JPH11350991A - バルブタイミング可変装置付エンジンの制御装置 - Google Patents

バルブタイミング可変装置付エンジンの制御装置

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JPH11350991A
JPH11350991A JP10156351A JP15635198A JPH11350991A JP H11350991 A JPH11350991 A JP H11350991A JP 10156351 A JP10156351 A JP 10156351A JP 15635198 A JP15635198 A JP 15635198A JP H11350991 A JPH11350991 A JP H11350991A
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camshaft
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valve
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秀樹 山田
Seiji Numa
聖司 沼
Hiroyuki Kawaguchi
博之 川口
Yoshiharu Tokuda
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  • Valve Device For Special Equipments (AREA)
  • Output Control And Ontrol Of Special Type Engine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】カム軸2に固定したロータ31と、カムプーリ
5に固定したケ−シング32とからなるバルブタイミン
グ可変機構(VVT)10を装備したエンジンEを対象
とし、VVT10の進角側又は遅角側受圧室10b,1
0aへ供給する作動油圧をオイルコントロールバルブ
(OCV)44の制御により調整するようにしたエンジ
ンの制御装置Aにおいて、車両の走行に悪影響を及ぼす
ことなくOCV44のクリーニング作動を実行し、かつ
その際の異音の発生を防止する。 【解決手段】OCV44を制御するコントロールユニッ
ト(ECU)51に、エンジン始動域でOCV44をク
リーニング作動させるクリーニング制御部51cと、エ
ンジンEが完爆状態になった後の所定期間(クリーニン
グ禁止期間)、OCV44のクリーニング作動を禁止す
るクリーニング禁止部51dとを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エンジンの運転状
態に応じてカム軸に対するスプロケットやタイミングプ
ーリ等の回転位相を変更する液圧式のバルブタイミング
可変機構(以下、VVTという)を装備したエンジンの
制御装置に関し、特に、前記VVTへの作動液圧を調整
する液圧調整弁の作動不良を防止するためのクリーニン
グ制御の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のVVT付エンジンと
しては、一般に、動弁系カム軸の一端部に設けたアクチ
ュエータによりタイミングプーリとカム軸とを相対的に
回動させるようにしたものが知られている。また、前記
アクチュエータとしては、カム軸端部に回転一体に連結
された内側回動部材と、該内側回動部材に対し相対回転
可能に連結されかつタイミングプーリに回転一体に連結
された外側回動部材とを備え、前記内側回動部材を外側
回動部材に対し液圧力によって正逆両側に回動させるよ
うにした液圧式のものが用いられている。さらに、前記
アクチュエータに供給する作動液圧の調整は、エンジン
のコントロールユニットにより制御される電磁弁からな
る液圧調整弁により行われる。
【0003】ところで、前記アクチュエータに供給する
作動液としては、通常、潤滑用のエンジンオイルが用い
られるので、そのエンジンオイル中の不純物や微小異物
が液圧調整弁内に堆積して、弁の作動不良が発生するこ
とも考えられる。これに対し、例えば特開平9−195
805号公報には、エンジン始動前やアイドル運転時等
に液圧調整弁を強制的に開閉作動させるクリーニング作
動を行って、弁内に堆積した不純物や微小異物を排出さ
せることで、該液圧調整弁の作動不良を防止するように
したエンジンの制御装置が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、エンジン始
動の際には、VVTのアクチュエータに作動油(エンジ
ンオイル)を供給する作動油供給経路において、該経路
内に残っている作動油圧のばらつきが大きい上、エンジ
ンのクランク軸により駆動されるオイルポンプの吐出圧
変動も大きくなるので、そのときにVVTの液圧調整弁
をクリーニング作動させると、このクリーニング作動に
伴いアクチュエータ内の油圧が大きく変動して、内側回
動部材が勝手に正逆両側に回動して、外側回動部材と衝
突し、異音を発生する虞れがある。特に、エンジンを停
止状態で長時間放置した後に始動する場合には、エンジ
ン停止中に前記作動油供給経路に気泡が混入しているこ
とがあり、その場合には、気泡の圧縮等に起因する作動
油圧の瞬間的な変動が極めて大きくなるので、上述の不
具合が著しい。
【0005】本発明は斯かる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、液圧式のアクチュエー
タからなるバルブタイミング可変機構を装備したエンジ
ンを対象とし、液圧調整弁の作動不良を防止するための
クリーニング作動の制御手順に工夫を凝らすことで、車
両の走行に悪影響を及ぼすことなくクリーニング作動を
実行し、かつその際の異音の発生を防止することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に、本発明の解決手段では、液圧調整弁のクリーニング
作動をエンジン始動域で実行するとともに、そのエンジ
ン始動域であって、作動液圧の変動が大きくなる所定期
間は前記クリーニング作動御を禁止するようにした。
【0007】具体的に、請求項1記載の発明では、図3
乃至図8に示すように、エンジンEのクランク軸7によ
り動弁系のカム軸2を駆動して同期回転させる伝動経路
に設けられ、進角側又は遅角側液圧室10b,10aへ
の作動液の供給により、互いに相対的に回動可能に連結
された内側及び外側回動部材31,32を相対的に回動
させてカム軸2のクランク軸7に対する回転位相を変更
させる回転位相可変機構10と、前記進角側又は遅角側
液圧室10b,10aに選択的に作動液を供給する作動
液供給経路の途中に設けられ、前記作動液の液圧を調整
する電磁弁からなる液圧調整弁44と、エンジンEの運
転状態に応じて前記液圧調整弁44の作動を制御する液
圧制御手段51bと、エンジン始動の際、前記液圧調整
弁44を強制的に開閉させるクリーニング制御手段51
cとを備えたエンジンの制御装置Aを前提とする。そし
て、エンジンEが完爆状態になった後の所定のクリーニ
ング禁止期間、前記クリーニング制御手段51cによる
液圧調整弁44の作動制御を禁止するクリーニング禁止
手段51dを設ける構成とする。
【0008】この構成によれば、エンジンEの始動の
際、クリーニング制御手段51cにより液圧調整弁44
が強制的に開閉作動(クリーニング作動)され、該液圧
調整弁44内に堆積している不純物や微小異物が排出さ
れて、その作動不良が未然に防止される。また、エンジ
ン始動の際には、通常、車両は走行開始前でスロットル
弁は全閉状態にされ、エンジンはアイドル運転状態にな
っているので、このときに液圧調整弁44が開閉作動さ
れて、回転位相可変機構10の進角側及び遅角側液圧室
10b,10a内の作動液圧がいくらか変動しても、そ
のことが車両の走行に悪影響を及ぼすことはない。
【0009】そして、この発明では、エンジンEが完爆
状態になった後で作動液供給経路内の液圧変動が過大に
なる可能性の高い所定期間(クリーニング禁止期間)、
前記クリーニング制御手段51cによる液圧調整弁44
の作動制御をクリーニング禁止手段51dによって禁止
するようにしているので、作動液供給経路内の過大な液
圧変動に起因して回転位相可変機構10で異音が発生す
ることを防止できる。
【0010】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明における内側回動部材は、円筒状のボス部と、該ボ
ス部の外周面から径方向外側に突出するベーンとを有
し、また、外側回動部材は、前記内側回動部材に対しボ
ス部の軸線回りに回動可能に外嵌合されて連結されたケ
ーシングと、該ケーシングの内周面から径方向内側に突
出する突出壁部とを有しており、進角側又は遅角側液圧
室は、前記ベーンと突出壁部との間に周方向に交互に区
画形成されている構成とする。
【0011】この構成では、回転位相可変機構におい
て、進角側又は遅角側液圧室が内側回動部材のベーンと
外側回動部材の突出壁部との間に周方向に交互に区画形
成されているので、前記進角側又は遅角側液圧室内の作
動液圧が変動すると、前記ベーンと突出壁部とが衝突し
て極めて大きな音が発生する虞れがある。従って、この
ような構成において、液圧調整弁のクリーニング作動を
禁止して回転位相可変機構での異音発生を防止すること
が、特に有効になる。
【0012】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明における回転位相可変機構には、内側及び外側回動
部材の相対回動を許容又は阻止するストッパ手段が設け
られ、該ストッパ手段は、前記回転位相可変機構に供給
される作動液圧が所定以下の間、付勢手段の付勢力によ
って、前記内側及び外側回動部材の相対回動を阻止する
回動阻止状態に保持される一方、作動液圧の上昇に伴い
前記付勢手段の付勢力に抗して移動して、内側及び外側
回動部材の相対回動を許容する回動許容状態に切替られ
るように構成されており、クリーニング禁止期間は、前
記ストッパ手段が回動阻止状態から回動許容状態に切替
られる期間を含んでいるものとする。
【0013】この構成では、エンジン始動前には、スト
ッパ手段が回動阻止状態になっているので、内側及び外
側回動部材の相対回動が阻止され、騒音発生が防止され
る。一方、エンジンが始動されて完爆状態になり、作動
液圧の上昇に伴い前記ストッパ手段が回動許容状態に切
替られる期間は、作動液供給経路内の作動液圧が上昇
し、かつその液圧変動が大きくなる期間なので、その期
間を含むようにクリーニング禁止期間を設定すること
で、回転位相可変機構での異音発生を確実に防止でき
る。
【0014】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
発明におけるクリーニング禁止期間は、エンジンが完爆
状態になってから設定時間が経過するまでの期間とす
る。すなわち、一般に、エンジンのクランキング中はオ
イルポンプの吐出圧が極めて低く、作動液供給経路内の
液圧は略大気圧になっているので、液圧変動があっても
その影響は少ない。そして、完爆状態になってエンジン
が吹け上がるときには、エンジン回転数の上昇とともに
作動液圧も上昇し、同時に、その液圧変動が大きくな
る。そこで、この発明では、エンジンが完爆状態になっ
てから予め試験的に設定した設定時間が経過するまでの
間、液圧調整弁のクリーニング作動を禁止することで、
作動液供給経路内の過大な液圧変動に起因する回転位相
可変機構での異音発生を確実に防止できる。
【0015】請求項5記載の発明では、請求項1記載の
発明におけるクリーニング禁止期間は、エンジン回転数
がアイドル回転数よりも低い所定回転数以上になってか
ら、設定時間が経過するまでの期間とする。このこと
で、請求項4記載の発明と同様、作動液供給経路内の作
動液圧の変動が大きくなるときに液圧調整弁のクリーニ
ング作動を禁止することで、作動液供給経路内の過大な
液圧変動に起因する回転位相可変機構での異音発生を確
実に防止できる。
【0016】請求項6記載の発明では、請求項1記載の
発明における内側又は外側回動部材のいずれか一方がカ
ム軸の端部に回転一体に連結されたカム軸側回動部材と
され、該カム軸側回動部材内には、進角側又は遅角側液
圧室に連通する液路が設けられており、作動液供給経路
は、一端が前記カム軸側回動部材内の液路に接続され、
他端がカム軸外周面に開口するカム軸内液路と、前記カ
ム軸を支持する軸受部の軸受面に形成され、前記カム軸
内液路の開口部に連通する周方向の開口溝とを有する構
成とする。
【0017】この構成では、作動液供給経路を流れる作
動液は、軸受部内の液路から軸受面上の開口溝を介して
カム軸内液路に供給されるようになっているので、エン
ジン停止中に前記軸受部の軸受面とカム軸の外周面との
間から作動液供給経路に空気が侵入することがあり、そ
の場合には、エンジン始動の際に前記作動液供給経路内
の液圧が上昇するときに、作動液圧の瞬間的な変動が極
めて大きくなる。従って、このような構成において、エ
ンジンが完爆状態になった後の所定期間、液圧調整弁の
クリーニング作動を禁止して、回転位相可変機構での異
音発生を防止することが特に有効になる。
【0018】請求項7記載の発明では、請求項6記載の
発明において、カム軸を支持する軸受部内には、該軸受
部の軸受面上の開口溝に連通する液路が形成され、前記
軸受部に連結されかつ内部に形成された液路が前記軸受
部内の液路に連通される中間部材が設けられ、液圧調整
弁は、前記中間部材内の液路を介して前記軸受部の開口
溝に接続されている構成とする。
【0019】この構成では、液圧調整弁を介して供給さ
れる作動液は中間部材内の液路を通って軸受部内の液路
に至り、そこからカム軸側に供給されるようになってい
る。そのため、少なくとも液圧調整弁と中間部材との
間、及び該中間部材と軸受部との間に液路の連結部があ
り、その連結部から作動液供給経路内に空気が侵入する
虞れがある。つまり、前記中間部材が設けられていない
構成に比べて作動液供給経路に気泡の混入する可能性が
高いので、気泡混入に伴う不具合が生じる虞れが強い。
従って、このような構成において、エンジンが完爆状態
になった後の所定期間、液圧調整弁のクリーニング作動
を禁止して、回転位相可変機構での異音発生を防止する
ことは極めて有効になる。
【0020】請求項8記載の発明では、請求項1記載の
発明におけるクリーニング禁止手段は、エンジンが所定
の長時間、停止状態に放置された後に始動されたとき、
クリーニング制御手段による液圧調整弁の作動を禁止す
るものとする。
【0021】このことで、エンジンを長時間停止状態で
放置すると、その間に作動液供給経路内に気泡が混入す
る可能性が高いので、長時間放置後のエンジンを始動す
るときには、エンジンが完爆状態になった後の所定期
間、液圧調整弁のクリーニング作動を禁止することで、
作動液中に混入した気泡に起因して液圧変動が極めて大
きくなっても異音発生を防止できる。一方、前記以外の
場合には、エンジン始動の際に液圧調整弁のクリーニン
グ作動が行われるので、該液圧調整弁の作動不良を未然
に防止できる。
【0022】請求項9記載の発明では、請求項1記載の
発明におけるクリーニング禁止手段は、エンジンの温間
始動時にクリーニング制御手段による液圧調整弁の作動
を禁止するものとする。
【0023】すなわち、一般に、エンジンの温間始動時
には作動液の粘性が低いことから、作動液供給経路内の
いずれかの場所で発生した液圧変動も回転位相可変機構
に伝わることになるので、該回転位相可変機構での異音
発生が起き易い。そこで、この発明では、温間始動時に
エンジンが完爆状態になった後の所定期間、液圧調整弁
のクリーニング作動を禁止することで、回転位相可変機
構からの異音発生を防止できる一方、温間始動時以外に
は、エンジン始動の際に液圧調整弁のクリーニング作動
を行って、該液圧調整弁の作動不良を未然に防止でき
る。
【0024】請求項10記載の発明では、請求項1記載
の発明におけるクリーニング禁止手段は、エンジンが所
定の長時間、停止状態に放置された長時間放置後に始動
されたか、又は温間始動時の少なくとも一方のとき、ク
リーニング制御手段による液圧調整弁の作動を禁止する
ように構成されており、前記温間始動時のクリーニング
禁止期間は、長時間放置後の始動のときのクリーニング
禁止期間よりも短く設定するものとする。
【0025】このことで、請求項8及び請求項9記載の
発明と同様、エンジンが停止状態に長時間放置されて、
作動液供給経路内に気泡が混入している可能性が高いと
き、又は温間始動時には、エンジンが完爆状態になった
後の所定期間、液圧調整弁のクリーニング作動を禁止す
ることで、回転位相可変機構からの異音発生を防止でき
る。一方、それ以外の場合には、エンジン始動の際に液
圧調整弁のクリーニング作動を行って、該液圧調整弁の
作動不良を未然に防止できる。
【0026】また、前記温間始動時には、作動液の粘性
が低いことから作動液供給経路内に液圧変動が伝わりや
すい反面、その液圧変動が収まるのも早いので、その場
合のクリーニング禁止期間は長時間放置後の始動の場合
よりも短く設定される。つまり、クリーニング禁止期間
をより適切に設定できる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
基いて説明する。
【0028】(エンジンの概略構成)図1〜図3は、本
発明の実施形態に係るバルブタイミング可変装置(以
下、VVTという)付DOHCエンジンEを示し、この
エンジンEは直列4気筒ガソリンエンジンであって、4
つのシリンダ(気筒)が車幅方向に一列に並ぶように車
両のエンジンルーム内に横置き配置されるものである。
【0029】前記図2において、1はシリンダヘッドで
あり、このシリンダヘッド1の上部には、吸気バルブを
開閉作動させる吸気側のカム軸2と、排気バルブを開閉
作動させる排気側のカム軸3とが、それぞれ5カ所の軸
受部4,4,…により回転可能に支持されている。前記
2本のカム軸2,3のエンジン前側の端部(同図の左端
部)には、図3に示すように、それぞれカムプーリ5,
6が取り付けられ、該2つのカムプーリ5,6と、クラ
ンク軸7に嵌合されたクランクプーリ8との間にはタイ
ミングベルト9が張架されていて、このタイミングベル
ト9を介してクランク軸7の回転力がカムプーリ5,6
に伝達され、2本のカム軸2,3がクランク軸7に同期
回転されるようになっている。
【0030】前記吸気側のカム軸2の前端部には、後述
の如くカム軸2とカムプーリ5とを油圧力により相対的
に回動させて、カム軸2のクランク軸7に対する回転位
相を変更する回転位相可変機構としてのバルブタイミン
グ可変機構(以下VVTという)10が設けられてい
る。また、前記タイミングベルト9の張り側スパン(図
3の右側)にはアイドラプーリ11が設けられる一方、
緩み側スパン(同図の左側)にはベルト張力を調整する
テンショナ12が設けられている。このテンショナ12
は、テンショナスプリング13により支点14を中心に
同図の右側に付勢されたもので、タイミングベルト9を
前記カムプーリ5,6及びクランクプーリ8に取り付け
る時にシリンダブロック15にボルト16により位置固
定される初期張力調整用のものである。尚、図2におけ
る17,17,…は、各シリンダの燃焼室に連通されて
いて、図示しない点火プラグが装着されるプラグホール
である。
【0031】前記吸気側カム軸2及び排気側カム軸3
は、図4に示すように、それぞれ吸気バルブ23及び排
気バルブ24を開閉作動させるものである。これら吸気
バルブ23及び排気バルブ24はいずれもシリンダ中心
線yに対し例えば15度くらい傾斜していて、上下方向
に延びるように配置された狭角配置になっており、それ
ぞれシリンダヘッド1上部の孔部21,22に収容され
たバケット型のバルブリフタ26を介して、閉状態にな
る側(同図の上側)にバルブスプリング25により付勢
されている。すなわち、前記吸気バルブ23は、吸気ポ
ート27と燃焼室28とを開閉する傘部23aと、該傘
部23aから図の上方に延び、スリーブを介して前記孔
部21内に至るバルブ軸23bとにより構成されてお
り、バルブリフタ26を介してカム軸2により直接駆動
されて、中心軸線x1に沿って往復動する。同様に、前
記排気バルブ24は、吸気バルブ23と同様に傘部24
aとバルブ軸24bとにより構成され、カム軸3により
直接駆動されて、中心軸線x2に沿って往復動するよう
になっている。
【0032】(VVTの構成)次に、前記VVT10の
構成について詳細に説明する。
【0033】前記VVT10は、図5にも示すように、
シリンダヘッド1の上方に配設されたシリンダヘッドカ
バー30の内部に設けられている。すなわち、吸気側の
カム軸2の先端部(図5の左端部)には、VVT10の
ロータ(内側回動部材)31が回転一体に連結され、こ
のロータ31を外嵌合する円筒状のケーシング32が、
前記ロータ31に対し相対的に回動可能に連結されてい
る。そして、前記ケーシング32は、カム軸2に対し相
対回転可能に取り付けられたカムプーリ5に回転一体に
連結されている。
【0034】前記ロータ31は、図6及び図7に示すよ
うに、円筒状のボス部の外周から径方向外方に突出する
4つのベーンが概ね等間隔に設けられたもので、座金部
材33及びボルト34によりカム軸2に取り付けられて
一体回転するようになっている。一方、前記ケーシング
32は中空円筒状に形成され、円盤状の蓋部材35と共
にボルト36により前記カムプーリ5に一体的に取り付
けられている。また、前記ロータ31及びケーシング3
2は、カム軸2の軸線z1を中心とする同心位置に位置
づけられ、ロータ31のベーンとケーシング32の突出
壁部とが周方向に交互に配置されていて、各ベーンの先
端面がケーシング32の内周面に摺接する一方、各突出
壁部の先端面がロータ31のボス部の外周面に摺接して
おり、それらのベーン及び突出壁部の各先端面に、オイ
ルシール37,37,…が配設されている。
【0035】すなわち、前記カムプーリ5、ロータ31
及びケーシング32の間には、ロータ31のベーンとケ
ーシング32の突出壁部とにより周方向に並んで8つの
受圧室(液圧室)10a,10b,10a,10b,…
が区画形成されている。この8つの受圧室10a,10
b,10a,10b,…のうち、ロータ31の各ベーン
に対しカム軸2の回転側に位置づけられた4つの受圧室
(遅角側液圧室)10a,10a,…は、それぞれロー
タ31のボス部内に形成された油路31aに連通されて
おり、この油路31aを介して供給される作動油圧が増
大すれば、ロータ31がケーシング32に対しカム軸2
の回転と反対側に回動され、これにより、吸気バルブ2
3の作動タイミングが遅角側に変更される。
【0036】一方、前記ロータ31の各ベーンに対して
遅角側受圧室10a,10a,…の反対側に位置づけら
れた4つの受圧室(進角側液圧室)10b,10b,…
は、それぞれ、ロータ31のボス部内に形成された油路
31bに連通されており、この油路31bを介して供給
される作動油圧が増大すれば、ロータ31はケーシング
32に対しカム軸2の回転する側に回動され、吸気バル
ブ23の作動タイミングが進角側に変更される。
【0037】さらに、前記カムプーリ5には、該カムプ
ーリ5及びロータ31に係合してそれらの相対的な回動
を阻止するストッパピン(ストッパ手段)80が設けら
れている。すなわち、前記ロータ31の4つのベーンの
うちの1つは他の3つよりも周方向に大きく形成されて
いて、カム軸2の軸線z1方向に延びてカムプーリ5側
に開口する断面円形の嵌合孔81が設けられている。一
方、カムプーリ5には、前記ロータ31の嵌合孔81に
連通可能に開口する該嵌合孔81よりも大径の凹部82
が設けられ、該凹部82内に略円筒状のストッパピン8
0が収容されている。
【0038】前記ストッパピン80は、先端側(同図の
左側)が前記ロータ31の嵌合孔81と略同径とされる
一方、カムプーリ5の凹部82内に収容される基端側
(同図の右側)はそれよりも大径とされていて、該基端
側の内部に同軸位置に配設されたスプリング(付勢手
段)83の押圧力によりロータ31側に付勢されてい
る。そして、前記ストッパピン80は、先端部がカムプ
ーリ5の凹部82から突出してロータ31の嵌合孔81
に内嵌され、それらの相対的な回動を阻止する回動阻止
状態(同図に示す状態)と、基端部から先端部までが全
て前記凹部82内に収容されて、前記ロータ31とカム
プーリ5との相対的な回動を許容する回動許容状態との
いずれか一方に切替られるようになっている。
【0039】すなわち、前記嵌合孔81のカムプーリ5
と反対の側(図5の左側)には、図6にも示すように逆
止弁からなるバルブ85が配設されており、前記嵌合孔
81は、バルブ85を介して連通路86により進角側受
圧室10bに連通される一方、該バルブ85を介して連
通路87により遅角側受圧室10aに連通されている。
このことで、該各受圧室10a,10b内の作動油圧は
前記嵌合孔81内に導かれて、回動阻止状態になってい
るストッパピン80の先端面に作用し、各受圧室10
a、10b内の作動油圧が所定以上に上昇すると、スト
ッパピン80がスプリング83の押圧力に抗して嵌合孔
81から押し出され、回動許容状態に切り替えられるの
である。尚、前記バルブ85は各連通路86,87から
嵌合孔81内への作動油の流通のみを許容し、該各連通
路同士、即ち進角側受圧室10b及び遅角側受圧室10
aの相互の連通は阻止するものである。
【0040】従って、エンジン停止中には、進角側及び
遅角側受圧室10b,10a,…内の作動油圧は略大気
圧になっているので、ストッパピン80はスプリング8
3の押圧力により回動阻止状態に保持されており、この
ことで、VVT10のロータ31とケーシング32とが
互いに相対的に回動不能な状態にされて、それらの衝突
等による騒音発生が防止される。また、前記回動阻止状
態では、前記ロータ31はケーシング32に対してカム
軸2の回転と反対側に最大限に偏った位置(最遅角位
置)に位置している。一方、エンジン始動後に前記進角
側又は遅角側受圧室10b,10a,…内の作動油圧が
所定以上に上昇すれば、即ち、ストッパピン8をスプリ
ング83の押圧力に抗して回動許容状態に切替える程度
に作動油圧が高まれば、前記ロータ31とケーシング3
2とは互いに相対的に回動可能な状態にされる。
【0041】尚、図5において、32aはケーシング3
2と蓋部材35との間のオイル漏れを防止するための環
状のオイルシールであり、さらに、32bは前記ケーシ
ング32とカムプーリ5との間でのオイル漏れを防止す
るための環状のオイルシールである。また、前記カムプ
ーリ5は、内周側部材5aに外周側部材5bを嵌合した
ものであり、該外周側部材5bは精密な歯形を有するよ
うに焼結により成型されている。そのため、前記オイル
シール32bをケーシング32とカムプーリ5の外周側
部材5bとの間に設けたのでは相性が悪く、オイル漏れ
の生じる虞れがあるので、前記オイルシール32bは、
ケーシング32とカムプーリ5の内周側部材5aとの間
をシールするように内周側に設けられている。
【0042】(作動油供給経路の構成)前記VVT10
への作動油圧の供給は、シリンダブロック15の外部に
設けられたオイルパイプを含む作動油供給経路により行
われる。すなわち、図示しないオイルポンプによりシリ
ンダブロック15内のオイルギャラリから圧送される作
動油は、図1に示すように、オイルジョイント38と、
エンジン外周に設けられたオイルパイプ39とを経由し
て、シリンダヘッドカバー30上面に設けられたバルブ
ケース40に送られる。そして、図5に示すように、オ
イルジョイント41を介してユニオンボルト42内の油
路に至り、ここからオイルフィルタ43を介して電磁式
のオイルコントロールバルブ(以下OCVという)44
に供給される。
【0043】前記OCV44は、図8に示すように、コ
イル45及びプランジャ46を有する電磁ソレノイド4
7と、一端部が前記プランジャ46に連結される一方、
他端部がスプリング48により押圧されるスプール49
と、該スプール49を収容するケーシング50とを備え
ている。また、前記ケーシング50には、供給される圧
油を受け入れる供給ポート50aと、VVT10側に接
続されて作動油を給排する一対のアクチュエータポート
50b,50bと、VVT10側から戻ってきた戻り油
を排出するドレンポート50c,50cとが設けられて
いる。そして、前記電磁ソレノイド47に後述のECU
51からの信号が入力されると、スプール49がスプリ
ング48の押圧力に抗して作動されて、オイルギャラリ
側から供給される作動油の流量及び方向を調整するよう
になっている。
【0044】前記OCV44により油圧調整された作動
油は、後述の中間部材52及び1番ジャーナルの軸受部
4内に形成された油路によりカム軸2に供給され、その
カム軸2内に形成された油路を流通してVVT10の各
受圧室10a,10b,…に供給される。詳しくは、図
5に示すように、前記バルブケース40には、カム軸間
方向に延びてOCV44を収容する配設孔40aが形成
され、その配設孔40aに直交して略水平方向に延びる
ように形成されたインレット孔40bに前記ユニオンボ
ルト42やオイルフィルタ43が内設されている。
【0045】また、前記バルブケース40の配設孔40
aを隔てた反インレット孔側には、上下方向に延びて下
面に開口する嵌挿部40cと、その嵌挿部40cを配設
孔40aに連通する2つのポート40d,40eとが形
成されている。さらに、配設孔40aの側方から下方に
亘って、シリンダヘッドカバー30上面に臨んで開口す
るドレン孔40fが形成されており、このドレン孔40
fの下方に対向するシリンダヘッドカバー30の開口部
30aに続く部位は、前記OCV44からリターンされ
る戻り油を開口部30aからシリンダブロック内に還流
させるドレン受け部30bとされている。
【0046】前記中間部材52は、図9に示すように逆
T字形状とされ、上端部がシリンダヘッドカバー30の
開口部30aを貫通して上方に突出して、バルブケース
40の嵌挿部40cに嵌挿される一方、下端部が1番ジ
ャーナルの軸受部4の上面に取り付けられて固定されて
いる。すなわち、吸気側のカム軸2を支持する軸受部
4,4,…は、それぞれシリンダヘッド1の上面に設け
られた半割状の下側軸受部53と、この下側軸受部53
の上面に配設され、セットボルト54,54により下側
軸受部53に締結された半割状のカムキャップ55とに
より構成されている。そして、前記軸受部4,4,…に
は互いに同一の軸受径を有する軸受面4aが形成されて
いる。
【0047】前記中間部材52には、図5及び図9に示
すように、バルブケース40の嵌挿部40cに嵌挿され
た状態で2つのポート40d,40eのうちの一方40
dによりOCV44に連通する横向きの油路61と、こ
の油路61に連通して斜め下方に延びる油路62と、前
記他方のポート40eによりOCV44に連通する横向
きの油路63と、この油路63に連通して上下方向に延
びる油路64とが形成されている。また、1番ジャーナ
ルのカムキャップ55には、中間部材52の一方の油路
62に連通して上下方向に延びる油路65と、前記中間
部材52の他方の油路64に連通して斜め下方に延びる
油路66とが形成されている。
【0048】そして、1番ジャーナルの軸受面4aに
は、前記油路65,66にそれぞれ連通するようにカム
軸2の軸線z1方向に互いに離れて周方向に開口する2
つの輪溝(開口溝)67,68が形成されている。一
方、カム軸2には、軸線z1方向に延びていて、一端
(図5の左側端)がカム軸2の端面に開口し、VVT1
0のロータ31の油路31aに連通する一方、他端(同
図の右側端)がカム軸2の1番ジャーナル部の外周面に
開口し、前記軸受面4aに形成された一方の輪溝67に
連通する遅角側の油路(カム軸内液路)70が形成され
ている。さらに、カム軸2には、前記油路70と同様に
一端が前記ロータ31の油路31bに連通する一方、他
端が前記軸受面4aに形成された他方の輪溝68に連通
する進角側の油路(カム軸内液路)71が形成されてい
る。
【0049】また、前記吸気側のカム軸2には、その回
転位置を検出するカム角センサ74が設けられている。
このカム角センサ74は例えば電磁ピックアップ等から
なり、図2にも示すようにカム軸2に設けられたセンシ
ングプレート73に対し、その外周位置に対応するよう
にシリンダヘッドカバー30に配設されていて、前記セ
ンシングプレート73の外周から突出する3つの突起の
通過に対応して信号を出力するようになっている。尚、
図5において、75はVVT10をカム軸2に固定する
ボルト34内に形成されたリターン通路であり、VVT
10から漏れ出た作動油は前記リターン通路75を通っ
てカム軸2内に至り、そこからシリンダヘッド1内のリ
ターン通路76へ導かれて、シリンダブロック15内に
還流される。また、カムプーリ5とカムキャップ52及
びシリンダヘッド1との間には、オイルシール77が介
設されている。
【0050】このような構成のVVT10において、吸
気バルブ23の開閉作動タイミングを遅角側に変更する
ときには、OCV44のデューティ制御により遅角側の
受圧室10a,10a,…への作動油圧を増大させる。
すなわち、オイルギャラリ側から供給される作動油は、
図5に矢印で示すように、OCV44からバルブケース
40のポート40d、中間部材52の油路61,62及
びカムキャップ55の油路65を流通して輪溝67に至
り、その輪溝67に連通されるカム軸2内の遅角側の油
路70を流通して、ロータ31の油路31aから4つの
遅角側受圧室10a,10a,…に分配供給される。こ
れにより、各遅角側受圧室10aの作動油圧が増大する
ことで、ロータ31がケーシング32に対しカム軸2の
回転と反対側に回動され、吸気バルブ23の作動タイミ
ングが遅角側に変更されて、給排気のオーバーラップ量
が小さくなる。
【0051】その際、進角側受圧室10b,10b,…
から排出された作動油は、ロータ31内の油路31bを
経て、同図に矢印で示すようにカム軸2内の進角側の油
路71を流通し、この油路71に連通される輪溝68か
らカムキャップ55内の油路66に流通する。そして、
中間部材52の油路64,63及びバルブケース40の
ポート40eを通ってOCV44に戻り、ドレン孔40
fから排出されて、シリンダヘッドカバー30のドレン
受け部30bから開口部30aを介してシリンダブロッ
ク15側に還流される。
【0052】また、反対に、吸気バルブ23の作動タイ
ミングを進角側に変更して給排気のオーバーラップ量を
大きくするときには、前記と反対の向きに作動油を供給
して、進角側受圧室10b,10b,…の作動油圧を増
大させるようにする。
【0053】(VVTの基本制御)この実施形態では、
コントロールユニット(Electronic Control Unit;以
下ECUという)51により、エンジンEの運転状態に
応じてOCV44をデューティー制御して、該OCV4
4からVVT10へ供給する作動油圧を変更調整するこ
とで、図10に示すように、吸気バルブ23の開閉作動
タイミングを最遅角位置から最進角位置まで連続的に変
更するようにしている。
【0054】すなわち、前記ECU51には、図8に示
すように、カム角センサ74からの出力が入力される
他、前記カム角センサ74と同様に構成され、クランク
軸7の所定の回転位置に対応する信号を出力するクラン
ク角センサ90と、図示しないエンジンの吸気系に設け
られたスロットル弁の全閉状態を検出するスロットルオ
ンオフセンサ91と、前記吸気系に設けられた吸気量セ
ンサ92と、エンジン水温を検出する水温センサ93等
からの出力信号が入力される。そして、それらの各信号
に基づいて運転状態判定部51aによりエンジンの運転
状態が判定され、その判定結果に応じて、液圧基本制御
部(液圧制御手段)51bからOCV44へ制御信号が
出力されて、OCV44の開度が調整される。尚、前記
運転状態判定部51a及び液圧基本制御部51bの機能
は、いずれも、ECU51のマイクロプロセッサにより
メモリに電気的に格納されているプログラムが実行され
ることで、実現される。
【0055】具体的には、クランク角センサ90からの
入力信号及びカム角センサ74からの入力信号に基づい
て、クランク軸7の回転位置に対するカム軸2の回転位
置(以下、バルブ進角量ΔVTという)が検出される。
一方、前記クランク角センサ90からの入力信号に基づ
いてエンジン回転数Neが演算され、また、吸気量セン
サ92からの入力信号に基づいて吸入空気量が演算さ
れ、それらの演算結果に基づいて、エンジン負荷を表す
値として例えば吸気充填効率が演算される。そして、前
記エンジン回転数Ne及びエンジン負荷に基づいて予め
設定したマップからバルブ進角量ΔVTの目標値が読み
込まれ、前記の演算されるバルブ進角量ΔVTが目標値
に一致するように、0CV44に制御信号が出力され
る。尚、前記バルブ進角量ΔVTの値は、カム軸2の回
転位置が最遅角位置になって吸気バルブ23の開閉タイ
ミングが最も遅くなり、吸気及び排気のバルブオーバー
ラップがなくなった状態をバルブ進角量=0としてい
る。
【0056】このような制御により、吸気バルブ23の
開閉作動タイミングは、例えば図11に示すようにエン
ジン運転領域に対応して変更される。すなわち、軽負荷
域(同図の I の領域)では、吸気バルブ23の開閉作
動タイミングが遅角側に設定され、バルブオーバーラッ
プ量が小さくなって、吸気側への吹き返しが少なくなる
ので、エンジン安定性及び燃費の向上が図られる。特
に、アイドル運転状態では、吸気バルブ23の開閉作動
タイミングは最遅角位置に設定されるので(バルブ進角
量ΔVT=0)、給排気のバルブオーバーラップがなく
なって、アイドル安定性が向上する。
【0057】また、中負荷低回転領域(同図の II の領
域)では、吸気バルブ23の開閉作動タイミングが進角
側に設定され、バルブオーバーラップ量が大きくなるの
で、シリンダ内部の排気還流率が高まりかつ機械的損失
も低減して、排気中のNOx及びHCが低減される。さ
らに、高負荷低中回転領域(同図の III の領域)で
は、吸気バルブ23の開閉作動タイミングが進角側に設
定され、該吸気バルブ23が早めに閉じるようになるの
で、体積効率の向上により低中速トルクが高められる。
【0058】さらにまた、高負荷高回転領域(同図の I
V の領域)では、吸気バルブ23の開閉作動タイミング
が遅角側に設定され、該吸気バルブ23の閉じるタイミ
ングが遅くなるので、体積効率の向上により最高出力が
高められる。加えて、エンジン始動時及び停止時には、
吸気バルブ23の開閉作動タイミングは最遅角位置に設
定され、始動性の確保及び燃費低減が図られる。
【0059】(OCVのクリーニング制御)この実施形
態では、本発明の特徴部分として、エンジンEの始動直
後等の所定の運転状態において、OCV44のスプール
49を強制的に少なくとも1回、往復作動させて、内部
に堆積した不純物や微小異物を排出させるクリーニング
制御を実行するようにしている。このクリーニング制御
も他の基本的な液圧制御と同様、ECU51のメモリに
電気的に格納されたプログラムに従って、マイクロプロ
セッサにより実行される。
【0060】以下、前記クリーニング制御の具体的な手
順について、図12〜図14に基づいて詳細に説明す
る。
【0061】前記図12に示すフローチャート図におい
て、車両のイグニションスイッチがオン状態にされ、イ
ニシャライズが行われた後のステップS1では、クラン
ク角センサ90から入力された信号に基づいて、エンジ
ン停止中であるか否かを判定する。そして、前記クラン
ク角センサ90からの信号入力がなく、エンジン回転数
Ne=0でYESであればステップS6に進む一方、N
e=0でないNOであれば、ステップS2に進んで、エ
ンジンEの始動域か否かを判定する。すなわち、スター
タモータによりクランク軸7が回転(クランキング)さ
れ、その後、エンジンEが完爆状態になってから所定時
間(例えば数秒〜十数秒間)経過するまでの間をエンジ
ン始動域とし、このエンジン始動域でないNOであれ
ば、図14におけるステップS8に進む一方、エンジン
始動域でYESあれば、ステップS3に進む。
【0062】前記ステップS3では、エンジン回転数N
eが、アイドリング回転数(例えば650rpm)よりも
低い所定回転数Ne0(例えば500rpm)を越えたか否
かを判別し、Ne≦Ne0でNOであればステップS1
にリターンする一方、Ne>Ne0でYESであれば、
ステップS4に進む。このステップS4では、予め設定
したカウントダウンタイマのダウンカウント値Tsをデ
クリメントし、ステップS5に進んで、ダウンカウント
値Tsが零であるか否かを判別する。そして、Ts=0
でないNOであれば前記ステップS4にリターンする一
方、Ts=0でYESであれば、図14におけるステッ
プS8に進む。つまり、エンジン始動域では、クランキ
ング直後にエンジン回転数Neが所定回転数Ne0を越
えた後、ダウンカウント値Tsの初期値に対応する設定
時間(例えば5秒程度)だけ待ってから、次の制御手順
に進むようにしている。
【0063】詳しくは、図13に示すエンジン始動域に
おいて、エンジンEのクランキング中はオイルポンプの
吐出圧が極めて低く、作動油供給経路内の作動油圧は略
大気圧になっており、その後、エンジンEが完爆状態に
なって吹けあがると、エンジン回転数Neの上昇ととも
に作動油圧も上昇し、同時に、作動油圧の変動幅も大き
くなる。そこで、上述の如く、エンジン回転数Neが所
定回転数Ne0(500rpm)を越えてから設定時間が経
過するまでの間、即ち、エンジン始動域で作動油圧が大
きく変動する期間を含むように予め試験的に設定した期
間を、OCV44のクリーニング作動を禁止するクリー
ニング禁止期間としている。
【0064】尚、前記クリーニング禁止期間は、VVT
10に設けられているストッパピン80が回動阻止状態
から回動許容状態に切り替えられる程度に作動油供給経
路内の油圧が上昇する期間を含んでいる。また、前記ク
リーニング禁止期間を、例えばエンジンEのクランキン
グ終了から所定時間が経過するまでに設定してもよい。
【0065】一方、前記ステップS1でエンジン停止中
と判定されて進んだステップS6では、今度は、初期値
が零にされているカウントアップタイマのアップカウン
ト値Tiをインクリメントして、ステップS7に進む。
このステップS7では、アップカウント値Tiが予め設
定した所定値Ti1以上か否かを判別し、Ti<Ti1
でNOであればステップS1にリターンする一方、Ti
≧Ti1でYESであれば、図14のステップS12に
進む。つまり、イグニッションオンであって、エンジン
Eが前記所定値Ti1に対応する期間(例えば1〜2秒
間)、停止状態になっていれば、後述の如くステップS
12〜S14でクリーニング作動を実行するようにして
いる。
【0066】前記ステップS5に続いて、図14に示す
フローチャート図におけるステップS8では、OCV4
4のクリーニング作動が既に完了していることを示すク
リーニング完了フラグFの値を判別する。そして、F=
0でないNOであれば即ちF=1であり、既にクリーニ
ング作動が完了しているのでリターンする。一方、F=
0でYESであれば、未だクリーニング作動が完了して
いないので、ステップS9に進み、ここで、ISC制御
の実行中であるか否かを判定する。
【0067】前記ISC制御は、エンジンEの吸気通路
に設けられたスロットル弁が全閉状態のときに、該スロ
ットル弁をバイパスしてシリンダの燃焼室に供給する吸
気量を調整することで、アイドル安定化を図るものであ
る。すなわち、図示しないが、エンジンEの吸気系に
は、スロットル弁の上流側及び下流側の吸気通路を連通
するバイパス通路が設けられ、該バイパス通路には、電
動モータ等のアクチュエータにより作動される吸気絞り
弁が配設されている。そして、例えば前記スロットル弁
が全閉状態になっていて、かつエンジン負荷が所定以下
のときに、ECU51から前記スロットル弁のアクチュ
エータに制御信号が出力されて、前記のISC制御が実
行されるようになっている。
【0068】前記ステップS9において、ISC制御の
実行中でないNOと判定されればリターンする一方、I
SC制御の実行中でYESと判定されればステップS1
0に進む。このステップS10では、バルブ進角量ΔV
Tが極めて零に近い小値に設定された所定値ΔVTr以
下か否かを判別し、ΔVT>ΔVTrでNOであればリ
ターンする一方、ΔVT≦ΔVTrでYESであれば、
ステップS11に進んで、今度は、スロットル弁が全閉
状態になっているか否かを判別する。そして、スロット
ル全閉でないNOならばリターンする一方、スロットル
全閉でYESであれば、ステップS12に進む。
【0069】そして、ステップS12では、OCV44
のソレノイド47に制御信号を出力して、スプール49
を瞬間的に往復作動させる。続いて、ステップS13に
おいて、スプール49の往復作動が所定回数だけ終了し
たか否かを判定し、終了していないNOであれば前記ス
テップS11に戻り、スロットル全閉状態でYESであ
れば再びステップS12に進む一方、スロットル全閉状
態でないNOであればリターンする。つまり、クリーニ
ング作動の途中で車両運転者によりアクセル操作がなさ
れ、スロットル全閉状態でなくなれば、直ちにクリーニ
ング作動を中止するようにしている。
【0070】一方、前記ステップS13において、スプ
ール49の往復作動が所定回数だけ終了していてYES
であれば、ステップS14に進み、クリーニング完了フ
ラグFの値をF=1として、しかる後にリターンする。
【0071】つまり、エンジン始動域においてクリーニ
ング禁止期間を経過したか、又はエンジン始動域以外で
あって、エンジンEが所定の運転状態になっていると
き、即ち、前記ステップS8〜S11において、未だク
リーニング作動が完了しておらず、かつISC制御の実
行中であり、かつバルブ進角量ΔVTが極めて零に近い
小値であって、かつスロットル全閉状態であると判定さ
れれば、ステップS12〜S14に進んで、クリーニン
グ作動を実行するようにしている。
【0072】前記図12及び図14に示すフローにおい
て、ステップS1〜S3及びステップS8〜S11が、
エンジンEの運転状態を判定する運転状態判定部51a
に対応し、また、ステップS12及びS13がOCV4
4を強制的に開閉させるクリーニング制御部51cに対
応している。さらに、ステップS4及びS5が、進角側
及び遅角側受圧室10b,10a内の液圧変動が大きく
なるような所定期間(クリーニング禁止期間)、前記ク
リーニング制御部51cによるOCV44の作動制御を
禁止するクリーニング禁止部51dに対応している。
【0073】したがって、この実施形態に係るエンジン
の制御装置Aによれば、エンジン始動域でOCV44の
スプール49を強制的に往復作動させるクリーニング作
動により、該OCV44内に堆積している不純物や微小
異物を外部に排出させることができ、このことで、OC
V44の作動不良を未然に防止できる。しかも、前記ク
リーニング作動を、スロットル全閉状態のアイドル運転
中に実行しているので、OCV44のクリーニング作動
に伴いバルブタイミングがいくらか変化しても、そのこ
とは車両の走行に殆ど悪影響を及ぼさない。加えて、前
記OCV44のクリーニング作動を、ISC制御の実行
中にのみ行うようにしており、OCV44のクリーニン
グ作動に伴いバルブタイミングがいくらか変化しても、
そのことに起因するエンジン回転数Neの変化をうち消
すようにISC制御が行われるので、エンジンEのアイ
ドル安定性も確保できる。
【0074】また、前記エンジン始動域であっても、作
動油供給経路内の油圧変動がになる可能性の高い期間
は、前記のOCV44のクリーニング作動を禁止するク
リーニング禁止期間としており、このことで、クリーニ
ング作動時に作動油供給経路内の油圧変動がVVT10
に伝わって、ロータ31のベーンとケーシング32の突
出壁部との衝突により異音が発生するという不具合を確
実に防止できる。
【0075】特に、この実施形態に係るエンジンEにお
いては、OCV44からVVT10までの作動油供給経
路が、バルブケース40内の油路40d,40e、中間
部材52内の油路61,62,63,64、カムキャッ
プ55内の油路65,66、軸受面4a上の輪溝67,
68、及び該輪溝67,68に連通されるカム軸2内の
油路70,71により構成されている。そのため、エン
ジン停止中に、前記軸受面4aとカム軸2の外周面との
間、OCV44とバルブケース40との間、中間部材5
2とカムキャップ55との間等から油路内に空気が侵入
し、作動油中に気泡となって混入する虞れがあり、その
後、エンジン始動の際の作動油圧の上昇時に前記気泡の
圧縮等によって油圧が瞬間的に極めて大きく変動するこ
とがある。従って、このようなエンジンEにおいて、エ
ンジン始動域における所定期間、OCV44のクリーニ
ング作動を禁止することによってVVT10での異音発
生を防止することは、車両運転者に異音発生による不安
感を与えないために極めて有効である。
【0076】(他の実施形態)尚、本発明は前記実施形
態に限定されるものではなく、その他種々の実施形態を
包含するものである。すなわち、前記実施形態では、O
CV44のクリーニング作動をエンジンEのISC制御
中にのみ実行するようにしているが、これに限らず、I
SC制御中でなくてもOCV44のクリーニング作動を
実行可能である。また、バルブ進角量ΔVTが所定値Δ
VTr以下のときにのみ実行するようにしているが、こ
れに限るものではない。
【0077】前期実施形態では、エンジン始動域におい
て、エンジン回転数NeがNe>Ne0となってから所
定時間をクリーニング禁止期間として、この間は常にO
CV44のクリーニング作動を禁止しているが、これに
限るものではない。すなわち、例えば図15に示す変形
例1のように、図12のフローにおけるステップS3に
続いて、新たにステップS31を設け、エンジンEが所
定の長時間(例えば、2日間程度)、停止状態に放置さ
れた後に始動された場合にのみ(ステップS31でYE
S)、前記のクリーニング禁止期間、OCV44のクリ
ーニング作動を禁止するようにしてもよい。
【0078】そのようにすれば、エンジンEが長時間停
止状態に放置され、作動油供給経路に気泡が混入してい
る可能性が高い場合に、エンジン始動域でのOCV44
のクリーニング作動を所定期間だけ禁止できる一方、そ
うでない場合には、エンジン始動の際に直ちに前記クリ
ーニング作動が行われて、OCV44の作動不良を未然
に防止できる。
【0079】また、例えば図16に示す変形例2のよう
に、図12のフローにおけるステップS3に続いて、新
たにステップS32を設け、エンジン水温が所定以上
(例えば80°C以上)の温間再始動の場合にのみ(ス
テップS32でYES)、前記のクリーニング禁止期
間、OCV44のクリーニング作動を禁止するようにし
てもよい。すなわち、一般に、温間再始動の場合には、
作動油の粘性が低いことから、作動油供給経路内のいず
れかの場所で発生した油圧変動もVVT10に伝わり易
くなり、その結果、VVT10で異音が発生し易くな
る。そこで、上述の如く温間再始動の際の所定期間、O
CV44のクリーニング作動を禁止して、異音発生を防
止する一方、温間再始動でない場合には、エンジン始動
域で直ちにクリーニング作動を行うようにして、OCV
44の作動不良を未然に防止できる。
【0080】さらに、例えば図17に示す変形例3のよ
うに、図12のフローにおけるステップS3に続いて、
新たにステップS35〜S38の各ステップを設けても
よい。すなわち、この変形例3の制御手順では、エンジ
ンEが所定の長時間(例えば、2日間程度)、停止状態
に放置された後か、又はエンジン水温が所定以上(例え
ば80°C以上)の温間再始動の場合にのみ(ステップ
S35又はS37でYES)、前記のクリーニング禁止
期間、OCV44のクリーニング作動を禁止する。ま
た、前記温間再始動の場合のクリーニング禁止期間Ts
2は、前記長時間放置後の始動の場合のクリーニング禁
止期間Ts1よりも短く設定する(Ts1>Ts2)。
【0081】このことで、前記変形例3の制御手順によ
れば、前記変形例1及び変形例2と同様の作用効果が得
られる上、前記温間再始動の場合には、作動油の粘性が
低いことから作動油供給経路内に油圧変動が伝わりやす
い反面、その油圧変動が収まるのも早いので、その場合
のクリーニング禁止期間Ts2を長時間放置後の始動の
場合のクリーニング禁止期間Ts1よりも短く設定する
ことができ、よって、クリーニング禁止期間をより適切
に設定できる。
【0082】さらにまた、前記実施形態では、クランク
軸7からの回転入力をタイミングベルト9及びカムプー
リ5,6によりカム軸2,3に伝達するようにしている
が、これに限らず、例えば、チェーン及びスプロケット
により伝達する構成としてもよい。
【0083】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1記載の発
明におけるバルブタイミング可変装置付エンジンの制御
装置によれば、エンジン始動の際、クリーニング制御手
段により液圧調整弁のクリーニング作動を実行すること
で、車両の走行に悪影響を及ぼすことなく、前記液圧調
整弁の作動不良を未然に防止できる。しかも、作動液圧
の変動が大きくなるクリーニング禁止期間は、前記クリ
ーニング作動を禁止するようにしているので、回転位相
可変機構での異音発生を防止できる。
【0084】請求項2記載の発明では、作動液圧の変動
に伴い内側回動部材のベーンと外側回動部材の突出壁部
との衝突により極めて大きな音が発生する虞れがあるの
で、液圧調整弁のクリーニング作動を禁止して異音発生
を防止することが特に有効になる。
【0085】請求項3記載の発明では、ストッパ手段に
よりエンジン始動前における騒音が防止でき、また、前
記ストッパ手段が回動許容状態に切替られる期間を含む
ようにクリーニング禁止期間を設定することで、回転位
相可変機構での異音発生を確実に防止できる。
【0086】請求項4記載の発明では、完爆状態になっ
てからの設定時間が経過するまでをクリーニング禁止期
間とすることで、回転位相可変機構での異音発生を確実
に防止できる。
【0087】請求項5記載の発明では、エンジン回転数
に基づいてクリーニング禁止期間を設定することで、回
転位相可変機構での異音発生を確実に防止できる。
【0088】請求項6及び請求項7記載の発明では、エ
ンジン始動の際に所定期間、液圧調整弁のクリーニング
作動を禁止することにより回転位相可変機構からの異音
発生を防止することが、特に有効な効果を奏する。
【0089】請求項8記載の発明によれば、長時間放置
後のエンジンを始動するときに、液圧調整弁のクリーニ
ング作動に伴う異音発生を防止できる一方、それ以外の
ときには、前記液圧調整弁の作動不良をより確実に防止
できる。
【0090】請求項9記載の発明によれば、温間始動時
に液圧調整弁のクリーニング作動に伴う異音発生を防止
できる一方、それ以外のときには、前記液圧調整弁の作
動不良をより確実に防止できる。
【0091】請求項10記載の発明によれば、請求項8
及び請求項9記載の発明と同様の効果が得られる上、ク
リーニング禁止期間をより適切に設定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンEの構成を示
す上面図である。
【図2】図1のエンジンEのシリンダヘッド上部の構成
を示す上面図である。
【図3】クランクプーリによりカムプーリを駆動して同
期回転させる伝動経路の構成を示すエンジンEの正面図
である。
【図4】バルブの配置を示す説明図である。
【図5】VVTの構成を示す図1の V-V 線における断
面図である。
【図6】図5の VI-VI 線におけるVVTの断面図であ
る。
【図7】図5の VII-VII 線におけるVVTの断面図で
ある。
【図8】OCV及びその作動を制御するECUの構成を
示す説明図である。
【図9】カムキャップ及び中間部材の構成を示す説明図
である。
【図10】バルブタイミングの変更範囲を示す説明図で
ある。
【図11】バルブタイミング制御に対応するエンジンの
運転領域を示す説明図である。
【図12】クリーニング禁止制御の手順を示すフローチ
ャート図である。
【図13】エンジン始動域におけるエンジン回転数の変
化及び作動油圧の変化の関連を示すタイムチャート図で
ある。
【図14】クリーニング制御の手順を示すフローチャー
ト図である。
【図15】図12に示すクリーニング禁止制御の手順を
一部変更した変形例1の制御手順を示すフローチャート
図である。
【図16】変形例2に係る図15相当図である。
【図17】変形例3に係る図15相当図である。
【符号の説明】
A エンジンの制御装置 E エンジン 1 シリンダヘッド 2 吸気側カム軸 4 軸受部 4a 軸受面 7 クランク軸 10 バルブタイミング可変装置(回転位相可
変機構) 10a 遅角側受圧室(遅角側液圧室) 10b 進角側受圧室(進角側液圧室) 31 ロータ(内側回動部材) 32 ケーシング(外側回動部材) 44 オイルコントロールバルブ(液圧調整
弁) 51b 液圧基本制御部(液圧制御手段) 51c クリーニング制御部(クリーニング制御
手段) 51d クリーニング禁止部(クリーニング禁止
手段) 52 中間部材 61,62,63,64 中間部材内の油路 65,66 軸受部内の油路 67,68 軸受面上の輪溝(開口溝) 70 遅角側の油路(カム軸内液路) 71 進角側の油路(カム軸内液路) 80 ストッパピン(ストッパ手段)
フロントページの続き (72)発明者 徳田 祥治 広島県安芸郡府中町新地3番1号 マツダ 株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】エンジンのクランク軸により動弁系のカム
    軸を駆動して同期回転させる伝動経路に設けられ、進角
    側又は遅角側液圧室への作動液の供給により、互いに相
    対的に回動可能に連結された内側及び外側回動部材を相
    対的に回動させて、カム軸のクランク軸に対する回転位
    相を変更させる回転位相可変機構と、 前記進角側又は遅角側液圧室に選択的に作動液を供給す
    る作動液供給経路の途中に設けられ、前記作動液の液圧
    を調整する電磁弁からなる液圧調整弁と、 エンジンの運転状態に応じて前記液圧調整弁の作動を制
    御する液圧制御手段と、 エンジン始動の際、前記液圧調整弁を強制的に開閉させ
    るクリーニング制御手段とを備えたエンジンの制御装置
    において、 エンジンが完爆状態になった後の所定のクリーニング禁
    止期間、前記クリーニング制御手段による液圧調整弁の
    作動制御を禁止するクリーニング禁止手段を設けたこと
    を特徴とするバルブタイミング可変装置付エンジンの制
    御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 内側回動部材は、円筒状のボス部と、該ボス部の外周面
    から径方向外側に突出するベーンとを有し、 外側回動部材は、前記内側回動部材に対しボス部の軸線
    回りに回動可能に外嵌合されて連結されたケーシング
    と、該ケーシングの内周面から径方向内側に突出する突
    出壁部とを有し、 進角側又は遅角側液圧室は、前記ベーンと突出壁部との
    間に周方向に交互に区画形成されていることを特徴とす
    るバルブタイミング可変装置付エンジンの制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 回転位相可変機構には、内側及び外側回動部材の相対回
    動を許容又は阻止するストッパ手段が設けられ、 前記ストッパ手段は、前記回転位相可変機構に供給され
    る作動液圧が所定以下の間、付勢手段の付勢力によって
    前記内側及び外側回動部材の相対回動を阻止する回動阻
    止状態に保持される一方、作動液圧の上昇に伴い前記付
    勢手段の付勢力に抗して移動して内側及び外側回動部材
    の相対回動を許容する回動許容状態に切替られるように
    構成されており、 クリーニング禁止期間は、前記ストッパ手段が回動阻止
    状態から回動許容状態に切替られる期間を含んでいるこ
    とを特徴とするバルブタイミング可変装置付エンジンの
    制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 クリーニング禁止期間は、エンジンが完爆状態になって
    から設定時間が経過するまでの期間であることを特徴と
    するバルブタイミング可変装置付エンジンの制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1において、 クリーニング禁止期間は、エンジン回転数がアイドル回
    転数よりも低い設定回転数以上になってから設定時間が
    経過するまでの期間であることを特徴とするバルブタイ
    ミング可変装置付エンジンの制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1において、 内側又は外側回動部材のいずれか一方がカム軸の端部に
    回転一体に連結されたカム軸側回動部材とされ、該カム
    軸側回動部材内には、進角側又は遅角側液圧室に連通す
    る液路が設けられており、 作動液供給経路は、 一端が前記カム軸側回動部材内の液路に接続され、他端
    がカム軸外周面に開口するカム軸内液路と、 前記カム軸を支持する軸受部の軸受面に形成され、前記
    カム軸内液路の開口部に連通する周方向の開口溝とを有
    することを特徴とするバルブタイミング可変装置付エン
    ジンの制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項6において、 カム軸を支持する軸受部内には、該軸受部の軸受面上の
    開口溝に連通する液路が形成され、 前記軸受部に連結され、かつ内部に形成された液路が前
    記軸受部内の液路に連通される中間部材が設けられ、 液圧調整弁は、前記中間部材内の液路を介して前記軸受
    部の開口溝に接続されていることを特徴とするバルブタ
    イミング可変装置付エンジンの制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項1において、 クリーニング禁止手段は、エンジンが所定の長時間、停
    止状態に放置された後に始動されたときに、クリーニン
    グ制御手段による液圧調整弁の作動を禁止するように構
    成されていることを特徴とするバルブタイミング可変装
    置付エンジンの制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項1において、 クリーニング禁止手段は、エンジンの温間始動時にクリ
    ーニング制御手段による液圧調整弁の作動を禁止するよ
    うに構成されていることを特徴とするバルブタイミング
    可変装置付エンジンの制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項1において、 クリーニング禁止手段は、エンジンが所定の長時間、停
    止状態に放置された長時間放置後に始動されたか、又は
    温間始動時の少なくとも一方のとき、クリーニング制御
    手段による液圧調整弁の作動を禁止するように構成され
    ており、 前記温間始動時のクリーニング禁止期間は、長時間放置
    後の始動のときのクリーニング禁止期間よりも短く設定
    されていることを特徴とするバルブタイミング可変装置
    付エンジンの制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20020095666A (ko) * 2001-06-15 2002-12-28 현대자동차주식회사 내연기관 밸브 개폐시기 가변장치의 셀프 클리닝 제어방법

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