JP4048645B2 - 発光素子 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気エネルギーを光に変換できる素子であって、表示素子、フラットパネルディスプレイ、バックライト、照明、インテリア、標識、看板、電子写真機、光信号発生器などの分野に利用可能な発光素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
負極から注入された電子と正極から注入された正孔が両極に挟まれた有機蛍光体内で再結合する際に発光する有機積層薄膜発光素子の研究が近年活発に行われている。この素子は、薄型、低駆動電圧下での高輝度発光、蛍光材料を選ぶことによる多色発光が特徴である。
【0003】
有機積層薄膜素子が高輝度に発光することは、コダック社のC.W.Tangらによって初めて示された(Appl.Phys.Lett.51(12)21、p.913、1987)。コダック社の提示した有機積層薄膜発光素子の代表的な構成は、ITOガラス基板上に正孔輸送性のジアミン化合物、発光層であり、電子輸送性も併せ持った8−ヒドロキシキノリンアルミニウム、そして負極としてMg:Agを順次設けたものであり、10V程度の駆動電圧で1000カンデラ/平方メートルの緑色発光が可能であった。現在の有機積層薄膜発光素子は、上記の素子構成要素の他に、電子輸送層を別に設けているものなど構成を変えているものもあるが、基本的にはコダック社の構成を踏襲している。
【0004】
発光層のホスト材料としては、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを始めとする金属キレート化オキシノイド化合物、ジアリールブタジエン誘導体、スチルベン誘導体、ベンズオキサゾール誘導体、ベンゾチアゾール誘導体(特開昭63−264692号公報)などがあげられる。
【0005】
一方、ゲスト材料としてのドーパント材料には、レーザー染料として有用であることが知られている、7−ジメチルアミノ−4−メチルクマリンを始めとする蛍光性クマリン染料、ジシアノメチレンピラン染料、ジシアノメチレンチオピラン染料、ポリメチン染料、シアニン染料、オキソベンズアンスラセン染料、キサンテン染料、ローダミン染料、フルオレセイン染料、ピリリウム染料、カルボスチリル染料、ペリレン染料、アクリジン染料、ビス(スチリル)ベンゼン染料、ピレン染料、オキサジン染料、フェニレンオキサイド染料(特開昭63−264692号公報)、ペリレン、テトラセン、ペンタセン(特開平2−261889号公報)、キナクリドン化合物、キナゾリン化合物(特開平5−70773号公報)ピロロピリジン化合物、フロピリジン化合物(特開平5−222360号公報)、1,2,5−チアジアゾロピレン誘導体(特開平5−222361号公報)、ペリノン誘導体(特開平5−279662号公報)、ピロロピロール化合物(特開平5−320663号公報)、スクアリリウム化合物(特開平6−93257号公報)、ビオラントロン化合物(特開平7−90259号公報)、フェナジン誘導体(特開平7−102250号公報)、アクリドン化合物(特開平8−67873号公報)、ジアザフラビン誘導体(特開平9−78058号公報)などが知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、従来技術に用いられる発光材料(ホスト材料、ドーパント材料)には、発光効率が低く消費電力が高いものや、化合物の耐久性が低く素子寿命の短いものが多かった。また、フルカラーディスプレイとして赤色、緑色、青色の三原色発光が求められているが、赤色、青色発光においては、発光波長を満足させるものは少なく、発光ピークの幅も広く色純度が良いものは少ない。中でも青色発光において、耐久性に優れ十分な輝度と色純度特性を示すものが必要とされている。
【0007】
本発明は、かかる従来技術の問題を解決し、発光効率が高く、高輝度で色純度に優れた発光素子を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記目的を達成するために、正極と負極の間に発光を司る物質が存在し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素子が下記一般式で表される化合物を含み、該化合物がドーパント材料であることを特徴とする発光素子とするものである。
【0009】
【化
Figure 0004048645
【0010】
(ここでR 14 はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、アミノ基、シリル基、シロキサニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環、複素環および脂肪族環の中から選ばれる。)
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明における正極は、光を取り出すために透明であれば、酸化錫、酸化インジウム、酸化錫インジウム(ITO)などの導電性金属酸化物、あるいは、金、銀、クロムなどの金属、ヨウ化銅、硫化銅などの無機導電性物質、ポリチオフェン、ポリピロール、ポリアニリンなどの導電性ポリマなど特に限定されるものでないが、ITOガラスやネサガラスを用いることが特に望ましい。透明電極の抵抗は素子の発光に十分な電流が供給できればよいので限定されないが、素子の消費電力の観点からは低抵抗であることが望ましい。例えば300Ω/□以下のITO基板であれば素子電極として機能するが、現在では10Ω/□程度の基板の供給も可能になっていることから、20Ω/□以下の低抵抗の基板を使用することが特に望ましい。ITOの厚みは抵抗値に合わせて任意に選ぶ事ができるが、通常100〜300nmの間で用いられることが多い。また、ガラス基板はソーダライムガラス、無アルカリガラスなどが用いられ、また厚みも機械的強度を保つのに十分な厚みがあればよいので、0.7mm以上あれば十分である。ガラスの材質については、ガラスからの溶出イオンが少ない方がよいので無アルカリガラスの方が好ましいが、SiO2などのバリアコートを施したソーダライムガラスも市販されているのでこれを使用できる。ITO膜形成方法は、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、化学反応法など特に制限を受けるものではない。
【0012】
本発明における負極は、電子を効率よく、発光を司る物質または発光を司る物質に隣接する物質(例えば電子輸送層)に注入できる物質であれば特に限定されない。一般的には白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウム、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどがあげられる。電子注入効率を上げて素子特性を向上させるためには、リチウム、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムまたはこれら低仕事関数金属を含む合金が有効である。しかし、これら低仕事関数金属は一般に大気中で不安定であることが多く、電極保護のために白金、金、銀、銅、鉄、錫、アルミニウム、インジウムなどの金属、またはこれらの金属を用いた合金、そしてシリカ、チタニアなどの無機物、ポリビニルアルコール、塩化ビニルなどのポリマを積層することが好ましい。これらの電極の作製法も、抵抗加熱法蒸着、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、コーティング法など導通を取ることができれば、特に制限されない。
【0013】
本発明における発光を司る物質の構成は、1)正孔輸送材料/発光材料、2)正孔輸送材料/発光材料/電子輸送材料、3)発光材料/電子輸送材料、そして、4)以上の組合わせ物質を一層に混合した形態、のいずれであってもよい。即ち、上記1)〜3)の多層積層構造の他に,4)のように発光材料単独または発光材料と正孔輸送材料、あるいは発光材料と正孔輸送材料および電子輸送材料を含む層を一層設けるだけでもよい。
【0014】
発光材料はホスト材料のみでも、ホスト材料とドーパント材料の組み合わせでも、いずれであってもよい。また、ドーパント材料はホスト材料の全体に含まれていても、部分的に含まれていても、いずれであってもよい。ドーパント材料は積層されていても、分散されていても、いずれであってもよい。
【0015】
本発明における正孔輸送材料としては、電界を与えられた電極間において正極からの正孔を効率良く輸送することが必要で、正孔注入効率が高く、注入された正孔を効率良く輸送することが望ましい。そのためにはイオン化ポテンシャルが小さく、しかも正孔移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが要求される。このような条件を満たす物質として、特に限定されるものではないが、ビスカルバゾリル誘導体、TPD、m−MTDATA、α−NPDなどのトリフェニルアミン誘導体、ピラゾリン誘導体、スチルベン系化合物、ヒドラゾン系化合物、オキサジアゾール誘導体やフタロシアニン誘導体に代表される複素環化合物、ポリビニルカルバゾール、ポリシランなどの既知の正孔輸送材料を使用できる。これらの正孔輸送材料は単独でも用いられるが、異なる正孔輸送材料と積層または混合して使用しても構わない。
【0016】
本発明における発光材料はフラン骨格を有する化合物を含有する。該フラン骨格を有する化合物はホスト材料として用いてもかまわないが、ドーパント材料として好適に用いられる。ドーピング法はホスト材料に微量のドーパント材料を含有させ、発光色を変化させたり、発光効率を向上させるものである。該フラン骨格を有する化合物は、蛍光量子効率が高く、その蛍光スペクトルのピークはシャープで色純度が良好である。また、蛍光スペクトルと励起スペクトルのピーク波長の差(ストークスシフト)が小さく、効率よくホスト材料の発光波長を変換することが出来る。ドーピング法では、ホスト分子からドーパント分子へのエネルギー移動にはホスト分子の蛍光スペクトルとドーパント分子の励起スペクトルの重なりが必要となり、ドーパント分子の蛍光スペクトルは励起スペクトルよりも長波長であるので、基本的に発光ピークの移動は短波長側から長波長側にしか行われない。しかしストークスシフトが小さいドーパント分子を選択することができれば、見かけ上は長波長側から短波長側へ発光ピークの移動ができるようになる。そこで、該フラン骨格を有する化合物は、赤色発光材料や緑色発光材料として用いてもかまわないが、青色発光材料として好適に用いられる。該フラン骨格を有する化合物を青色発光材料として用いる場合、発光波長のピークは380nm〜510nm程度が好ましい。そして、該フラン骨格を有する化合物を青色発光材料として用いる場合、優れた色純度特性を得るためには、発光波長のピークは420〜500nm程度が好ましい。そこで、該フラン骨格を有する化合物として、下記一般式で表されるジフェニルイソベンゾフラン構造を有する化合物があげられる。
【0017】
【化
Figure 0004048645
【0018】
ここでR 14 はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、アミノ基、シリル基、シロキサニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環、複素環および脂肪族環の中から選ばれる。
【0019】
これらの置換基の説明の内、アルキル基とは例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基などの飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。また、シクロアルキル基とは例えばシクロプロピル、シクロヘキシル、ノルボルニル、アダマンチルなどの飽和脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。また、アラルキル基とは例えばベンジル基、フェニルエチル基などの脂肪族炭化水素を介した芳香族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素と芳香族炭化水素はいずれも無置換でも置換されていてもかまわない。また、アルケニル基とは例えばビニル基、アリル基、ブタジエニル基などの二重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。また、シクロアルケニル基とは例えばシクロペンテニル基、シクロペンタジエニル基、シクロヘキセン基などの二重結合を含む不飽和脂環式炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。また、アルキニル基とは例えばアセチレニル基などの三重結合を含む不飽和脂肪族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。また、アルコキシ基とは例えばメトキシ基などのエーテル結合を介した脂肪族炭化水素基を示し、脂肪族炭化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。また、アルキルチオ基とはアルコキシ基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。また、アリールエーテル基とは例えばフェノキシ基などのエーテル結合を介した芳香族炭化水素基を示し、芳香族炭化水素基は無置換でも置換されていてもかまわない。また、アリールチオエーテル基とはアリールエーテル基のエーテル結合の酸素原子が硫黄原子に置換されたものである。また、アリール基とは例えばフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基、フェナントリル基、ターフェニル基、ピレニル基などの芳香族炭化水素基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。また、複素環基とは例えばフラニル基、チオフェニル基、オキサゾリル基、ピリジル基、キノリニル基、カルバゾリル基などの炭素以外の原子を有する環状構造基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。ハロゲンとはフッ素、塩素、臭素、ヨウ素を示す。ハロアルカン、ハロアルケン、ハロアルキンとは例えばトリフルオロメチル基などの、前述のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基の一部あるいは全部が、前述のハロゲンで置換されたものを示し、残りの部分は無置換でも置換されていてもかまわない。アルデヒド基、カルボニル基、エステル基、カルバモイル基、アミノ基には脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環などで置換されたものも含み、さらに脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、複素環は無置換でも置換されていてもかまわない。シリル基とは例えばトリメチルシリル基などのケイ素化合物基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない。シロキサニル基とは例えばトリメチルシロキサニル基などのエーテル結合を介したケイ素化合物基を示し、これは無置換でも置換されていてもかまわない
【0020】
記の該フラン骨格を有する化合物として、具体的には下記のような構造があげられる。蛍光スペクトルはエタノール中で測定した。
【0021】
【化
Figure 0004048645
【0022】
【化
Figure 0004048645
【0023】
【化6】
Figure 0004048645
【0024】
光材料に添加するドーパント材料は、該フラン骨格を有する化合物一種のみに限る必要はなく、複数の該フラン骨格を有する化合物を混合して用いたり、既知のドーパント材料の一種類以上を該フラン骨格を有する化合物と混合して用いてもよい。具体的には従来から知られている、ペリレン、ルブレンなどの縮合環誘導体、キナクリドン誘導体、フェノキサゾン660、DCM1、ペリノン、クマリン誘導体などがそのまま使用できる。
【0025】
ホスト材料としては特に限定されるものではないが、ホスト分子からドーパント分子へのエネルギー移動には、ホスト分子の蛍光スペクトルとドーパント分子の励起スペクトルの重なりが必要となるので、効率よく発光を得るためには、ホスト材料の蛍光スペクトルとドーパント材料の励起スペクトルの重なりが大きい組み合わせを選ぶことが好ましい。上記の条件を満たせば、以前から発光体として知られていたアントラセンやピレンなどの縮合環誘導体、トリス(8−キノリノラト)アルミニウムを始めとする金属キレート化オキシノイド化合物、ビススチリルアントラセン誘導体やジスチリルベンゼン誘導体などのビススチリル誘導体、テトラフェニルブタジエン誘導体、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ピロロピリジン誘導体、ペリノン誘導体、シクロペンタジエン誘導体、オキサジアゾール誘導体、チアジアゾロピリジン誘導体、ポリマー系では、ポリフェニレンビニレン誘導体、ポリパラフェニレン誘導体、そして、ポリチオフェン誘導体などが使用できる。
【0026】
本発明における電子輸送性材料としては、電界を与えられた電極間において負極からの電子を効率良く輸送することが必要で、電子注入効率が高く、注入された電子を効率良く輸送することが望ましい。そのためには電子親和力が大きく、しかも電子移動度が大きく、さらに安定性に優れ、トラップとなる不純物が製造時および使用時に発生しにくい物質であることが要求される。このような条件を満たす物質として、8−ヒドロキシキノリンアルミニウムに代表されるキノリノール誘導体金属錯体、トロポロン金属錯体、フラボノール金属錯体、ペリレン誘導体、ペリノン誘導体、ナフタレン、クマリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、アルダジン誘導体、ビススチリル誘導体、ピラジン誘導体、フェナントロリン誘導体などがあるが特に限定されるものではない。これらの電子輸送材料は単独でも用いられるが、異なる電子輸送材料と積層または混合して使用しても構わない。
【0027】
以上の正孔輸送層、発光層、電子輸送層に用いられる材料は単独で各層を形成することができるが、高分子結着剤としてポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリ(N−ビニルカルバゾール)、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリエステル、ポリスルフォン、ポリフェニレンオキサイド、ポリブタジエン、炭化水素樹脂、ケトン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリアミド、エチルセルロース、酢酸ビニル、ABS樹脂、ポリウレタン樹脂などの溶剤可溶性樹脂や、フェノール樹脂、キシレン樹脂、石油樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂などの硬化性樹脂などに分散させて用いることも可能である。
【0028】
本発明における発光を司る物質の形成方法は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着、スパッタリング法、分子積層法、コーティング法など特に限定されるものではないが、通常は、抵抗加熱蒸着、電子ビーム蒸着が特性面で好ましい。層の厚みは発光を司る物質の抵抗値にもよるので限定できないが、経験的には10〜1000nmの間から選ばれる。
【0029】
本発明における電気エネルギーとは主に直流電流を指すが、パルス電流や交流電流を用いることも可能である。電流値および電圧値は特に制限はないが、素子の消費電力、寿命を考慮すると、できるだけ低いエネルギーで最大の輝度が得られるようにするべきである。
【0030】
本発明の発光素子はマトリクスまたはセグメント方式、あるいはその両者を組み合わせることによって表示するディスプレイを構成することが好ましい。
【0031】
本発明におけるマトリクスは、表示のための画素が格子状に配置されたものをいい、画素の集合で文字や画像を表示する。画素の形状、サイズは用途によって決まる。例えばパソコン、モニター、テレビの画像および文字表示には、通常、一辺が300μm以下の四角形の画素が用いられるし、表示パネルのような大型ディスプレイの場合は、一辺がmmオーダーの画素を用いることになる。モノクロ表示の場合は、同じ色の画素を配列すればよいが、カラー表示の場合には赤、緑、青の画素を並べて表示させる。この場合典型的にはデルタタイプとストライプタイプがある。尚、本発明における発光素子は、赤、緑、青色発光が可能であるので、前記表示方法を用いれば、マルチカラーまたはフルカラー表示もできる。そして、このマトリクスの駆動方法としては、線順次駆動方法やアクティブマトリックスのどちらでもよい。線順次駆動の方が構造が簡単という利点があるが、動作特性を考慮するとアクティブマトリックスの方が優れる場合があるので、これも用途により使い分けることが必要である。
【0032】
本発明におけるセグメントタイプは、予め決められた情報を表示するようにパターンを形成し、決められた領域を発光させる。例えば、デジタル時計や温度計における時刻や温度表示、オーディオ機器や電磁調理器などの動作状態表示、自動車のパネル表示などがあげられる。そして、前記マトリクス表示とセグメント表示は同じパネルの中に共存していてもよい。
【0033】
本発明の発光素子はバックライトとしても好ましく用いられる。本発明におけるバックライトは、主に自発光しない表示装置の視認性を向上させる目的に使用され、液晶表示装置、時計、オーディオ装置、自動車パネル、表示板、標識などに使用される。特に液晶表示装置、中でも薄型化が課題となっているパソコン用途のバックライトとしては、従来方式のものが蛍光灯や導光板からなっているため薄型化が困難であることを考えると、本発明におけるバックライトは薄型、軽量が特徴になる。
【0034】
【実施例】
以下、実施例および比較例をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
【0035】
実施例1
ITO透明導電膜を150nm堆積させたガラス基板(旭硝子社製、15Ω/□、電子ビーム蒸着品)を30×40mmに切断、エッチングを行った。得られた基板をアセトン、セミコクリン56で各々15分間超音波洗浄してから、超純水で洗浄した。続いてイソプロピルアルコールで15分間超音波洗浄してから熱メタノールに15分間浸漬させて乾燥させた。この基板を素子を作製する直前に1時間UV−オゾン処理し、真空蒸着装置内に設置して、装置内の真空度が5×10−5Pa以下になるまで排気した。抵抗加熱法によって、まず正孔輸送材料として4,4’−ビス(N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを100nm蒸着した。次にホスト材料としてビス(2−メチルキノリノラート)(2−ピリジノラート)アルミニウム(III)を、ドーパント材料として1,3−ジフェニルイソベンゾフラン(エタノール溶液中の蛍光ピーク波長は460nmと480nm)を用いて、ドーパントが1wt%になるように30nmの厚さに共蒸着し、ホスト材料を70nmの厚さに積層した。次にリチウムを0.5nm、アルミニウムを200nm蒸着して陰極とし、5×5mm角の素子を作製した。ここで言う膜厚は表面粗さ計での測定値で補正した水晶発振式膜厚モニター表示値である。この発光素子の発光開始電圧は4Vで、最高輝度は10000カンデラ/平方メートルであった。発光ピーク波長478nmと494nmの良好な青色発光が得られた。
【0036】
比較例1
ドーパント材料を用いなかった以外は実施例1と全く同様にして作製した素子の発光開始電圧は4Vで、発光ピーク波長は510nmであった。
【0037】
比較例2
ドーパント材料として1,2,3,4−テトラフェニルシクロペンタジエン(エタノール溶液中の蛍光ピーク波長は450nm)を用いた以外は実施例1と全く同様にして作製した素子の発光開始電圧は4Vで、発光ピーク波長は510nmであり、ドーパント材料からの発光は得られなかった。
【0038】
実施例2
正孔輸送材料として銅フタロシアニンを20nm、3,3’ビス(エチルカルバゾール)を100nm用いた以外は実施例1と全く同様にして作製した素子の発光開始電圧は5Vで、最高輝度は12000カンデラ/平方メートルであった。ドーパント材料からの良好な青色発光が得られた。
【0039】
実施例3
実施例2で作製した素子を乾燥空気を通したセル内でまず10mAで2時間定電流直流駆動させることでエージングさせ、5mA定電流直流駆動耐久性を測定したところ、初期輝度は214カンデラ/平方メートルで、輝度半減時間は40時間であり、500時間以上の連続発光が観察できた。
【0040】
実施例4
ホスト材料に4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルを用いた以外は実施例1と全く同様にして作製した素子を駆動させたところ、ドーパント材料からの良好な青色発光が得られた。
【0041】
実施例5
ホスト材料にキノリノラートリチウムを用いた以外は実施例1と全く同様にして作製した素子を駆動させたところ、ドーパント材料からの良好な青色発光が得られた。
【0042】
実施例6
ドーパント材料として1,3−ジ(2−メチルフェニル)イソベンゾフラン(エタノール溶液中の蛍光ピーク波長は467nm)を用いた以外は実施例1と全く同様にして素子を作製した。この発光素子の発光開始電圧は4Vで、最高輝度は5910カンデラ/平方メートルであった。発光ピーク波長490nmのドーパントからの良好な青色発光が得られた。
【0043】
実施例7
ドーパント材料として1−メシチル−3−フェニルイソベンゾフラン(エタノール溶液中の蛍光ピーク波長は464nm)を用いた以外は実施例1と全く同様にして素子を作製した。発光開始電圧は4Vで、最高輝度は3640カンデラ/平方メートルであった。発光ピーク波長487nmの良好な青色発光が得られた。
【0044】
実施例8
ホスト材料に4,4’−ビス(2,2−ジフェニルビニル)ビフェニルを用いた以外は実施例7と全く同様にして作製した素子を駆動させたところ、ドーパント材料からの良好な青色発光が得られた
【0045】
施例
正孔輸送材料として4,4’−ビス(N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを100nm蒸着し、ホスト材料として4,4’−ビス(N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルを用い、ドーパント材料として1,3−ジメシチルイソベンゾフランを用いて、ドーパントが1wt%になるように30nmの厚さに共蒸着し、次に電子輸送材料として2,9−ジメチル−4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリンを70nmの厚さに積層した以外は実施例1と全く同様にして素子を作製した。ホスト材料としての4,4’−ビス(N−(m−トリル)−N−フェニルアミノ)ビフェニルの蛍光ピーク波長は427nmであり、1,3−ジメシチルイソベンゾフランのエタノール溶液中の励起ピーク波長は399nm、蛍光ピーク波長は439nmであり、ストークスシフトは40nmであった。発光開始電圧は4Vで、最高輝度は826カンデラ/平方メートルであった。発光ピーク波長464nmの色純度に優れた良好な青色発光が得られた。
【0046】
【発明の効果】
本発明は、発光効率が高く、高輝度で色純度に優れた、発光素子を提供できるものである。

Claims (1)

  1. 正極と負極の間に発光を司る物質が存在し、電気エネルギーにより発光する素子であって、該素子が下記一般式で表される化合物を含み、該化合物がドーパント材料であることを特徴とする発光素子。
    Figure 0004048645
    (ここでR 14 はそれぞれ同じでも異なっていてもよく、水素、アルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールエーテル基、アリールチオエーテル基、アリール基、複素環基、ハロゲン、ハロアルカン、アミノ基、シリル基、シロキサニル基、隣接置換基との間に形成される縮合環、複素環および脂肪族環の中から選ばれる。
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