JPH11345850A - 絶縁膜評価方法および装置 - Google Patents

絶縁膜評価方法および装置

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JPH11345850A
JPH11345850A JP10150944A JP15094498A JPH11345850A JP H11345850 A JPH11345850 A JP H11345850A JP 10150944 A JP10150944 A JP 10150944A JP 15094498 A JP15094498 A JP 15094498A JP H11345850 A JPH11345850 A JP H11345850A
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健治 岡田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短時間に精度の高いゲート酸化膜寿命の推定
を行なう。 【解決手段】 判定電圧Vmと判定AモードSILC電
流量Imとを設定する(ステップ71)。評価用ストレ
ス印加条件およびストレス印加時間ttotalを設定する
(ステップ72)。設定したストレス条件で絶縁膜に対
してストレス試験を実施する(ステップ73)。ストレ
ス試験終了後、ストレス試験中に記録しておいた各スト
レス印加時間tにおけるAモードSILC電流量IA
A=a×tbの関係式に代入し、フィッティングを実行
する(ステップ74)。2つのストレス電界におけるa
値およびb値を求め、2つの異なるストレス電界におけ
る寿命tの関係を式t2= (a1/a2)×t1で表現す
る。ここで、a1およびt1は、それぞれ、第1のストレ
ス電界におけるa値および寿命であり、a2およびt
2は、それぞれ、第2のストレス電界におけるa値およ
び寿命である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は絶縁膜評価方法およ
び絶縁膜評価装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体集積回路装置の集積度の向
上に伴って、素子のサイズは縮小の一途をたどってい
る。超LSIの分野でゲート絶縁膜として用いられるシ
リコン酸化膜(SiO2)の厚さは10nmを下回って
おり、その信頼性の評価が以前にもまして重要になって
きている。ゲート絶縁膜の信頼性を評価する方法とし
て、定電圧ストレス印加方法および定電流ストレス印加
方法が広く用いられている。
【0003】図32を参照しながら、従来の定電圧スト
レス印加方法を最初に説明する。
【0004】まず、ステップS50で、評価用としてあ
らかじめ設定された任意の電圧V0、判定電流量I0、お
よび、測定を行なう試料の個数Nを設定する。
【0005】次に、ステップS51で、複数の試料の中
から選択された最初の試料へ測定用プローブ端子を移動
させる。
【0006】次に、ステップS52で、評価用電圧V0
を試料の絶縁膜に供給する。そして、ステップS53
で、評価用電圧V0の供給状態をt1秒間保持したのち、
ステップS54で、電流量Iを測定する。ステップS5
5で、電流量Iの大きさから絶縁破壊が発生したかどう
かの判定を行う。たとえば、電流量Iの絶対値が判定電
流量I0の絶対値よりも大きい場合に絶縁破壊が発生し
たと判定する。
【0007】ステップS55で、絶縁破壊が発生してい
ないと判定された場合、ステップS53に戻り、絶縁膜
に絶縁破壊が発生するまでステップS53、ステップS
54、およびステップS55の操作を繰り返す。
【0008】ステップS55で、絶縁破壊が発生してい
ると判定された場合には、ステップS56で、評価用電
圧V0供給開始から絶縁破壊が発生するまでに要した所
要時間tを記録する。
【0009】N個の試料について測定を終了した場合に
は(ステップS57)、ステップS58で、N個の試料
について測定された所要時間tを統計的に処理し、これ
らの試料についての絶縁破壊時間tBDを算出する。統計
的な処理方法としては、一般にワイブルプロットと呼ば
れる手法が用いられている。以下に、その手法を説明す
る。
【0010】まず、累積不良率Fから算出される指数W
を、logスケールのストレス印加時間tに対してプロ
ットする。ここで、累積不良率Fは、ある時間までに絶
縁破壊した試料の個数の割合を示し、ストレス印加時間
tは、評価用電圧V0印加時間を示す。すると、指数W
は以下の式(1)により計算される。
【0011】 W=ln[ln{1/(1−F)}] 式(1) このようにして算出されたWとtとは、上記ワイブルプ
ロットを行なうことによって直線的な関係を有すること
が経験的に知られており、絶縁膜の寿命を簡便に知る方
法として使用されている。測定の結果得られたデータを
ワイブルプロットし、たとえばF=50%になるときの
ストレス印加時間を求める。次に、これを絶縁膜の50
%絶縁破壊寿命tBDまたはt50して記述する。
【0012】ステップS57でN個の試料についての測
定を終了していない場合には、次の試料へ移動し(ステ
ップS59)、ステップS52に戻り、N個の試料をす
べて測定するまで、ステップS52からステップS59
までの各操作を繰り返す。
【0013】測定個数Nは、通常、20から100であ
る。これは、個々の測定におけるt値が統計的な分布を
有するため、数回程度の測定によって得られたt値に基
づいては、その分布を正確に知ることが不可能だからで
ある。
【0014】このようにして得られるtBDは、絶縁膜の
絶縁破壊に要する時間を表している。そのため、t
BDは、絶縁膜の品質を定量的に検証して比較・検討する
ためや、品質保証を示す情報としては最適であり、絶縁
膜質・信頼性を表現する指標として広く用いられてい
る。
【0015】次に、図33を参照しながら、従来の定電
流ストレス印加方法を説明する。
【0016】まず、ステップS60で、評価用としてあ
らかじめ設定された任意の電流量I0、判定電圧V0、お
よび、測定を行なう試料の個数Nを設定し、ステップS
61で初めの試料へと移動する。
【0017】次に、ステップS62で、評価用電流I0
を絶縁膜に供給する。そして、評価用電流I0の供給状
態をt1秒間保持したのち(ステップS63)、ステッ
プS64で電圧値Vを測定し、ステップS65で絶縁破
壊が発生したかどうかの判定を行う。たとえば電圧値V
の絶対値が判定電圧V0の絶対値よりも小さいときに
は、絶縁破壊が発生したと判定する。ステップS65
で、絶縁破壊が発生していないと判定される場合には、
ステップS62に戻り、絶縁膜に絶縁破壊が発生するま
でステップS63からステップS65までの操作を繰り
返す。
【0018】ステップS65で絶縁破壊が発生している
と判定された場合には、ステップS66で、評価用電流
0供給開始から絶縁破壊が発生するまでに要した所要
時間をtとして記録する。N個の試料について測定を終
了した場合には(ステップS67)、N個の試料につい
ての各所要時間tを統計的に処理することにより、これ
らの試料における絶縁破壊時間tBDをおよび絶縁破壊ま
での総注入電荷量QBDを算出する(ステップS68)。
絶縁破壊時間tBDの算出には、前述のワイブルプロット
が一般に用いられる。ここで、QBDはtBDと評価用電流
0の積を面積Sで割った値として定義される。
【0019】ステップS67で、N個の試料について測
定を終了していない場合には、ステップS69で、次の
試料へ移動し、N個の試料のすべてについて測定を終了
するまでステップS62からステップS69までの操作
を繰り返す。この場合も、測定個数Nは、20から10
0程度である。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】従来の絶縁膜信頼性評
価方法によれば、測定個数Nが通常20から100程度
であるため、多数の試料を用意することが必要になると
ともに、膨大な測定時間を必要とするという問題点を有
している。測定個数をN個とすると、その測定誤差は一
般に(N1/2)/Nに比例することが知られており、測
定個数が少ない場合にはその測定結果は十分に信用でき
ないものとなる。そこで、測定結果の信頼性を上げるた
めには、測定個数を多くすることが必要となるが、測定
に要する時間も増大してしまい、また、測定用に多数の
試料を用意することが必要となる。
【0021】本発明はかかる点に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、測定結果の信頼性を低
下させることなく、測定に要する時間および試料数を抑
制することが可能となる絶縁膜評価方法および装置を提
供することにある。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明による絶縁膜評価
方法は、第1の絶縁膜に第1の電気的ストレスを印加す
る第1ストレス印加工程と、前記第1の絶縁膜に対して
Aモードストレス誘起リーク電流量の時間変化を測定す
る第1測定工程と、第2の絶縁膜に前記第1の電気的ス
トレスのレベルとは異なるレベルの第2の電気的ストレ
スを印加する第2ストレス印加工程と、前記第2の絶縁
膜に対してAモードストレス誘起リーク電流量の時間変
化を測定する第2測定工程と、前記第1測定工程の結果
と前記第2測定工程の結果に基づいて、絶縁膜寿命の電
界依存性を決定する決定工程とを包含する。
【0023】前記決定工程は、前記第1測定工程および
前記第2測定工程によって得られた結果に、ストレス印
加時間tにおけるAモードストレス誘起リーク電流量I
A=a×tbの関係式を適用することによって、前記第1
の電気的ストレス印加時のパラメータa(=a1)と、
前記第2の電気的ストレス印加時のパラメータa(=a
2)とを決定する工程を含んでいてもよい。
【0024】前記第1の電気的ストレス印加時の寿命t
1を求める工程と、前記寿命t1を式t2= (a1/a2
×t1に代入することによって、前記第2の電気的スト
レス印加時の寿命t2を推定する工程とを更に包含して
もよい。
【0025】前記第1の電気的ストレス印加時の寿命t
1を求める工程と、cを定数とし、bを前記第1の電気
ストレス印加時のb値と前記第2の電気ストレス印加時
のb値とによって定まる規定値とした場合の式t2
(a1/a2c/b×t1に前記寿命t1を代入することに
よって、前記第2の電気的ストレス印加時の寿命t2
推定する工程とを更に包含してもよい。
【0026】前記規定値bは、前記第1の電気ストレス
印加時のb値と前記第2の電気ストレス印加時のb値と
の平均値であってもよい。
【0027】前記決定工程は、前記第1測定工程および
前記第2測定工程によって得られた結果をlog−lo
gスケールグラフ上にプロットし、前記第1および第2
の電気的ストレスに対応するデータを示す直線を前記グ
ラフ上に記載する工程と、前記直線と任意のある値を示
すAモードSILC電流量IXに対応する水平直線との
二つの交点からグラフ横軸(時間軸)に対して2本の垂
線を引き、前記垂線と時間軸との交点から時間tq1およ
びtq2を求め、cを定数とし、前記第1の電気的ストレ
ス印加時の寿命t1および前記第2の電気的ストレス印
加時の寿命t2との間に成立する関係式t2=(tq2/t
q1c×t1を決定する工程とを含んでいてもよい。
【0028】前記決定工程は、前記第1測定工程および
前記第2測定工程によって得られた結果をlog−lo
gスケールグラフ上にプロットし、前記第1および第2
の電気的ストレスに対応するデータを示す直線を前記グ
ラフ上に記載する工程と、前記直線と任意のある値を示
すAモードSILC電流量IXに対応する水平直線との
二つの交点からグラフ縦軸に平行な線に対して傾きcの
直線を引き、前記グラフ縦軸に平行な線と前記傾きcの
直線との交点からAモードSILC電流量Iq1およびI
q2を求め、前記第1の電気的ストレス印加時の寿命t1
および前記第2の電気的ストレス印加時の寿命t2との
間に成立する関係式t2=(Iq1/Iq2)×t1を決定す
る工程とを含んでいてもよい。
【0029】前記第1の電気的ストレス印加時の寿命t
1を求める工程と、前記寿命t1を前記関係式に代入する
ことによって、前記第2の電気的ストレス印加時の寿命
2を推定する工程とを更に包含してもよい。
【0030】前記第1の電気的ストレス印加時の寿命t
1を求める工程は、複数の試料について、その試料に含
まれる絶縁膜に電気的ストレスを印加するストレス印加
工程と、各試料について、Aモードストレス誘起リーク
電流量をモニタし、前記絶縁膜の絶縁破壊が生じるとき
の前記Aモードストレス誘起リーク電流量の値を測定す
る工程と、測定された前記Aモードストレス誘起リーク
電流量の複数の値を統計的に処理することによって、前
記Aモードストレス誘起リーク電流量の絶縁破壊しきい
値を決定するしきい値決定工程とを包含してもよい。
【0031】前記第1の電気的ストレス印加時の寿命t
1を求める工程は、前記第1の絶縁膜と同種の絶縁膜に
前記第1の電気的ストレスと同一レベルの電気的ストレ
スを印加する工程と、Aモードストレス誘起リーク電流
量を測定する工程と、前記Aモードストレス誘起リーク
電流量の測定値と、前記Aモードストレス誘起リーク電
流量の絶縁破壊しきい値に基づいて決められた判定値と
の関係に基づいて、前記第1の絶縁膜の寿命を推定する
寿命推定工程とを包含してもよい。
【0032】前記第1の電気的ストレス印加時の寿命t
1を求める工程は、前記第1の絶縁膜と同種の絶縁膜に
前記第1の電気的ストレスと同一レベルの電気的ストレ
スを印加する工程と、前記絶縁膜の絶縁破壊を生じるま
で前記電気的ストレスの印加を続け、それによって前記
絶縁膜の寿命を測定する工程とを包含してもよい。
【0033】本発明による絶縁膜評価装置は、前記絶縁
膜評価方法を実するための絶縁膜評価装置であって、評
価対象の絶縁膜が形成された試料を保持するホルダと、
ホルダ上に置かれた試料に電気的に接触するプローブ
と、プローブを介して試料に電気的ストレスを印加し、
電流・電圧の測定を実行するための測定部とを備えてい
る。
【0034】前記測定部によって得られたデータを解析
するための解析部を更に備えていることが好ましい。
【0035】
【発明の実施の形態】ゲート酸化膜の厚さが約6nm程
度以下になると、2つのモードのストレス誘起リーク電
流(Stress Induced Leakage Current:以下、「SIL
C」と称する)が観察されることが知られている(K. O
kada, S. Kawasaki and Y. Hirofuji:Extended Abstru
cts of the 1994 International Conference on SOLID
STATEDEVICES AND MATERIALS (1994) p.565)。これら
2つのモードの電流は、それぞれ「Aモードストレス誘
起リーク電流」および「Bモードストレス誘起リーク電
流」と呼び、区別される。本願明細書では、Aモードス
トレス誘起リーク電流を「A−SILC」と称し、Bモ
ードストレス誘起リーク電流を「B−SILC」と称す
ることとする。
【0036】図1は、本発明の絶縁膜評価方法に使用さ
れるMOSキャパシタの一例の断面構造を示している。
このMOSキャパシタは、P型の単結晶シリコン基板1
上に形成された厚さ4.3nmのゲート酸化膜(面積
0.01mm2)2と、そのゲート酸化膜2上に形成さ
れたゲート電極3とを備えている。ゲート電極3の側面
には絶縁性のサイドウォール4が設けられている。ゲー
ト酸化膜2はシリコン基板1の表面を熱酸化することに
よって形成され、ゲート電極3は、例えば、CVD法で
堆積した多結晶シリコン膜をパターニングすることによ
って形成される。
【0037】シリコン基板1およびゲート電極3は、そ
れぞれ、絶縁膜評価装置5の測定部に電気的に接続され
る。このようなMOSキャパシタのゲート電極3に負電
圧を繰り返し印加することによって、ゲート絶縁膜2に
電気的なストレスを与えることができる。
【0038】図2は、図1のMOSキャパシタを用い
て、そのゲート絶縁膜2に電気的ストレスを与えた場合
に測定される、「電流−電圧特性」の変化を示してい
る。この電流−電圧特性は、ゲート電極3に負電圧を可
変的に印加しながら、シリコン基板1からゲート絶縁膜
2を介してゲート電極3へ流れるリーク電流(以下、
「ゲート電流」と称する場合がある)を測定することに
よって得られる。電流−電圧特性の測定は、前述のスト
レス印加を時折中断して実行される。
【0039】図2のグラフには、典型的なA−SILC
およびB−SILCが観測されている。ストレス印加前
の初期特性では、ファウラー・ノードハイム(FN)ト
ンネル電流、および直接トンネル電流が支配的である
が、ストレス印加を開始すると、まず、A−SILCが
観察されるようになる。A−SILCは、ストレス印加
時間の経過とともに連続的に増大する。さらにストレス
印加を継続すると、やがて、より大きな電流レベルを有
するB−SILCが観察されるようになる。A−SIL
Cはストレス印加時間の経過に伴って連続的に増大する
のに対し、B−SILCは突然不連続に現れる。さらに
ストレス印加を継続することによって、完全な絶縁破壊
に至る。この完全絶縁破壊は、厚さが10nm程度を越
える比較的に厚い絶縁膜で観察される絶縁破壊と同様の
ものである。
【0040】A−SILCは、酸化膜のほぼ全面を流れ
る電流であるのに対し、B−SILCは、数nm〜数1
0nm程度のサイズを有する局所領域を流れる電流であ
る。B−SILCが現れる現象は、絶縁破壊過程の一部
であることがわかっている(K. Okada and S. Kawasak
i:Extended Abstructs of the 1995 InternationalCon
ference on SOLID STATE DEVICES AND MATERIALS (199
5) p.473, およびK.Okada:Extended Abstructs of the
1996 International Conference on SOLIDSTATE DEVIC
ES AND MATERIALS (1996) p.782)。従って、この現象
を部分絶縁破壊(partial-breakdown、以下、p−B
D)と呼び、B−SILC状態から完全に絶縁破壊に至
る反応を完全絶縁破壊(complete-breakdown、以下、c
−BD)と呼んでいる。
【0041】また、B−SILC状態を経ることなく完
全に絶縁破壊に至る場合もある。なお、p−BDを疑似
絶縁破壊(quasi−breakdown)もしくはソフトブレーク
ダウン(soft-breakdown)、B−SILCを疑似絶縁破
壊電流(quasi−breakdown current)と呼ぶこともある
が、本願明細書では、A−SILC、B−SILC、p
−BD、c−BDの用語を用いることにする。
【0042】p−BDの発生によってリーク電流は増大
するが、直ちにデバイスが動作しなくなることはない。
このため、ゲート酸化膜の寿命としては完全絶縁破壊が
発生するまでの時間をとるべきである。しかしながら、
デバイス構造によってはB−SILCのリーク電流でも
動作不良の原因となりうるし、また、リーク電流レベル
の規格の厳しいデバイスについてはp−BDまでの時間
を寿命と考えるべきである。したがって、p−BDまで
の時間を測定もしくは推定することが、デバイス評価の
ために重要となる。そこで、本願明細書においては、p
−BDが発生する現象、およびp−BDを経ることなく
完全絶縁破壊する現象を含めて絶縁破壊と呼ぶことと
し、それまでの時間をゲート酸化膜の寿命と定義し用い
ることとする。
【0043】図3は、図1のMOSキャパシタのゲート
電極3に負の一定電圧(−6V)を印加した場合におけ
る、ゲート電流量の時間変化を示している。この試料に
ついては、ストレス電圧(−6V)の印加開始から41
0秒後にp−BDが発生し、B−SILCが流れ始めて
いる。ストレス電圧が印加された状態でのゲート電流量
はストレス印加時間の経過とともに連続的に増大してい
るが、その変化は、410秒間に0.823μAから
0.889μAへと僅か8%程度の増加に過ぎない。こ
の変化の割合(変化率)は、酸化膜厚が薄くなるほど、
より小さくなることが知られている。したがって、スト
レス印加電圧と同じレベルの電圧がゲート電極に印加さ
れているときのゲート電流の時間変化をモニタするだけ
では、絶縁破壊の発生を予見することは非常に困難であ
る。前述したように、従来の絶縁膜信頼性評価は、この
ようなゲート電流量をモニターするため、実際に絶縁破
壊が発生するまでストレスの印加を続けることが必要と
なり、非常に長い測定時間を要している。
【0044】測定時間を短縮するためにストレス条件を
厳しく、すなわち、評価用電圧の絶対値をより大きくす
るか、もしくはストレス印加時の温度を高くする、など
の方法が用いられている。これは電界もしくは温度加速
試験と呼ばれている。この方法によれば、デバイスの実
使用条件下におけるゲート酸化膜寿命を推定するために
は、ゲート酸化膜寿命が電界もしくは温度によってどの
ように変化するかを知ることが必要になる。そのモデル
としていくつか存在するが、未だにどのモデルが正しい
のか明確になっていないのが現状である。また電界もし
くは温度加速試験により求めた寿命をデバイスの実使用
条件(電界、温度)まで外挿することによって実使用条
件下におけるゲート酸化膜寿命を求めるため、正確な寿
命推定を行うためには、より低電界・低温度で試験を行
うことが求められる。
【0045】以上のように、試験時間を短縮すると推定
寿命の精度が低下するため、精度を上げるためには試験
時間が非常に長くなってしまう原因となっている。
【0046】図4は、厚さ4.3nmのシリコン酸化膜
を有するMOSキャパシタについて定電圧ストレス印加
を行ったときの電流−電圧特性の時間変化を示してい
る。ストレス印加は、MOSキャパシタのゲート電極側
に負一定電圧(−6V)を印加することによって行っ
た。ストレス印加前にはカーブ1で示される特性を示し
ていたが、ストレス印加時間の増加とともに、ゲート電
圧が−2Vから−5V程度までの領域におけるゲート電
流、すなわちA−SILCが連続的に増大し、p−BD
の直前にはカーブ2で示される特性を示している。ゲー
ト電圧が−4Vのときのゲート電流量(A−SILC)
は、2けた以上変化している。
【0047】図5は、ストレス印加時間と、ゲート電圧
が−4Vのときのゲート電流量(A−SILC)との関
係を示している。図5のグラフの縦軸は、上記MOSキ
ャパシタのゲート電極に−4Vの電圧を印加したときの
AモードSILC電流量を示し、横軸はストレス印加時
間を示している。図5に示されるように、ゲート電圧が
−4Vのときのゲート電流量(A−SILC)は、スト
レス印加時間に対して、log−logスケールにおけ
る直線関係にある。
【0048】図6は、異なるストレス条件下での、Aモ
ードSILC電流量(ゲート電圧−4V)の時間変化を
示している。図6のグラフ中においては、絶縁破壊の発
生時間およびそのときのA−SILC電流量を逆三角形
のマーク(▼)で示している。ストレス電界の大きさに
応じて、直線の位置が変化しているが、直線の傾きは変
化していない。さらに、絶縁破壊までのストレス印加時
間は電界強度に応じて変化しているが、絶縁破壊時のA
−SILC電流量は概略一定である。
【0049】図7は、異なる作製プロセスにより形成し
た膜厚3.8nmの3種類のシリコン酸化膜(試料1〜
3)についての、AモードSILC電流量(ゲート電圧
−4V)の時間変化を示している。ストレス印加は、ゲ
ート電極に−6Vの定電圧を印加することによって行っ
た。試料1〜3の作成プロセスの相違点は、ゲート酸化
膜の形成プロセスの差にある。具体的には、酸化炉中に
シリコン基板(シリコンウェハ)を挿入する際の炉の温
度と酸化工程中の炉内雰囲気の組み合わせが異なってい
る。試料1の炉挿入時温度は800℃、酸化雰囲気は酸
素(ドライ酸化)であり、試料2の炉挿入時温度は70
0℃、酸化雰囲気は水蒸気(パイロ酸化)であり、試料
3の炉挿入時温度は500℃、酸化雰囲気は水蒸気(パ
イロ酸化)である。なお、酸化温度は、各試料に共通で
800℃である。図7のグラフ中においても、絶縁破壊
の発生時間およびそのときのA−SILC電流量を逆三
角形のマーク(▼)で示している。作製プロセスの違い
に応じて、直線の位置が変化しているが、直線の傾きは
変化していない。さらに、絶縁破壊までのストレス印加
時間は試料毎に異なるが、絶縁破壊時のA−SILC電
流量はほぼ一定である。
【0050】実際の個々の試料における絶縁破壊寿命に
は多少のばらつきが存在するため、個々の試料における
絶縁破壊時点でのA−SILC電流量にもばらつきが存
在する。
【0051】本願発明者は、上記絶縁破壊時点でのA−
SILC電流量がストレス条件(ストレス電圧およびス
トレス電流の大きさ)やプロセス条件にほとんど依存し
ないことに着目し、その現象を利用して絶縁膜の寿命推
定を行う方法に想到した。具体的には、複数の試料につ
いて、絶縁破壊時点でのA−SILC電流量を実際に測
定し、測定値を統計的に処理することによって、絶縁膜
寿命推定に最適な「絶縁破壊しきい値」を決定する。こ
の「しきい値」を決定する際に測定値のばらつきを考慮
することによって、従来例のように多数の試料の寿命を
実際に測定することなく、統計的に信用できる寿命値を
得ることが可能になる。
【0052】このように本願発明では、上述した極薄絶
縁膜の破壊メカニズムに関する研究成果を基礎とするこ
とにより、測定結果の信頼性を低下させることなく、測
定に要する時間および試料数を抑制できる絶縁膜評価方
法および装置を提供するこができる。
【0053】以下、図面を参照しながら、本発明による
絶縁膜評価方法の実施形態を説明する。
【0054】(第1の実施形態)図8のフローチャート
を参照する。
【0055】本実施形態の絶縁膜信頼性評価方法(定電
圧ストレス法)においては、まず、ステップS1で、判
定電圧Vmと判定AモードSILC電流量Imとを設定
し、ステップS2で、評価用電圧V0を設定する。ここ
で、「判定電圧Vm」は、A−SILC電流量を測定す
るためにゲート電極に印加する電圧であり、例えば、−
4Vである。「判定AモードSILC電流量Im」とし
ては、試料の絶縁膜と同じ種類・同じ膜厚の絶縁膜につ
いて絶縁破壊が生じるときに、その絶縁膜を流れるAモ
ードSILC電流量が用いられ得る。なお、本願明細書
で用いる「絶縁破壊が生じるときのAモードSILC電
流量」という言葉は、単調・連続的に増加するA−SI
LC電流量を有限の時間間隔をおいて測定し、測定値が
突然に大きく増加した場合において、そのような電流量
の大きな増加が実際に測定された時の直前の測定時(電
流量が単調・連続的な増加を示している状態の最後の測
定時)におけるAモードSILC電流量を意味するもの
とする。また、ストレス電圧を実質的に連続に印加して
いる間に絶縁膜を流れる電流を計測し、その電流が急に
増加した時を特定し、それまでに不連続的に計測してき
たAモードSILC電流量の変化を示す直線(または曲
線)を前記特定した時まで延長(外挿)することによっ
て、その特定した時におけるAモードSILC電流量を
「絶縁破壊が生じるときのAモードSILC電流量」と
してもよい。このような絶縁破壊が生じるときに絶縁膜
を流れるAモードSILC電流量を、本願明細書では、
「絶縁破壊しきい値」と称する場合がある。「絶縁破壊
しきい値」は、本実施形態の絶縁膜評価方法を実施する
前に、前もって、後述する方法によって決定されたもの
である。「判定AモードSILC電流量Im」として
は、「絶縁破壊しきい値」の代わりに、「絶縁破壊しき
い値」に比較的に近い値を用いても良い。例えば、絶縁
破壊しきい値の90%ないしは110%の値を「判定A
モードSILC電流量Im」として用いても良い。「評
価用電圧V0」は、ストレス印加工程で絶縁膜に印加す
る電圧であり、例えば、−6Vである。なお、ステップ
S1およびステップS2は、その順序を交換しても良い
ことは言うまでもない。
【0056】なお、ゲート電流量(IG)の中に、Aモ
ードSILC電流量以外の電流(直接トンネル電流やF
N電流)の成分(IG0)が無視できない割合で存在する
場合は、これらの電流量(IG0)をゲート電流量
(IG)から引いた残りの電流量をAモードSILC電
流量として用いても良い。
【0057】ステップS1およびS2の後、ステップS
3で、絶縁膜に評価用電圧V0を供給し、ストレス印加
工程を開始する。そして、評価用電圧V0の供給状態を
1秒間保持したのち(ステップS4)、ステップS5
で、電圧VmにおけるAモードSILC電流量IAを測定
し、ステップS6でIAの絶対値がImの絶対値以上にな
ったかどうかの判定を行う。なお、評価用電圧V0の供
給状態を保持する時間は、一定間隔である必要はなく、
logスケールで増加させていってもよい。
【0058】ステップS6において、IAの絶対値がIm
の絶対値以上になっていないと判定された場合には、ス
テップS4に戻り、ステップS4〜ステップS6の操作
を繰り返す。
【0059】ステップS6において、IAの絶対値がIm
の絶対値以上になっていると判定された場合には、ステ
ップS7で評価用電圧V0供給開始から要した所要時間
をtBDとして記録する。この時間tBDは、評価対象絶縁
膜の寿命に相当している。なぜなら、ストレスの印加時
間の経過にともなって増加するIAの絶対値がImの絶対
値以上になったときに、統計的に有意な確率で絶縁膜の
絶縁破壊が生じるからである。
【0060】このような測定を、1つの試料(1つのM
OSキャパシタ内のゲート絶縁膜)に対して1度だけ実
施することにより、測定対象絶縁膜と同一種類・同一膜
厚の絶縁膜を有する複数の試料全体について、そのtBD
値を得ることができる。ここでいう「複数の試料」は、
上記測定対象となった絶縁膜が形成されたシリコンウェ
ハ内の他の場所に形成された他の絶縁膜を含む。この
「他の絶縁膜」は、測定対象絶縁膜を含むチップとは別
のチップ内に含まれていてもよい。また、測定対象絶縁
膜が形成されたシリコンウェハが経験してきた製造プロ
セスと実質的に同一の製造プロセスを経験してきた他の
シリコンウェハ内に含まれる絶縁膜も上記「複数の試
料」に含まれ得る。上記測定は、ある試料(絶縁膜)に
ついて、現実に絶縁破壊(p−BD)が生じるか、また
は、絶縁破壊が生じると判断し得るレベル程度のAモー
ドSILC電流量IAが測定されるまでストレス印加を
続けている。
【0061】次に、「判定AモードSILC電流量
m」または「絶縁破壊しきい値」の決定方法を説明す
る。
【0062】上記測定方法とほぼ同様にして、MOSキ
ャパシタ内のゲート絶縁膜にストレスを印加し、ゲート
電流量を測定する(モニタする)。そして、実際にゲー
ト絶縁膜が絶縁破壊するまでストレス印加を継続して行
う。ゲート電流の不連続的な増加が観測された場合、観
測時点直前の測定時(電流量が単調・連続的な増加を示
している状態の最後の測定時)点でのゲート電流量、ま
たは、電流量の単調・連続的な増加を表現する直線(ま
たは曲線)を電流の不連続な増加時点の直前にまで外挿
して決定したゲート電流量を、絶縁破壊時点の「Aモー
ドSILC電流量」として記録する。言い換えると、
「絶縁膜が絶縁破壊するとき」のAモードSILC電流
量の値を記録する。この作業を複数の試料について実行
する。試料の数としては、例えば、20〜100個が適
当である。
【0063】こうして、複数の試料(複数の絶縁膜)に
ついて、「絶縁破壊が生じるとき」の「AモードSIL
C電流量」の測定値を得ることができる。これを統計的
に処理することによって、「絶縁破壊しきい値」を決定
することができる。
【0064】図9は、複数の試料について測定された
「絶縁膜が絶縁破壊するとき」の「AモードSILC電
流量」の値と累積不良率との関係を示している。図9の
グラフは、一枚のシリコンウェハ内に同時形成された1
7個のMOSキャパシタについて、そのゲート絶縁膜の
絶縁破壊を行うことによって得た測定値をワイブルプロ
ットしたものである。測定は、複数の異なるストレス電
界を絶縁膜に与えて行った。
【0065】図9において、「50%しきい値」と表記
されている値は、統計的に全体の50%の試料(絶縁
膜)について絶縁破壊が生じるAモードSILC電流量
である。たとえば、この「50%しきい値」を「判定A
モードSILC電流量Im」として用いることができ
る。その場合、図8のフローチャートに示す方法を一回
だけ実行することにより、絶縁膜の50%絶縁破壊寿命
BD(またはt50)が求められる。
【0066】なお、図9において、「1%しきい値」お
よび「99%しきい値」と表記される値は、それぞれ、
統計的に全体の1%の試料(絶縁膜)について絶縁破壊
が生じるAモードSILC電流量、および、統計的に全
体の99%の試料(絶縁膜)について絶縁破壊が生じる
AモードSILC電流量である。
【0067】このように統計的処理によって図9に示す
関係を得れば、所望の累積不良率に対するAモードSI
LC電流しきい値を「絶縁破壊しきい値」として決定
し、絶縁膜の寿命の測定・推定に用いることができる。
【0068】この「絶縁破壊しきい値」は、絶縁膜の面
積やストレス印加時の温度によって変化することがわか
っている。「絶縁破壊しきい値」と絶縁膜の面積との関
係や、「絶縁破壊しきい値」とストレス印加時の温度と
関係が求まれば、絶縁膜の面積やストレス印加時の温度
に応じて「絶縁破壊しきい値」を補正して使用しても良
い。
【0069】このように本実施形態によれば、ストレス
印加にともなうA−SILC電流量IAの時間変化をモ
ニタすることによって、より短時間に精度の高い酸化膜
寿命の測定を行なうことが可能となる。なお、Aモード
SILC電流量IAの絶対値が判定AモードSILC電
流量Imの絶対値以上になったかどうかにより前述の
「判定」を行う代わりに、ある一定のAモードSILC
電流量が流れるために必要なゲート電圧値を用いること
によっても判定することが可能である。これは、ある一
定のAモードSILC電流が絶縁膜を流れる際に、その
絶縁膜に印加される電圧(ゲート電圧)の値が、ストレ
ス印加時間の経過によって単調・連続的に減少し、絶縁
破壊(p−BD)が生じたときに、大きく不連続的に減
少するからである。絶縁破壊が生じるときに前記ゲート
電圧値にも「しきい値」があり、そのしきい値もストレ
ス条件や製造プロセス条件によらず、ほぼ一定である。
【0070】(第2の実施形態)図10のフローチャー
トを参照する。
【0071】本実施形態の絶縁膜信頼性評価方法(定電
流ストレス法)においては、まず、ステップS11で判
定電圧Vmと判定AモードSILC電流量Imとを設定
し、ステップS12で評価用電流量I0を設定する。こ
こで、「判定電圧Vm」および「判定AモードSILC
電流量Im」は、第1の実施形態について説明したとお
りである。「評価用電流量I0」は、定電流ストレス印
加工程において、測定対象の絶縁膜に与えるストレス電
流である。
【0072】次に、ステップS13で絶縁膜に評価用電
流(I0)を供給する。そして、ステップS14で評価
用電流(I0)の供給状態をt1秒間保持したのち、ステ
ップS15で判定電圧VmにおけるAモードSILC電
流量IAを測定し、ステップS16でIAの絶対値がIm
の絶対値以上になったかどうかの判定を行う。
【0073】ステップS16で、IAの絶対値がImの絶
対値以上になっていないと判定された場合には、ステッ
プS14に戻り、ステップS14〜ステップS16の操
作を繰り返す。
【0074】ステップS16で、IAの絶対値がImの絶
対値以上になっていると判定された場合には、ステップ
S17で評価用電流量I0の供給開始から要した所要時
間をtBDとして記録し、ステップS18でtBDから絶縁
破壊までの総注入電荷量QBDを算出する。ここで、QBD
は、tBDと評価用電流I0の積を面積Sで割った値とし
て定義される。
【0075】本実施形態では、絶縁膜に定電圧ストレス
を印加する代わりに、定電流ストレスを印加している点
で前述の実施形態と異なっている。しかし、本実施形態
によっても、基本的には同様の方法で絶縁膜の寿命tBD
が求められる。従って、第1の実施形態について説明し
た理由と同様の理由から、上記測定を1度だけ実施すれ
ば、その試料を含む試料全体におけるtBD値を得ること
が可能である。また、本実施形態の場合は、絶縁破壊ま
での総注入電荷量QBDが簡単に算出され得る。
【0076】以上のように本実施形態によれば、ストレ
ス印加にともなうA−SILC電流量の時間変化をモニ
タすることによってより短時間に精度の高いゲート酸化
膜寿命推定を行なうことが可能となる。
【0077】なお、本実施形態においても、AモードS
ILC電流量IAの絶対値が判定AモードSILC電流
量Imの絶対値以上になったかどうかにより判定する代
わりに、ある一定のAモードSILC電流量が流れるた
めに必要なゲート電圧値を用いることによっても判定す
ることが可能である。
【0078】(第3の実施形態)図11のフローチャー
トを参照する。以下に述べる本実施形態によれば、絶縁
膜の寿命を簡単に推定することができる。
【0079】本実施形態では、まず、ステップS21
で、判定電圧Vmと判定AモードSILC電流量Imとを
設定し、ステップS22で、評価用ストレス印加条件お
よびストレス印加時間ttotalを設定する。「評価用ス
トレス印加条件」は、例えば、第1の実施形態で採用し
た定電圧ストレス、第2の実施形態で採用した定電流ス
トレスなどの条件である。ストレスは、室温から昇温し
た加速試験状態で印加してもよい。
【0080】次に、ステップS22で設定したストレス
条件のもと、ステップS23で絶縁膜に対するストレス
試験を実施する。絶縁膜へのストレス印加開始後、スト
レス印加時間ttotalが経過したとき、ストレス試験を
終了する。ストレス試験終了後、ステップS24で、ス
トレス試験中に記録しておいた各ストレス印加時間tに
おけるAモードSILC電流量IAをlog−logス
ケールでストレス印加時間tに対してプロットする。ス
テップS25で、このプロットにlog−logスケー
ル上で直線を当てはめる。そして、ステップS26で、
AモードSILC電流量IAの絶対値が判定AモードS
ILC電流量Imの絶対値よりも大きくなっている場合
には、判定AモードSILC電流量Imに到達するまで
の時間をtBDとする。また、大きくなっていない場合に
は直線を長時間側へ外挿し、判定AモードSILC電流
量Imに到達するまでの時間をtBDとする。
【0081】次に、図12を参照しながら、ステップS
23のストレス試験の具体的な手順を説明する。
【0082】まず、ステップS31で、指定されたスト
レス印加条件のもとでストレスを絶縁膜に印加する。こ
の状態をt1秒間保持したのち(ステップS32)、ス
テップS34で指定電圧Vm(例えば、−4V)におけ
るAモードSILC電流量IAを測定し、ステップS3
5でIAおよび時間tを記録する。ストレス試験開始か
らの経過時間が指定のストレス印加時間ttotal以上に
なった場合には(ステップS36)、ストレス印加を終
了し、ストレス試験を終了する。ステップS36で、ス
トレス試験開始からの経過時間が指定のストレス印加時
間ttotal以上になっていない場合には、ステップS3
2に戻り、ステップS32、ステップS34、ステップ
S35、ステップS36の操作を繰り返す。t1は、例
えば、0.1〜10秒であり、ストレス印加時間t
totalは、例えば、10〜10000秒である。
【0083】本実施形態では、測定対象試料について、
絶縁膜の絶縁破壊に至るまでストレスを印加する必要は
ない。ストレス印加時間ttotalとして、前述した絶縁
膜の寿命tBDに比較して充分に短い時間を設定してもよ
い。本実施形態では、AモードSILC電流量IAおよ
びストレス印加時間tが、図6および図7に示されるよ
うに、log−logスケールで直線的な関係を持つこ
とに着目して、絶縁膜の寿命を推定している。これは、
AモードSILC電流量IAが「絶縁破壊しきい値」以
上になったときに絶縁破壊が生じることに基づいてい
る。
【0084】第1の実施形態について説明した理由と同
様の理由によって、上記測定を1度だけ実施すれば、そ
の試料全体におけるtBD値を得ることが可能である。
【0085】なお、本実施形態において、AモードSI
LC電流量IAをプロットする代わりに、ある一定のA
モードSILC電流量が流れるために必要なゲート電圧
値を用いることによっても可能である。
【0086】以上のように本実施形態によれば、より短
時間に精度の高いゲート酸化膜寿命推定を行なうことが
可能となる。本実施形態は実際に絶縁膜が絶縁破壊する
までストレス試験を継続する必要がないため、試験時間
を短縮することが可能であるという点で、第1の実施形
態と比べて優れている。
【0087】本実施形態では、ストレス試験開始からの
経過時間が指定のストレス印加時間ttotal以上になっ
たときにストレス試験を終了するが、こうする代わり
に、AモードSILC電流量IAがあらかじめ指定した
電流量IAA以上になったときにストレス試験を終了する
ようにしてもよい。図13および図14は、そのような
方法の手順を示しており、図11および図12のステッ
プS22およびステップS36が、それぞれ、ステップ
S22’およびステップS36’に入れ替わっている。
図13および図14に示す方法は、AモードSILC電
流量IAとストレス時間との間に図15に示されるよう
な関係がある場合に特に効果的である。なぜなら、スト
レス印加時間ttotalの設定が短すぎると、絶縁膜の劣
化に伴ってAモードSILC電流量IAの実質的な増加
が観察される前にストレス試験が終了してしまうおそれ
があるからである。なお、絶縁膜に印加する電気的スト
レスが比較的に小さい場合に、AモードSILC電流量
Aは図15に示すような変化を示す可能性がある。
【0088】(第4の実施形態)図16のフローチャー
トを参照する。
【0089】まず、ステップS41で、判定電圧Vm
判定AモードSILC電流量Imとを設定する。次に、
ステップS42で評価用ストレス印加条件およびストレ
ス印加時間ttotalを設定する。ステップS42で設定
したストレス条件で絶縁膜に対してストレス試験を実施
する(ステップS43)。ストレス試験終了後、ステッ
プS44で、ストレス試験中に記録しておいた各ストレ
ス印加時間tにおけるAモードSILC電流量IAを以
下の式(2)または式(3)に代入し、フィッティング
を実行する。
【0090】 IA= a×tb 式(2) log(IA)=log(a) + b・log(t) 式(3) ここで、IAはAモードSILC電流量電流量、tはス
トレス時間、aおよびbはフィッティングパラメータで
ある。
【0091】フィッティングの実行により、パラメータ
aおよびbの値が決定される。次に、ステップS44で
求めたaおよびbの値を式(2)に代入し、IAが既定
値(判定AモードSILC電流量Im)になるときのス
トレス時間tを算出すれば、tBDが得られる(ステップ
S45)。
【0092】なお、ステップS43のストレス試験の具
体的な手順は、図11のストレス試験と同じように(図
12または図14のフローにされている)行えばよい。
【0093】本実施形態によっても、第1の実施形態に
おいて説明した理由と同様の理由によって上記測定を1
度だけ実施すれば、その試料全体におけるtBD値を得る
ことが可能である。なお、本実施形態において、Aモー
ドSILC電流量IAを用いる代わりに、ある一定のA
モードSILC電流量が流れるために必要なゲート電圧
値を用いることによっても可能である。
【0094】また、第3の実施形態について説明したよ
うに、ストレス試験開始からの経過時間が指定のストレ
ス印加時間ttotal以上になったときにストレス試験を
終了する代わりに、AモードSILC電流量IAがあら
かじめ指定した電流量IAA以上になったときにストレス
試験を終了するようにしてもよい。
【0095】以上のように本実施形態によれば、より短
時間に精度の高いゲート酸化膜寿命推定を行なうことが
可能となる。本実施形態は実際に絶縁膜が絶縁破壊する
までストレス試験を継続する必要がないため、試験時間
を短縮することが可能であるという点で、第1の実施形
態と比べて優れており、また、数式化することによりフ
ィッティングパラメータaおよびbの値を定量化するこ
とが可能となり、aおよびbの値をチェックすることに
よって、測定および寿命推定が妥当であるかどうか知る
ことができる。この点で本実施形態は第3の実施形態に
比べて優れている。
【0096】なお、ストレス印加時間tとAモードSI
LC電流量IAとの関係が、本実施形態で用いた式以外
の式を用いてフィッティングする方がより好ましいフィ
ッティングを達成できる場合は、適宜、前述の式(2)
または式(3)を他の式と交換するか、補正することが
好ましい。図6や図7のグラフでは、ストレス印加時間
tとAモードSILC電流量IAと関係が直線的である
が、前述したように、AモードSILC電流量IAが比
較的に小さい領域と大きい領域との間で直線の傾きが異
なることもあり得る。従って、ストレス印加時間tとA
モードSILC電流量IAとの関係は、図6や図7に示
されるような関係に限定されるわけではない。
【0097】(第5の実施形態:絶縁膜評価装置)以下
に、図17を参照しながら、本発明の絶縁膜評価方法の
実施のために用いる絶縁膜評価装置を説明する。
【0098】図示されている絶縁膜評価装置は、試料1
0を保持するサンプルホルダ20と、サンプルホルダ2
0上に置かれた試料10に電気的に接触するプローブ
(探針)21と、プローブ21を介して試料10に電気
的ストレスの印加と電流・電圧の測定を実行するための
測定部22と、得られたデータを解析するための解析部
26とを備えている。
【0099】試料10は、シリコン基板11と、基板1
1上に形成されたゲート酸化膜12と、ゲート酸化膜上
に形成されたゲート電極13とを有している。この試料
10を保持するホルダ20は、ストレス印加工程中に試
料10を加熱することができるようにヒータを備えてい
る。ホルダ20は、試料10のシリコン基板11に電気
的に接触するとともに、接地されている。
【0100】測定部22は、電圧印加部23と、電流測
定部24と、記録部25とを備えており、電圧印加部2
3は、ストレス印加工程では、試料10に評価用電圧V
0(ストレス電圧:例えば−6V)を印加し、Aモード
SILC電流量IAを測定する工程では、試料10に判
定電圧Vm(例えば、−4V)を印加する。電流測定部
24は、AモードSILC電流量IAを測定する工程に
おいて、試料10に判定電圧Vmが印加されたときに絶
縁膜12を流れる電流を測定する。測定されたAモード
SILC電流量IAは、測定時刻(ストレス時間t)に
関連づけられて記録部25に記録される。定電流ストレ
スを印加する場合には、不図示の定電流供給部から定電
流が試料に供給される。
【0101】第4の実施形態の方法を実施する場合に
は、記録部25に記録されたデータに対して、解析部2
6の演算器で前述のフィッティングが実行され、フィッ
ティングパラメータaおよびbが求められるともに、既
定値(判定AモードSILC電流量Im)が与えられて
いると、tBDが算出される。
【0102】なお、上記各実施形態では、判定Aモード
SILC電流量Imまたは絶縁破壊しきい値がストレス
条件やプロセス条件によらず一定であるとして、絶縁膜
寿命の推定を行っているが、絶縁膜破壊しきい値は、ス
トレス印加時の温度に応じて変化することがわかってい
る。このため、前記絶縁破壊しきい値をストレス印加時
の温度の関数として表現するようにしてもよい。
【0103】また、本発明は、絶縁膜の寿命・信頼性の
観点から最適なプロセスを選択する方法にも適用でき
る。図7に示されるように、同一の絶縁膜についても、
その絶縁膜が経験したプロセス条件が異なる場合、スト
レス時間とAモードSILC電流量との関係が大きく変
化する。図7のグラフからは、試料3が経験したプロセ
ス条件が他の試料が経験したプロセス条件に比較して最
も好ましく、絶縁膜の寿命を長くするものであることが
わかる。プロセス条件の異なる試料に対して、ストレス
時間が例えばtx秒におけるAモードSILC電流量を
測定し、その測定値を比較することによって、絶縁膜の
信頼性向上にとって最適なプロセス条件を選択すること
が可能である。
【0104】上記実施形態では、絶縁破壊時点でのA−
SILC電流量がストレス条件(ストレス電圧およびス
トレス電流の大きさ)やプロセス条件にほとんど依存し
ないことに着目し、その現象を利用して絶縁膜の寿命推
定を行っている。しかし、ストレス電圧が変化すると、
絶縁破壊時点でのA−SILC電流量も変化する場合が
あることが発明者の実験によって明らかになっている。
以下、絶縁破壊時点でのA−SILC電流量とストレス
電圧との間の関係を導きだし、その関係に基づいて、寿
命を推定する方法(酸化膜寿命の電界依存性評価方法)
を説明する。
【0105】(第6の実施形態)以下、本発明による絶
縁膜評価方法の他の実施形態を説明する。
【0106】まず、酸化膜寿命の電界依存性を調べるた
めの2つの異なるストレス電界を決定する。例えば、第
1のストレス電界として−6ボルト、第2のストレス電
界として−5.5ボルトを選択することが可能である。
次に、決定した2つのストレス電界の各々において、A
モードSILC電流量の時間変化を特定するa値および
b値を測定する。この測定方法の一例を、図18のフロ
ーチャートを参照しながら説明する。
【0107】まず、ステップ71で、判定電圧Vmと判
定AモードSILC電流量Imとを設定する。次に、ス
テップ72で、評価用ストレス印加条件およびストレス
印加時間ttotalを設定する。
【0108】その後、ステップ72で設定したストレス
条件で絶縁膜に対してストレス試験を実施する(ステッ
プ73)。ストレス試験終了後、ステップ74で、スト
レス試験中に記録しておいた各ストレス印加時間tにお
けるAモードSILC電流量IAを前記式(2)または
式(3)に代入し、フィッティングを実行する。フィッ
ティングの実行により、パラメータaおよびbの値が決
定される。
【0109】以上のようにして得られる2つのストレス
電界におけるa値およびb値を用いることにより、2つ
の異なるストレス電界における寿命tの関係は以下のよ
うに表される。
【0110】 t2= (a1/a2)×t1 式(4) ここで、a1およびt1は、それぞれ、第1のストレス電
界におけるa値および寿命であり、a2およびt2は、そ
れぞれ、第2のストレス電界におけるa値および寿命で
ある。
【0111】次に、寿命が式(4)によって表現される
理由を説明する。
【0112】図19は、膜厚4.5nm、ゲート面積0.
01mm2のシリコン酸化膜に8.3MV/cmから1
2.4MV/cmまでの種々のストレス電界を印加した
ときのAモードSILC電流量の時間変化をlog-l
ogスケールでプロットしたグラフである。このグラフ
のデータに式(4)をフィッティングすることによって
各ストレス電界におけるaおよびb値が得られる。図2
0は、このaおよびb値の電界依存性をプロットしたグ
ラフを示している。図20からわかるように、図19の
各直線のy軸切片に相当するa値は電界に依存し、電界
が低くなるほど減少している。また、上記直線の傾きに
相当するb値は電界に依存せず、約0.53で一定であ
る。
【0113】図21は、a値および実測により求めた酸
化膜寿命を、ストレス電界に対してプロットしたグラフ
である。a値はストレス印加の結果生成された酸化膜欠
陥に起因して流れるAモードSILC電流量を反映する
パラメータであるため、a値が大きいほど劣化速度が大
きいことを示している。これに対して寿命が長いほど劣
化速度が遅いことを示しており、劣化速度を反映するの
は寿命の逆数であると考えられる。図21では、寿命の
代わりに寿命の逆数をプロットしている。図21におい
て、「a値」および「寿命の逆数」は、ともに、ストレ
ス電界の低下とともに減少している。それら電界依存性
(傾き)は同じである。これは、a値の電界依存性から
酸化膜寿命の電界依存性を求めることが可能であること
を示しており、式(4)を裏付けるものである。
【0114】式(4)を用いることにより、種々のスト
レス電界において実際に絶縁破壊に至るまでストレス印
加を継続することなく、試料の絶縁破壊寿命の電界依存
性を知ることが可能となる。さらに、たとえば第1のス
トレス電界における寿命t1が既知であれば、第2のス
トレス電界において絶縁破壊に至るまでストレス印加を
継続することなく、第2のストレス電界における寿命を
得ることが可能となる。
【0115】以上のように本実施形態によれば、より短
時間に精度の高いゲート酸化膜寿命推定を行なうことが
可能となる。本実施形態は実際に絶縁膜が絶縁破壊する
までストレス試験を継続する必要がないため、試験時間
を短縮することが可能であり、また、数式化することに
よりフィッティングパラメータaおよびbの値を定量化
することが可能となるので、aおよびbの値をチェック
することによって、測定および寿命推定が妥当であるか
どうか知ることができる。
【0116】なお、ストレス印加時間tとAモードSI
LC電流量IAとの関係が、本実施形態の説明に用いた
式以外の式を用いてフィッティングすることができる場
合は、適宜、前述の式(2)または式(3)を他の式と
交換するか、これらの式を補正して使用してもよい。
【0117】このようにして酸化膜寿命の電界依存性が
得られると、ある電界のもとでの酸化膜寿命を求めるだ
けで、他の電界での酸化膜寿命を高い精度で推定するこ
とができる。ある電界のもとでの酸化膜寿命を得る方法
としては、本願明細書に開示している実施形態の方法だ
けではなく、従来の寿命測定方法を用いても良い。
【0118】(第7の実施形態)次に、本発明による酸
化膜寿命の電界依存性評価方法の他の実施形態を説明す
る。
【0119】まず、第6の実施形態と同様にして、寿命
の電界依存性を調べる2つの異なるストレス電界を決定
する。次に、両ストレス電界において、AモードSIL
C電流量の時間変化を観測し、その時間変化を特徴づけ
るa値およびb値を測定する。その測定方法としては、
第6の実施形態について説明した方法を用いることがで
きる。
【0120】以上のようにして得られた2つのストレス
電界におけるa値およびb値を用いることにより、2つ
のストレス電界における寿命tの関係を以下のように表
現する。
【0121】 t2= (a1/a2c/b×t1 式(5) ここで、a1およびt1は第1のストレス電界における
a値および寿命を、a2およびt2は第2のストレス電界
におけるa値および寿命を、cは定数を、bは両ストレ
ス電界におけるb値の平均値(=(b1+b2)/2)を
示している。
【0122】次に、寿命t2が式(5)により表現でき
る理由を説明する。
【0123】図22は、膜厚3.5nm、ゲート面積0.
1225mm2のシリコン酸化膜に0から6Vのゲート
電圧を印加したときに測定されるゲート電流の変化を示
している。ゲート酸化膜が薄くなると、F−Nトンネル
伝導機構から直接トンネル伝導機構へと伝導機構が変化
するため、初期の段階から大きなゲート電流が流れる。
図22において、ゲート電圧の絶対値が約4V未満の領
域では直接トンネル伝導機構が、約4V以上の領域では
F−Nトンネル伝導機構が支配的である。直接トンネル
伝導機構が支配的になるような膜厚・電圧領域において
は、AモードSILCの時間的変化は、図23に示すよ
うに小さい。そのため、AモードSILC電流量の増大
を観測することが困難になる。さらにどのゲート電圧
(読み取りゲート電圧)におけるAモードSILC電流
量をプロットするかにより、AモードSILCの変化量
およびb値が変化する。図24は、ストレス電界として
10.4、11.1および11.4MV/cmを用いた場
合のAモードSILC電流量の時間変化を示している。
これらの各ストレス電界のもとで、 読み取りゲート電
圧を1.0、 1.5および3.0Vとした場合のAモード
SILC電流量の時間変化に基づいて推定した寿命を図
25に示す。この寿命推定は、第6の実施形態について
説明した方法を用いて行った。図25のグラフには、実
測により求めた酸化膜絶縁破壊寿命をも示している。図
25から、AモードSILC電流量を測定するときに印
加するゲート電圧(読み取りゲート電圧)によって推定
寿命が変化していることがわかる。この原因は、b値
が、図26に示すように、読み取り電圧によって変化し
ているためであると考えられる。
【0124】図19や図24のグラフ上のデータに関し
て、ある任意のレベルにあるAモードSILC電流量に
到達する時間を各ストレス電界について求めた後、その
到達点を通過する直線をb値が0.5であると仮定した
うえでグラフ上に表現し、それによって、式(4)のフ
ィッティングを行ってもよい。そうすることによって、
a値を求め、第6の実施形態について述べた方法で寿命
推定を行うことができる。その推定した寿命を図27に
示す。
【0125】このような処理を行うことにより、読み取
りゲート電圧には関係なくほぼ同じ推定寿命が得られ、
さらにこの結果は実測した寿命の比とも良く一致してい
る。そこで、AモードSILC電流量の時間変化に式
(4)を当てはめ、得られたa値およびb値を補正する
ことと等価な処理として、式(5)に示した換算をおこ
なうことが有効である。c値として0.4から0.6まで
変化させたときの推定寿命の誤差をプロットしたグラフ
を図28に示す。ここで誤差は各ストレス電界および読
み取り電圧における推定寿命比と実際の寿命比との際の
自乗平方根で定義した。c値が0.535程度で誤差は
最小となり、その前後では誤差が大きくなっている。こ
の最適値自体は膜種、膜質、膜厚、面積等によって変化
する可能性がある。
【0126】以上のように、任意の読み取りゲート電圧
におけるAモードSILC電流量を測定した後、第6の
実施形態について説明した方法によってa値およびb値
を求め、これを式(5)に適用することによって、読み
取りゲート電圧の影響を補正することが可能である。こ
の方法を用いることにより、第6の実施形態の特徴であ
る、種々のストレス電界において絶縁破壊に至るまでス
トレス印加を継続することなく、試料の絶縁破壊寿命の
電界依存性を得ることが可能になる。また、たとえば第
1のストレス電界における寿命t1が既知であれば、第
2のストレス電界において絶縁破壊に至るまでストレス
印加を継続することなく、第2のストレス電界における
寿命を得ることが可能となる。さらに本実施形態によれ
ば、AモードSILC電流量の変化がもっとも大きく、
測定精度の得られるような任意の読み取りゲート電圧を
選ぶことが可能である。
【0127】以上のように本実施形態によれば、より短
時間に精度の高いゲート酸化膜寿命推定を行なうことが
可能となる。本実施形態は実際に絶縁膜が絶縁破壊する
までストレス試験を継続する必要がないため、試験時間
を短縮することが可能である。また、数式化することに
よりフィッティングパラメータaおよびbの値を定量化
することが可能となるため、aおよびbの値をチェック
することによって、測定および寿命推定が妥当であるか
どうか知ることができる。
【0128】なお、ストレス印加時間tとAモードSI
LC電流量IAとの関係が、本実施形態で用いた式以外
の式を用いてフィッティングする方がより好ましいフィ
ッティングを達成できる場合は、適宜、前述の式(2)
または式(3)を他の式と交換するか、補正することが
好ましい。
【0129】なお、図29はゲート電圧−3Vにおける
AモードSILC電流量の時間変化をプロットしたグラ
フである。図中矢印で示した時間に絶縁破壊が発生して
いるが、ストレス印加前と絶縁破壊直前とにおけるAモ
ードSILC電流量の変化は1.6倍に過ぎない。図2
9のプロットに対して、寿命推定を行うために直線のフ
ィッティングを行うことは困難であり、第6の実施形態
における寿命推定を行うことは困難である。また、これ
を行ったときの推定寿命の信頼性は低いものとなってし
まう。そこで、前述の図23においてゲート電流変化の
もっとも大きくなるゲート電圧でのAモードSILC電
流量をプロットすることが必要となる。図23において
は約1Vから1.5Vまでのゲート電圧領域におけるゲ
ート電流変化がもっとも大きい。このため、このゲート
電圧領域中に任意のゲート電圧を読み取りゲート電圧と
して採用することが好ましい。なお、ストレス印加時間
がゼロ秒のときの初期ゲート電流(IG0)が、図29に
示すように相対的に大きいときは、その後のゲート電流
Gから初期ゲート電流IG0を引いた値をAモードSI
LC電流量とすることが好ましい場合がある。
【0130】次に、図30を参照しながら、2つの異な
るストレス電界における寿命tの関係を作図によって求
める方法を説明する。
【0131】まず、任意のある値を示すAモードSIL
C電流量IXに対応する水平直線を例えば図19のグラ
フまたはそれと同様なlog−logスケールのグラフ
上に引く。更に、任意に選択した2種類のストレス電圧
(第1および第2各ストレス電圧)でのデータ直線と上
記水平直線との交点PおよびQを求める。交点Pおよび
Qからグラフ横軸(時間軸)に対して垂線を引き、垂線
と時間軸との交点を求める。第1および第2ストレス電
圧のもとで測定したデータ直線に対して、上記垂線と時
間軸との交点は、それぞれ、時間tq1およびtq2に対応
する。
【0132】このとき、以下の関係が近似的に成り立
つ。
【0133】 IX= a1×(tq1b= a2×(tq2b 式(6) ここで、bはb1およびb2の平均値であり、b1および
2は何れもbにほぼ等しいとする。
【0134】式(6)から次式が求められる。 (a1/a21/b= tq2/tq1 式(7) 式(7)の関係に基づいて式(5)を変形すると、式
(8)が得られる。
【0135】 t2= (a1/a2c/b×t1 = (tq2/tq1c×t1 式(8) 従って、上記作図法によってtq1およびtq2を求めれ
ば、寿命t1およびt2の関係を簡単に決定することが可
能である。
【0136】次に、図31を参照しながら、他の作図方
法を説明する。
【0137】まず、2種類のストレス電界に対応するデ
ータ直線と水平直線(IA=IX)と交点P’およびQ’
の各々から、今度は「傾きcの直線」を引き、その直線
と任意の時間tXとの二つの交点を求める。傾きcの大
きさとしては0.4から0.6までの範囲に含まれる値
を選択することが好ましい。これらの交点に対応するA
モードSILC電流量を、それぞれ、Iq1およびIq2
する。
【0138】このとき、傾きcの直線は以下の式で表現
できる。
【0139】 IA= a1'×tc 式(9) IA= a2'×tc 式(10) ここで、a1'およびa2'は、傾きcの直線の各y切片で
ある。
【0140】電流Iq1およびIq2は、時間tXを用い
て、次のように表現される。
【0141】 Iq1= a1'×(tXc 式(11) Iq2= a2'×(tXc 式(12) 式(11)および式(12)から次式が得られる。
【0142】 a1'/a2'= Iq1/Iq2 式(13) 一方、式(9)および式(10)を用いて、次の関係を
得ることができる。
【0143】 IX= a2'×(tq2c= a1'×(tq1c 式(14) 式(14)から、次式が成立する。
【0144】 (tq2/tq1c=a1'/a2' 式(15) 式(15)の関係に基づいて、式(8)を変形すると、
次式を得ることができる。
【0145】 t2= (a1'/a2')×t1 式(16) 式(13)の関係を用いて式(16)を変形すると、次
式を得ることができる。
【0146】 t2= (Iq1/Iq2)×t1 式(17) 従って、上記作図法によってIq1およびIq2を求めれ
ば、寿命t1およびt2の関係を簡単に決定することが可
能である。
【0147】
【発明の効果】本発明によれば、種々のストレス電界に
おいて実際に絶縁破壊に至るまでストレス印加を継続す
ることなく、試料の絶縁破壊寿命の電界依存性を知るこ
とが可能となる。
【0148】また、たとえば第1のストレス電界におけ
る寿命t1が既知であれば、第2のストレス電界におい
て絶縁破壊に至るまでストレス印加を継続することな
く、第2のストレス電界における寿命t2を得ることが
可能となる。その結果、より短時間に精度の高いゲート
酸化膜寿命推定を行なうことが可能となる。また、実際
に絶縁膜が絶縁破壊するまでストレス試験を継続する必
要がないため、試験時間を短縮することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の絶縁膜評価方法に用いる試料の構造の
一例を示した断面図である。
【図2】極薄シリコン酸化膜における2つのモードのス
トレス誘起リーク電流の電流−電圧特性を示したグラフ
である。
【図3】膜厚4.3nmのシリコン酸化膜にゲート電圧
−6Vの定電圧ストレス印加を行ったときのゲート電圧
−6Vにおけるゲート電流量の時間変化を示したグラフ
である。
【図4】膜厚4.3nmのシリコン酸化膜にゲート電圧
−6Vの定電圧ストレス印加を行ったときの電流−電圧
特性の時間変化を示したグラフである。
【図5】膜厚4.3nmのシリコン酸化膜にゲート電圧
−6Vの定電圧ストレス印加を行ったときのゲート電圧
−4VにおけるAモードSILC電流量の時間変化を示
したグラフである。
【図6】膜厚4.3nmのシリコン酸化膜に種々の大き
さの定電圧ストレス印加を行ったときのゲート電圧−4
VにおけるAモードSILC電流量の時間変化を示した
グラフである。
【図7】種々の作製プロセスにより形成した膜厚3.8
nmの3種類のシリコン酸化膜にゲート電圧−6Vの定
電圧ストレス印加を行ったときのゲート電圧−4Vにお
けるAモードSILC電流量の時間変化を示したグラフ
である。
【図8】本発明による絶縁膜評価方法の第1の実施形態
の手順を示すフローチャートである。
【図9】絶縁破壊時点のAモードSILC電流量の複数
の測定値から絶縁破壊しきい値を決定する方法を説明す
る図である。
【図10】本発明による絶縁膜評価方法の第2の実施形
態の手順を示すフローチャートである。
【図11】本発明による絶縁膜評価方法の第3の実施形
態の手順を示すフローチャートである。
【図12】本発明による絶縁膜評価方法で行うストレス
試験の手順の一例を示すフローチャートである。
【図13】本発明による絶縁膜評価方法の第3の実施形
態の改変された手順を示すフローチャートである。
【図14】本発明による絶縁膜評価方法で行うストレス
試験の改変された手順の一例を示すフローチャートであ
る。
【図15】シリコン酸化膜に比較的に小さなストレス印
加を行ったときのゲート電圧−4VにおけるAモードS
ILC電流量の時間変化を示したグラフである。
【図16】本発明による絶縁膜評価方法の第4の実施形
態の手順を示すフローチャートである。
【図17】本発明による絶縁膜評価装置の構成例を示す
模式的なブロック図である。
【図18】本発明による絶縁膜評価方法の第6の実施形
態の手順を示すフローチャートである。
【図19】膜厚4.5nm、ゲート面積0.01mm2
シリコン酸化膜に8.3MV/cmから12.4MV/c
mまでの種々のストレス電界を印加したときのAモード
SILC電流量の時間変化をlog-logスケールで
プロットしたグラフである。
【図20】図19のデータにIA= a×tbをフィッテ
ィングすることによって得たaおよびb値を示すグラ
フ。
【図21】a値および実測により求めた酸化膜寿命を、
ストレス電界に対してプロットしたグラフである。
【図22】膜厚3.5nm、ゲート面積0.1225mm
2のシリコン酸化膜に0から6Vのゲート電圧を印加し
たときに測定されるゲート電流の変化を示すグラフであ
る。
【図23】ゲート電流とゲート電圧との関係を示すグラ
フである。
【図24】ストレス電界として10.4、11.2および
11.4MV/cmを用いた場合のAモードSILC電
流量のストレス時間依存性を示すグラフである。
【図25】各ストレス電界のもとで、 読み取りゲート
電圧を1.0、 1.5および3.0Vとした場合のAモー
ドSILC電流量の時間変化に基づいて推定した寿命を
示すグラフである。
【図26】b値のゲート電圧依存性を示すグラフであ
る。
【図27】11.4M/cmでの寿命に対する比とスト
レス電界との関係を示すグラフである。
【図28】c値として0.4から0.6まで変化させたと
きの推定寿命の誤差をプロットしたグラフである。
【図29】ゲート電圧3VにおけるAモードSILC電
流量の時間変化をプロットしたグラフである。
【図30】本発明の絶縁膜評価方法で使用できる作図方
法の一例を説明するためのグラフである。
【図31】本発明の絶縁膜評価方法で使用できる作図方
法の他の例を説明するためのグラフである。
【図32】従来の絶縁膜信頼性評価方法の手順を示すフ
ローチャートである。
【図33】従来の他の絶縁膜信頼性評価方法の手順を示
すフローチャートである。
【符号の説明】
1 シリコン基板 2 ゲート絶縁膜 3 ゲート電極 4 絶縁性サイドウォール 5 絶縁膜評価装置 10 試料 11 シリコン基板 12 ゲート絶縁膜 13 ゲート電極 20 試料ホルダ 21 プローブ 22 測定部 23 電圧印加部 24 電流測定 25 記録部 26 解析部

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の絶縁膜に第1の電気的ストレスを
    印加する第1ストレス印加工程と、 前記第1の絶縁膜に対してAモードストレス誘起リーク
    電流量の時間変化を測定する第1測定工程と、 第2の絶縁膜に前記第1の電気的ストレスのレベルとは
    異なるレベルの第2の電気的ストレスを印加する第2ス
    トレス印加工程と、 前記第2の絶縁膜に対してAモードストレス誘起リーク
    電流量の時間変化を測定する第2測定工程と、 前記第1測定工程の結果と前記第2測定工程の結果に基
    づいて、絶縁膜寿命の電界依存性を決定する決定工程
    と、を包含する絶縁膜評価方法。
  2. 【請求項2】 前記決定工程は、前記第1測定工程およ
    び前記第2測定工程によって得られた結果に、ストレス
    印加時間tにおけるAモードストレス誘起リーク電流量
    A= a×tbの関係式を適用することによって、前記
    第1の電気的ストレス印加時のパラメータa(=a1
    と、前記第2の電気的ストレス印加時のパラメータa
    (=a2)とを決定する工程を含んでいる請求項1に記
    載の絶縁膜評価方法。
  3. 【請求項3】 前記第1の電気的ストレス印加時の寿命
    1を求める工程と、 前記寿命t1を式t2= (a1/a2)×t1に代入するこ
    とによって、前記第2の電気的ストレス印加時の寿命t
    2を推定する工程と、を更に包含する請求項2に記載の
    絶縁膜評価方法。
  4. 【請求項4】 前記第1の電気的ストレス印加時の寿命
    1を求める工程と、 cを定数とし、bを前記第1の電気ストレス印加時のb
    値と前記第2の電気ストレス印加時のb値とによって定
    まる規定値とした場合の式t2= (a1/a2c/b×t1
    に前記寿命t1を代入することによって、前記第2の電
    気的ストレス印加時の寿命t2を推定する工程と、を更
    に包含する請求項2に記載の絶縁膜評価方法。
  5. 【請求項5】 前記規定値bは、前記第1の電気ストレ
    ス印加時のb値と前記第2の電気ストレス印加時のb値
    との平均値である請求項4に記載の絶縁膜評価方法。
  6. 【請求項6】 前記決定工程は、 前記第1測定工程および前記第2測定工程によって得ら
    れた結果をlog−logスケールグラフ上にプロット
    し、前記第1および第2の電気的ストレスに対応するデ
    ータを示す直線を前記グラフ上に記載する工程と、 前記直線と任意のある値を示すAモードSILC電流量
    Xに対応する水平直線との二つの交点からグラフ横軸
    (時間軸)に対して2本の垂線を引き、前記垂線と時間
    軸との交点から時間tq1およびtq2を求め、cを定数と
    し、前記第1の電気的ストレス印加時の寿命t1および
    前記第2の電気的ストレス印加時の寿命t2との間に成
    立する関係式t2=(tq2/tq1c×t1を決定する工
    程と、を含んでいる請求項1に記載の絶縁膜評価方法。
  7. 【請求項7】 前記決定工程は、 前記第1測定工程および前記第2測定工程によって得ら
    れた結果をlog−logスケールグラフ上にプロット
    し、前記第1および第2の電気的ストレスに対応するデ
    ータを示す直線を前記グラフ上に記載する工程と、 前記直線と任意のある値を示すAモードSILC電流量
    Xに対応する水平直線との二つの交点からグラフ縦軸
    に平行な線に対して傾きcの直線を引き、前記グラフ縦
    軸に平行な線と前記傾きcの直線との交点からAモード
    SILC電流量Iq1およびIq2を求め、前記第1の電気
    的ストレス印加時の寿命t1および前記第2の電気的ス
    トレス印加時の寿命t2との間に成立する関係式t2
    (Iq1/Iq2)×t1を決定する工程と、を含んでいる
    請求項1に記載の絶縁膜評価方法。
  8. 【請求項8】 前記第1の電気的ストレス印加時の寿命
    1を求める工程と、 前記寿命t1を前記関係式に代入することによって、前
    記第2の電気的ストレス印加時の寿命t2を推定する工
    程と、を更に包含する請求項6または7に記載の絶縁膜
    評価方法。
  9. 【請求項9】 前記第1の電気的ストレス印加時の寿命
    1を求める工程は、 複数の試料について、その試料に含まれる絶縁膜に電気
    的ストレスを印加するストレス印加工程と、 各試料について、Aモードストレス誘起リーク電流量を
    モニタし、前記絶縁膜の絶縁破壊が生じるときの前記A
    モードストレス誘起リーク電流量の値を測定する工程
    と、 測定された前記Aモードストレス誘起リーク電流量の複
    数の値を統計的に処理することによって、前記Aモード
    ストレス誘起リーク電流量の絶縁破壊しきい値を決定す
    るしきい値決定工程と、を包含する請求項3、4、5ま
    たは8に記載の絶縁膜評価方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の電気的ストレス印加時の寿
    命t1を求める工程は、 前記第1の絶縁膜と同種の絶縁膜に前記第1の電気的ス
    トレスと同一レベルの電気的ストレスを印加する工程
    と、 Aモードストレス誘起リーク電流量を測定する工程と、 前記Aモードストレス誘起リーク電流量の測定値と、前
    記Aモードストレス誘起リーク電流量の絶縁破壊しきい
    値に基づいて決められた判定値との関係に基づいて、前
    記第1の絶縁膜の寿命を推定する寿命推定工程と、を包
    含する請求項3、4、5または8に記載の絶縁膜評価方
    法。
  11. 【請求項11】 前記第1の電気的ストレス印加時の寿
    命t1を求める工程は、 前記第1の絶縁膜と同種の絶縁膜に前記第1の電気的ス
    トレスと同一レベルの電気的ストレスを印加する工程
    と、 前記絶縁膜の絶縁破壊を生じるまで前記電気的ストレス
    の印加を続け、それによって前記絶縁膜の寿命を測定す
    る工程と、を包含する請求項3、4、5または8に記載
    の絶縁膜評価方法。
  12. 【請求項12】 請求項1から11の何れかに記載の絶
    縁膜評価方法を実するための絶縁膜評価装置であって、 評価対象の絶縁膜が形成された試料を保持するホルダ
    と、 ホルダ上に置かれた試料に電気的に接触するプローブ
    と、 プローブを介して試料に電気的ストレスを印加し、電流
    ・電圧の測定を実行するための測定部と、を備えた絶縁
    膜評価装置。
  13. 【請求項13】 前記測定部によって得られたデータを
    解析するための解析部を更に備えている請求項12に記
    載の絶縁膜評価装置。
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