JP3970427B2 - 分散シフト光ファイバ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、波長1.55μm帯での波長分散がほぼ零である分散シフト光ファイバ(以下、DSFと略記する。)に関し、そのカットオフ波長を、従来よりも短くしたものである。
【0002】
【従来の技術】
DSFは、石英系光ファイバの損失が最小である波長1.55μm帯での波長分散値がほぼ零の光ファイバである。本出願人は、長距離、大容量伝送システム向けの各種DSFを、特願平7−23191号、特願平8−215707号、特願平9−103692号、特願平9−280915号において提案している。
【0003】
図5〜図7は、本出願人が提案したDSFの屈折率分布形状(屈折率プロファイル)の例を示したものである。
図5に示したデュアルシェイプコア型プロファイルは、中心コア部11と、この中心コア部11の外周上に設けられた、この中心コア部11よりも低屈折率の階段コア部12と、この階段コア部12の外周上に設けられたクラッド13とから構成されている。
【0004】
図6に示したリング付きプロファイルは、高屈折率の中心コア部11Aと、この中心コア部11Aから離れて設けられた、前記中心コア部11Aよりも低屈折率のリングコア部13Aと、このリングコア部13Aの外周上に設けれ、かつこのリングコア部13Aよりも低屈折率のクラッド15Aと、前記中心コア部11Aと前記リングコア部13Aとの間に設けられ、かつ前記リングコア部13Aよりも低屈折率の中間層12Aとから構成されている。
【0005】
図7に示したリング付きデスプレットクラッドプロファイルは、高屈折率の中心コア部11Bの外周上に、順次第1リング部12B、第2リング部13B、第3リング部14B、クラッド15Bが設けられてなり、前記第2リング部13Bは前記中心コア部11Bよりも低屈折率で、かつ前記第1のリング部12Aよりも高屈折率で、前記第3のリング部14Bは、前記クラッド15Bよりも低屈折率である。
【0006】
また、上述のような屈折率プロファイルを有するDSFのそれぞれにおいて、中心コア部の径(以下コア径と記す)を変化させると、1.55μm帯における波長分散値が零となるコア径が二つ以上存在する。これらの値のうち相対的に小さいものを細径解、つぎに小さいものを大径解とよび、上述の提案においては、細径解あるいは大径解を選択することによって特性を調節することができることが示されている。
本出願人が提案した上述のDSFは、特に有効コア断面積(Aeff)の拡大によって非線形効果を低減して伝送特性を向上させたり、曲げ損失を低減することを優先して、各種構造パラメータが調整されたものである。
また、特願平9−280915号に記載のものは、さらに分散スロープを低減することを目的としている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述の条件を優先し、より好ましい特性値が得られるように調整すると、カットオフ波長が長くなるという問題があった。この傾向はコア径として細径解、大径解のいずれを選択した場合にも認められるものであった。
使用波長帯よりもカットオフ波長が長くなると、シングルモード伝送を保証することができなくなり、不都合である。このため、有効コア断面積の拡大と曲げ損失の低減は、カットオフ波長が長くなり過ぎない範囲に制限され、設計上の制約となっていた。
【0008】
図8は、図7に示したリング付きデスプレットクラッドプロファイルを有するDSFの、RNFP法で実測した屈折率プロファイルの一例と、光学特性の一例を示したものである。
図8に示された構成例においては、カットオフ波長を考慮せずに、Aeffが大きく、かつ曲げ損失と分散スロープが小さくなるように構造パラメータを調整したところ、JISまたはCITTの2m法で測定したカットオフ波長は1625nmとなっている。
カットオフ波長は条長依存性が知られており、数km以上の長尺で使用されるシステムでは、この実際の使用状態において測定して得られるカットオフ波長は、前記2m法で得られるカットオフ波長よりも短くなる。したがって実質的には、前記2m法で得られるカットオフ波長が1520nmよりも長くても、1700nm以下程度であれば、1.55μm帯でシングルモード伝送型として使用可能である。
しかしながら、上述のようにカットオフ波長が短い程シングルモード伝送を保証することができる設計範囲が広がるので、前記2m法におけるカットオフ波長が1550nm以下であることが望ましい。
【0009】
よって本発明における課題は、有効コア断面積の拡大と、曲げ損失の低減とを図ることができるとともに、カットオフ波長を従来よりも短くすることができるDSFを得ることにある。
さらには分散スロープを小さくすることができるとともに、カットオフ波長を短くすることができるDSFを得ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために、本発明においては、中心コア部と、この中心コア部の周囲に、前記中心コア部よりも低屈折率の中間部をはさんで配置された、前記中心コア部よりも低屈折率で、かつ前記中間部よりも高屈折率のリング部と、このリング部の周囲に設けられた、前記リング部よりも低屈折率のクラッドとを備え、前記リング部は、第1のリング部と、この第1のリング部の外周に接して設けられた、前記第1のリング部よりも低屈折率の第2のリング部とからなり、前記中心コア部の半径Aが2〜4μm、前記中間部の半径から前記中心コア部の半径を差し引いた値Bが1〜5μm、前記第2のリング部と前記クラッドとの間に設けられた第2の中間部の半径から前記第2のリング部の半径を差し引いた値Cが0〜20μmであり、前記中心コア部の比屈折率差Δaが0.5〜1%、前記中間部の比屈折率差Δbが−0.1〜0.1%、前記クラッドに対する前記第2の中間部の比屈折率差Δcが−0.2〜0%であり、前記第1のリング部の半径から前記中間部の半径を差し引いた値をw1、前記第2のリング部の半径から前記第1のリング部の半径を差し引いた値をw2としたとき、w1が1〜12μmで、かつw2/w1が0.73〜2.00であり、前記第1のリング部と前記クラッドとの比屈折率差をΔ1、前記第2のリング部と前記クラッドとの比屈折率差をΔ2としたとき、Δ1が0.2〜1.0%であり、かつΔ2/Δ1が0.16〜0.77であることを特徴とする分散シフト光ファイバを提案する。
この分散シフト光ファイバにおいては、第1のリング部と第2のリング部とからなる階段状のリング部を有するため、有効コア断面積、曲げ損失、分散スロープなどの特性値が好ましい値となるように構造パラメータを調整しても、カットオフ波長が従来よりも長波長側にシフトしにくく、短いカットオフ波長が得られる。このため、設計の自由度が広がるものである。
また、特にΔ2/Δ1がこの数値範囲を満足することによって、製造時などにΔ2の値が多少変動しても、実際に得られるDSFの特性値と設計値との差が大きくなりにくく、製造安定性が向上する。
【0011】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明のDSFの屈折率プロファイルの第1の例を示したものである。
この屈折率プロファイルは、中心コア部1と、中間部2をはさんで配置されたリング部3と、このリング部3の周囲に設けられたクラッド6とから概略構成されている。前記リング部3は、第1のリング部3aと、この第1のリング部3aに接して階段状に設けられた第2のリング部3bとから構成されている。
これら中心コア部1、中間部2、第1のリング部3a、第2のリング部3b、クラッド6は同心円状に配置されている。
【0012】
前記中心コア部1は最も高屈折率であり、第1のリング部3aは前記中心コア部1よりも低屈折率である。第2のリング部3bは、前記第1のリング部3aよりも低屈折率である。クラッド6は、前記第2のリング部3bよりも低屈折率である。そして、前記中間部2は、前記第2のリング部3bよりも低屈折率であり、前記クラッド6と等しいか、あるいはこれよりも大きい屈折率を有するものである。
【0013】
これらの構成部分の屈折率は、クラッド6の屈折率レベルを基準とする比屈折率差で表される。後述するように、クラッド6は純粋シリカまたはフッ素ドープシリカからなるので、クラッド6の屈折率レベルは純粋シリカレベルに限定されない。図中符号Δaは中心コア部1の比屈折率差、Δbは中間部2の比屈折率差、Δ1は第1のリング部3aの比屈折率差、Δ2は第2のリング部3bの比屈折率差である。
また、図中符号Aは中心コア部1の半径、Bは中間部2の半径から中心コア部1の半径を差し引いた値(中間部2の幅)、w1は第1のリング部3aの半径から中間部2の半径を差し引いた値(第1のリング部3aの幅)、w2は第2のリング部3bの半径から第1のリング部3aの半径を差し引いた値(第2のリング部3bの幅)を示している。クラッド6の外径は通常約125μmとされる。
【0014】
図2は、本発明のDSFの屈折率プロファイルの第2の例を示したもので、図1に示した屈折率プロファイルにおいて、第2のリング部3bとクラッド6との間に、これらの両方に対して低屈折率の第2の中間部5を設けたものである。
図1に示したものと共通の構成については同符号を付し、説明を省略する。
図中符号Cは、第2の中間部5の半径から第2のリング部3bの半径を差し引いた値(第2の中間部5の幅)であり、Δcはクラッド6に対する第2の中間部5の比屈折率差である。
【0015】
図1、図2に示したように、本発明のDSFの第1の条件は、中心コア部1と離れた位置に設けられたリング部3が、高屈折率の第1のリング部3aと、低屈折率の第2のリング部3bとからなる階段状とされていることである。この階段状のリング部3の作用により、従来よりもカットオフ波長が短波長側にシフトするという効果が得られる。
【0016】
さらに本発明のDSFにおける第2の条件は、w2/w1とΔ2/Δ1の少なくとも一方が、以下の好ましい数値範囲を満足することである。
好ましい数値範囲とは、w2/w1は0.5〜6.0であり、またΔ2/Δ1は0.1〜0.8である。
これらの条件は両方満足することが望ましいが、一方を満足していれば、カットオフ波長を従来よりも短波長側にシフトさせる効果が向上する。
特にΔ2/Δ1がこの数値範囲を満足することによって、製造時などにΔ2の値が多少変動しても、実際に得られるDSFの特性値と設計値との差が大きくなりにくく、製造安定性が向上する。
【0017】
Δ1とΔ2とが等しい、あるいはw2が零の場合、従来のものとの差がなく、効果が低減することがある。w2/w1が0.5未満の場合も、従来との差が得られないことがある。
またw2/w1が6.0をこえる場合、例えばw2が大きくなりすぎると、分散スロープが長くなり、また、例えばw1が小さくなりすぎると、曲げ損失が増大したり、実質的に製造が困難となることがある。
Δ2/Δ1が0.8をこえるの場合は、実効的に従来のものとの差が得られない。また、0.1未満の場合には、第2のリング部3bを設けた効果が低減し、所望の特性が得られないことがある。
【0018】
図1に示した第1の例のDSFと図2に示した第2の例のDSFにおいて、例えばAは2〜4μm、Bは1〜5μm、Cは0〜20μm、Δaは0.5〜1.0%、Δbは−0.1〜0.1%、Δcは−0.2〜0%とされる。
また、例えばw1は1〜12μm、Δ1は0.2〜1.0%とされる。w2とΔ2の範囲は、これらの値と上述のw2/w1、Δ2/Δ1の好ましい範囲から自ずと定まる。
【0019】
図3(a)は、前記第2の例のDSFを試作した際のRNFP法による実測屈折率プロファイルと、JISまたはCITTの2m法によるカットオフ波長、有効コア断面積(Aeff)、モードフィールド径(MFD)、分散値、分散スロープ、曲げ損失の値を示したものである。
【0020】
図3(b)は、図3(a)に示した屈折率プロファイルから、w1、w2、Δ1、Δ2の値を求める方法を示した説明図である。すなわち第1のリング部3aのピークの最大屈折率の半値を与える位置での接線と、クラッド6の屈折率レベルとの交点を、それぞれr1,r2とし、第2のリング部3bとクラッド6の屈折率レベルとの交点をr3とする。そして、r1,r2間の距離をw1、r2,r3間の距離をw2として求める。Δ1,Δ2は、図3(b)中に記された式にそれぞれ代入して得られる値である。この例においては、図3(b)中に示されているようにw2/w1は0.73、Δ2/Δ1は0.16である。
図1に示した第1の例のDSFにおいても同様にしてw1、w2、Δ1、Δ2の値を求めることができる。
この他、Δaはピークの最大値を採用し、Δbは中心コア部1と第1のリング部3aとに挟まれた区間の最小屈折率を採用する。
【0021】
第1ないし第2の例のDSFは、通常のVAD法などによって製造でき、例えば中心コア部1、第1のリング部3a、および第2のリング部3bはゲルマニウムドープシリカまたは純粋シリカによって、中間部2、第2の中間部5およびクラッド6は純粋シリカまたはフッ素ドープシリカから作成される。
【0022】
本発明においては、上述のような屈折率プロファイルを有し、好ましくはw2/w1が0.5〜6.0であり、Δ2/Δ1が0.1〜0.8であるという条件を満たすことにより、望ましくは以下のような特性値をあわせ持ったDSFを得ることができる。ここでは好ましいDSFの特性例をふたつ示す。
<第1の特性例>
(1)波長1.55μm帯において、波長分散がほぼ零であって零ではない。
(2)有効コア断面積が65〜120μm2である。
(3)曲げ損失が0.1〜100dB/mである。
(4)分散スロープが0.07〜0.14ps/km/nm2である。
(5)カットオフ波長が1.55μm以下である。
<第2の特性例>
(1)波長1.55μm帯において、波長分散がほぼ零であって零ではない。
(2)有効コア断面積が45〜70μm2である。
(3)曲げ損失が0.1〜100dB/mである。
(4)分散スロープが0.05〜0.08ps/km/nm2である。
(5)カットオフ波長が1.55μm以下である。
【0023】
本発明において使用波長1.55μm帯とは、波長1520nmから1580nmの波長領域を指すものである。
また、波長分散がほぼ零とは、この使用波長帯において波長分散値が−5〜+5ps/nm・kmの範囲にあることをいうが、波長分散値が0ps/nm・kmの値をとらないことが必要である。これは、波長分散値が0ps/nm・kmであると、4光子混合などの非線形光学効果の影響が大きくなり不都合となるためである。
【0024】
また、有効コア断面積Aeffは、下記関係式で定義されるものである。
【0025】
【数1】
【0026】
曲げ損失は、波長1.55μmで曲げ径(2R)が20mmの条件の値をいうものとする。
カットオフ波長はJISまたはCITTの2m法によって測定された値をいうものとする。
分散スロープとは、波長分散値の波長依存性を示すもので、横軸に波長(nm)を、縦軸に波長分散値(ps/km・nm)を取って、分散値をプロットした際の曲線の勾配である。
【0027】
前記特性例は、通信システムに応じて選択される。
Aeffが前記範囲未満では、非線形効果の低減が十分ではない。
また、曲げ損失が100dB/mをこえると、DSFの微かな湾曲によっても損失が大きくなり、不都合となる。
また分散スロープが前記範囲をこえると伝送特性の波長依存性が大きくなり、不都合である。
カットオフ波長が1.55μmをこえる場合は、本発明の目的を達成できず、設計条件が制限される。
【0028】
図1に示した第1の例の屈折率プロファイルを有するDSFをいくつか試作した。これらの試料はw2/w1とΔ2/Δ1の、カットオフ波長に対する影響を調べるため、できるたけ有効コア断面積、モードフィールド径、分散値、分散スロープが一定になるように設計したものである。
図4には、これらのDSFの共通のパラメータについて、横軸に半径(μm)、縦軸に屈折率の値をとって、具体的な数値を示した。このときw1は1.5μmに固定し、w2を変化させてw2/w1を設定した。
表1にw2/w1とΔ2/Δ1、Δ1、Δ2の値と、得られたDSFのカットオフ波長、有効コア断面積(Aeff)、モードフィールド径(MFD)、分散値、分散スロープ、曲げ損失をあわせて示した。
【0029】
【表1】
【0030】
試料番号1,2は、Δ2/Δ1が0.8をこえている。カットオフ波長がやや長いが、他の特性値は、好ましい範囲を満足している。
以下、試料番号1をベースプロファイルとし、試料番号2以降のものは、このベースプロファイルと比較することによって、その特性を評価する。
【0031】
試料番号2のΔ2/Δ1は0.90であり、試料番号1よりも小さくなっている。そして、カットオフ波長は試料番号1と比較すると短くなっている。したがってΔ2/Δ1が小さくなることによって、カットオフ波長が短波長側にシフトする傾向があることがわかる。
試料番号3,4はΔ2/Δ1とw2/w1の好ましい数値範囲を満足しているものである。試料番号1と比較すると、カットオフ波長が十分に短く、かつ他の特性値は遜色がない。
試料番号5は、Δ2/Δ1が0.1未満で、、かつw2/w1が6.0をこえるものである。試料番号1と比較すると、曲げ損失が大きくなっている。
試料番号6はw2/w1が0.5未満であり、試料番号1と比較するとカットオフ波長が長くなっている。
【0032】
表2は、表1に示した試料番号4,5のDSFにおいて、Δ2を+0.01%変動させたときの各特性値を求め、表1に示した値に対する割合(変動率)をそれぞれ示したものである。
【0033】
【表2】
【0034】
表2より、試料番号4は試料番号5と比較して各特性値の変動率が小さくなっている。このため、製造ロットによってΔ2などの構造パタメータが多少変動しても、試料番号4のものは、特性値の変動が少なく、製造安定性が得られるものである。
なお、表1に示した試料番号1〜6においては、カットオフ波長が1.55μmよりも長いものがあるが、これはΔ2/Δ1とw2/w1の好ましい数値範囲を満足していないものである。
【0035】
【発明の効果】
以上説明したように本発明の分散シフト光ファイバは、中心コア部と、この中心コア部の周囲に、前記中心コア部よりも低屈折率の中間部をはさんで配置された、前記中心コア部よりも低屈折率で、かつ前記中間部よりも高屈折率のリング部と、このリング部の周囲に設けられた、前記リング部よりも低屈折率のクラッドとを備え、前記リング部は、第1のリング部と、この第1のリング部の外周に接して設けられた、前記第1のリング部よりも低屈折率の第2のリング部とからなるため、有効コア断面積、曲げ損失、分散スロープなどの特性値が好ましい値となるように構造パラメータを調整しても、カットオフ波長が従来よりも長波長側にシフトしにくく、短いカットオフ波長が得られる。このため設計の自由度が広がるものである。
さらにw2/w1が0.5〜6.0、あるいはΔ2/Δ1が0.1〜0.8という条件をひとつ以上満足することにより、効果が向上する。
特にΔ2/Δ1がこの数値範囲を満足することによって、製造時などにΔ2の値が多少変動しても、実際に得られるDSFの特性値と設計値との差が大きくなりにくく、製造安定性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のDSFの屈折率プロファイルの第1の例を示した図である。
【図2】 本発明のDSFの屈折率プロファイルの第2の例を示した図である。
【図3】 図3(a)は、図2に示した第2の例のDSFを試作した際のRNFP法による実測屈折率プロファイルと各特性値を示した図である。
図3(b)は、図3(a)に示した屈折率プロファイルから、w1、w2、Δ1、Δ2の値を求める方法を説明した図である。
【図4】 図1に示した第1の例の屈折率プロファイルを有するDSFを試作した際の共通のパラメータについて、横軸に半径(μm)、縦軸に屈折率の値をとって、具体的に示した図である。
【図5】 本出願人が提案したDSFの屈折率プロファイルの一例としてデュアルシェイプコア型プロファイルを示した図である。
【図6】 本出願人が提案したDSFの屈折率プロファイルの一例としてリング付きプロファイルを示した図である。
【図7】 本出願人が提案したDSFの屈折率プロファイルの一例としてリング付きデスプレットクラッドプロファイルを示した図である。
【図8】 図7に示したリング付きデスプレットクラッドプロファイルを有するDSFの、RNFP法で実測した屈折率プロファイルの一例と、光学特性の一例を示した図である。
【符号の説明】
1…中心コア部、2…中間部、3…リング部、3a…第1のリング部、3b…第2のリング部、5…第2の中間部、6…クラッド。
Claims (1)
- 中心コア部と、この中心コア部の周囲に、前記中心コア部よりも低屈折率の中間部をはさんで配置された、前記中心コア部よりも低屈折率で、かつ前記中間部よりも高屈折率のリング部と、このリング部の周囲に設けられた、前記リング部よりも低屈折率のクラッドとを備え、
前記リング部は、第1のリング部と、この第1のリング部の外周に接して設けられた、前記第1のリング部よりも低屈折率の第2のリング部とからなり、
前記中心コア部の半径Aが2〜4μm、前記中間部の半径から前記中心コア部の半径を差し引いた値Bが1〜5μm、前記第2のリング部と前記クラッドとの間に設けられた第2の中間部の半径から前記第2のリング部の半径を差し引いた値Cが0〜20μmであり、
前記中心コア部の比屈折率差Δaが0.5〜1%、前記中間部の比屈折率差Δbが−0.1〜0.1%、前記クラッドに対する前記第2の中間部の比屈折率差Δcが−0.2〜0%であり、
前記第1のリング部の半径から前記中間部の半径を差し引いた値をw1、前記第2のリング部の半径から前記第1のリング部の半径を差し引いた値をw2としたとき、w1が1〜12μmで、かつw2/w1が0.73〜2.00であり、
前記第1のリング部と前記クラッドとの比屈折率差をΔ1、前記第2のリング部と前記クラッドとの比屈折率差をΔ2としたとき、Δ1が0.2〜1.0%であり、かつΔ2/Δ1が0.16〜0.77であることを特徴とする分散シフト光ファイバ。
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