JPH11302212A - 高級2級アルコールアルコキシレートの製造方法 - Google Patents

高級2級アルコールアルコキシレートの製造方法

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JPH11302212A
JPH11302212A JP10473398A JP10473398A JPH11302212A JP H11302212 A JPH11302212 A JP H11302212A JP 10473398 A JP10473398 A JP 10473398A JP 10473398 A JP10473398 A JP 10473398A JP H11302212 A JPH11302212 A JP H11302212A
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JP
Japan
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olefin
secondary alcohol
alcohol alkoxylate
higher secondary
poly
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JP10473398A
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English (en)
Inventor
Yoshihisa Inoue
佳尚 井上
Kyoko Ono
恭子 小野
Yasuyoshi Watabe
恭吉 渡部
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低凝固点(流動点)を有する高級2級アルコ
ールアルコキシレートおよびその原料の簡便な製造方法
を提供すること。 【解決手段】 炭素数8〜30のα−オレフィンを異性
化触媒の存在下に二重結合を内部異性化させ、α−オレ
フィンの含有量が50重量%以下、内部オレフィンの含
有量が50重量%以上の混合オレフィンとし、次いで該
混合オレフィンと(ポリ)アルキレングリコールとを酸
触媒の存在下に反応させて高級2級アルコールアルコキ
シレートの製造する、またこの方法で得られた高級2級
アルコールアルコキシレートを原料として、さらにアル
キレンオキサイドと塩基触媒の存在下に反応させて高級
2級アルコールアルコキシレートを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高級2級アルコー
ルアルコキシレートの製造方法に関する。更に詳しく
は、α−オレフィンを内部異性化し混合オレフィンと
し、次いで酸触媒の存在下に(ポリ)アルキレングリコ
ールと反応させ高級2級アルコールアルコキシレートを
得る高級2級アルコールアルコキシレートの製造方法に
関するものであり、更には該高級2級アルコールアルコ
キシレートを塩基触媒の存在下にアルキレンオキサイド
と反応させる高級2級アルコールアルコキシレートの製
造方法に関するものである。高級2級アルコールアルコ
キシレートは界面活性剤およびその原料として有用であ
る。
【0002】
【従来の技術】高級2級アルコールアルコキシレートを
はじめとする非イオン界面活性剤の重要な性質として凝
固点(流動点)がある。アルキレンオキサイド付加量が
比較的多くても凝固点が低く常温でも液状を保てる非イ
オン系界面活性剤は、取扱いが容易で広く用いられてい
る。アルキレンオキサイド付加モル数が同じである場
合、凝固点を左右するのは疎水基部の構造であり、例え
ば、エチレンオキサイド付加物の場合、その付加モル数
が10モルのときノニルフェノールエトキシレートは凝
固点が低く常温で液状であるのに対し、高級1級アルコ
ールエトキシレートであるラウリルアルコールエトキシ
レートは凝固点が高く常温で固形状になる。高級2級ア
ルコールアルコキシレートも比較的低凝固点の界面活性
剤として知られているが、その凝固点は疎水基側の異性
体組成や製造方法により異なってくる。高級2級アルコ
ールアルコキシレートの製造方法としては、高級2級ア
ルコールにアルキレンオキサイドを付加する方法や高級
オレフィンと(ポリ)アルキレングリコールとを反応さ
せ高級2級アルコールアルコキシレートを製造する方法
が知られている。このうちオレフィンと(ポリ)アルキ
レングリコールとを反応させ高級2級アルコールアルコ
キシレートを製造する方法については、以下に示すいく
つかの方法が知られている。
【0003】例えば、特公昭57−35687号公報、
特公昭60−34935号公報、特公昭62−1757
4号公報、特開平2−295941号公報においては、
触媒として強酸性イオン交換樹脂の存在下にオレフィン
と(ポリ)アルキレングリコールとを反応させて高級2
級アルコールアルコキシレートを製造する方法を開示し
ている。また、特公昭61−51570号公報において
は、ベンゼンスルホン酸やトルエンスルホン酸の存在
下、二酸化硫黄溶媒存在下にオレフィンと(ポリ)アル
キレングリコールとを反応させて高級2級アルコールア
ルコキシレートを製造する方法を開示しているし、特開
平8−134004号公報においては、触媒としてアル
キルスルホン酸やアルコールサルフェートの存在下にオ
レフィンと(ポリ)アルキレングリコールとを反応させ
て高級2級アルコールアルコキシレートを製造する方法
を開示している。
【0004】また、特開平3−148233号公報にお
いては、触媒としてヘテロポリ酸の存在下にオレフィン
と(ポリ)アルキレングリコールとを反応させて高級2
級アルコールアルコキシレートを製造する方法を開示し
ている。さらには、特開平9−52856号公報におい
ては、触媒として結晶性メタロシリケートの存在下にオ
レフィンと(ポリ)アルキレングリコールとを反応させ
て高級2級アルコールアルコキシレートを製造する方法
を開示している。しかしながら、これらいずれの方法に
おいても、原料に用いるオレフィンの異性体組成が得ら
れる高級2級アルコールアルコキシレートの凝固点に多
大な影響を及ぼすことについては全く示唆がない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、より
低い凝固点(流動点)を有する高級2級アルコールアル
コキシレートおよびその原料の簡便な製造方法を提供す
ることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を達成するために鋭意検討を行った。その結果、高級2
級アルコールアルコキシレートの高級2級アルコール部
分が、より多くの位置異性体の混合物であるほど得られ
る高級2級アルコールアルコキシレートの凝固点が低く
なること、従って、工業的に入手が容易なα−オレフィ
ンをあらかじめ異性化しα−オレフィンと内部オレフィ
ンとの混合オレフィンとした後(ポリ)アルキレングリ
コールと反応させると、より凝固点(流動点)の低い高
級2級アルコールアルコキシレートが得られることを見
いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明
は、炭素数8〜30のα−オレフィンを異性化触媒の存
在下に二重結合を内部異性化させ、α−オレフィンの含
有量が50重量%以下、内部オレフィンの含有量が50
重量%以上の混合オレフィンとし、次いで該混合オレフ
ィンと(ポリ)アルキレングリコールとを酸触媒の存在
下に反応させることを特徴とする高級2級アルコールア
ルコキシレートの製造方法であり、更には混合オレフィ
ンと(ポリ)アルキレングリコールとを酸触媒の存在下
に反応させることにより得られた高級2級アルコールア
ルコキシレートとアルキレンオキサイドとを塩基触媒の
存在下に反応させることを特徴とする高級2級アルコー
ルアルコキシレートの製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の方法における原料である
炭素数8〜30のα−オレフィンとは炭素数8〜30の
分岐鎖を持たない末端オレフィンのことであり、具体的
には、例えば、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ン、1−テトラデセン、1−ヘプタデセン、1−オクタ
デセン、1−エイコセン、1−ヘキサエイコセンなどが
挙げられる。このうちエチレンの低重合により工業的に
容易に入手できる偶数個の炭素を持つ炭素数8〜30の
α−オレフィンの使用が好ましい。本発明の方法におけ
る異性化触媒とは、α−オレフィンの二重結合構造を内
部異性化する能力を有する触媒であればどのような触媒
でもよく、具体的には、例えば「有機合成化学協会誌」
第30巻第10号(1972年)874頁の表1や「触
媒講座8 工業触媒反応I」(講談社、触媒学会偏、1
985年)98頁の表4.4に列挙されてる触媒を挙げ
ることができ、より具体的には酸触媒、塩基触媒、金属
含有触媒が挙げられる。
【0008】酸触媒とは、具体的には、例えば、硫酸、
燐酸などの鉱酸類、例えば、ベンゼンスルホン酸、トル
エンスルホン酸、ドデシルスルホン酸などの有機スルホ
ン酸、例えば、デシルサルフェート、ドデシルサルフェ
ート等の有機サルフェート類、例えば、ケイタングステ
ン酸、リンタングステン酸、リンモリブデン酸などのヘ
テロポリ酸、例えば、スルホン酸型強酸性イオン交換樹
脂、パーフルオロスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂な
どの酸性イオン交換樹脂、例えば、水素型Y型ゼオライ
ト、水素型モルデナイト、水素型ZSM−5、水素型β
−ゼオライトなどの水素交換可能なカチオンの全部がプ
ロトンである水素型結晶性アルミノシリケート、水素型
結晶性アルミノシリケートの結晶格子中のアルミニウム
原子が、例えば、硼素、ガリウム、インジウム、鉄、ニ
ッケル、銅、チタンなどの他の金属原子で置き換えられ
た水素型結晶性メタロシリケート、水素型結晶性アルミ
ノシリケートまたは水素型結晶性メタロシリケートのイ
オン交換可能な水素の一部または全部を2価以上の金属
イオンで置換した金属置換結晶性アルミノシリケートま
たは結晶性メタロシリケート、例えば、チタニア、アル
ミナなどの酸性酸化物、例えば、シリカアルミナ、ボリ
アアルミナなどの酸性複合酸化物などが挙げられる。
【0009】また、塩基触媒とは、具体的には、例え
ば、ナトリウムターシャリーブトキシド、カリウムメト
キシドなどのアルカリ金属アルコキシド、例えば、酸化
カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウムなどのア
ルカリ土類金属水酸化物、例えば、カリウムアミド、ナ
トリウムイソプロピルアミドなどのアルカリ金属アミド
類、例えば、アルミナ担持ナトリウムなどの担持型アル
カリ金属などが挙げられる。金属含有触媒としては、具
体的には、例えば、塩化ルテニウム、塩化パラジウムな
どの白金族金属塩化物、例えば、トリス(トリフェニル
ホスフィン)ロジウムクロライドなどの白金族金属ホス
フィン錯体、例えば、パラジウムカーボン、ルテニウム
カーボン、ロジウムアルミナ、白金アルミナ、パラジウ
ムシリカアルミナ、パラジウム硫酸バリウム、ルテニウ
ムチタニアなどの担持型白金族金属触媒、例えば、ラネ
ーニッケル、ラネーコバルト、ラネー銅などの金属ラネ
ー触媒などが挙げられる。触媒の使用量は、用いる触媒
の種類や反応温度などにより異なるが、通常、原料とし
て用いるα−オレフィンに対して、0.1〜50重量%
の範囲である。
【0010】本発明の方法においては、炭素数8〜30
のα−オレフィンを異性化触媒の存在下に二重結合を内
部異性化させ、α−オレフィンの含有量が50重量%以
下、内部オレフィンの含有量が50重量%以上の混合オ
レフィンとする。内部オレフィンとは分岐鎖を持たず二
重結合が骨格内部にあるオレフィンのことであり、例え
ば、炭素数8の場合、2−オクテン、3−オクテン、4
−オクテンが例示される。二重結合を内部異性化するこ
とによりα−オレフィンは同じ炭素数を有する内部オレ
フィンに異性化される。内部異性化によりα−オレフィ
ンの含有量が50重量%以下、内部オレフィンの含有量
が50重量%以上の混合オレフィンとすることにより、
最終的に得られる高級2級アルコールアルコキシレート
の高級2級アルコール部分が、より多くの位置異性体の
混合物となり、その結果、凝固点が低い高級2級アルコ
ールアルコキシレートが得られる。異性化が充分でなく
α−オレフィンの含有量が50重量%を超えると、得ら
れる高級2級アルコールアルコキシレートの凝固点が高
くなり好ましくない。
【0011】本発明の方法においては、あらかじめ内部
異性化を行うことにより原料のオレフィンをα−オレフ
ィンの含有量が50重量%以下、内部オレフィンの含有
量が50重量%以上の混合オレフィンとすることが非常
に重要である。異性化の次に行う混合オレフィンと(ポ
リ)アルキレングリコールとの反応では異性化触媒の一
種である酸触媒を用いるので、この反応に原料としてα
−オレフィンをそのまま用いても内部異性化反応が当然
併発しある程度の内部オレフィンは生成する。しかしな
がら、本発明で原料として用いる炭素数の多いα−オレ
フィンでは充分な異性化が起こるのにかなりの反応時間
や反応温度を要し、従って、α−オレフィンを異性化せ
ずに(ポリ)アルキレングリコールとの反応を行うと、
この反応の反応条件下では充分な異性化反応が起こる前
にオレフィンと(ポリ)アルキレングリコールとの反応
が起こってしまい、その結果、高級2級アルコールアル
コキシレートのアルコール部分の位置異性体の数が少な
くなって凝固点の高い高級2級アルコールアルコキシレ
ートしか得られない。
【0012】本発明において、二重結合を内部異性化さ
せる反応における反応温度、反応時間は、原料として用
いるα−オレフィンの種類や用いる触媒の種類や量によ
って異なるが、反応温度は、通常、50〜250℃の範
囲であり、反応時間は、通常、0.1〜30時間の範囲
である。さらに反応は常圧で行うこともできるし加圧下
に行うこともできる。反応は溶媒の存在下に行うことも
できるし非存在下に行うこともできる。使用できる溶媒
としては、異性化反応を阻害する溶媒でなければいかな
る溶媒でも使用し得るが、具体的には、例えば、オクタ
ン、デカン、ウンデカンなどの飽和炭化水素、例えば、
ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、
例えば、ジフェニルエーテル、ジエチレングリコールジ
メチルエーテルなどのエーテル類、例えば、スルホラ
ン、メチルスルホランなどのスルホラン類、例えば、ニ
トロエタン、ニトロベンゼンなどのニトロ化合物、オル
トジクロロベンゼン、ジクロロエタンなどの塩素化炭化
水素類などが挙げられる。反応の実施方式に特に限定は
なく回分式、半回分式、連続式のいずれの方法でも実施
できる。 反応終了後触媒を固液分離、蒸留などの常用
の方法により除くことにより混合オレフィンが得られ
る。混合オレフィンは場合によっては副生した二量化オ
レフィン等を蒸留により除去する等の精製を行ってもよ
い。
【0013】本発明の方法においては、α−オレフィン
の内部異性化により得られた混合オレフィンと(ポリ)
アルキレングリコールとを酸触媒の存在下に反応させ
る。(ポリ)アルキレングリコールとは、具体的には、
例えば、モノエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール
などの(ポリ)エチレングリコール、例えば、モノプロ
ピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロ
ピレングリコール、ポリプロピレングリコールなどの
(ポリ)プロピレングリコール、1,3−プロパンジオ
ール、1,2−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、2,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、パラキシリレングリコール、1,4−シクロヘキサ
ンジオールなどが挙げられる。これらは単独で用いても
よく2種類以上の混合物として用いてもよい。これらの
(ポリ)アルキレングリコールのうち、界面活性剤とし
て好ましい高級2級アルコールアルコキシレートが得ら
れる(ポリ)エチレングリコールまたは(ポリ)プロピ
レングリコールの使用が好ましい。
【0014】混合オレフィンと(ポリ)アルキレングリ
コールとを酸触媒の存在下に反応させるが、酸触媒とは
具体的には異性化触媒として使用し得る酸触媒として列
挙した触媒が挙げられる。酸触媒の使用量は、用いる触
媒の種類や反応温度などにより異なるが、通常、原料と
して用いる混合オレフィンに対して、0.1〜50重量
%の範囲である。本発明において、混合オレフィンと
(ポリ)アルキレングリコールとの反応における反応温
度、反応時間は、用いる混合オレフィンと(ポリ)アル
キレングリコールの種類や量および用いる触媒の種類や
量によって異なるが、反応温度は、通常、50〜250
℃の範囲であり、反応時間は、通常、0.1〜30時間
の範囲である。さらに反応は常圧で行うこともできるし
加圧下に行うこともできる。
【0015】また反応は溶媒の存在下に行うこともでき
るし非存在下に行うこともできる。使用し得る溶媒とし
ては該反応を阻害しない溶媒であればいかなる溶媒でも
使用し得るが、そのような溶媒としては具体的には内部
異性化反応に使用し得る溶媒として列挙した溶媒が挙げ
られる。反応の方式に特に限定はなく回分式、半回分
式、連続式のいずれの方法でも実施できる。反応終了
後、通常生成物の高級2級アルコールアルコキシレート
はオレフィン相に分配されるので(ポリ)アルキレング
リコール相とオレフィン相を分離し、オレフィン相を蒸
留などの精製操作を施すことにより目的とする高級2級
アルコールアルコキシレートを得ることができる。未反
応の(ポリ)アルキレングリコールおよび混合オレフィ
ンは次の反応に再使用できる。得られた高級2級アルコ
ールアルコキシレートはそのまま界面活性剤として使用
できるものもあるし、さらにアルキレンオキサイドを付
加してアルキレンオキサイドの付加量の多い高級2級ア
ルコールアルコキシレートを製造する原料としても使用
できる。
【0016】本発明の方法においては、上記の方法で得
られた混合オレフィンと(ポリ)アルキレングリコール
とを酸触媒の存在下に反応させることにより得られた高
級2級アルコールアルコキシレートとアルキレンオキサ
イドとを塩基触媒の存在下に反応させ、よりアルキレン
グリコールの付加量の多い高級2級アルコールアルコキ
シレートを得ることができる。アルキレンオキサイドと
は、具体的には、例えば「アルキレンオキシド重合体−
製造方法・特性および用途−」(海文堂、柴田満太、斉
藤政博、秋本新一共編、平成2年出版)の3〜5頁の表
1.1−1に記載されている化合物であり、より具体的
には、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、1
−ブテンオキサイド、スチレンオキサイド、シクロヘキ
センオキサイド、トリメチルエチレンオキサイドなどが
挙げられる。アルキレンオキサイドの付加量に特に制限
はなく、得られる高級2級アルコールアルコキシレート
の用途に応じ適宜選択される。これらのアルキレンオキ
サイドのうち界面活性剤として良好な性質の高級2級ア
ルコールアルコキシレートが得られるエチレンオキサイ
ドまたはプロピレンオキサイドの使用が好ましく、さら
には(ポリ)アルキレングリコールとして(ポリ)エチ
レングリコールを使用しアルキレンオキサイドとしてエ
チレンオキサイドを使用する組合せがより好ましい。
【0017】混合オレフィンと(ポリ)アルキレングリ
コールとを酸触媒の存在下に反応させることにより得ら
れた高級2級アルコールアルコキシレートとアルキレン
オキサイドとを反応させる際に使用する塩基触媒とは、
具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウ
ム、水酸化セシウムなどのアルカリ金属水酸化物、例え
ば、ナトリウムエトキシド、リチウムエトキシド、カリ
ウムフェノキシドなどのアルカリ金属アルコキシドまた
はフェノキシド、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バ
リウム、水酸化ストロンチウムなどのアルカリ土類金属
水酸化物、例えば、カルシウムメトキシド、カルシウム
フェノキシドなどのアルカリ土類金属アルコキシドまた
はフェノキシド、例えば、酸化マグネシウム、酸化バリ
ウムなどのアルカリ土類金属酸化物等が挙げられる。触
媒の使用量は、用いる触媒の種類や反応温度などにより
異なるが、通常、原料として用いる高級2級アルコール
アルコキシレートに対して、10〜5000重量ppm
の範囲である。このような塩基触媒の中でもアルカリ金
属水酸化物の使用が好ましい。
【0018】アルキレンオキサイドの付加反応における
反応温度は、通常、60〜230℃の範囲であり、好ま
しくは、120〜200℃の範囲である。また反応時間
は通常、0.1〜30時間の範囲であり、好ましくは、
0.3〜20時間の範囲である。さらに反応圧力は、用
いるアルキレンオキサイドの種類により異なり常圧で行
う場合もあるし加圧下に行う場合もある。加圧下に反応
を行う場合は、反応圧力は、通常、ゲージ圧力0.01
〜2MPaの範囲であり、好ましくは、ゲージ圧力0.
1〜0.7MPaの範囲である。反応の方式に特に限定
はなく、回分式、半回分式、連続式のいずれの方法でも
実施できる。反応終了後、反応生成物に不溶性の塩基触
媒は濾過により除去し、また反応生成物に可溶性の塩基
触媒は酢酸などの有機酸で中和し、可溶性の有機酸塩に
するか、硫酸などの鉱酸で中和し析出した鉱酸塩を濾過
により除くか、場合によっては中和せずそのままで目的
とする高級2級アルコールアルコキシレートを得ること
ができる。
【0019】得られた高級2級アルコールアルコキシレ
ートは洗浄剤、乳化剤、分散剤、湿潤材等一般の非イオ
ン系界面活性剤の用いられる用途に有用である。また凝
固点が低いのでアルキレンオキサイドの付加量がある程
度多くなっても通常取り扱う温度範囲で液状を保ち取扱
いが容易である。
【0020】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
る。 実施例1 温度計、冷却管、攪拌器を備えた1000mlの四つ口
フラスコに1−ドデセン500g、異性化触媒としてパ
ーフルオロスルホン酸型強酸性イオン交換樹脂ナフィオ
ンNR−50(DuPont社製)10gを仕込んだ。
系内を窒素置換した後、攪拌しながら130℃に昇温
し、この温度で3時間内部異性化反応を行った。反応終
了後触媒を濾別し、得られた液体を減圧蒸留してドデセ
ン留分を476g得た。このドデセン留分を13C−NM
R測定し分析した結果、このドデセン留分は1−ドデセ
ン1.7重量%、2−ドデセン24.3重量%(シス体
とトランス体の総計、3−ドデセン以降も同じ)、3−
ドデセン19.5重量%、4−ドデセン22.5重量
%、5−ドデセン、6−ドデセン合わせて32.0重量
%の組成の混合ドデセンであった。
【0021】温度計、冷却管、攪拌器を備えた1000
mlの四つ口フラスコに得られた混合ドデセン400g
(2.38mol)、モノエチレングリコール147.
5g(2.38mol)触媒として水素型β−ゼオライ
ト(エヌイーケムキャット社製)10gを仕込んだ。系
内を窒素置換した後、攪拌しながら160℃に昇温し、
この温度で5時間反応させた。反応終了後ドデセン層お
よびモノエチレングリコール層をガスクロマトグラフィ
ーにより分析したところ、2,3,4,5および6−ド
デカノールモノエトキシレート(以下、単にドデカノー
ルモノエトキシレートと略称する)が生成しており、そ
の大部分はドデセン層に分配されていた。収率はドデセ
ン基準で10.5モル%であった。ドデセン層を分液後
減圧蒸留し、ドデカノールモノエトキシレート53.6
gを得た。ドデカノールモノエトキシレートの2,3,
4,5および6置換体の含有量はガスクロマトグラフィ
ー分析の結果から、それぞれ18.5重量%、27.6
重量%、25.8重量%、17.9重量%、10.2重
量%であった。
【0022】エチレンオキサイド導入管を備えた300
mlオートクレーブに得られたドデカノールモノエトキ
シレート50g(0.217mol)および40%水酸
化ナトリウム水溶液0.2g(水酸化ナトリウム1.8
mmol)を仕込んだ。系内を窒素置換した後120℃
に昇温し次いで系内を50mmHgの減圧にし1時間減
圧脱水した。減圧脱水終了後、系内を窒素により常圧に
戻し130℃に昇温した後、この温度を保ちながらエチ
レンオキサイド96g(2.18mol、ドデカノール
モノエトキシレートに対して10モル倍)をゲージ圧力
0.2〜0.4MPaの加圧下で5時間かけて反応系内
に送入しドデカノールモノエトキシレートのエトキシ化
反応を行った。エチレンオキサイド送入終了後、更に同
温度で1時間熟成を行い、冷却後酢酸0.11g(1.
8mmol)で触媒を中和してドデカノールエトキシレ
ートを無色液体として146g得た。ドデカノールに対
してはエチレンオキサイドの平均の付加モル数が11の
ドデカノールエトキシレートが得られたことになる。得
られたドデカノールエトキシレートの流動点を測定し
た。流動点とは試料を規定の方法で冷却したとき、試料
が流動する最低温度のことであり、測定は日本工業規格
(JIS)K2269−1987の流動点試験方法に従
って行った。流動点は11℃であった。
【0023】実施例2 異性化触媒として、ナフィオンNR−50の代わりに5
重量%パラジウムカーボン(エヌイーケムキャット社
製)25gを用い、反応温度を180℃にした以外は実
施例1と同様に異性化反応、蒸留を行い混合ドデセン4
78gを得た。得られた混合ドデセンの組成は13C−N
MR測定の結果から、1−ドデセン32.2重量%、2
−ドデセン57.2重量%、3−ドデセン6.4重量
%、4−ドデセン2.8重量%、5−ドデセン、6−ド
デセン合わせて1.4重量%であった。得られた混合ド
デセンを実施例1と同様にして、モノエチレングリコー
ルと反応させ蒸留してドデカノールモノエトキシレート
53.8gを得た。ドデカノールモノエトキシレートの
2,3,4,5および6置換体の含有量はガスクロマト
グラフィー分析の結果から、それぞれ54.6重量%、
35.3重量%、5.8重量%、2.9重量%、1.4
重量%であった。得られたドデカノールモノエトキシレ
ートを実施例1と同様にしてエチレンオキサイドと反応
させドデカノールエトキシレートを無色液体として得
た。流動点を測定したところ13℃であった。
【0024】実施例3 混合ドデセンとモノエチレングリコールとの反応で触媒
として水素型β−ゼオライトの代わりにケイタングステ
ン酸5gを用いた以外はすべて実施例1と同様に異性化
反応、混合ドデセンとモノエチレングリコールとの反
応、ドデカノールモノエトキシレートとエチレンオキサ
イドとの反応を行い、ドデカノールエトキシレートを得
た。得られたドデカノールエトキシレートの流動点を測
定したところ11℃であった。
【0025】比較例1 実施例1において、1−ドデセンの異性化反応を行わな
かった以外はすべて実施例1と同様に、1−ドデセンと
モノエチレングリコールとの反応、ドデカノールモノエ
トキシレートとエチレンオキサイドとの反応を行った。
1−ドデセンとモノエチレングリコールとの反応により
得られたドデカノールモノエトキシレートの2,3,
4,5および6置換体の含有量はガスクロマトグラフィ
ー分析の結果から、それぞれ95.2重量%、4.2重
量%、0.6重量%、0重量%、0重量%であり組成分
布があまりなかった。このドデカノールモノエトキシレ
ートとエチレンオキサイドとの反応により得られたドデ
カノールエトキシレートの流動点を測定したところ、2
3℃であり、1−ドデセンをあらかじめ内部異性化して
得たドデカノールエトキシレートに比べ10℃以上高か
った。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、凝固点(流動点)が低
くエチレンオキサイドの付加量が比較的多くなっても液
状を保ち取扱いの容易な高級2級アルコールアルコキシ
レートを工業的に入手容易なα−オレフィンを原料とし
て簡便にしかも効率よく製造することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】炭素数8〜30のα−オレフィンを異性化
    触媒の存在下に二重結合を内部異性化させ、α−オレフ
    ィンの含有量が50重量%以下、内部オレフィンの含有
    量が50重量%以上の混合オレフィンとし、次いで該混
    合オレフィンと(ポリ)アルキレングリコールとを酸触
    媒の存在下に反応させることを特徴とする高級2級アル
    コールアルコキシレートの製造方法。
  2. 【請求項2】炭素数8〜30のα−オレフィンを異性化
    触媒の存在下に二重結合を内部異性化させた、α−オレ
    フィンの含有量が50重量%以下、内部オレフィンの含
    有量が50重量%以上の混合オレフィンと(ポリ)アル
    キレングリコールとを酸触媒の存在下に反応させること
    により得られた高級2級アルコールアルコキシレートと
    アルキレンオキサイドとを塩基触媒の存在下に反応させ
    ることを特徴とする高級2級アルコールアルコキシレー
    トの製造方法。
  3. 【請求項3】(ポリ)アルキレングリコールが、(ポ
    リ)エチレングリコールまたは(ポリ)プロピレングリ
    コールである請求項1記載の高級2級アルコールアルコ
    キシレートの製造方法。
  4. 【請求項4】アルキレンオキサイドが、エチレンオキサ
    イドまたはプロピレンオキサイドである請求項2記載の
    高級2級アルコールアルコキシレートの製造方法。
  5. 【請求項5】(ポリ)アルキレングリコールが(ポリ)
    エチレングリコールであり、アルキレンオキサイドがエ
    チレンオキサイドである請求項2記載の高級2級アルコ
    ールアルコキシレートの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021049492A1 (ja) 2019-09-09 2021-03-18 株式会社日本触媒 高級第2級アルコールアルコキシレート前駆体、高級第2級アルコールアルコキシレート付加物および高級第2級アルキルエーテル硫酸エステル塩並びにその製造方法
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