JPH11349353A - ガラス基板の作製方法 - Google Patents

ガラス基板の作製方法

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JPH11349353A
JPH11349353A JP15325298A JP15325298A JPH11349353A JP H11349353 A JPH11349353 A JP H11349353A JP 15325298 A JP15325298 A JP 15325298A JP 15325298 A JP15325298 A JP 15325298A JP H11349353 A JPH11349353 A JP H11349353A
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JP
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glass substrate
processing
grinding
glass
polishing
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JP15325298A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Naito
努 内藤
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NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
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Publication of JPH11349353A publication Critical patent/JPH11349353A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

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Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C19/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by mechanical means

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ガラス基板の平面度及び反りを高精度に制御
することにより、加工工程を短縮し、ガラス基板の肉厚
を極限まで薄くでき、原材料費、加工設備費、加工時間
等の大幅な節減を可能とするガラス基板の作製方法を提
供する。 【解決手段】 溶融ガラスをドーナツ状にプレス成形す
るプレス成形工程と、プレス成形工程により得られたガ
ラス基板の一面又は両面より、押圧部材にてガラス基板
の全体に均等に圧力をかけて焼成する結晶化処理工程
と、結晶化処理工程により得られたガラス基板と加工用
砥石とを同時に高速で回転させてガラス基板の内外径加
工するチャンファリング工程と、チャンファリング工程
により得られたガラス基板の両平面に対し、固定砥粒に
よる脆性破壊加工又は塑性変形加工を施す粗研削工程
と、粗研削工程により得られたガラス基板の両表面に対
し、脆性破壊加工と塑性変形加工とを順次連続的に行う
ノンドレス研削加工を施す精研削工程と、精研削工程で
得られたガラス基板の両表面をポリッシングするポリッ
シング工程とを備えたガラス基板の作製方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】 本発明は、主にコンピュー
タの情報記録媒体として使用されるハードディスク用の
基板として用いられるガラス基板の作製方法に関し、特
に、ガラス基板の成形精度を向上させることにより、製
造工程の短縮を可能としたガラス基板の作製方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】 近年、コンピュータの普及が急激に進
み、コンピュータの操作性を左右するオペレーションシ
ステム等のOSソフトや、OS上で作動する種々のプロ
グラムソフト等のソフトウエアが高容量化する傾向にあ
り、更に、これらのプログラムを用いて作成されるデー
タも、高容量化する傾向にある。
【0003】 これに伴い、このような大量の情報を高
速に記録/読出することのできる情報記録媒体としての
ハードディスクの開発においては、従来のアルミニウム
金属を用いた基板に変えて、硬度や平滑性に優れるガラ
ス基板、特に結晶化ガラスを用いたガラス基板を用いる
動きが活発になっている。
【0004】 一般的に、ガラス基板の作製方法は、図
9のフローチャートに示されるように、ブランク工程と
サブストレート工程とに分けられる。ここで、ブランク
工程においては、まず、特定の組成に調合されたガラス
材料を溶融したものをプレス型に流し込んでプレス成形
することにより、ディスク状のガラス基板が作製され
る。
【0005】 こうして、得られたガラス基板を結晶化
処理し、その後にガラス基板の内孔部を切断して内孔を
開け、欠けや割れ等の表面欠陥の有無を検査する。こう
して作製されたドーナツ状のガラス基板は、ブランクと
呼ばれる。
【0006】 次に、サブストレート工程においては、
ブランクの表面をSiC微粉等の研磨剤により粗ラッピ
ング(一次ラッピング)した後、内外径を所定寸法・所
定形状に加工(チャンファリング)し、更に、表面を精
ラッピング(二次ラッピング)して洗浄する。こうして
得られたブランクを、酸化セリウム微粉を用いて研磨
(ポリッシング)し、所定の平滑度に仕上げた後、超音
波洗浄、IPA洗浄を施し、最後に表面欠陥等の有無を
検査する。以上の工程を経たブランクをサブストレート
という。こうして得られたサブストレートに磁気記録膜
を施膜することにより、ガラス基板が作製される。
【0007】 しかしながら、上記に示したガラス基板
の作製方法は、プレス成形で発生したガラス基板の反り
および結晶化による収縮で発生したガラス基板の反りや
ねじれをラッピング等の厚み加工で修正しようとする場
合、加工負荷によって変形しないように、ガラス基板に
十分な厚み(例えば、1.5mm)が必要であった。こ
のため、製品たるガラス基板(サブストレート)の肉厚
(例えば、0.7mm)にするためには、ガラス基板の
取り代が多くなるため、ラッピングや研磨(ポリッシン
グ)に長い加工時間が必要であった。また、遊離砥粒を
用いるラッピングは、局部的な砂目(ピット)が必ず発
生するため、完全にピットを除去するためには、ポリッ
シングによる取り代が少なくとも50〜60μm必要で
あった。以上のことから、原材料費、加工設備費及び加
工消耗材料費が嵩むため、製品たるガラス基板(サブス
トレート)の価格を低減させることが困難であった。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】 本発明は、このよう
な従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、
その目的とするところは、従来よりもガラス基板の平面
度および反りを高精度に制御することにより、加工工程
を短縮し、ガラス基板(ブランク)の肉厚を極限まで薄
くすることができるため、原材料費、加工設備費、加工
消耗材料費、加工時間等の大幅な節減が可能となり、結
果として、ガラス基板の製品価格を大幅に低減すること
に寄与することができるガラス基板の作製方法を提供す
るものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】 すなわち、本発明によ
れば、溶融ガラスをドーナツ状にプレス成形するプレス
成形工程と、当該プレス成形工程により得られたガラス
基板の一面又は両面より、押圧部材にてガラス基板の全
体に均等に圧力をかけて焼成する結晶化処理工程と、当
該結晶化処理工程により得られたガラス基板と加工用砥
石とを同時に高速で回転させてガラス基板の内外径加工
するチャンファリング工程と、当該チャンファリング工
程により得られたガラス基板の両平面に対し、固定砥粒
による脆性破壊加工又は塑性変形加工を施す粗研削工程
と、当該粗研削工程により得られたガラス基板の両表面
に対し、脆性破壊加工と塑性変形加工とを順次連続的に
行うノンドレス研削加工を施す精研削工程と、当該精研
削工程で得られたガラス基板の両表面をポリッシングす
るポリッシング工程と、を備えたことを特徴とするガラ
ス基板の作製方法が提供される。
【0010】 また、本発明のガラス基板の作製方法
は、次のような形態であることが好ましい。 結晶化処理工程において、当該押圧部材が、所定の
重量を有する重りであり、当該ガラス基板を上端に開口
部を有する焼成用容器内に水平に積み重ね、当該押圧部
材を上端に位置するガラス基板に載せ、当該押圧部材が
当該開口部を閉塞した状態で焼成を行うことにより、ガ
ラス基板の反りを10μm以下に修正することができる
こと。 チャンファリング工程において、内径加工用砥石及
び外径加工用砥石の周速をそれぞれ1200〜1000
0m/分の範囲内とし、かつ、ガラス基板の内径加工部
の周速と当該内径加工用砥石の周速の比、および当該ガ
ラス基板の外径加工部の周速と当該外径加工用砥石の周
速の比を、いずれも1/10〜1/100の範囲内とし
たこと。 精研削工程において、被加工物たるガラス基板の両
平面を片面ずつ順番にそれぞれ研削加工し、各研削面に
残留する加工歪を略同等量にすることにより、当該研削
加工後のガラス基板の平面度を10μm以下に維持する
ことができること。
【0011】
【発明の実施の形態】 本発明のガラス基板の作製方法
は、溶融ガラスをドーナツ状にプレス成形するプレス成
形工程と、当該プレス成形工程により得られたガラス基
板の一面又は両面より、押圧部材にてガラス基板の全体
に均等に圧力をかけて焼成する結晶化処理工程と、当該
結晶化処理工程により得られたガラス基板と加工用砥石
とを同時に高速で回転させてガラス基板の内外径加工す
るチャンファリング工程と、当該チャンファリング工程
により得られたガラス基板の両平面に対し、固定砥粒に
よる脆性破壊加工又は塑性変形加工を施す粗研削工程
と、当該粗研削工程により得られたガラス基板の両表面
に対し、脆性破壊加工と塑性変形加工とを順次連続的に
行うノンドレス研削加工を施す精研削工程と、当該精研
削工程で得られたガラス基板の両表面をポリッシングす
るポリッシング工程を備えたものである。
【0012】 以下、図面に基づき本発明を詳細に説明
する。図8は、本発明のガラス基板の作製方法を示すフ
ローチャートである。本発明のガラス基板の作製方法
は、まず最初に、プレス成形工程により、溶融ガラスか
らドーナツ状のガラス基板を作製する。これにより、ガ
ラス基板の内孔部を切断して内孔を開ける処理を行う必
要がないため、ガラス基板の欠けや割れ等の表面欠陥を
解消することができる。
【0013】 次に、プレス成形工程により得られたガ
ラス基板(ブランク)の結晶化処理工程を行う。ここ
で、結晶化処理は、非晶質ガラスを再加熱して微細結晶
をガラス中に析出させることにより、非晶質ガラスを結
晶化ガラスにする処理である。このとき、ガラス基板の
両面に、平面度、平行度の良好なカーボン板を挟み、押
圧部材にてガラス基板全体に均等に加圧するとともに、
ガラス基板の上下面、及び内径部、外径部をほぼ均一の
温度にするため、当該押圧部材として、熱の伝搬機構で
ある伝導、対流、輻射による良好な熱伝搬を考慮して、
外周部に多数のフィンを設けた押圧部材(フィンウエイ
ト)を用いることが好ましい。これにより、プレス成形
工程で発生したガラス基板の反りおよび結晶化による収
縮で発生したガラス基板の反りやねじれを確実に修正す
ることができるため、ガラス基板の反りを10μm以
下、更には5μm以下に修正することができる。また、
焼成用容器内の温度の昇降を速やかに行うことができる
ため、結晶化されたガラス基板の平面度を向上させるこ
とができる。更に、焼成用容器内の温度分布を均一化す
ることができるため、結晶化されたガラス基板の平面度
のばらつきを小さくすることができる。
【0014】 上記の結晶化処理工程は、例えば、図1
に示すように、押圧部材を所定の重量を有する重り6と
し、ガラス基板2を上端に開口部7を有する焼成用容器
1内に水平に積み重ねた状態で、上記重り6を上端に位
置するガラス基板に載せ、上記重り6が上記開口部7を
閉塞した状態で焼成を行うものである。このとき、重り
6は、図1に示すように、端面の面積が上記開口部7の
面積より小さい柱状部8から、上記柱状部8の軸方向に
沿って、適宜な間隔にて上記開口部7と同じ形状を有す
る複数のつば9を突出させた形状を有するフィンウエイ
トを用いることが、好ましい。
【0015】 続いて、結晶化処理工程で得られたガラ
ス基板のチャンファリング工程を行う。上記のチャンフ
ァリング工程は、例えば、図2に示すように、ガラス基
板11とガラス基板11を固定するワークテーブル1
2、ガラス基板11をチャンファー加工する内径加工用
砥石13及び外径加工用砥石14をそれぞれ所定の位置
に配置し、ガラス基板11と内径加工用砥石13と及び
外径加工用砥石14を同時に高速で回転させることによ
り、ガラス基板11の内外径加工を行うものである。
【0016】 このとき、内径加工用砥石及び外径加工
用砥石の周速をそれぞれ1200〜10000m/分の
範囲内とし、かつ、ガラス基板の内径加工部の周速と当
該内径加工用砥石の周速の比、および当該ガラス基板の
外径加工部の周速と当該外径加工用砥石の周速の比を、
いずれも1/10〜1/100の範囲内に設定すること
が重要である。このような加工条件を設定することによ
り、砥石13,14にかかる負荷と熱衝撃を小さくし
て、偏摩耗を防止することができる。また、ガラス基板
11にかかる負荷も小さくなることから、発生するチッ
ピングの深さ(図4参照)を、加工速度を遅くすること
なく、従来の1/2〜1/4以下の約25μm以下に抑
制することができるため、チャンファー加工後の両面研
磨代を薄くすることができ、形成したチャンファー形状
が一定する、研磨に要する時間および設備・消耗品コス
トの低減が図れる。
【0017】 更に、図3に示すように、ガラス基板1
1と内径加工用砥石13をそれぞれ同方向に回転させ、
外径加工用砥石14は、ガラス基板11と逆方向に回転
させる、即ち、ガラス基板11の回転方向に対して、砥
石13,14が、それぞれ、いわゆるつれ周りの関係と
なるように、チャンファー加工条件を設定することが、
ガラス基板11のチッピングの発生を防止する上で好ま
しい。
【0018】 次に、チャンファリング工程により得ら
れたガラス基板の粗研削工程を行う。上記の粗研削工程
は、例えば、ガラス基板の両面に対し、ダイヤモンドペ
レット定盤を用いたペレット研削やダイヤモンドカップ
砥石によるロータリ平面研削を行うことにより、精研削
の前に、ガラス基板(ブランク)を製品たるガラス基板
(サブストレート)の肉厚にある程度近づけることが目
的である。このとき、上記の方法を用いることにより、
従来の粗ラッピングと比較して、ガラス基板の加工面粗
さを5μm以下と浅くすることができるため、次の精研
削工程における精研削量を大幅に削減することができ
る。以上のことから、精研削工程への負担が軽減され、
精研削加工時間を短縮することが可能となり、結果的に
ガラス基板の低価格化を図ることができる。
【0019】 続いて、粗研削工程により得られたガラ
ス基板の精研削工程を行う。上記の精研削工程は、例え
ば、図5〜6に示すように、円盤状のワーク定盤26の
回転中心Pが、円盤状の加工用カップ砥石22の円周上
になるように配置されるとともに、ガラス基板40が、
ワーク定盤26の回転中心Pとガラス基板30の中心Q
が一致するように載置され、ワーク定盤26上のガラス
基板30に対する加工用カップ砥石32の接触部分であ
る研削面42(接触弧d−d’)が、ワーク定盤26の
回転中心Pを軸として、図7に示すような放射状の軌跡
44を一定に描くように、加工用カップ砥石22とワー
ク定盤26との間隔及び加工用カップ砥石22およびワ
ーク定盤26のそれぞれの回転数をそれぞれ制御しなが
ら相対的に摺動させることにより、ガラス基板40の両
表面を脆性破壊加工と塑性変形加工とを順次連続的に行
うノンドレス研削加工を行うものである。
【0020】 このような研削加工を行う理由は、極め
て高い平面度を得ることができる脆性破壊加工による研
削方法の欠点であった研削加工面の凹凸部の高低差の増
大を解消するために、脆性破壊加工に続いて塑性変形加
工を適宜付加することが有効であることを見出したから
である。
【0021】 ここで、研削加工において塑性変形が生
じると、加工歪が著しく増大することがあるため、この
加工歪の発生を抑制するためには、塑性変形による研削
量を多くとも5μm以下に抑えることが好ましい。そこ
で、この塑性変形加工によるガラス基板40の平面度の
低下を防ぐ方法として、得られるガラス基板40の研削
加工面に残る研削軌跡44が、図7(b)に示すような
中心から外周方向に向かって広がる放射状曲線となるこ
とが好ましい。
【0022】 また、ワーク定盤26の回転数を加工用
カップ砥石22の回転数の20〜40%あるいは60〜
80%の範囲とすることが好ましい。これは、上記の条
件において、脆性破壊加工を主とする研削機構であっ
て、脆性破壊加工と塑性変形加工とを順次連続的に行う
ことができ、もっとも加工精度が優れているからであ
る。
【0023】 以上のことから、精研削工程は、被研削
材であるガラス基板の表面に対する研削抵抗及び固定砥
粒の軌跡を一定に保持することにより、研削加工時にお
けるピットの発生及び不規則な反りの発生を抑制するこ
とができるため、平面度が10μm以下に保持されたガ
ラス基板が得られるとともに、加工精度、加工効率が向
上し、加工コストを低減することができる。
【0024】 また、精研削工程により得られたガラス
基板の研削加工面における凹凸部の高低差を5μm以下
と浅くすることができるため、次のポリッシング工程に
おける研磨量を両面で10μm程度に抑制することがで
きる。これにより、ポリッシング工程への負担が軽減さ
れ、加工コストを低減することが可能となり、結果的に
ガラス基板の低価格化を図ることができる。
【0025】 最後に、精研削工程で得られたガラス基
板は、製品に要求されるガラス基板特性に満足するよう
に、ガラス基板の両表面をポリッシング(精研磨)する
ポリッシング工程を行うことにより、製品たるガラス基
板(サブストレート)が作製される。尚、ポリッシング
工程では、特に限定されないが、例えば、酸化セリウム
砥粒(0.6μm)を用いたSUBA−800(商品
名)のパッド上でガラス基板をポリッシングすることが
好ましい。
【0026】 上述した本発明のガラス基板の作製方法
をフローチャートで示すと図8のように表され、製品た
るガラス基板(サブストレート)の完成までの工程は、
従来の方法(図9参照)と比較して極端に短縮される。
しかも、ガラス基板の作製工程中、最も加工時間が長く
かかり、設備コストの嵩むラッピング工程が省略するこ
とができるため、加工設備費および加工時間等を大幅に
節減することができる。更に、従来よりもガラス基板の
平面度および反りを高精度に制御することにより、各工
程での取り代が少なくて済むため、ガラス基板(ブラン
ク)の肉厚を極限まで薄くすることができ、これによ
り、原材料費、加工消耗材料費等の大幅な節減が可能で
ある。以上のことから、製品であるガラス基板(サブス
トレート)の価格を大幅に低減することに寄与すること
ができる。
【0027】
【実施例】 以下、本発明の実施例を示すが、本発明は
これに限定されるものではない。 (実施例1〜2、比較例1)図8に示すフローチャート
に基づいて、表1〜2に示す条件で製品たるガラス基板
(サブストレート)の作製を行った。その結果を表6〜
8に示す。また、図8の粗研削工程を粗ラッピング工程
に変更した場合について、表1及び表3に示す条件で製
品たるガラス基板(サブストレート)の作製を行った
(比較例1)。その結果を表6〜9に示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】(比較例2〜3)図9に示すフローチャー
トに基づいて、表4〜5に示す条件で製品たるガラス基
板(サブストレート)の作製を行った(比較例2〜
3)。その結果を表6〜9に示す。
【0032】
【表4】
【0033】
【表5】
【0034】
【表6】
【0035】
【表7】
【0036】
【表8】
【0037】
【表9】
【0038】(考察:実施例1〜2、比較例1〜3)表
6〜7に示すように、本発明のガラス基板の作製方法
(実施例1〜2)は、従来のガラス基板の作製方法(比
較例2〜3)と比較して、プレス成形により得られたガ
ラス基板(ブランク)の肉厚が、製品たるガラス基板
(サブストレート)に近い肉厚(例えば、0.85m
m)であっても、結晶化処理工程を行うことにより、プ
レス成形時や結晶化処理時に生じた反りを5μm以下に
修正できることが判明した。これにより、主に反り(平
面度)を解消するために行われていたラッピング工程を
行う必要がなく、プレス成形により得られたガラス基板
(ブランク)の肉厚を、製品たるガラス基板(サブスト
レート)に近い肉厚(例えば、0.85mm)にするこ
とができるため、高価なガラス基板の原料を4割削減す
ることができた。
【0039】 また、本発明のガラス基板の作製方法
(実施例1〜2)は、ラッピングの代わりに粗研削及び
精研削を行うことにより、研削加工時におけるピット及
び反りの発生を防止することができるため、従来のガラ
ス基板の作製方法(比較例2〜3)と比較して、ポリッ
シング時のガラス基板の取り代を1/5〜1/6程度に
できた。
【0040】 表8に示すように、本発明のガラス基板
の作製方法(実施例1〜2)は、従来のガラス基板の作
製方法(比較例2〜3)と比較して、全工程におけるガ
ラス基板の取り代および作製時間を大幅に低減すること
ができるとともに、製品たるガラス基板(サブストレー
ト)の品質も良好であった。尚、面粗度(Ra)は、J
IS B0601「表面粗さ−定義及び表示」に記載の
算術平均粗さ(Ra)と同一のものである。
【0041】 また、表9に示すように、精研削を行う
前に、粗研削を行った場合(実施例1〜2)と、粗ラッ
ピングを行った場合(比較例1)とを比較すると、粗研
削を行った場合(実施例1〜2)のほうが、ガラス基板
の加工面粗さ(Ry及びRz)が良好であり、精研削工
程での精研削量を低減することができるため、精研削時
間を大幅に短縮することができた。尚、ガラス基板の加
工面粗さ(Ry及びRz)は、JIS B0601「表
面粗さ−定義及び表示」に記載の最大高さ(Ry)と十
点平均粗さ(Rz)と同一のものである。
【0042】 更に、表8の実施例1〜2、比較例1及
び比較例3におけるガラス基板の作製時間(全工程)
を、25円/1分で換算すると、表10のようになる。
表10から明らかに分かるように、比較例に比し、実施
例によれば、大幅なコスト削減が図れた。
【0043】
【表10】
【0044】
【発明の効果】 以上説明したように、本発明のガラス
基板の作製方法によれば、従来よりもガラス基板の平面
度および反りを高精度に制御することにより、加工工程
を短縮し、ガラス基板の肉厚を極限まで薄くすることが
できるため、原材料費、加工設備費、加工消耗材料費、
加工時間等の大幅な節減が可能となり、結果として、ガ
ラス基板の製品価格を大幅に低減することに寄与するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のガラス基板の作製方法における結晶
化処理工程の一例を示す模式断面図である。
【図2】 本発明のガラス基板の作製方法におけるチャ
ンファリング工程の一例を示す模式断面図である。
【図3】 本発明のガラス基板の作製方法におけるチャ
ンファリング工程のガラス基板と砥石の回転方向を示す
説明図である。
【図4】 ガラス基板のチャンファリング工程において
発生するチッピングを示す説明図である。
【図5】 本発明のガラス基板の作製方法における精研
削工程の一例を示す模式断面図である。
【図6】 図5の模式正面図である。
【図7】 本発明のディスク基板の作製方法における精
研削工程による加工用定盤とワーク定盤(ディスク基
板)との位置関係を示したものであり、(a)は、概略
説明図、(b)は、ディスク基板への加工用定盤の研削
面の軌跡を示したイメージ図である。
【図8】 本発明のガラス基板の作製方法を示すフロー
チャートである。
【図9】 従来のガラス基板の作製方法を示すフローチ
ャートである。
【符号の説明】
1…焼成用容器、2…ガラス基板、3…円盤状の重り、
4…ハニカムプレート、5…SUS製の重り、6…重り
(フィンウエイト)、7…開口部、8…柱状部、9…つ
ば、11…ガラス基板、12…ワークテーブル、13…
内径加工用砥石、14…外径加工用砥石、15…スピン
ドル、16…加工溝、17…チャンファー加工部、18
…ガラス基板、19…チッピング、22…加工用カップ
砥石、24…回転軸(加工用カップ砥石)、26…ワー
ク定盤、28…回転軸(ワーク定盤用)、30…ベルト
プーリ(Vベルト)、32…モータ(ワーク定盤用)、
40…ディスク基板、42…加工用カップ砥石の研削
面、44…放射状曲線の軌跡。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融ガラスをドーナツ状にプレス成形す
    るプレス成形工程と、 当該プレス成形工程により得られたガラス基板の一面又
    は両面より、押圧部材にてガラス基板の全体に均等に圧
    力をかけて焼成する結晶化処理工程と、 当該結晶化処理工程により得られたガラス基板と加工用
    砥石とを同時に高速で回転させてガラス基板の内外径加
    工するチャンファリング工程と、 当該チャンファリング工程により得られたガラス基板の
    両平面に対し、固定砥粒による脆性破壊加工又は塑性変
    形加工を施す粗研削工程と、 当該粗研削工程により得られたガラス基板の両表面に対
    し、脆性破壊加工と塑性変形加工とを順次連続的に行う
    ノンドレス研削加工を施す精研削工程と、 当該精研削工程で得られたガラス基板の両表面をポリッ
    シングするポリッシング工程と、を備えたことを特徴と
    するガラス基板の作製方法。
  2. 【請求項2】 当該結晶化処理工程において、 当該押圧部材が、所定の重量を有する重りであり、 当該ガラス基板を上端に開口部を有する焼成用容器内に
    水平に積み重ね、 当該押圧部材を上端に位置するガラス基板に載せ、当該
    押圧部材が当該開口部を閉塞した状態で焼成を行うこと
    により、ガラス基板の反りを10μm以下に修正するこ
    とができる請求項1に記載のガラス基板の作製方法。
  3. 【請求項3】 当該チャンファリング工程において、 内径加工用砥石及び外径加工用砥石の周速をそれぞれ1
    200〜10000m/分の範囲内とし、かつ、 ガラス基板の内径加工部の周速と当該内径加工用砥石の
    周速の比、および当該ガラス基板の外径加工部の周速と
    当該外径加工用砥石の周速の比を、いずれも1/10〜
    1/100の範囲内とした請求項1に記載のガラス基板
    の作製方法。
  4. 【請求項4】 当該精研削工程において、 被加工物たるガラス基板の両平面を片面ずつ順番にそれ
    ぞれ研削加工し、各研削面に残留する加工歪を略同等量
    にすることにより、当該研削加工後のガラス基板の平面
    度を10μm以下に維持することができる請求項1に記
    載のガラス基板の作製方法。
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