JPH11349595A - L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルカリウム塩結晶およびその製造方法 - Google Patents

L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルカリウム塩結晶およびその製造方法

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JPH11349595A
JPH11349595A JP10174080A JP17408098A JPH11349595A JP H11349595 A JPH11349595 A JP H11349595A JP 10174080 A JP10174080 A JP 10174080A JP 17408098 A JP17408098 A JP 17408098A JP H11349595 A JPH11349595 A JP H11349595A
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apk
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potassium salt
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Kazuhiro Omori
和弘 大森
Takamitsu Uzukihara
貴光 宇月原
Sumio Soya
住男 征矢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高純度で優れた安定性を有するL−アスコル
ビン酸−2−リン酸エステルカリウム塩結晶。メタノー
ル中にL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルカリウ
ム塩の含有する溶液を滴下する、または、メタノールと
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルカリウム塩の
含有する溶液を同時に混合することにより、簡便且つ高
収率に高純度のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステ
ルカリウム塩を製造する方法。 【解決手段】 本発明の製造方法により、高純度で優れ
た安定性を有するL−アスコルビン酸−2−リン酸エス
テルカリウム塩結晶が簡便且つ高収率に得られる。本発
明の製造方法により得られるL−アスコルビン酸−2−
リン酸エステルカリウム塩は、飼料、化粧料、医薬、食
品添加物等に使用される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新規なL−アスコ
ルビン酸−2−リン酸エステルカリウム塩結晶(以下、
L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルカリウム塩を
「APK」と略記することがある。)とその製造方法に
関する。特に高純度のAPK結晶の製造方法に関する。
高純度のAPK結晶は、L−アスコルビン酸の安定化誘
導体として有用であり、化粧料、医薬品、食品添加物
用、飼料用その他各種の工業分野に使用することができ
る。
【0002】
【従来の技術】L−アスコルビン酸(ビタミンC)は多
様な生理作用、薬理作用を持つことが知られていたが、
なかでもメラニン色素沈着防止への効果があることから
美白化粧料に用いられてきた。しかし、L−アスコルビ
ン酸は、酸素、熱に対して不安定であるので、L−アス
コルビン酸の2位の水酸基をリン酸エステル化すること
により、酸素、熱に対して安定化誘導体にすることが行
われてきた。L−アスコルビン酸−2−リン酸エステル
の塩、特にマグネシウム塩(以下、L−アスコルビン酸
−2−リン酸エステルマグネシウム塩を「APM」と略
記することがある。)の形で、安定化ビタミンC誘導体
として使われている。現在使用されているAPMは、化
粧料の保存中にAPMの析出が見られることがあり、化
粧料を使用する際にザラザラした触感が問題となること
がある。これらAPMの析出を防止するために、クエン
酸などの有機酸の添加やグリシンなどのアミノ酸を添加
して析出を防止しているが、完全に析出を防止するには
至っていない。したがって、化粧料中で析出のない安定
化ビタミンC誘導体、特に水への溶解度が高いAPKが
望まれている。
【0003】従来、APKは、水への溶解度が極めて高
い。そのために結晶として取得することが難しく、AP
Kの結晶の性質、例えば融点(分解点)などに関する文
献はない。更に、APKの粉体化に関する製造方法につ
いてもほとんど知られてない。L−アスコルビン酸−2
−リン酸エステル(以下、L−アスコルビン酸−2−リ
ン酸エステルを「2−AP」と略記することがある。)
やAPMに関する報告の中に、APKの粉体が一部触れ
られているだけである。例えば、特開昭59-51293号公報
には、2−APの活性炭による精製法についての記述の
中で、2−APを脱カチオン処理した後、塩の形にする
ことが望ましいと記されている。塩の形として、マグネ
シウム塩、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩な
どが記されている。さらに、このように得られた目的物
を含有する液を通常行われる濃縮工程、晶析工程に付
し、着色がほとんどない製品が得られる、とも記載され
ているが、実施例はすべてマグネシウム塩に関するもの
ばかりであり、カリウム塩に関する記述はない。また、
本発明者らはこの公報記述の方法でカリウム塩を単離し
ようと試みたが、結晶のAPKは単離できずに、飴状で
一部寒天状のものができたにすぎなかった。
【0004】特開平8-12693 号公報には、より詳しいA
PKの製造に関する記述がある。APKを含有する溶液
をAPK濃度が約10%になるように濃縮した後、攪拌
下、残渣に対して2倍容量のアセトンを加えてAPKを
析出させ、析出晶を濾取後、室温で乾燥してAPKを得
る、と記されている。本発明者らはこの公報記述の方法
を忠実に再現し、APKの析出晶を単離させようと試み
たが、析出晶のAPKは単離できずに、飴状で一部寒天
状のものができたにすぎなかった。また、この公報で
は、APKを析出させる水溶性溶剤としてメタノール、
エタノール、プロパノール、アセトン等の例示があるた
め、これらの水溶性溶剤を単独または混合して、公報記
述の方法でAPKの析出晶を単離させようと試みたが、
飴状で一部寒天状のものができたにすぎなかった。これ
らの方法で得られる飴状のAPKの水への溶解度は極め
て高く、その値は約50%(wt/V)である。この飴
状のAPKを用いて製造された化粧料は、保存安定性に
優れる。例えば、これら飴状のAPKを用いて製造した
ローションは、室温または40℃の条件で、8ヶ月間保
存してもAPKの析出は見られなかった。しかしなが
ら、飴状のAPKは純度が低く、また、その粘度の高さ
から計量、投入等の取り扱い時に容器への付着などでロ
スが多く経済的でない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来の
APKは、その極めて高い水への溶解性や化粧料中での
極めて高い安定性があるにも拘わらず、結晶にすること
が難しいという欠点のため使用が限定されており、取り
扱いやすい結晶のAPKが望まれている。本発明者は、
簡便且つ高収率に着色の少ない新規なAPKの結晶の提
供および、APKを結晶として製造する方法を提供す
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記欠点を
改善するために鋭意検討した結果、驚くべきことに、メ
タノールを用い、メタノール中にAPKを含有する溶液
を添加し、あるいはメタノールとAPKを含有する溶液
とを同時に混合し、該添加または該同時混合をメタノー
ルが該溶液とメタノールとの和の30%(V/V)以上
に実質的になるように行うことにより、簡便且つ高収率
にAPKの結晶を析出させることができること、また、
本発明で得られたAPKは結晶であり、化粧料中での極
めて安定であることを見出し本発明を完成した。
【0007】本発明の製造方法は、メタノール中に、A
PKを含有する溶液を、−30〜80℃の温度で、メタ
ノールの溶液中濃度が添加終了時には30〜95%(V
/V)になるように、好ましくは0.5時間以上かけて
滴下することにより、APKの結晶を析出させるAPK
の製造方法、あるいは、メタノールとAPKを含有する
溶液を、実質的に常にメタノールが該溶液とメタノール
との和の30〜95%(V/V)の範囲内になるよう
に、−30〜80℃の温度で同時に混合することによ
り、APKの結晶を析出させるAPKの製造方法であ
る。本発明の製造方法における特徴は、メタノール中に
APKを含有する溶液を滴下する、あるいはメタノール
とAPKを含有する溶液を同時に混合することにある。
その場合メタノールが常に30%(V/V)以上を実質
的に維持するようにすることが必要である。本発明のA
PK結晶を回分式で製造する場合はメタノール中にAP
Kを含有する溶液を滴下し、連続式で製造する場合はメ
タノールとAPKを含有する溶液を同時に混合すればよ
い。本発明は、C669 PK3 ・H2 Oの分子式を
有する新規なAPK結晶を提供する。また、本発明は、
上記製造法で製造できる新規なAPK結晶を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】APKを含有する溶液に一般的に
は水溶性溶媒を滴下した場合、−30〜80℃の条件で
あっても、析出したAPKは、飴状で部分的に寒天状と
なり粉体にならない。したがって、デカンテーションな
どの操作で水溶性溶媒を除去した後、飴状のAPKを取
得することとなる。飴状のAPKは粘度が高いため取得
時にロスが大きい。また、不純物の混入も多く純度が低
下する。ここで水溶性溶媒とは、炭素数4以下の低級脂
肪族アルコール類、炭素数4以下の脂肪族飽和ケトン
類、炭素数5以下の環状エーテル類等である。これらの
溶媒を単独で使用しても、混合して使用しても、APK
の結晶は得られず、飴状で一部寒天状のAPKが得られ
たに過ぎない。しかし、本発明によれば、−30〜80
℃、好ましくは室温〜70℃の温度条件で、水溶性溶媒
であるメタノール中にAPKを含有する溶液を滴下する
か、あるいは、メタノールとAPKを含有する溶液を同
時に混合することにより、飴状にも寒天状にもならず
に、APKの結晶を簡便かつ高収率に単離する事ができ
る。ここで用いられるメタノールは、高濃度、好ましく
は90%(V/Vで)以上あり、高濃度のメタノールに
APKが接触し、メタノールの優れた脱水作用と過飽和
が速やかに解消されることにより、飴状にも寒天状にも
ならずに、APKを結晶化することができる。
【0009】本発明の製造方法で用いられるAPKを含
有する溶液は、2−APを含有する液であれば2−AP
溶液、2−AP金属塩溶液もしくはアルカリ土類金属塩
溶液などいずれも使用することができる。例えば、アス
コルビン酸を直接ホスホリル化して得られた2−AP含
有溶液(特公昭43-9219 号公報、特公昭45-23746号公
報、特開平6-345786公報等)があげられる。また、5,
6−O−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸をホス
ホリル化して得られた2−AP含有溶液(特公昭43-921
9 号公報、特公昭45-4497 号公報、特公昭45-30328号公
報、特公昭59-4438 号公報等)も好適に利用できる。更
に、L−アスコルビン酸とリン酸供与体とから酵素ある
いは微生物の作用により生成した、2−AP含有溶液
(特開平2-42996 号公報等)も利用できる。金属塩とし
てはナトリウム塩、カリウム塩、アルカリ土類金属塩と
してはマグネシウム塩、カルシウム塩があげられる。
【0010】2−APが塩の形である場合、あるいは、
2−AP含有溶液がアルカリ金属、アルカリ土類金属を
含有する場合は、その水溶液を適当なイオン交換樹脂で
処理して脱カチオンすることが望ましい。まず、2−A
Pをイオン交換樹脂に吸着させ、0.1〜2Nの希塩酸
で溶出した後、水酸化カリウムでpH調整を行う。水酸
化カリウムによるpH調整は、通常10〜48%の水酸
化カリウム水溶液で行われる。調整するpHの範囲は7
〜11であるが、2−APの第3当量点から、pHの範
囲が9〜10であることが特に好ましい。pH調整後の
溶液中のAPKの濃度は1〜30%(wt/v)、好まし
くは5〜15%(wt/v)であり、必要に応じて水で希
釈し、あるいは加熱、減圧、逆浸透膜等によって濃縮す
る。また、APKを含む溶液に水溶性溶媒が混合されて
いても構わないが、その量はAPKを含む溶液中でAP
Kが分離してしまわない量でなければならない。
【0011】次いで、晶析後のメタノール濃度が30〜
95%(V/V)の範囲内に、好ましくは70〜90%
(V/V)の範囲内に入るように、APKを含有する溶
液をメタノール中に滴下するか、あるいは、混合後のメ
タノール濃度が30〜95%(V/V)の範囲内に、好
ましくは70〜90%(V/V)の範囲内になるように
同時にフィードして混合する。この時に用いられるメタ
ノールの純度は高ければ高い程良いが、通常90%以上
のメタノールが好ましい。従って90〜95%のメタノ
ールが好適に使用できる。また、このAPKの製造方法
においては、種晶の存在は必須ではないが、種晶を加え
てもよい。本発明の製造方法では、メタノールを使用し
なければならない。メタノールと同じ水溶性溶媒であ
る、例えば、炭素数4以下の低級脂肪族アルコール類と
してメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール
等、炭素数4以下の脂肪族飽和ケトン類としてアセトン
等、環状エーテル類としてテトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン等の水溶性溶媒を使用しても本発明の製造
方法においてはAPKを結晶として取得することは難し
い。メタノールと同じ低級脂肪族アルコール類であるエ
タノールを用いても、部分的には粉体となるが大部分は
飴状で容器底部に沈殿してしまう。このことは、メタノ
ールが他の水溶性溶媒に比べ優れた脱水作用を持ってい
るためと考えられる。
【0012】APKを含有する溶液をメタノール中に滴
下する時、あるいは同時に混合する時の温度は、通常、
−30〜80℃で行われる。−30℃以下の温度では、
滴下後のメタノール濃度、あるいは、混合後のメタノー
ル濃度によっては、凍ってしまうので好ましくない。8
0℃以上の温度では、APKの結晶の析出には何ら影響
はないが、メタノールの沸点以上の温度であるため、蒸
発したメタノールの回収効率が悪くなるので好ましくな
い。したがって、室温〜70℃が特に好ましい。メタノ
ール中にAPKを含有する溶液を滴下する、あるいは、
メタノール中とAPKを含有する溶液を同時にフィード
し混合するのに要する時間は、0.5時間以上あればよ
い。滴下時間が速すぎると、析出したAPK結晶の粒子
径が細かくなり、遠心分離機で分離取得する際に目漏れ
をおこし回収率が低くなる。滴下時間が遅い場合は、回
収率や着色に問題はないが、無意味にプラントを占有す
るため経済的に不利になる。したがって、1〜10時間
で滴下することが特に好ましい。メタノール中にAPK
を含有する溶液を滴下した後、あるいは、メタノール中
とAPKを含有する溶液を同時にフィードし混合した
後、0.25〜1時間熟成させ、遠心分離機等の装置を
用いて、APK結晶を単離し、メタノールで充分洗浄す
る。真空乾燥等の処理によって、白色のAPK結晶、高
純度かつ高収率で得られる。
【0013】本発明で得られるAPKの結晶の組成およ
び物理化学的性質を表1に示す。 (1)元素分析値;
【表1】
【0014】 (2)赤外線吸収スペクトル;KBr法による特徴的な吸収(波数) 3400cm-1付近 :O−H吸収帯 1600cm-1付近 :C=O伸縮振動による吸収帯 1000〜1200cm-1:P−O吸収帯 (3)13C−NMR;(D2 O,δppm) 179.7,179.6,115.4,81.0,72.3,65.3 (4)31P−NMR;(D2 O,δppm) 2.41 (5) 1H−NMR;(D2 O,δppm) 4.51(d,1H),4.05(dt,1H),3.75(d,2H ) (6)融点(分解点);170〜180℃ (7)X線回折スペクトル;CuKα線、30kV、100mAの条件で測定し て得られたX線回折スペクトルを図1に示す。 (8)結晶形;通常は針状晶になる。その電子顕微鏡写真を図2、図3に示す。 (9)溶解性;水に可溶 (25℃における溶解度は約50%(wt/V)) 有機溶媒に不溶 (アルコール類、クロロホルム) (10)化粧料中での安定性;表2の様な標準的なローション組成液97重量部 に対して、APK3重量部を25℃の温度で溶解させ、40℃で8カ月の澱の析 出の経時変化を観察した。
【0015】
【表2】
【0016】APK結晶を用いて製造したローションで
は、8カ月たっても澱の析出は見られなかった。このよ
うに、本発明の製造方法で得られるAPK結晶は、高濃
度にアルコールを使用するローション等の化粧料にも好
適に使用できる。本発明の製造方法で得られるAPK結
晶は、水溶性が高く、安定性に優れており化粧品のパウ
ダー、ローションに限らず、例えば医薬品(例、口腔用
薬剤、点眼剤、浴用剤等)、化粧品(例、化粧水、乳
液、クリーム、パック等)、食品(例、パン等)および
動物用飼料(例、海老、鮭、ハマチ、鰻、鯉等の養殖用
飼料)などとして用いられる。
【0017】
【実施例】次に、実施例によって、本発明を更に詳しく
説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるもので
はない。また、以下、実施例1〜4で得られた純度99
%のAPKは、上述のAPK結晶と同等の物理化学的性
質、外観、触感を示した。
【0018】実施例1 窒素雰囲気下、純水1210ml、ピリジン303g及
び5,6−イソプロピリデン−L−アスコルビン酸15
0gを混合溶解し、0〜10℃に冷却後、50%水酸化
カリウム水溶液を加えて、pHを約13に調整した。こ
の溶液に、オキシ塩化リン150gと50%水酸化カリ
ウム水溶液とを滴下しながら、pH13、0〜10℃の
温度を保って反応を行った。滴下終了後、ピリジンを減
圧下、留去し、35%塩酸を加えてpHを4に調整し
た。このpH調整液に純水6500mlを加えて希釈し
た後、中塩基性陰イオン交換樹脂(アンバーライトIR
A−68 オルガノ製)2000mlを詰めたカラムに
通した。次いで、0.05N−塩酸23.5Lで展開し
た。更に、0.2N−塩酸11Lで展開し、2−APの
みを含有する分画区分を得た。この分画区分の溶液に4
8%水酸化カリウム水溶液を加えpH10に調整した。
減圧下、APKの濃度が10%(wt/v)になるまで濃
縮操作を加え、出発溶液を得た。窒素雰囲気下、室温で
95%メタノール875mlを380rpmの速度で撹
拌し、APKを含有する出発溶液250mlを、4時間
かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間撹拌を継続
し、熟成させた。遠心分離機を用いて、析出したAPK
の結晶を濾取し、その結晶を95%メタノール100m
lで充分に洗浄した。真空下、40℃で乾燥し、純度9
9%のAPKを24.2g(収率91%)得た。
【0019】実施例2 実施例1と同様な方法でAPKを含有する出発溶液を調
整した。窒素雰囲気下、95%メタノール875mlを
380rpmの速度で撹拌し、67〜70℃に加温し
た。APKを含有する出発溶液250mlを、液の温度
が67〜70℃の範囲になるように加温を継続しなが
ら、10時間かけて滴下した。滴下終了後、更に0.5
時間撹拌を継続し熟成させ、4時間かけて室温まで冷却
した。遠心分離機を用いて、析出したAPKの結晶を濾
取し、その結晶を95%メタノール150mlで充分に
洗浄した。真空下、40℃で乾燥し、純度99%のAP
Kを24.5g(収率92%)得た。
【0020】実施例3 実施例1と同様な方法でAPKを含有する出発溶液を調
整した。窒素雰囲気下、室温で85%メタノール100
mlを380rpmの速度で撹拌し、APKを含有する
出発溶液250mlを0.83ml/分で滴下した。そ
れと同時に95%メタノール800mlを2.7ml/
分で5時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間撹
拌を継続し熟成させた。遠心分離機を用いて、析出した
APKの結晶を濾取し、その固体を95%メタノール1
00mlで充分に洗浄した。真空下、40℃で乾燥し、
純度99%のAPKを23.7g(収率89%)得た。
【0021】実施例4 L−アスコルビン酸リン酸エステルマグネシウム塩32
gを純水368gに溶解した。この溶液を強酸性陽イオ
ン交換樹脂(アンバーライトIR−120Bオルガノ
製)2000mlを詰めたカラムに通した。更に純水1
200mlを通して2−APのみを含有する溶液160
0mlを得た。この溶液に含まれるマグネシウムイオン
は3ml以下であった。この溶液に48%水酸化カリウ
ム水溶液を加え、pH10に調整し、2−APをAPK
にした。減圧下、APKの濃度が12%(wt/V)に
なるまで濃縮操作を加え、出発溶液を得た。窒素雰囲気
下、95%メタノール400mlを380rpmの速度
で撹拌し、−5〜0℃に冷却した。APKを含有する出
発溶液100mlを、2時間かけて滴下した。滴下終了
後、更に0.25時間撹拌を継続し、熟成させた。遠心
分離機を用いて、析出したAPKの結晶を濾取し、その
結晶を95%メタノール100mlで充分に洗浄した。
真空下、40℃で乾燥し、純度99%のAPKを11.
5g(収率90%)得た。
【0022】比較例1 実施例1と同様な方法でAPKを含有する出発溶液を調
整した。窒素雰囲気下、室温でAPKを含有する溶液2
50mlに95%メタノール875mlを4時間かけて
滴下した。滴下45分で白濁が始まったが、滴下1時間
後には容器底部に飴状のAPKの沈殿を確認した。メタ
ノールの滴下終了後、APKは飴状で部分的に寒天状と
なり粉体にならなかった。上澄みのメタノール水溶液を
捨て、容器底部に付着している飴状のAPKを薬さじで
取得した。真空下、40℃で乾燥し飴状のAPK19.
4gを得た。この物の純度は、HPLCで90%であ
り、回収率は70%であった。
【0023】比較例2 実施例4と同様な方法でAPKを含有する出発溶液を調
整した。窒素雰囲気下、APKを含有する出発溶液10
0mlを380rpmの速度で撹拌し、60〜65℃に
加熱した。98%アセトン200mlを60〜65℃の
温度を保つように加熱を継続しながら10時間かけて滴
下した。APKは、飴状で部分的に寒天状となり粉体に
ならなかった。
【0024】
【発明の効果】本発明の製造方法により、簡便且つ高収
率にL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルカリウム
塩結晶を製造することができる。本発明の製造方法によ
り得られるL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルカ
リウム塩結晶は化粧料、飼料、医薬、食品添加物等に用
いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で得られるL−アスコルビン酸−2−リ
ン酸エステルカリウム塩のX線回折スペクトル(CuK
α線、30kV、100mA)である。図中、縦軸は回
折強度(単位:カウント/秒)を、横軸は回折角(単
位:2θ(°))を表す。
【図2】本発明で得られるL−アスコルビン酸−2−リ
ン酸エステルカリウム塩の電子顕微鏡写真(高分解能S
EM写真1000倍)を示す。
【図3】本発明で得られるL−アスコルビン酸−2−リ
ン酸エステルカリウム塩の電子顕微鏡写真(高分解能S
EM写真4000倍)を示す。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 メタノール中にL−アスコルビン酸−2
    −リン酸エステルカリウム塩を含有する溶液を添加し、
    またはメタノールとL−アスコルビン酸−2−リン酸エ
    ステルカリウム塩を含有する溶液とを同時に混合し、該
    添加または該混合をメタノールが該溶液とメタノールと
    の和の30%(V/V)以上になるように行うことによ
    り、L−アスコルビン酸−2−リン酸エステルカリウム
    塩の結晶を析出させることを特徴とするL−アスコルビ
    ン酸−2−リン酸エステルカリウム塩結晶の製造方法。
  2. 【請求項2】 メタノール中にL−アスコルビン酸−2
    −リン酸エステルカリウム塩を含有する溶液を、添加終
    了時にはメタノールが該溶液とメタノールとの和の30
    〜95%(V/V)とする請求項1に記載のL−アスコ
    ルビン酸−2−リン酸エステルカリウム塩結晶の製造方
    法。
  3. 【請求項3】 メタノールとL−アスコルビン酸−2−
    リン酸エステルカリウム塩を含有する溶液を、メタノー
    ルが該溶液とメタノールとの和の30〜95%(V/
    V)になるように維持しながら同時に混合する請求項1
    に記載のL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルカリ
    ウム塩結晶の製造方法。
  4. 【請求項4】 L−アスコルビン酸−2−リン酸エステ
    ルカリウム塩結晶がC669 PK3 ・H2 Oの分子
    式で示されるL−アスコルビン酸−2−リン酸エステル
    カリウム塩結晶。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至3に記載の製造方法で製造
    されるL−アスコルビン酸−2−リン酸エステルカリウ
    ム塩結晶。
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