JPH11354280A - 発光素子 - Google Patents

発光素子

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JPH11354280A
JPH11354280A JP11096178A JP9617899A JPH11354280A JP H11354280 A JPH11354280 A JP H11354280A JP 11096178 A JP11096178 A JP 11096178A JP 9617899 A JP9617899 A JP 9617899A JP H11354280 A JPH11354280 A JP H11354280A
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JP
Japan
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light
phosphor
emitting
light emitting
emitting device
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Application number
JP11096178A
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English (en)
Inventor
Toru Kohama
亨 小濱
Yoshio Himeshima
義夫 姫島
Shigeo Fujimori
茂雄 藤森
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Toray Industries Inc
Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】発光効率が高く、高輝度で色純度に優れた、発
光素子を提供する。 【解決手段】正極と負極の間に発光を司る物質が存在
し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素
子がストークスシフトが50nm以下の蛍光体を含むこ
とを特徴とするもので、発光効率が高く、高輝度で色純
度に優れた、有機薄膜発光素子を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電気エネルギーを
光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネ
ルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標
識、看板、電子写真機、光信号発生器などの分野に利用
可能な発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】負極から注入された電子と正極から注入
された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する
際に発光する有機積層薄膜発光素子の研究が近年活発に
行われている。この素子は、薄型、低駆動電圧下での高
輝度発光、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が特徴で
ある。
【0003】有機積層薄膜素子が高輝度に発光すること
は、コダック社のC.W.Tangらによって初めて示
された(Appl.Phys.Lett.51(12)
21、p.913、1987)。コダック社の提示した
有機積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス
基板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層であり、
電子輸送性も併せ持った8−ヒドロキシキノリンアルミ
ニウム、そして負極としてMg:Agを順次設けたもの
であり、10V程度の駆動電圧で1000カンデラ/平
方メートルの緑色発光が可能であった。現在の有機積層
薄膜発光素子は、上記の素子構成要素の他に、電子輸送
層を別に設けているものなど構成を変えているものもあ
るが、基本的にはコダック社の構成を踏襲している。
【0004】発光層のホスト材料としては、トリス(8
−キノリノラト)アルミニウムを始めとする金属キレー
ト化オキシノイド化合物、ジアリールブタジエン誘導
体、スチルベン誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベ
ンゾチアゾール誘導体(特開昭63−264692号公
報)などがあげられる。
【0005】一方、ゲスト材料としてのドーパント材料
には、レーザー染料として有用であることが知られてい
る、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリンを始めと
する蛍光性クマリン染料、ジシアノメチレンピラン染
料、ジシアノメチレンチオピラン染料、ポリメチン染
料、シアニン染料、オキソベンズアンスラセン染料、キ
サンテン染料、ローダミン染料、フルオレセイン染料、
ピリリウム染料、カルボスチリル染料、ペリレン染料、
アクリジン染料、ビス(スチリル)ベンゼン染料、ピレ
ン染料、オキサジン染料、フェニレンオキサイド染料
(特開昭63−264692号公報)、ペリレン、テト
ラセン、ペンタセン(特開平2−261889号公
報)、キナクリドン化合物、キナゾリン化合物(特開平
5−70773号公報)ピロロピリジン化合物、フロピ
リジン化合物(特開平5−222360号公報)、1,
2,5−チアジアゾロピレン誘導体(特開平5−222
361号公報)、ペリノン誘導体(特開平5−2796
62号公報)、ピロロピロール化合物(特開平5−32
0663号公報)、スクアリリウム化合物(特開平6−
93257号公報)、ビオラントロン化合物(特開平7
−90259号公報)、フェナジン誘導体(特開平7−
102250号公報)、アクリドン化合物(特開平8−
67873号公報)、ジアザフラビン誘導体(特開平9
−78058号公報)などが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の技術で
は発光素子の発光効率が芳しくなく、高輝度を得ること
が難しかった。また色純度の向上も課題であった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、正極と負極の
間に発光を司る物質が存在し、電気エネルギーにより発
光する素子であって、該素子がストークスシフトが50
nm以下の蛍光体を含み、さらにはフラン骨格を有する
化合物を含むことを特徴とする発光素子である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明における正極は、光を取り
出すために透明であれば、酸化錫、酸化インジウム、酸
化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、あ
るいは、金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅
などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロー
ル、ポリアニリンなどの導電性ポリマなど特に限定され
るものでないが、ITOガラスやネサガラスを用いるこ
とが特に望ましい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分
な電流が供給できればよいので限定されないが、素子の
消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例
えば300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極と
して機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給
も可能になっていることから、20Ω/□以下の低抵抗
の基板を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは
抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常100
〜300nmの間で用いられることが多い。また、ガラ
ス基板はソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが
用いられ、また厚みも機械的強度を保つのに十分な厚み
があればよいので、0.7mm以上あれば十分である。
ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少
ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、
SiO2などのバリアコートを施したソーダライムガラ
スも市販されているのでこれを使用できる。ITO膜形
成方法は、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、化学
反応法など特に制限を受けるものではない。
【0009】本発明における負極は、電子を効率よく、
発光を司る物質または発光を司る物質に隣接する物質
(例えば電子輸送層)に注入できる物質であれば特に限
定されない。一般的には白金、金、銀、銅、鉄、錫、ア
ルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム、カルシウム、マグネシウムなどがあげられる。電
子注入効率を上げて素子特性を向上させるためには、リ
チウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシ
ウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効であ
る。しかし、これら低仕事関数金属は一般に大気中で不
安定であることが多く、電極保護のために白金、金、
銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金
属、またはこれらの金属を用いた合金、そしてシリカ、
チタニアなどの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビ
ニルなどのポリマを積層することが好ましい。これらの
電極の作製法も、抵抗加熱法蒸着、電子ビーム蒸着法、
スパッタリング法、イオンプレーティング法、コーティ
ング法など導通を取ることができれば、特に制限されな
い。
【0010】本発明における発光を司る物質の構成は、
1)正孔輸送材料/発光材料、2)正孔輸送材料/発光
材料/電子輸送材料、3)発光材料/電子輸送材料、そ
して、4)以上の組合わせ物質を一層に混合した形態、
のいずれであってもよい。即ち、上記1)〜3)の多層
積層構造の他に,4)のように発光材料単独または発光
材料と正孔輸送材料、あるいは発光材料と正孔輸送材料
および電子輸送材料を含む層を一層設けるだけでもよ
い。
【0011】発光材料はホスト材料のみでも、ホスト材
料とドーパント材料の組み合わせでも、いずれであって
もよい。また、ドーパント材料はホスト材料の全体に含
まれていても、部分的に含まれていても、いずれであっ
てもよい。ドーパント材料は積層されていても、分散さ
れていても、いずれであってもよい。
【0012】本発明における正孔輸送材料としては、電
界を与えられた電極間において正極からの正孔を効率良
く輸送することが必要で、正孔注入効率が高く、注入さ
れた正孔を効率良く輸送することが望ましい。そのため
にはイオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度
が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物
が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが
要求される。このような条件を満たす物質として、特に
限定されるものではないが、ビスカルバゾリル誘導体、
TPD、m−MTDATA、α−NPDなどのトリフェ
ニルアミン誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化
合物、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体や
フタロシアニン誘導体に代表される複素環化合物、ポリ
ビニルカルバゾール、ポリシランなどの既知の正孔輸送
材料を使用できる。これらの正孔輸送材料は単独でも用
いられるが、異なる正孔輸送材料と積層または混合して
使用しても構わない。
【0013】本発明における発光材料はストークスシフ
トが50nm以下の蛍光体を含有する。ここで図1に示
すようにストークスシフト1は蛍光体の蛍光スペクトル
のピーク波長3と励起スペクトルのピーク波長2の差で
ある。ストークスシフトは励起された蛍光体の振動や回
転による準位の降下を示し、ストークスシフトが大きい
と失われるエネルギーは大きい。それゆえ図2に示した
ようなストークスシフトが小さい蛍光体は蛍光の量子収
率が高く、有機積層薄膜発光素子に用いた場合に高い発
光効率を得ることができる可能性がある。
【0014】ストークスシフトが小さい蛍光体はドーピ
ング法を用いた青色発光の際にさらに利便性を発揮す
る。ドーピング法はホスト材料に微量のドーパント材料
を含有させ、発光効率を向上させたり、発光色を変化さ
せるものである。図3に示したようにドーピング法では
ホスト分子からドーパント分子へのエネルギー移動は、
高エネルギー側より低エネルギー側に行われるので、基
本的に発光ピークの移動9は短波長側から長波長側にし
か行われず、また、ホスト分子の蛍光スペクトル6とド
ーパント分子の励起スペクトル7の重なり4が必要とな
るので、ストークスシフトの大きい青色蛍光ドーパント
分子を発光させるには、ホスト分子には紫外域の発光が
要求されることになってしまう。図4に示したようにス
トークスシフトが小さいドーパント分子を選択すること
ができれば、ホスト分子からの発光は青色のままでも充
分であり、さらに図5に示したようにホスト分子の蛍光
スペクトル6とドーパント分子の励起スペクトル7をう
まく重ねてやることができれば、見かけ上は長波長側か
ら短波長側へ発光ピークの移動ができるようになる。
【0015】上記の用件を満たす蛍光体を従来の蛍光体
の中から探し出すのは容易ではなく、我々は新規な蛍光
体を合成することで見出すことができた。合成のヴァリ
エーションが多く各種の誘導体を得ることができること
から、蛍光体は複素環を含む化合物であることが好まし
い。中でもフラン環を含む化合物であることが好まし
く、イソベンゾフラン環を含む化合物であることがより
好ましい。イソベンゾフラン骨格を有する化合物はホス
ト材料として用いてもかまわないが、ドーパント材料と
して好適に用いられる。イソベンゾフラン骨格を有する
化合物は、蛍光量子効率が高く、その蛍光スペクトルの
ピークはシャープで色純度が良好である。また、蛍光ス
ペクトルと励起スペクトルのピーク波長の差(ストーク
スシフト)が小さく、効率よくホスト材料の発光波長を
変換することが出来る。イソベンゾフラン骨格を有する
化合物は、赤色発光材料や緑色発光材料として用いても
かまわないが、青色発光材料として好適に用いられる。
【0016】上記のイソベンゾフラン骨格を有する化合
物として、具体的には下記のような構造があげられる。
蛍光・励起スペクトルはエタノール中で測定した。
【0017】
【化1】
【0018】
【化2】
【0019】
【化3】
【0020】発光材料に添加するドーパント材料は、イ
ソベンゾフラン骨格を有する化合物一種のみに限る必要
はなく、イソベンゾフラン骨格を有する化合物を混合し
て用いたり、既知のドーパント材料の一種類以上をイソ
ベンゾフラン骨格を有する化合物と混合して用いてもよ
い。具体的には従来から知られている、ペリレン、ルブ
レンなどの縮合環誘導体、キナクリドン誘導体、フェノ
キサゾン660、DCM1、ペリノン、クマリン誘導体
などがそのまま使用できる。
【0021】ホスト材料としては特に限定されるもので
はないが、以前から発光体として知られていたアントラ
センやピレンなどの縮合環誘導体、トリス(8−キノリ
ノラト)アルミニウムを始めとする金属キレート化オキ
シノイド化合物、ビススチリルアントラセン誘導体やジ
スチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テ
トラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキ
サジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン
誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾール
誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ポリマー系で
は、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレ
ン誘導体、そして、ポリチオフェン誘導体などが使用で
きる。
【0022】本発明における電子輸送性材料としては、
電界を与えられた電極間において負極からの電子を効率
良く輸送することが必要で、電子注入効率が高く、注入
された電子を効率良く輸送することが望ましい。そのた
めには電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大き
く、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造
時および使用時に発生しにくい物質であることが要求さ
れる。このような条件を満たす物質として、8−ヒドロ
キシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘
導体金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属
錯体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフタレン、
クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン
誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナ
ントロリン誘導体などがあるが特に限定されるものでは
ない。これらの電子輸送材料は単独でも用いられるが、
異なる電子輸送材料と積層または混合して使用しても構
わない。
【0023】以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に
用いられる材料は単独で各層を形成することができる
が、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネ
ート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾー
ル)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリ
レート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレ
ンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン
樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロー
ス、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂などの
溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石
油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステ
ル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂
などの硬化性樹脂などに分散させて用いることも可能で
ある。
【0024】本発明における発光を司る物質の形成方法
は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング
法、分子積層法、コーティング法など特に限定されるも
のではないが、通常は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着
が特性面で好ましい。層の厚みは発光を司る物質の抵抗
値にもよるので限定できないが、経験的には10〜10
00nmの間から選ばれる。
【0025】本発明における電気エネルギーとは主に直
流電流を指すが、パルス電流や交流電流を用いることも
可能である。電流値および電圧値は特に制限はないが、
素子の消費電力、寿命を考慮すると、できるだけ低いエ
ネルギーで最大の輝度が得られるようにするべきであ
る。
【0026】本発明の発光素子はマトリクスまたはセグ
メント方式、あるいはその両者を組み合わせることによ
って表示するディスプレイを構成することが好ましい。
【0027】本発明におけるマトリクスは、表示のため
の画素が格子状に配置されたものをいい、画素の集合で
文字や画像を表示する。画素の形状、サイズは用途によ
って決まる。例えばパソコン、モニター、テレビの画像
および文字表示には、通常、一辺が300μm以下の四
角形の画素が用いられるし、表示パネルのような大型デ
ィスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用い
ることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を
配列すればよいが、カラー表示の場合には赤、緑、青の
画素を並べて表示させる。この場合典型的にはデルタタ
イプとストライプタイプがある。尚、本発明における発
光素子は、赤、緑、青色発光が可能であるので、前記表
示方法を用いれば、マルチカラーまたはフルカラー表示
もできる。そして、このマトリクスの駆動方法として
は、線順次駆動方法やアクティブマトリクスのどちらで
もよい。線順次駆動の方が構造が簡単という利点がある
が、動作特性を考慮するとアクティブマトリクスの方が
優れる場合があるので、これも用途により使い分けるこ
とが必要である。
【0028】本発明におけるセグメントタイプは、予め
決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決
められた領域を発光させる。例えば、デジタル時計や温
度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調
理器などの動作状態表示、自動車のパネル表示などがあ
げられる。そして、前記マトリクス表示とセグメント表
示は同じパネルの中に共存していてもよい。
【0029】本発明の発光素子はバックライトとしても
好ましく用いられる。本発明におけるバックライトは、
主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に
使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動
車パネル、表示板、標識などに使用される。特に液晶表
示装置、中でも薄型化が課題となっているパソコン用途
のバックライトとしては、従来方式のものが蛍光灯や導
光板からなっているため薄型化が困難であることを考え
ると、本発明におけるバックライトは薄型、軽量が特徴
になる。
【0030】
【実施例】以下、実施例および比較例をあげて本発明を
説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるも
のではない。
【0031】実施例1 ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板
(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を30
×40mmに切断、エッチングを行った。得られた基板
をアセトン、セミコクリン56で各々15分間超音波洗
浄してから、超純水で洗浄した。続いてイソプロピルア
ルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに
15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を素子を作製
する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内
に設置して、装置内の真空度が5×10-5Pa以下にな
るまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正孔輸送材
料として4,4’−ビス(N−(m−トリル)−N−フ
ェニルアミノ)ビフェニルを100nm蒸着した。次に
ホスト材料としてビス(2−メチルキノリノラート)
(2−ピリジノラート)アルミニウム(III)を、ドー
パント材料として1,3−ジ(2−メチルフェニル)イ
ソベンゾフランを用いて、ドーパントが1wt%になる
ように30nmの厚さに共蒸着し、ホスト材料を70n
mの厚さに積層した。ホスト材料としてのビス(2−メ
チルキノリノラート)(2−ピリジノラート)アルミニ
ウム(III)の蛍光ピーク波長は471nmであり、ド
ーパント材料としての1,3−ジ(2−メチルフェニ
ル)イソベンゾフランのエタノール中の励起ピーク波長
は446nm、蛍光ピーク波長は467nmであり、ス
トークスシフトは38nmであった。次にリチウムを
0.5nm、アルミニウムを200nm蒸着して陰極と
し、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は
表面粗さ計での測定値で補正した水晶発振式膜厚モニタ
ー表示値である。この発光素子の発光開始電圧は4V
で、最高輝度は5910カンデラ/平方メートルであっ
た。発光ピーク波長490nmの色純度に優れたドーパ
ントからの良好な青色発光が得られた。
【0032】比較例1 ドーパント材料を用いなかった以外は実施例1と全く同
様にして作製した素子の発光開始電圧は4Vで、発光ピ
ーク波長510nmの色純度の悪いホスト材料からの緑
色がかった青色発光しか得られなかった。
【0033】比較例2 ドーパント材料としてコロネンを用いた以外は実施例1
と全く同様にして素子を作製した。コロネンのエタノー
ル溶液中の励起ピーク波長は340nm、蛍光ピーク波
長は437、447、453、474nmであり、スト
ークスシフトは97nmであった。発光ピーク波長51
0nmの色純度の悪いホスト材料からの緑色がかった青
色発光しか得られなかった。
【0034】実施例2 ドーパント材料として1−メシチル−3−フェニルイソ
ベンゾフランを用いた以外は実施例1と全く同様にして
素子を作製した。1−メシチル−3−フェニルイソベン
ゾフランのエタノール溶液中の励起ピーク波長は432
nm、蛍光ピーク波長は464nmであり、ストークス
シフトは32nmであった。発光開始電圧は4Vで、最
高輝度は3640カンデラ/平方メートルであった。発
光ピーク波長487nmの色純度に優れた良好な青色発
光が得られた。
【0035】実施例3 ホスト材料に4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニ
ル)ビフェニルを用いた以外は実施例2と全く同様にし
て作製した素子を駆動させたところ、ドーパント材料か
らの色純度に優れた良好な青色発光が得られた。
【0036】実施例4 ドーパント材料として1,1’−ビス(フェニルイソベ
ンゾフラン)を用いた以外は実施例1と全く同様にして
素子を作製した。1,1’−ビス(フェニルイソベンゾ
フラン)のエタノール溶液中の励起ピーク波長は406
nm、蛍光ピーク波長は441nmであり、ストークス
シフトは35nmであった。発光開始電圧は4Vで、最
高輝度は6520カンデラ/平方メートルであった。発
光ピーク波長490nmの色純度に優れた良好な青色発
光が得られた。
【0037】実施例5 正孔輸送材料として4,4’−ビス(N−(m−トリ
ル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを100nm蒸
着し、ホスト材料として4,4’−ビス(N−(m−ト
リル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを用い、ドー
パント材料として1,3−ジメシチルイソベンゾフラン
を用いて、ドーパントが1wt%になるように30nm
の厚さに共蒸着し、次に電子輸送材料として2,9−ジ
メチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロ
リンを70nmの厚さに積層した以外は実施例1と全く
同様にして素子を作製した。ホスト材料としての4,
4’−ビス(N−(m−トリル)−N−フェニルアミ
ノ)ビフェニルの蛍光ピーク波長は427nmであり、
1,3−ジメシチルイソベンゾフランのエタノール溶液
中の励起ピーク波長は399nm、蛍光ピーク波長は4
39nmであり、ストークスシフトは40nmであっ
た。発光開始電圧は4Vで、最高輝度は826カンデラ
/平方メートルであった。発光ピーク波長464nmの
色純度に優れた良好な青色発光が得られた。
【0038】実施例6 ドーパント材料として3,4;8,9−ジベンゾピレン
(ジベンゾ(b,def)クリセン)を用いた以外は実
施例1と全く同様にして素子を作製した。3,4;8,
9−ジベンゾピレンのエタノール溶液中の励起ピーク波
長は424,450nm、蛍光ピーク波長は456n
m、482nmであり、ストークスシフトは6nmであ
った。この発光素子の発光開始電圧は4Vで、最高輝度
は8000カンデラ/平方メートルであった。発光ピー
ク波長475nmと499nmの色純度に優れた良好な
青色発光が得られた。
【0039】実施例7 ドーパント材料として1,3−ジフェニルイソベンゾフ
ランを用いた以外は実施例1と全く同様にして素子を作
製した。1,3−ジフェニルイソベンゾフランのエタノ
ール溶液中の励起ピーク波長は441nm、蛍光ピーク
波長は460nm、480nmであり、ストークスシフ
トは19nmであった。この発光素子の発光開始電圧は
4Vで、最高輝度は10000カンデラ/平方メートル
であった。発光ピーク波長478nmと494nmの色
純度に優れた良好な青色発光が得られた。
【0040】実施例8 正孔輸送材料として銅フタロシアニンを20nm、3,
3’ビス(エチルカルバゾール)を100nm用いた以
外は実施例7と全く同様にして作製した素子の発光開始
電圧は5Vで、最高輝度は12000カンデラ/平方メ
ートルであった。ドーパント材料からの色純度に優れた
良好な青色発光が得られた。
【0041】実施例9 実施例7で作製した素子を乾燥空気を通したセル内でま
ず10mAで2時間定電流直流駆動させることでエージ
ングさせ、5mA定電流直流駆動れ耐久性を測定したと
ころ、初期輝度は214カンデラ/平方メートルで、輝
度半減時間は40時間であり、500時間以上の連続発
光が観察できた。
【0042】実施例10 ホスト材料に4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニ
ル)ビフェニルを用いた以外は実施例7と全く同様にし
て作製した素子を駆動させたところ、ドーパント材料か
らの色純度に優れた良好な青色発光が得られた。
【0043】実施例11 ホスト材料にキノリノラートリチウムを用いた以外は実
施例7と全く同様にして作製した素子を駆動させたとこ
ろ、ドーパント材料からの色純度に優れた良好な青色発
光が得られた。
【0044】
【発明の効果】本発明は、発光効率が高く、高輝度で色
純度に優れた、発光素子を提供できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】ストークスシフトの説明図(一例)
【図2】ストークスシフトの説明図(一例)
【図3】ドーパント材料を用いた場合のストークスシフ
トの説明図(一例)
【図4】ストークスシフトが小さいドーパント材料を用
いた場合のストークスシフトの説明図(一例)
【図5】ドーパント材料を用いた場合のストークスシフ
トの説明図(一例)
【符号の説明】
1、ストークスシフト 2、励起スペクトルのピーク波長 3、蛍光スペクトルのピーク波長 4、スペクトルの重なり 5、励起スペクトルのピーク波長(ホスト分子) 6、蛍光スペクトルのピーク波長(ホスト分子) 7、励起スペクトルのピーク波長(ドーパント分子) 8、蛍光スペクトルのピーク波長(ドーパント分子) 9、発光ピーク波長の移動
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09K 11/06 655 C09K 11/06 655 660 660

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極と負極の間に発光を司る物質が存在
    し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素
    子が、ストークスシフトが50nm以下の蛍光体を含む
    ことを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】前記蛍光体が複素環を含む化合物であるこ
    とを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 【請求項3】前記蛍光体がフラン環を含む化合物である
    ことを特徴とする請求項2記載の発光素子。
  4. 【請求項4】前記蛍光体がイソベンゾフラン環を含む化
    合物であることを特徴とする請求項3記載の発光素子。
  5. 【請求項5】発光色が青色であることを特徴とする請求
    項1〜4いずれか記載の発光素子。
  6. 【請求項6】該発光素子がマトリクスおよび/またはセ
    グメント方式によって表示するディスプレイを構成する
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれか記載の発光素
    子。
  7. 【請求項7】該発光素子がバックライトであることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれか記載の発光素子。
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