JPH11343592A - 耐久性、抗菌性、防藻性および抗黴性に優れた表面処理金属材料 - Google Patents
耐久性、抗菌性、防藻性および抗黴性に優れた表面処理金属材料Info
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- JPH11343592A JPH11343592A JP10149860A JP14986098A JPH11343592A JP H11343592 A JPH11343592 A JP H11343592A JP 10149860 A JP10149860 A JP 10149860A JP 14986098 A JP14986098 A JP 14986098A JP H11343592 A JPH11343592 A JP H11343592A
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Abstract
特性を備え有し、しかも耐久性の点でも優れた表面処理
金属材料を提供する。 【解決手段】 本発明の表面処理金属材料は、Pを1〜
10%含むNi−P系合金皮膜が素地金属表面に被覆さ
れたものである。また本発明の表面処理金属材料におい
ては、前記Ni−P系合金皮膜中に水素、硫黄、塩素等
を適切な範囲で含有させることが好ましい。
Description
房用建材、医療施設用建材等の様に、耐久性、抗菌性、
防藻性および抗黴性のいずれの特性にも優れていること
が要求される建材の素材として有用な表面処理金属材料
に関するものである。
活必需品に至るまでの様々な用途において、衛生上の観
点から細菌、藻、黴等の生育を阻害する特性を付与する
処理を施した金属材料の採用が検討されている。本発明
ではこれらの特性を、夫々抗菌性、防藻性および抗黴性
と称している。そして各種の用途で必要とされる各特性
の強さは種々異なっており、高衛生という好イメージ付
与のためわずかな抗菌性を必要とする用途から、細菌、
藻および黴の時間単位での繁殖、感染の防止を必要とす
るための即効性を重んじる用途まで様々である。
昇降台、敷居、食品倉庫や厨房、トイレのドアノブ、ス
ウィングドア、ラッチ等の建材、更には食品産業用機械
部品、食品や衣料品の台車のように、抗菌性、防藻性お
よび抗黴性と共に耐久性も兼備した表面処理金属材料へ
の要望も高まっている。
て、これまで様々な技術が提案されている。こうした技
術として、大きく分けて下記(1)〜(3)の様な技術
が知られている。
金属やTiO2 等の光触媒機能を有する各種セラミック
スを含有する塗装または樹脂層を金属表面に施す方法
(例えば、特開平8−156175号、特開平8−27
404号、特開平8−25548号等)。 (2)金属、主にステンレス表面にCuやAg等の抗菌
性を有する金属を濃化させる方法(例えば、特開平8−
53738号、特開平8−60303号、特開平8−1
04952号等)。 (3)化成処理やめっき処理により、CuやAg等の抗
菌性を有する各種金属やTiO2 等の光触媒機能を有す
る各種セラミックスを含有する層を金属表面に施す方法
(例えば、特開平9−195061号、特開平8−12
0482号、特開平7−228999号、特開平9−1
57860号等)。
術では、いずれも下記の様な問題を抱えており、近年の
要求に十分に応えることができない。まず上記(1)の
方法で得られた金属材料では、抗菌性付与効果だけを考
慮してなされたものであるので、皮膜の耐久性の点では
十分とはいえず、皮膜が摩耗することによって抗菌性付
与効果が早期に消滅してしまうという事態が生じる。ま
た抗菌性、防藻性および抗黴性に関しても性能的に不十
分なものであり、しかもその効果を発揮するまでに長時
間若しくは多くの日数を必要とするものも少なくない。
(1)の方法で得られたものよりも耐久性を有するが、
表面硬度が低い為に抗菌効果のあるCu等の表面濃化層
が損耗する場合がある。また抗菌性、防藻性および抗黴
性等の付与効果が不十分であり、しかも上記(1)の技
術と同様にその効果を発揮するまでに長時間もしくは多
くの日数を必要とする。従って、強い抗菌性、防藻性お
よび抗黴性付与効果を必要とする部材には不適である。
更に、上記(3)の方法は、例えば特開平8−1204
82号や同7−228999号等のように、Crめっき
等に抗菌粒子を分散させた金属材料では耐久性を有する
が、やはり抗菌性、防藻性および抗黴性付与効果が不十
分であり、その効果を発揮するものも長時間若しくは多
くの日数を必要とする。従って、前記(2)の方法と同
様に、強い抗菌性、防藻性および抗黴性付与効果を必要
とする部材には不適合である。
Pめっきに抗菌剤粒子を分散させたものも開示されてい
るが、このNi−Pめっきは通常のものを使用している
ので、抗菌剤粒子を分散しない場合や分散状態が特開平
9−157860号提案のものと異なる場合には抗菌性
付与が達成されず、分散状態を工夫することによりよう
やく抗菌性を付与できたものである。またこの技術で
は、耐久性を有する部材が得られるが、やはり抗菌性を
発揮するまで6時間もの長時間を必要とし、防藻性およ
び抗黴性付与効果も不十分である。
与した表面処理材はその効果を発揮させるためには高強
度の日光または紫外線を照射しなければならないが、実
用部品においてこうした照射は必ずしも実行できる訳で
はなく、こうした部材が使用できる分野は限られたもの
となる。
の下でなされたものであって、その目的は、強い抗菌
性、防藻性および抗黴性のいずれの特性を備え有し、し
かも耐久性の点でも優れた表面処理金属材料を提供する
ことにある。
のできた本発明の表面処理金属材料は、Pを1〜10%
含むNi−P系合金皮膜が素地金属表面に被覆されたも
のである点に要旨を有するものである。
記(a)〜(h)の少なくともいずれかの要件を満足す
るものであることが好ましい。また本発明の表面処理金
属材料で用いる素地金属としては、アルミニウム、アル
ミニウム合金、ステンレス鋼、チタンまたはチタン合金
であることが好ましい。
が2〜5%である。 (b)Ni−P系合金皮膜中の水素含有量が0.000
01〜0.005%(より好ましくは0.00015〜
0.002%)である。 (c)Ni−P系合金皮膜中の硫黄含有量が0.002
5〜0.1%(より好ましくは0.01〜0.05%)
である。 (d)Ni−P系合金皮膜中の塩素含有量が0.001
〜0.01%(より好ましくは0.005〜0.01
%)である。 (e)30℃の静止水中へ浸漬したときのNi−P系合
金皮膜からのNi溶出量が1〜50μg/cm2 /週
(より好ましくは10〜50μg/cm2 /週)であ
る。 (f)Ni−P系合金皮膜の表面粗度が中心線平均粗さ
Raで0.25μm以上である。 (g)Ni−P系合金皮膜の表面硬度がHv500以上
(より好ましくはHv600以上)である。 (h)Ni−P系合金皮膜におけるビッカース圧子押し
込み時の皮膜割れ発生最小荷重が10kgf/cm2 以
上(より好ましくは20kgf/cm2 以上)である。
における問題を解決するために様々な角度から検討を加
えた。そして一般にCu,Ag,Coよりも抗菌性、防
藻性および抗黴性が劣ると言われているNiにPを含有
させて合金化させた、いわゆるNi−P系合金皮膜に着
目し、この合金皮膜中のP,H,S,Cl等の含有量や
水中へのNi溶出量を制御すれば、上記各特性Cu,A
g,Co等を使用したときよりも格段に高めることがで
きることを見出し、本発明を完成した。
面にNi−P系合金皮膜を被覆したものであるが、この
皮膜中のP含有量を1〜10%とする必要がある。即
ち、Ni−P系合金皮膜のP含有量が1%未満では、抗
菌性、防藻性および抗黴性のいずれの性能も劣るものと
なり、P含有量が10%よりも多くなると、防藻性およ
び抗黴性に優れるが抗菌性に劣る。
しい範囲は、各特性によって異なり、例えば抗菌性に関
してはP含有量が1〜5%の範囲にするのが好ましく、
防藻性および抗黴性に関しては、P含有量が2%以上の
範囲で優れた性能を発揮する。従って、Ni−P系合金
皮膜のP含有量が2〜5%の範囲内の場合には、優れた
抗菌性、防藻性および抗黴性をともに付与することがで
きる。
特に制限されず、例えばNi−P,Ni−P−B,Ni
−P−C,Ni−Co−P,Zn−Ni−P等の各種合
金皮膜が挙げられ、また必要によってこれらの皮膜中に
硬質粒子、自己潤滑粒子、光触媒機能粒子等を分散させ
た各種複合皮膜を適用できる。また本発明に適用できる
Ni−P系合金皮膜の作製方法としては、例えば電気め
っき、無電解めっき、気相めっきなどの様々な表面処理
が挙げられ、特に制限されるものではないが、本発明を
簡便に実行できる方法としては電気めっきが推奨され
る。
i−P系合金皮膜中の水素含有量を0.00001〜
0.005%の範囲に制御することが好ましい。この水
素量は、皮膜を基材から機械的に剥がし、皮膜自身につ
いて室温から350℃までの昇温分析を行い、検出され
る水素量である。より具体的には、昇温速度12℃/m
inで350℃まで連続加熱し、発生水素量を大気圧イ
オン化質量分析計(API−MS)により測定した値で
ある。この水素含有量が0.00001%未満では、P
含有量に依らず防藻性および抗黴性が十分に発揮されに
くくなり、0.00001%以上、より好ましくは0.
00015%以上とすることによってPの添加効果を増
大させ、本発明の効果を有効に発揮させることができ
る。
び抗黴性に有効に機能するのは、次の様な理由によるも
のと考えることができる。即ち、Ni−P系合金皮膜の
表面には、通常で10nm〜1μm、高湿度の状態で数
10〜数100μm厚さの吸着水が存在するが、この吸
着水中に皮膜中のNiおよびPが溶出し、吸着水を介し
て増殖すると考えられる細菌、藻および黴を死滅させる
ことができるためであると考えられる。
菌性、防藻性および抗黴性に効果を発揮するのは、水素
は還元作用を発揮することから皮膜表面において酸化を
防ぎNiを活性化して、NiおよびPの上記溶出量を増
加させ、またPを抗菌性、防藻性および抗黴性に有効な
水素化物として溶出させ得るからであると推定される。
方法としては、皮膜形成後に、高温水素ガス雰囲気中に
曝す方法、電気化学的には水素チャージする方法などが
あり、いずれの方法も採用できる。尚電気めっきによっ
てNi−P系合金皮膜を形成する場合には、カソード反
応の一つとして水素反応があるので、電流効率をあえて
低下させたりすることにより水素含有量を増加させるこ
とができるので、水素含有量の増加を同時に達成できる
皮膜形成方法として望ましい。しかし、Ni−P系合金
皮膜中の水素含有量が0.005%を超えると皮膜の靭
性が著しく低下し、皮膜に割れが発生することがあるの
で、水素含有量は0.005%以下にすることが好まし
く、より好ましくは0.002%以下にするのが良い。
i−P系合金皮膜中の硫黄含有量を0.0025〜0.
1%の範囲に、塩素含有量を0.001〜0.01%の
範囲に制御することが好ましい。Ni−P系合金皮膜中
の硫黄含有量が0.0025%未満、または塩素含有量
が0.001%未満となると、抗菌性、防藻性および抗
黴性の付与効果が小さいくなる。この様に硫黄含有量や
塩素含有量を適切の規定することが抗菌性、防藻性およ
び抗黴性に効果を発揮するのは、硫黄は皮膜表面におい
て酸化を防ぎ活性化することと、水素吸蔵を助長する
(水素過電圧を下げる)硫黄化合物を形成することによ
り、また塩素は皮膜表面において自然皮膜を破壊するこ
とにより、前述した吸着水中へのNiの溶出量を増大さ
せるためと推定できる。
量を増加させる方法については特に限定するものではな
いが、湿式めっきの浴成分を制御したり、電気めっきの
電流効率をあえて低下させることで前記水素含有量を増
加すれば、硫黄や塩素の含有量を同時に増加させること
ができる。但し、Ni−P系合金皮膜中の硫黄が0.1
%を超えると、或は塩素が0.01%を超えると、皮膜
の靭性および強度が著しく低下するので、硫黄や塩素の
含有量は上記範囲内に制御する必要がある。尚上記硫黄
含有量のより好ましい上限は0.05%であり、より好
ましい下限は0.01%である。また上記塩素含有量の
より好ましい上限は0.01%であり、より好ましい下
限は0.005%である。
0℃の静止水中へ浸漬したときのNi−P系合金皮膜か
らのNi溶出量が1〜50μg/cm2 /週以上である
ことが好ましく、より好ましく10〜50μg/cm2
/週以上であるのが良い。ここでNi溶出量測定方法と
しては、例えば500mlビーカー中に試料の面積25
cm2 相当部分をイオン交換水50mlに浸したときに
イオン交換水中に溶け出したNiの量である。このNi
溶出量が1μg/cm2 /週未満では、抗菌性、防藻性
および抗黴性のいずれの性能も劣るものとなる。Ni溶
出量が増加するほど抗菌性、防藻性および抗黴性のいず
れの特性も向上し、10μg/cm2 /週以上でいずれ
の特性も最大となる。Ni−P系合金皮膜からのNi溶
出量を増加させる方法としては、前述した皮膜中のH,
S,Cl元素を制御する方法が推奨されるが、その他単
位面積当たりの表面積を増大させることや、Niよりも
電位的に貴な物質を皮膜中に混合させる等して皮膜の電
位をコントロールする、等の方法が採用できる。しかし
ながら、Ni溶出量が50μg/cm2 /週を超える
と、耐食性や変色等が問題となることがあり、また装飾
品等に用いるときには金属アレルギーが問題となるの
で、Ni溶出量は50μg/cm2 /週以下とするのが
を好ましい。このNi溶出量のより好ましい上限は、2
5μg/cm2 /週程度である。
i−P系合金皮膜の表面粗度を中心線平均粗さRaで
0.25μm以上とすることにより、Ni、Pの溶出量
が増加し、抗菌性、防藻性および抗黴性を更に高めるこ
とができる。また本発明の表面処理金属材料は、素地金
属材料の表面をNi−P系合金めっき皮膜で被覆したも
のであり、このめっき皮膜によって耐久性も基本的に優
れたものであるが、この特性をより発揮させるために
は、前記めっき皮膜の硬度はHv500以上であること
が好ましく、より好ましくはHv600以上とするのが
良い。また同様の観点から、ビッカース圧子押し込み時
の皮膜剥離発生最小荷重を10kgf/cm 2 以上とす
るのが好ましく、より好ましくは20kgf/cm2 以
上とするのが良い。この様にNi−P系合金めっき皮膜
の硬度をHv500以上とすることにより、摩擦による
皮膜消失を防止することができ、またビッカース圧子押
し込み時の皮膜剥離発生最小荷重を10kgf/cm2
以上とすることにより、チッピングによる皮膜消失を防
止することができるため、長期間に亘って本発明の効果
を維持することができ、耐久性に優れたものとなる。
しては、全ての金属および合金材料が適用でき何ら制限
されるものではないが、耐食性、強度等の観点からすれ
ば、特にチタン、チタン合金およびステンレス鋼が好ま
しいものとして挙げられ、軽量化の観点からはアルミ、
アルミ合金が好ましいものとして挙げられる。尚アルミ
合金基材等の様に、Ni−P系表面処理皮膜よりも電位
の卑な金属・合金基材で耐食性を重視する場合には、N
i−P系合金皮膜の膜厚を15μmとするのが好まし
く、より好ましくは30μm以上とするのが良い。また
本発明の表面処理金属材料が適用される用途としては、
抗菌性、防藻性および抗カビ性が必要な全ての分野に用
いることができるが、短時間での抗菌性、防藻性および
抗黴性効果が必要であり、また耐久性も必要であるトイ
レ用・厨房用・医療施設用建材に特に用いることが推奨
される。
明するが、下記実施例は本発明を限定する性質のもので
はなく、前・後記の趣旨に徴して設計変更することはい
ずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。
用いて以下に示すような条件で供試材を作製した。まず
各々の素地金属を、市販めっき前処理液を用いて脱脂、
エッチング、表面活性化、Niストライクめっきを順次
行った。その後NiSO4:240g/l、NiCl
2 :45g/l、ほう酸:30g/lからなるいわゆる
ワット浴やワット浴の塩化ニッケル量、硫酸ニッケル量
を増減させた浴(電気Niめっき浴)に、適宜、界面活
性剤、光沢剤等を加えた浴を用い、上記素地金属表面に
約20μmのめっきを施して供試材とした。また上述電
気Niめっき浴にリン酸、亜リン酸、オルトほう酸、ア
スコルビン酸、硫酸コバルト等を適宜添加した電気Ni
−P系めっき浴を調整し、このめっき浴にて各々約20
μmのめっきを施し、供試材とした。また一部の供試材
においては、水素チャージを行い、めっき皮膜中の水素
含有量を増加させた。
Clの含有率量について、各々のめっきを溶解した後、
ICP発光分光分析法にて測定した。また水素含有量
は、各々のめっき皮膜を素地金属から機械的に剥離し、
皮膜自身を昇温速度12℃/minで350℃まで連続
加熱し、発生ガスおよびその量を大気圧イオン化質量分
析計(API−MS)により分析した。尚この皮膜中の
水素分析方法は、岩田らの既報(神戸製鋼技報/Vo1
47、No.1、P24、Apr.1997)に従っ
た。またNi溶出量について、各々の試料25cm2 を
30℃に保持した静止水(イオン交換水)50cm2 中
で1週間浸漬し、浸漬後の液をICP発光分光分析法に
て分析した。
ついて、耐久性、抗菌性、防藻性および抗黴性について
調査し、各特性について評価した。このとき市販されて
いる各種の抗菌性付与表面処理部材(下記表1)につい
ても同様の評価を行なった。
い、試験前後の質量変化を測定し、各々の密度から摩耗
減量が5×10-4cm2 未満のものを評価A、5〜10
-4cm2 のものを評価B、10-4cm2 以上のもの、ま
たは皮膜に割れ、剥離等が発生したものを評価Cとして
評価した。 相手材:SUS304球 摺動面圧:1kgf/mm2 摺動距離:1cm×1万回往復
濃度が5×106 (CPU/ml)となるように調整し
た液50μlをサンプルに接種した後、30℃で2時間
保持し、その後生菌数(菌の生存率、%)を平板希釈法
によって測定した。菌の生存率が20%未満の場合は評
価A、20〜50%の場合は評価B、50%を超える場
合は評価Cとして評価した。
5 個/mlとなるように調整した液1mlをサンプル上
に接種した後、25℃で12時間のサイクルで3000
ルクスの明条件および暗条件にしたインキュベーターの
もとで3週間保持し、クロロフィルをエタノールで抽出
した。その後分光光度計により660nmの吸収を測定
し、クロロフィルのみの標準曲線との比較によりクロレ
ラの個体数を算出した。個体数が105 個/ml未満の
場合は評価A、105 〜106 個/mlの場合は評価
B、106 個/mlを超える場合は評価Cとして評価し
た。
スペルギルス・ニガー:IFO6342)を懸濁させた
液1mlをサンプルに接種した後、28℃で48時間保
持した後、Alamar blueを0.1ml添加
し、分光光度計により570nm、600nmの2波長
の吸収値の差を測定し、液のみの吸収値の差との比較に
より阻害率を算出した。阻害率が95%を超える場合は
評価A、90〜95%の場合は評価B、90%未満の場
合は評価Cとして評価した。
る試験結果を表1に示すが、この結果から明らかな様に
従来材では耐久性、抗菌性、防藻性および抗黴性をいず
れをも満足するものが得られていないことがわかる。
も含む)を金属材料表面に被覆した表面処理金属材料の
試験結果を図1〜4に示す。このうち図1はNi−P系
合金皮膜中のP含有量と水素含有量が各特性(耐久性、
抗菌性、防藻性および抗黴性)に与える影響を示したグ
ラフ、図2はNi−P系合金皮膜中の硫黄含有量が各特
性に与える影響を示したグラフ、図3はNi−P系合金
皮膜中の塩素含有量が各特性に与える影響を示したグラ
フ、図4はNi−P系合金皮膜中のP含有量とNi溶出
量の関係を示したグラフである。このときの抗菌性、防
藻性および抗黴性の評価は、下記の5段階の基準による
総合評価とした。尚図1に評価対象となった表面処理金
属材料は、全て硫黄含有量:0.0025〜0.1%、
塩素含有量:0.001〜0.01%、Ni溶出量:1
0〜50μg/cm2 /週のものである。また図1中で
「☆」印が付してあるものは、成膜した状態で水素含有
量が0.00001%未満であって、後処理および水素
チャージによって水素含有量を増加させたものである。
更に、図2〜4において、〜で示したものは、Ni
−P系合金皮膜中のPや水素の含有量が下記のものであ
ることを示している(但し、図4における,は水素
含有量のみが下記の範囲を満足するものである)。
とき ○:抗菌性、防藻性および抗黴性の3特性のうち、1特
性が評価Bで2特性が評価Aのとき △:抗菌性、防藻性および抗黴性の3特性のうち、2特
性が評価Bで1特性が評価Aのとき、または3特性とも
評価Bのとき +:抗菌性、防藻性および抗黴性の3特性のうち、1〜
2特性が評価Cのとき ×:抗菌性、防藻性および抗黴性の3特性とも評価Cの
とき
002% P含有量:8%、水素含有量:0.00001〜0.
00015% P含有量:3%、水素含有量<0.00001% P含有量:12%、水素含有量:0.00015〜
0.0020%
Ni−P系合金皮膜中のP含有量、水素含有量、硫黄含
有量、塩素含有量、30℃の静止水中へのNi溶出量等
に、耐久性、抗菌性、防藻性および抗黴性が大きく依存
し、これらの範囲を適切に制御することによって、上記
特性のいずれをも良好にできることがわかる。
強い抗菌性、防藻性および抗黴性のいずれの特性を備え
有し、しかも耐久性の点でも優れた表面処理金属材料が
実現でき、こうした表面処理金属材料は従来耐久性不足
あるいは抗菌性、防藻性及び抗カビ性不足等の理由によ
り適用することができなかった様々な分野に適用するこ
とができる。即ち、本発明の表面処理金属材料は、ホー
ル、福祉施設、学校、病院、駅、空港、輸送等の各種公
共施設に用いられる床、壁、天井、敷居、手摺等の各種
建材、コンベア部品等の産業用機械部品、食品や衣料品
の台車、昇降台、更には食品倉庫や厨房、トイレのドア
ノブ、スイングドア、ラッチ等の素材として有用であ
る。また本発明の表面処理金属材料は、各種衛生用品の
みならず、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機、乾燥機、食器
乾燥機、エアコン等の電化製品の他、ごみ回り品やトイ
レ用品、厨房品、各種工業用・家庭用タンク、医療器
具、サニタリー用品、文房具等、各種製品の素材として
も有用である。
が各特性(耐久性、抗菌性、防藻性および抗黴性)に与
える影響を示したグラフである。
与える影響を示したグラフである。
与える影響を示したグラフである。
の関係を示したグラフである。
Claims (9)
- 【請求項1】 Pを1〜10%(質量%の意味、以下同
じ)含むNi−P系合金皮膜が素地金属表面に被覆され
たものであることを特徴とする耐久性、抗菌性、防藻性
および抗黴性に優れた表面処理金属材料。 - 【請求項2】 Ni−P系合金皮膜中のPの含有量が2
〜5%である請求項1に記載の表面処理金属材料。 - 【請求項3】 Ni−P系合金皮膜中の水素含有量が
0.00001〜0.005%である請求項1または2
に記載の表面処理金属材料。 - 【請求項4】 Ni−P系合金皮膜中の硫黄含有量が
0.0025〜0.1%である請求項1〜3のいずれか
に記載の表面処理金属材料。 - 【請求項5】 Ni−P系合金皮膜中の塩素含有量が
0.001〜0.01%である請求項1〜4のいずれか
に記載の表面処理金属材料。 - 【請求項6】 30℃の静止水中へ浸漬したときのNi
−P系合金皮膜からのNi溶出量が1〜50μg/cm
2 /週である請求項1〜5のいずれかに記載の表面処理
金属材料。 - 【請求項7】 Ni−P系合金皮膜の表面粗度が中心線
平均粗さRaで0.25μm以上である請求項1〜6の
いずれかに記載の表面処理金属材料。 - 【請求項8】 Ni−P系合金皮膜の表面硬度がHv5
00以上である請求項1〜7のいずれかに記載の表面処
理金属材料。 - 【請求項9】 Ni−P系合金皮膜におけるビッカース
圧子押し込み時の皮膜割れ発生最小荷重が10kgf/
cm2 以上である請求項1〜8のいずれかに記載の表面
処理金属材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP14986098A JP3902329B2 (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 耐久性、抗菌性、防藻性および抗黴性を有する表面処理金属材料 |
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JP14986098A JP3902329B2 (ja) | 1998-05-29 | 1998-05-29 | 耐久性、抗菌性、防藻性および抗黴性を有する表面処理金属材料 |
Publications (2)
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JPH11343592A true JPH11343592A (ja) | 1999-12-14 |
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- 1998-05-29 JP JP14986098A patent/JP3902329B2/ja not_active Expired - Lifetime
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