル−2−
(シクロヘプチルヒドロキシメチル)フェノール
【0071】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.20−2.00(m,13H),1.3
1(s,9H),2.30(s,3H),4.53
(d,1H,J=7.0Hz),6.54(s,1
H),6.85(s,1H)
【0072】5−t−ブチル−2−(シクロヘプチルヒ
ドロキシメチル)ベンゼン−1,4−ジオール
【0073】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.17−2.00(m,13H),1.3
8(s,9H),3.84(br,1H),4.49
(d,1H,J=7.0Hz),6.27(s,1
H),6.78(s,1H)
【0074】4)6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−
2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シ
クロヘプタンの合成 5−t−ブチル−2−(シクロヘプチルヒドロキシメチ
ル)ベンゼン−1,4−ジオール0.66gをクロロホ
ルム20mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸一水和
物0.44gを加え、室温で一昼夜撹拌した。反応混合
物を水にあけ、クロロホルムで抽出した後、有機層を飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮
した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したと
ころ、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒ
ドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン
が白色固体として0.27g(収率43%)得られた。
【0075】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.37(s,9H),1.40−1.86
(m,10H),1.97−2.07(m,2H),
2.92(s,2H),4.31(s,1H),6.4
9(s,1H),6.69(s,1H) Mass:274(M+
【0076】実施例8 6−t−ブチル−5−ヒドロキ
シ−4−(2−プロペニル)−2,3−ジヒドロベンゾ
フラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン 1)6−t−ブチル−5−(2−プロペニルオキシ)−
2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シ
クロヘプタンの合成 窒素気流下、0℃にて油性水素化ナトリウム0.13g
をジメチルホルムアミド6mlに懸濁し、これに実施例
7で合成した6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,3
−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘ
プタン0.76gをジメチルホルムアミド6mlに溶解
して滴下した。30分間撹拌した後、アリルブロミド
0.28mlを滴下して室温に戻しながら終夜撹拌し
た。飽和塩化アンモニウム水溶液に反応液をあけ、n−
ヘキサンで抽出し、有機層を飽和食塩水で洗浄して無水
硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲ
ルカラムクロマトグラフィー(1%〜2%酢酸エチル含
有n−ヘキサン)にて精製したところ、6−t−ブチル
−5−(2−プロペニルオキシ)−2,3−ジヒドロベ
ンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタンが無色
油状物質として0.76g(収率90%)得られた。
【0077】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.18−2.06(m,12H),1.3
6(s,9H),2.96(s,2H),4.47−
4.50(m,2H),5.22−5.28(m,1
H)、5.39−5.47(m,1H)、6.02−
6.16(m,1H),6.70(s,1H),6.7
2(s,1H) Mass:314(M+
【0078】2)6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−4
−(2−プロペニル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン
−2−スピロ−1’−シクロヘプタンの合成 6−t−ブチル−5−(2−プロペニルオキシ)−2,
3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロ
ヘプタン0.76gをジメチルアニリン3mlに溶解し
窒素気流下にて終夜還流した。溶液を室温に戻し真空下
濃縮したのち、反応液に酢酸エチル、5%塩酸を加えて
抽出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(1%〜2%酢酸エチル含有n−ヘキサ
ン)にて精製したところ、6−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−4−(2−プロペニル)−2,3−ジヒドロベン
ゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタンが無色油
状物質として0.51g(収率67%)得られた。
【0079】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.24−2.05(m,12H),1.3
5(s,9H),2.89(s,2H),3.28−
3.31(m,2H),4.58(s,1H),5.1
0−5.17(m,2H),5.88−6.00(m,
1H),6.61(s,1H) Mass:314(M+
【0080】実施例9 6−t−ブチル−5−ヒドロキ
シ−4−n−プロピル−2,3−ジヒドロベンゾフラン
−2−スピロ−1’−シクロヘプタン 実施例8で合成した6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−
4−(2−プロペニル)−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン0.51gをエ
タノール5mlに溶解し、10%パラジウム炭素0.0
5gを加え水素気流下にて終夜激しく撹拌した。パラジ
ウム炭素を濾過して取り除いた後反応液を濃縮し、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(1%酢酸エチル含有
n−ヘキサン)にて精製したところ、6−t−ブチル−
5−ヒドロキシ−4−n−プロピル−2,3−ジヒドロ
ベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタンが白
色固体として0.49g(収率95%)得られた。
【0081】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.02(t,3H,J=7.3Hz),
1.28−2.09(m,14H),1.41(s,9
H),2.50(t,2H,J=7.6Hz),2.9
3(s,2H),4.35(s,1H),6.61
(s,1H) Mass:316(M+
【0082】実施例10 6−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−4−(2−メチル−2−プロペニル)−2,3−
ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプ
タン 1)6−t−ブチル−5−(2−メチル−2−プロペニ
ルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピ
ロ−1’−シクロヘプタンの合成 油性水素化ナトリウム0.13gと実施例7で合成した
6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベ
ンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン0.7
4gをメタリルクロリド0.32mlとともにジメチル
ホルムアミド中で実施例8−1)と同様に処理したとこ
ろ、6−t−ブチル−5−(2−メチル−2−プロペニ
ルオキシ)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピ
ロ−1’−シクロヘプタンが無色油状物質として0.8
9g(定量的)得られた。
【0083】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.36(s,9H),1.30−2.06
(m,12H),1.86(s,3H),2.95
(s,2H),4.37(s,2H),4.97(s,
1H),5.13(s,1H),6.70(s,1
H),6.72(s,1H) Mass:328(M+
【0084】2)6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−4
−(2−メチル−2−プロペニル)−2,3−ジヒドロ
ベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタンの合
成 6−t−ブチル−5−(2−メチル−2−プロペニルオ
キシ)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−
1’−シクロヘプタン0.89gをジメチルアニリン3
mlに溶解し実施例8−2)と同様の処理を行ったとこ
ろ、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−4−(2−メチ
ル−2−プロペニル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン
−2−スピロ−1’−シクロヘプタンが無色油状物質と
して0.80g(収率90%)得られた。
【0085】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.26−2.01(m,12H),1.3
6(s,9H),1.75(s,3H),2.90
(s,2H),3.27(s,2H),4.76(s,
1H),4.83(s,1H),4.91(s,1
H),6.63(s,1H) Mass:328(M+
【0086】実施例11 6−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−4−(2−メチルプロピル)−2,3−ジヒドロ
ベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン 実施例10で合成した6−t−ブチル−5−ヒドロキシ
−4−(2−メチル−2−プロペニル)−2,3−ジヒ
ドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン
0.80gをエタノール5mlに溶解し、10%パラジ
ウム炭素0.05gを加え、実施例9と同様に処理した
ところ、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−4−(2−
メチルプロピル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2
−スピロ−1’−シクロヘプタンが淡黄色の油状物とし
て0.56g(収率70%)得られた。
【0087】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:0.96(d,6H,J=6.6Hz),
1.26−2.01(m,13H),1.38(s,9
H),2.37(d,2H,J=7.4Hz),2.9
0(s,2H),4.31(s,1H),6.59
(s,1H) Mass:330(M+
【0088】実施例12 6−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−4−(1−メチル−2−プロペニル)−2,3−
ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプ
タン 1)5−(2−ブテニルオキシ)−6−t−ブチル−
2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シ
クロヘプタンの合成 油性水素化ナトリウム0.13gと実施例7で合成した
6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベ
ンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン0.7
4gをクロチルブロミド0.33mlとともにジメチル
ホルムアミド中で実施例8−1)と同様に処理したとこ
ろ、5−(2−ブテニルオキシ)−6−t−ブチル−
2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シ
クロヘプタンの幾何異性体混合物が無色油状物質として
0.82g(収率93%)得られた。
【0089】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.18−2.06(m,15H),1.3
5(s,9H),2.95(s,2H),4.40
(d,J=4.3Hz,1.75H),4.54(d,
J=5.6Hz,0.25H),5.69−5.88
(m,2H),6.70−6.72(m,2H)
【0090】2)6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−4
−(1−メチル−2−プロペニル)−2,3−ジヒドロ
ベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタンの合
成 5−(2−ブテニルオキシ)−6−t−ブチル−2,3
−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘ
プタン0.82gをジメチルアニリン3mlに溶解し実
施例8−2)と同様の処理を行ったところ、6−t−ブ
チル−5−ヒドロキシ−4−(1−メチル−2−プロペ
ニル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−
1’−シクロヘプタンが白色固体として0.14g(収
率17%)得られた。
【0091】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.31−2.07(m,12H),1.3
5(s,9H),1.41(d,3H,J=6.9H
z),2.94(s,2H),3.53−3.57
(m,1H),5.04(s,1H),5.29−5.
37(m,2H),6.19−6.31(m,1H),
6.62(s,1H) Mass:328(M+
【0092】実施例13 6−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−4−(1−メチルプロピル)−2,3−ジヒドロ
ベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン 実施例12で合成した6−t−ブチル−5−ヒドロキシ
−4−(1−メチル−2−プロペニル)−2,3−ジヒ
ドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン
0.07gをエタノール10mlに溶解し、10%パラ
ジウム炭素0.01gを加え実施例9と同様に処理した
ところ、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−4−(1−
メチルプロピル)−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2
−スピロ−1’−シクロヘプタンが淡黄色の油状物質と
して0.05g(収率71%)得られた。
【0093】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:0.88(t,3H,J=7.4Hz),
1.22−2.17(m,14H),1.27(d,3
H,J=8.9Hz),1.38(s,9H),2.8
0−2.89(m,1H),2.97(s,2H),
4.34(s,1H),6.58(s,1H) Mass:330(M+
【0094】実施例14 6−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2
−スピロ−1’−シクロヘプタンおよび6−t−ブチル
−4−エチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベン
ゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン 窒素気流下0℃にてジヨードメタン0.18mlを無水
トルエン4mlに溶解し、この中にジエチル亜鉛(1M
n−ヘキサン溶液)1.64mlを滴下した。更にこ
の溶液に実施例7で合成した6−t−ブチル−5−ヒド
ロキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−
1’−シクロヘプタン0.30gを無水トルエン4ml
に溶かして滴下した。5分間撹拌した後、溶液を1.5
時間還流した。放冷後、反応液に飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液を加え酢酸エチルで抽出、有機層を飽和食塩水
で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃
縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(1%〜2
%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、
6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−4−メチル−2,3
−ジヒドロベンゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘ
プタン0.04g(収率13%)および6−t−ブチル
−4−エチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベン
ゾフラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン0.05
g(収率15%)がそれぞれ白色固体として得られた。
【0095】実施例14−(1) 6−t−ブチル−5
−ヒドロキシ−4−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフ
ラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン
【0096】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.22−1.98(m,12H),1.3
8(s,9H),2.11(s,3H),2.91
(s,2H),4.25(s,1H),6.58(s,
1H) Mass:288(M+
【0097】実施例14−(2) 6−t−ブチル−4
−エチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾフ
ラン−2−スピロ−1’−シクロヘプタン
【0098】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.17(t,3H,J=7.6Hz),
1.21−2.01(m,12H),1.38(s,9
H),2.57(q,2H,J=7.6Hz),2.9
2(s,2H),4.35(s,1H),6.58
(s,1H) Mass:302(M+
【0099】実施例15 6−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−2,3−ジヒドロベンゾフラン1)3−t−ブチ
ル−4−トリメチルアセトキシアニソールの合成 窒素気流下0℃にて油性水素化ナトリウム1.33gを
ジメチルホルムアミド30mlに懸濁し、この中に3−
t−ブチル−4−ヒドロキシアニソール5.00gをジ
メチルホルムアミド30mlに溶かして滴下した。30
分間撹拌した後、トリメチルアセチルクロリド3.76
mlを滴下し、室温に戻しながら終夜撹拌した。飽和塩
化アンモニウム水溶液を加え反応を停止させた後、水と
酢酸エチルを加え反応液を抽出した。有機層は飽和食塩
水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。
濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(3%〜
5%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したとこ
ろ、3−t−ブチル−4−トリメチルアセトキシアニソ
ールが白色固体として5.25g(収率72%)得られ
た。
【0100】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.33(s,9H),1.38(s,9
H),3.79(s,3H),6.69−6.80
(m,2H),6.92(d,1H,J=3.0Hz) Mass:264(M+
【0101】2)3−t−ブチル−4−トリメチルアセ
トキシフェノールの合成 3−t−ブチル−4−トリメチルアセトキシアニソール
5.00gをアセトニトリル45mlに溶解し、窒素気
流下室温にてヨウ化ナトリウム4.54gを加え、さら
にトリメチルシリルクロリド3.84mlを滴下した。
この溶液を6時間還流した後飽和炭酸水素ナトリウム水
溶液にあけ、ジエチルエーテルを加え反応液を抽出し
た。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(17%酢酸エチル含有n−ヘキサン)に
て精製したところ、3−t−ブチル−4−トリメチルア
セトキシフェノールが白色固体として4.50g(収率
95%)得られた。
【0102】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.30(s,9H),1.38(s,9
H),6.52−6.68(m,2H),6.81
(d,1H,J=3.0Hz) Mass:250(M+
【0103】3)3−t−ブチル−1−(2,2−ジエ
トキシエトキシ)−4−トリメチルアセトキシベンゼン
の合成 窒素気流下0℃にて油性水素化ナトリウム0.13gを
ジメチルホルムアミド7mlに懸濁し、この中に3−t
−ブチル−4−トリメチルアセトキシフェノール0.7
0gをジメチルホルムアミド7mlに溶かして滴下し
た。30分間撹拌した後、ブロモアセトアルデヒドジエ
チルアセタール0.50mlを滴下し、室温に戻しなが
ら終夜撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を加え反
応を停止させた後、水と酢酸エチルを加え反応液を抽
出、有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウ
ムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマ
トグラフィー(1%〜5%酢酸エチル含有n−ヘキサ
ン)にて精製したところ、3−t−ブチル−1−(2,
2−ジエトキシエトキシ)−4−トリメチルアセトキシ
ベンゼンが白色固体として0.21g(収率21%)得
られた。
【0104】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.25(t,6H,J=6.9Hz),
1.32(s,9H),1.38(s,9H),3.5
8−3.82(m,4H),3.99(d,2H,J=
5.3Hz),4.83(t,1H,J=5.1H
z),6.70−6.78(m,2H),6.95
(d,1H,J=2.6Hz)
【0105】4)6−t−ブチル−5−トリメチルアセ
トキシベンゾフランの合成 3−t−ブチル−1−(2,2−ジエトキシエトキシ)
−4−トリメチルアセトキシベンゼン0.20gをベン
ゼン10mlに溶解し、この中にポリリン酸0.20g
を加えて一時間還流した。放冷後、デカンテーションに
よりポリリン酸を分離し、有機層を濃縮してシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(5%酢酸エチル含有n−ヘ
キサン)にて精製したところ、6−t−ブチル−5−ト
リメチルアセトキシベンゾフランが淡黄色液体として
0.13g(収率87%)得られた。
【0106】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.42(s,9H),1.45(s,9
H),6.69−6.70(m,1H),7.10
(s,1H),7.55(d,1H,J=0.7H
z),7.61(d,1H,J=2.0Hz)
【0107】5)6−t−ブチル−5−ヒドロキシベン
ゾフランの合成 窒素気流下、室温にて6−t−ブチル−5−トリメチル
アセトキシベンゾフラン0.12gをn−ヘキサン5m
lに溶解し、この中に水素化ジイソブチルアルミニウム
(1M n−ヘキサン溶液)1.31mlを滴下して終
夜撹拌した。5%塩酸を加えて反応を停止した後、水と
酢酸エチルを加え抽出した。有機層は飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物を
シリカゲルのショートカラム(5%酢酸エチル含有n−
ヘキサン)にて精製したところ、6−t−ブチル−5−
ヒドロキシベンゾフランが赤褐色の油状物質として0.
07g得られた。
【0108】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.46(s,9H),4.72(s,1
H),6.60−6.61(m,1H),6.84
(s,1H),7.43(s,1H),7.53(d,
1H,J=2.3Hz) Mass:190(M+
【0109】6)6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−
2,3−ジヒドロベンゾフランの合成 6−t−ブチル−5−ヒドロキシベンゾフラン0.07
gを酢酸5mlに溶解し、10%パラジウム炭素を触媒
量加え、水素加圧下(3.5kg/cm2)で6時間撹
拌した。パラジウム炭素を濾過にて取り除いた後溶液を
濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(9%酢
酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、6−
t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,3−ジヒドロベンゾ
フランが白色固体として0.05g(収率71%)得ら
れた。
【0110】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.38(s,9H),3.13(t,2
H,J=8.6Hz),4.44(s,1H),4.5
1(t,2H,J=8.6Hz),6.57(s,1
H),6.75(s,1H) Mass:193(M+ +1)
【0111】実施例16 6−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−2−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフラン 1)3−t−ブチル−4−トリメチルアセトキシ−1−
(2−プロペニルオキシ)ベンゼンの合成 窒素気流下0℃にて油性水素化ナトリウム0.86gを
ジメチルホルムアミド20mlに懸濁し、この中に実施
例15−2)で合成した3−t−ブチル−4−トリメチ
ルアセトキシフェノール4.48gをジメチルホルムア
ミド20mlに溶かして滴下した。30分間撹拌した
後、アリルブロミド1.86mlを滴下し、室温に戻し
ながら3時間撹拌した。飽和塩化アンモニウム水溶液を
加え反応を停止させた後、水とn−ヘキサンを加え反応
液を抽出した。有機層は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸
マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカ
ラムクロマトグラフィー(1%酢酸エチル含有n−ヘキ
サン)にて精製したところ、3−t−ブチル−4−トリ
メチルアセトキシ−1−(2−プロペニルオキシ)ベン
ゼンが無色油状物質として4.31g(収率83%)得
られた。
【0112】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.32(s,9H),1.38(s,9
H),4.49−4.52(m,2H),5.26−
5.45(m,2H),5.98−6.13(m,1
H),6.71−6.79(m,2H),6.95
(d,J=3.3Hz,1H)
【0113】2)5−t−ブチル−4−トリメチルアセ
トキシ−2−(2−プロペニル)フェノールの合成 3−t−ブチル−4−トリメチルアセトキシ−1−(2
−プロペニルオキシ)ベンゼン4.30gをジメチルア
ニリン30mlに溶解し窒素気流下にて終夜還流した。
溶液を室温に戻し真空下濃縮したのち、反応液に酢酸エ
チル、5%塩酸を加えて抽出、有機層を飽和食塩水で洗
浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物
をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(0.5%酢酸
エチル含有n−ヘキサン)にて精製したところ、5−t
−ブチル−4−トリメチルアセトキシ−2−(2−プロ
ペニル)フェノールが無色固体として1.70g得られ
た。
【0114】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.30(s,9H),1.38(s,9
H),3.32(s,2H),4.88−5.22
(m,3H),5.93−6.03(m,1H),6.
59(s,1H),6.82(s,1H) Mass:314(M+
【0115】3)6−t−ブチル−2−メチル−5−ト
リメチルアセトキシ−2,3−ジヒドロベンゾフランの
合成 5−t−ブチル−4−トリメチルアセトキシ−2−(2
−プロペニル)フェノール0.50gをジクロロメタン
30mlに溶解し、窒素気流下、室温にてボロントリフ
ルオリドエーテラート30mlを加え終夜撹拌した。更
に溶液を30分還流し、反応液を飽和炭酸水素ナトリウ
ム水溶液にあけ、n−ヘキサンを加えて抽出した。有機
層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後濃縮した。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィ
ー(0.5%〜1%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて
精製したところ、6−t−ブチル−2−メチル−5−ト
リメチルアセトキシ−2,3−ジヒドロベンゾフランが
無色固体として0.15g(収率30%)得られた。
【0116】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.30(s,9H),1.38(s,9
H),1.45(d,3H,J=6.3Hz),2.7
3−2.81(m,1H),3.21−3.30(m,
1H),4.87−4.93(m,1H),6.65
(s,1H),6.78(s,1H)
【0117】4)6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2
−メチル−2,3−ジヒドロベンゾフランの合成 窒素気流下、室温にて6−t−ブチル−2−メチル−5
−トリメチルアセトキシ−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ン0.15gをn−ヘキサン3mlに溶解し、この中に
水素化ジイソブチルアルミニウム(1M n−ヘキサン
溶液)1.55mlを滴下して終夜撹拌した。5%塩酸
を加えて反応を停止した後、水と酢酸エチルを加え抽出
した。有機層は飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルのショート
カラム(5%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製し
たところ、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2−メチ
ル−2,3−ジヒドロベンゾフランが白色固体として
0.09g(収率84%)得られた。
【0118】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.38(s,9H),1.45(d,3
H,J=6.3Hz),2.68−2.80(m,1
H),3.21−3.30(m,1H),4.40
(s,1H),4.80−4.93(m,1H),6.
53(s,1H),6.72(s,1H) Mass:206(M+
【0119】実施例17 2,2−ジエチル−5−ヒド
ロキシ−4,6−ジイソプロピル−2,3−ジヒドロベ
ンゾフラン 1)5−アセトキシ−2−ヒドロキシ−4,6−ジイソ
プロピルベンズアルデヒドの合成 4−アセトキシ−3,5−ジイソプロピルフェノール
1.00gとヘキサメチレンテトラミン0.71gをト
リフルオロ酢酸4mlに溶解し、20分間加熱還流し
た。0℃に冷却後、反応溶液に水を加え、酢酸エチルで
抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽
和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮
した。濃縮物をメタノール10mlに溶解し、1N塩酸
13mlを加えて1.5時間加熱還流した。室温に冷却
後、反応混合物に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(5%−10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)に
て精製したところ、5−アセトキシ−2−ヒドロキシ−
4,6−ジイソプロピルベンズアルデヒドが淡黄色油状
物質として0.78g(70%)得られた。
【0120】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.19(d,6H,J=6,9Hz),
1.40(d,3H,J=6.9Hz),1.43
(d,3H,J=6.9Hz),2.35(s,3
H),2.82(septet,1H,J=6.9H
z),3.46(septet,1H,J=6.9H
z),6.80(s,1H),10.47(s,1
H),12.21(s,1H)
【0121】2)4−アセトキシ−2−(2−エチル−
1−ヒドロキシブチル)−3,5−ジイソプロピルフェ
ノールの合成 アルゴン雰囲気下、油性水素化ナトリウム0.40gを
無水テトラヒドロフラン1mlに溶解し、5−アセトキ
シ−2−ヒドロキシ−4,6−ジイソプロピルベンズア
ルデヒド0.78gを無水テトラヒドロフラン2mlに
溶解し加え、さらに無水テトラヒドロフラン5mlを加
え、室温で30分間撹拌した。次いで、この反応液にマ
グネシウムおよび3−ブロモペンタンより調製したグリ
ニャール試薬(1.48Mテトラヒドロフラン溶液)5
mlを滴下し、室温で2時間撹拌した。その後反応液に
水と1M塩酸を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を
飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥
後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製し
たところ、4−アセトキシ−2−(2−エチル−1−ヒ
ドロキシブチル)−3,5−ジイソプロピルフェノール
が白色アモルファス物質として0.51g(収率51
%)得られた。 Mass:336(M+
【0122】3)5−アセトキシ−2,2−ジエチル−
4,6−ジイソプロピル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ンの合成 4−アセトキシ−2−(2−エチル−1−ヒドロキシブ
チル)−3,5−ジイソプロピルフェノール0.51g
をトルエン10mlに溶解し、p−トルエンスルホン酸
一水和物0.58gを加え、1.5時間加熱還流した。
反応混合物に2N水酸化ナトリウム水溶液を加え、ヘキ
サンで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲル
カラムクロマトグラフィー(1%酢酸エチル含有n−ヘ
キサン)にて精製したところ、5−アセトキシ−2,2
−ジエチル−4,6−ジイソプロピル−2,3−ジヒド
ロベンゾフランが黄色油状物質として433mg(収率
90%)得られた。
【0123】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:0.93(t,6H,J=7.3Hz),
1.15(d,6H,J=6.9Hz),1.21
(d,6H,J=6.9Hz),1.63−1.82
(m,4H),2.32(s,3H),2.79(se
ptet,1H,J=6.9Hz),2.96(sep
tet,1H,J=6.9Hz),3.00(s,2
H),6.54(s,1H) Mass:318(M+
【0124】4)2,2−ジエチル−5−ヒドロキシ−
4,6−ジイソプロピル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ンの合成 アルゴン雰囲気下、水素化リチウムアルミニウム129
mgを無水テトラヒドロフラン2mlに溶解し、5−ア
セトキシ−2,2−ジエチル−4,6−ジイソプロピル
−2,3−ジヒドロベンゾフラン432mgを無水テト
ラヒドロフラン3mlに溶解し加え、6時間室温で撹拌
した。水を加えて反応を停止した後、10%塩酸を加え
酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリ
カゲルカラムクロマトグラフィー(1%酢酸エチル含有
n−ヘキサン)にて精製したところ、2,2−ジエチル
−5−ヒドロキシ−4,6−ジイソプロピル−2,3−
ジヒドロベンゾフランが淡褐色固体として376mg
(収率100%)得られた。
【0125】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:0.92(t,6H,J=7.3Hz),
1.22(d,6H,J=6.9Hz),1.31
(d,6H,J=6.9Hz),1.64−1.79
(m,4H),2.97(s,2H),3.04(se
ptet,1H,J=6.9Hz),3.22(sep
tet,1H,J=6.9Hz),4.20(s,1
H),6.47(s,1H) Mass:276(M+
【0126】実施例18 5−ヒドロキシ−2,2−ジ
メチル−4,6−ジイソプロピル−2,3−ジヒドロベ
ンゾフラン 1)5−アセトキシ−2,2−ジメチル−4,6−ジイ
ソプロピル−2,3−ジヒドロベンゾフランの合成 アルゴン雰囲気下、4−アセトキシ−3,5−ジイソプ
ロピルフェノール294mgを無水ジクロロメタン10
mlに溶解し、3−クロロ−2−メチル−1−プロペン
2.25g、無水塩化亜鉛202mg、酢酸0.5ml
を加え、室温で3日間撹拌した。反応溶液に水を加え反
応を停止した後、ヘキサンで抽出した。有機層を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄した後、無
水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカ
ゲルカラムクロマトグラフィー(1%酢酸エチル含有n
−ヘキサン)にて精製したところ、5−アセトキシ−
2,2−ジメチル−4,6−ジイソプロピル−2,3−
ジヒドロベンゾフランが黄色油状物質として316mg
(収率88%)得られた。
【0127】1H NMR(300MHz,CDCl
3 ) δppm:1.15(d,6H,J=6.9Hz),
1.21(d,6H,J=6.9Hz),1.46
(s,6H),2.33(s,3H),2.80(se
ptet,1H,J=6.9Hz),2.96(sep
tet,1H,J=6.9Hz),3.06(s,2
H),6.55(s,1H) Mass:290(M+
【0128】2)5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−
4,6−ジイソプロピル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ンの合成 アルゴン雰囲気下、水素化リチウムアルミニウム25m
gを無水テトラヒドロフラン2mlに溶解し、5−アセ
トキシ−2,2−ジメチル−4,6−ジイソプロピル−
2,3−ジヒドロベンゾフラン77mgを無水テトラヒ
ドロフラン1mlに溶解し加え、室温で一昼夜撹拌し
た。0℃に冷却後、水を加えて反応を停止した後、10
%塩酸水溶液と酢酸エチルを加え反応液を抽出した。有
機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾
燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラ
フィー(1%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製し
たところ、5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4,6
−ジイソプロピル−2,3−ジヒドロベンゾフランが淡
赤色固体として42mg(収率64%)得られた。
【0129】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.22(d,6H,J=6.9Hz),
1.31(d,6H,J=6.9Hz),1.45
(s,6H),3.02(s,2H),3.05(se
ptet,1H,J=6.9Hz),3.21(sep
tet,1H,J=6.9Hz),4.24(s,1
H),6.47(s,1H) Mass:248(M+
【0130】実施例19 6−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−2,2,4−トリメチル−2,3−ジヒドロベン
ゾフラン 1)1,4−ジアセトキシ−2−t−ブチル−6−メチ
ルベンゼンの合成 メタノール100mlに濃硫酸3.5mlを滴下し、続
いて2−t−ブチル−6−メチルフェノール10.0g
と47%臭化水素酸11.5gのメタノール60ml溶
液を滴下した。反応液を加熱撹拌中、30%過酸化水素
水17.3gを滴下し、30分間加熱撹拌した。室温に
冷却後、反応液をヘキサンで抽出した。有機層を2N水
酸化ナトリウム水溶液、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶
液、飽和食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで
乾燥後濃縮した。濃縮物14.6gを無水酢酸150m
lに溶解し、亜鉛2.68gを加え、1時間加熱撹拌し
た。0℃に冷却後、濃硫酸15mlを滴下した後、室温
に戻し1時間撹拌した。反応液から亜鉛を取り除き、水
を加えて反応を停止させた後、反応液を酢酸エチルで抽
出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、飽和
食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃
縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(5%−10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製
したところ、1,4−ジアセトキシ−2−t−ブチル−
6−メチルベンゼンが黄色油状物質として4.66g
(29%)得られた。
【0131】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.32(s,9H),2.10(s,3
H),2.28(s,3H),2.34(s,3H),
6.85(d,1H,J=2.6Hz),6.92
(d,1H,J=2.6Hz)
【0132】2)4−アセトキシ−3−t−ブチル−5
−メチルフェノールの合成 1,4−ジアセトキシ−2−t−ブチル−6−メチルベ
ンゼン1.05gをエタノール10mlに溶解し、0℃
にて撹拌しつつ、ハイドロサルファイトナトリウム0.
23gと水酸化ナトリウム0.17gを含む水溶液2m
lを滴下した。反応液を1N塩酸で中和後、水を加え酢
酸エチルで抽出した。有機層を無水硫酸マグネシウムで
乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグ
ラフィー(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精
製したところ、4−アセトキシ−3−t−ブチル−5−
メチルフェノールが淡黄色油状物質として0.44g
(50%)得られた。
【0133】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.31(s,9H),2.06(s,3
H),2.33(s,3H),4.65(s,1H),
6.53(d,1H,J=2.6Hz),6.69
(d,1H,J=2.6Hz)
【0134】3)5−アセトキシ−4−t−ブチル−2
−ヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒドの合成 4−アセトキシ−3−t−ブチル−5−メチルフェノー
ル0.43gとヘキサメチレンテトラミン0.33gを
トリフルオロ酢酸2mlに溶解し、15分間加熱還流し
た。0℃に冷却後、反応溶液に水を加え、2N水酸化ナ
トリウム水溶液で中和後、酢酸エチルで抽出した。有機
層を飽和塩化アンモニウム水溶液、飽和食塩水で洗浄
し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物を
メタノール5mlに溶解し、1N塩酸3.9mlを加え
て1時間加熱還流した。室温に戻した後、反応溶液に水
を加え、析出した結晶を濾取した。乾燥後、5−アセト
キシ−4−t−ブチル−2−ヒドロキシ−6−メチルベ
ンズアルデヒドが白色固体として0.35g(72%)
得られた。
【0135】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.33(s,9H),2.31(s,3
H),2.37(s,3H),6.88(s,1H),
10.27(s,1H),11.84(s,1H)
【0136】4)4−アセトキシ−5−t−ブチル−2
−(1−ヒドロキシ−2−メチルプロピル)−3−メチ
ルフェノールの合成 アルゴン雰囲気下、5−アセトキシ−4−t−ブチル−
2−ヒドロキシ−6−メチルベンズアルデヒドを無水テ
トラヒドロフラン10mlに溶解し、臭化イソプロピル
マグネシウム(0.76Mテトラヒドロフラン溶液)1
0mlを滴下し、室温で30分間撹拌した。反応液に蒸
留水を加え反応を停止させた後、1N塩酸を加え、酢酸
エチルで抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄した後、
無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮したところ、4−ア
セトキシ−5−t−ブチル−2−(1−ヒドロキシ−2
−メチルプロピル)−3−メチルフェノールが黄色アモ
ルファス物質として0.44g(収率100%)得られ
た。 Mass:294(M+
【0137】5)5−アセトキシ−6−t−ブチル−
2,2,4−トリメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ンの合成 4−アセトキシ−5−t−ブチル−2−(1−ヒドロキ
シ−2−メチルプロピル)−3−メチルフェノール0.
40gを無水トルエン10mlに溶解し、ボロントリフ
ルオリドエチルエーテル0.35mlを滴下し、室温で
一昼夜撹拌した。反応溶液に水を加え反応を停止させた
後、酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナト
リウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシ
ウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロ
マトグラフィー(1%−2%酢酸エチル含有n−ヘキサ
ン)にて精製したところ、5−アセトキシ−6−t−ブ
チル−2,2,4−トリメチル−2,3−ジヒドロベン
ゾフランが淡黄色油状物質として70mg(収率19
%)得られた。
【0138】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.30(s,9H),1.47(s,6
H),1.95(s,3H),2.33(s,3H),
2.92(s,2H),6.64(s,1H)Mas
s:276(M+
【0139】6)6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−
2,2,4−トリメチル−2,3−ジヒドロベンゾフラ
ンの合成 アルゴン雰囲気下、水素化リチウムアルミニウム22m
gを無水テトラヒドロフラン1mlに溶解し、5−アセ
トキシ−6−t−ブチル−2,2,4−トリメチル−
2,3−ジヒドロベンゾフラン65mgを無水テトラヒ
ドロフラン1.5mlに溶解し加え、室温で一昼夜撹拌
した。0℃に冷却し、水を加えて反応を停止した後、1
0%塩酸を加え酢酸エチルで抽出した。有機層を飽和炭
酸水素ナトリウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、無水硫
酸マグネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をヘキサンか
ら再結晶し、6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−2,
2,4−トリメチル−2,3−ジヒドロベンゾフランが
白色固体として25mg(収率45%)得られた。
【0140】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.38(s,9H),1.46(s,6
H),2.11(s,3H),2.92(s,2H),
4.31(s,1H),6.59(s,1H) Mass:234(M+
【0141】実施例20 6−t−ブチル−5−ヒドロ
キシ−2,2−ジメチル−4−イソプロピル−2,3−
ジヒドロベンゾフランおよび4−t−ブチル−5−ヒド
ロキシ−2,2−ジメチル−6−イソプロピル−2,3
−ジヒドロベンゾフラン 1)1,4−ジアセトキシ−2−t−ブチル−6−イソ
プロピルベンゼンの合成メタノール100mlに濃硫酸
4mlを滴下し、続いて2,4−ジ−t−ブチル−6−
イソプロピルフェノール17.18gと47%臭化水素
酸12.8gのメタノール66ml溶液を滴下した。反
応液を加熱撹拌中、30%過酸化水素水19.6gを滴
下し、15分間加熱撹拌した。室温に冷却後、反応液に
蒸留水を加えヘキサンで抽出した。有機層を0.5N水
酸化ナトリウム水溶液、飽和チオ硫酸ナトリウム水溶液
で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮し
た。濃縮物14.6gをヘキサン70mlに溶解し、ハ
イドロサルファイトナトリウム36.1gを蒸留水21
0mlに溶解し加えた後、メタノール140mlを加
え、30分間室温で撹拌した。反応溶液に水を加え、ヘ
キサンと酢酸エチルの混合物で抽出した。有機層を飽和
食塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃
縮した。濃縮物を無水酢酸35mlに溶解し、濃硫酸
0.35mlを加え、室温で30分間撹拌した。0℃に
冷却後、水を加えて反応を停止させ、飽和食塩水を加
え、反応液をヘキサンと酢酸エチルの混合物で抽出し
た。有機層を0.5N水酸化ナトリウム水溶液、飽和食
塩水で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃縮
した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(10%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したと
ころ、1,4−ジアセトキシ−2−t−ブチル−6−イ
ソプロピルベンゼンが黄色固体として15.07g(7
4%)得られた。
【0142】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.14(d,3H,J=6,9Hz),
1.20(d,3H,J=6.9Hz),1.32
(s、9H),2.29(s,3H),2.35(s,
3H),2.75(qq,1H,J=6.9Hz,J=
6.9Hz),6.92(d,1H,J=2.6H
z),6.94(d,1H,J=2.6Hz)
【0143】2)4−アセトキシ−3−t−ブチル−5
−イソプロピルフェノールの合成 1,4−ジアセトキシ−2−t−ブチル−6−イソプロ
ピルベンゼン1.10gをメタノール22mlに溶解
し、3N塩酸2.5mlを加えて2.5時間加熱還流し
た。室温に冷却後、メタノールをロータリーエバポレー
ターにより留去した。濃縮液に水を加え、酢酸エチルで
抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグ
ネシウムで乾燥後濃縮した。濃縮物をシリカゲルカラム
クロマトグラフィー(5%−10%酢酸エチル含有n−
ヘキサン)にて精製したところ、4−アセトキシ−3−
t−ブチル−5−イソプロピルフェノールが淡黄色固体
として0.66g(70%)得られた。
【0144】1H NMR(270MHz,CDCl
3 ) δppm:1.13(d,3H,J=6,9Hz),
1.20(d,3H,J=6.9Hz),1.31
(s,9H),2.34(s,3H),2.72(q
q,1H,J=6.9Hz,J=6.9Hz),4.6
0(s,1H),6.65(d,1H,J=3.0H
z),6.71(d,1H,J=3.0Hz)
【0145】3)5−アセトキシ−4−t−ブチル−2
−ヒドロキシ−6−イソプロピルベンズアルデヒドおよ
び5−アセトキシ−6−t−ブチル−2−ヒドロキシ−
4−イソプロピルベンズアルデヒドの合成 4−アセトキシ−3−t−ブチル−5−イソプロピルフ
ェノール0.50gをトリフルオロ酢酸2.6mlに溶
解し、15分間加熱還流した。0℃に冷却後、3N塩酸
2mlを加えて1.5時間加熱還流した。さらに3N塩
酸2mlを加えて5時間加熱還流した。室温に冷却後、
反応溶液に水を加え、酢酸エチルで抽出した。有機層を
飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後濃
縮した。濃縮物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー
(5%酢酸エチル含有n−ヘキサン)にて精製したとこ
ろ、5−アセトキシ−4−t−ブチル−2−ヒドロキシ
−6−イソプロピルベンズアルデヒドおよび5−アセト
キシ−6−t−ブチル−2−ヒドロキシ−4−イソプロ
ピルベンズアルデヒドの混合物が淡黄油状物質として
0.40g(48%)得られた。
【0146】5−アセトキシ−4−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシ−6−イソプロピルベンズアルデヒド1 H NMR(270MHz,CDCl3 ) δppm:1.32(s,9H),1.41(d,3
H,J=7.3Hz),1.46(d,3H,J=7.
3Hz),2.36(s,3H),3.20(qq,1
H,J=7.3Hz,J=7.3Hz),6.91
(s,1H),10.55(s,1H),12.17
(s,1H)
【0147】5−アセトキシ−6−t−ブチル−2−ヒ
ドロキシ−4−イソプロピルベンズアルデヒド1 H NMR(270MHz,CDCl3 ) δppm:1.32(s,9H),1.41(d,3
H,J=7.3Hz),1.46(d,3H,J=7.
3Hz),2.36(s,3H),3.20(qq,1
H,J=7.3Hz,J=7.3Hz),6.91
(s,1H),10.55(s,1H),12.17
(s,1H)
【0148】4)6−t−ブチル−5−ヒドロキシ−
2,2−ジメチル−4−イソプロピル−2,3−ジヒド
ロベンゾフランおよび4−t−ブチル−5−ヒドロキシ
−2,2−ジメチル−6−イソプロピル−2,3−ジヒ
ドロベンゾフランの合成 5−アセトキシ−4−t−ブチル−2−ヒドロキシ−6
−イソプロピルベンズアルデヒドおよび5−アセトキシ
−6−t−ブチル−2−ヒドロキシ−4−イソプロピル
ベンズアルデヒドの混合物に、実施例19の4)、
5)、6)と同様の処理を行ったところ、6−t−ブチ
ル−5−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4−イソプロ
ピル−2,3−ジヒドロベンゾフランが、白色固体とし
て171mg得られ、4−t−ブチル−5−ヒドロキシ
−2,2−ジメチル−6−イソプロピル−2,3−ジヒ
ドロベンゾフランが、白色固体として75mg得られ
た。
【0149】実施例20−(1) 6−t−ブチル−5
−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−4−イソプロピル−
2,3−ジヒドロベンゾフラン1 H NMR(270MHz,CDCl3 ) δppm:1.32(d,6H,J=7.3Hz),
1.39(s,9H),1.45(s,6H),3.0
4(s、2H),3.18(septet,1H,J=
7.3Hz),4.39(s,1H),6.59(s,
1H) Mass:262(M+
【0150】実施例20−(2) 4−t−ブチル−5
−ヒドロキシ−2,2−ジメチル−6−イソプロピル−
2,3−ジヒドロベンゾフラン1 H NMR(270MHz,CDCl3 ) δppm:1.29(d,6H,J=7.3Hz),
1.30(s,9H),1.43(s,6H),2.9
5(s、2H),3.09(septet,1H,J=
7.3Hz),4.15(s,1H),6.45(s,
1H) Mass:262(M+
【0151】表1に、実施例化合物の構造式を示す。
【0152】
【表1】
【0153】
【表2】
【0154】試験例1 ブタ腎由来LLC−PK1細胞
の細胞傷害に対する保護作用(1) 本発明化合物のin vitroでの細胞保護作用をみ
る目的で、酸化した低比重リポタンパク質(酸化LD
L)によるブタ腎由来のLLC−PK1細胞(ATCC
−CRL−1392l)の細胞傷害に対する保護作用を
検討した。酸化LDLの作製は、1mg/mlのウサギ
LDLをPBS(−)中で10μM CuSO4 と37
℃24時間置くことにより行った。細胞培養は、3%
FBS含有M199培地を用いて48穴プレートに1.
25×104 cells/250μl/wellの細胞
数でまくことにより行った。被験化合物はエタノールに
溶解懸濁し、酸化LDL添加の16時間前または直前に
1.25μl/well添加し、各well中の濃度を
0.1、1、10μMとした。酸化LDLを生理食塩水
で2倍希釈した後、細胞に62.5μl/well添加
し100μg/mlの濃度とし、酸化LDL添加後6時
間培養した。6時間の培養後、培養液を162.5μl
/wellずつ採取し、培養液中に漏出した乳酸脱水素
酵素(LDH)量(Lactate Dehydrog
enase(LD−L):SIGMA DIAGNOS
TICS)を測定した。細胞保護作用の効力は、酸化L
DLを加えたwellの値を0%、酸化LDLの代わり
に生理食塩水を加えたwellの値を100%として細
胞保護率を計算した。結果を表2に示す。
【0155】
【表3】
【0156】表2に示したように、本発明の化合物は、
酸化LDLによる細胞傷害を抑制した。
【0157】試験例2 ブタ腎由来LLC−PK1細胞
の細胞傷害に対する保護作用(2) 本発明化合物のin vitroでの細胞保護作用をみ
る目的で、試験例1と同様に、酸化した低比重リポタン
パク質(酸化LDL)によるブタ腎由来のLLC−PK
1細胞(ATCC−CRL−1392l)の細胞傷害に
対する保護作用を検討した。酸化LDLの作製と細胞培
養及び被験化合物添加の条件は試験例1と同様に行っ
た。試験例1とは異なり、酸化LDLは生理食塩水での
希釈を行わずに細胞に25μl/well添加し91μ
g/mlの濃度とし、酸化LDL添加後6時間培養し
た。6時間の培養後、培養液を150μl/wellず
つ採取し、培養液中に漏出した乳酸脱水素酵素(LD
H)量(Lactate Dehydrogenase
(LD−L):SIGMA DIAGNOSTICS)
を測定した。結果を表3に示す。
【0158】
【表4】
【0159】表3に示したように、本発明の化合物は、
酸化LDLによる細胞傷害を抑制した。
【0160】試験例3 培養メサンギウム細胞の細胞傷
害に対する保護作用 本発明化合物のin vitroでの細胞保護作用をみ
る目的で、試験例1と同様に、酸化した低比重リポタン
パク質(酸化LDL)による培養メサンギウム細胞の細
胞傷害に対する保護作用を検討した。4週齢のSD系雄
ラット(日本チャールズリバー社)の腎臓から調製した
初代培養メサンギウム細胞を4から6回継代したものを
用いた。酸化LDLの作製は、1mg/mlのウサギL
DLをPBS(−)中で10μM CuSO4 と37℃
24時間置くことにより行った。細胞培養は、20%F
BS含有RPMI1640培地を用いて48穴プレート
に2.5×104 cells/250μl/wellの
細胞数でまくことにより行った。被験化合物添加直前
に、培地をFBSを含有しないRPMI1640培地に
交換した。被験化合物はエタノールに溶解懸濁し、酸化
LDL添加の16時間前または直前に1.25μl/w
ell添加し、各well中の濃度を1、3、10μM
とした。試験例1とは異なり、酸化LDLは生理食塩水
での希釈を行わずに細胞に25μl/well添加し9
1μg/mlの濃度とし、酸化LDL添加後8時間培養
した。8時間の培養後、培養液を150μl/well
ずつ採取し、培養液中に漏出した乳酸脱水素酵素(LD
H)量(Lactate Dehydrogenase
(LD−L):SIGMA DIAGNOSTICS)
を測定した。細胞保護作用の効力は、酸化LDLを加え
たwellの値を0%、酸化LDLの代わりに生理食塩
水を加えたwellの値を100%として細胞保護率を
計算した。結果を表4に示す。
【0161】
【表5】
【0162】表4に示したように、本発明の化合物は、
酸化LDLによる細胞傷害を抑制した。
【0163】
【発明の効果】本発明に係る、2,3−ジヒドロベンゾ
フラン誘導体は、腎由来培養細胞において酸化LDLの
引き起こす細胞傷害に対し強い細胞保護作用を示すこと
から、慢性腎不全、糖尿病性腎症、糸球体腎炎、免疫複
合体腎炎、急性腎不全、シスプラチンなどの白金錯体系
制癌剤やゲンタマイシンなどの薬剤による腎障害、パラ
コートなどの農薬による腎障害、尿毒症などの各種腎疾
患の治療または予防剤として有用である。また、臓器保
存剤としても有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07M 7:00 (72)発明者 高嶋 佳昭 静岡県御殿場市駒門1丁目135番地 中外 製薬株式会社内 (72)発明者 進士 修 静岡県御殿場市駒門1丁目135番地 中外 製薬株式会社内

Claims (21)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1) 【化1】 (式中、R1 は、水素原子または置換基を有していても
    よいアシル基を表し、 R2 、R3 およびR4 は、それぞれ同一でも異なってい
    てもよく、水素原子、低級アルキル基、または低級アル
    ケニル基を表し、そしてR5 およびR6 は、それぞれ同
    一でも異なっていてもよく、水素原子、置換基を有して
    いてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアル
    ケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ま
    たは置換基を有していてもよいアリール基を表すか、ま
    たは、 R5 とR6 は、一緒になってシクロアルキル基、または
    1つ以上の酸素原子、硫黄原子あるいはアルキル置換窒
    素原子を含有する飽和複素環基を形成する。ただし、R
    2 およびR3 が同時にt−ブチル基であることはな
    い。)で示される化合物、その光学活性体、またはこれ
    らの医薬上許容される塩を有効成分として含有する腎疾
    患治療薬。
  2. 【請求項2】 R2 、R3 およびR4 が同時にそれぞれ
    独立して水素またはメチル基であることはない、請求項
    1記載の腎疾患治療薬。
  3. 【請求項3】 R1 が水素原子または置換基を有してい
    てもよい炭素数1〜7のアシル基であり、そして、R5
    およびR6 が、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
    水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の
    アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20
    のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜
    20のアルキニル基、または置換基を有していてもよい
    炭素数6〜20のアリール基であるか、または、R5
    6 が一緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル基、
    または1〜3の酸素原子、硫黄原子あるいはアルキル置
    換窒素原子を含有する5〜12員飽和複素環基を形成す
    る、請求項2記載の腎疾患治療薬。
  4. 【請求項4】 腎疾患が、慢性腎不全、糖尿病性腎症、
    糸球体腎炎、免疫複合体腎炎、急性腎不全、シスプラチ
    ンなどの白金錯体系制癌剤やゲンタマイシンなどの薬剤
    による腎障害、パラコートなどの農薬による腎障害、お
    よび尿毒症から選ばれる疾患である、請求項1記載の腎
    疾患治療薬。
  5. 【請求項5】 一般式(1) 【化2】 (式中、R1 は、水素原子または置換基を有していても
    よいアシル基を表し、 R2 、R3 およびR4 は、それぞれ同一でも異なってい
    てもよく、水素原子、低級アルキル基、または低級アル
    ケニル基を表し、そしてR5 およびR6 は、それぞれ同
    一でも異なっていてもよく、水素原子、置換基を有して
    いてもよいアルキル基、置換基を有していてもよいアル
    ケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル基、ま
    たは置換基を有していてもよいアリール基を表すか、ま
    たは、 R5 とR6 は、一緒になってシクロアルキル基、または
    1つ以上の酸素原子、硫黄原子あるいはアルキル置換窒
    素原子を含有する飽和複素環基を形成する。ただし、R
    2 およびR3 が同時にt−ブチル基であることはな
    い。)で示される化合物、その光学活性体、またはこれ
    らの医薬上許容される塩を有効成分として含有する臓器
    保存剤。
  6. 【請求項6】 R2 、R3 およびR4 が同時にそれぞれ
    独立して水素またはメチル基であることはない、請求項
    5記載の臓器保存剤。
  7. 【請求項7】 R1 が水素原子または置換基を有してい
    てもよい炭素数1〜7のアシル基であり、そして、R5
    およびR6 が、それぞれ同一でも異なっていてもよく、
    水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜20の
    アルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜20
    のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜
    20のアルキニル基、または置換基を有していてもよい
    炭素数6〜20のアリール基であるか、または、R5
    6 が一緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル基、
    または1〜3の酸素原子、硫黄原子あるいはアルキル置
    換窒素原子を含有する5〜12員飽和複素環基を形成す
    る、請求項6記載の臓器保存剤。
  8. 【請求項8】 保存される臓器が腎臓である、請求項5
    記載の臓器保存剤。
  9. 【請求項9】 一般式(1) 【化3】 (式中、R1 は、水素原子または置換基を有していても
    よいアシル基を表し、 R2 、R3 およびR4 は、それぞれ同一でも異なってい
    てもよく、水素原子、低級アルキル基、または低級アル
    ケニル基を表すが、R2 およびR3 のいずれか一方がt
    −ブチル基であって、R2 およびR3 の両方がt−ブチ
    ル基であることはなく、そしてR5 およびR6 は、それ
    ぞれ同一でも異なっていてもよく、水素原子、置換基を
    有していてもよいアルキル基、置換基を有していてもよ
    いアルケニル基、置換基を有していてもよいアルキニル
    基、または置換基を有していてもよいアリール基を表す
    か、または、 R5 とR6 は、一緒になってシクロアルキル基、または
    1つ以上の酸素原子、硫黄原子あるいはアルキル置換窒
    素原子を含有する飽和複素環基を形成する。ただし、R
    4 が2−プロペニル基である場合;R2 、R3 、R4
    5 およびR6 の3以上が同時に水素原子である場合;
    2 およびR4 が同時に水素原子でありかつR5 および
    6 が同時にメチル基である場合;およびR3 、R4
    5 およびR6 が同時にメチル基である場合を除く。)
    で示される化合物、その光学活性体、またはこれらの医
    薬上許容される塩。
  10. 【請求項10】 R1 が水素原子または置換基を有して
    いてもよい炭素数1〜7のアシル基であり、そして、R
    5 およびR6 が、それぞれ同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜1
    0のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜
    10のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数
    2〜10のアルキニル基、または置換基を有していても
    よい炭素数6〜10のアリール基であるか、または、R
    5 とR6 が一緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル
    基、または1〜3の酸素原子、硫黄原子あるいはアルキ
    ル置換窒素原子を含有する5〜12員飽和複素環基を形
    成する、請求項9記載の化合物。
  11. 【請求項11】 R1 が水素原子である、請求項10記
    載の化合物。
  12. 【請求項12】 一般式(2) 【化4】 (式中、R4 は水素原子またはt−ブチル基を表し、R
    1 、R3 、R5 およびR6 は請求項9と同じ意味を有す
    る。ただし、R4 が水素原子でありかつR5 およびR6
    のいずれか一方が水素原子である場合を除く。)で示さ
    れる、請求項9記載の化合物。
  13. 【請求項13】 R1 が水素原子または置換基を有して
    いてもよい炭素数1〜7のアシル基であり、そして、R
    5 およびR6 が、それぞれ同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜1
    0のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜
    10のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数
    2〜10のアルキニル基、または置換基を有していても
    よい炭素数6〜10のアリール基であるか、または、R
    5 とR6 が一緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル
    基、または1〜3の酸素原子、硫黄原子あるいはアルキ
    ル置換窒素原子を含有する5〜12員飽和複素環基を形
    成する、請求項12記載の化合物。
  14. 【請求項14】 R1 が水素原子である、請求項13記
    載の化合物。
  15. 【請求項15】 一般式(3) 【化5】 (式中、R1 、R2 、R5 およびR6 は請求項9と同じ
    意味を有する。)で示される、請求項9記載の化合物。
  16. 【請求項16】 R1 が水素原子または置換基を有して
    いてもよい炭素数1〜7のアシル基であり、そして、R
    5 およびR6 が、それぞれ同一でも異なっていてもよ
    く、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜1
    0のアルキル基、置換基を有していてもよい炭素数2〜
    10のアルケニル基、置換基を有していてもよい炭素数
    2〜10のアルキニル基、または置換基を有していても
    よい炭素数6〜10のアリール基であるか、または、R
    5 とR6 が一緒になって炭素数3〜8のシクロアルキル
    基、または1〜3の酸素原子、硫黄原子あるいはアルキ
    ル置換窒素原子を含有する5〜12員飽和複素環基を形
    成する、請求項15記載の化合物。
  17. 【請求項17】 R1 が水素原子である、請求項16記
    載の化合物。
  18. 【請求項18】 一般式(1) 【化6】 (式中、R1 は、水素原子または置換基を有していても
    よいアシル基を表し、 R2 およびR4 は、同時にt−ブチル基を表し、そして
    3 、R5 およびR6は、同時に水素原子を表す。)で
    示される化合物、その光学活性体、またはこれらの医薬
    上許容される塩。
  19. 【請求項19】 一般式(1) 【化7】 (式中、R1 は、水素原子または置換基を有していても
    よいアシル基を表し、 R2 、R3 およびR4 は、それぞれ同一でも異なってい
    てもよく、水素原子、低級アルキル基、または低級アル
    ケニル基を表すが、R2 およびR3 のいずれもt−ブチ
    ル基であることはなく、そしてR5 およびR6 は、それ
    ぞれ同一でも異なっていてもよく、置換基を有していて
    もよい炭素数1〜10のアルキル基、置換基を有してい
    てもよい炭素数2〜10のアルケニル基、置換基を有し
    ていてもよい炭素数2〜10のアルキニル基、または置
    換基を有していてもよい炭素数6〜10のアリール基を
    表すか、または、 R5 とR6 は、一緒になって炭素数3〜8のシクロアル
    キル基、または1〜3の酸素原子、硫黄原子あるいはア
    ルキル置換窒素原子を含有する5〜12員飽和複素環基
    を形成する。ただし、R2 、R3 およびR4 が同時にそ
    れぞれ独立して水素原子またはメチル基である場合;R
    2 およびR3 がそれぞれ水素原子、メチル基、イソプロ
    ピル基または2−プロペニル基でありかつR5 およびR
    6 が同時にメチル基である場合;R2 がイソプロピル基
    でありかつR3 およびR4 が同時にメチル基である場
    合;およびR2 がn−ブチル基でありかつR3 、R5
    よびR6 が同時にメチル基である場合を除く。)で示さ
    れる化合物、その光学活性体、またはこれらの医薬上許
    容される塩。
  20. 【請求項20】 R5 およびR6 が、それぞれ同一でも
    異なっていてもよく、置換基を有していてもよい炭素数
    2〜6のアルキル基である、請求項19記載の化合物。
  21. 【請求項21】 R1 が水素原子である、請求項20記
    載の化合物。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003082264A1 (en) * 2002-03-29 2003-10-09 Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha Pharmaceutical composition for preventing or treating respiratory disease
JP2018526350A (ja) * 2016-01-20 2018-09-13 バイオメディカル アナリシス センター, アカデミー オブ ミリタリー メディカル サイエンシズ ヒドロキノン化合物、その調製方法、及び抗癌又は免疫調節療法における使用

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