JPH11342725A - 車両用空調装置 - Google Patents

車両用空調装置

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JPH11342725A
JPH11342725A JP15294098A JP15294098A JPH11342725A JP H11342725 A JPH11342725 A JP H11342725A JP 15294098 A JP15294098 A JP 15294098A JP 15294098 A JP15294098 A JP 15294098A JP H11342725 A JPH11342725 A JP H11342725A
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JP
Japan
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temperature
air
window glass
compressor
evaporator
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JP15294098A
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English (en)
Inventor
Yasutaka Negishi
康隆 根岸
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Bosch Corp
Original Assignee
Zexel Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空調通路外にメインコンデンサを配置し、空
調通路内にエバポレータ、サブコンデンサ及び補助加熱
用熱交換器を配置し、冷房運転時にメインコンデンサか
ら膨張装置を介してエバポレータに冷媒を導き、除湿暖
房運転時にサブコンデンサから膨張装置を介してエバポ
レータに冷媒を導く車両用空調装置において、除湿暖房
運転での窓晴れと暖房性能の確保を図る。 【解決手段】 車両の走行状態に関する因子、外気温
度、及び窓ガラスに沿って吹き出される空気温度をパラ
メータとして窓ガラスの内面温度を演算し、この内面温
度から窓ガラスの曇りを防ぐために必要なエバポレータ
直後の目標空気温度を演算する。この目標空気温度を実
測されたエバポレータ直後の空気温度と比較し、この空
気温度を目標空気温度に収束させるようにインテーク装
置による外気導入割合を調節する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、空調通路外にメ
インコンデンサを配置し、空調通路内にエバポレータと
サブコンデンサとを配置し、空調通路の最上流側に設け
られたインテーク装置を介して導入される空気を常にエ
バポレータとサブコンデンサとに通過させるようにした
ヒートポンプ式の車両用空調装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ハイブリッド車や直接噴射式エンジンを
搭載した車などのようにエンジン廃熱を利用しても充分
な暖房能力が得られない場合、又は、電気自動車のよう
にエンジン廃熱をそもそも利用することができない場合
においては、如何に暖房能力を確保するかが課題とな
る。このため、従来においては、特開平5−22933
3号公報(以下、第1従来技術という)、特開平8−2
95117号公報(以下、第2従来技術という)、特開
平8−99526号公報(以下、第3従来技術という)
などに示されるヒートポンプ式の冷媒サイクルが考えら
れている。
【0003】これらは、いずれも、車室外にメインコン
デンサを配し、車室内にサブコンデンサとエバポレータ
とを配置し、冷房運転時にはメインコンデンサ、サブコ
ンデンサ、膨張弁、エバポレータ、コンプレッサの順で
冷媒を循環させ、除湿暖房運転時にはメインコンデンサ
をバイパスして、サブコンデンサ、膨張弁、エバポレー
タ、コンプレッサの順で冷媒を循環させる構成を備えて
おり、空調モードに拘わらず、高圧冷媒がサブコンデン
サを必ず流れることから、サブコンデンサが従来のヒー
タコアの代用として用いられ、サブコンデンサの上流側
にエアミックスドアを設け、サブコンデンサを通過する
空気量とこれをバイパスする空気量との割合をこのエア
ミックスドアで調節し、所望の空気温度を得るようにし
ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
システムは、コンプレッサの仕事量が暖房能力を左右す
るものであることから、従来のエンジン廃熱を利用した
ヒータコアに比べて十分な暖房能力を得にくく、暖房能
力を確保するためには補助加熱用熱交換器を空調通路に
さらに配置する必要がある。
【0005】この補助加熱用熱交換器は、エンジンを搭
載している車両であれば、エンジン廃熱を用いるヒータ
コアであっても、エンジンを搭載していない車両であれ
ば、電気ヒータによって加熱された温水を循環させるヒ
ータであってもよいが、ユニットケースは、従来の車両
で用いられたものがそのまま流用されることから、上述
した従来技術のようにヒータユニットにサブコンデンサ
を配置すると、補助加熱用熱交換器の収納スペースをヒ
ータユニットに確保できなくなる不都合がある。
【0006】この不都合を解消するために本発明者は、
サブコンデンサをエアミックスダンパよりも上流側、即
ち、クーリングユニット内にエバポレータと前後して配
置し、これに伴い、サブコンデンサに常時冷媒が流れる
構成を改め、冷房運転時には冷媒をメインコンデンサか
ら膨張装置を介してエバポレータに導き、除湿暖房運転
時には冷媒をサブコンデンサから膨張装置を介してエバ
ポレータに導くようにしたシステムの開発に着手してい
る。
【0007】このようなシステムは、除湿暖房時にヒー
トポンプとして使用されることから、高圧ラインの圧力
が高いほど良好な暖房性能が得られるものであるが、窓
晴れ制御を行なうために外気を導入すると、高圧ライン
の圧力が低下し、暖房性能を損なう恐れがある。
【0008】しかも、窓ガラスが曇る条件は、ガラス内
面に沿って吹き出される吹出空気温度や走行状態(エン
ジン回転数)、外気温度によって異なることから、上述
のシステムの構築にあたっては、暖房能力を確保しつつ
これら条件の変動に応じて窓晴れを確保する必要があ
る。
【0009】そこで、この発明は、空調通路外にメイン
コンデンサを配置し、空調通路内にエバポレータとサブ
コンデンサとを配置し、しかも、インテーク装置を介し
て導入する空気をエバポレータのみならずサブコンデン
サに対しても常に通過させるようなレイアウトとした場
合において、除湿暖房時の窓晴れと暖房性能の確保とを
両立させるようにした車両用空調装置を提供することを
課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するため
に、この発明にかかる車両用空調装置は、次のシステム
構成と知見を前提としている。
【0011】先ず、システム構成としては、空調通路の
最上流側に設けられて内気と外気との導入割合を調節す
るインテーク装置と、冷媒を圧縮するコンプレッサと、
空調通路外に配されたメインコンデンサと、空調通路内
に配されたエバポレータ及びサブコンデンサとを有し、
冷房運転時には、前記コンプレッサによって圧縮された
冷媒を前記メインコンデンサから膨張装置を介して前記
エバポレータに導き、除湿暖房運転時には、前記コンプ
レッサによって圧縮された冷媒を前記サブコンデンサか
ら膨張装置を介して前記エバポレータに導くようにした
冷媒サイクルを備え、前記インテーク装置を介して導入
された空気を常に前記エバポレータとサブコンデンサと
に通過させるようにした構成が前提となる。
【0012】次に、ガラス内面の曇りの有無は、窓ガラ
スの内面温度とこの窓ガラスの内面に沿って吹き出され
る空気の露点温度との関係で決定される。吹き出される
空気の露点温度が低いほど乾いた空気であるため、窓ガ
ラスの内面温度が低くても曇りにくい。エバポレータを
有する空調装置では、このエバポレータを通過した直後
の空気温度(エバ直後温度:TEVAOUT)が吹出空気の露
点温度に相当していることから、エバ直後温度を窓ガラ
スの内面温度との関係で制御することができれば窓ガラ
スの曇りを防止することができる。
【0013】ところで、窓ガラスの内面温度は、車両の
走行速度が速いほど低くなり、外気温度が低いほど低く
なり、また、ガラス内面に沿って吹き出される空気の温
度が低いほど低くなる。また、上述した前提システムに
あっては、エバ直後温度が外気の導入割合に応じて、即
ち、インテーク開度に応じて変化し、図2に示されるよ
うに、インテーク開度が外気導入側へ変更されるほどエ
バ直後温度が低くなり、逆に、内気導入側へ変更される
ほどエバ直後温度が高くなる。
【0014】さらに、高圧ラインの圧力(Pd)が高い
ほど暖房性能は良くなるが、このPdは、エバポレータ
の負荷(LEVA )とコンプレッサの回転数(Np)との
関数で表わされ、エバポレータの負荷は、ファン速度
(VFAN )とエバポレータ上流側の空気温度(TEVAIN
)との関数で表わされ、エバポレータ上流側の空気温
度(TEVAIN )は、インテーク開度(θINTAKE)、外気
温度(TAM)、車室内温度(TINCAR )の関数で表わす
ことができる(数1)。つまり、暖房性能(高圧ライン
の圧力)は、インテーク開度(θINTAKE)の変更によっ
て変更されることとなり、上述の前提システムでは、イ
ンテーク開度(θINTAKE)が外気導入側へ変化するほど
暖房性能が悪くなり、内気導入側へ変化するほど暖房性
能が良くなる。
【0015】
【数1】 Pd=f(LEVA ,Np) =f(VFAN , TEVAIN ,Np) =f(VFAN , θINTAKE,TAM,TINCAR ,Np)
【0016】以上のシステム構成と知見から、インテー
ク開度は、暖房能力を得るためにはできるだけ外気導入
割合を小さくしておくことが望ましく、また、窓晴れを
確保するためには、できるだけ外気導入割合を大きくし
ておくことが望ましく、これらの要求を両立させるに
は、インテーク開度の適切な制御が必要となる。
【0017】そこで、この発明においては、窓ガラスの
内面温度がエンジン回転数、外気温度、及びデフロスト
吹出口からの吹出空気温度(DEF吹出空気温度)で決
定されることから、例えば、窓ガラスの内面温度をエン
ジン回転数、外気温度、DEF吹出空気温度をパラメー
タとしてマップ化しておき、このマップに基づいて各パ
レメータの実測値から窓ガラスの内面温度を演算する。
こうして求められた窓ガラスの内面温度は、吹出空気の
露点温度、即ち、エバ直後温度との関係で曇りの発生の
有無が分かるので、演算されたガラス内面温度から曇り
を避けることができる目標エバ直後温度を演算する。そ
して、演算された目標エバ直後温度と実際に測定された
エバ直後温度とを比較し、エバ直後温度を目標エバ直後
温度とするために必要な量だけインテーク開度(θINTA
KE)を変更し、インテーク開度が必要以上に外気導入側
へ変更されないようにする。
【0018】即ち、請求項1にかかる車両用空調装置
は、空調通路の最上流側に設けられて内気と外気との導
入割合を調節するインテーク装置と、冷媒を圧縮するコ
ンプレッサと、空調通路外に配されたメインコンデンサ
と、空調通路内に配されたエバポレータ及びサブコンデ
ンサとを有し、冷房運転時には、前記コンプレッサによ
って圧縮された冷媒を前記メインコンデンサから膨張装
置を介して前記エバポレータに導き、除湿暖房運転時に
は、前記コンプレッサによって圧縮された冷媒を前記サ
ブコンデンサから膨張装置を介して前記エバポレータに
導くようにした冷媒サイクルを備え、前記インテーク装
置を介して導入される空気を常に前記エバポレータとサ
ブコンデンサとに通過させるようにした前提構成におい
て、車両の走行状態に関する因子、外気温度、及び窓ガ
ラスに沿って吹き出される空気温度をパラメータとして
前記窓ガラスの内面温度を演算するガラス内面温度演算
手段と、演算された前記窓ガラスの内面温度から前記窓
ガラスの曇りを防ぐために必要な吹出空気の露点温度を
エバポレータ直後の目標空気温度として演算する目標空
気温度演算手段と、前記エバポレータ直後の空気温度を
検出する空気温度検出手段と、目標空気温度演算手段に
よって演算された目標空気温度を前記空気温度検出手段
によって検出された空気温度と比較し、この空気温度を
前記目標空気温度に収束させるように前記インテーク装
置による外気導入割合を調節するインテーク開度調節手
段とを具備することを特徴としている。
【0019】ここで、ガラス内面温度演算手段は、前記
車両の走行状態に関する因子、外気温度、及び窓ガラス
に沿って吹き出される吹出空気温度をパラメータとして
これに対応する窓ガラスの内面温度をマップ化してお
き、実測された走行状態に関する因子、外気温度、及び
窓ガラスに沿って吹き出される吹出空気温度から前記マ
ップによって窓ガラスの内面温度を演算するようにして
もよい(請求項2)。
【0020】ところで、除湿暖房運転が行なわれている
最中に、何らかの都合でコンプレッサが停止すると、従
来の制御であれば、窓ガラスに曇りが生じないようにし
て走行の安全を確保する必要からインテーク装置を外気
導入割合が100%となるように制御していた。
【0021】しかしながら、このような制御では、コン
プレッサが停止した際の外気の急激な導入によって暖房
性能の著しい低下を招くことが懸念される。確かに、暖
房制御に優先して窓晴れを確保する制御は安全走行のた
めに必要不可欠であるが、窓晴れが確保される限りでき
るだけ暖房性能を維持することができれば、乗員のニー
ズに一層適ったものとなる。
【0022】そこで、コンプレッサの稼動の有無によっ
て窓ガラスの内面が曇る条件も大きく異なってくること
から、コンプレッサの稼動の有無を判定する判定手段を
設け、ガラス内面温度演算手段に、コンプレッサが稼動
していると判定された場合に、車両の走行状態に関する
因子、外気温度、及び窓ガラスに沿って吹き出されるコ
ンプレッサ稼動時の吹出空気温度をパラメータとして前
記窓ガラスの内面温度を演算する第1の演算手段と、コ
ンプレッサが停止していると判定された場合に、車両の
走行状態に関する因子、外気温度、及び窓ガラスに沿っ
て吹き出されるコンプレッサ停止時の吹出空気温度をパ
ラメータとして前記窓ガラスの内面温度を演算する第2
の演算手段とを備え、演算される窓ガラスの内面温度を
コンプレッサの稼動時と停止時とで異ならせる(請求項
3)。
【0023】このような制御の具体例としては、コンプ
レッサの稼動時と停止時とのそれぞれにおいて、車両の
走行状態に関する因子、外気温度、及び窓ガラスに沿っ
て吹き出される吹出空気温度をパラメータとしてこれに
対応する窓ガラスの内面温度をマップ化しておき、コン
プレッサの稼動の有無に応じて使用するマップを選択
し、実測された走行状態に関する因子、外気温度、及び
窓ガラスに沿って吹き出される吹出空気温度から前記選
択されたマップによって窓ガラスの内面温度を演算する
ものが考えられる(請求項4)。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の形態を図
面により説明する。図1において、車両用空調装置は、
車室の前席側領域を空調するフロント側空調ユニット1
と、後席側領域を空調するリア側空調ユニット2とを車
室内に備えている。
【0025】フロント側空調ユニット1は、空調通路3
を構成する空調ダクト4が、例えば、ブロワユニット4
a、クーリングユニット4b、ヒータユニット4cをこ
の順で接続して構成されている。
【0026】最上流側のブロワユニット4aには、イン
テーク装置5が設けられ、内気入口6と外気入口7との
開口割合がインテークドア8によって調整されるように
なっている。また、ブロワユニット4aには、内気入口
6と外気入口7とに臨む例えばシロッコファンからなる
送風機9が収納されており、この送風機9の回転により
吸引された空気は、空調ダクト4の下流側へ圧送される
ようになっている。
【0027】送風機9の下流側には、第1のエバポレー
タ10、サブコンデンサ11、第1の温水式ヒータ12
が配置されており、第1のエバポレータ10及びサブコ
ンデンサ11は、通風方向で相前後してクーリングユニ
ット4bに収納され、サブコンデンサ11は、第1のエ
バポレータ10の下流側に並設されている。また、第1
のエバポレータ10とサブコンデンサ11とのそれぞれ
は、通路断面全体を遮るように設けられ、送風機9から
送られてくる空気を全て通過するようになっている。
【0028】第1の温水式ヒータ12は、補助加熱用熱
交換器として用いられるもので、クーリングユニット4
bに続いて接続されたヒータユニット4cに収納されて
おり、この第1の温水式ヒータ12は、ユニット内の一
部を2分してなる一方の通路上を遮るように設けられて
いる。第1の温水式ヒータ12より上流側には、この温
水式ヒータ12が配された一方の通路上を流れる空気
と、他方の通路上を流れる空気との割合を調節するエア
ミックスドア13が設けられている。ここで、エアミッ
クスドア13の開度は、第1の温水式ヒータ12の通風
割合を最小とする開度を0%(図中の実線で示す位
置)、最大とする開度を100%(図中の一点鎖線で示
す位置)とし、通常の構成においては、開度0%で第1
の温水式ヒータ12への通風量がなくなり、上流から送
られる空気のすべてが第1の温水式ヒータ12をバイパ
スし、開度100%で上流から送られる空気の全てが第
1の温水式ヒータ12を通過する構成となっている。
【0029】そして、空調ダクト4の最下流側は、デフ
ロスト吹出口14、ベント吹出口15、およびヒート吹
出口16に分かれて車室の前席側空間に開口し、その分
かれた部分にモードドア17a,17b,17cが設け
られ、このモードドアを操作することにより吹出モード
が切り換えられるようになっている。
【0030】また、リア側空調ユニット2は、図示しな
いリア側の送風機によって内気のみを空調ダクト内20
に吸引し、下流側へ圧送するようになっている。この送
風機の下流側には、第2のエバポレータ21と第2の温
水式ヒータ22とが配置されており、これら第2のエバ
ポレータ21と第2の温水式ヒータ22とは、空調ダク
ト20内の通路断面全体を遮るように設けられ、第2の
温水式ヒータ22は、第2のエバポレータ21の下流側
に並設されている。したがって、リア側空調ユニット2
にあっては、導入された空気の全てが第2のエバポレー
タ21を通過し、その後第2の後温水式ヒータ22を通
過して後席側空間へ供給される。
【0031】前記第1のエバポレータ10の冷媒流出側
はコンプレッサ23の吸入側に配管接続され、このコン
プレッサ23の吐出側は2系統に分岐し、一方が第1の
電磁弁24を介して車室外に設けられたメインコンデン
サ25の冷媒流入側に接続され、このメインコンデンサ
25の冷媒流出側は、リキッドタンク26、順方向への
冷媒の流れのみを許す逆止弁27、及び第1の膨張弁2
8を介して第1のエバポレータ10の冷媒流入側に接続
されている。
【0032】また、分岐された他方は、第2の電磁弁2
9を介してサブコンデンサ11の冷媒流入側に接続さ
れ、このサブコンデンサ11の冷媒流出側は、オリフィ
ス30を介して第1のエバポレータ10の冷媒流入側、
即ち、第1のエバポレータ10と第1の膨張弁28との
間に接続されている。前記オリフィス30は、配管途中
の流路面積を絞って形成されるものであっても、オリフ
ィス板を管路内に挿入して形成するものであっても、オ
リフィスが形成されたブロックを配管途中に介在させる
ものであってもよい。本発明にかかる膨張装置は、この
オリフィス30と前記第1の膨張弁28とによって構成
されている。
【0033】尚、リキッドタンク26は、車室外(エン
ジンルーム)に配置され、第1の膨張弁28及びオリフ
ィス30は、クーリングユニット4b内に配置されてい
る。
【0034】さらに、メインコンデンサ25の冷媒流出
側とコンプレッサ23の吸入側との間には、リキッドタ
ンク26、逆止弁27、第1の膨張弁28、及び第1の
エバポレータ10をバイパスする迂回通路31が設けら
れ、この迂回通路31が第3の電磁弁32によって開閉
されるようになっている。
【0035】前記リキッドタンク26の冷媒流出側、即
ち、リキッドタンク26と逆止弁27との間は、第4の
電磁弁33を介してリア側空調ユニット2内に配された
第2の膨張弁34に接続され、この第2の膨張弁34を
介して同リア側空調ユニット内に配された第2のエバポ
レータ21に接続されている。この第2のエバポレータ
21の冷媒流出側は、コンプレッサ23の吸入側に接続
されている。
【0036】温水式ヒータ12,22は、温水を熱源と
して通過空気を加熱する熱交換器で、車室内外を仕切る
ダッシュパネル35を介して温水を流通する配管が引き
出され、車室外に配された温水加熱装置36に接続され
ている。この温水加熱装置36は、シーズ型ヒータなど
の電気ヒータ37によって加熱された温水をポンプ38
により温水式ヒータ12,22に循環させるもので、電
気ヒータ37とポンプ38への通電が行われると、温水
式ヒータ12,22に温水を供給するようになってお
り、電気ヒータ37とポンプ38への通電が停止される
と、温水式ヒータ12,22への温水の供給が停止され
る。
【0037】尚、温水加熱装置36は、エンジンを搭載
した車両であれば、エンジンの冷却水を温水式ヒータ1
2,22に循環させる構成で代用してもよい。また、温
水加熱装置36に蓄熱タンクを接続し、温水加熱装置3
6によって加熱された温水の熱を蓄熱タンクに蓄積して
おき、空調装置が一旦止められて再起動するような場合
に、初期の段階から温度の高い温水を利用できるように
し、もって即暖性の向上を図るようにしてもよい。
【0038】40は、第1のエバポレータ10の下流側
近傍に設けられてこのエバポレータ10を通過した直後
の空気温度を測定するエバ直後温度センサであり、41
は、デフロスト吹出口近傍に設けられて窓ガラスに沿っ
て吹き出す空気温度を測定するDEF吹出温度センサ、
42は、コンプレッサの回転数を検出する回転数検出セ
ンサ、43は、外気温度を検出する外気温センサであ
り、これらセンサからの信号は、他のセンサや設定器か
らの信号と共に制御部45に入力される。
【0039】制御部45は、図示しない中央演算処理装
置(CPU)、読出専用メモリ(ROM)、ランダムア
クセスメモリ(RAM)、入出力ポート(I/O)等を
備えると共に、送風機9の回転制御、インテーク装置5
の駆動制御、コンプレッサ23の駆動制御、第1乃至第
4の電磁弁24,29,32,33や、温水加熱装置3
6、エアミックスドア13を制御する駆動回路等を有し
て構成され、ROMに与えられた所定のプログラムにし
たがって各種入力信号を処理し、送風能力の切り替え、
吸入モードの切り替え、コンプレッサ23の稼動・停止
(ON/OFF)、第1乃至第4の電磁弁24,29,
32,33の開閉、電気ヒータ37やポンプ38への通
電の有無、ファン速度、インテークドア8の開度、エア
ミックスドア13の開度等が制御されるようになってい
る。
【0040】上記構成において、冷房運転時において
は、表1に示すように、第1の電磁弁24を開、第2の
電磁弁29を閉、第3の電磁弁32を閉、第4の電磁弁
33を開とする。この際、電気ヒータ37とポンプ38
への通電は停止され、エアミックスドア13の開度は0
%となって第1の温水式ヒータ12への通風量はなくな
る。
【0041】
【表1】
【0042】すると、コンプレッサ23から吐出した冷
媒は、サブコンデンサ11には供給されず、直接メイン
コンデンサ25に入る。その後、リキッドタンク26に
入って気液分離され、しかる後に逆止弁27を介して第
1の膨張弁28に入り、ここで減圧されて第1のエバポ
レータ10に入る。そして、第1のエバポレータ10に
流入された冷媒は、空調ダクト4内の空気から吸熱し、
しかる後にコンプレッサ23に戻される。この際、第1
のエバポレータ10の冷媒流入側は、オリフィス30を
介してサブコンデンサ11に接続されているが、第2の
電磁弁29は閉じられているので、オリフィス30を介
してサブコンデンサ11へ流入する冷媒は殆どなく、第
1のエバポレータ10による冷房能力に影響はない。
【0043】よって、第1のエバポレータ10を通過し
た空気はすべてサブコンデンサ11を通過する構成にな
ってはいるが、サブコンデンサ11による熱交換はな
く、送風機9の駆動によって空調ダクト2内に吸引され
る空気は、第1のエバポレータ10で冷却され、サブコ
ンデンサ11で熱交換されることなく車室へ供給され、
車室の前席側空間を冷却する。
【0044】それと同時に、リキッドタンク26で気液
分離された高圧冷媒は、第2の膨張弁34に入り、ここ
で減圧されて第2のエバポレータ21に入り、ここを通
過する空気を冷却する。よって、図示しないリア側の送
風機の駆動によって空調ダクト20内に吸引される空気
は、第2のエバポレータ21で冷却され、第2の温水式
ヒータ22で熱交換されることなく車室へ供給され、車
室の後席側空間を冷却する。
【0045】これに対して、除湿暖房運転時において
は、表1に示されるように、第1の電磁弁24を閉、第
2の電磁弁29を開、第3の電磁弁32を閉、第4の電
磁弁33を閉とし、エアミックスドア13を、第1の温
水式ヒータ12への通風量が大きくなる位置、特に、車
室内温度が非常に低い場合や即暖性を要する場合には、
第1の温水式ヒータ12への通風量が最大(100%)
となる位置に設定する。また、電気ヒータ37とポンプ
38への通電を開始し、フロント側空調ユニット1とリ
ア側空調ユニット2のそれぞれの温水式ヒータ12,2
2に温水を供給する。
【0046】すると、コンプレッサ23から吐出した冷
媒は、今度はメインコンデンサ25には供給されず、サ
ブコンデンサ11に供給されて空調ダクト4内の空気と
熱交換し、この空気を加熱する。その後、冷媒は、オリ
フィス30で減圧され、しかる後に第1のエバポレータ
10に入ってここを通過する空気から吸熱し、しかる後
にコンプレッサ23に戻される。
【0047】第1のエバポレータ10での吸熱量とサブ
コンデンサ11での放熱量とのバランスは、コンプレッ
サ23の仕事分だけ放熱量が多いことから、空調ダクト
4内に吸引される空気は、第1のエバポレータ10で冷
却除湿されるものの、サブコンデンサ11によってエバ
ポレータ10で冷却された以上に加熱され、全体として
除湿された温かい空気となる。その後、サブコンデンサ
11で暖められた空気は、第1の温水式ヒータ12を通
過することによってさらに加熱され、車室の前席側空間
に供給される。
【0048】また、リア側空調ユニット2にあっては、
メインコンデンサ25に冷媒が流れないことから、第2
のエバポレータ21にも冷媒は流れず、ここを通過する
空気は冷却されず、第2の温水式ヒータ22によって加
熱された後に車室の後席側空間に供給される。
【0049】尚、除湿暖房運転が行われている場合に
は、メインコンデンサ25への冷媒の流通がなくなるた
め、このメインコンデンサ25に冷媒が寝込むことが予
想される。第3の電磁弁32は、このような寝込み冷媒
を回収する際に開かれるようになっている。また、本構
成例では、メインコンデンサ25からエバポレータ10
に至る経路上の膨張装置を第1の膨張弁28によって構
成し、サブコンデンサ11からエバポレータ10に至る
経路上の膨張装置を第1の膨張弁28とは異なるオリフ
ィス30によって構成しているが、共通の膨張装置を通
すようにしてもよい。
【0050】上述したシステムにおいては、クーリング
ユニット内にエバポレータ10とサブコンデンサ11と
が前後して配置され、インテーク装置を介して導入され
る空気がエバポレータ10とサブコンデンサ11との両
方を通過することから、冷媒サイクルの圧力バランスは
エバポレータ10とサブコンデンサ11との両方からの
影響を同時に受ける。特に、この冷媒サイクルでは、イ
ンテーク開度が外気導入側へ変更されて外気導入割合が
多くなるほど暖房能力は低下するので、窓晴れを確保で
きる範囲でインテーク開度を必要以上に外気導入側へ変
更しないようにすれば、暖房性能を損なわずに済む。
【0051】そこで、本構成例においては、サイクル制
御を行なうに先立ち、エンジン回転数(N)、外気温度
(TAM)、及びデフロスト吹出口14から吹き出される
空気温度(DEF吹出空気温度:TDEF )をパラメータ
とし、これらを変化させた際の窓ガラスの内面温度を図
3の右側で示されるようなマップとして作成しておく。
このマップは、外気温が低いほど窓ガラスの内面温度が
低くなり、外気温が同じであってもエンジン回転数が大
きいほど(車速が速いほど)窓ガラスの内面温度が低く
なる傾向を有しており、図中に示される実線の特性線
は、外気温が−20℃の場合であり、波線で示される特
性線は外気温が0℃の場合である。また、それぞれの外
気温でエンジン回転数がアイドル相当の850rpm の場
合と高速走行の2500rpm の場合とが示されている。
【0052】窓ガラスの内面温度が判ると、窓晴れに必
要な吹出空気の露点温度が判る。エバポレータを通過し
た直後の空気は、エバポレータの除湿機能からこの空気
の水蒸気密度が飽和水蒸気密度に達した場合と考えられ
ることから、このエバポレータを通過した直後の空気温
度は露点温度に一致しているとみることができる。よっ
て、窓ガラスの内面温度が判ると、窓晴れを確保するた
めに最低限要求されるエバポレータ直後の温度(目標エ
バ直後温度)が図3の左側で示す特性線から直ちに判
る。
【0053】例えば、外気温が−20℃であり、デフロ
スト吹出口から吹き出されている空気温度がαであると
すると、車両のアイドル時では目標エバ直後温度がβ1
に、高速走行時ではβ2になり、高速走行中で要求され
る目標エバ直後温度の方が低くなる(β2<β1)。
【0054】以上のようにして求められた目標エバ直後
温度(T'EVAOUT )は、窓晴れの必要のために過不足な
く要求される温度であり、実際のエバ直後温度を目標エ
バ直後温度となるようにインテーク開度が制御されれ
ば、必要以上にインテーク開度が外気導入側へ変更され
て暖房性能が著しく低下することがなくなる。
【0055】図4において、これを実現する具体的な制
御動作例がフローチャートとして示されており、以下、
このフローチャートに基づいて説明すると、先ず、ステ
ップ50において、エバ直後温度センサ40によって測
定されたエバポレータ直後の空気温度(TEVAIN )、D
EF吹出温度センサ41によって検出された窓ガラスに
沿って吹き出す空気温度(TDEF )、回転数検出センサ
42によって検出されたコンプレッサの回転数(N)、
外気温センサ43によって検出された外気温等の各種セ
ンサからの信号を制御部45へ入力する。
【0056】次のステップ52においては、各センサか
らの入力信号から前記マップに基づいて窓ガラスの内面
温度を演算し、この演算された窓ガラスの内面温度から
窓晴れに必要な目標エバ直後温度(T'EVAOUT )を演算
する。
【0057】その後、ステップ54において、演算され
た目標エバ直後温度(T'EVAOUT )とエバ直後温度セン
サ40によって実測されたエバ直後温度(TEVAIN )と
の差ΔT(=T'EVAOUT −TEVAIN )を演算し、ステッ
プ56において、この差が±1℃の範囲内であれば目標
通りのエバ直後温度が得られているとみて現状の状態を
維持し、インテーク開度の変更を不要とする(ステップ
58)。
【0058】これに対して、ΔTが−1℃よりも大きく
ずれている場合には、TEVAIN がT'EVAOUT よりも許容
し得ない程高い場合であり、露点温度が要求される温度
よりも高くなり過ぎて窓ガラスの曇りを誘発する可能性
があることから、インテーク開度を外気導入側へ移動さ
せ、TEVAIN をT'EVAOUT に収束させる。
【0059】また、ΔTが+1℃よりも大きくずれてい
る場合には、TEVAIN がT'EVAOUTよりも充分に低い場
合であり、窓晴れを確保する点では全く問題ないが、露
点温度をもっと高くしても窓晴れを確保できることか
ら、暖房性能を高めるためにインテーク開度を内気導入
側へ移動させ、TEVAIN をT'EVAOUT に収束させる。
【0060】したがって、上述のようにインテーク開度
が制御されることで、除湿暖房時の窓晴れが常時確保さ
れると共に暖房性能を阻害することがなくなる。
【0061】ところで、上述の制御においては、コンプ
レッサが正常に稼動していることが前提となっている
が、何らかの原因によってコンプレッサが停止した場合
には、図3で示すマップを用いても窓晴れを確保するこ
とができなくなる。
【0062】従来においては、このような場合には、外
気導入割合を100%とするようにインテーク開度が制
御されることが多かったが、このような制御をそのまま
上述の冷媒サイクルに用いると、暖房能力が著しく損な
われてしまう。
【0063】そこで、コンプレッサの稼動時と停止時と
で窓ガラスの内面温度を演算するマップをそれぞれ用意
しておく(図5の右側)。このマップにおいても、外気
温が低いほど窓ガラスの内面温度が低くなり、外気温が
同じであってもエンジン回転数が大きいほど(車速が大
きいほど)窓ガラスの内面温度が低くなる傾向を有して
おり、図中に示される実線の特性線は、外気温が−20
℃の場合であり、波線で示される特性線は外気温が0℃
の場合である。また、それぞれの外気温でエンジン回転
数がアイドル相当の850rpm の場合と高速走行の25
00rpm の場合とが示されている。
【0064】例えば、外気温が−20℃、エンジン回転
数が2500rpm であり、デフロスト吹出口から吹き出
されている空気温度がαであるとすると、コンプレッサ
の稼動時には目標エバ直後温度がγ1に、コンプレッサ
の停止時にはγ2になり、コンプレッサの停止時に要求
される目標エバ直後温度の方が低くなる(γ2<γ
1)。
【0065】以上のようにして求められた目標エバ直後
温度(T'EVAOUT )は、コンプレッサの稼動、停止のい
ずれの場合においても窓晴れの必要のために過不足なく
要求される温度であり、この目標エバ直後温度が得られ
るようにインテーク開度を制御すれば、コンプレッサの
停止時においてもインテーク開度が必要以上に外気導入
側へ変更されて100%外気導入となる場合をできるだ
け避けることができ、暖房能力の著しい低下を防ぐこと
ができる。
【0066】図6において、これを実現する具体的な制
御動作例がフローチャートとして示されており、以下、
主として図4の制御と異なる部分について説明し、同じ
部分は同一番号を付して説明を省略する。
【0067】先ず、ステップ70においては、ステップ
50と同様の各種センサからの信号を入力すると共に、
コンプレッサの運転状態を把握する信号を入力する。そ
の後、ステップ72において、コンプレッサの運転状態
を把握する信号に基づいてコンプレッサが停止している
のか稼動しているのかを判定する。
【0068】コンプレッサが稼動している場合であれ
ば、ステップ74へ進み、前記ステップ52と同様に各
センサの入力信号から稼動時のマップに基づいて窓ガラ
スの内面温度を演算し、この演算された窓ガラスの内面
温度から窓晴れに必要な目標エバ直後温度(T'EVAOUT
)を演算する。
【0069】これに対して、コンプレッサが停止してい
る場合であれば、ステップ76へ進み、各センサの入力
信号から停止時のマップに基づいて窓ガラスの内面温度
を演算し、この演算された窓ガラスの内面温度から窓晴
れに必要な目標エバ直後温度(T'EVAOUT )を演算す
る。
【0070】その後、前記ステップ56移行と同様の処
理がなされ、インテーク開度が調節されてエバ直後温度
(TEVAIN )を目標エバ直後温度(T'EVAOUT )に収束
させる。
【0071】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
空調通路外にメインコンデンサを配し、空調通路内にエ
バポレータ及びサブコンデンサを配し、冷房運転時に
は、冷媒をメインコンデンサから膨張装置を介してエバ
ポレータに導き、除湿暖房運転時には、冷媒をサブコン
デンサから膨張装置を介してエバポレータに導き、イン
テーク装置を介して導入される空気をエバポレータとサ
ブコンデンサとに常に通過させるようにしたシステム構
成において、車両の走行状態に関する因子、外気温度、
及び窓ガラスに沿って吹き出される吹出空気温度から窓
ガラスの内面温度を演算し、この演算された窓ガラスの
内面温度から窓ガラスの曇りを防ぐために必要なエバポ
レータ直後の目標空気温度を演算し、エバポレータ直後
の実際の空気温度を目標空気温度に収束させるようにイ
ンテーク装置による外気導入割合を調節するようにした
ので、除湿暖房時の暖房能力を損なうことなく窓晴れを
確保することができる。
【0072】また、コンプレッサの停止時と稼動時とで
場合を分けて窓ガラスの内面温度を演算し、この演算さ
れた窓ガラスの内面温度から窓晴れに必要なエバポレー
タ直後の目標空気温度を演算してインテーク開度を制御
する場合には、何らかの都合で除湿暖房時にコンプレッ
サが停止した場合でも、外気導入率が100%となって
暖房性能が著しく損なわれてしまうことがなくなり、窓
晴れの確保と暖房性能の確保を両立させることができ
る。
【0073】特に、本発明で用いられる冷媒サイクルの
ように、吹出空気の露点温度や暖房能力がインテーク開
度によって変更される構成では、窓晴れと暖房性能の確
保を両立させるために窓ガラスの内面温度を的確に把握
する必要があり、このためマップを利用して窓ガラスの
内面温度を演算する手法は、制御を簡易且つ精度よく行
なう上で有用なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る車両用空調装置の全体の
構成例を示す図である。
【図2】図2は、本発明に係る車両用空調装置のエバ直
後温度とインテーク開度との関係を示した特性線図であ
る。
【図3】図3は、DEF吹出空気温度(TDEF )、コン
プレッサの回転数、外気温から窓ガラスの内面温度を演
算するマップと、演算された窓ガラスの内面温度から目
標エバ直後温度(T'EVAOUT )を演算する特性線を示す
図である。
【図4】図4は、図3のマップを用いて、エバ直後温度
を目標エバ直後温度に収束させるようにインテーク開度
を制御する作動例を示すフローチャートである。
【図5】図5は、コンプレッサ稼動時と停止時とのそれ
ぞれの場合に、DEF吹出空気温度(TDEF )、コンプ
レッサの回転数、外気温から窓ガラスの内面温度を演算
するマップと、演算された窓ガラスの内面温度から目標
エバ直後温度(T'EVAOUT )を演算する特性線を示す図
である。
【図6】図6は、図5のマップを用いて、エバ直後温度
を目標エバ直後温度に収束させるようにインテーク開度
を制御する作動例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
3 空調通路 5 インテーク装置 8 インテークドア 10 第1のエバポレータ 11 サブコンデンサ 12 第1の温水式ヒータ 21 第2のエバポレータ 22 第2の温水式ヒータ 23 コンプレッサ 25 メインコンデンサ 28 第1の膨張弁 30 オリフィス 34 第2の膨張弁 40 エバ直後温度センサ 41 DEF吹出温度センサ 42 回転数検出センサ 43 外気温センサ 45 制御部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 空調通路の最上流側に設けられて内気と
    外気との導入割合を調節するインテーク装置と、冷媒を
    圧縮するコンプレッサと、空調通路外に配されたメイン
    コンデンサと、空調通路内に配されたエバポレータ及び
    サブコンデンサとを有し、冷房運転時には、前記コンプ
    レッサによって圧縮された冷媒を前記メインコンデンサ
    から膨張装置を介して前記エバポレータに導き、除湿暖
    房運転時には、前記コンプレッサによって圧縮された冷
    媒を前記サブコンデンサから膨張装置を介して前記エバ
    ポレータに導くようにした冷媒サイクルを備え、前記イ
    ンテーク装置を介して導入される空気を常に前記エバポ
    レータとサブコンデンサとに通過させるようにした車両
    用空調装置において、 車両の走行状態に関する因子、外気温度、及び窓ガラス
    に沿って吹き出される空気温度をパラメータとして前記
    窓ガラスの内面温度を演算するガラス内面温度演算手段
    と、 演算された前記窓ガラスの内面温度から前記窓ガラスの
    曇りを防ぐために必要な吹出空気の露点温度をエバポレ
    ータ直後の目標空気温度として演算する目標空気温度演
    算手段と、 前記エバポレータ直後の空気温度を検出する空気温度検
    出手段と、 目標空気温度演算手段によって演算された目標空気温度
    を前記空気温度検出手段によって検出された空気温度と
    比較し、この空気温度を前記目標空気温度に収束させる
    ように前記インテーク装置による外気導入割合を調節す
    るインテーク開度調節手段とを具備することを特徴とす
    る車両用空調装置。
  2. 【請求項2】 前記ガラス内面温度演算手段は、前記車
    両の走行状態に関する因子、外気温度、及び窓ガラスに
    沿って吹き出される吹出空気温度をパラメータとしてこ
    れに対応する窓ガラスの内面温度をマップ化しておき、
    実測された走行状態に関する因子、外気温度、及び窓ガ
    ラスに沿って吹き出される吹出空気温度から前記マップ
    によって窓ガラスの内面温度を演算する請求項1記載の
    車両用空調装置。
  3. 【請求項3】 コンプレッサの稼動の有無を判定する判
    定手段を設け、 前記ガラス内面温度演算手段は、前記判定手段によって
    コンプレッサが稼動していると判定された場合に、車両
    の走行状態に関する因子、外気温度、及び窓ガラスに沿
    って吹き出されるコンプレッサ稼動時の吹出空気温度を
    パラメータとして前記窓ガラスの内面温度を演算する第
    1の演算手段と、コンプレッサが停止していると判定さ
    れた場合に、車両の走行状態に関する因子、外気温度、
    及び窓ガラスに沿って吹き出されるコンプレッサ停止時
    の吹出空気温度をパラメータとして前記窓ガラスの内面
    温度を演算する第2の演算手段とを備えていることを特
    徴とする請求項1記載の車両用空調装置。
  4. 【請求項4】 前記ガラス内面温度演算手段は、前記コ
    ンプレッサの稼動時と停止時とのそれぞれにおいて、前
    記車両の走行状態に関する因子、外気温度、及び窓ガラ
    スに沿って吹き出される吹出空気温度をパラメータとし
    てこれに対応する窓ガラスの内面温度をマップ化してお
    き、前記コンプレッサの稼動の有無に応じて使用するマ
    ップを選択し、実測された走行状態に関する因子、外気
    温度、及び窓ガラスに沿って吹き出される吹出空気温度
    から前記選択されたマップによって窓ガラスの内面温度
    を演算する請求項3記載の車両用空調装置。
JP15294098A 1998-06-02 1998-06-02 車両用空調装置 Pending JPH11342725A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001015922A1 (fr) * 1999-08-27 2001-03-08 Zexel Valeo Climate Control Corporation Climatiseur pour vehicule
WO2018043060A1 (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 株式会社デンソー 冷凍サイクル装置
WO2019155905A1 (ja) * 2018-02-09 2019-08-15 サンデンオートモーティブクライメイトシステム株式会社 車両用空気調和装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2001015922A1 (fr) * 1999-08-27 2001-03-08 Zexel Valeo Climate Control Corporation Climatiseur pour vehicule
WO2018043060A1 (ja) * 2016-09-02 2018-03-08 株式会社デンソー 冷凍サイクル装置
WO2019155905A1 (ja) * 2018-02-09 2019-08-15 サンデンオートモーティブクライメイトシステム株式会社 車両用空気調和装置

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