JPH11355152A - 加算/比較/選択回路、最尤シ―ケンス検出器、及び加算/比較/選択機能実行方法 - Google Patents

加算/比較/選択回路、最尤シ―ケンス検出器、及び加算/比較/選択機能実行方法

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JPH11355152A JP11083886A JP8388699A JPH11355152A JP H11355152 A JPH11355152 A JP H11355152A JP 11083886 A JP11083886 A JP 11083886A JP 8388699 A JP8388699 A JP 8388699A JP H11355152 A JPH11355152 A JP H11355152A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ビタビアルゴリズム等を用いる検出器の加算
/比較/選択回路の高速化を実現する状態規準更新構造
及びその実現方法を提供する。 【解決手段】 現在状態に係る現在状態規準値を各々対
応する直前状態規準値を有する直前の状態の組から求め
る目的で、本発明に係る回路及び方法は、1)直前状態
の組の対応する直前状態規準値の各々を、直前状態の組
のうちの対応する一つと現在状態との間の遷移に関して
規定された対応する分岐規準値と組み合わせて、対応す
る更新済み状態規準値を生成し、2)直前状態規準値の
うちの最小値を決定する目的で直前状態の組に係る直前
状態規準値の各々を比較し、3)最小値である直前状態
規準値に対応する選択信号を生成し、4)前記選択信号
に応答して、現在状態規準値として、前記最小値である
直前状態規準値と対応する分岐規準値との組み合わせか
ら得られた対応する更新済み状態規準値を選択する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシンボルシーケンス
をデコードする回路に関し、特に、ビタビ(Viterbi)
アルゴリズムをインプリメントする加算/比較/選択
(ACS)回路の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】多くのデジタルシステムは、送信される
デジタル信号に対して雑音が付加されるようなある形態
の通信チャネルを介して送信されたシンボルシーケンス
を表す信号の検出を強化する目的で最尤(maximum like
lihood)シーケンス検出を一般的に利用している。例え
ば、磁気記録システムは、データをまずエラー修正/変
調符号化によって符号化し、次に、符号化されたデータ
を、磁気メディアにシンボルシーケンスとして記録され
るシンボルに符号化する。その後、メディアが読み出さ
れて、シンボルシーケンスが検出される。その際、検出
器は、磁気メディアから読み出されたチャネル出力サン
プル信号シーケンスに最も良く対応するシンボルシーケ
ンスを決定する目的で、シーケンス検出アルゴリズムを
利用する。
【0003】このようなシステムにおいて用いられるビ
タビ(Viterbi)アルゴリズム(VA)は、雑音中に見
出される有限状態離散時刻マルコフ(Markov)プロセス
よりなる状態シーケンスの最大後験的推定を与える。付
加された雑音によって劣化させられた受信されたチャネ
ル出力サンプル信号シーケンスが与えられると、VA
は、所定の規準に従って、あるトレリス構造において受
信されたチャネル出力サンプル信号シーケンスに最も近
いシンボルシーケンスを見出す。良く知られているよう
に、付加白色ガウシアン(Gaussian)雑音(AWGN)
を有する通信チャネルにおいては、VAは最適な最尤
(ML)シーケンス検出(MLSD)であることが示さ
れる。ユークリッド距離が、トレリス構造の規準として
用いられる。
【0004】多くのデジタル通信システムは、エラー検
出の確率を向上させる目的で、エラー制御符号、すなわ
ち畳み込み符号を一般的に利用している。遠距離通信シ
ステムは、バースト状雑音による伝送エラーを最小化す
る目的で、エラー修正符号化の後にしばしばビットイン
ターリーブを行なっており、畳み込み符号化されたデー
タをシンボルシーケンスとして送信する。例えば、VA
は、エラー修正符号を復号化するようなチャネルにおい
て用いられる。
【0005】従って、VAを用いるシステムは、3つの
段階を再帰的に実行しており、状態間の遷移は、通常、
理解を容易にする目的で、トレリス構造ダイアグラムに
よって表わされる。第一に、トレリスに係る分岐規準が
現時点の状態に関して計算される;第二に、全ての状態
に関して状態規準が更新され、第三段階として残存経路
が決定される。残存経路は、雑音存在下で受信されたシ
ンボルシーケンスにユークリッド距離で最も近接した、
ある状態に至るシンボルシーケンスを表現している。あ
る状態に係る分岐規準は、受信されたシンボルと、その
状態に対応する理想的なチャネル出力サンプル信号との
間のユークリッド距離として定義される。受信されたも
のに最も良く対応するシーケンス全体を計算するため
に、VAは全ての状態に係る状態規準を再帰的に計算し
て更新する。
【0006】当業者には公知であるが、前述されたML
SDアルゴリズムに関しては、与えられた遷移に係る分
岐規準は、受信された、雑音を有するチャネル出力サン
プル信号yn(n=1,2,...)と当該遷移に係る
理想的なチャネル出力サンプル信号とに関する尤度関数
の自然対数を取ったものに負号を付けたものとして定義
される。それゆえ、ここで考えているMLSDアルゴリ
ズムにおいて、時刻nにおけるi番目の状態から時刻n
+1におけるk番目の状態への遷移に係る分岐規準BM
n+1 i,kは、式(1)によって与えられる:
【数3】 ここで、“i”は始状態、“n”は時刻nをそれぞれ表
わしており、tnはi番目の状態からk番目の状態への
遷移に対応する理想的なチャネル出力サンプル信号であ
り、f(*)はガウシアン雑音シーケンスの確率密度関
数である。
【0007】さらに、チャネル応答多項式H(D)(こ
こでDは遅延演算子である)によって表現された受信さ
れたシーケンスyが与えられると、VAは、各状態に関
する分岐規準を集積することによって最尤経路を再帰的
に最適化する。状態の数は、MNとして与えられる。こ
こで、Mは入力アルファベットすなわち入力レベルの大
きさを表わしており、Nはチャネルメモリ長を示してい
る。VAに関しては、各状態には時刻nにおける状態規
準値が与えられており、時刻n+1において新たな値が
受信されると、各状態規準値は更新される。図1は、i
(m)番目の状態からk番目の状態への遷移に係る状態規
準SMi(m)(m=1,2,...M)の更新操作を示し
ている。時刻n+1におけるトレリス構造の状態規準の
各々に対して、時刻nにおける状態i(m)の直前の状
態規準値(SMi(m))及びi(m)番目の状態からk番目
の状態への移行に係る対応する分岐規準が互いに加算さ
れる。その後、k番目の状態に係る状態規準が更新さ
れ、式(2)によって与えられるように、可能な場合の
全てのものから最小のものを選択することによって更新
されたSMkが得られる:
【数4】 ここで、“i(m)”は始状態、“n”は時刻nをそれぞ
れ表わしており、BMn+1 i,kはi(m)番目の状態からk
番目の状態への遷移に係る時刻n+1における分岐規準
を表わしている。“n”及び“n+1”という表記は当
業者によって通常なされるものであり、式を簡潔にする
目的で通常は省略される。
【0008】この操作を実現する回路は、通常、加算/
比較/選択回路(ACS)と呼称される。図2は、二進
入力シーケンスに関する、従来技術に係るACS回路を
示している。この回路は、図1に示されかつ式(2)に
よって与えられる状態規準の更新値SMkを計算するも
のであり、二進すなわちM=2の場合のものである。A
CS回路202は、通常、加算器210及び212、比
較器214、及び選択回路216を有している。この選
択回路216は、例えば、比較器214の出力によって
制御される2−to−1マルチプレクサである。
【0009】図2に示されているように、加算器210
は状態規準SMi及び対応する分岐規準BMi,kを受信し
て組み合わせて第一更新済み状態規準を生成し、加算器
212は状態規準SMj及び対応する分岐規準BMj,k
受信して組み合わせて第二更新済み状態規準を生成す
る。加算器210及び212の第一及び第二更新済み状
態規準は比較器214において比較され、比較器214
は、第一及び第二更新済み状態規準値のいずれが最小値
であるかを示す最小表示信号Dkを生成する。第一及び
第二更新済み状態規準及び最小表示信号Dkは選択回路
216に供給され、最小表示信号Dkに応じて第一及び
第二更新済み状態規準のうちの最小のものが新たな状態
規準値SMkとして出力される。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】従来技術においては、
更新操作がACS回路202において順次実行されるた
め、ACS回路202がVA検出器を用いるシステムの
スピード及びスループットを制御することになる。よっ
て、ACSは、システム全体の回路のスループットを増
大させる際のボトルネックになる可能性がある。それゆ
え、ビタビアルゴリズムあるいは同様のアルゴリズムを
用いる検出器のACS回路のスピードを増加させる、新
たな状態規準更新構造が必要とされている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、現時点の状態
に係る現時点での状態規準値を各々対応する直前の状態
規準値を有する直前の状態の組から求める目的で二重状
態トレリス構造の加算/比較/選択(ACS)演算を実
行する回路及びその方法に関するものである。本発明に
係る回路及び方法は、1)直前の状態の組の対応する直
前の状態規準値の各々を、直前の状態の組のうちの対応
する一つと現時点での状態との間の遷移に関して規定さ
れた対応する分岐規準値と組み合わせて、対応する更新
済み状態規準値を生成し(この際、各分岐規準値は互い
に等価である)、2)直前の状態規準値のうちの最小値
を決定する目的で直前の状態の組に係る直前の状態規準
値の各々を比較し、3)最小値である一つの直前の状態
規準値に対応する選択信号を生成し、そして4)前記選
択信号に応答して、現時点での状態規準値として、前記
最小値である一つの直前の状態規準値と対応する分岐規
準値との組み合わせから得られた対応する更新済み状態
規準値を選択する。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明は、可能な全てのシーケン
スの組から最尤受信シンボルを決定する目的で二重状態
トレリス構造を規定するビタビアルゴリズムをインプリ
メントするACS回路及びその実現方法に関する。二重
状態トレリスにおいては、対になる状態は等価な分岐規
準値を有するものとして識別され、さらに経路選択の間
に同一の決定を有しており、そのためこれら対を構成す
る状態間で直前の状態規準の比較操作を共有することが
可能となっている。従って、更新された、すなわち現時
点での状態規準値を計算する目的で、ACS回路は、2
つの状態間での遷移に係る最小値を決定するために直前
の状態規準値のみを比較し、その一方で直前の状態規準
値の各々を対応する分岐規準と組み合わせて、並列操作
で更新済みの、すなわち現時点での状態規準値を生成す
る。さらに、同一の決定を有する状態対は同一であるの
で、状態ついに係る現時点での状態更新は同時に実行さ
れる。
【0013】以下の議論においては、本発明に係る種々
の側面が、例えば磁気記録再生システムにおけるML検
出器において用いられているようなチャネル出力サンプ
ル信号シーケンスを受信する検出器内で用いられている
MLSDアルゴリズムに関連して提供される。しかしな
がら、当業者には公知であるが、ビタビアルゴリズム
は、畳み込み復号化システム等の多くの異なったアプリ
ケーションにおいても用いられ得る。その結果、本発明
はML検出器及び本明細書に記載されている検出器への
適用に限定されているのではなく、VAが用いられるあ
らゆるアプリケーションに対しても適用可能である。
【0014】図3は、本発明の一実施例を用いたVAベ
ースの検出器300を示すブロック図である。図3に示
されているように、プロセッサ(図示せず)の制御下で
動作する検出器システム300は、分岐規準計算(BM
C)プロセッサ302、オプションの正規化プロセッサ
304、加算/比較/選択(ACS)プロセッサ30
6、状態規準メモリ308、経路メモリ309、最尤決
定(MLD)プロセッサ310、及びオプションのシン
ボルデコーダ312を有している。
【0015】BMCプロセッサ302は通信チャネルか
ら雑音を含むチャネル出力データy nを受信し、例えば
式(1)において与えられている計算を用いて、各状態
に係る分岐規準を計算する。オプションの正規化プロセ
ッサ304は、分岐規準及びシンボル値ynを受け取っ
て、所定のアルゴリズムに従って受信されたシンボル及
び/あるいは分岐規準値を正規化する。この正規化アル
ゴリズムは当業者には公知であり、理想チャネル分岐規
準値を用いた通信チャネル応答推定値に従った正規化に
基づいている。当業者には公知であるが、オプションの
正規化プロセッサ304における正規化プロセスは、B
MCプロセッサ302に含めることが可能である。
【0016】本発明に従ったACSプロセッサ306
は、直前の状態規準値を用いて更新された現時点での状
態規準値を計算する。状態規準メモリ308は、状態規
準更新計算のために、直前の状態規準値及びACSプロ
セッサ306によって処理された現時点での状態規準値
を保持している。経路メモリ309は、状態間で選択さ
れた経路要素に係る情報を保持している。
【0017】最尤決定MLDプロセッサ310は、過去
及び現在の状態に係る情報並びに残存経路情報を受け取
る。初期設定では、決定は、以前のチャネル出力サンプ
ル信号から所定の反復回数、例えば10反復の間、遅延
させられる。トレリス構造ダイアグラムによる時刻nで
の現在の状態の最尤経路が決定され、時刻n−10にお
ける状態の以前のチャネル出力信号に対応するシンボル
に係る決定がなされる。従って、この例では受信された
10番目のシンボルを用いて、第一シンボルに係る決定
がなされる。次のチャネル出力サンプル信号遷移に関し
て、すなわち、11番目のシンボルが受信されると、第
二シンボルに係る決定がなされる、等である。当業者に
は明らかなことであるが、シンボル決定技法に係る種々
の変形が実現され得るが、それらは本発明の範疇に含ま
れるものである。
【0018】オプションのシンボルデコーダ312は、
MLDプロセッサによって決定されたシンボルを受け取
り、これらのシンボルを復号化してデータストリームd
nを生成する。この種のサンプルデコーダ312は、例
えば、シンボルストリームのラン長復号化及び/あるい
はエラー修正復号化を含んでいる。これらの形態の符号
化及び復号化は、ビットエラーを修正することによって
データストリームdn中のエラーの可能性をさらに低減
する。当業者には明らかなことであるが、本発明は、シ
ンボルストリームを生成する目的で用いられる符号化及
び復号化の形態によっては制限されない。
【0019】受信されるチャネル出力サンプル信号シー
ケンスynは、例えば磁気媒体読み出し(MMR)デバ
イス320によって生成される。MMRデバイス320
は、媒体328から符号化されたデータを読み出すヘッ
ド326、ヘッドからのアナログ信号をサンプリングす
るサンプリングプロセッサ324,及び、例えば有限イ
ンパルス応答フィルタ(FIR)等のフィルタ322を
含んでいる。
【0020】二重状態トレリス構造本発明は、単一トレ
リス構造ダイアグラムから導出された二重状態トレリス
に従って導かれた状態規準更新を利用する。本明細書に
おいて例示される実施例においては、入力アルファベッ
トがバイナリである、すなわちMが2であると仮定され
ている。当業者には明らかなことであるが、本発明はこ
のことによって限定されているわけではなく、Mが2よ
り大きい任意の場合に対して拡張されうる。
【0021】受信されたシーケンスは、式(3)によっ
て与えられるように、オーダーNのチャネル長メモリを
有するチャネル応答多項式H(D)としても表現され
る: H(D)=h0+h1D+...+hNN (3)
【0022】図4は、式(3)で与えられるチャネル応
答多項式H(D)が1+Dに等しい場合の従来技術に係
る2状態トレリスダイアグラムを示している。この例の
場合にMが2であると与えられると、Nは1である。各
状態に隣接して示されている数は、時刻n及びn+1に
おける受信された入力シーケンス値を表わしている。時
刻nにおいて、直前の状態t=“0”あるいは“1”
は、時刻n+1における現時点での状態“0”あるいは
“1”に遷移する。矢印401は、時刻nとn+1との
間での状態遷移を表わしている。矢印401に関連する
数字は、与えられた遷移に係る理想的なチャネル出力サ
ンプル信号を示している。式(2)が与えられると、時
刻n+1における現時点の状態“0”に係る状態規準
は、
【数5】 のように与えられる。
【0023】図5は、式(3)によって与えられる仮定
されたチャネル応答多項式H(D)が1+D+0*D2
の場合の4状態トレリス構造ダイアグラムを示してい
る。二重状態トレリス構造は、一般的には、チャネル応
答多項式の最終項の係数hNが“0”であると仮定する
と、通常の場合の状態の個数を2倍にすることによって
生成される。図4の場合と同様に、状態に隣接した数字
は、受信された入力シーケンス値を表わしている。例え
ば、図5においては、状態トレリスの左側の“10”と
いいうシーケンスは、それぞれ時刻n−1における入力
“1”及びそれに引き続いて時刻nにおける入力“0”
を表わしている。矢印501は、時刻nとn+1との間
のそれぞれの状態遷移を表わしている。矢印501に関
連するラベル値は、遷移に係る理想的なチャネル出力値
を与えている。例えば、直前の状態“11”及び“0
1”と現時点での状態“10”及び“11”は、状態対
503を構成している。同様に、直前の状態“00”及
び“10”と現時点での状態“00”及び“01”は、
状態対504を構成する。
【0024】最終の係数が0であるような係数を有する
チャネル多項式H(D)の場合には、各々同一の最終状
態を有する2つの遷移に係る分岐規準は同一である。な
ぜなら、双方の開始状態は最古ビット位置のみが異なる
だけであるからである。このようなチャネル多項式H
(D)の場合には、図3に示された検出器は、H(D)
が次数Nの多項式である場合であっても、2N+1個の状
態を有している。従って、H(D)においてhN=0で
あるためにトレリスダイアグラムに二重状態が存在し、
このためにある状態を終状態とする分岐規準が同一とな
る。図5に示された二重状態トレリスダイアグラムに関
しては、検出器は、状態k(SMk)における状態規準
を、以下の式(4)によって与えられているように、そ
れぞれ対応する分岐規準と組み合わせられた2つの直前
の状態規準(SMi及びSMj)のうちの最小の値として
計算する:
【数6】
【0025】よって、時刻nにおける状態kへの遷移に
係る2つの可能な状態規準のうちの最小値、すなわち式
(4)によって与えられているように(SMi+B
i,k)と(SMj+BMj、k)のうちの最小値、の選択
は、2つの直前の状態規準SMi及びSMjのうちの最小
値を計算して、対応する分岐規準を加算することによっ
て実現され得る。この場合には、検出器は、分岐規準値
の対応する直前の状態規準値(SMj及びSMk)への加
算の完了を待つ必要がない。なぜなら、BMi,kはあら
ゆるnの値に関してBMj,k(BMkと定義される)と等
価であるからである。それゆえ、検出器は、式(5)に
定義されているように、式(4)の再帰的操作を実行す
る:
【数7】
【0026】例えば、図5の右側にあるように現時点の
状態が“00”の場合には、直前の状態“00”及び
“10”からの2つの経路502は、各々同一の分岐規
準及び0という理想チャネル出力サンプル信号値を有し
ている。一般に、図5に示された二重状態トレリスアー
キテクチャに関しては、各状態“k1”に関して、同一
の直前の状態“i”及び“j”を有する関連した状態
“k2”が存在する。これらの状態においてなされる決
定は同一である。なぜなら、それぞれが同一の直前の状
態規準を比較するからである。同様の関係が、他の現時
点の状態に関しても成り立つ。なぜなら、二重状態トレ
リスに関しては、時刻n−1における最古直前入力値
は、それぞれの状態に関する現時点の状態遷移に係る分
岐規準の計算に寄与しないからである。従って、2N
の決定が二重状態トレリス構造内に存在し、このため、
経路メモリ309(図2)のメモリ幅として2Nが必要
とされる。
【0027】現時点の状態におけるVAの“選択”操作
が現時点の状態“00”への移行を決定して、直前の状
態“00”からの経路ではなく直前の状態“10”から
の経路を選択する場合には、選択操作に係る同一の経路
決定が現時点の状態“01”に関してもなされる。現時
点の状態“10”及び“11”よりなる状態対503に
関しても、同一の操作が存在する。従って、例えば状態
対503及び504等の、二重状態構造における状態対
は、ACSの選択操作に関して同一の決定を共有すると
いう特徴を有している。本発明に従って二重状態アーキ
テクチャをもちいることにより、式(5)の“比較”操
作は、式(5)の“加算”操作と同時にある回路によっ
て実行される。当業者には明らかであるが、二重状態ト
レリスダイアグラムの特徴は、さらに拡張され得る。
【0028】加算/比較/選択(ACS)回路 図6は、式(5)の操作をインプリメントする、本発明
に従ったACS回路例を示している。以下、その動作が
記述される。ACS回路602は、加算器610及び6
12,比較器614、及び比較器614の出力信号によ
って制御される2対1マルチプレクサである選択回路6
16を有している。図6のACS回路例における信号シ
ーケンスが、図5に示された例に関して記述される。こ
こでは、状態kの更新された状態規準SMkが計算され
る。
【0029】図6に示されているように、加算器610
は、i番目の状態の状態規準SMiと関連する分岐規準
BMi,k=BMj,kを受信して組み合わせて第一の更新さ
れた状態規準を生成し、加算器612は、j番目の状態
の状態規準SMjと関連する分岐規準BMj,k=BMj,k
を受信して組み合わせて第二の更新された状態規準を生
成する。状態規準値SMi及びSMjは比較器614にお
いて比較され、いずれの状態規準値が最小値であるかを
示す最小表示信号Dkが生成される。更新された第一及
び第二状態規準値及び最小表示信号Dkは選択回路61
6へ供給され、最小表示信号Dkに対応する、第一及び
第二更新済み状態規準値のうちの最小のものが新たな状
態規準値SMkとして生成される。
【0030】しかしながら、各状態“k1”に対して、
同一の始状態“i”及び“k”を有する関連した状態
“k2”が存在するため、図5の二重状態トレリスアー
キテクチャは、図6に示されたACS回路に対して回路
素子の数を低減できるような別のACS回路が存在する
ことを示している。なぜなら、状態“k1”及び“k2
に係る更新された状態規準の双方が、同一時間期間の間
に計算され得るからである。図7は、本発明の別の実施
例に従った別のACS回路例702を示している。AC
S回路702は、加算器710,712,714及び7
16、比較器704、及び、比較器704の出力信号に
よって制御される2対1マルチプレクサである選択回路
706及び708を有している。以下、図7のACS回
路例における信号シーケンスが、図5に示された例に関
して記述される。ここでは、状態“k1”及び“k2”の
更新された状態規準SMk1及びSMk2が、それぞれコン
カレントに計算される。
【0031】図7に示されているように、加算器710
及び712は、それぞれi番目及びj番目の状態規準S
i及びSMjを分岐規準BMi,k1=BMj,k1と組み合わ
せて、それぞれ第一及び第二の更新済み状態規準を生成
する。加算器714及び716は、それぞれi番目及び
j番目の状態規準SMi及びSMjを分岐規準BMi,k2
BMj,k2と組み合わせて、それぞれ第三及び第四の更新
済み状態規準を生成する。状態規準値SMi及びSMj
比較器704で比較され、いずれの状態規準値が最小値
であるかを示す最小表示信号Dkが生成される。更新さ
れた第一及び第二状態規準値及び最小表示信号Dkは選
択回路706へ供給され、最小表示信号Dkに対応す
る、第一及び第二更新済み状態規準値のうちの最小のも
のが新たな状態規準値SMk1として生成される。更新さ
れた第三及び第四状態規準値及び最小表示信号Dkは選
択回路708へ供給され、最小表示信号Dkに対応す
る、第三及び第四更新済み状態規準値のうちの最小のも
のが新たな状態規準値SMk2として生成される。
【0032】例えば図4に示されているような、従来技
術に係るトレリス構造の状態規準計算に関しては、分岐
及び状態規準はトレリス内の全ての遷移に関して計算さ
れる必要がある。しかしながら、例えば図5に示されて
いるような二重状態トレリス構造における計算において
は、そのようなことは必要とされない。前述されている
ように、現時点の状態対に関しては計算操作が二重化さ
れており、二重状態トレリス構造内の遷移のわずか半分
に対して計算操作を行なうだけでよい。
【0033】本発明に従ったACS回路を用いる検出回
路のインプリメンテーションに関しては、二重状態トレ
リス構造を用いることにより、図2に示されたACS回
路と比較して、加算器、状態規準レジスタ及びマルチプ
レクサの個数が2倍になる。集積回路(IC)として実
現される場合には、これらの付加回路素子は、ICチッ
プ上の検出器に関する領域をおよそ50%増大させる。
しかしながら、検出器は通常IC回路のごくわずかの部
分しか占有していないため、この実面積の増大は多くの
通信用ICアプリケーションにおいては無視し得るもの
である。しかしながら、当業者には明らかであるが、本
発明に従った二重状態構造を利用する検出器はより大き
なスループットを実現し、図2に示された従来技術に係
るACS回路よりもおよそ33%速いスピードを実現す
る。
【0034】従来技術に係るACS回路と本発明に係る
二重状態ACS回路との比較図8及び9は、あるチャネ
ルに係る従来技術に係るものと本発明に係る二重状態ト
レリス構造とを比較する図である。図8は、二進1+D
チャネルにおいてビタビアルゴリズムを用いる従来技術
に係る検出器に関する通常のトレリス構造を示してい
る。図9は、二進1+D+0*D2チャネルにおいてビ
タビアルゴリズムを用いる検出器に関する本発明に従っ
た二重状態トレリス構造を示している。受信されたチャ
ネル出力サンプル信号ynは、各時刻n(n=1,
2,...,5)において与えられている。図8及び9
に示されたチャネル例に関しては、各経路要素に隣接し
て与えられている分岐規準
【数8】 は、正規化された式(6)
【数9】 に従って計算される。ここで、
【数10】 はチャネル出力値の理想値である。図8及び9におい
て、実線は残存経路を示し、点線はシンボル決定まで保
持される経路を示し、波線は破棄された経路を示してい
る。
【0035】残存経路要素規準値を比較すると、図8及
び9に示された経路決定プロセスは同値であることが理
解される。しかしながら、図8の従来技術に係るトレリ
ス構造と図9の二重状態トレリス構造とを比較すると、
レイテンシが付加されていることが示される。例えば、
時刻n=4において、従来技術に係るトレリス構造は規
準−1.3を有する経路を規準−0.775を有する経
路と比較して選択する選択決定操作が含まれているが、
本発明に従った二重状態トレリス構造を用いる検出器は
同一の決定を時刻n=5において行なっている。このレ
イテンシは修正され得るものである。なぜなら、現時点
でのサンプル信号値に係る知見は決定には必要ではない
からである。さらに、初期状態、n=0、における二重
状態トレリス構造は任意の決定から始まるため、これも
無視することが可能である。
【0036】以上の説明は、本発明の一実施例に関する
もので,この技術分野の当業者であれば、本発明の種々
の変形例が考え得るが、それらはいずれも本発明の技術
的範囲に包含される。
【0037】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、ビ
タビアルゴリズムあるいは同様のアルゴリズムを用いる
検出器のACS(加算/比較/選択)回路のスピードを
増加させる、新たな状態規準更新構造及びその実現方法
が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ビタビ(Viterbi)アルゴリズムのi(m)番目
の状態からk番目の状態への遷移に係る、従来技術に係
る状態規準更新操作を模式的に示す図。
【図2】 図1に示された状態規準更新を計算する、従
来技術に係る加算/比較/選択回路を模式的に示す図。
【図3】 本発明の一実施例を用いたビタビアルゴリズ
ムベースの検出器を模式的に示すブロック図。
【図4】 チャネル応答多項式H(D)が1+Dに等し
い場合の、従来技術に係る2状態トレリス構造を模式的
に示す図。
【図5】 チャネル応答多項式H(D)が1+D+0*
2の場合の、本発明の一実施例に従った二重状態トレ
リス構造を模式的に示す図。
【図6】 本発明に従った加算/比較/選択回路を模式
的に示す図。
【図7】 本発明の別の実施例に従った加算/比較/選
択回路を模式的に示す図。
【図8】 二進1+Dチャネルにおいてビタビアルゴリ
ズムを用いる、従来技術に係るデコーダに係る2状態ト
レリス構造を模式的に示す図。
【図9】 二進1+D+0*D2においてビタビアルゴ
リズムを用いる、本発明に従って用いられる二重状態ト
レリス構造を模式的に示す図。
【符号の説明】
202 従来技術に係る加算/比較/選択回路 210、212 加算器 214 比較器 216 2対1マルチプレクサ 300 検出システム 302 分岐規準計算プロセッサ 304 正規化プロセッサ 306 ACSプロセッサ 308 状態規準メモリ 309 経路メモリ 310 最尤決定プロセッサ 312 シンボルデコーダ 320 磁気媒体読み出しデバイス 322 有限インパルス応答フィルタ 324 サンプリングプロセッサ 326 ヘッド 328 磁気媒体 602 ACS回路 610、612 加算器 614 比較器 616 2対1マルチプレクサ 702 ACS回路 710、712、714、716 加算器 704 比較器 706、708 2対1マルチプレクサ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596077259 600 Mountain Avenue, Murray Hill, New Je rsey 07974−0636U.S.A. (72)発明者 ジェフリー リー ソンタッグ アメリカ合衆国,18104 ペンシルヴァニ ア,アレンタウン,ホープウェル ドライ ブ 327

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 加算/比較/選択(ACS)回路を有す
    る集積回路において、前記ACS回路は、各々対応する
    直前の状態規準値を有する直前の状態の組から現時点の
    状態に係る現時点の状態規準値を生成する目的でACS
    機能を実行し、前記ACS回路が、 前記直前の状態の組に係るそれぞれの直前の状態規準値
    のうちの対応するものを受信する複数個の組み合わせ回
    路;ここで、前記複数個の組み合わせ回路の各々は、対
    応する前記直前の状態規準値を前記直前の状態の組のう
    ちの対応するものと前記現時点の状態との間の遷移に関
    して規定された対応する分岐規準値と組み合わせて対応
    する更新された状態規準値を生成する;この際、各分岐
    規準値は互いに等価である;前記直前の状態の組に係る
    前記直前の状態規準値の各々を比較して最小値である直
    前の状態規準値のうちの一つを決定しそれに対応する選
    択信号を生成する比較回路;及び、 前記選択信号に応答して、前記現時点での状態規準値と
    して、前記複数個の組み合わせ回路のうちの前記直前の
    状態規準値の最小値を受信した前記一つの組み合わせ回
    路によって生成された対応する更新された状態規準値を
    選択するマルチプレクサ;を有しており、前記ACS回
    路が二重状態トレリス構造をインプリメントするように
    適合されていることを特徴とする加算/比較/選択回
    路。
  2. 【請求項2】 前記複数個の組み合わせ回路が第一加算
    回路及び第二加算回路であり、前記直前の状態の組が第
    一直前状態及び第二直前状態を含んでおり、前記第一加
    算回路が前記第一直前状態に対応する前記直前状態規準
    値と前記分岐規準値とを組み合わせ、前記第二加算回路
    が前記第二直前状態に対応する前記直前状態規準値と前
    記分岐規準値とを組み合わせ、前記比較器が前記第一直
    前状態及び第二直前状態に係る前記それぞれの直前状態
    規準値を比較して前記最小直前状態規準値を検出し、及
    び、前記マルチプレクサが、前記最小値であると決定さ
    れた対応する前記直前状態規準値を受信して、前記第一
    及び第二加算回路の対応するものによって生成された前
    記更新された直前の状態規準値の一方を選択することを
    特徴とする請求項第1項に記載の加算/比較/選択回
    路。
  3. 【請求項3】 前記現時点の状態が第一現在状態及び第
    二現在状態のうちのいずれかであり、前記ACS回路が
    前記第一及び第二現在状態のそれぞれに対応する状態規
    準値を生成し、前記複数個の組み合わせ回路が、さら
    に、組み合わせ回路の第一の組及び組み合わせ回路の第
    二の組を有しており、組み合わせ回路の前記第一の組の
    うちの各々が前記直前の状態規準値の各々を対応する第
    一分岐規準値を組み合わせて対応する第一更新済み状態
    規準値を生成し、前記第一分岐規準値は各々前記それぞ
    れの直前の状態と前記第一現在状態との間で定義されて
    いて各々互いに等価であり、組み合わせ回路の前記第二
    の組のうちの各々が前記直前の状態規準値の各々を対応
    する第二分岐規準値を組み合わせて対応する第二更新済
    み状態規準値を生成し、前記第二分岐規準値は各々前記
    それぞれの直前の状態と前記第二現在状態との間で定義
    されていて各々互いに等価であり;及び、前記マルチプ
    レクサが、前記選択信号に応答して、それぞれ第一及び
    第二現在状態規準値を選択し、それぞれが前記最小直前
    状態規準値を受信する前記複数個の組み合わせ回路のう
    ちの対応するものによって生成された第一更新済み状態
    規準値及び第二更新済み状態規準値であること;を特徴
    とする請求項第1項に記載の加算/比較/選択回路。
  4. 【請求項4】 前記組み合わせ回路の前記第一の組が第
    一直前状態規準値を受信する第一加算回路及び第二直前
    状態規準値を受信する第二加算回路であり、前記組み合
    わせ回路の前記第二の組が前記第二直前状態規準値を受
    信する第三加算回路及び前記第一直前状態規準値を受信
    する第四加算回路であり、前記第一加算回路及び第二加
    算回路が各々第一及び第二直前状態規準値のそれぞれ対
    応するものを前記第一及び第二直前状態から前記第一現
    在状態への前記遷移に係る各々の分岐規準値と組み合わ
    せ、前記第三加算回路及び第四加算回路が各々第一及び
    第二直前状態規準値のそれぞれ対応するものを前記第一
    及び第二直前状態から前記第二現在状態への前記遷移に
    係る各々の分岐規準値と組み合わせ;前記比較回路が前
    記第一直前状態規準値と前記第二直前状態規準値とを比
    較し;及び、前記マルチプレクサが、前記第一及び第二
    加算回路の対応する前記第一更新済み状態規準値を受信
    する第一マルチプレクサ及び前記第三及び第四加算回路
    の対応する前記第二更新済み状態規準値を受信する第二
    マルチプレクサを有しており;前記第一マルチプレクサ
    が前記最小直前状態規準値を受信する前記第一及び第二
    加算回路のうちの一つに対応する前記第一更新済み状態
    規準値を前記第一現在状態規準値として選択し、前記第
    二マルチプレクサが前記最小直前状態規準値を受信する
    前記第三及び第四加算回路のうちの一つに対応する前記
    第二更新済み状態規準値を前記第二現在状態規準値とし
    て選択すること;を特徴とする請求項第3項に記載の加
    算/比較/選択回路。
  5. 【請求項5】前記ACS回路がチャネル出力サンプル信
    号を受信するシーケンス検出回路に含まれており、チャ
    ネル出力信号の各々がシンボルから導出されており、チ
    ャネル出力サンプル信号シーケンスにおける連続した対
    が直前及び現在状態の組の連続した対によって特徴づけ
    られており、前記シーケンス検出回路が、さらに、 所定の時間期間内に受信されたチャネル出力サンプル信
    号シーケンスの一部分のうちの受信された一つのチャネ
    ル出力サンプル信号に基づいて対応する各々の直前状態
    から前記現在状態への各々の遷移に係る前記分岐規準値
    を計算する分岐規準計算手段;前記直前状態の前記連続
    する組のうちの各々の直前状態に係るそれぞれの直前状
    態規準値をストアする状態規準メモリ;複数個の経路選
    択をストアする経路メモリ;ここで、各々の状態選択は
    前記選択信号に対応する前記直前状態と前記現在状態の
    組の連続した対間で再帰的に定義されている;及び、 前記受信された一チャネル出力サンプル信号より前に受
    信されたチャネル出力サンプル信号シーケンスの前記一
    部におけるそれ以前のチャネル出力サンプル信号に対応
    するデータシンボル値を検出する検出手段;ここで、当
    該検出手段は、現在状態に対応する前記受信された一チ
    ャネル出力サンプル信号に関して決定された経路選択に
    おいて終了する複数個の経路選択よりなるシーケンスに
    基づいて前記データシンボル値を検出する;を有するこ
    とを特徴とする請求項第1項に記載の加算/比較/選択
    回路。
  6. 【請求項6】 前記シーケンス検出回路が、時期記録チ
    ャネルから変調符号化済みデータを受信し当該変調符号
    化済みデータを復調して受信されたチャネル出力サンプ
    ル信号シーケンスを生成する磁気媒体読み取りデバイス
    に含まれていることを特徴とする請求項第5項に記載の
    加算/比較/選択回路。
  7. 【請求項7】 前記ACS回路が、通信チャネルから変
    調済み符号化データを受信する通信レシーバのデコーダ
    に含まれており、当該通信レシーバが前記変調済み符号
    化データを復調して前記受信されたチャネル出力サンプ
    ル信号として符号化済みデータを生成し、前記エンコー
    ドされたデータが前記シンボルシーケンスとして畳み込
    み符号化されたものであり、前記ACS回路が当該畳み
    込み符号化による符号化済みデータをデコードすること
    を特徴とする請求項第5項に記載の加算/比較/選択回
    路。
  8. 【請求項8】 前記二重状態トレリス構造が状態トレリ
    ス構造に関連するものであり、当該状態トレリス構造が
    現在状態を含みかつ対応する数の状態遷移を有する状態
    の組から導出されたものであり、前記二重状態トレリス
    構造が、前記状態トレリス構造の前記状態の組の各々の
    状態に係る対応する状態遷移の個数と等価な数の、前記
    現在状態に係る状態遷移を有しているという点で前記状
    態トレリス構造に関連していることを特徴とする請求項
    第1項に記載の加算/比較/選択回路。
  9. 【請求項9】 前記二重状態トレリス構造の前記受信さ
    れたチャネル出力サンプル信号シーケンスが、チャネル
    長メモリNを有し、H(D)=h0+h1D+...+h
    NNと規定されるチャネル応答多項式;ここで、hN
    0である;によって表現されることを特徴とする請求項
    第8項に記載の加算/比較/選択回路。
  10. 【請求項10】 前記二重状態トレリス構造が各シンボ
    ルが二進値を表わすようにインプリメントされており、
    H(D)=h0+h1D+...+hN-1N-1と規定され
    るチャネル応答多項式を有する前記状態トレリス構造に
    おけるある個数の前記状態の組が、H(D)=h0+h1
    D+...+hN-1N-1+0DNと規定されるチャネル
    応答多項式を有する二重状態トレリス構造を構成するよ
    うに増加させられていることを特徴とする請求項第9項
    に記載の加算/比較/選択回路。
  11. 【請求項11】 分岐規準計算器を有する最尤(Maximu
    m Likelihodd)シーケンス検出器において、前記分岐規
    準計算器は直前の状態の組の各々から現在状態への各々
    の遷移に係る対応する分岐規準値(BMk)をチャネル
    出力sなんぷる信号シーケンスの受信されたチャネル出
    力サンプル信号に基づいて計算し、前記直前状態の前記
    組の各々が対応する直前状態規準値(SMt)を有して
    おり;ここで、k及びtは整数である;前記検出器が、 前記現在状態kに係る現在状態分岐規準値(SMk)を
    生成する加算/比較/選択(ACS)機能を実行する回
    路;ここで、当該回路は前記直前状態の前記組に係る二
    重状態トレリス構造をインプリメントし、当該二重状態
    トレリス構造が前記現在状態kへの遷移を行なう前記直
    前状態の前記組のうちのM個の直前状態よりなる少なく
    とも一つの組に関して前記現在状態kへの当該対応する
    遷移の各々が対応する互いに等価な分岐規準値BMk
    有するように定義されている;ここでMは整数である;
    を有しており、当該回路が、 【数1】 を計算するプロセッサを有していることを特徴とする最
    尤シーケンス検出器。
  12. 【請求項12】 前記二重状態トレリス構造がM=2で
    あるような二進の場合に関して定義されており、かつ、
    前記現在状態kがX個の現在状態のうちの一つであって
    当該X個の現在状態のうちの第一の対のうちの各々が前
    記M個の直前状態の前記一つの組に係る対応する互いに
    等価な分岐規準値を有しており、前記X個の現在状態の
    うちの第二の対のうちの各々が前記M個の直前状態より
    なる前記一つの組を含まない前記M個の直前状態よりな
    る別の組に係る対応する分岐規準値を有しており、当該
    第二の対に係る当該対応する分岐規準値が互いに等価で
    あることを特徴とする請求項第11項に記載の最尤シー
    ケンス検出器。
  13. 【請求項13】 前記プロセッサが、前記X個の現在状
    態のうちの少なくとも前記第一及び第二の対に関しては
    並列に前記X個の現在状態の対応する現在状態規準値の
    各々を計算することを特徴とする請求項第12項に記載
    の最尤シーケンス検出器。
  14. 【請求項14】 加算/比較/選択(ACS)機能を実
    行して各々対応する直前状態規準値を有する直前状態の
    組から現在状態に係る現在状態規準値を生成する方法に
    おいて、当該方法が、 a)前記直前状態の前記組に係る対応する前記直前状態
    規準値の各々を前記直前状態の前記組のうちの対応する
    ものから前記現在状態への遷移に関して規定された対応
    する分岐規準値と組み合わせる段階;このことによっ
    て、対応する更新済み状態規準値が生成される;ここ
    で、前記各分岐規準値は互いに等価である; b)最小値である一つの前記直前状態規準値を決定する
    目的で前記直前状態の前記組に係る前記直前状態規準値
    の各々を比較する段階; c)最小値である前記一つの直前状態規準値に対応する
    選択信号を生成する段階;及び、 d)前記選択信号に応答して、前記最小直前状態規準値
    と前記対応する分岐規準値との組み合わせから生成され
    た対応する前記更新済み状態規準値を前記現在状態規準
    値として選択する段階;を有することを特徴とする加算
    /比較/選択機能実行方法。
  15. 【請求項15】 各々対応する直前状態規準値(S
    t)を有する直前状態の組から現在状態kに係る現在
    状態規準値を生成する目的で加算/比較/選択機能を実
    行する方法において;ここで、k及びtは整数である;
    当該方法が、 a)チャネル出力サンプル信号シーケンスよりなる受信
    されたチャネル出力サンプル信号に基づいて前記直前状
    態の前記組の各々から前記現在状態kへの各々の遷移に
    係る対応する分岐規準値(BMk)を計算する段階; b)前記直前状態の前記組に係る二重状態トレリス構造
    をインプリメントする段階;ここで、当該二重状態トレ
    リス構造は、前記現在状態kへの遷移を行なう前記直前
    状態の前記組のうちのM個の直前状態よりなる組に関し
    て、前記現在状態kへの前記対応する遷移の各々が互い
    に等価な対応する分岐規準値BMkを有するように規定
    されている;及び、 c)前記現在状態規準値(SMk)を 【数2】 として計算する段階;を有することを特徴とする加算/
    比較/選択機能実行方法。
JP08388699A 1998-03-26 1999-03-26 加算/比較/選択回路、最尤シーケンス検出器、及び加算/比較/選択機能実行方法 Expired - Fee Related JP3261109B2 (ja)

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