JPH11349514A - 高純度アルキルシクロヘキサノ―ルアルキレンオキサイド付加物の製造方法 - Google Patents

高純度アルキルシクロヘキサノ―ルアルキレンオキサイド付加物の製造方法

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JPH11349514A
JPH11349514A JP11085376A JP8537699A JPH11349514A JP H11349514 A JPH11349514 A JP H11349514A JP 11085376 A JP11085376 A JP 11085376A JP 8537699 A JP8537699 A JP 8537699A JP H11349514 A JPH11349514 A JP H11349514A
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oxide adduct
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 主としてアルキルフェノールアルキレン
オキサイド1モル付加物からなる生成物を得る工程、生
成物を核水素化する工程、核水素化反応生成物を蒸留
し、未反応のアルキルフェノールおよびそのアルキレン
オキサイド付加物を除去する工程、さらにアルキレンオ
キサイドを付加する工程からなる高純度アルキルシクロ
ヘキサノールアルキレンオキサイド付加物の製造方法。 【効果】 本発明よれば、高純度のアルキルシクロヘキ
サノールアルキレンオキサイド付加物を簡便にしかも効
率よく製造することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高純度アルキルシ
クロヘキサノールアルキレンオキサイド付加物及びその
製造方法に関する。更に詳しくは、主としてアルキルフ
ェノールアルキレンオキサイド1モル付加物からなる生
成物を得る工程、生成物を核水素化する工程、核水素化
反応生成物を蒸留し未反応のアルキルフェノールおよび
そのアルキレンオキサイド付加物を除去する工程、さら
にアルキレンオキサイドを付加する工程からなる高純度
アルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサイド付加
物の製造方法及び該製造方法により得られる高純度のア
ルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサイド付加物
に関するものである。高純度アルキルシクロヘキサノー
ルアルキレンオキサイド付加物は界面活性剤等として有
用である。
【0002】
【従来の技術】非イオン系界面活性剤として、高級1級
アルコールエチレンオキサイド付加物やノニルフェノー
ルアルキレンオキサイド付加物が知られている。しかし
ながら、高級1級アルコールエチレンオキサイド付加物
は、流動点が高く、エチレンオキサイド付加モル数が高
くなると固体になり、取扱いが容易でなくなる。
【0003】アルキルシクロヘキサノールアルキレンオ
キサイド付加物もまた、非イオン系界面活性剤として優
れた特性を有している。中でもエチレンオキサイド付加
物は、流動点が低く、エチレンオキサイド付加モル数が
比較的高くても液状を保ち、取り扱いが容易であり、優
れた界面活性剤として注目を浴びている。
【0004】さらに、これらアルキルシクロヘキサノー
ルアルキレンオキサイド付加物は、生化学分野で細胞膜
中の蛋白質の抽出等に特に有用に用いられる。抽出した
蛋白質を紫外吸収スペクトルや蛍光スペクトルによる解
析を行う場合、従来のアルキルシクロヘキサノールアル
キレンオキサイド付加物では、アルキルフェノール及び
アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物の残存
量が多いため、これらの化合物の紫外線吸収スペクトル
や蛍光スペクトルと抽出した蛋白質のスペクトルが重な
り、解析精度を落としてしまうという問題があり、より
アルキルフェノール及びアルキルフェノールアルキレン
オキサイド付加物の残存量の少ないアルキルシクロヘキ
サノールアルキレンオキサイド付加物が望まれていた。
【0005】ところで、アルキルシクロヘキサノールエ
チレンオキサイド付加物のようなシクロヘキサン環の側
鎖に高級アルキル基を有するアルキルシクロヘキサノー
ルアルキレンオキサイド付加物の製造方法に関しては、
以下に示すいくつかの方法が知られている。
【0006】例えば、ドイツ公開特許公報第44179
47号によれば、アルキルフェノールを核水素化しアル
キルシクロヘキサノールを得た後、塩基触媒存在下にエ
チレンオキサイドを反応させて、アルキルシクロヘキサ
ノールエチレンオキサイド付加物を得る方法を開示して
いる。しかしながら、この方法によれば、エチレンオキ
サイド付加モル分布がかなりブロードとなり、高モル付
加物が多くなるため、反応生成物が固形物となり、界面
活性剤として使用する場合取り扱いにくく、好ましくな
い。さらに、一般にアルキルシクロヘキサノールのよう
な2級アルコールを塩基触媒によりエチレンオキサイド
と反応させた場合、反応が非常に遅いことが知られてい
る。例えば、「新界面活性剤」(堀口博著、三共出版
社、1975年)626頁には塩基触媒によるアルコー
ルとエチレンオキサイドとの反応について、「一般的に
はエチレン・オキサイドは第1級アルコールには迅速に
反応するが第2級アルコールでは遅く、(後略)」との
記載がある。したがって、塩基触媒によりアルキルシク
ロヘキサノールとエチレンオキサイドとを反応させアル
キルシクロヘキサノールエチレンオキサイド付加物を得
ようとすると、反応初期に生成した少量のアルキルシク
ロヘキサノールエチレンオキサイド付加物(1級アルコ
ール)とエチレンオキサイドとが優先的に反応してしま
い、結果として未反応のアルキルシクロヘキサノールが
非常に多く残存する。
【0007】H.Stacheら(Tr.−Mezhd
unar.Kongr.Poverkhn.−Akt
Veshchestvam 7th(1977)Vo
l.1378−391)は、イソオクチルフェノールエ
チレンオキサイド1モル付加物を水添しイソオクチルシ
クロヘキサノールエチレンオキサイド1モル付加物を得
た後、エチレンオキサイドと反応させイソオクチルシク
ロヘキサノールエチレンオキサイド付加物を得ている。
しかしながら、イソオクチルフェノールエチレンオキサ
イド1モル付加物の水添反応に関しては、どのような触
媒を用い、どのような条件下で反応を行ったのか全く記
載がない。さらには水添反応後特に精製も行っておら
ず、得られたイソオクチルシクロヘキサノールエチレン
オキサイド付加物中に残存するイソオクチルフェノール
エチレンオキサイド付加物の量に関しては全く記述がな
い。
【0008】また、ドイツ特許公報題626965号に
おいても、H.Stacheらの方法と同様の方法によ
って、アルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサイ
ド付加物得ているが、この方法においても、水添反応
後、特に精製を行っておらず、得られたアルキルシクロ
ヘキサノールアルキレンオキサイド付加物中に残存する
アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物の量に
関しては全く記載がない。
【0009】さらには、George.E.Tille
rら(ANALYTICAL BIOCHEMISTR
Y 141,262−266(1984))は、アルキ
ルフェノールエチレンオキサイド付加物の一種であるオ
クチルフェノールエチレンオキサイド付加物(商品名:
Triton X−100)をロジウムカーボン触媒存
在下、エタノール溶媒中で核水素化しオクチルシクロヘ
キサノールエチレンオキサイド付加物を得ている。しか
もこの引例には、この方法では水添反応の時間を延ばし
ても600ppmのオクチルフェノールエチレンオキサ
イド付加物が残存することが示唆されている。
【0010】以上述べたように、アルキルシクロヘキサ
ノールアルキレンオキサイド付加物の製造方法に関して
はいくつかの示唆があるものの、アルキルフェノールや
アルキルフェノールアルキレンオキサイド付加物の残存
量を減らし、より高純度で、アルキレンオキサイド付加
分布の狭いアルキルシクロヘキサノールアルキレンオキ
サイド付加物を得る方法に関して、殆ど知られていない
のが現状である。
【0011】従って、本発明は、アルキレンオキサイド
付加分布の狭く、アルキルフェノールとアルキルフェノ
ールアルキレンオキサイド付加物を殆ど含まない高純度
アルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサイド付加
物、その簡便でしかも効率のよい製造方法及びその用途
を提供することを目的とする。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、界面
活性剤等として有用な高純度アルキルシクロヘキサノー
ルアルキレンオキサイド付加物及びその簡便でしかも効
率のよい製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記課題を
達成するために鋭意検討を行った結果、残存アルキルフ
ェノールアルキレンオキサイド付加物の少ない高純度ア
ルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサイド付加物
を製造する方法を見いだし本発明を完成するに至った。
【0014】すなわち本発明の1つは、アルキルフェノ
ール及びアルキルフェノールアルキレンオキサイド付加
物の含有量が10ppm以下である、式(1)(化4)
で表されるアルキルシクロヘキサノールアルキレンオキ
サイド付加物である。
【化4】 (式中、Rは炭素数6〜20のアルキル基を表し、R
は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、nは1以
上の整数を表す)
【0015】また本発明の1つは、1)式(2)(化
5)
【化5】 (Rは炭素数6〜20のアルキル基を表す)で表され
るアルキルフェノールと炭素数2〜4のアルキレンオキ
サイドとを塩基触媒の存在下にアルキルフェノール1モ
ルに対しアルキレンオキサイド0.9〜1.2モルを反
応させ、主としてアルキルフェノールアルキレンオキサ
イド1モル付加物からなる生成物を得る第1アルキレン
オキサイド付加工程、 2)第1アルキレンオキサイド付加工程により得られた
生成物と水素とを、水素化触媒の存在下に反応させ主と
してアルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサイド
1モル付加物からなる生成物を得る水素化工程、 3)水素化工程により得られた生成物を蒸留し、主とし
てアルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサイド付
加物からなる留分中のアルキルフェノール及びアルキル
フェノールアルキレンオキサイド付加物の含有量の総計
を10重量ppm以下とする蒸留工程、 4)蒸留工程により得られる主としてアルキルシクロヘ
キサノールアルキレンオキサイド1モル付加物からなる
留分と炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとを塩基触
媒の存在下に反応させる第2アルキレンオキサイド付加
工程、からなる、アルキレンオキサイドの付加分布の狭
い、式(1)で表される高純度アルキルシクロヘキサノ
ールアルキレンオキサイド付加物の製造方法である。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明において、式(2)(化
6)
【化6】 (Rは炭素数6〜20のアルキル基を表す)で表され
るアルキルフェノールにおいて、Rは炭素数6〜20
のアルキル基を表す。Rの構造には特に限定はなく、
直鎖構造であってもまた分岐構造であってもアルキル基
のとり得る構造異性体のどのような構造をとっていても
よい。またRの結合位置は、水酸基(−OH基)に対
しベンゼン環の2、3、4位の何れの位置であってもよ
い。式(2)で表されるアルキルフェノールにはR
構造異性体およびRと水酸基の位置異性体がありこれ
らは単独で用いることもできるが、通常は2種類以上の
混合物である。更にはアルキル基Rの炭素数の異なる
2種類以上のアルキルフェノールの混合物であってもよ
い。
【0017】式(2)で表されるアルキルフェノールの
具体例としては、ヘキシルフェノール、ヘプチルフェノ
ール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、デシル
フェノール、ウンデシルフェノール、トリデシルフェノ
ール、テトラデシルフェノール、ペンタデシルフェノー
ル、ヘキサデシルフェノール、ヘプタデシルフェノー
ル、オクタデシルフェノール、ノナデシルフェノール、
エイコシルフェノール等が挙げられる。
【0018】本発明において、第1及び第2アルキレン
オキサイド付加工程において使用する炭素数2〜4のア
ルキレンオキサイドとは、具体的には、エチレンオキサ
イド、プロピレンオキサイド、ブテンオキサイドが挙げ
られる。これらのアルキレンオキサイドは単独で用いる
こともできるし、2種類以上混合して用いることもでき
る。2種類以上のアルキレンオキサイドを混合して用い
る場合は、それらの化合物をランダム状に付加させても
ブロック状に付加させてもよい。
【0019】第1アルキレンオキサイド付加工程におけ
る塩基触媒とは、具体的には、水酸化ナトリウム、水酸
化カリウム、水酸化セシウム等のアルカリ金属水酸化
物、ナトリウムエトキシド、リチウムエトキシド、カリ
ウムフェノキシド等のアルカリ金属アルコキシドまたは
フェノキシド、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水
酸化ストロンチウム等のアルカリ土類金属水酸化物、カ
ルシウムメトキシド、カルシウムフェノキシド等のアル
カリ土類金属アルコキシドまたはフェノキシド、酸化マ
グネシウム、酸化バリウム等のアルカリ土類金属酸化物
等が挙げられる。このような塩基触媒の中でもアルカリ
金属水酸化物の使用が好ましい。触媒の使用量は、用い
る触媒の種類や反応温度などにより異なるが、通常原料
として用いるアルキルフェノールに対して10〜500
0重量ppmの範囲である。
【0020】反応生成物に可溶性の塩基触媒は、反応終
了後酢酸などの有機酸で中和し可溶性の有機酸塩にして
もよいし、硫酸などの鉱酸で中和し析出した鉱酸塩を濾
過により除いてもよいし、中和せずにそのまま次の水素
化工程に移ってもよい。また反応生成物に不溶性の触媒
は通常濾過により除いた後次の水素化工程に移る。
【0021】第1アルキレンオキサイド付加工程ではア
ルキルフェノールとアルキレンオキサイドとをアルキル
フェノール1モルに対しアルキレンオキサイド0.9〜
1.2モルの範囲で反応させ、主としてアルキルフェノ
ールアルキレンオキサイド1モル付加物を製造する。ア
ルキレンオキサイドの付加量がこの範囲より少ないと未
反応のまま残存するアルキルフェノールが多くなり、ま
た付加量がこの範囲より多いとアルキルフェノールにア
ルキレンオキサイドが2モル以上付加した化合物の生成
量が増える。第1アルキレンオキサイド付加工程におけ
る目的は水素化工程後も1級アルコールでありかつ蒸留
で容易に精製できるアルキルフェノールエチレンオキサ
イド1モル付加物を製造することにあり、水素化工程後
2級アルコールになってしまうアルキルフェノールが多
く残存したり、高沸点で蒸留精製しにくいアルキルフェ
ノールアルキレンオキサイド2モル以上付加物が多く生
成するのは好ましくない。
【0022】第1アルキレンオキサイド付加工程におけ
る反応温度は通常60〜230℃の範囲であり、好まし
くは120〜200℃の範囲である。また反応時間は通
常、0.1〜30時間の範囲であり、好ましくは0.3
〜20時間の範囲である。さらに反応圧力は通常ゲージ
圧力0〜2MPaの範囲であり好ましくはゲージ圧力
0.1〜0.7MPaの範囲である。反応の方式に特に
限定はなく、回分式、半回分式、連続式のいずれの方法
でも実施できる。
【0023】本方法の水素化工程で用いる水素化触媒と
は第1アルキレンオキサイド付加工程により得られた主
としてアルキルフェノールアルキレンオキサイド1モル
付加物からなる生成物の芳香族環を水素により水素化し
シクロヘキサン環にする能力を有する触媒であればどの
ような触媒であってもよい。このような触媒としては具
体的にはルテニウム、ロジウム、パラジウム及び白金の
担持型触媒やこれらの金属の錯体触媒、ラネーニッケ
ル、ラネーコバルトなどが挙げられる。ルテニウム、ロ
ジウム、パラジウム及び白金の担持型触媒とは具体的に
は、ルテニウムカーボン、ロジウムカーボン、パラジウ
ムカーボン、白金カーボン等の金属のカーボン担持触
媒、ルテニウムアルミナ、ロジウムアルミナ等の金属の
アルミナ担持触媒、パラジウムシリカアルミナ等の金属
のシリカアルミナ担持触媒、パラジウムゼオライト等の
金属のゼオライト担持触媒、パラジウム硫酸バリウム等
の金属の硫酸バリウム担持触媒、ルテニウムチタニア等
の金属のチタニア担持触媒が挙げられる。
【0024】金属の担持量は特に制限はないが、通常は
0.01〜20重量%の範囲である。これらの触媒は粉
末状であっても破砕状であってもよいし、またペレット
状や球状に成形されていてもよい。
【0025】またルテニウム、ロジウム、パラジウムま
たは白金の錯体触媒とは具体的には例えば、塩化ルテニ
ウム、塩化ロジウム、臭化パラジウム等のこれらの金属
のハロゲン化物、例えば酢酸パラジウム、プロピオン酸
ロジウム等のこれらの金属のカルボン酸塩、例えばルテ
ニウムアセチルアセトナト、パラジウムアセチルアセト
ナト等のこれらの金属のアセチルアセトナト錯体、例え
ばジクロロトリス(トリフェニルホスフィン)ルテニウ
ム、クロロトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウ
ム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウ
ム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)白金等の
これらの金属のホスフィン錯体等が挙げられる。これら
の錯体触媒は単独で使用しても、2種類以上を任意の割
合で混合して使用してもよい。これらの触媒のうち触媒
活性および選択性に優れる点から、ルテニウム、ロジウ
ムまたはパラジウムの担持型触媒が好ましく、ルテニウ
ムまたはロジウムのカーボンまたはアルミナ担持触媒ま
たはラネーニッケルがより好ましい。
【0026】本方法の水素化工程における水素圧力は通
常ゲージ圧力0〜20MPaの範囲であり好ましくはゲ
ージ圧力0.5〜15MPaの範囲である。反応温度は
通常30〜200℃の範囲であり好ましくは50〜15
0℃の範囲である。
【0027】反応は、溶媒の存在下に行うこともできる
し、無溶媒下に行うこともできる。使用できる溶媒とし
ては、原料のアルキルフェノールアルキレンオキサイド
1モル付加物及び生成物である対応するアルキルシクロ
ヘキサノールアルキレンオキサイド1モル付加物を溶解
もしくは分散させることができ、そのもの自体が上記反
応条件下において水素と反応しないものであればどのよ
うなものでもよく、具体的には例えばメタノール、エタ
ノール、イソプロピルアルコール、t−ブチルアルコー
ル、シクロヘキサノール、4−メチルシクロヘキサノー
ル、1,2−エタンジオール、グリセリン等のアルコー
ル化合物、例えばペンタン、ヘキサン、ヘプタン、2−
メチルペンタン等の脂肪族炭化水素化合物、例えばシク
ロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、
エチルシクロヘキサン、ビシクロヘキシル、デカリン等
の脂肪族環状炭化水素化合物、例えばジクロロメタン、
四塩化炭素、塩化ブチル、臭化プロピル、4−クロロシ
クロヘキサノール等のハロゲン化炭化水素化合物、例え
ばジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジオキ
サン、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン
等のエーテル化合物、例えばアセトン、メチルエチルケ
トン、ジイソブチルケトン、アセトニルアセトン等のケ
トン化合物、例えばギ酸メチル、酢酸エチル、炭酸エチ
レン等のエステル化合物、ニトロメタン、アセトニトリ
ル等の窒素化合物等が挙げらる。これらの溶媒は単独で
用いても、また2種類以上を混合して用いてもよい。
【0028】これらの溶媒のうち、反応性及び選択性の
点から脂肪族炭化水素化合物、脂肪族環状炭化水素が好
ましく、特に脂肪族環状炭化水素が好ましい。溶媒の使
用量は特に制限はないが、通常原料として用いるアルキ
ルフェノールアルキレンオキサイド1モル付加物の濃度
が5〜80重量%、好ましくは20〜60重量%となる
範囲で使用する。
【0029】アルキルフェノールアルキレンオキサイド
1モル付加物と水素とをロジウム、ルテニウム等の担持
型触媒の存在下、溶媒を用いて反応させる場合、溶媒の
種類により、反応速度が遅く、好ましい反応収率が得ら
れない場合がある。特に、エタノール等のアルコール溶
媒を用いた場合、長い反応時間を要し、生産性に劣る場
合がある。このような場合、水の存在下に反応を行うと
選択性を損なうことなく反応速度がより向上するので好
ましい。用いる場合の水は原料として用いるアルキルフ
ェノールアルキレンオキサイド1モル付加物、触媒およ
び溶媒にあらかじめ溶解、分散又は含浸させておいても
よいし、これらの原料等と別々に反応系内に仕込んでも
よい。水の使用量は特に制限はないが通常原料として用
いるアルキルフェノールアルキレンオキサイド1モル付
加物に対して0.1〜50重量%の範囲であり、好まし
くは1〜40重量%の範囲である。
【0030】水素化工程における反応の実施方式は特に
限定されるものではなく回分式、半回分式および連続流
通式のいずれの方式でも実施できる。回分式、半回分式
により反応を行う場合、触媒の使用量は特に制限はない
が通常原料として用いるアルキルフェノールアルキレン
オキサイド1モル付加物に対して0.5〜50重量%の
範囲であり、また反応時間は通常0.5〜50時間の範
囲である。連続流通式で反応を行う場合は、反応条件は
用いる触媒の種類などにより異なるが通常液時空間速度
(LHSV)が0.01〜50hr−1の範囲である。
反応終了後、触媒を通常の固液分離の方法により分離す
ることにより、主としてアルキルシクロヘキサノールア
ルキレンオキサイド1モル付加物からなる生成物を得る
ことができる。溶媒を用いた場合は、触媒と反応液を分
離後、溶媒を留去し目的の生成物を得ることができる。
【0031】本方法においては水素化工程により得られ
た生成物を蒸留し、主としてアルキルシクロヘキサノー
ルアルキレンオキサイド1モル付加物からなる留分中の
未反応のアルキルフェノール及びアルキルフェノールア
ルキレンオキサイド付加物の含有量の総計を10重量p
pm以下とする。アルキルフェノールアルキレンオキサ
イド付加物とはアルキルフェノールにアルキレンオキサ
イドが1モル以上付加した化合物すべてである。蒸留工
程の目的はアルキルフェノールおよびそのアルキレンオ
キサイド付加物を蒸留分離しこれらをほとんど含まない
主としてアルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサ
イド1モル付加物からなる留分を得ることにある。該留
分中には若干のアルキルシクロヘキサノールおよびその
アルキレンオキサイド2モル以上付加物を含有していて
もよい。蒸留の実施方法は回分式、連続式のいずれの方
法でも実施できる。
【0032】第2アルキレンオキサイド付加工程におい
ては、蒸留工程により得られた主としてアルキルシクロ
ヘキサノールアルキレンオキサイド1モル付加物からな
る留分とアルキレンオキサイドとを塩基触媒の存在下に
反応させ高純度アルキルシクロヘキサノールアルキレン
オキサイド付加物を得る。本工程に用いる塩基触媒は第
1アルキレンオキサイド付加工程に使用し得る塩基触媒
として列挙した触媒のいずれでも使用できる。これらの
塩基触媒の中でアルカリ金属水酸化物の使用が好まし
い。触媒の使用量は通常原料として使用する主としてア
ルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサイド1モル
付加物からなる留分に対して10〜5000重量ppm
の範囲である。アルキレンオキサイドの付加数は特に制
限はなく、得られるアルキレンオキサイド付加物の用途
に応じて適宜選択される。反応温度、反応圧力は通常第
1アルキレンオキサイド付加工程の反応温度、反応圧力
に同じであり、反応時間は付加するアルキレンオキサイ
ドの量により異なるが、通常は0.5〜50時間の範囲
である。
【0033】反応の方式に特に制限はなく、回分式、半
回分式、連続式のいずれでも実施できる。付加反応終了
後、反応生成物に可溶性の塩基触媒は、酢酸などの有機
酸で中和し可溶性の有機酸塩にするか、硫酸などの鉱酸
で中和し析出した鉱酸塩を濾過により除去する。また場
合によっては中和を行わなくてもよい。また反応生成物
に不溶性の触媒は濾過により除去する。このような中和
等の操作を経て目的とする高純度アルキルシクロヘキサ
ノールアルキレンオキサイド付加物が得られる。
【0034】得られた高純度アルキルシクロヘキサノー
ルアルキレンオキサイド付加物は、界面活性剤としての
性能を有しており、洗浄剤、乳化剤、分散剤、湿潤材等
一般の非イオン系界面活性剤の用いられる用途に有用で
ある。また、生化学分野における細胞膜中の蛋白質の抽
出等に好適に用いられる。
【0035】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。 実施例1 (第1エチレンオキサイド付加工程)エチレンオキサイ
ド導入管を備えた1000mlオートクレーブに、ノニ
ルフェノール440g(2.00mol)および40%
水酸化ナトリウム水溶液0.66g(水酸化ナトリウム
6.6mmol)を仕込んだ。系内を窒素置換した後1
20℃に昇温し、次いで系内を50mmHgの減圧にし
1時間減圧脱水した。減圧脱水終了後、系内を窒素によ
り常圧に戻し、150℃に昇温した後、この温度を保ち
ながらエチレンオキサイド92g(2.09mol)を
ゲージ圧力0.2〜0.4MPaの加圧下で3時間かけ
て反応系内に送入しノニルフェノールのエチレンオキサ
イド付加反応を行った。ノニルフェノール1モルに対し
エチレンオキサイド1.05モル反応させたことにな
る。エチレンオキサイド送入終了後、更に同温度で1時
間熟成を行い、冷却後酢酸0.42g(7.0mmo
l)で触媒を中和して無色液体532gを得た。この液
体を液体クロマトグラフィーにより分析したところ、ノ
ニルフェノールおよびそのエチレンオキサイド1モル、
2モル付加物がそれぞれ1.2重量%、96.7重量
%、2.1重量%含まれていた。
【0036】(水素化工程)1000mlオートクレー
ブに第1エチレンオキサイド付加工程で得られた主とし
てノニルフェノールエチレンオキサイド1モル付加物か
らなる生成物520g(1.95mol(ノニルフェノ
キシ骨格のモル数))、粉末状の5重量%ルテニウムカ
ーボン30gを仕込んだ。系内を窒素置換、次いで水素
置換した後120℃に昇温した。水素圧力をゲージ圧力
5.0MPaに調整し、同圧力を保つよう水素を連続的
に供給しながら6時間同温度で水素化反応を行った。反
応終了後、触媒を70℃で熱時加圧濾過し無色液体53
2gを得た。反応中に消費された水素の量は5.88m
olであり仕込んだノニルフェノールエチレンオキサイ
ド付加物に対し3.01モル倍であった。Hおよび
13C−NMR、質量分析および元素分析の測定を行っ
たところ、この液体は主としてノニルシクロヘキサノー
ルエチレンオキサイド1モル付加物からなり、大部分の
ノニルフェノールおよびそのエチレンオキサイド付加物
が核水素化されていることが解った。また液体クロマト
グラフィーによりノニルフェノールおよびそのエチレン
オキサイド付加物の残存量を定量したところその量は総
計で150重量ppmであった。
【0037】(蒸留工程)水素化工程で得られた主とし
てノニルシクロヘキサノールエチレンオキサイド1モル
付加物からなる無色液体520gを精留塔および還流器
を備え付けた回分式減圧蒸留装置により減圧蒸留を行っ
た。初留として主にノニルシクロヘキサノールからなる
留分10.3gを、主留として主としてノニルシクロヘ
キサノールエチレンオキサイド1モル付加物からなる留
分462.2gを得た。残りは釜残分として残した。主
留を液体クロマトグラフィーにより分析したところノニ
ルシクロヘキサノールが0.06重量%含まれておりそ
の他はノニルシクロヘキサノールエチレンオキサイド1
モル付加物であった。またノニルフェノールおよびその
エチレンオキサイド付加物の量は総計で0.1重量pp
m以下であった。
【0038】(第2エチレンオキサイド付加工程)エチ
レンオキサイド導入管を備えた1000mlオートクレ
ーブに、蒸留工程により得られたノニルシクロヘキサノ
ールエチレンオキサイド1モル付加物270g(1.0
0mol)および40%水酸化ナトリウム水溶液0.6
7g(水酸化ナトリウム6.7mmol)を仕込んだ。
系内を窒素置換した後120℃に昇温し、次いで系内を
50mmHgの減圧にし1時間減圧脱水した。減圧脱水
終了後、系内を窒素により常圧に戻し、150℃に昇温
した後、この温度を保ちながらエチレンオキサイド26
5g(6.02mol)をゲージ圧力0.2〜0.4M
Paの加圧下で6時間かけて反応系内に送入しノニルシ
クロヘキサノールエチレンオキサイド1モル付加物のエ
チレンオキサイド付加反応を行った。エチレンオキサイ
ド送入終了後、更に同温度で1時間熟成を行い、冷却後
酢酸0.42g(7.0mmol)で触媒を中和してノ
ニルシクロヘキサノールエチレンオキサイド付加物を無
色液体として得た。液体クロマトグラフィーにより分析
したところ、平均のエチレンオキサイド付加モル数7.
0のノニルシクロヘキサノールエチレンオキサイド付加
物であった。またノニルフェノールおよびそのエチレン
オキサイド付加物の量は総計で0.1重量ppm以下で
あった。
【0039】実施例2 (第1エチレンオキサイド付加工程)実施例1と同様に
行った。
【0040】(水素化工程)実施例1において5重量%
ルテニウムカーボンの代わりに5重量%ロジウムアルミ
ナを用い反応温度100℃に変えた以外は実施例1と同
様に反応を行った。反応終了後、触媒を70℃で熱時加
圧濾過し主としてノニルシクロヘキサノールエチレンオ
キサイド1モル付加物からなる無色液体532gを得
た。反応中に消費された水素の量は5.86molであ
り仕込んだノニルフェノールエチレンオキサイド付加物
に対し3.01モル倍であった。H−NMR測定の結
果、大部分のノニルフェノールおよびそのエチレンオキ
サイド付加物が核水素化されていることが解った。また
液体クロマトグラフィーによりノニルフェノールおよび
そのエチレンオキサイド付加物の残存量を定量したとこ
ろその量は総計で130重量ppmであった。
【0041】(蒸留工程)実施例1と同様に行った。主
留として主としてノニルシクロヘキサノールエチレンオ
キサイド1モル付加物からなる留分458.9gを得
た。主留を液体クロマトグラフィーにより分析したとこ
ろノニルシクロヘキサノールが0.07重量%含まれて
おりその他はノニルシクロヘキサノールエチレンオキサ
イド1モル付加物であった。またノニルフェノールおよ
びそのエチレンオキサイド付加物の量は総計で0.1重
量ppm以下であった。
【0042】(第2エチレンオキサイド付加工程)実施
例1と同様に行い、平均のエチレンオキサイド付加モル
数7.0のノニルシクロヘキサノールエチレンオキサイ
ド付加物を得た。液体クロマトグラフィー測定の結果、
ノニルフェノールおよびそのエチレンオキサイド付加物
の量は総計で0.1重量ppm以下であった。
【0043】実施例3 (第1エチレンオキサイド付加工程)実施例1と同様に
行った。
【0044】(水素化工程)実施例1において5重量%
ルテニウムカーボンの代わりにラネーニッケルを用い、
溶媒としてエタノール200gを加え、反応温度100
℃、水素圧力8.0MPa(ゲージ圧力)、反応時間8
時間に変えた以外は実施例1と同様に反応を行った。反
応終了後、触媒を70℃で熱時加圧濾過した後、薄膜蒸
留器でエタノールを留去して主としてノニルシクロヘキ
サノールエチレンオキサイド1モル付加物からなる無色
液体532gを得た。反応中に消費された水素の量は
5.78molであり仕込んだノニルフェノールエチレ
ンオキサイド付加物に対し2.97モル倍であった。
H−NMR測定の結果、大部分のノニルフェノールおよ
びそのエチレンオキサイド付加物が核水素化されている
ことが解った。また液体クロマトグラフィーによりノニ
ルフェノールおよびそのエチレンオキサイド付加物の残
存量を定量したところその量は総計で320重量ppm
であった。
【0045】(蒸留工程)実施例1と同様に行った。主
留として主としてノニルシクロヘキサノールエチレンオ
キサイド1モル付加物からなる留分447.3gを得
た。主留を液体クロマトグラフィーにより分析したとこ
ろノニルシクロヘキサノールが0.05重量%含まれて
おりその他はノニルシクロヘキサノールエチレンオキサ
イド1モル付加物であった。またノニルフェノールおよ
びそのエチレンオキサイド付加物の量は総計で0.1重
量ppm以下であった。
【0046】(第2エチレンオキサイド付加工程)実施
例1と同様に行い、平均のエチレンオキサイド付加モル
数7.0のノニルシクロヘキサノールエチレンオキサイ
ド付加物を得た。液体クロマトグラフィー測定の結果、
ノニルフェノールおよびそのエチレンオキサ++イド付
加物の量は総計で0.1重量ppm以下であった。
【0047】比較例1 (第1エチレンオキサイド付加工程)実施例1と同様に
行った。 (水素化工程)実施例1と同様に行った。 (蒸留工程)行わなかった。
【0048】(第2エチレンオキサイド付加工程)水素
化工程で得られた主としてノニルシクロヘキサノールエ
チレンオキサイド1モル付加物からなる反応生成物27
0gとエチレンオキサイド265gを実施例1と同様に
して反応させた。得られたノニルシクロヘキサノールエ
チレンオキサイド付加物を液体クロマトグラフィーによ
り分析したところ、該化合物中にノニルフェノールおよ
びそのエチレンオキサイド付加物が総計で80重量pp
m含まれていた。
【0049】比較例2 実施例1の第1エチレンオキサイド付加工程において、
反応させるエチレンオキサイドの量を61g(1.38
mol)に変えた以外はすべて実施例1の第1エチレン
オキサイド付加工程と同様に反応および中和を行った。
ノニルフェノール1モルに対しエチレンオキサイド0.
69モル反応させたことになる。得られた無色液体を液
体クロマトグラフィーにより分析したところ、ノニルフ
ェノールおよびそのエチレンオキサイド1モル付加物が
それぞれ27.3重量%、72.7重量%含まれて、ま
たエチレンオキサイド2モル付加物がトレース量含まれ
ていた。この反応生成物を次の水素化工程に移すと大量
のノニルシクロヘキサノールが生成することになり好ま
しくない。
【0050】比較例3 実施例1の第1エチレンオキサイド付加工程において、
反応させるエチレンオキサイドの量を132g(3.0
0mol)に変えた以外はすべて実施例1の第1エチレ
ンオキサイド付加工程と同様に反応および中和を行っ
た。ノニルフェノール1モルに対しエチレンオキサイド
1.5モル反応させたことになる。得られた無色液体を
液体クロマトグラフィーにより分析したところ、ノニル
フェノールは含まれておらず、そのエチレンオキサイド
1モル、2モルおよび3モル付加物がそれぞれ49.0
重量%、48.5重量%、2.5重量%含まれていた。
この反応生成物を次の水素化工程に移すと大量のノニル
シクロヘキサノールエチレンオキサイド2モル以上付加
物が生成することになり好ましくない。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、高純度で付加モル分布
が狭く、液状で取り扱いやすいアルキルシクロヘキサノ
ールアルキレンオキサイド付加物が提供され、さらには
その簡便で効率のよい製造方法が提供される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07C 41/20 C07C 41/20 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルフェノール及びアルキルフェノ
    ールアルキレンオキサイド付加物の含有量が10ppm
    以下である、式(1)(化1)で表されるアルキルシク
    ロヘキサノールアルキレンオキサイド付加物。 【化1】 (式中、Rは炭素数6〜20のアルキル基を表し、R
    は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、nは1以
    上の整数を表す)
  2. 【請求項2】 1)式(2)(化2) 【化2】 (Rは炭素数6〜20のアルキル基を表す)で表され
    るアルキルフェノールと炭素数2〜4のアルキレンオキ
    サイドとを塩基触媒の存在下にアルキルフェノール1モ
    ルに対しアルキレンオキサイド0.9〜1.2モルを反
    応させ、主としてアルキルフェノールアルキレンオキサ
    イド1モル付加物からなる生成物を得る第1アルキレン
    オキサイド付加工程、 2)第1アルキレンオキサイド付加工程により得られた
    生成物と水素とを、水素化触媒の存在下に反応させ主と
    してアルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサイド
    1モル付加物からなる生成物を得る水素化工程、 3)水素化工程により得られた生成物を蒸留し、主とし
    てアルキルシクロヘキサノールアルキレンオキサイド付
    加物からなる留分中のアルキルフェノール及びアルキル
    フェノールアルキレンオキサイド付加物の含有量の総計
    を10重量ppm以下とする蒸留工程、 4)蒸留工程により得られる主としてアルキルシクロヘ
    キサノールアルキレンオキサイド1モル付加物からなる
    留分と炭素数2〜4のアルキレンオキサイドとを塩基触
    媒の存在下に反応させる第2アルキレンオキサイド付加
    工程、からなる、アルキレンオキサイドの付加分布の狭
    い、式(1)(化3) 【化3】 (式中、Rは炭素数6〜20のアルキル基を表し、R
    は水素原子、メチル基又はエチル基を表し、nは1以
    上の整数を表す)で表される高純度アルキルシクロヘキ
    サノールアルキレンオキサイド付加物の製造方法。
  3. 【請求項3】水素化工程に用いる水素化触媒がルテニウ
    ム、ロジウムまたはパラジウムの担持型触媒である請求
    項2記載の高純度アルキルシクロヘキサノールアルキレ
    ンオキサイド付加物の製造方法。
  4. 【請求項4】水素化工程に用いる水素化触媒がルテニウ
    ムまたはロジウムのカーボンまたはアルミナ担持触媒で
    ある請求項2記載の高純度アルキルシクロヘキサノール
    アルキレンオキサイド付加物の製造方法。
  5. 【請求項5】水素化工程に用いる水素化触媒がラネーニ
    ッケルである、請求項2記載の高純度アルキルシクロヘ
    キサノールアルキレンオキサイド付加物の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN114752054A (zh) * 2021-01-08 2022-07-15 联泓(江苏)新材料研究院有限公司 一种烷基环己醇聚氧烷基醚及其制备方法和应用

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