JPH11351907A - 磁気式エンコーダ - Google Patents

磁気式エンコーダ

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JPH11351907A
JPH11351907A JP10314255A JP31425598A JPH11351907A JP H11351907 A JPH11351907 A JP H11351907A JP 10314255 A JP10314255 A JP 10314255A JP 31425598 A JP31425598 A JP 31425598A JP H11351907 A JPH11351907 A JP H11351907A
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JP
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JP10314255A
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English (en)
Inventor
Kazuhiro Onaka
和弘 尾中
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 周波数特性も優れたものが得られ、かつ安定
した高い出力を得ることができるとともに、装置への組
み込みが容易で、かつ耐久性においても優れ、さらには
回転運動する装置にも用いることができる磁気式エンコ
ーダを提供することを目的とする。 【解決手段】 位置検出のための磁極パターンを有する
磁気スケール部11と、この磁気スケール部11の磁極
パターンを検出する検出素子12を保持する検出素子保
持部13aを設けたホルダ13とを備え、前記ホルダ1
3に前記検出素子保持部13aと完全に対向しないよう
に突出部14を設け、この突出部14と前記検出素子保
持部13aとの間の隙間における摺動面15を前記磁気
スケール部11が摺動するように構成したものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、精密機器の駆動部
分の位置検出や制御に用いられる磁気抵抗素子を備えた
磁気式エンコーダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、直線上を移動する部材の位置を検
出する磁気式エンコーダの一例として、特開平4−33
9670号公報に開示されているような記録装置に用い
られる磁気式エンコーダがある。この磁気式エンコーダ
は、Fe−Cr−Co磁石を細い丸棒材に構成し、かつ
その表面に位置検出のための磁極パターンを形成してな
る磁気スケール部(磁気媒体)と、この磁気スケール部
の磁極パターンを検出する検出素子を保持するととも
に、この検出素子と前記磁気スケール部間のギャップ
(隙間)を一定に保ちながら、磁気スケール部の外周面
全体を案内部として挿通可能なホルダとを備えた構造と
なっていた。
【0003】また、別の構造として、特開平8−148
10号公報に開示される磁気式エンコーダのように、磁
気スケール部として帯状の薄板材を用い、この磁気スケ
ール部を長方形の挿通孔を有するホルダに挿通し、かつ
磁気スケール部から微小な隙間を介して磁気スケール部
とほぼ平行に対向するように検出素子をホルダに保持し
た構造を有するものも提案されている。
【0004】すなわち、図3は上記別の構造の磁気式エ
ンコーダの斜視図を示したもので、1は平板状の磁気ス
ケール部、2は磁気スケール部1に対し微小な隙間を介
してほぼ平行に対向するように樹脂製のホルダ3に保持
された強磁性金属膜からなる検出素子である。前記ホル
ダ3は前記磁気スケール部1を挿通させる挿通孔4を有
している。5は検出素子2の電圧印加と出力検出を行う
リード線、6は検出パターンで、この検出パターン6は
強磁性金属膜により形成されている。7はホルダ3また
は磁気スケール部1の挿通方向を示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記し
た前者のような磁気式エンコーダの場合、検出素子が平
板状で、かつ磁気スケール部が丸棒状であるため、検出
素子と磁気スケール部とのギャップは、両者の最も接近
した近接点で最も小さく、そしてこの点から離れるに従
い徐々に大きくなるものであり、従って、スペーシング
損失も大きくなり、平板状の磁気スケール部と平板状の
検出素子とを対向させる場合に比べ、出力が半分程度し
か得られなかった。
【0006】また図3に示す別の構造の磁気式エンコー
ダにおいては、磁気スケール部1が挿通孔4に完全に保
持されているため、磁気式エンコーダを記録装置に組み
込む場合は、ホルダ3を磁気スケール部1に挿通させた
状態で組み込み作業を行わなければならず、その作業が
煩雑となるものであった。さらに、ホルダ3を挿通方向
のみしか移動させられないため、取付時の公差によって
ホルダ3と磁気スケール部1の間に負荷が生じ、挿通の
耐久性を劣化させるものであった。さらにまた、この磁
気式エンコーダは、直線上の動きにのみしか用いること
ができず、例えば回転体の位置検出を必要とする装置に
は使用できないものであった。
【0007】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、周波数特性も優れたものが得られ、かつ安定
した高い出力を得ることができるとともに、装置への組
み込みが容易で、かつ耐久性においても優れ、さらには
回転運動する装置にも用いることができる磁気式エンコ
ーダを提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の磁気式エンコーダは、位置検出のための磁極
パターンを有する磁気スケール部と、この磁気スケール
部の磁極パターンを検出する検出素子を保持する検出素
子保持部を設けたホルダとを備え、前記ホルダに前記検
出素子保持部と完全に対向しないように突出部を設け、
この突出部と前記検出素子保持部との間の隙間における
摺動面を前記磁気スケール部が摺動するようにしたもの
で、この構成によれば、安定した高い出力を得ることが
できるとともに、装置への組み込みが容易で、かつ耐久
性にも優れ、さらには回転運動する装置にも用いること
ができる磁気式エンコーダが得られるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明
は、位置検出のための磁極パターンを有する磁気スケー
ル部と、この磁気スケール部の磁極パターンを検出する
検出素子を保持する検出素子保持部を設けたホルダとを
備え、前記ホルダに前記検出素子保持部と完全に対向し
ないように突出部を設け、この突出部と前記検出素子保
持部との間の隙間における摺動面を前記磁気スケール部
が摺動するようにしたもので、この構成によれば、ホル
ダに検出素子保持部と完全に対向しないように突出部を
設けているため、ホルダと、突出部と、検出素子保持部
を上金型と下金型のみで一体成形することが可能とな
り、その結果、各部品の組み合わせでは達成できない高
い寸法精度が得られるとともに、組立工数の低減が図れ
るため、検出素子保持部に保持された検出素子と磁気ス
ケール部の距離を一定に保つことができ、これにより、
磁気式エンコーダの周波数特性も優れたものが得られる
とともに、安定した高い出力を得ることができる。また
上記構成により、摺動時の磁気スケール部の負荷も軽減
できるため、耐久性においても優れたものが得られ、か
つ磁気スケール部とホルダの脱着も容易に行うことがで
きるため、磁気式エンコーダを記録装置などの機器に取
り付ける際の組立工数も大幅に削減できるとともに、前
記記録装置などの機器の動作中に磁気スケール部が破損
した場合でも容易に交換することができ、さらには回転
運動する装置に用いられる円板状の磁気スケール部の検
出もできるという作用を有するものである。
【0010】請求項2に記載の発明は、突出部をホルダ
に片持ち状態で設けたもので、この構成によれば、磁気
スケール部の摺動方向に対して突出部の自由端部の方向
から磁気スケール部の着脱を容易に行うことができるた
め、回転運動する装置に用いられる円板状の磁気スケー
ル部の検出ができ、また磁気式エンコーダを記録装置な
どの機器に取り付ける際の組立工数も大幅に削減でき、
さらに前記記録装置などの機器の動作中に磁気スケール
部が破損した場合でも容易に交換できるという作用を有
するものである。
【0011】請求項3に記載の発明は、ホルダと、突出
部と、検出素子保持部を樹脂で一体成形したもので、こ
の構成によれば、検出素子と磁気スケール部摺動面と突
出部の隙間の形状および平行度を成形金型の寸法精度に
より決定することができるため、磁気スケール部と検出
素子のエアギャップをきわめて高い精度で管理すること
ができ、安定した高い出力が容易に得られるという作用
を有するものである。
【0012】請求項4に記載の発明は、ホルダと、突出
部と、検出素子保持部を一体成形する樹脂材料として、
ポリアセタール樹脂を用いたもので、この構成によれ
ば、磁気スケール部とホルダおよび突出部の摺動による
摩耗を最小限にすることができるため、磁気式エンコー
ダの信頼性を確保することができるという作用を有する
ものである。
【0013】請求項5に記載の発明は、突出部の磁気ス
ケール部摺動部分に、磁気スケール部の摺動時磁気スケ
ール部の脱落を防止するための磁気スケール部保持用段
差を設けたもので、この構成によれば、磁気スケール部
が動作中に脱落することはなくなるため、安定した出力
が得られるという作用を有するものである。
【0014】請求項6に記載の発明は、磁気スケール部
をポリエチレンテレフタレート樹脂で構成したもので、
この構成によれば、磁気スケール部の動作中のばたつき
による出力変動が少なくなるため、安価な磁気式エンコ
ーダが得られるという作用を有するものである。
【0015】請求項7に記載の発明は、磁気スケール部
を円板状に構成したもので、この構成によれば、回転体
の位置検出や速度検出が可能になるという作用を有する
ものである。
【0016】請求項8に記載の発明は、磁気スケール部
を帯状に構成したもので、この構成によれば、直線運動
する物体の位置検出や速度検出が可能になるという作用
を有するものである。
【0017】請求項9に記載の発明は、検出素子を検出
素子保持部の上面と面一に配置したもので、この構成に
よれば、磁気スケール部と検出素子面を接近させること
ができるため、検出出力信号を得ることができるという
作用を有するものである。
【0018】請求項10に記載の発明は、ホルダと、突
出部と、検出素子保持部を樹脂で一体成形するための成
形樹脂注入用のゲートを、検出素子が露出する磁気スケ
ール部摺動面以外の部分に設けたもので、この構成によ
れば、ゲートより注入された成形樹脂の射出圧によっ
て、検出素子を磁気スケール部摺動面に押しつけること
ができるため、磁気スケール部摺動面と検出素子面の平
行度を高くすることができ、これにより、安定した高い
出力が得られるという作用を有するものである。
【0019】請求項11に記載の発明は、突出部におけ
る磁気スケール部摺動面を円弧状に構成したもので、こ
の構成によれば、磁気スケール部が摺動時に磁気スケー
ル部の上方に位置する突出部によって傷が付くというこ
とはなくなるため、高い信頼性が得られるという作用を
有するものである。
【0020】請求項12に記載の発明は、検出素子を磁
気スケール部摺動面と反対側の面より前記磁気スケール
部摺動面の方向に押さえて検出素子保持部を樹脂でホル
ダと一体成形したもので、この構成によれば、検出素子
面と磁気スケール部摺動面の平行度を高くすることがで
きるため、安定した高い出力が得られるという作用を有
するものである。
【0021】請求項13に記載の発明は、検出素子の感
磁膜を、強磁性金属膜と非磁性金属膜を交互に積層して
なる人工格子多層膜により構成したもので、この構成に
よれば、強磁性磁気抵抗膜により構成されている検出素
子と比較して、高い出力が得られるという作用を有する
ものである。
【0022】請求項14に記載の発明は、磁気スケール
部に塗布される磁気インクとして、フェライト系の磁性
体を用いたもので、この構成によれば、安価な磁気スケ
ール部が得られるという作用を有するものである。
【0023】請求項15に記載の発明は、磁気スケール
部に塗布されている磁気インクの保持力を1500Oe
以上としたもので、この構成によれば、高い出力が得ら
れるという作用を有するものである。
【0024】請求項16に記載の発明は、磁気スケール
部に塗布される磁気インクの厚みを20μm以下に設定
したもので、この構成によれば、50μm以下のピッチ
の着磁が可能になるという作用を有するものである。
【0025】請求項17に記載の発明は、磁気スケール
部に塗布される磁気インクとして、磁気的な配向を持た
ないものを用いたもので、この構成によれば、円板形状
の磁気スケール部の出力を安定して検出できるという作
用を有するものである。
【0026】以下、本発明の磁気式エンコーダの具体的
な実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0027】図1は本発明の一実施の形態における磁気
式エンコーダの斜視図、図2は同磁気式エンコーダの側
面図を示したものである。
【0028】図1、図2において、11は位置検出のた
めの磁極パターンを有する磁気スケール部で、この磁気
スケール部11は、金属またはポリエチレンテレフタレ
ート樹脂等の樹脂板上に保持力1500Oe以上の磁気
インクを印刷、硬化させて磁性層を形成し、その上に一
定間隔に着磁を行っている。12は人工格子MR膜を有
する板状の検出素子で、この検出素子12は前記磁気ス
ケール部11の面にほぼ平行に対向するようにホルダ1
3に樹脂で一体成形された検出素子保持部13aに保持
され、前記磁気スケール部11上に着磁された磁極パタ
ーンを検出する。また前記ホルダ13は、前記磁気スケ
ール部11の磁極パターンを検出する検出素子12を保
持する検出素子保持部13aと完全に対向しないよう
に、検出素子保持部13aの両側に位置して突出部14
を樹脂により片持ち状態で一体に成形している。そして
この突出部14と前記検出素子保持部13aとの間の隙
間を摺動面15とし、この摺動面15に前記磁気スケー
ル部11を摺動可能に挿入して、前記磁気スケール部1
1に対しホルダ13を摺動可能に構成している。また前
記ホルダ13、検出素子保持部13aおよび突出部14
はポリアセタール樹脂等からなる樹脂により一体成形し
て構成されているものである。
【0029】前記ホルダ13に設けられた突出部14
は、前記磁気スケール部11の厚さ方向に微小な隙間を
介して磁気スケール部11の長手方向とほぼ直角方向か
ら磁気スケール部11を挿入可能に構成しているもの
で、さらにこの突出部14における磁気スケール部摺動
面は、前記検出素子12の面と平行にかつ前記検出素子
12の面と対向しないように配置され、そしてまた前記
磁気スケール部11と検出素子12との隙間は20μm
以下になるように構成している。16は前記検出素子1
2に電圧を印加したり検出出力を取り出すためのリード
端子である。17は前記検出素子12上に磁気スケール
部11の幅より狭い領域で形成された人工格子多層膜か
らなる検出パターンである。
【0030】次に本発明の一実施の形態における磁気式
エンコーダを用いて記録装置内における移動体の位置検
出を行う方法について簡単に説明する。
【0031】まず、記録装置内の静止部分に磁気スケー
ル部11の両端部を固定する。この磁気スケール部11
を固定した後に、この磁気スケール部11にホルダ13
の摺動面15を嵌合させて記録装置内の移動体にホルダ
13を固定する。また、記録装置における移動体の移動
は設計上磁気スケール部11と平行になるように設計し
ているが、移動体と磁気スケール部11の平行度は設計
上の公差分だけはずれるもので、この場合、平行度のず
れが公差の大きい方向にずれても影響がないようにホル
ダ13を動かしてホルダ13の摺動面15と磁気スケー
ル部11との関係を調整すると、ホルダ13の摺動中に
ホルダ13に負荷がかかることはなくなり、その結果、
安定した記録を行わせることができるとともに、ホルダ
13と磁気スケール部11の耐久性を向上させることが
できるものである。
【0032】また、磁気スケール部11は直線的な帯状
に形成され、長手方向に所定のピッチの信号磁界、例え
ば数十μmから数百μmピッチで着磁されている。前記
記録装置内における移動体が移動することにより、磁気
スケール部11と常に一定の間隔を保ってホルダ13に
保持された検出素子12が磁気スケール部11上の信号
磁界を通過することにより、検出素子12の抵抗値が変
化して位置信号として検出することができる。
【0033】なお、前記磁気スケール部11に塗布され
ている磁気インクは安価で加工が容易なフェライト系の
磁性体により構成したものを用いているが、より強い信
号磁界が必要な場合は希土類金属を添加してもよく、少
なくとも磁気インクの保持力は1500Oe以上でなけ
れば磁気式エンコーダとして使用する際の十分な信号磁
界が得られないものである。
【0034】また、磁気スケール部11に塗布される磁
気インクが厚過ぎた場合、微小なピッチを着磁すると、
磁気インク自身の中で磁気ループを構成し、十分な信号
磁界を得ることができないため、50μm以下の着磁ピ
ッチをする場合は、磁気インクの厚みは20μm以下の
厚みでなければならないものである。
【0035】そしてまた、円板状の磁気スケール部を用
いて回転体の位置検出を行う場合は、磁気スケール部の
縁側の部分に回転方向に着磁を行うため、磁気インクは
360°のどの方向への着磁に対しても同じ強度の信号
磁界になっていることが必要である。従って、磁気イン
クとして、どの方向に対しても磁気的な配向を持たない
ものを用いることによって、円板状の磁気スケール部の
円周上のどの位置も安定した信号出力を得ることが可能
となるものである。
【0036】一方、磁気式エンコーダにおいては、磁気
スケール部11に着磁した着磁ピッチの間隔が分解能に
相当するため、検出素子12上に形成される検出パター
ン17を構成する磁気抵抗膜の種類が分解能を左右す
る。100μm以上の着磁ピッチの磁気スケール部11
の信号ではニッケル合金からなる強磁性金属膜で構成し
たMR素子でも5V駆動で位置信号出力は20mV以上
を検出でき、位置信号検出は可能である。しかしなが
ら、着磁ピッチが70μm以下の領域では、強磁性金属
膜では数mV程度の位置信号出力しか検出できず、その
結果、S/N比が悪くなるため、磁気式エンコーダとし
て使用できない。
【0037】このため、強磁性金属膜と非磁性金属膜を
交互に積層して多層に形成する人工格子多層膜のGMR
特性を有する検出素子12を用いて位置信号検出を行う
と、GMR特性はMR特性の5倍以上の感度を有するた
め、20μmピッチの着磁ピッチの磁気スケール部11
の信号でも20mV以上の位置信号出力を検出できる。
しかしながら、高感度の人工格子多層膜からなる検出素
子12を用いた場合でも、20μm付近の着磁信号を検
出するためには、摺動面15上に露出している検出素子
12と磁気スケール部11との隙間は20μm以下にし
なければならないものである。
【0038】ここで用いる人工格子多層膜としては、強
磁性金属膜をNi約80%、Fe約10%、Co約10
%で構成し、かつその厚みを15〜30Åとし、また非
磁性金属膜をCuで構成し、かつその厚みを15〜25
Åとしているものである。GMR特性は強磁性金属膜の
交換結合によって生じるが、その交換結合は強磁性金属
膜の層間の膜厚と強磁性金属膜自身の膜厚に大きく依存
するため、特に各層の金属膜の膜厚管理が重要である。
なお、非磁性金属膜はCu以外のAg,Ru,Ptでも
よく、また強磁性金属膜の各金属の組成比も内部応力を
除去する割合、例えばNi約83%、Fe約17%であ
れば磁気抵抗効果は若干劣るが、十分に使用できるもの
である。
【0039】上記した本発明の一実施の形態において
は、ホルダ13の摺動面15を、磁気スケール部11の
厚さ方向に微小な隙間を介して磁気スケール部11の長
手方向とほぼ直角方向から磁気スケール部11に挿入可
能に構成し、かつ検出素子12は磁気スケール部11と
ほぼ平行に対向するようにホルダ13に保持しているた
め、検出素子12と磁気スケール部11の距離を一定に
保つことができ、その結果、磁気式エンコーダの周波数
特性が優れ、かつ安定した高い出力を得ることができる
ものである。また磁気スケール部11とホルダ13の着
脱も容易に行うことができるため、磁気式エンコーダを
記録装置などの機器に取り付ける際の組立工数も大幅に
削減でき、かつ前記記録装置などの機器の動作中に磁気
スケール部11が破損した場合でも容易に交換できるも
のである。
【0040】また摺動面14内に露出している検出素子
12と磁気スケール部11との隙間を20μm以下にな
るように構成しているため、磁気スケール部11に着磁
された20μmまでの微小着磁ピッチを安定した出力信
号に変換することができ、これにより、ゴミや埃に影響
されずに20μm以下の微小な位置検出が可能となるも
のである。
【0041】さらに前記ホルダ13はポリアセタール樹
脂で構成しているため、このポリアセタール樹脂の物性
である自己潤滑性による摺動特性に優れたホルダ13を
構成することができ、これにより、擦れ合うホルダ13
と磁気スケール部11の材料同士の摩耗を防ぐことがで
きるため、磁気式エンコーダ自身の長寿命化と高信頼性
を確保できるものである。
【0042】さらにまた前記検出素子12を強磁性金属
膜と非磁性金属膜を交互に積層してなる人工格子多層膜
により構成した場合は、人工格子多層膜が有する巨大磁
気抵抗効果特性(GMR特性)を利用することができる
ため、前記強磁性金属膜が有するMR特性と比較して、
高い出力特性と高感度による微細な着磁ピッチの検出が
可能となり、これにより、強磁性金属膜のみでは不可能
であった70μmピッチ以下の検出が可能となるばかり
ではなく、高出力であるため、S/N比が大きくなり、
検出回路が簡略化できるものである。
【0043】また人工格子多層膜における強磁性金属膜
はNi,Fe,Coのいずれか2種類以上で構成してい
るため、GMR特性に及ぼすヒステリシスの影響を除去
して、検出信号の出力波形の揺らぎを抑制し、安定した
信号出力特性と温度特性が得られるものである。
【0044】そしてまた前記人工格子多層膜における非
磁性金属膜はCuで構成しているため、安価でかつ高感
度なGMR特性による高い信号出力特性が得られ、かつ
S/N比が大きくなり、検出回路が簡略化できるもので
ある。
【0045】さらに前記人工格子多層膜における強磁性
金属膜の厚みは15〜30Åの範囲に設定しているた
め、検出素子の異方性磁界強度をセンサとして最適な2
0〜60Oeにすることができ、これにより、安定した
高い信号出力特性が得られるものである。
【0046】さらに、また前記人工格子多層膜における
非磁性金属膜の厚みを15〜25Åの範囲に設定してい
るため、GMR特性に生じるRKKY振動の第二ピーク
の特性が得られ、これにより、100℃以上の温度領域
での核金属層の拡散が生じることはないため、製造の加
熱工程中でもGMR特性に影響なく生産することがで
き、また100℃以上の高温雰囲気中での信号出力検出
も可能になるものである。
【0047】また前記人工格子多層膜における強磁性金
属膜はNi,Fe,Coの合金で構成し、かつその組成
比は、Niが約80%、Feが約10%、Coが約10
%となるようにしているもので、人工格子多層膜の強磁
性金属膜中にCoを含有しているため、強磁性金属膜と
非磁性金属膜の層間の拡散が生じることはなくなり、そ
の結果、検出素子が100℃以上の耐熱性を確保できる
ものである。
【0048】なお、上記本発明の一実施の形態において
は、ホルダ13と、検出素子保持部13aと、突出部1
4をポリアセタール樹脂などからなる樹脂により一体成
形しているもので、この場合、成形金型に成形樹脂を注
入する成形樹脂注入用のゲートは、前記検出素子12が
露出する磁気スケール部摺動面以外の部分に設けている
ため、一体成形時においてゲートより注入された樹脂の
射出圧によって前記検出素子12が前記検出素子保持部
13aを構成するための金型面に押しつけられることに
なり、これにより、前記検出素子12の面の精度ならび
に前記ホルダ13、摺動面を有する検出素子保持部13
a、突出部14の各寸法の精度を確保できるとともに、
前記検出素子保持部13a、ホルダ13および突出部1
4を組み立てる工数も低減できるものである。
【0049】また本発明の一実施の形態における突出部
14の磁気スケール部摺動部分に、磁気スケール部11
の摺動時磁気スケール部11の脱落を防止するための磁
気スケール部保持用段差(図示せず)を設けることによ
り、磁気スケール部11が動作中に脱落するということ
はなくなるため、安定した出力が得られるものである。
【0050】そしてまた本発明の一実施の形態において
は、磁気スケール部11を直線的な帯状に形成したもの
について説明したが、磁気スケール部11を円板状に構
成してもよく、この場合、円板状の磁気スケール部は回
転体の位置検出や速度検出が可能になるものである。
【0051】さらに本発明の一実施の形態における検出
素子12を検出素子保持部13aの上面と面一に配置す
ることにより、磁気スケール部11と検出素子面を接近
させることができるため、高い検出出力信号を得ること
ができるものである。
【0052】さらにまた本発明の一実施の形態における
突出部14の磁気スケール部摺動面を突出部14の長さ
方向全体にわたって円弧状に構成することにより、磁気
スケール部11が摺動時に磁気スケール部11の上方に
位置する突出部14によって傷が付くということはなく
なるため、高い信頼性が得られるものである。
【0053】また本発明の一実施の形態における検出素
子12を磁気スケール部摺動面と反対側の面より前記ス
ケール部摺動面の方向に例えば、スプリングで押さえて
検出素子保持部13aを樹脂でホルダ13と一体成形す
ることにより、検出素子面と磁気スケール部摺動面の平
行度を高くすることができるため、安定した高い出力が
得られるものである。
【0054】
【発明の効果】以上のように本発明の磁気式エンコーダ
は、位置検出のための磁極パターンを有する磁気スケー
ル部と、この磁気スケール部の磁極パターンを検出する
検出素子を保持する検出素子保持部を設けたホルダとを
備え、前記ホルダに前記検出素子保持部と完全に対向し
ないように突出部を設け、この突出部と前記検出素子保
持部との間の隙間における摺動面を前記磁気スケール部
が摺動するようにしたもので、この構成によれば、ホル
ダに検出素子保持部と完全に対向しないように突出部を
設けているため、ホルダと、突出部と、検出素子保持部
を上金型と下金型のみで一体成形することが可能とな
り、その結果、各部品の組み合わせでは達成できない高
い寸法精度が得られるとともに、組立工数の低減が図れ
るため、検出素子保持部に保持された検出素子と磁気ス
ケール部の距離を一定に保つことができ、これにより、
磁気式エンコーダの周波数特性も優れたものが得られる
とともに、安定した高い出力を得ることができる。また
上記構成により、摺動時の磁気スケール部の負荷も軽減
できるため、耐久性においても優れたものが得られ、か
つ磁気スケール部とホルダの脱着も容易に行うことがで
きるため、磁気式エンコーダを記録装置などの機器に取
り付ける際の組立工数も大幅に削減できるとともに、前
記記録装置などの機器の動作中に磁気スケール部が破損
した場合でも容易に交換することができ、さらには回転
運動する装置に用いられる円板状の磁気スケール部の検
出もできるという優れた効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態における磁気式エンコー
ダの斜視図
【図2】同磁気式エンコーダの側面図
【図3】従来の磁気式エンコーダの斜視図
【符号の説明】
11 磁気スケール部 12 検出素子 13 ホルダ 13a 検出素子保持部 14 突出部 15 摺動面

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 位置検出のための磁極パターンを有する
    磁気スケール部と、この磁気スケール部の磁極パターン
    を検出する検出素子を保持する検出素子保持部を設けた
    ホルダとを備え、前記ホルダに前記検出素子保持部と完
    全に対向しないように突出部を設け、この突出部と前記
    検出素子保持部との間の隙間における摺動面を前記磁気
    スケール部が摺動するようにしたことを特徴とする磁気
    式エンコーダ。
  2. 【請求項2】 突出部をホルダに片持ち状態で設けたこ
    とを特徴とする請求項1記載の磁気式エンコーダ。
  3. 【請求項3】 ホルダと、突出部と、検出素子保持部を
    樹脂で一体成形したことを特徴とする請求項1記載の磁
    気式エンコーダ。
  4. 【請求項4】 ホルダと、突出部と、検出素子保持部を
    一体成形する樹脂材料として、ポリアセタール樹脂を用
    いたことを特徴とする請求項3記載の磁気式エンコー
    ダ。
  5. 【請求項5】 突出部の磁気スケール部摺動部分に、磁
    気スケール部の摺動時磁気スケール部の脱落を防止する
    ための磁気スケール部保持用段差を設けたことを特徴と
    する請求項1記載の磁気式エンコーダ。
  6. 【請求項6】 磁気スケール部をポリエチレンテレフタ
    レート樹脂で構成したことを特徴とする請求項1記載の
    磁気式エンコーダ。
  7. 【請求項7】 磁気スケール部を円板状に構成したこと
    を特徴とする請求項1記載の磁気式エンコーダ。
  8. 【請求項8】 磁気スケール部を帯状に構成したことを
    特徴とする請求項1記載の磁気式エンコーダ。
  9. 【請求項9】 検出素子を検出素子保持部の上面と面一
    に配置したことを特徴とする請求項1記載の磁気式エン
    コーダ。
  10. 【請求項10】 ホルダと、突出部と、検出素子保持部
    を樹脂で一体成形するための成形樹脂注入用のゲート
    を、検出素子が露出する磁気スケール部摺動面以外の部
    分に設けたことを特徴とする請求項1または3記載の磁
    気式エンコーダ。
  11. 【請求項11】 突出部における磁気スケール部摺動面
    を円弧状に構成したことを特徴とする請求項1または2
    記載の磁気式エンコーダ。
  12. 【請求項12】 検出素子を磁気スケール部摺動面と反
    対側の面より前記磁気スケール部摺動面の方向に押さえ
    て検出素子保持部を樹脂でホルダと一体成形したことを
    特徴とする請求項1または3記載の磁気式エンコーダ。
  13. 【請求項13】 検出素子の感磁膜を、強磁性金属膜と
    非磁性金属膜を交互に積層してなる人工格子多層膜によ
    り構成したことを特徴とする請求項1記載の磁気式エン
    コーダ。
  14. 【請求項14】 磁気スケール部に塗布される磁気イン
    クとして、フェライト系の磁性体を用いたことを特徴と
    する請求項1記載の磁気式エンコーダ。
  15. 【請求項15】 磁気スケール部に塗布されている磁気
    インクの保持力を1500Oe以上としたことを特徴と
    する請求項1または14記載の磁気式エンコーダ。
  16. 【請求項16】 磁気スケール部に塗布される磁気イン
    クの厚みを20μm以下に設定したことを特徴とする請
    求項1,14,15のいずれかに記載の磁気式エンコー
    ダ。
  17. 【請求項17】 磁気スケール部に塗布される磁気イン
    クとして、磁気的な配向を持たないものを用いたことを
    特徴とする請求項1または7記載の磁気式エンコーダ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN1304812C (zh) * 2003-06-17 2007-03-14 奥林巴斯株式会社 编码器、透镜装置以及使用该透镜装置的数字照相机
JP2014501930A (ja) * 2011-01-07 2014-01-23 アールエルエス メリルナ テニカ ディー.オー.オー. エンコーダ読取りヘッド装置

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