JPH11352352A - 分散シフト光ファイバ - Google Patents

分散シフト光ファイバ

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JPH11352352A
JPH11352352A JP10156448A JP15644898A JPH11352352A JP H11352352 A JPH11352352 A JP H11352352A JP 10156448 A JP10156448 A JP 10156448A JP 15644898 A JP15644898 A JP 15644898A JP H11352352 A JPH11352352 A JP H11352352A
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Shoichiro Matsuo
昌一郎 松尾
Masahiro Horikoshi
雅博 堀越
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Fujikura Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 有効コア断面積の拡大と、曲げ損失の低減と
を図ることができるとともに、カットオフ波長を小さく
することができる分散シフト光ファイバを提供する。 【解決手段】 中心コア部1と、この中心コア部1の周
囲に、前記中心コア部1よりも低屈折率の中間部2をは
さんで配置された、前記中心コア部1よりも低屈折率
で、かつ前記中間部2よりも高屈折率のリング部3と、
このリング部3の周囲に設けられた、前記リング部3よ
りも低屈折率のクラッド6とを備え、前記リング部3
は、第1のリング部3aと、この第1のリング部3aの
外周に接して設けられた、前記第1のリング部3aより
も低屈折率の第2のリング部3bとからなることを特徴
とする分散シフト光ファイバを構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、波長1.55μ
m帯での波長分散がほぼ零である分散シフト光ファイバ
(以下、DSFと略記する。)に関し、そのカットオフ
波長を、従来よりも短くしたものである。
【0002】
【従来の技術】DSFは、石英系光ファイバの損失が最
小である波長1.55μm帯での波長分散値がほぼ零の
光ファイバである。本出願人は、長距離、大容量伝送シ
ステム向けの各種DSFを、特願平7−23191号、
特願平8−215707号、特願平9−103692
号、特願平9−280915号において提案している。
【0003】図5〜図7は、本出願人が提案したDSF
の屈折率分布形状(屈折率プロファイル)の例を示した
ものである。図5に示したデュアルシェイプコア型プロ
ファイルは、中心コア部11と、この中心コア部11の
外周上に設けられた、この中心コア部11よりも低屈折
率の階段コア部12と、この階段コア部12の外周上に
設けられたクラッド13とから構成されている。
【0004】図6に示したリング付きプロファイルは、
高屈折率の中心コア部11Aと、この中心コア部11A
から離れて設けられた、前記中心コア部11Aよりも低
屈折率のリングコア部13Aと、このリングコア部13
Aの外周上に設けれ、かつこのリングコア部13Aより
も低屈折率のクラッド15Aと、前記中心コア部11A
と前記リングコア部13Aとの間に設けられ、かつ前記
リングコア部13Aよりも低屈折率の中間層12Aとか
ら構成されている。
【0005】図7に示したリング付きデスプレットクラ
ッドプロファイルは、高屈折率の中心コア部11Bの外
周上に、順次第1リング部12B、第2リング部13
B、第3リング部14B、クラッド15Bが設けられて
なり、前記第2リング部13Bは前記中心コア部11B
よりも低屈折率で、かつ前記第1のリング部12Aより
も高屈折率で、前記第3のリング部14Bは、前記クラ
ッド15Bよりも低屈折率である。
【0006】また、上述のような屈折率プロファイルを
有するDSFのそれぞれにおいて、中心コア部の径(以
下コア径と記す)を変化させると、1.55μm帯にお
ける波長分散値が零となるコア径が二つ以上存在する。
これらの値のうち相対的に小さいものを細径解、つぎに
小さいものを大径解とよび、上述の提案においては、細
径解あるいは大径解を選択することによって特性を調節
することができることが示されている。本出願人が提案
した上述のDSFは、特に有効コア断面積(Aeff)
の拡大によって非線形効果を低減して伝送特性を向上さ
せたり、曲げ損失を低減することを優先して、各種構造
パラメータが調整されたものである。また、特願平9−
280915号に記載のものは、さらに分散スロープを
低減することを目的としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
条件を優先し、より好ましい特性値が得られるように調
整すると、カットオフ波長が長くなるという問題があっ
た。この傾向はコア径として細径解、大径解のいずれを
選択した場合にも認められるものであった。使用波長帯
よりもカットオフ波長が長くなると、シングルモード伝
送を保証することができなくなり、不都合である。この
ため、有効コア断面積の拡大と曲げ損失の低減は、カッ
トオフ波長が長くなり過ぎない範囲に制限され、設計上
の制約となっていた。
【0008】図8は、図7に示したリング付きデスプレ
ットクラッドプロファイルを有するDSFの、RNFP
法で実測した屈折率プロファイルの一例と、光学特性の
一例を示したものである。図8に示された構成例におい
ては、カットオフ波長を考慮せずに、Aeffが大き
く、かつ曲げ損失と分散スロープが小さくなるように構
造パラメータを調整したところ、JISまたはCITT
の2m法で測定したカットオフ波長は1625nmとな
っている。カットオフ波長は条長依存性が知られてお
り、数km以上の長尺で使用されるシステムでは、この
実際の使用状態において測定して得られるカットオフ波
長は、前記2m法で得られるカットオフ波長よりも短く
なる。したがって実質的には、前記2m法で得られるカ
ットオフ波長が1520nmよりも長くても、1700
nm以下程度であれば、1.55μm帯でシングルモー
ド伝送型として使用可能である。しかしながら、上述の
ようにカットオフ波長が短い程シングルモード伝送を保
証することができる設計範囲が広がるので、前記2m法
におけるカットオフ波長が1550nm以下であること
が望ましい。
【0009】よって本発明における課題は、有効コア断
面積の拡大と、曲げ損失の低減とを図ることができると
ともに、カットオフ波長を従来よりも短くすることがで
きるDSFを得ることにある。さらには分散スロープを
小さくすることができるとともに、カットオフ波長を短
くすることができるDSFを得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては、中心コア部と、この中心コア部
の周囲に、前記中心コア部よりも低屈折率の中間部をは
さんで配置された、前記中心コア部よりも低屈折率で、
かつ前記中間部よりも高屈折率のリング部と、このリン
グ部の周囲に設けられた、前記リング部よりも低屈折率
のクラッドとを備え、前記リング部は、第1のリング部
と、この第1のリング部の外周に接して設けられた、前
記第1のリング部よりも低屈折率の第2のリング部とか
らなることを特徴とする分散シフト光ファイバを提案す
る。この分散シフト光ファイバにおいては、第1のリン
グ部と第2のリング部とからなる階段状のリング部を有
するため、有効コア断面積、曲げ損失、分散スロープな
どの特性値が好ましい値となるように構造パラメータを
調整しても、カットオフ波長が従来よりも長波長側にシ
フトしにくく、短いカットオフ波長が得られる。このた
め設計の自由度が広がるものである。さらに好ましく
は、前記第1のリング部の半径から前記中間部の半径を
差し引いた値をw1、前記第2のリング部の半径から前
記第1のリング部の半径を差し引いた値をw2としたと
き、w2/w1が0.5〜6.0となるようにする。ま
た、前記第1のリング部と前記クラッドとの比屈折率差
をΔ1、前記第2のリング部と前記クラッドとの比屈折
率差をΔ2としたとき、Δ2/Δ1が0.1〜0.8とな
るようにすると、好ましい。これらw2/w1とΔ2/Δ1
の好ましい数値範囲は、一方が満足されていれば効果が
向上するが、両方が満足されているのが最も望ましい。
特にΔ2/Δ1がこの数値範囲を満足することによって、
製造時などにΔ2の値が多少変動しても、実際に得られ
るDSFの特性値と設計値との差が大きくなりにくく、
製造安定性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】図1は、本発明のDSFの屈折率
プロファイルの第1の例を示したものである。この屈折
率プロファイルは、中心コア部1と、中間部2をはさん
で配置されたリング部3と、このリング部3の周囲に設
けられたクラッド6とから概略構成されている。前記リ
ング部3は、第1のリング部3aと、この第1のリング
部3aに接して階段状に設けられた第2のリング部3b
とから構成されている。これら中心コア部1、中間部
2、第1のリング部3a、第2のリング部3b、クラッ
ド6は同心円状に配置されている。
【0012】前記中心コア部1は最も高屈折率であり、
第1のリング部3aは前記中心コア部1よりも低屈折率
である。第2のリング部3bは、前記第1のリング部3
aよりも低屈折率である。クラッド6は、前記第2のリ
ング部3bよりも低屈折率である。そして、前記中間部
2は、前記第2のリング部3bよりも低屈折率であり、
前記クラッド6と等しいか、あるいはこれよりも大きい
屈折率を有するものである。
【0013】これらの構成部分の屈折率は、クラッド6
の屈折率レベルを基準とする比屈折率差で表される。後
述するように、クラッド6は純粋シリカまたはフッ素ド
ープシリカからなるので、クラッド6の屈折率レベルは
純粋シリカレベルに限定されない。図中符号Δaは中心
コア部1の比屈折率差、Δbは中間部2の比屈折率差、
Δ1は第1のリング部3aの比屈折率差、Δ2は第2のリ
ング部3bの比屈折率差である。また、図中符号Aは中
心コア部1の半径、Bは中間部2の半径から中心コア部
1の半径を差し引いた値(中間部2の幅)、w1は第1
のリング部3aの半径から中間部2の半径を差し引いた
値(第1のリング部3aの幅)、w2は第2のリング部
3bの半径から第1のリング部3aの半径を差し引いた
値(第2のリング部3bの幅)を示している。クラッド
6の外径は通常約125μmとされる。
【0014】図2は、本発明のDSFの屈折率プロファ
イルの第2の例を示したもので、図1に示した屈折率プ
ロファイルにおいて、第2のリング部3bとクラッド6
との間に、これらの両方に対して低屈折率の第2の中間
部5を設けたものである。図1に示したものと共通の構
成については同符号を付し、説明を省略する。図中符号
Cは、第2の中間部5の半径から第2のリング部3bの
半径を差し引いた値(第2の中間部5の幅)であり、Δ
cはクラッド6に対する第2の中間部5の比屈折率差で
ある。
【0015】図1、図2に示したように、本発明のDS
Fの第1の条件は、中心コア部1と離れた位置に設けら
れたリング部3が、高屈折率の第1のリング部3aと、
低屈折率の第2のリング部3bとからなる階段状とされ
ていることである。この階段状のリング部3の作用によ
り、従来よりもカットオフ波長が短波長側にシフトする
という効果が得られる。
【0016】さらに本発明のDSFにおける第2の条件
は、w2/w1とΔ2/Δ1の少なくとも一方が、以下の好
ましい数値範囲を満足することである。好ましい数値範
囲とは、w2/w1は0.5〜6.0であり、またΔ2/
Δ1は0.1〜0.8である。これらの条件は両方満足
することが望ましいが、一方を満足していれば、カット
オフ波長を従来よりも短波長側にシフトさせる効果が向
上する。特にΔ2/Δ1がこの数値範囲を満足することに
よって、製造時などにΔ2の値が多少変動しても、実際
に得られるDSFの特性値と設計値との差が大きくなり
にくく、製造安定性が向上する。
【0017】Δ1とΔ2とが等しい、あるいはw2が零の
場合、従来のものとの差がなく、効果が低減することが
ある。w2/w1が0.5未満の場合も、従来との差が得
られないことがある。またw2/w1が6.0をこえる場
合、例えばw2が大きくなりすぎると、分散スロープが
長くなり、また、例えばw1が小さくなりすぎると、曲
げ損失が増大したり、実質的に製造が困難となることが
ある。Δ2/Δ1が0.8をこえるの場合は、実効的に従
来のものとの差が得られない。また、0.1未満の場合
には、第2のリング部3bを設けた効果が低減し、所望
の特性が得られないことがある。
【0018】図1に示した第1の例のDSFと図2に示
した第2の例のDSFにおいて、例えばAは2〜4μ
m、Bは1〜5μm、Cは0〜20μm、Δaは0.5
〜1.0%、Δbは−0.1〜0.1%、Δcは−0.
2〜0%とされる。また、例えばw1は1〜12μm、
Δ1は0.2〜1.0%とされる。w2とΔ2の範囲は、
これらの値と上述のw2/w1、Δ2/Δ1の好ましい範囲
から自ずと定まる。
【0019】図3(a)は、前記第2の例のDSFを試
作した際のRNFP法による実測屈折率プロファイル
と、JISまたはCITTの2m法によるカットオフ波
長、有効コア断面積(Aeff)、モードフィールド径
(MFD)、分散値、分散スロープ、曲げ損失の値を示
したものである。
【0020】図3(b)は、図3(a)に示した屈折率
プロファイルから、w1、w2、Δ1、Δ2の値を求める方
法を示した説明図である。すなわち第1のリング部3a
のピークの最大屈折率の半値を与える位置での接線と、
クラッド6の屈折率レベルとの交点を、それぞれr1,
r2とし、第2のリング部3bとクラッド6の屈折率レ
ベルとの交点をr3とする。そして、r1,r2間の距離
をw1、r2,r3間の距離をw2として求める。Δ1,Δ2
は、図3(b)中に記された式にそれぞれ代入して得ら
れる値である。この例においては、図3(b)中に示さ
れているようにw2/w1は0.73、Δ2/Δ1は0.1
6である。図1に示した第1の例のDSFにおいても同
様にしてw1、w2、Δ1、Δ2の値を求めることができ
る。この他、Δaはピークの最大値を採用し、Δbは中
心コア部1と第1のリング部3aとに挟まれた区間の最
小屈折率を採用する。
【0021】第1ないし第2の例のDSFは、通常のV
AD法などによって製造でき、例えば中心コア部1、第
1のリング部3a、および第2のリング部3bはゲルマ
ニウムドープシリカまたは純粋シリカによって、中間部
2、第2の中間部5およびクラッド6は純粋シリカまた
はフッ素ドープシリカから作成される。
【0022】本発明においては、上述のような屈折率プ
ロファイルを有し、好ましくはw2/w1が0.5〜6.
0であり、Δ2/Δ1が0.1〜0.8であるという条件
を満たすことにより、望ましくは以下のような特性値を
あわせ持ったDSFを得ることができる。ここでは好ま
しいDSFの特性例をふたつ示す。 <第1の特性例> (1)波長1.55μm帯において、波長分散がほぼ零
であって零ではない。 (2)有効コア断面積が65〜120μm2である。 (3)曲げ損失が0.1〜100dB/mである。 (4)分散スロープが0.07〜0.14ps/km/
nm2である。 (5)カットオフ波長が1.55μm以下である。 <第2の特性例> (1)波長1.55μm帯において、波長分散がほぼ零
であって零ではない。 (2)有効コア断面積が45〜70μm2である。 (3)曲げ損失が0.1〜100dB/mである。 (4)分散スロープが0.05〜0.08ps/km/
nm2である。 (5)カットオフ波長が1.55μm以下である。
【0023】本発明において使用波長1.55μm帯と
は、波長1520nmから1580nmの波長領域を指
すものである。また、波長分散がほぼ零とは、この使用
波長帯において波長分散値が−5〜+5ps/nm・k
mの範囲にあることをいうが、波長分散値が0ps/n
m・kmの値をとらないことが必要である。これは、波
長分散値が0ps/nm・kmであると、4光子混合な
どの非線形光学効果の影響が大きくなり不都合となるた
めである。
【0024】また、有効コア断面積Aeffは、下記関
係式で定義されるものである。
【0025】
【数1】
【0026】曲げ損失は、波長1.55μmで曲げ径
(2R)が20mmの条件の値をいうものとする。カッ
トオフ波長はJISまたはCITTの2m法によって測
定された値をいうものとする。分散スロープとは、波長
分散値の波長依存性を示すもので、横軸に波長(nm)
を、縦軸に波長分散値(ps/km・nm)を取って、
分散値をプロットした際の曲線の勾配である。
【0027】前記特性例は、通信システムに応じて選択
される。Aeffが前記範囲未満では、非線形効果の低
減が十分ではない。また、曲げ損失が100dB/mを
こえると、DSFの微かな湾曲によっても損失が大きく
なり、不都合となる。また分散スロープが前記範囲をこ
えると伝送特性の波長依存性が大きくなり、不都合であ
る。カットオフ波長が1.55μmをこえる場合は、本
発明の目的を達成できず、設計条件が制限される。
【0028】図1に示した第1の例の屈折率プロファイ
ルを有するDSFをいくつか試作した。これらの試料は
w2/w1とΔ2/Δ1の、カットオフ波長に対する影響を
調べるため、できるたけ有効コア断面積、モードフィー
ルド径、分散値、分散スロープが一定になるように設計
したものである。図4には、これらのDSFの共通のパ
ラメータについて、横軸に半径(μm)、縦軸に屈折率
の値をとって、具体的な数値を示した。このときw1は
1.5μmに固定し、w2を変化させてw2/w1を設定
した。表1にw2/w1とΔ2/Δ1、Δ1、Δ2の値と、得
られたDSFのカットオフ波長、有効コア断面積(Ae
ff)、モードフィールド径(MFD)、分散値、分散
スロープ、曲げ損失をあわせて示した。
【0029】
【表1】
【0030】試料番号1,2は、Δ2/Δ1が0.8をこ
えている。カットオフ波長がやや長いが、他の特性値
は、好ましい範囲を満足している。以下、試料番号1を
ベースプロファイルとし、試料番号2以降のものは、こ
のベースプロファイルと比較することによって、その特
性を評価する。
【0031】試料番号2のΔ2/Δ1は0.90であり、
試料番号1よりも小さくなっている。そして、カットオ
フ波長は試料番号1と比較すると短くなっている。した
がってΔ2/Δ1が小さくなることによって、カットオフ
波長が短波長側にシフトする傾向があることがわかる。
試料番号3,4はΔ2/Δ1とw2/w1の好ましい数値範
囲を満足しているものである。試料番号1と比較する
と、カットオフ波長が十分に短く、かつ他の特性値は遜
色がない。試料番号5は、Δ2/Δ1が0.1未満で、、
かつw2/w1が6.0をこえるものである。試料番号1
と比較すると、曲げ損失が大きくなっている。試料番号
6はw2/w1が0.5未満であり、試料番号1と比較す
るとカットオフ波長が長くなっている。
【0032】表2は、表1に示した試料番号4,5のD
SFにおいて、Δ2を+0.01%変動させたときの各
特性値を求め、表1に示した値に対する割合(変動率)
をそれぞれ示したものである。
【0033】
【表2】
【0034】表2より、試料番号4は試料番号5と比較
して各特性値の変動率が小さくなっている。このため、
製造ロットによってΔ2などの構造パタメータが多少変
動しても、試料番号4のものは、特性値の変動が少な
く、製造安定性が得られるものである。なお、表1に示
した試料番号1〜6においては、カットオフ波長が1.
55μmよりも長いものがあるが、これはΔ2/Δ1とw
2/w1の好ましい数値範囲を満足していないものであ
る。
【0035】
【発明の効果】以上説明したように本発明の分散シフト
光ファイバは、中心コア部と、この中心コア部の周囲
に、前記中心コア部よりも低屈折率の中間部をはさんで
配置された、前記中心コア部よりも低屈折率で、かつ前
記中間部よりも高屈折率のリング部と、このリング部の
周囲に設けられた、前記リング部よりも低屈折率のクラ
ッドとを備え、前記リング部は、第1のリング部と、こ
の第1のリング部の外周に接して設けられた、前記第1
のリング部よりも低屈折率の第2のリング部とからなる
ため、有効コア断面積、曲げ損失、分散スロープなどの
特性値が好ましい値となるように構造パラメータを調整
しても、カットオフ波長が従来よりも長波長側にシフト
しにくく、短いカットオフ波長が得られる。このため設
計の自由度が広がるものである。さらにw2/w1が0.
5〜6.0、あるいはΔ2/Δ1が0.1〜0.8という
条件をひとつ以上満足することにより、効果が向上す
る。特にΔ2/Δ1がこの数値範囲を満足することによっ
て、製造時などにΔ2の値が多少変動しても、実際に得
られるDSFの特性値と設計値との差が大きくなりにく
く、製造安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のDSFの屈折率プロファイルの第1
の例を示した図である。
【図2】 本発明のDSFの屈折率プロファイルの第2
の例を示した図である。
【図3】 図3(a)は、図2に示した第2の例のDS
Fを試作した際のRNFP法による実測屈折率プロファ
イルと各特性値を示した図である。図3(b)は、図3
(a)に示した屈折率プロファイルから、w1、w2、Δ
1、Δ2の値を求める方法を説明した図である。
【図4】 図1に示した第1の例の屈折率プロファイル
を有するDSFを試作した際の共通のパラメータについ
て、横軸に半径(μm)、縦軸に屈折率の値をとって、
具体的に示した図である。
【図5】 本出願人が提案したDSFの屈折率プロファ
イルの一例としてデュアルシェイプコア型プロファイル
を示した図である。
【図6】 本出願人が提案したDSFの屈折率プロファ
イルの一例としてリング付きプロファイルを示した図で
ある。
【図7】 本出願人が提案したDSFの屈折率プロファ
イルの一例としてリング付きデスプレットクラッドプロ
ファイルを示した図である。
【図8】 図7に示したリング付きデスプレットクラッ
ドプロファイルを有するDSFの、RNFP法で実測し
た屈折率プロファイルの一例と、光学特性の一例を示し
た図である。
【符号の説明】
1…中心コア部、2…中間部、3…リング部、3a…第
1のリング部、3b…第2のリング部、5…第2の中間
部、6…クラッド。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 中心コア部と、この中心コア部の周囲
    に、前記中心コア部よりも低屈折率の中間部をはさんで
    配置された、前記中心コア部よりも低屈折率で、かつ前
    記中間部よりも高屈折率のリング部と、このリング部の
    周囲に設けられた、前記リング部よりも低屈折率のクラ
    ッドとを備え、 前記リング部は、第1のリング部と、この第1のリング
    部の外周に接して設けられた、前記第1のリング部より
    も低屈折率の第2のリング部とからなることを特徴とす
    る分散シフト光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記第1のリング部の半径から前記中間
    部の半径を差し引いた値をw1、前記第2のリング部の
    半径から前記第1のリング部の半径を差し引いた値をw
    2としたとき、w2/w1が0.5〜6.0であることを
    特徴とする請求項1記載の分散シフト光ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記第1のリング部と前記クラッドとの
    比屈折率差をΔ1、前記第2のリング部と前記クラッド
    との比屈折率差をΔ2としたとき、Δ2/Δ1が0.1〜
    0.8であることを特徴とする請求項1または2記載の
    分散シフト光ファイバ。
JP15644898A 1998-06-04 1998-06-04 分散シフト光ファイバ Expired - Fee Related JP3970427B2 (ja)

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WO2023112839A1 (ja) * 2021-12-14 2023-06-22 株式会社フジクラ 光コンバイナ、及びレーザシステム

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