JPH11349723A - ポリプロピレン系樹脂押出発泡ボード - Google Patents

ポリプロピレン系樹脂押出発泡ボード

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JPH11349723A
JPH11349723A JP10163274A JP16327498A JPH11349723A JP H11349723 A JPH11349723 A JP H11349723A JP 10163274 A JP10163274 A JP 10163274A JP 16327498 A JP16327498 A JP 16327498A JP H11349723 A JPH11349723 A JP H11349723A
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JP
Japan
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polypropylene
resin
polypropylene resin
weight
foaming
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Pending
Application number
JP10163274A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Murata
崇洋 村田
Osamu Miyama
治 三山
Haruo Tomita
春生 冨田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
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    • B29C47/92

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  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 多孔ダイのような特殊な方法によらず大断面
積で外観美麗なポリプロピレン系樹脂押出発泡ボードを
提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン系樹脂を押出機内で溶融
中に発泡剤を添加し、金型より押し出して発泡ボードを
得る押出発泡において、ポリプロピレン系樹脂の210
℃における最長緩和時間が101〜104secであり、
かつ、押出発泡時の圧力解放速度が101〜102MPa
/secである条件で押し出して得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は断面拡大率の大きな
ポリプロピレン系樹脂押出発泡ボードに関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂からなる発泡ボードは、一
般に軽量で断熱性や外部からの応力の緩衝性が良好であ
ることから、断熱材、緩衝材、芯材、食品容器等に幅広
く利用されている。ポリオレフィン系樹脂を基材樹脂と
する発泡ボードは、低密度ポリエチレンを中心に利用さ
れているが、ポリエチレン系樹脂は、耐熱性が不十分で
あるという欠点を有している。一方、ポリプロピレン系
樹脂は、弾性が高く、耐溶剤性、耐熱性、ヒンジ特性等
に優れていることから、発泡ボードを製造した場合、極
めて広い利用範囲が期待できるものの、溶融時の粘度、
張力が低く、そのため発泡時に気泡壁の強度が充分に保
持されず、ポリエチレン系樹脂の如く肉厚の発泡ボード
を製造することはきわめて困難である。
【0003】このような困難性を克服する試みとして、
近年、特表平5−506875号公報の様な長鎖分岐構
造を有するポリプロピレンを使用してシート状の発泡体
を製造する方法が報告されている。しかしながら、前期
方法では厚さが10より薄い薄肉の発泡体しか製造する
ことができず、コルゲートやボイドの発生を伴って、耐
衝撃性や緩衝性の良好な厚みのある発泡ボードは得られ
ていない。
【0004】また、特表平8−504471公報には発
泡性因子F(発泡体密度×平均気泡粒径×tan
δ0.75)<1.8のプロピレン発泡体が開示されている
が、多孔ダイによる収束発泡体という特殊な方法によ
る、品質的に欠陥のある発泡体でしか厚い発泡体が得ら
れないという欠点がある。また、特開平7−25231
8公報には2軸伸長粘度を規定した厚肉ポリプロピレン
系樹脂押出発泡体用樹脂が開示されている。しかしなが
ら、この樹脂は超高分子量成分を含むMzが8×106
以上、Mz/Mwが10以上という特殊な線状ポリプロ
ピレン系樹脂であり、開示されているポリプロピレン系
樹脂製造法としては2段階重合という特殊な方法であ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、多孔
ダイのような特殊な方法によらず大断面積で外観美麗な
ポリプロピレン系樹脂押出発泡ボードを提供することに
ある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、ポリプ
ロピレン系樹脂を押出機内で溶融中に発泡剤を添加し、
金型より押し出して発泡ボードを得る押出発泡におい
て、下記(数1)式で示されるポリプロピレン系樹脂の
210℃における最長緩和時間が101〜104secで
あり、かつ、押出発泡時の下記(数2)式で示される圧
力解放速度が101〜102MPa/secである条件で
押し出して得られる断面積が35cm2以上のポリプロ
ピレン系樹脂押出発泡ボードに関する。本発明の第2は
ポリプロピレン系樹脂がイソプレン単量体及びラジカル
重合開始剤との反応により改質されたポリプロピレン系
樹脂であるポリプロピレン系樹脂押出発泡ボードに関す
る。
【0007】
【数1】
【0008】(ただし、tmax:最長緩和時間(se
c)、Je0:平衡コンプライアンス(Pa ー1)、η0:ゼ
ロせん断粘度(Pa・sec))
【0009】
【数2】
【0010】(ただし、S:圧力解放速度(Pa/se
c)、P:ダイス圧力(Pa)、Q:吐出量(m3/s
ec)、A:ダイス開口面積(m2)、L:ランド長
(m))
【0011】
【発明の実施の形態】射出成形等で通常に用いられるポ
リプロピレンは溶融された状態で伸長変形をうける際に
歪み硬化性に乏しく、押出発泡に供しても、発泡剤が膨
張する際にセルを保持できず、破泡が生じて大断面積の
発泡ボードを得ることができない。さらに押出発泡時に
際しては、発泡剤が溶解された樹脂をダイス内発泡を生
じさせないように、適切な開口形状を有する押出ダイス
から吐出量を調整してダイス内の圧力を保持して押し出
さなければ、発泡剤の膨張とそれに伴う樹脂の発泡とが
効果的に生じないために大断面積の発泡ボードを得るこ
とができない。そこで、本発明者等は鋭意検討の結果、
押出発泡において溶融樹脂が発泡剤膨張時にセル膜を保
持するために歪み硬化性を有し、またダイ内発泡を生じ
させないために圧力解放速度を適切な値に保持すれば、
大断面積のポリプロピレン系樹脂押出発泡ボードを得ら
れることを見出した。溶融樹脂の歪み硬化性は、その最
長緩和時間が大きなもので発現する特性である。また、
この最長緩和時間は、溶融樹脂に応力を与えその歪みを
観測する図1のクリープ測定によって求められる平衡コ
ンプライアンスとゼロせん断粘度との積によって表され
るものである。また、圧力解放速度はダイ内発泡の発生
の状態を表す尺度であり、押出ダイスの開口形状、ダイ
ス圧力、吐出量等から表されるものである。
【0012】クリープ測定はある時間で溶融樹脂に歪み
を与え、その歪み量を測定するものである。平衡コンプ
ライアンスは図1のように時間ー歪み曲線を外挿した値
から求められ、また、ゼロせん断粘度は時間ー歪み曲線
の傾きから求められる。以上のことから、本発明者等は
ポリプロピレン系樹脂の210℃における平衡コンプラ
イアンスとゼロせん断粘度の積によって表される最長緩
和時間が101〜104秒の範囲であれば、その溶融樹脂
が押出発泡時に歪み硬化性を発揮して発泡剤膨張時にセ
ル膜が保持され、かつ、押出発泡時の圧力解放速度が1
1〜102MPa・secー1の範囲であればダイ内発泡
が生じない状態で押出発泡を行うことが可能であり、当
ポリプロピレン系樹脂押出発泡ボードの製造を可能とし
た。さらにポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体お
よびラジカル重合開始剤とを反応させて得られる改質ポ
リプロピレン樹脂を用いることでより大断面積を有する
発泡ボードが得られることを見出した。本発明に用いら
れるポリプロピレン系樹脂としては、プロピレンの単独
重合体およびブロック共重合体およびランダム共重合体
等の共重合体であって、結晶性の重合体が挙げられる。
プロピレンの共重合体としては、プロピレンを75重量
%以上、とくに90重量%以上含有しているものが、ポ
リプロピレン系樹脂の特徴である結晶性、剛性、耐薬品
性などが保持されている点で好ましい。共重合可能なα
−オレフィンとしては、エチレン、ブテン−1、イソブ
テン、ペンテン−1、3−メチル−ブテン−1、ヘキセ
ン−1、4−メチル−ペンテン−1、3,4−ジメチル
−ブテン−1、ヘプテン−1、3−メチル−ヘキセン−
1、オクテン−1、デセン−1などの炭素数2または4
〜12のα−オレフィン、シクロペンテン、ノルボルネ
ン、1,4,5,8−ジメタノ−1,2,3,4,4
a,8,8a−6−オクタヒドロナフタレンなどの環状
オレフィン、5−メチレン−2−ノルボルネン、5−エ
チリデン−2−ノルボルネン、1,4−ヘキサジエン、
メチル−1,4−ヘキサジエン、7−メチル−1,6−
オクタジエンなどのジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、アクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸
ブチル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、スチレ
ン、メチルスチレン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼ
ンなどのビニル単量体、などの1種または2種以上が挙
げられる。これらのうち、エチレン、ブテン−1が安価
という点で好ましい。
【0013】なお、ポリプロピレン系樹脂の形状、大き
さに制限はなく、粒子状でもペレット状でもよい。必要
に応じて、ほかの樹脂、ゴムを本発明の効果を損なわな
い範囲で添加してもよい。ほかの樹脂、ゴムとしては、
たとえばポリエチレン、ポリブテン−1、ポリペンテン
−1などのポリα−オレフィン、プロピレン含有量が7
5重量%未満のエチレン/プロピレン、エチレン/ブテ
ン−1、プロピレン含有量が75重量%未満のプロピレ
ン/ブテン−1などのα−オレフィン/α−オレフィン
共重合体、プロピレン含有量が75重量%未満のエチレ
ン/プロピレン/5−エチリデン−2−ノルボルネンな
どのα−オレフィン/α−オレフィン/ジエン共重合
体、エチレン/塩化ビニル、塩化ビニリデン、アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニル、アクリル
アミド、メタクリルアミド、アクリル酸、メタクリル
酸、マレイン酸、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸メチル、無水マレイン酸、アクリル酸
金属塩、メタクリル酸金属塩、スチレン、メチルスチレ
ン、ビニルトルエン、ジビニルベンゼンなどのα−オレ
フィン/ビニル単量体共重合体、ポリイソブテン、ポリ
ブタジエン、ポリイソプレンなどのポリジエン、(水素
化)スチレンブタジエンランダム共重合体などの(水素
化)ビニル単量体/ジエンランダム共重合体、(水素
化)スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体など
の(水素化)ビニル単量体/ジエン/ビニル単量体ブロ
ック共重合体、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレ
ン、メタクリル酸メチル/ブタジエン/スチレンなどの
ビニル単量体/ジエン/ビニル単量体グラフト共重合
体、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリ
ロニトリル、ポリ酢酸ビニル、ポリアクリル酸エチル、
ポリアクリル酸ブチル、ポリメタクリル酸メチル、ポリ
スチレンなどのビニル重合体、塩化ビニル/アクリロニ
トリル、塩化ビニル/酢酸ビニル、アクリロニトリル/
スチレン、メタクリル酸メチル/スチレンなどのビニル
共重合体、などが挙げられる。
【0014】さらに必要に応じて、本発明の効果を損な
わない範囲で、酸化防止剤、金属不活性剤、燐系加工安
定剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、蛍光増白剤、金属
石鹸、制酸吸着剤などの安定剤、架橋剤、連鎖移動剤、
核剤、滑剤、可塑剤、充填材、強化材、顔料、染料、難
燃剤、帯電防止剤などの添加剤を使用してもよい。イソ
プレン単量体の添加量としては、ポリプロピレン系樹脂
100重量部に対して、0.1〜100重量部、とくに
0.1〜50重量部が改質ポリプロピレン系樹脂におい
て、ポリプロピレン系樹脂の特徴である耐衝撃性、耐薬
品性などが保持されている点で好ましい。
【0015】さらにイソプレン単量体と共重合可能な単
量体、たとえばスチレン、メチルスチレン、ビニルトル
エン、クロロスチレン、クロロメチルスチレン、ブロモ
スチレン、フルオロスチレン、ニトロスチレン、ビニル
フェノール、ジビニルベンゼン、イソプロペニルスチレ
ンなどのビニル単量体、塩化ビニル、塩化ビニリデン、
アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、酢酸ビニル、アクリル酸、メタ
クリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸金
属塩、メタクリル酸金属塩、アクリル酸メチル、アクリ
ル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチル
ヘキシル、アクリル酸ステアリルなどのアクリル酸エス
テル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタ
クリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メ
タクリル酸ステアリルなどのメタクリル酸エステル、な
どを併用してもよい。その場合イソプレン使用量は、単
量体合計の50〜100重量%である。
【0016】ラジカル重合開始剤としては、一般に過酸
化物、アゾ化合物などが挙げられる。このラジカル重合
開始剤の作用によりポリプロピレン系樹脂とイソプレン
単量体との間にグラフト反応が起こることが好ましく、
そのためには、いわゆる水素引き抜き能を有するものが
必要であり、これらの作用を有する物質として一般に、
ケトンパーオキサイド、パーオキシケタール、ハイドロ
パーオキサイド、ジアルキルパーオキサイド、ジアシル
パーオキサイド、パーオキシジカーボネート、パーオキ
シエステルなどの有機過酸化物が挙げられる。これらの
うち、とくに水素引き抜き能が高いものが好ましく、た
とえば1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサン、n−ブチル4,4−
ビス(t−ブチルパーオキシ)バレレート、2,2−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)ブタンなどのパーオキシケ
タール、ジクミルパーオキサイド、2,5−ジメチル−
2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、α,
α’−ビス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピ
ル)ベンゼン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−
t−ブチルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5
−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3などのジア
ルキルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサイドなど
のジアシルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオク
テート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、t−ブ
チルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシ3,
5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオ
キシイソプロピルカーボネート、2,5−ジメチル−
2,5ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチ
ルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾ
エート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなど
のパーオキシエステル、などの1種または2種以上が挙
げられる。
【0017】ラジカル重合開始剤の添加量としては、ポ
リプロピレン系樹脂100重量部に対して、0.1〜1
0重量部、とくに0.5〜5重量部が、改質ポリプロピ
レン系樹脂の過度の溶融粘度の低下を抑え、かつ経済的
であるという点で好ましい。ポリプロピレン系樹脂とイ
ソプレン単量体とラジカル重合開始剤とを反応させるた
めの装置としては、ロール、コニーダー、バンバリーミ
キサー、ブラベンダー、単軸押出機、2軸押出機などの
混練機、2軸表面更新機、2軸多円板装置などの横型撹
拌機、ダブルヘリカルリボン撹拌機などの縦型撹拌機な
どが挙げられる。これらのうち、とくに押出機が生産性
の点から好ましい。
【0018】ポリプロピレン系樹脂とイソプレン単量体
とラジカル重合開始剤とを混合、混練(撹拌)する順
序、方法にはとくに制限はない。ポリオレフィン系樹脂
とイソプレン単量体とラジカル重合開始剤とを混合した
のち溶融混練(撹拌)してもよいし、ポリオレフィン系
樹脂を溶融混練(撹拌)したのち、イソプレン単量体あ
るいはラジカル開始剤を同時にあるいは別々に、一括し
てあるいは分割して混合してもよい。
【0019】混練(撹拌)機の温度は130〜400℃
が、ポリプロピレン系樹脂が溶融し、かつ熱分解しない
という点で好ましい。またその時間は一般に1〜60分
である。ポリプロピレン系樹脂の発泡は、ポリプロピレ
ン系樹脂を、溶融させた状態で揮発性発泡剤を圧入し、
高圧に保持しつつ混練し、ダイより吐出する方法や、ポ
リプロピレン系樹脂と加熱により気体を発生する分解型
発泡剤を溶融混練し成形した後、該発泡剤を分解させて
気体を発生させ発泡させる方法などが挙げられるが、こ
れらの方法に限定されるものではない。
【0020】ポリプロピレン系樹脂と分解型発泡剤を混
練するための装置としては、ロール、コニーダー、バン
バリーミキサー、ブラベンダー、単軸押出機、2軸押出
機などの混練機、2軸表面更新機、2軸多円板装置など
の横型撹拌機、ダブルヘリカルリボン撹拌機などの縦型
撹拌機、などが挙げられる。これらのうち、とくにロー
ル、押出機が生産性の点から好ましい。
【0021】好ましい揮発性発泡剤としては、例えばプ
ロパン、ブタン、イソブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘ
プタンなどの脂肪族炭化水素類、シクロブタン、シクロ
ペンタン、シクロヘキサンなどの脂環式炭化水素類、ク
ロロジフルオロメタン、ジクロロメタン、ジクロロフル
オロメタン、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフ
ルオロメタン、クロロエタン、ジクロロトリフルオロエ
タン、ジクロロテトラフルオロエタン、トリクロロトリ
フルオロエタン、テトラクロロジフルオロエタン、パー
フルオロシクロブタンなどのハロゲン化炭化水素類、二
酸化炭素、窒素、空気などの無機ガス、などの1種また
は2種以上が挙げられる。
【0022】また好ましい分解性発泡剤としては、例え
ばアゾジカルボンアミド、トリヒドラジノトリアジン、
ベンゼンスルホニセミカルバジド、ジアゾジアミノベン
ゼン、N,N’−ジニトロソペンタメチレンテトラミ
ン、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロテレフタ
ーイミド、アゾジカルボン酸バリウム、p,p’−オキ
シビスベンゼンスルホニルヒドラジド、等の1種または
2種以上が挙げられる。
【0023】発泡剤の含有量は発泡剤の種類および目標
発泡倍率によって選択されるが、一般に樹脂100重量
部に対して1〜100重量部が好ましい。また、気泡径
のコントロールのため、必要に応じて、重曹−クエン
酸、タルク等の公知の発泡核剤を併用しても良い。本発
明の発泡ボードは、35cm2以上の断面積を必要とす
る。発泡ボードの断面積が35cm2未満の場合、圧縮
強度の不足やコルゲートが発生し、外観美麗な発泡ボー
ドを得ることが困難であり、さらには重量、価格の面で
好ましくない。
【0024】また、ポリプロピレン系樹脂の最長緩和時
間の測定は以下の通り行った。 <最長緩和時間の測定方法>ポリプロピレン系樹脂を板
状成形体サンプルとし、かかるサンプルを直径25mm
で円形の平行平板に挟み、温度を210℃に保って溶融
させる。サンプルを充分に溶融させたのち、前記平行平
板の間隔を1.4mmに調整し、円板からはみ出した樹
脂を取り除く。ついで、図1において時間t=0の時点
でサンプルに与えられる応力σが100N/m2の一定
の値に保たれるように片方の円板を他方に対して回転さ
せ、300秒間にわたりそのときの歪み量を経時的に測
定する。
【0025】つぎに、前記応力σを与え始めてからの時
間tに対しての歪みγ(t)を図1のようにプロットす
る。充分な時間が経過した後、歪みγ(t)は図1のよ
うに時間tに対して直線関係を与えるようになるので、
歪みγ(t)は以下の式(数3)のように表すことがで
きる。
【0026】
【数3】
【0027】すなわち、平衡コンプライアンスJeoは図
1において歪みγ(t)と時間tとのプロットにおいて
両者が直線関係を与える部分を外挿した切片から与えら
れる。また、ゼロせん断粘度η0は前記直線関係を与え
る部分の傾きから求めることができる。かかる方法によ
り測定された、平衡コンプライアンスJeoとゼロせん断
粘度η oとの積Jeo・ηoは時間の単位を持ち、最長緩和
時間tmaxとして測定される。
【0028】
【実施例】つぎに実施例および比較例に基づいて本発明
に関する発泡ボードについて説明するが、本発明はかか
る実施例のみに限定されるものではない。 (実施例1)エチレンランダムポリプロピレン(三井石
油化学(株)ポリプロピレン、ハイポールB230、2
30℃でのMI=0.5、エチレン含量 3重量%)1
00重量部に対して、ラジカル開始剤として1,1−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ)3,3,5−トリメチルシ
クロヘキサン(日本油脂(株)製、パーブチル3M、1
分間半減期温度147℃)0.5重量部を配合し、リボ
ンブレンダーを用いて10分間混合攪拌した。この混合
物を、2軸押出機((株)日本製鋼所製、TEX44)
のホッパーから50Kg/hrの供給速度で供給し、途
中に設けた導入部より、イソプレンモノマー(和光純薬
(株)製、特級)2.5重量部を定量ポンプを用いて
1.25Kg/hrの速度(ポリプロピレン系樹脂10
0重量部に対して2.5重量部となる割合)で供給し
た。得られた直径約4mmのロッド状の改質ポリプロピ
レン系樹脂を水冷し、3mmの厚さに細断することによ
り改質ポリプロピレン系樹脂(以下、「樹脂A」とす
る)を得た。なお前記2軸押出機は、同方向2軸タイプ
であり、シリンダーの孔径が44mmφであり、最大ス
クリュー有効長(L/D)が28であった。この2軸押
出機のシリンダー部の設定温度は、フィード部160℃
とし、イソプレン単量体の供給部分までは180℃と
し、それ以降は200℃に設定した。スクリューの回転
速度は150rpmに設定した。イソプレン単量体の供
給部以降の平均滞留時間は約1分とした。得られた樹脂
Aの平衡コンプライアンスJeoは7×10ー4Paー1、ゼ
ロせん断粘度ηoは14×104Pa・secであり、最
長緩和時間は98secであった。得られた樹脂Aをタ
ンデム型発泡押出機(第一段押出機(シリンダー径65
mm)と第二段押出機(シリンダー径90mm)、混練
・冷却装置(シリンダー径150mm)とが継続管によ
り連結された発泡押出装置)に供給し、第一段押出機に
て220℃で溶融した後、発泡剤としてイソブタンガス
を樹脂A100重量部に対し約12重量部圧入し、第二
段押出機と混練・冷却装置にて樹脂温度が140℃にな
るように冷却し、スリット幅60mm、スリット厚4.
0mm、ランド長30mmの矩形ダイより吐出量82K
g/hで押出したところ、圧力解放速度は14MPa/
secとなった。このときに得られた発泡ボードは断面
積が63.3cm2であった。 (実施例2)エチレンランダムポリプロピレン(三井石
油化学(株)ポリプロピレン、ハイポールB230、2
30℃でのMI=0.5、エチレン含量3重量%)10
0重量部に対して、ラジカル開始剤としてα,α‘−ビ
ス(t−ブチルパーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼ
ン(日本油脂(株)製、パーブチルP、1分間半減期温
度175℃)0.5重量部を配合し、リボンブレンダー
を用いて10分間混合攪拌した。この混合物を、2軸押
出機((株)日本製鋼所製、TEX44)のホッパーか
ら50Kg/hrの供給速度で供給し、途中に設けた導
入部より、イソプレンモノマー(和光純薬(株)製、特
級)5重量部を定量ポンプを用いて2.5Kg/hrの
速度(ポリプロピレン系樹脂100重量部に対して5重
量部となる割合)で供給した。得られた直径約4mmの
ロッド状の改質ポリプロピレン系樹脂を水冷し、3mm
の厚さに細断することにより改質ポリプロピレン系樹脂
(以下、「樹脂B」とする)を得た。なお前記2軸押出
機は、同方向2軸タイプであり、シリンダーの孔径が4
4mmφであり、最大スクリュー有効長(L/D)が2
8であった。この2軸押出機のシリンダー部の設定温度
は、フィード部160℃とし、イソプレンモノマーの供
給部分までは180℃とし、それ以降は200℃に設定
した。スクリューの回転速度は150rpmに設定し
た。イソプレンモノマーの供給部以降の平均滞留時間は
約1分とした。得られた樹脂Bの平衡コンプライアンス
eoは4×10ー4Paー1、ゼロせん断粘度ηoは65×
104Pa・sec、最長緩和時間は260secであ
った。得られた樹脂Bをタンデム型発泡押出機(第一段
押出機(シリンダー径65mm)と第二段押出機(シリ
ンダー径90mm)、混練・冷却装置(シリンダー径1
50mm)とが継続管により連結された発泡押出装置)
に供給し、第一段押出機にて220℃で溶融した後、発
泡剤としてイソブタンガスを樹脂B100重量部に対し
約13重量部圧入し、第二段押出機と混練・冷却装置に
て樹脂温度が140℃になるように冷却し、スリット幅
40mm、スリット厚4.0mm、ランド長30mmの
矩形ダイより吐出量84Kg/hで押出したところ、圧
力解放速度は24MPa/secとなった。
【0029】このときに得られた発泡ボードは断面積が
43.8cm2であった。 (参考例1)ホモポリプロピレン(三井石油化学(株)
ポリプロピレン、ハイポールB200、MI=0.5)
の平衡コンプライアンスJeoは1.5×10ー4Paー1
ゼロせん断粘度ηoは6×104Pa・sec、最長緩和
時間は9secであった。実施例1と同様にしてこのホ
モポリプロピレンをタンデム型押出機を用いて、樹脂1
00重量部に対してイソブタン14重量部を圧入し、ス
リット幅60mm、スリット厚4.0mm、ランド長3
0mmの矩形ダイより、吐出量80Kg/hrで押出し
たところ、圧力解放速度は13MPa/secとなっ
た。このとき得られた発泡体の断面積は28.5cm2
にすぎなかった。 (参考例2)エチレンランダムポリプロピレン(住友化
学(株)エチレンランダムポリプロピレンFS861
1、MI=6)の平衡コンプライアンスJeoは5×10
ー4Pa ー1、ゼロせん断粘度ηoは0.3×104Pa・s
ec、最長緩和時間は1.5secであった。
【0030】実施例1と同様にしてこのホモポリプロピ
レンをタンデム型押出機を用いて、樹脂100重量部に
対してイソブタン11重量部を圧入し、スリット幅60
mm、スリット厚4.0mm、ランド長30mmの矩形
ダイより、吐出量80Kg/hrで押出したところ、圧
力解放速度は0.3MPa/secとなった。このとき
得られた発泡体の断面積は12.8cm2にすぎなかっ
た。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、35cm2以上の断面
積を有し、緩衝性に優れたポリプロピレン系樹脂発泡ボ
ードを容易に提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の最長緩和時間の測定を示す図である。
サンプルに応力σを与え、時間tと歪みγをプロット
し、直線部分の傾きからη0を、直線を外挿した切片か
らJeoを求める。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI B29K 105:04 C08L 23:10 23:26

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン系樹脂を押出機内で溶融
    中に発泡剤を添加し、金型より押し出して発泡ボードを
    得る押出発泡において、ポリプロピレン系樹脂の210
    ℃における最長緩和時間が101〜104secであり、
    かつ、押出発泡時の圧力解放速度が101〜102MPa
    /secである条件で押し出して得られる断面積が35
    cm2以上のポリプロピレン系樹脂押出発泡ボード。
  2. 【請求項2】ポリプロピレン系樹脂がイソプレン単量体
    及びラジカル重合開始剤との反応により改質されたポリ
    プロピレン系樹脂である請求項1記載のポリプロピレン
    系樹脂押出発泡ボード。
JP10163274A 1998-06-11 1998-06-11 ポリプロピレン系樹脂押出発泡ボード Pending JPH11349723A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257307A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Sekisui Plastics Co Ltd ポリオレフィン系樹脂発泡シート成形用樹脂組成物及びそれから得られるポリオレフィン系樹脂発泡シート

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257307A (ja) * 2005-03-17 2006-09-28 Sekisui Plastics Co Ltd ポリオレフィン系樹脂発泡シート成形用樹脂組成物及びそれから得られるポリオレフィン系樹脂発泡シート
JP4526986B2 (ja) * 2005-03-17 2010-08-18 積水化成品工業株式会社 ポリオレフィン系樹脂発泡シート成形用樹脂組成物及びそれから得られるポリオレフィン系樹脂発泡シート

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