JPH11342565A - 易接着性フィルム及びその製造方法 - Google Patents

易接着性フィルム及びその製造方法

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JPH11342565A
JPH11342565A JP10373804A JP37380498A JPH11342565A JP H11342565 A JPH11342565 A JP H11342565A JP 10373804 A JP10373804 A JP 10373804A JP 37380498 A JP37380498 A JP 37380498A JP H11342565 A JPH11342565 A JP H11342565A
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JP
Japan
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copolymer
film
ethylene
meth
easy
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Application number
JP10373804A
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English (en)
Inventor
Yoshiharu Nishigori
義治 錦織
Hiroyuki Yamada
博之 山田
Joji Kitajima
譲治 北島
Yasushi Kobayashi
靖 小林
Koichi Katayama
康一 片山
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New Oji Paper Co Ltd
Original Assignee
Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種印刷における印刷適性、インク受容性、
ブロッキング防止性に優れた易接着性フィルムの提供。 【解決手段】 重合体フィルム基体上に、エチレンと易
接着性付与官能性基含有エチレン性不飽和化合物との共
重合体(但し、この共重合体全重量に対しエチレンの共
重合重量割合は30〜90重量%)を含む易接着層を形
成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は易接着性フィルム及
びその製造方法に関するものである。更に詳しく述べる
ならば、本発明は、重合体フィルムと易接着層からな
り、グラビア印刷、凸版印刷、オフセット印刷、フレキ
ソ印刷等における印刷性に優れ、かつブロッキング防止
性に優れた易接着性フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリプロピレン、ポリプロピレン共重合
体、またはこれらの混合物を主成分として含むポリプロ
ピレンフィルム、及び、ポリエステルフィルム等は、そ
の優れた機械的強度及び透明性等により広く包装用フィ
ルムとして汎用されている。しかし一方において、これ
らの重合体フィルムの表面への印刷用インクの密着性、
蒸着金属の付着性、及びガスバリヤー性を付与する目的
で塗布されるポリ塩化ビニリデンラテックスなどの付着
性等が不良であり、かつポリプロピレンフィルムなどの
重合体フィルムの接着性が不足することに起因する多く
の欠点を有するものである。
【0003】上記の欠点を克服するために、例えば特公
昭57−14983号公報には、ポリエチレンイミンを
含有するアイオノマー系ポリオレフィンコポリマーを含
むアンカー層を形成する方法が開示されている。従来、
ポリプロピレンフィルムに施す印刷法としては、グラビ
ア印刷が殆どであった。しかし近年、凸版印刷に対する
適性も要求されるようになり、従来の処理方法では十分
な凸版印刷性を付与することができなかった。すなわ
ち、従来方法においても単にインク着肉性とインクの密
着強度(セロテープテスト法)との向上は達成される
が、凸版印刷では文字カスレが起こり、良好な印刷物を
作成することができなかった。
【0004】特開平2−3433号公報には、重合体フ
ィルムのブロッキング防止のためのスリップ剤としてカ
ルナバワックスを使用する方法が開示されている。しか
し、この方法における、カルナバワックスの添加は、印
刷インクの転移量の低下(濃度不足)、印刷カスレの発
生、インク密着性不足などが発生するため、ブロッキン
グ防止に対して十分な量のカルナバワックスを添加する
ことができない。このため、ブロッキング防止のために
シリカ等の無機顔料の添加量を多くする必要があり、そ
れによってヘイズの低下をまねくという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
上記欠点を解消し、グラビア印刷、凸版印刷、オフセッ
ト印刷及びフレキソ印刷等の印刷性に優れ、特にインク
受容性とインクの密着性が良好で、文字カスレがなく、
かつブロッキング防止性に優れた易接着性フィルムを提
供しようとするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る易接着性フ
ィルムは、重合体フィルムからなる基体及び前記基体上
に形成された易接着層を有し、前記易接着層が、エチレ
ンと、少なくとも1個の易接着性付与性官能基を有する
1種以上のエチレン性不飽和化合物との共重合体を含
み、前記共重合体全重量に対するエチレンの共重合重量
割合が、30〜90重量%であることを特徴とするもの
である。本発明の易接着性フィルムにおいて、前記エチ
レン性不飽和化合物の易接着性付与性官能基が、カルボ
ン酸基、カルボン酸エステル基、カルボン酸塩基、エポ
キシ基、及び無水カルボン酸基から選ばれることが好ま
しい。本発明の易接着性フィルムにおいて前記エチレン
共重合体が、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−
(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)アク
リル酸エステル−(メタ)アクリル酸塩共重合体、エチ
レン−アクリル系モノマー−無水マレイン酸共重合体、
及びエチレン−グリシジル(メタ)アクリル酸エステル
共重合体から選ばれることが好ましい。本発明の易接着
性フィルムにおいて、前記エチレン−(メタ)アクリル
酸エステル−無水マレイン酸共重合体における前記(メ
タ)アクリル酸エステルと無水マレイン酸との共重合重
量割合が20/1〜1/1であることが好ましい。本発
明の易接着性フィルムにおいて、前記易接着層が、さら
に、0.01〜10重量%の無機顔料をさらに含むこと
が好ましい。本発明の易接着性フィルムにおいて、前記
無機顔料が、シリカ系顔料から選ばれることが好まし
い。本発明の易接着性フィルムにおいて、前記易接着層
に含まれる無機顔料が、0.01〜1μmの平均粒径を
有することが好ましい。本発明の易接着性フィルムにお
いて、前記易接着層の重量が、0.01〜3g/m2
あることが好ましい。本発明の易接着性フィルムにおい
て、前記基体用重合体フィルムが、2軸延伸されたポリ
プロピレンフィルム、並びに1軸又は2軸延伸されたポ
リエステルフィルム、ポリエチレンフィルム及びポリス
チレンフィルムから選ばれることが好ましい。本発明に
係る易接着性フィルムの製造方法は、フィルム形成性重
合体を溶融押出し法により未延伸フィルムに形成し、こ
の未延伸フィルムを、前記押出し方向と同一方向に延伸
して、一軸延伸フィルムを形成し、この一軸延伸フィル
ムの少なくとも一面に、接着性向上処理を施し、この処
理面上に、エチレンと、少なくとも1個の易接着性付与
性官能基を有する1種以上のエチレン性不飽和化合物と
の共重合体を含む塗料を塗布し、乾燥して易接着性層を
形成し、得られた前駆積層フィルムを、前記押出し方向
に対し、ほゞ直角をなす横方向に延伸することを含み、
前記易接着性層用共重合体において、共重合体全重量に
対するエチレンの共重合重量割合が30〜90重量%で
あることを特徴とするものである。本発明の易接着性フ
ィルムの製造方法において、前記横方向延伸前、又は後
に、前記易接着層表面にさらに接着性向上処理を施して
もよい。本発明の易接着性フィルムの製造方法におい
て、前記フィルム形成性重合体が、ポリプロピレン、ポ
リエステル、ポリエチレン及びポリスチレンから選ばれ
ることが好ましい。本発明の易接着性フィルムの製造方
法において、前記接着性向上処理を、コロナ放電処理、
低温プラズマ処理、オゾン処理及び紫外線処理から選ぶ
ことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明において、基体として用い
られる重合体フィルムとしては、2軸延伸ポリプロピレ
ンフィルム、並びに1軸又は2軸延伸されたポリエステ
ルフィルム、ポリエチレンフィルム及びポリスチレンフ
ィルム等が使用可能であり、特に2軸延伸ポリプロピレ
ンフィルムが好ましく用いられる。この2軸延伸ポリプ
ロピレンフィルムは、ポリプロピレン組成物を常法に従
って溶融押し出しし、縦延伸した後、横延伸したもの
で、縦横延伸倍率はそれぞれ2〜20倍であることが好
ましい。また縦延伸工程と横延伸工程の間で、重合体フ
ィルム表面にアイオノマー又はポリエチレンイミン等を
塗布して接着性を改善してもよい。
【0008】本発明において、基体を形成するために使
用されるポリプロピレン組成物とは、ポリプロピレンの
ホモポリマーは勿論のこと、エチレン、ブテン、4−メ
チルペンテンなどで代表されるα−オレフィン類、スチ
レンで代表される芳香族系オレフィン類、ブタジエンで
代表されるジエン類等のプロピレンと共重合可能なモノ
マーと、プロピレンとのポリプロピレン共重合体、ある
いはポリプロピレン又はポリプロピレン共重合体と、こ
れらに相溶性を有するポリマー、例えばポリエチレン、
各種エチレン共重合体のようなポリ・α・オレフィン
類、ポリスチレン、合成ゴム、テルペン樹脂、ポリアミ
ド、ポリエステル及び/又はポリエーテル等とのブレン
ド、あるいはこれらの混合物を主成分とするものであっ
て、ポリプロピレン共重合体の共重合成分、あるいはブ
レンド組成物のブレンド成分等の種類及び量は、得られ
るフィルムが、ポリプロピレンフィルムとしての特性を
失わないものであればよい。
【0009】前記ポリプロピレン組成物には、必要に応
じて通常の熱可塑性合成樹脂フィルムの添加剤として知
られている滑剤、ブロッキング防止剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、顔料等が添加されていてもよい。
【0010】本発明の易接着性フィルムにおいて、その
基体として、ポリプロピレンフィルムを用いる場合、そ
の製造方法は、例えば下記の通りである。前述のポリプ
ロピレン組成物を常法に従って溶融押し出し、これを先
ず縦方向に延伸して縦方向一軸延伸フィルムとする。こ
のときの延伸倍率は2〜10倍であることが望ましい。
得られた縦延伸フィルムの所望の片面に、あるいは両面
に、フィルム表面の濡れ張力を増大させるために、コロ
ナ放電処理、火炎処理などの公知の接着性改善方法によ
り表面処理を行い、その表面濡れ張力を36dyne/cm以
上とする。この濡れ張力が36dyne/cm未満の場合に
は、易接着層などの塗層の塗工時にハジキが発生するこ
とがある。
【0011】本発明の易接着性フィルムにおいて、基体
上に形成される易接着層は、エチレンと、少なくとも1
個の易接着性付与性官能基を有する1種以上のエチレン
性不飽和化合物との共重合体を含み、前記共重合体全重
量に対するエチレンの共重合重量割合が30〜90重量
%、好ましくは50〜85重量%であることを特徴とす
るものである。上記エチレン共重合体において、共重合
成分として用いられるエチレン性不飽和化合物の易接着
性付与性官能基は、例えば、カルボン酸基、カルボン酸
エステル基(好ましくは、C1 〜C7 )、カルボン酸塩
基、エポキシ基、及び無水カルボン酸基などから選ぶこ
とができる。
【0012】エチレン成分の共重合重量割合が30重量
%未満であると、得られる易接着層と、基体ポリプロピ
レンフィルム層との接着性が不十分になることがあり、
また、それが90重量%をこえると、得られる易接着層
の印刷インクに対する密着・固定性が不十分になること
がある。
【0013】本発明の易接着層に用いられる前記エチレ
ン共重合体は、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル
−(メタ)アクリル酸共重合体、エチレン−(メタ)ア
クリル酸エステル−(メタ)アクリル酸塩共重合体、エ
チレン−アクリル系モノマー−無水マレイン酸共重合
体、及びエチレン−グリシジル(メタ)アクリル酸エス
テル共重合体から選ぶことができる。
【0014】本発明の易接着層に使用されるエチレン共
重合体において、エチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ル−(メタ)アクリル酸共重合体、およびエチレン−
(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸塩共
重合体は、ランダム共重合体であることが好ましく、そ
の共重合成分の30〜90重量%がエチレンであり、残
りが(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル
酸、及び(メタ)アクリル酸塩から選ばれた少なくとも
1種からなることが好ましい。(メタ)アクリル酸エス
テルは、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、
(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ベン
ジル、及び(メタ)アクリル酸フェニルなどから選ば
れ、(メタ)アクリル酸塩は、例えば(メタ)アクリル
酸のNa,K,Mg,Ca及びNH4 塩などから選ばれ
ることが好ましい。
【0015】本発明の易接着層で使用するエチレン−ア
クリル系モノマー−無水マレイン酸共重合体は、ランダ
ム共重合体であることが好ましく、その共重合成分の3
0〜90wt%がエチレンであり、残りがアクリル系モノ
マー、無水マレイン酸からなることが好ましい。また、
アクリル系モノマーとは、(メタ)アクリル酸、(メ
タ)アクリル酸エステル、及び(メタ)アクリル酸塩を
包含する。アクリル系モノマーと無水マレイン酸の共重
合重量割合は、アクリル系モノマー/無水マレイン酸=
20/1〜1/1の範囲である必要がある。上記重量比
が、20/1をこえると、得られる易接着層において凸
版印刷における文字カスレが発生することがある。また
重量比が1/1未満であると、得られる易接着層の印刷
インク密着性が不十分になることがある。本発明の易接
着層に使用されるエチレン−アクリル系モノマー−無水
マレイン酸塩共重合体において、アクリル系モノマーと
して使用される(メタ)アクリル酸エステル及び(メ
タ)アクリル酸塩は、前述のものを包含する。
【0016】本発明の易接着層に使用されるエチレン−
グリシジル(メタ)アクリル酸エステルは、ランダム共
重合体であることが好ましく、その共重合成分の30〜
90重量%がエチレンであり、残りがグリシジル(メ
タ)アクリル酸エステルからなることが好ましい。(メ
タ)グリシジルアクリル酸エステルは、好ましくは(メ
タ)グリシジルアクリル酸メチル、(メタ)グリシジル
アクリル酸エチル、(メタ)グリシジルアクリル酸プロ
ピル、(メタ)グリシジルアクリル酸ブチル、(メタ)
グリシジルアクリル酸ペンチル、(メタ)グリシジルア
クリル酸ヘキシル、(メタ)グリシジルアクリル酸ベン
ジル及び(メタ)グリシジルアクリル酸フェニルなどか
ら選ばれる。
【0017】本発明の易接着層には顔料が含まれていて
もよく、この易接着層用顔料は、従来用いられている有
機及び無機顔料から選ぶことができる。易接着層に含ま
れる無機顔料は、例えばシリカ系顔料、カオリン、炭酸
カルシウム、水酸化アルミニウム、雲母粉、酸化チタ
ン、酸化亜鉛などから選ぶことができる。また易接着層
用有機顔料は、(メタ)アクリル酸エステル、例えば
(メタ)アクリル酸メチルなど、及びスチレンなどのホ
モポリマー及びコポリマーから選ぶことができ、これら
の有機顔料は、耐溶剤性向上のために架橋されたもので
あってもよい。これら無機及び有機顔料の平均粒径は
0.01〜5μmであることが好ましく、またその含有
量は0.01〜10重量%であることが好ましい。無機
又は無機顔料の平均粒径が0.01μm未満であると、
得られる易接着層のブロッキング防止性の改善が不十分
になることがあり、またそれが5μmをこえると、得ら
れる易接着性の触感が不良になることがある。
【0018】本発明の易接着層の、形成法及び塗工量等
に格別の制限はないが、一般に、塗布法、含浸法、流延
法、又は溶融押出しラミネート法などによって形成する
ことができる。易接着層の塗工量は、横延伸後に0.0
01〜3g/m2 であることが好ましく、0.01〜2
g/m2 であることがより好ましい。また、本発明の易
接着性フィルムにおいて、易接着層は、基体フィルムの
片面上のみに設けてもよいし、或はその両面上に設けて
もよい。この場合、基体フィルムの縦延伸−両面コロナ
処理後その両面に、既知方法により易接着層用塗料を塗
布し、乾燥し、その後に両面塗布フィルムに横延伸を施
すことが好ましい。このときの横延伸の延伸倍率は、2
〜10倍であることが好ましい。本発明では、前記の手
順に従って作成した易接着性フィルムの厚さに特に制限
はないが、15〜100μmであることが好ましい。
【0019】本発明に係る易接着性フィルムは、その易
接着層上にUVフレキソ印刷適性、ガスバリヤー性、ヒ
ートシール適性等の機能性付与のため機能性付与層を、
例えばトップ層、アンカー層などを設けてもよい。また
必要に応じて裏面にバック層を設けても何ら差し支えな
い。
【0020】
【実施例】本発明を下記実施例によって、さらに具体的
に説明する。もちろん本発明の範囲はこれらによって限
定されるものではない。各実施例中、「部」は「重量
部」を示す。
【0021】実施例1 135℃のテトラリン中で測定した固有粘度〔η〕が
2.4であり、沸騰n−ペンタン抽出残分(i,i)が
97%のポリプロピレンを、スリット口径が50mmφの
Tダイを有する押出機に供給し、290℃においてTダ
イから押し出し、40℃で冷却、厚さ1600μm、巾
270m/mの未延伸シートを作製した。これを縦方向
に5倍延伸し、この縦延伸フィルムの片面にスパークギ
ャップ方式でコロナ放電処理(巴工業社製コロナ処理
機、処理電力=1.2KW)を施し、このコロナ放電処理
面の濡れ張力が40dyne/cmの縦延伸ポリプロピレンフ
ィルムを作製した。
【0022】得られたフィルムの前記表面処理面に、エ
チレン(60wt%)−メタクリル酸(20wt%)−無水
マレイン酸(20wt%)の共重合体の水分散物樹脂(オ
ートクレーブ〔200℃、5気圧〕中でポリスルホン酸
ナトリウム系乳化剤の存在下に水中に分散したもの。平
均粒径:1μm):99部とミズカシルP−705(平
均粒径1.5μmシリカ顔料〔水沢化学製〕):1部と
からなる易接着層塗料を、乾燥後の塗工量が0.1g/
2 になるように、グラビア方式により塗工し、乾燥
し、得られた易接着性層塗布フィルムを横方向に8倍に
延伸した。横延伸後に易接着層側(印刷面)にコロナ放
電処理を施し、その濡れ張力を46dyne/cmとした。最
終的なフィルム厚さは40μmであり易接着層の塗工量
は0.01g/m2 であった。
【0023】上記のようにして作製した易接着性フィル
ムにおいて、易接着層と基材フィルムとの接着性を、こ
の易接着層上に粘着テープ(セロテープ、ニチバン製)
を貼り付け、剥がしたときの、インクの剥離の有無(セ
ロピールテスト)により評価した。また、易接着層側を
印刷面とし、これに凸版印刷(恩田社製、インク:UV
カード墨〔インクテック〕)を施した。印刷カスレを目
視評価し、インク密着性を、印刷物に粘着テープ(セロ
テープ、ニチバン製)を貼り付け剥がしたときの、イン
クの剥離の有無(セロピールテスト)により評価した。
さらに、易接着性フィルムの耐ブロッキング性を下記方
法により測定評価した。供試複合フィルムを50mm×5
0mmの正方形に切り、その2枚を重ね合わせて供試試料
を作製した。このような試料を5組作製した。各試料
を、寸法:60mm×60mmの2枚の押さえ板の間に挟み
込み、その上に2kgのおもりをのせ、温度40±1℃、
湿度70±2%の条件下に24時間放置した。各試料中
の、2枚のフィルムを手ではがして、はがれた場合を
「良」、はがれない場合を「不良」と評価した。評価結
果を表1に示す。
【0024】実施例2 実施例1と同様にして易接着性フィルムを作製した。但
し、易接着層を、エチレン(80wt%)−メタクリル酸
(19wt%)−無水マレイン酸(1wt%)の共重合体の
水分散物樹脂(オートクレーブ)〔200℃、5気圧〕
中でポリスルホン酸ナトリウム系乳化剤で分散、平均粒
径:0.5μm):99.99部と、サイリシア446
(平均粒径4.5μmシリカ顔料〔富士シリシア化学
製〕):0.01部とからなる易接着層塗料を用いて形
成した。最終的なフィルムの厚さは40μmであり易接
着層の塗工量は3g/m2 であった。評価結果を表1に
示す。
【0025】実施例3 実施例1と同様にして易接着性フィルムを作製した。但
し、易接着層を、エチレン(30wt%)−〔メタクリル
酸(20wt%)−アクリル酸(20wt%)〕−無水マレ
イン酸(30wt%)の共重合体からなる水分散物樹脂
(オートクレーブ)〔150℃、10気圧〕中でポリス
ルホン酸ナトリウム系乳化剤で分散、平均粒径:1μ
m):90部とスノーテックスN(平均粒径10〜20
nmコロイダルシリカ〔日産化学製〕10部とからなる易
接着層塗料)を用いて形成し、かつ縦延伸、コロナ処理
後の易接着層の乾燥後塗工量を20g/m2 とした。最
終的なフィルムの厚さは40μmであり、易接着層の塗
工量は2.5g/m2 であった。評価結果を表1に示
す。
【0026】実施例4 実施例1と同様にして易接着性フィルムを作製した。但
し、易接着層を、エチレン−(メタ)アクリル酸のナト
リウム塩を含むケミパールS−100〔三井化学製〕:
99部とミズカシルP−705(平均粒径:1.5μm
シリカ顔料〔水沢化学製〕):1部とからなる易接着層
塗料を用いて形成した。最終的なフィルム厚さは40μ
mであり、易接着層の塗工量は0.01g/m2 であっ
た。評価結果を表1に示す。
【0027】実施例5 実施例1と同様にして易接着性フィルムを作製した。但
し、易接着層を、エチレン−(メタ)アクリル酸のアン
モニウム塩であるザイクセンA〔住友精化製〕:99部
とミズカシルP−705(平均粒径1.5μmシリカ顔
料〔水沢化学製〕):1部とからなる易接着層塗料を用
いて形成した。最終的なフィルム厚さは40μmであ
り、易接着層の塗工量は0.01g/m2 であった。評
価結果を表1に示す。
【0028】実施例6 実施例1と同様にして易接着性フィルムを作製した。但
し、易接着層を、エチレン−グリシジル(メタ)アクリ
ル酸エステルであるセポルジョンG118:99部とミ
ズカシルP−705(平均粒径1.5μmシリカ顔料
〔水沢化学製〕):1部とからなる易接着層塗料により
形成した。最終的なフィルム厚さは40μmであり、易
接着層の塗工量は0.01g/m2 であった。評価結果
を表1に示す。
【0029】実施例7 実施例1と同様にして易接着性フィルムを作製した。但
し、易接着層を、エチレン−(メタ)アクリル酸エステ
ルであるセポルジョンV411P:99部とミズカシル
P−705(平均粒径1.5μmシリカ顔料〔水沢化学
製〕):1部とからなる易接着層塗料を用いて形成し
た。最終的なフィルム厚さは40μmであり、易接着層
の塗工量は0.01g/m2 であった。評価結果を表1
に示す。
【0030】比較例1 実施例1と同様にして易接着性フィルムを作製した。但
し、易接着層を、エチレン(92wt%)−メタクリル酸
(7wt%)−無水マレイン酸(1wt%)の共重合体の水
分散物樹脂(オートクレーブ〔200℃、5気圧〕中で
ポリスルホン酸ナトリウム系乳化剤で分散、平均粒径1
μm):99部とミズカシルP−705(平均粒径1.
5μmシリカ顔料〔水沢化学製〕):1部とからなる易
接着層塗料により形成した。最終的なフィルム厚さは4
0μmであり易接着層の塗工量は0.01g/m2 であ
った。評価結果を表1に示す。
【0031】比較例2 実施例1と同様にして易接着性フィルムを作製した。但
し、易接着層を、エチレン(25wt%)−メタクリル酸
(50wt%)−無水マレイン酸(25wt%)の共重合体
の水分散物樹脂(オートクレーブ〔200℃、5気圧〕
中でポリスルホン酸ナトリウム系乳化剤で分散、平均粒
径1μm):99部とミズカシルP−705(平均粒径
1.5μmシリカ顔料〔水沢化学製〕):1部とからな
る易接着層塗料により形成した。最終的なフィルム厚さ
は40μmであり易接着層の塗工量は0.01g/m2
であった。評価結果を表1に示す。
【0032】比較例3 実施例1と同様にして易接着性フィルムを作製した。但
し、易接着層を、アロンA−104(アクリルエマルジ
ョン〔東亜合成製〕:99部とミズカシルP−705
(平均粒径1.5μmシリカ顔料〔水沢化学製〕):1
部とからなる易接着層塗料により形成した。最終的なフ
ィルム厚さは40μmであり易接着層の塗工量は0.0
1g/m2 であった。評価結果を表1に示す。
【0033】比較例4 実施例1と同様にして易接着性フィルムを作製した。但
し、易接着層を、OX−1060(SBRエマルジョン
〔日本ゼオン製〕:99部とミズカシルP−705(平
均粒径1.5μmシリカ顔料〔水沢化学製〕):1部と
からなる易接着層塗料により形成した。最終的なフィル
ム厚さは40μmであり易接着層の塗工量は0.01g
/m2 であった。評価結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】
【発明の効果】本発明の易接着性フィルムは、各種重合
体フィルム、特に、ポリプロピレンフィルムに印刷を良
好に行うことができ、産業上極めて有用なものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 123/08 C09D 123/08 // B05D 7/04 B05D 7/04 7/24 302 7/24 302G B29K 23:00 B29L 7:00 9:00 (72)発明者 小林 靖 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内 (72)発明者 片山 康一 東京都江東区東雲1丁目10番6号 王子製 紙株式会社東雲研究センター内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重合体フィルムからなる基体及び前記基
    体上に形成された易接着層を有し、前記易接着層が、エ
    チレンと、少なくとも1個の易接着性付与性官能基を有
    する1種以上のエチレン性不飽和化合物との共重合体を
    含み、かつ前記共重合体全重量に対するエチレンの共重
    合重量割合が、30〜90重量%である、ことを特徴と
    する易接着性フィルム。
  2. 【請求項2】 前記エチレン性不飽和化合物の易接着性
    付与性官能基が、カルボン酸基、カルボン酸エステル
    基、カルボン酸塩基、エポキシ基、及び無水カルボン酸
    基から選ばれる請求項1に記載の易接着性フィルム。
  3. 【請求項3】 前記エチレン共重合体が、 エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アク
    リル酸共重合体、 エチレン−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アク
    リル酸塩共重合体、 エチレン−アクリル系モノマー−無水マレイン酸共重合
    体、及び エチレン−グリシジル(メタ)アクリル酸エステル共重
    合体から選ばれる、請求項1に記載の易接着性フィル
    ム。
  4. 【請求項4】 前記エチレン−アクリル系モノマー−無
    水マレイン酸共重合体において、前記(メタ)アクリル
    酸エステルと無水マレイン酸との共重合重量割合が20
    /1〜1/1である、請求項3に記載の易接着性フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 前記易接着層が、さらに、0.01〜1
    0重量%の有機又は無機顔料をさらに含む、請求項1に
    記載の易接着性フィルム。
  6. 【請求項6】 前記無機顔料が、シリカ系顔料から選ば
    れる、請求項5に記載の易接着性フィルム。
  7. 【請求項7】 前記易接着層に含まれる顔料が、0.0
    1〜1μmの平均粒径を有する、請求項6に記載の易接
    着性フィルム。
  8. 【請求項8】 前記易接着層の重量が、0.01〜3g
    /m2 である、請求項1に記載の易接着性フィルム。
  9. 【請求項9】 前記基体用重合体フィルムが、2軸延伸
    されたポリプロピレンフィルム、並びに1軸又は2軸延
    伸されたポリエステルフィルム、ポリエチレンフィル
    ム、及びポリスチレンフィルムから選ばれる、請求項1
    に記載の易接着性フィルム。
  10. 【請求項10】 フィルム形成性重合体を溶融押出し法
    により未延伸フィルムに形成し、この未延伸フィルム
    を、前記押出し方向と同一方向に延伸して、一軸延伸フ
    ィルムを形成し、この一軸延伸フィルムの少なくとも一
    面に、接着性向上処理を施し、この処理面上に、エチレ
    ンと、少なくとも1個の易接着性付与性官能基を有する
    1種以上のエチレン性不飽和化合物との共重合体を含む
    塗料を塗布し、乾燥して易接着性層を形成し、得られた
    前駆積層フィルムを、前記押出し方向に対し、ほゞ直角
    をなす横方向に延伸することを含み、前記易接着性層用
    共重合体において、共重合体全重量に対するエチレンの
    共重合重量割合が30〜90重量%であることを特徴と
    する易接着性フィルムの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記横方向延伸前、又は後に、前記易
    接着層表面にさらに接着性向上処理を施す、請求項10
    に記載の易接着性フィルムの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記フィルム形成性重合体が、ポリプ
    ロピレン、ポリエステル、ポリエチレン及びポリスチレ
    ンから選ばれる、請求項10に記載の易接着性フィルム
    の製造方法。
  13. 【請求項13】 前記接着性向上処理が、コロナ放電処
    理、低温プラズマ処理、オゾン処理及び紫外線処理から
    選ばれる、請求項10又は11に記載の易接着性フィル
    ムの製造方法。
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WO2003000780A1 (fr) * 2001-06-21 2003-01-03 Yupo Corporation Procede de traitement de surface de film de resine thermoplastique
KR101319969B1 (ko) * 2013-04-18 2013-10-21 주식회사 벤트윈 자동차 내장재용 시트 조성물
JP2018039960A (ja) * 2016-09-09 2018-03-15 リンテック株式会社 印刷用フィルムおよび印刷物

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