JPH11343233A - 外用貼付剤 - Google Patents

外用貼付剤

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JPH11343233A
JPH11343233A JP14789398A JP14789398A JPH11343233A JP H11343233 A JPH11343233 A JP H11343233A JP 14789398 A JP14789398 A JP 14789398A JP 14789398 A JP14789398 A JP 14789398A JP H11343233 A JPH11343233 A JP H11343233A
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JP
Japan
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adhesive layer
sensitive adhesive
pressure
external patch
hydrophilic drug
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Application number
JP14789398A
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English (en)
Inventor
Tsutomu Nekama
務 根釜
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薬効成分として親水性薬物が含有されても安
定性に優れた外用貼付剤を提供する。 【解決手段】 支持体の片面に親水性薬物を含有する粘
着剤層が設けられ、該粘着剤層に剥離紙が積層された外
用貼付剤であって、該粘着剤層において親水性薬物の大
部分が固体粒子状態で含有されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、薬効成分として親
水性薬物を含有する外用貼付剤に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ヒトの皮膚に貼付することにより
薬物を皮膚から吸収させ、薬効を発現させる外用貼付剤
については種々の検討が行われてきた。その中で、親水
性薬物を薬効成分とする外用貼付剤においては、適当な
面積に薬物を溶解し、必要量を皮膚から吸収させるため
パップ剤等の含水系粘着剤が広く用いられてきた(特開
平4−266821号公報、特開平4−273818号
公報等)。しかしながら、塩酸、フマル酸等を付加した
酸付加塩型の親水性薬物は、含水系粘着剤中で分解や着
色等を起こすため、安定性が悪いという問題点があっ
た。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記従来の課
題を解決するものであり、その目的は、薬効成分として
酸付加塩型の親水性薬物が含有されても、分解や着色等
を起こすことなく安定性に優れた外用貼付剤を提供する
ことにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
外用貼付剤は、支持体の片面に親水性薬物を含有する粘
着剤層が設けられ、該粘着剤層に剥離紙が積層された外
用貼付剤であって、該粘着剤層において親水性薬物の大
部分が固体粒子状態で含有され、外用貼付剤全体の含水
量が前記親水性薬物量に対して10重量%以下であるこ
とを特徴とする。
【0005】本発明の請求項2記載の外用貼付剤は、支
持体の片面に親水性薬物を含有する粘着剤層が設けら
れ、該粘着剤層に剥離紙が積層された外用貼付剤であっ
て、該粘着剤層において親水性薬物の大部分が固体粒子
状態で含有され、上記剥離紙を剥がした状態における透
湿度が、30〜70g/m2 ・24hrであることを特
徴とする。
【0006】上記外用貼付剤は、支持体の片面に親水性
薬物を含有する粘着剤層が設けられ、該粘着剤層に剥離
紙が積層されたものである。
【0007】本発明で使用される粘着剤については、特
に限定されないが、外用貼付剤を常温で皮膚表面に長時
間固定しうる粘着力を有するものが好ましい。上記粘着
剤は、親水性薬物に対して完全に不溶性である必要はな
く、親水性薬物の大部分を固体粒子状態で存在させるこ
とができれば、わずかに溶解していても本発明の効果に
は影響がない。
【0008】上記粘着剤としては、例えば、アクリル系
粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤などが用い
られるが、粘着物性及びびコスト等を考慮すると、アク
リル系粘着剤及びゴム系粘着剤の使用が好ましい。
【0009】上記アクリル系粘着剤としては、特に、炭
素数4〜18の脂肪族アルコールと(メタ)アクリル酸
とから得られる(メタ)アクリル酸アルキルエステルの
(共)重合体、又は、上記(メタ)アクリル酸アルキル
エステルとその他の官能性モノマーとの共重合体が好適
に使用される。
【0010】上記(メタ)アクリル酸アルキルエステル
としては、例えば、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソ
ブチル、アクリル酸ヘキシル、アクリル酸オクチル、ア
クリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソデシル、
アクリル酸ラウリル、アクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2
−エチルヘキシル、メタクリル酸イソオクチル、メタク
リル酸デシル、メタクリル酸イソデシル、メタクリル酸
ラウリル、メタクリル酸ステアリルなどが挙げられる。
【0011】上記その他の官能基モノマーとしては、水
酸基を有するモノマー、カルボキシル基を有するモノマ
ー、アミド基を有するモノマー、ピロリドン環を有する
モノマー等が用いられる。
【0012】上記水酸基を有するモノマーとしては、例
えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒ
ドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられ
る。
【0013】上記カルボキシル基を有するモノマーとし
ては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸等のα、β−
不飽和カルボン酸;マレイン酸ブチル等のマレイン酸モ
ノアルキルエステル;マレイン酸、フマル酸;クロトン
酸などが挙げられる。無水マレイン酸も、マレイン酸と
同様の共重合体を形成し得るので使用可能である。
【0014】上記アミド基を有するモノマーとしては、
例えば、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジ
エチルアクリルアミド等のアルキル(メタ)アクリルア
ミド;ブトキシメチルアクリルアミド、エトキシメチル
アクリルアミド等のアルキルエーテルメチロール(メ
タ)アクリルアミド;ダイアセトンアクリルアミド等が
挙げられる。
【0015】上記ピロリドン環を有するモノマーとして
は、例えば、ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0016】上記以外に、酢酸ビニル、スチレン、α−
メチルスチレン、塩化ビニル、アクリルニトリル、エチ
レン、プロピレン、ブタジエンなども使用可能である。
【0017】上記アクリル系粘着剤は、上記モノマーを
通常の公知の方法によって(共)重合することにより得
られる。全共重合成分中において、上記(メタ)アクリ
ル酸アルキルエステルが50重量%以上含有されている
ことが好ましい。
【0018】上記ゴム系粘着剤としては、例えば、天然
ゴム、合成イソプレンゴム、ポリイソブチレン、ポリビ
ニルエ−テル、ポリウレタン、ポリイソプレン、ポリブ
タジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−
イソプレン共重合体、スチレン−イソプレン−スチレン
ブロック共重合体等をベースとするものが使用される。
【0019】上記シリコーン系粘着剤としては、例え
ば、ポリオルガノシロキサンなどのシリコーンゴムが使
用される。
【0020】上記粘着剤中には、必要に応じて各種配合
剤が添加されてもよい。このような配合剤としては、例
えば、ロジン系樹脂、ポリテルペン樹脂、クロマンーイ
ンデン樹脂、石油系樹脂、テルペンフェノール樹脂等の
粘着付与剤;液状ポリブテン、鉱油、ラノリン、液状イ
ソブチレン、液状ポリアクリレート等の可塑剤;充填
剤;老化防止剤などが挙げられる。
【0021】本発明の貼付剤には、薬物の経皮透過性を
向上させる目的で、必要に応じて、粘着剤層に適当な吸
収促進剤を含有させてもよい。上記吸収促進剤として
は、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、セバシン酸ジ
エチル、ソルビタンモノラウレート、グリセリンモノオ
レート、オレイルリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナト
リウム、オクチルフェニルエーテル、ポリエチレングリ
コール付加オクチルフェニルエーテル、ラウリルエーテ
ル、ポリエチレングリコール付加ラウリルエーテル、ソ
ルビタンモノオレート、ポリエチレングリコール付加ソ
ルビタンモノオレート、ラウロイルジエタノールアミ
ド、ラウロイルサルコシン、オレオイルサルコシンシュ
ガーエステル、レシチン、グリチルレチン、尿素、サリ
チル酸、チオグリコール酸カルシウム、乳酸、乳酸エス
テル、オリーブ油、スクワレン、ラノリン、流動パラフ
ィン、グリセリンなどが用いられる。
【0022】本発明で用いられる薬物としては、親水性
薬物であれば特に限定されず、例えば、全身麻酔剤、睡
眠・鎮痛剤、抗癲癇剤、解熱鎮痛消炎剤、ステロイド系
抗炎症剤、興奮剤・覚醒剤、精神神経用剤、局所麻酔
剤、骨格筋弛緩剤、自律神経用剤、鎮痙剤、抗パーキン
ソン剤、抗ヒスタミン剤、強心剤、不整脈用剤、利尿
剤、血圧降下剤、血管収縮剤、血管拡張剤、動脈硬化用
剤、呼吸促進剤、鎮咳去痰剤、消化性潰瘍治療剤、利胆
剤、ホルモン剤、寄生性皮膚疾患用剤、ビタミン剤、無
機質製剤、止血剤、血液凝固阻止剤、肝臓疾患用剤、習
慣性中毒用剤、痛風治療剤、糖尿病用剤、抗悪性腫瘍
剤、放射性医薬品、漢方製剤、抗生物質、化学療法剤、
駆虫剤・抗原虫剤、麻薬などが挙げられ、特に酸附加塩
型のものが好ましい。
【0023】上記酸付加塩型の親水性薬物の具体例とし
ては、例えば、ケタミン、クロルジアゼポキシド、フル
ラゼパム、リルマザホン、ベンジダミン、チアラミド、
トラマドール、ジメトチアジン、メタンフェタミン、メ
チルフェニデート、アマンタジン、メチキセン、クロル
プロマジン、トリフルプロマジン、レボメプロマジン、
プロクロルペラジン、チオプロペラジン、チオリダジ
ン、ベルフェナジン、フルフェナジン、フロロピパミ
ド、ヒドロキシジン、イミプラミン、デシプラミン、ク
ロミプラミン、アミトリプチリン、ドスレピン、サフラ
ジン、スルトプリド、メチルフェニデート、インデロキ
サジン、チアプリド、ビフェメラン、プロカイン、ジブ
カイン、オキシブプロカイン、ブピバカイン、メピバカ
イン、プロピトカイン、エペリゾン、トルペリゾン、チ
ザニジン、トラゾリン、アトロピン、スコポラミン、ジ
サイクロミン、メチキセン、イソプロテレロール、ベタ
ヒスチン、イソプレナリン、ドパミン、メタラミノー
ル、エチレフリン、ノルフェネフリン、プロカインアミ
ド、プロプラノロール、アルプレノール、ブフェトロー
ル、オクスプレノール、インデノロール、カルレオロー
ル、ベフノロール、アセブトロール、ブクモロール、チ
モロール、メトプロロール、ビソプロロール、ジソピラ
ミド、メキシレチン、アプリンジン、トドララジン、ヒ
ドララジン、グアネチジン、ベタニジン、クロニジン、
カルテオロール、ブニトロロール、プロプラノロール、
メトプロロール、フェニレフリン、ミトドリン、メトキ
サミン、ジラゼプ、ジルチアゼム、トリメタジジン、カ
ルボクロメン、イソクスプリン、ニカメタート、ニコチ
ニックアルコール、バメタン、トラゾリン、メクロフェ
ノキサート、モキシシリト、シネパジド、ジメフリン、
レバロルファン、ナロキソン、コデイン、ジヒドロコデ
イン、ペントキシベリン、ゼンプロペリン、チペピジ
ン、イソアミニル、クロブチノール、クロペラスチン、
ホミノベン、ノスカピン、L-エチルシステイン、L-メチ
ルシステイン、エフェドリン、メチルエフェドリン、ナ
トキシフェナミン、エピネフリン、イソプロテレノー
ル、オルシプレナリン、テルブタリン、サルブタモー
ル、クロルプレナリン、ツロブテロール、プロカテロー
ル、ピルブテロール、フェノテロール、クレンブテロー
ル、マブテロール、ピレンゼピン、ベネキサートベータ
デクス、ラニチジン、ロキサチジンアセタート、アクラ
トニウム、オクトレチド、ゴナドレリン、ブセレリン、
ヘキサミン、スパルテイン、オキシブチニン、リトドリ
ン、クロコナゾール、チアミン、ジセチアミン、ピリド
キシン、チクロピジン、メトホルミン、ブホルミン、ガ
ベキサート、ナファモスタット、ナイトロジェンマスタ
ード-N-オキシド、インプロスルファン、ニムスチン、
アンシタビン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビン
デシン、ブレオマイシン、ブレオマイシン、ペプロマイ
シン、ダウノルビシン、アクラルビシン、エピルビシ
ン、カルプロバジン、ジフェンヒドラミン、クロルフェ
ニラミン、アリメマジン、イソチペンジル、トリプロリ
ジン、ホモクロルシクリジン、ジフェニルピラリン、イ
プロヘプチン、タランピシリン、バカンピシリン、レナ
ンピシリン、ピブメシリナム、セフォチアムヘキセチ
ル、セフォチアム、オキシテトラサイクリン、テトラサ
イクリン、デメチルクロルテトラサイクリン、ドキシサ
イクリン、リンコマイシン、クリンダマイシン、ストレ
プトマイシン、カナマイシン、ベカナマイシン、フラジ
オマイシン、バロモマイシン、リボスタマイシン、ゲン
タマイシン、ジベカシン、アミカシン、シソマイシン、
ネチルマイシン、ミクロノマイシン、イセパマイシン、
アストロマイシン、アルベカシン、スペクチノマイシ
ン、バンコマイシン、ストレプトマイシン、カナマイシ
ン、カプレオマイシン、エンビオマイシン、エタンブト
ール、ジエチルカルバマジン、キニーネ、ペンタミジン
等の塩酸塩、フマル酸塩、リン酸塩、硫酸塩、マレイン
酸塩、メタンスルホン酸塩などの薬理学的に許容される
塩が挙げられる。
【0024】上記親水性薬物としては、水に対する溶解
度0.1重量%以上のものが好ましい。水に対する溶解
度が0.1重量%未満では、皮膚に貼付された際に、粘
着剤層中の薬物粒子が発汗等の水分に溶解されにくくな
り、皮膚からの吸収性が不足する。
【0025】上記親水性薬物は、粘着剤中では固体粒子
状態に分散させられて含有される。親水性薬物を粘着剤
層中に固体粒子状態で分散させる方法としては、例えば
予め良溶媒で薬物を溶解させた薬物含有粘着剤溶液の溶
媒を乾燥し、薬物を再結晶させる方法が考えられるが、
再結晶の場合、製造後の結晶析出コントロールが困難で
あることから、薬物を固体粒子状態で粘着剤又は粘着剤
溶液と混合し、公知の製法に従い外用貼付剤を作製する
方法が好ましい。
【0026】また、親水性薬物粒子の大きさについて
は、薬物原体そのままで使用してもよいし、ホモミキサ
ー、ジェットミル、ハンマーミル等で所望の大きさに粉
砕した後用いてもよい。但し、粒子径の大きな薬物が存
在すると、粘着剤層表面の平滑性が損なわれることから
外観上好ましくない。さらに、外用貼付剤の含有水分に
より大きな固体粒子が溶解されると、粘着剤層中に空隙
が形成され、含有水分の影響を受ける固体粒子の割合が
増えることから、親水性薬物の安定性の点で好ましくな
い。従って、粘着剤層中に含有される親水性薬物の固体
粒子の大きさとしては、個数平均径5μm以下が好まし
く、25μm以上の固体粒子数は全固体粒子数の10%
以下であることが好ましい。
【0027】このように固体粒子状態で粘着剤に含有さ
れた親水性薬物は、皮膚に貼付された後、皮膚からの発
汗等による水分により、粘着剤層から溶け出して皮膚に
吸収される。
【0028】上記粘着剤層中における親水性薬物の濃度
は、0.5〜20重量%が好ましい。親水性薬物の濃度
が、0.5重量%未満であると薬効を発現するために必
要な量が皮膚から吸収されにくくなり、20重量%を超
えると粘着剤の凝集力が不足して糊残り等の原因とな
る。
【0029】さらに、本発明の外用貼付剤において、外
用貼付剤全体に含有される含水量が、親水性薬物量の1
0重量%以下となされることが好ましい。含水量が親水
性薬物量の10重量%を超えると親水性薬物に悪影響を
及ぼす。
【0030】上記外用貼付剤全体の含水量を薬物量の1
0重量%以下とする方法については、例えば、シリカゲ
ル、アルミナ等の公知の乾燥剤と共にアルミニウム袋な
どの防湿袋あるいは箱などに納めて保存する方法;外用
貼付剤を減圧等の操作により予め含水量を薬物量の10
重量%以下とし、アルミニウム袋などの防湿袋あるいは
箱などに納めて保存する方法;外用貼付剤を作製する原
材料を予め乾燥させておき、得られた含有水分が薬物量
の10重量%以下である外用貼付剤をアルミニウム袋等
の防湿袋あるいは箱などに納める方法等が例示される。
【0031】本発明の外用貼付剤は、支持体の表面に粘
着剤層を設けた後、該粘着剤層表面を使用時まで保護す
る目的で粘着剤層表面に剥離紙を積層することにより得
られる。
【0032】支持体表面に粘着剤層を形成する方法とし
ては、溶液塗工法、ホットメルト塗工法、電子線硬化エ
マルジョン塗工法などの種々の公知の塗工法が使用可能
であるが、特に溶媒塗工法が好適に使用される。上記溶
液塗工法では、まず、上記粘着剤を適当な溶媒で希釈
し、これに、所望の大きさに粉砕した薬物固体粒子、並
びに必要に応じて、吸収促進剤及び各種配合剤を添加す
る。得られた薬物固体粒子が分散された混合液を支持体
表面に塗布し、乾燥させて溶媒を除去することによって
外用貼付剤が形成される。上記以外の粘着剤層形成方法
として、上記混合液を剥離紙上に塗工し乾燥した後、得
られた粘着剤層を支持体に転写することも可能である。
【0033】このようにして支持体上に形成される粘着
剤層の厚みは、使用目的により異なるが、通常、20〜
200μmの範囲内が好ましい。20μmを下回ると、
外用貼付剤の所定の面積の粘着剤層に所定量の親水性薬
物を含有させることができず、さらに粘着力が要求され
る場合は充分な粘着性が得られない。また、200μm
を超えると、支持体付近の粘着剤層に含有される親水性
薬物が、発汗等の水分によって十分に溶解されず、粘着
剤層中の親水性薬物が有効に利用されなくなる。
【0034】上記支持体に用いられる素材としては、例
えば、酢酸セルロース、エチルセルロース、ポリエチレ
ンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重
合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチ
レン−メチル(メタ)アクリル酸共重合体、可塑化ポリ
塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリ塩化ビ
ニリデン、アルミニウムなどが例示される。これらの素
材はフィルムや不織布の状態で、単層あるいは2層以上
の積層体として使用される。
【0035】本発明の外用貼付剤において、支持体に粘
着剤層を積層した状態(外用貼付剤の剥離紙を剥がした
状態)での透湿度が高すぎると、皮膚に貼付した際に、
皮膚からの発汗等による水分が支持体背面に蒸発してし
まい、親水性薬物の皮膚から吸収が不十分となる。ま
た、透湿度が低すぎると、貼付中に発汗等による水分に
溶解した多量の親水性薬物が貼付剤の外周部分にしみ出
し、外用貼付剤の周りに薬物が再結晶することから使用
感が著しく損なわれる。以上の理由により、上記外用貼
付剤の剥離紙を剥がした状態における透湿度は30〜7
0g/m2 ・24hr(JIS Z0208に準拠し
て、カップ法により37℃、90%RHの条件で測定)
とすることが好ましい。
【0036】上記剥離紙としては、例えば、ポリエチレ
ンテレフタレートフィルム又は上質紙に積層したポリエ
チレン表面にシリコーン処理を施したものが用いられ
る。
【0037】
【発明の実施の形態】以下においては本発明の実施例に
ついて述べる。
【0038】(実施例1)塩酸オキシブチニン(親水性
薬剤)に適量のベンゼンを加えた後、ホモミキサーで粉
砕し、個数平均径3μmであり、25μm以上の固体粒
子数が8%となるように調整した。上記塩酸オキシブチ
ニンにアクリル酸−2−エチルヘキシル・ビニルピロリ
ドン共重合体溶液(医薬品添加物規格収載品)を加え
て、固形分中の塩酸オキシブチニン濃度が5重量%で、
固体粒子状態に分散した粘着剤溶液を得た。
【0039】この粘着剤溶液を厚さ75μmのポリエチ
レンテレフタレートフィルムの剥離紙上に塗布し、60
℃で30分間乾燥させて、厚さ40μmの粘着剤層を形
成した。この粘着剤層を、厚さ40μmのエチレン・メ
チルアクリル酸共重合体フィルムからなる支持体に貼り
合わせて外用貼付剤を作製した。この外用貼付剤を10
cm2 に打ち抜いて得られた試験片を、乾燥剤(粒状シ
リカゲル薬2g)と共にアルミニウム袋に入れて密封し
た。
【0040】尚、この外用貼付剤から剥離紙を除いた状
態での透湿度を、JIS Z0208に準拠して、カッ
プ法により37℃、90%RHの条件で測定したとこ
ろ、48g/m2 ・24hrであった。 (実施例2)塩酸オキシブチニン(個数平均径8μm、
25μm以上の固体粒子数24%)を粉砕せずに、その
まま用いたこと以外は実施例1と同様にして、外用貼付
剤を作製した後、実施例1と同様にしてアルミニウム袋
に入れて密封した。
【0041】(比較例1)実施例1と同様にして外用貼
付剤を作製した後、乾燥剤を用いなかったこと以外は実
施例1と同様にしてアルミニウム袋に入れて密封した。
【0042】(比較例2)塩酸オキシブチニン5gを精
製水425gに溶解し、さらにグリセリン300g、カ
オリン200g、ゼラチン50g、ソルビタンモノオレ
エート5g及びポリアクリル酸ナトリウム15gを加え
て60℃で混練しパップ剤を調製した。このパップ剤を
厚さ40μmのエチレン・メチルアクリル酸共重合体フ
ィルムからなる支持体上に厚さ0.1mmとなるように
展延して粘着剤層を作製した後、粘着剤層表面を厚さ7
5μmのポリエステル製の剥離紙で覆った後冷却してパ
ップ剤を得た。このパップ剤を10cm2 の面積に打ち
抜いて得られた試験片をアルミニウム袋に入れて密封し
た。なお、このパップ剤には薬物固体粒子の存在は認め
られなかった。
【0043】(実施例3)スチレン−イソプレン−スチ
レンブロック共重合体100g、ポリブテン33g、脂
環族飽和炭化水素樹脂283g、流動パラフィン250
g及びブチルヒドロキシトルエン4gをシクロヘキサン
に溶解混合して粘着剤溶液を得た。別途、塩酸プロカテ
ロールに適量の酢酸エチルを加えた後、超音波及びホモ
ミキサーで粉砕し、個数平均径1μm、25μm以上の
個数粒子数を3%とした後、上記粘着剤溶液を加え、さ
らにクロスポビドンを加えて、固形分中の塩酸プロカテ
ロール濃度が10重量%で、塩酸プロカテロールが固体
粒子状態に分散した塗工用粘着剤溶液を得た。
【0044】この塗工用粘着剤溶液を厚さ75μmのポ
リエステル製の剥離紙上に塗布し、60℃で30分間乾
燥させて、厚さ40μmの粘着剤層を形成した。この粘
着剤層を厚さ40μmのエチレン・メチルアクリル酸共
重合体フィルムからなる支持体に貼り合わせて外用貼付
剤を作製した。この外用貼付剤を10cm2 に打ち抜い
て得られた試験片を、乾燥剤(粒状シリカゲル薬2g)
と共にアルミニウム袋に入れて密封した。
【0045】尚、この外用貼付剤から剥離紙を除いた状
態での透湿度を、実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、51g/m2 ・24hrであった。
【0046】(実施例4)塩酸プロカテロール(個数平
均径6μm、25μm以上の固体粒子数18%)を粉砕
せずに、そのまま用いたこと以外は実施例3と同様にし
て外用貼付剤を得、得られた外用貼付剤を10cm2
打ち抜いて得られた試験片を、乾燥剤(粒状シリカゲル
薬2g)と共にアルミニウム袋に入れて密封した。
【0047】(比較例3)実施例3の外用貼付剤を10
cm2 に打ち抜いて得られた試験片を、乾燥剤を用いず
にアルミニウム袋に入れて密封した。
【0048】(比較例4)支持体として、厚さ15μm
のエチレン・メチルアクリル酸共重合体フィルムを用い
たこと以外は、実施例1と同様にして外用貼付剤を得
た。得られた外用貼付剤を10cm2 に打ち抜いて得ら
れた試験片を、乾燥剤を用いずにアルミニウム袋に入れ
て密封した。尚、この外用貼付剤から剥離紙を除いた状
態での透湿度を、実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、93g/m2 ・24hrであった。
【0049】(比較例5)支持体として、厚さ80μm
のエチレン・メチルアクリル酸共重合体フィルムを用い
たこと以外は、実施例1と同様にして外用貼付剤を得
た。得られた外用貼付剤を10cm2 に打ち抜いて得ら
れた試験片を、乾燥剤を用いずにアルミニウム袋に入れ
て密封した。尚、この外用貼付剤から剥離紙を除いた状
態での透湿度を、実施例1と同様にして測定したとこ
ろ、24g/m2 ・24hrであった。
【0050】上記で得られた外用貼付剤について、下記
項目の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0051】(1)水分含有量 外用貼付剤(試験片)をアルミニウム袋に入れて密封
し、密封1日後の水分含有量を測定し、薬物量に対する
重量%に換算して表示した。
【0052】(2)安定性試験 上記アルミニウム袋で密封した外用貼付剤を60℃の恒
温槽中で1ヶ月間保存した後、残存する親水性薬物量を
高速液体クロマトグラフ法により測定し、初期の親水性
薬物量に対する残存率(%)を求めた。
【0053】(3)外観変化 上記アルミニウム袋で密封した外用貼付剤を60℃の恒
温槽中で1ヶ月間保存した後、着色度合いをカラーメー
タを用いて測定した。尚、実施例3、4及び比較例3に
ついてのみ実施した。
【0054】(4)皮膚透過量 ヘアレスマウスを頚椎脱臼により屠殺した後、直ちに皮
膚を剥離し、皮下脂肪を除去してフランツのセルにセッ
トした。次いで、外用貼付剤を3.14cm2(直径2
cmの円形)に打ち抜いた試料を、ヘアレスラット摘出
皮膚の上に貼付した。フランツのセル下部のレセプター
層には、下記レセプター液を入れ、試験開始後より37
℃に保たれた恒温槽中に設置した。試験開始から24時
間後に、下部のレセプター層から液を採取し、液中の薬
物量(皮膚透過量)を高速液体クロマトグラフ法で測定
した。尚、本試験をn=3で行い、その平均値を皮膚透
過量とした。レセプター液の調製 リン酸水素ナトリウム(5×10-4mol)、リン酸水
素二ナトリウム(2×10-4mol)、塩化ナトリウム
(1.5×10-1mol)及びゲンタマイシン10mg
を蒸留水に溶解した後、0.1N水酸化ナトリウム水溶
液でpH7.2に調整し、更に蒸留水を加えて1000
mlとしたものを使用した。
【0055】(5)薬物の結晶析出性 (4)の皮膚透過量試験終後のヘアレスラット摘出皮膚
をフランツのセルから取り除いて風乾した後、外用貼付
剤の外周部に析出した薬物結晶を目視観察し、薬物結晶
の析出が認められなかったものを○、薬物結晶の析出が
認められたものを×、と表示した。
【0056】
【表1】
【0057】
【発明の効果】本発明外用貼付剤は、従来のパップ剤と
同等の皮膚透過性能を示し、かつ薬効成分として親水性
薬物を含有しても安定性に優れる。また、粘着剤層に含
有される親水性薬物の固体粒子の粒径を個数平均径5μ
m以下、25μm以上の固体粒子数を全固体粒子数の1
0%以下とすることにより、さらに安定性に優れたもの
となる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の片面に親水性薬物を含有する粘
    着剤層が設けられ、該粘着剤層に剥離紙が積層された外
    用貼付剤であって、該粘着剤層において親水性薬物の大
    部分が固体粒子状態で含有され、外用貼付剤全体の含水
    量が前記親水性薬物量に対して10重量%以下であるこ
    とを特徴とする外用貼付剤。
  2. 【請求項2】 支持体の片面に親水性薬物を含有する粘
    着剤層が設けられ、該粘着剤層に剥離紙が積層された外
    用貼付剤であって、該粘着剤層において親水性薬物の大
    部分が固体粒子状態で含有され、上記剥離紙を剥がした
    状態における透湿度が、30〜70g/m2 ・24hr
    であることを特徴とする外用貼付剤。
  3. 【請求項3】 上記支持体の片面に親水性薬物を含有す
    る粘着剤層が設けられ、該粘着剤層に剥離紙が積層され
    た外用貼付剤であって、該粘着剤層において親水性薬物
    の大部分が固体粒子状態で含有され、外用貼付剤全体の
    含水量が前記親水性薬物量に対して10重量%以下であ
    り、かつ、上記剥離紙を剥がした状態における透湿度
    が、30〜70g/m2 ・24hrであることを特徴と
    する外用貼付剤。
  4. 【請求項4】 上記親水性薬物が酸附加塩型のものであ
    ることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載
    の外用貼付剤。
  5. 【請求項5】 上記粘着剤層中に含有される親水性薬物
    の固体粒子の個数平均径が5μm以下であり、25μm
    以上の固体粒子数が全固体粒子数の10%以下であるこ
    とを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の外
    用貼付剤。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2005072716A1 (ja) * 2004-01-30 2005-08-11 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. 貼付剤入り包装袋
WO2008044336A1 (fr) * 2006-10-11 2008-04-17 Hisamitsu Pharmaceutical Co., Inc. Préparation adhésive contenant un cristal

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