JPH11349907A - 粘着テープ及びその製造方法 - Google Patents

粘着テープ及びその製造方法

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JPH11349907A
JPH11349907A JP10162048A JP16204898A JPH11349907A JP H11349907 A JPH11349907 A JP H11349907A JP 10162048 A JP10162048 A JP 10162048A JP 16204898 A JP16204898 A JP 16204898A JP H11349907 A JPH11349907 A JP H11349907A
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Japan
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ethylene
polymer
adhesive tape
pressure
sensitive adhesive
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Application number
JP10162048A
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English (en)
Inventor
Akihiro Ichige
昭弘 市毛
Naohiro Mino
直弘 三野
Takeshi Yamada
武 山田
Takeshi Minaba
健 皆葉
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumika Plastech Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sumika Plastech Co Ltd
Sumitomo Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 粘着塗工時の熱収縮率が低く、引張破断強度
が強い、テープ幅方向の手切れ性が良好な粘着テープ及
びその製造方法を提供する。 【解決手段】 基材と粘着剤層とからなる粘着テープで
あって、前記基材がエチレン系重合体からなる層と結晶
性オレフィン系重合体からなる層とから少なくとも構成
される一軸延伸シートからなり、かつ前記シートの熱収
縮率(110℃)が8%以下であることを特徴とする粘
着テープ及びその製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、手切れ性が良好な
粘着テープ及びその製造方法に関する。更に詳しくは、
粘着塗工時の熱収縮率が低く、引張破断強度が強い、手
切れ性が良好な粘着テープ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】粘着テープは、樹脂、紙、布などを素材
とする基材と、その基材上の粘着剤層とからなり、ロー
ル状に重ね巻かれた形態で市販されている。この粘着テ
ープは、ロールから粘着テープを必要な長さに引出した
後、所望の箇所で鋸歯状のカッターや鋏等の切断器具で
切断して用いられている。
【0003】ところで、特公昭61−41732号公報
には、低密度エチレン系樹脂を一軸延伸することによっ
て、延伸方向に対して垂直方向に引裂き易くなることが
示されている。また、粘着テープを製造する場合、テー
プ基材に粘着剤を塗布後、乾燥のために熱乾燥炉で処理
することが必須である。上記公報に記載のフィルムを基
材として用いる場合、基材が延伸体であるため、特別な
処理を施さない限り、熱収縮率が大きく加工時の走行安
定性、寸法安定性、巻締りの点で、粘着テープの基材と
しては不向きであり、さらに引張破断強度が弱いので梱
包用粘着テープの基材としても不向きである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、粘着
塗工時の熱収縮率が低く、引張破断強度が強い、テープ
幅方向の手切れ性が良好な粘着テープ及びその製造方法
を提供することにある。ここで、「手切れ性良好な粘着
テープ」とは、鋸歯状カッターや鋏などでの切断器具を
使用しなくても、手(指先)のみで幅方向に容易に切断
可能な粘着テープのことをいう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決する粘着テープについて鋭意検討した結果、基材
がエチレン系重合体からなる層と結晶性オレフィン系重
合体からなる層とから少なくとも構成される一軸延伸シ
ートからなり、かつ前記シートの熱収縮率(110℃)
が8%以下である粘着テープを見出し、本発明を完成さ
せるに至った。
【0006】すなわち、本発明は、基材と粘着剤層とか
らなる粘着テープであって、前記基材がエチレン系重合
体からなる層と結晶性オレフィン系重合体からなる層と
から少なくとも構成される一軸延伸シートからなり、か
つ前記シートの熱収縮率(110℃)が8%以下である
ことを特徴とする粘着テープである。また、本発明は、
基材と粘着剤層とからなる粘着テープの製造方法であっ
て、基材がエチレン系重合体からなる層と結晶性オレフ
ィン系重合体からなる層とから少なくとも構成される未
延伸シートを結晶性オレフィン系重合体の融解主ピーク
温度以下で、かつエチレン系重合体の融解主ピーク温度
以上で延伸し、さらにその延伸温度よりも高温でヒート
セット処理して得られることを特徴とする粘着テープの
製造方法である。以下、本発明を詳細に説明する。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の粘着テープは、基材と粘
着剤層とから構成されるものである。基材の層構成は、
引張破断強度の向上の点より結晶性オレフィン系重合体
からなる層とエチレン系重合体からなる層とから少なく
とも構成される。さらに、手切れ性を損なわないのであ
れば、如何なる層を何層でも積層してもよい。例えば、
リサイクル樹脂からなる層、接着層等を設けてもよい。
また、ロール一軸延伸時の加工性の向上の点から、基材
がエチレン系重合体からなる中間層と結晶性オレフィン
系重合体からなる両外層とからなる少なくとも3層から
構成されるものが好ましい。両外層は、同一の結晶性オ
レフィン系重合体を用いても、それぞれ別々の結晶性オ
レフィン系重合体を用いてもよい。
【0008】本発明で用いるエチレン系重合体は特に限
定されるものではなく、例えば低密度ポリエチレン、中
密度ポリエチレン、エチレン−プロピレン共重合体、エ
チレン−ブテン−1共重合体、エチレン−4−メチルペ
ンテン−1共重合体、エチレン−ヘキセン−1共重合
体、エチレン−オクテン−1共重合体、エチレン−デセ
ン−1共重合体等のエチレンと炭素数3〜10のα−オ
レフィンとの共重合体、さらには、エチレンと共役ジエ
ンや非共役ジエンのような不飽和化合物あるいはアクリ
ル酸、メタクリル酸、酢酸ビニル等の共重合成分とから
なるエチレン系共重合体も挙げられる。また、これらの
重合体は酸変性されたもの、例えば、α,β−不飽和カ
ルボン酸、脂環族カルボン酸、またはこれらの誘導体で
グラフト変性された重合体であってもよい。
【0009】また、本発明で用いるエチレン系重合体と
しては、低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体及びエ
チレン−メタクリル酸エステル共重合体の中から選ばれ
る少なくとも一種のエチレン系重合体が好ましい。
【0010】本発明で用いるエチレン系重合体として
は、高圧ラジカル重合で得られるエチレン系重合体がよ
り好ましく、さらに長鎖分岐を有する低密度ポリエチレ
ン、またはエチレンから誘導される繰り返し単位(以
下、「エチレン単位」と称する)の含有量が70〜95
重量%、酢酸ビニルから誘導される繰り返し単位(以
下、「酢酸ビニル単位」と称する)の含有量が30〜5
重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合体が特に好まし
い。
【0011】本発明に用いるエチレン系重合体の製造法
は、特に限定されるものではなく、高圧ラジカル重合
法、チーグラー触媒による配位重合法、高圧イオン重合
法、またはシングルサイト触媒による配位重合法等が挙
げられる。特に、好ましくは長鎖分岐構造が得られる高
圧ラジカル重合法、シングルサイト触媒による配位重合
法であり、より好ましくは高圧ラジカル重合法である。
【0012】本発明で用いるエチレン系重合体には、必
要に応じて各種添加剤、充填剤、例えば酸化防止剤、防
曇剤、帯電防止剤、造核剤、紫外線吸収剤、顔料などを
含ませることができる。また、本発明の妨げにならない
範囲で他の樹脂をブレンドして使用してもよい。例え
ば、リサイクル樹脂をブレンドできる。
【0013】また、本発明で用いる結晶性オレフィン重
合体は特に限定されるものではなく、例えば高密度ポリ
エチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、
直鎖状低密度ポリエチレン、プロピレン系重合体、ポリ
−4−メチルペンテン−1などが挙げられる。
【0014】さらに、結晶性オレフィン系重合体は、積
層一軸延伸フィルムの引張破断強度を保持するために、
好ましくは炭素数3以上のオレフィンから誘導される繰
り返し単位を主成分とする結晶性オレフィン重合体、例
えば結晶性プロピレン系重合体、結晶性ポリ−4−メチ
ルペンテン−1、より好ましくは結晶性プロピレン系重
合体が挙げられる。上記結晶性プロピレン系重合体とし
ては、例えば結晶性プロピレン単独重合体、結晶性プロ
ピレン−エチレンランダム共重合体、結晶性プロピレン
−α−オレフィンランダム共重合体、プロピレンと、エ
チレン及び/又は炭素数4〜10のα−オレフィンとの
結晶性ブロック共重合体が挙げられる。上記α−オレフ
ィンとしては、ブテン−1、ペンテン−1、ヘキセン−
1、オクテン−1、デセン−1等の炭素数4〜10のα
−オレフィンが挙げられる。
【0015】本発明で用いる結晶性オレフィン系重合体
には、必要に応じて各種添加剤、充填剤、例えば酸化防
止剤、防曇剤、帯電防止剤、造核剤、紫外線吸収剤、顔
料などを含ませることができる。更にまた、本発明の妨
げにならない範囲で他の重合体をブレンドして使用して
もよい。例えば、リサイクル樹脂をブレンドできる。
【0016】また、基材の各層の厚さは、特に限定され
るものでなく、任意に選択することができる。通常は、
各層を約2〜100μmの範囲に形成する。また、基材
の全厚みに対するエチレン系重合体からなる層の厚み比
率は、特に限定されるものでなく任意に選択することが
できる。基材厚みに対するエチレン系重合体からなる層
の厚み比率は、通常20〜90%、好ましくは40〜9
0%、より好ましくは50〜90%である。
【0017】上記基材は、まず任意の積層法によって、
未延伸積層シートを形成し、次いで該未延伸シートを一
軸方向に延伸することにより成形される。未延伸積層シ
ートの製造法(積層法)は、特に限定されるものではな
く、公知の方法、例えば熱接着法や押出又はドライラミ
ネーション法、共押出法等が挙げられる。該共押出成形
としては、Tダイ成形法またはインフレーション成形法
が採用される。
【0018】また、未延伸シートの一軸方向の延伸方法
は、特に限定されるものではなく、公知の方法、例えば
ロール一軸延伸法等が挙げられる。
【0019】本発明の粘着テープは、基材がエチレン系
重合体からなる層と結晶性オレフィン系重合体からなる
層とから少なくとも構成される未延伸シートを結晶性オ
レフィン系重合体の融解主ピーク温度以下で、かつエチ
レン系重合体の融解主ピーク温度以上で延伸し、さらに
その延伸温度よりも高温でヒートセット処理して得られ
る。延伸温度が上記範囲より低いと延伸方向と直角の方
向への引裂き性が劣るため好ましくない。一方、延伸温
度が上記範囲より高いと、延伸加工中に熱ロールへの融
着を起こすため好ましくない。
【0020】一軸延伸シートは、さらに熱収縮率を8%
以下とする。熱収縮率が8%を越えると、粘着剤塗工加
工時の走行安定性と寸法安定性、巻締りに問題が生じる
ので好ましくない。粘着剤塗工加工時の走行安定性と寸
法安定性、巻締りの点から、熱収縮率は、好ましくは5
%以下、より好ましくは2%以下である。本発明におけ
る熱収縮率とは、長さの既知であるサンプルをある温度
中で処理し、延伸方向における処理前後の長さの差を処
理前の長さで除し、百分率で表わした数値である。その
値が低いほど、熱による延伸方向の縮み具合が小さいこ
とを表わす。
【0021】粘着剤塗工加工時の熱収縮率を抑える方法
としては、(1)粘着塗工加工時の熱収縮率が低くなる
ように一軸延伸する方法、(2)一軸延伸した後、熱収
縮率を抑える処理を施す方法、または、(3)前記
(1)及び(2)の方法を組合わせる方法が挙げられ
る。上記(1)の延伸方法としては、一軸延伸する温度
を粘着剤塗工加工時の熱乾燥温度より高温とすることが
好ましい。また、上記(2)の一軸延伸した後、熱収縮
率を抑える処理を施す方法としては、ヒートセット処理
が挙げられる。ヒートセット処理の温度は、延伸温度よ
りも高温、例えば5〜40℃高い温度が好ましい。さら
に、ヒートセット処理の温度は、延伸温度よりも高温で
あり、かつ粘着剤塗工加工時の熱乾燥温度よりも高温、
例えば5〜40℃高い温度であることがより好ましい。
その処理については、例えば熱炉中にその基材を通過さ
せてもよいし、熱ロールに巻き付かせて通してもよく、
さらに熱ロールに巻き付かせながらロール間の周速を変
化させ、長さ方向の寸法を緩和させながらでもよい。
【0022】本発明の粘着テープの基材である一軸延伸
シートの好ましい態様としては、赤外二色性比測定によ
り求めた該エチレン系重合体層の結晶c軸配向関数Fε
が2.0×10-1以下であり、より好ましくは1.5×
10-1以下である。該エチレン系重合体層の上記配向関
数Fεの条件を満たすならば、如何なるエチレン系重合
体を用いてもテープ幅方向の手切れ性はさらに良好とな
る。さらに上記の条件を満たしやすくするためには、高
圧ラジカル重合法、シングルサイト触媒による配位重合
法で得られる長鎖分岐を有する低密度ポリエチレンを一
軸延伸するのが好ましく、特に、高圧ラジカル重合法で
得られる低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共
重合体を一軸延伸するのがより好ましい。
【0023】本発明における結晶c軸配向関数は、赤外
二色性比測定法によって求められるエチレン系重合体の
結晶c軸の配向の程度を表す指標である。配向関数と
は、基準方向Zに関して結晶軸のそれぞれの配向度を定
めるためHermansの概念((a)P.H.Her
mans,P.Platzek,Kolloid−
Z.,88,68(1939);(b)J.J.Her
mans,P.H.Hermans,D.Vermaa
s,A.Weidinger,Rec.trav.ch
im.Pays−Bas,65,427(1946))
を拡張してStein(R.S.Stein,J.Po
lym.Sci.,31,327(1958))によっ
て定義された関数であり、以下のような形をしている。 Fα,z=1/2×(3<cos2φα,z>−1) Fβ,z=1/2×(3<cos2φβ,z>−1) Fε,z=1/2×(3<cos2φε,z>−1) ここで、α、β、ε、zはそれぞれ結晶a軸、b軸、c
軸、基準方向であり、<cos2φ>は結晶軸と基準方向
のなす角φの余弦の2乗平均(全微結晶についての平
均)を表わす。
【0024】
【表1】
【0025】ある結晶軸についての<cos2φ>の値
は、基準方向zと完全に一致するとき1となり、ランダ
ム配向では1/3、zに完全に垂直なときは0になる。
この時Fの値は、上記表1に示すとおり、それぞれ1、
0、−1/2となる。このとき結晶軸が直交していれば cos2φα,z+cos2φβ,z+cos2φε,z=1 となる。これより Fα,z+Fβ,z+Fε,z=0 が得られ、結晶a軸と結晶b軸についての配向関数が分
かれば残りの結晶c軸の配向関数も決定することができ
る。
【0026】本発明における結晶c軸配向関数Fεは、
以下に説明する赤外二色性比測定法により求めるものと
する。偏光赤外線に対する吸収は遷移モーメントの変化
方向(分子振動の双極子モーメントの変化する方向)と
偏光赤外線の電気ベクトルの振動方向の角の余弦の2乗
平均に比例する。ここで、(ac)を偏光に対する単位
体積の結晶相による積分吸光度とすれば、試料に垂直方
向から入射し基準方向に平行および垂直な方向に電気ベ
クトルを有する偏光に対する(ac)‖および(ac)⊥
は、一軸延伸の場合以下のように表わすことができる。
(高原弘和,河合弘迪, 繊維と工業,21,7,77,(1965)) (ac)‖=Kc<cos2φ> (ac)⊥=Kc<sin2φ>/2=Kc(1−<co
2φ>)/2 ここで、Kcは比例定数、φは基準方向と遷移モーメン
トのなす角である。上記の式を配向関数を用いて書き直
せば、 (ac)‖=Kc(2F+1)/3 (ac)⊥=Kc(1−F)/3 となり、これより二色性比および配向関数に関する式が
得られる。 D≡(ac)⊥/(ac)‖=(1−F)/(2F+1) F=(1―D)/(2D+1)=3/2×(1/(1+
2/D)−1/2 ここで、Dは任意の吸収バンドにおける赤外二色性比で
ある。
【0027】赤外二色性比から結晶軸の配向関数を求め
るには、該当する結晶軸に平行な遷移モーメントを示す
吸収バンドが必要となる。エチレン系重合体については
730cm-1および720cm-1のバンドの遷移モーメ
ントがそれぞれa軸、b軸に平行である事が知られてい
る。(田所宏行,高分子実験学講座,2.高分子の固体構
造,149(1959),共立出版;田所宏行,茶谷陽三,高分子の
構造と物性,61(1963),丸善) 本発明では基準方向を延伸方向とし、積分吸光度に代
え、近似的に各バンドのピークトップにおける吸光度を
それぞれ(ac)⊥、(ac)‖とし、730cm ー1およ
び720cmー1の各バンドにおける赤外二色性比D73
0、D720を算出している。得られたD730、D7
20より下記式を用いてエチレン系重合体の結晶a軸、
b軸のMD方向に関する配向関数Fα、Fβをそれぞれ
得る。 Fα=3/2×(1/(1+2/D730)−1/2 Fβ=3/2×(1/(1+2/D720)−1/2 エチレン系重合体の斜方晶は各結晶軸が直交することか
らこれらの値を用いて、下記式より結晶c軸のMD方向
に関する配向関数Fεが得られる。 Fα+Fβ+Fε=0
【0028】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に具体的に説
明するが、これら実施例は本発明を何ら限定するもので
はない。
【0029】はじめに、以下の実施例および比較例にお
ける物性値の測定方法を説明する。 (1)融解主ピーク温度(Tm) 結晶性オレフィン系重合体については、示差走査熱量計
(パーキンエルマー社製DSC)を用いて、予め試料1
0mgを窒素雰囲気下で220℃で5分間溶融した後、
5℃/分の降温速度で40℃まで降温した。その後、5
℃/分で昇温させて、得られた融解吸熱カーブの最大ピ
ークのピーク温度を融解主ピーク温度(Tm)とした。
また、エチレン系重合体については、熱プレスにより作
製した厚さ約0.5mmのシートから切り出した約10
mgの試片をDSC測定用サンプルパンに入れ、150
℃で5分間予備加熱し、1℃/分で40℃まで降温し、
5分間保持した後10℃/分の速度で150℃まで昇温
させて、得られた融解吸熱カーブの最大ピークのピーク
温度を融解主ピーク温度(Tm)とした。なお、本測定
器を用いて5℃/分の昇温速度で測定したインジウム
(In)の融解主ピーク温度は、156.6℃であっ
た。 (2)酢酸ビニル単位の含有量 JIS K6730に規定された方法に従い測定を行っ
た。 (3)結晶c軸配向関数Fε パーキンエルマー社製のフーリエ変換型赤外分光光度計
1760Xに偏光板をセットしバックグラウンドを測定
した後、偏光方向に対しフィルムの延伸方向が水平、垂
直になるようにそれぞれフィルムをセットして次の条件
にて測定を行った。 測定モード:Abs 検出器:DTGS(Deuterated Triglycine Sulfate)
検出器 分解能:4cm-1 スキャン回数:16回得られたスペクトルの730cm
-1、720cm-1における赤外二色性比D730、D7
20よりFα、Fβを(式1)、(式2)を用いて算出
し、これらの値から(式3)を用いてFεを算出した。 (式1) Fα=3/2×(1/(1+2/D730)
−1/2 (式2) Fβ=3/2×(1/(1+2/D720)
−1/2 (式3) Fα+Fβ+Fε=0
【0030】(4)引張破断強度 JIS K6781に規定された方法に従い、延伸方向
を測定した。 (5)引裂き性(手切れ性) 粘着テープを延伸方向と直角の方向に手によって切り、
延伸方向と直角の方向への引裂き易さ(手切れ性)を以
下の様に判定した。 ○:延伸方向と直角の方向へ真っ直ぐ切れる。 ×:引裂き方向が延伸方向へ走る。 (6)熱収縮率 5cm×5cmに打抜いた試験片(基材)を110℃の
シリコンオイルバスに30分間浸漬した後、延伸方向の
長さを測定し、オイルバス浸積前後の差を浸漬前の長さ
で除し、百分率で表わした。
【0031】実施例1 結晶性オレフィン系重合体としては、プロピレン単独重
合体(住友化学工業(株)製ノーブレンW101、Tm
=165℃、MFR(230℃)=8.0g/10分)
を用いた。また、エチレン系重合体としては、エチレン
−酢酸ビニル共重合体(住友化学工業(株)製エバテー
トD2021F、Tm=95℃、MFR=1.4g/1
0分、酢酸ビニル単位の含有量=10重量%)を用い
た。次に、(株)モダンマシナリー製2種3層共押出T
ダイフィルム加工機を用いて、上記結晶性オレフィン系
重合体を表面層押出機へ供給し、上記エチレン系重合体
を中間層押出機にそれぞれ投入して、ダイス温度230
℃で同時に押出し、引取速度3.5m/分の条件で製膜
し、厚み構成が外層/中間層/外層の順に60μm/1
80μm/60μmの2種3層原反シートを得た。次い
で、該原反シートを寺尾精機(株)製6本ロール延伸機
により、延伸温度140℃で縦方向に2.8倍、一軸延
伸し、全厚み100μmの2種3層一軸延伸シートを得
た。さらに、そのシートの片面にアクリル系の粘着剤と
してブチルアクリレート(80重量%)と2−エチルヘ
キシルアクリレート(20重量%)からなる共重合体の
40重量%酢酸エチルとトルエンの混合溶液(約400
0センチポイズ)をロールコーターで塗布し、110℃
にコントロールされた熱乾燥炉を約3分間通過させて一
軸延伸多層シートに厚さ30μmのアクリル系粘着剤層
を形成し、粘着テープを得た。そのテープの評価結果を
表2に示す。
【0032】実施例2 延伸前の原反は、実施例1と同じ構成で、同様な加工条
件にて作製した。その原反の一軸延伸は、温度110℃
で行い、そのまま140℃のロール2本に9m/分の速
度で巻き付かせて通すことで熱収縮率を抑える処理であ
るヒートセット処理を行った。粘着剤の塗工は、実施例
1と同様に行って粘着テープを得た。そのテープの評価
結果を表2に示す。
【0033】比較例1 延伸前の原反は、実施例1と同じ構成、同様な加工条件
にて作製した。その原反の一軸延伸は、温度80℃で行
い、その後は特にヒートセット処理を行わなかった。粘
着剤の塗工は、実施例1と同様に行って粘着テープを得
た。そのテープの評価結果を表2に示す。
【0034】比較例2 延伸前の原反は、実施例1と同じ構成、同様な加工条件
にて作製した。その原反の一軸延伸は、温度110℃で
行い、その後は特にヒートセット処理を行わなかった。
粘着剤の塗工は、実施例1と同様に行って粘着テープを
得た。そのテープの評価結果を表2に示す。
【0035】
【表2】
【0036】
【発明の効果】以上、詳述したように、本発明によれ
ば、粘着塗工加工時の熱収縮率が低く、引張破断強度が
強い、テープ幅方向の手切れ性が良好な粘着テープが提
供できる。また、本発明は、上記の優れた性質を有する
粘着テープを効率よく製造する方法が提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山田 武 大阪府高槻市塚原二丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内 (72)発明者 皆葉 健 大阪府高槻市塚原二丁目10番1号 住化プ ラステック株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基材と粘着剤層とからなる粘着テープであ
    って、前記基材がエチレン系重合体からなる層と結晶性
    オレフィン系重合体からなる層とから少なくとも構成さ
    れる一軸延伸シートからなり、かつ前記シートの熱収縮
    率(110℃)が8%以下であることを特徴とする粘着
    テープ。
  2. 【請求項2】基材がエチレン系重合体からなる中間層と
    結晶性オレフィン系重合体からなる両外層とからなる少
    なくとも3層から構成される請求項1記載の粘着テー
    プ。
  3. 【請求項3】赤外二色比測定より求めた、一軸延伸シー
    トにおけるエチレン系重合体の結晶c軸配向関数Fεが
    2.0×10-1以下である請求項1記載の粘着テープ。
  4. 【請求項4】結晶性オレフィン系重合体が結晶性プロピ
    レン系重合体である請求項1記載の粘着テープ。
  5. 【請求項5】エチレン系重合体が、低密度ポリエチレ
    ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
    ル酸エステル共重合体及びエチレン−メタクリル酸エス
    テル共重合体の中から選ばれる少なくとも一種のエチレ
    ン系重合体である請求項1記載の粘着テープ。
  6. 【請求項6】基材と粘着剤層とからなる粘着テープの製
    造方法であって、基材がエチレン系重合体からなる層と
    結晶性オレフィン系重合体からなる層とから少なくとも
    構成される未延伸シートを結晶性オレフィン系重合体の
    融解主ピーク温度以下で、かつエチレン系重合体の融解
    主ピーク温度以上で延伸し、さらにその延伸温度よりも
    高温でヒートセット処理して得られることを特徴とする
    粘着テープの製造方法。
  7. 【請求項7】基材がエチレン系重合体からなる中間層と
    結晶性オレフィン系重合体からなる両外層とからなる少
    なくとも3層から構成される請求項6記載の粘着テープ
    の製造方法。
  8. 【請求項8】赤外二色比測定より求めた、一軸延伸シー
    トにおけるエチレン系重合体の結晶c軸配向関数Fεが
    2.0×10-1以下である請求項6記載の粘着テープの
    製造方法。
  9. 【請求項9】結晶性オレフィン系重合体が結晶性プロピ
    レン系重合体である請求項6記載の粘着テープの製造方
    法。
  10. 【請求項10】エチレン系重合体が、低密度ポリエチレ
    ン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリ
    ル酸エステル共重合体及びエチレン−メタクリル酸エス
    テル共重合体の中から選ばれる少なくとも一種のエチレ
    ン系重合体である請求項6記載の粘着テープの製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002097420A (ja) * 2000-09-21 2002-04-02 Tokuyama Corp 結束テープ
CN103648917A (zh) * 2011-05-05 2014-03-19 德莎欧洲公司 用于形成撕开条的胶带系统
JP2021066765A (ja) * 2019-10-18 2021-04-30 日東電工株式会社 ワイヤーハーネス用粘着テープ

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