JPH11342552A - 軽量ガラスクロス積層体及びその製造方法 - Google Patents

軽量ガラスクロス積層体及びその製造方法

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JPH11342552A
JPH11342552A JP15092198A JP15092198A JPH11342552A JP H11342552 A JPH11342552 A JP H11342552A JP 15092198 A JP15092198 A JP 15092198A JP 15092198 A JP15092198 A JP 15092198A JP H11342552 A JPH11342552 A JP H11342552A
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JP
Japan
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glass cloth
thermoplastic resin
film
porous body
resin
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JP15092198A
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English (en)
Inventor
Katsuyuki Toma
克行 当麻
Katsuo Inoue
勝雄 井上
Kuniaki Kubo
國昭 窪
Hidenobu Yamazaki
秀信 山崎
Takahiro Washimi
高弘 鷲見
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Unitika Ltd
Original Assignee
Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 難然性が高く美感も優れた軽量ガラスクロス
積層体及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 熱可塑性樹脂と強化繊維とからなる多孔
質体の少なくとも一方の表面にガラスクロスを配して一
体化した積層体において、多孔質体とガラスクロスの間
に、上記熱可塑性樹脂よりも融点の高い樹脂からなるフ
ィルム又は金属箔を介在させたことを特徴とする軽量ガ
ラスクロス積層体、及び熱可塑性樹脂と強化繊維とから
なるシートの少なくとも一方の表面に、上記熱可塑性樹
脂よりも融点の高い樹脂からなるフィルム又は金属箔を
積層し、上記フィルム又は金属箔の表面にガラスクロス
を積層し、次いで、加熱加圧して一体化した後、所望の
厚みまで膨張させ、冷却固化することを特徴とする上記
軽量ガラスクロス積層体の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する利用分野】本発明は、軽量ガラスクロス
積層体及びその製造方法に関するものであり、さらに詳
しくは建築物の天井材や内壁材、間仕切り板、建具等の
内装材として好適な軽量ガラスクロス積層体及びその製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂と強化繊維からなる強化繊
維プラスチックは、複雑な形状に加工が容易でかつ軽量
であるにもかかわらずその成形品が高い強度を有してお
り、近年金属加工品の代替品として注目を浴びている。
また、熱可塑性樹脂と強化繊維からなる強化繊維プラス
チックから得られる多孔質体は、さらに軽量であるにも
かかわらず剛性が高く優れた強度を示し、多孔であるた
め吸音性能を有する。このような多孔質体は抄造技術を
応用して、例えば以下に示すような方法によって製造さ
れている。すなわち、まず粒状の熱可塑性樹脂と強化用
繊維を水中に分散、混合した後、紙抄きの要領で脱水す
ることによりシート状のウェブを調整し、このウェブを
熱可塑性樹脂の融点以上分解点未満の温度に一旦加熱加
圧し、冷却することにより緻密な固化シートを得る。こ
の緻密な固化シートを再び熱可塑性樹脂の融点以上分解
点未満の温度に加熱すると樹脂に拘束されていた強化繊
維がその弾性回復力により膨張し、軽量な多孔質体を得
ることができる。
【0003】建築物の天井材や内壁材、間仕切り板、建
具等の内装材として上記多孔質体を利用する場合、強化
繊維が成形品表面に露出し外観の低下が問題となるた
め、装飾用表皮を貼りあわせることが有効である。
【0004】多孔質体と装飾用表皮を接着剤を介在させ
ることなく単に加熱加圧成形することにより貼りあわ
せ、一体化してなるものがあるが、多孔質体と表皮の接
触面積が小さく張り合わせ時の成形圧力が小さいため十
分な密着強度は得られず、また、密着強度を高くするた
めに加熱温度や圧力を高くすると表皮表面に多孔質体を
構成する樹脂が染み出し易かった。
【0005】この問題を解決する方法として、多孔質体
と表皮の間に無機フィラー入りの熱可塑性樹脂を介在さ
せた状態で加圧成形することにより多孔質体と表皮の接
着性を改善すると同時に表皮表面への樹脂の染み出しを
改善する技術(特開平4−331137号公報参照)が
提案されているが、該技術では、上記無機フィラーの充
填量を調整して外観不良(樹脂の染み出し)と密着性を
ある程度改善することができるが、空気の遮断性が悪い
という問題点があった。すなわち、このような空気の遮
断性が悪い材料では、暖気や冷気を逃がし易く気密性に
かけ断熱性能も劣り、結露を生じ易く、表皮がフィルタ
ーとして作用し、表皮が汚れる恐れがあった。したがっ
て、建築物の天井材や内壁材、間仕切り板、建具等の内
装材として有用な多孔質体を得るためには空気の遮断性
を改善する必要がある。
【0006】また、有機系繊維を素材とする表皮と多孔
質体の間に多孔質体を構成する熱可塑性樹脂と同一又は
類似の構造を有し、かつ融点又は溶融粘度が多孔質体を
構成する熱可塑性樹脂と同程度又はそれ以上である樹脂
によって構成されたフィルムAと、多孔質体を構成する
熱可塑性樹脂よりも十分に融点の高い樹脂によって構成
されたフィルムBと、多孔質体を構成する熱可塑性樹脂
の融点と同程度又はそれ以下である樹脂によって構成さ
れたフィルムCからなるフィルムをフィルムAが多孔質
体側に位置するよう積層し加熱圧着し一体化することに
より接着性と非通気性とを改善する技術(特開平8−2
29941号公報参照)が提案されているが、該技術で
は空気の遮断性は高いものの有機系繊維を素材とする表
皮であるため燃え易く火災時の危険性が高い、表皮が厚
いものでないと外観不良(樹脂の染み出し)を起こしや
すいという問題点を有していた。
【0007】火災時の危険性を低減する目的では不燃材
料を用いることが好ましく、一般的には不燃性装飾用表
皮としてガラス織物を現場にて接着する方法が取られて
いるが、これらの方法では、近年接着剤中の有機溶媒の
人体に及ぼす影響等の問題が発生しており、かつ現場で
の工数がかかるという問題点を有している。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、難然性が高
く美感も優れた軽量ガラスクロス積層体及びその製造方
法を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、このよう
な課題を解決するために鋭意研究の結果、熱可塑性樹脂
と強化繊維とからなる多孔質体の片面又は両面にガラス
クロスを配して一体化された積層体において、多孔質体
と表皮の間に、上記多孔質体を構成する熱可塑性樹脂よ
りも十分に融点の高い樹脂によって構成されたフィルム
又は金属箔を介在させることで上記課題を解決できるこ
とを見出し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、
熱可塑性樹脂と強化繊維とからなる多孔質体の少なくと
も一方の表面にガラスクロスを配して一体化した積層体
において、多孔質体とガラスクロスの間に、上記熱可塑
性樹脂よりも融点の高い樹脂からなるフィルム又は金属
箔を介在させたことを特徴とする軽量ガラスクロス積層
体、及び熱可塑性樹脂と強化繊維とからなるシートの少
なくとも一方の表面に、上記熱可塑性樹脂よりも融点の
高い樹脂からなるフィルム又は金属箔を積層し、上記フ
ィルム又は金属箔の表面にガラスクロスを積層し、次い
で、加熱加圧して一体化した後、所望の厚みまで膨張さ
せ、冷却固化することを特徴とする上記軽量ガラスクロ
ス積層体の製造方法を要旨とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
【0011】熱可塑性樹脂について 本発明における熱可塑性樹脂としては、常態で固体の熱
可塑性ポリマーを用いることができる。熱可塑性ポリマ
ーとしては、好ましくは疎水性の水不溶性付加ポリマー
が挙げられる。
【0012】好適な熱可塑性ポリマーには付加ポリマー
及び縮合ポリマーが包含され、例えば、ポリエチレン、
超高分子量ポリエチレン、塩素化ポリエチレン、ポリカ
ーボネート、エチレンとアクリル酸との2元ポリマー、
ポリプロピレン、ナイロン、フェニレンオキサイド樹
脂、フェニレンサルファイド樹脂、ポリオキシメチレ
ン、ポリエステル、アクリロニトリルとブタジエンとス
チレンの3元ポリマー、ポリ塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン(主要割合)とこれと共重合し得る少なくとも1種の
他のα,β−エチレン性不飽和モノマー(少々割合)と
の2元ポリマー、及びスチレンのホモポリマー又はコポ
リマーが挙げられる。
【0013】本発明では、熱可塑性樹脂は粉末、分散
物、繊維の形態で使用することができるが、粉末で用い
ることが好ましく、その粉末の粒子系としては、JIS
標準で48メッシュ以下の粒子径であることが好まし
い。
【0014】強化繊維について 本発明において多孔質体を構成する強化用繊維として
は、有機系、無機系の繊維が用いられ、好ましくは、ピ
ッチ系、PAN系のカーボン繊維、ガラス繊維、メタ系
もしくはパラ系のアラミド繊維、アルミナ繊維、活性炭
繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリ
オレフィン系繊維等が、単独又は混合して用いることが
できるが、特にコストと性能のバランスからガラス繊維
を用いることが好ましい。
【0015】強化用繊維の繊維長は、1〜50mmのも
のが用いられ、特に3〜25mmのものが好ましい。繊
維長が1mmより短い場合には多孔質体に充分な強度が
得られず、熱膨張が不十分で多孔質体が得られにくい傾
向があり、50mmよりも長い場合にも熱膨張が不十分
であり、また、熱可塑性樹脂と繊維とが均一に分散され
にくい傾向がある。また、強化用繊維の繊維径は2〜1
00μmが好ましく、さらに好ましくは5〜50μmで
ある。繊維径が2μmより小さいと熱膨張が不十分であ
り、100μmを越える場合には、多孔質体に充分な強
度が得られにくい傾向がある。
【0016】強化繊維と熱可塑性樹脂の配合比について 多孔質体を構成する熱可塑性樹脂と強化繊維との配合比
は熱可塑性樹脂100重量部に対して強化用繊維5〜5
00重量部であることが必要であり、好ましくは10〜
300重量部、特に好ましくは20〜200重量部であ
る。強化用繊維の混合比が、熱可塑性樹脂100重量部
に対して5重量部未満の場合は、熱膨張が不充分となる
ため、多孔質体に必要な気孔の確保が難しく、また、5
00重量部を越える場合には成形体を得ることが難し
い。
【0017】ガラスクロスについて 本発明に用いるガラスクロスとしては、ロービングやヤ
ーン又は嵩高性を付与したバルキーヤーン、スライバー
ヤーン、ファンシーヤーン等のガラスを平織り、綾織
り、朱子織りしたクロス、またこれらクロスに装飾性を
付与する目的で染色やプリントを施したものを用いるこ
とができる。ガラスクロスの目付については50g/m
2 以上が好ましく、200g/m2以上が特に好まし
い。ガラスクロスの目付が50g/m2 未満の場合に
は、ガラスクロスの厚みが薄いため、火災時に多孔質体
部分がダメージを受け易い傾向にある。
【0018】フィルムの構成について 本発明においてガラスクロスと多孔質体の間に介在する
フィルムは多孔質体を構成する熱可塑性樹脂よりも高い
融点を示す樹脂によって構成され、空気の遮断と多孔質
体中の熱可塑性樹脂のガラスクロス表面への染み出しを
抑制する作用及び火災時の熱の拡散作用を有するもので
ある。例えば、ポリオレフィンやポリスチレン、ポリ塩
化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネ
ート、ポリアミド、ポリアセタール等や、これらの樹脂
を主成分とする共重合体(例えば、エチレン−塩化ビニ
ル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体等)や、グ
ラフト化合物、及びこれらの樹脂のブレンド品等を用い
ることができる。フィルムの厚さについては5μm以上
が好ましく、10μm以上がさらに好ましい。フィルム
の厚みが5μm未満の場合はハンドリングが悪く成形一
体化の際に破損し空気の遮断性が低下する恐れがある。
【0019】金属箔について 本発明におけるガラスクロスと多孔質体の間に介在する
金属箔は、空気の遮断と多孔質体中の熱可塑性樹脂のガ
ラスクロス表面への染み出しを抑制する作用及び火災時
の熱の拡散作用を有するものである。例えば、アルミニ
ウム、亜鉛、金、白金、パラジウム、銀、鉄、銅、タン
グステン、ニッケル、チタン、クロム等の純金属及びこ
れらの酸化物やステンレス、ジュラルミン等に代表され
る合金を用いることができる。軽量という点でアルミニ
ウムが好ましく、また、意匠性を高める意味で図案を施
す場合等はニッケルの酸化物が好ましい。金属箔の厚み
については5μm以上が好ましく、更に10μm以上が
好ましい。金属箔の厚みが5μm未満であるとハンドリ
ングが悪く、成形一体化する際に破損し空気の遮断性が
低下する恐れがある。
【0020】ガラスクロスとフィルム又は金属箔との接
着について ガラスクロスと上記フィルム又は金属箔との接着方法と
しては、一体化する際に熱接着フィルムを使用する方
法、あらかじめ接着剤を用いて接着しておく方法等が挙
げられる。熱接着フィルムを使用する場合は、多孔質体
と一体化する際にガラスクロス表面に染み出さず、かつ
ガラスクロスとフィルム又は金属箔とが十分に接着する
ものであればよく、例えば、多孔質体を構成する樹脂と
融点は同程度又はそれ以下であるが、溶融粘度の十分に
高い熱接着フィルムを用いればよい。あらかじめ接着剤
を用いて接着しておく方法では、接着する際及び多孔質
体と一体化する際、共にガラスクロス表面に接着剤が染
み出さないものを使用すればよく、例えば、熱硬化性接
着樹脂を用いて接着し十分に硬化させた後一体化すれば
よい。
【0021】多孔質体とフィルム又は金属箔との接着に
ついて 多孔質体とフィルム又は金属箔との接着は、多孔質体を
構成する樹脂がフィルム又は金属箔と接着性が高ければ
一体化の際の加熱加圧により接着するので特に何も必要
はないが、そうでない場合には熱接着フィルムを用いた
り、多孔質体を構成する樹脂と同一又は類似の構造を有
する樹脂を溶融押し出しや、ドライラミネート等の方法
でフィルム又は金属箔にコーティングしたり、また多孔
質体を構成する樹脂と同一又は類似の構造を有する樹脂
と多孔質体を構成する樹脂の融点よりも十分に高い融点
を有する樹脂をインフレーションすることにより多層フ
ィルムとしたものを用いればよい。
【0022】また、本発明の軽量ガラスクロス積層体を
構成する多孔質体には、任意にその他の種々の成分を含
有させてもよい。例えば、色を与えるために、顔料又は
染料を添加することもできる。また、抗酸化剤、紫外線
安定剤、発泡剤、殺菌剤、抗菌剤、防かび剤等の種々の
化学添加剤や、活性炭、ゼオライト等の吸着剤、燃焼時
の難然性を高めるため、水酸化アルミニウム、水酸化マ
グネシウム等の結晶中に水を含むものや無機フィラーも
添加することができる。
【0023】本発明の軽量ガラスクロス積層体は、例え
ば、次のような方法で製造することができる。
【0024】まず、熱可塑性樹脂100重量部に対し、
強化用繊維5〜500重量部を米国特許第442647
0号明細書に記載されている方法で水中に分散させ、複
合化してシート化する。
【0025】水中に熱可塑性樹脂粉末と強化用繊維を分
散させて複合化する際には、例えば、結合剤を用いるこ
とが好ましく、結合剤の固体を0.1〜10重量%添加
させることが好ましく、特に0.2〜5重量%添加させ
ることが好ましい。
【0026】結合剤としては、例えば、結合したスルホ
ニウム基、イソチオウロニウム基、ピリジニウム基、第
四アンモニウム基、サルフェート基、スルホネート基又
はカルボキシレート基を含有するアクリルポリマー又は
スチレン/ブタジエンポリマーのような結合した陰イオ
ン又は陽イオン電荷を有する実質的に水に不溶な有機ポ
リマーからなるポリマーラテックス等が挙げられる。
【0027】また、澱粉、特に天然澱粉又はコーンスタ
ーチのような線状澱粉、陽イオン澱粉を含む酵素的もし
くは化学的に変性した澱粉を含めた澱粉等も結合剤とし
て適している。
【0028】さらに熱可塑性樹脂と強化用繊維を分散さ
せて複合化する際には、有機凝集剤を用いることが好ま
しい。有機凝集剤としては、アルミニウム・ポリクロリ
ド(アルミニウム・ヒドロオキシクロリド)、一部加水
分解したポリアクリルアミド、変性陽イオンポリアクリ
ルアミド、ジアリルジエチルアンモニウムクロリド等の
種々の有機凝集剤が挙げられる。この凝集剤の添加量は
複合シートの約3重量%未満が好ましく、1重量%未満
が特に好適である。
【0029】また、水中で樹脂粉末と強化用繊維を分散
させたスラリーの粘度を調整する目的でキサンタンガム
等の粘度調整剤を使用することもできる。
【0030】水中で強化用繊維と熱可塑性樹脂粉末を複
合化してシート化した後、抄紙機の要領で固液分離して
得た湿ったシートを乾燥する。得られたシートを1枚又
は2枚以上積層し、該シートの少なくとも一方の表面
に、該シートを構成する熱可塑性樹脂よりも融点の高い
樹脂からなるフィルム又は金属箔を積層し、該フィルム
又は金属箔の表面にガラスクロスを積層し、次に、加熱
加圧して一体化した後、膨張、冷却固化することによ
り、本発明の積層体を得ることができる。
【0031】加熱加圧、膨張、冷却固化は、例えば、ダ
ブルベルトプレスを用いて連続的に行うことができる。
ダブルベルトプレスとしては、例えば、対面する側にお
いて同方向に走行する2つの無端ベルトからなり、走行
方向に従って材料導入部、余熱ゾーンを含む加熱ゾー
ン、冷却ゾーンを有するもの等が挙げられる。
【0032】材料導入部は、例えば、上下に配置した二
つの無端ベルトの下側の無端ベルトのみを長くすること
により成形することができる。加熱ゾーンは、無端ベル
トを金属製等とし、これをヒーター等により加熱するこ
とにより形成することができる。なお、無端ベルトの加
熱には、無端ベルト事態をヒーターで加熱したり、無端
ベルトを移動させる駆動ヒートロール等を介して間接加
熱したり、両者を併用する等の加熱手段を採用すること
ができる。ベルト温度は検知することにより加熱を制御
することができるものが好ましい。冷却ゾーンは、金属
製等の無端ベルトを通水等により冷却されたベルト支持
ロール等を介して冷却すること等により成形することが
できる。
【0033】積層体を加圧加熱して一体化する際、ま
た、膨張、冷却固化する際、積層体が予め設定した所定
の厚さになるように、すなわち所定の厚み以上には圧力
がかからないように加圧する。積層体の厚さをあらかじ
め設定した所定の厚さになるように加圧するためには、
例えば、ダブルベルトプレスの二つの無端ベルトの間隔
をダイヤル設定やその他の方法により所望の間隔に設定
することにより、所望のクリアランスとすればよい。ま
た、加熱ゾーンと冷却ゾーンのクリアランスは個別に任
意に設定できるものが好ましい。
【0034】加熱ゾーンでの条件としては、温度は多孔
質体中の熱可塑性樹脂の融点より10〜50℃高めの範
囲であることが好ましく、圧力は、0.1〜100kg
/cm2 であることが好ましい。クリアランスはシート
の真密度に近似するように設定すればよい。
【0035】冷却ゾーンでの条件としては、温度は10
〜50℃で圧力は加熱プレスと同圧力であることが好ま
しい。クリアランスは所望する厚みに規制することによ
り、厚さが2〜40mm程度で、重量が1〜20Kg/
2 程度の軽量ガラスクロス積層体を得ることができ、
この時全体としての気孔率は10〜80体積%であるこ
とが好ましく、更に20〜70体積%であることが好ま
しい。気孔率が10体積%未満の場合積層体が重くなる
ことと、断熱性能や吸音性が低下する傾向にあり、80
体積%を越えると剛性が著しく低下し使用に耐えられな
い。
【0036】また、この軽量ガラスクロス積層体を、多
孔質体を構成する熱可塑性樹脂の融点より10〜50℃
高めに設定された熱オーブン中に投入し、1〜300分
間保持して軟化し、軟化した積層体を金型を用いてスタ
ンピング成形し冷却後取り出すことによって、所望の形
状の軽量ガラス織物積層体が得られる。
【0037】
【実施例】次に、本発明を実施例によって具体的に説明
する。
【0038】実施例1 水1000リットル中に撹拌しながら、スラリー粘度調
整剤としてキサンタンガム14gを加えた後、強化用繊
維として平均繊維長が6mmのガラス繊維(オーウェン
ズ・コーニング・ファイバーグラス社製、415BB)
5000gを加え、5分間撹拌してよく分散させた。次
に、この分散物に、マトリックス樹脂としてポリプロピ
レン粉末(三井東圧化学(株)製)5000gと、固体
アクリルポリマーラテックス342gを加えた後、0.
5重量%の陽イオン凝集剤(Betz Laboratories 社製、
商品名:Betz1260 )3600gを徐々に加えることに
よって凝集させてスラリーを得た。このスラリーを脱水
し、110℃で乾燥させて水を除去することにより幅1
mで625g/m2 の基底重量を有するガラス繊維強化
ポリプロピレン複合シート16mを得た。このとき、ポ
リプロピレン100重量部に対し、ガラス繊維は100
重量部であった。
【0039】このシートを4m長さに切断したものを4
枚重ね、その上面に、別に用意した200g/m2 の平
織カラーガラスクロス(ユニチカガラスファイバー
(株)製)にあらかじめPET70μm、PP30μm
のドライラミネートフィルムのPET面を20μm厚み
のウレタン接着剤にて接着したもののフィルム面を積み
重ね、加熱ゾーンと冷却ゾーンのクリアランスを個別に
任意に設定できるダブルベルトプレスに挿入し、基底重
量が2845g/m2 、厚さ7.0mmの軽量ガラスク
ロス積層体を得た。この時の加熱ゾーンでの条件は、温
度は190℃、圧力は1kg/cm2 、クリアランスは
2.0mm、冷却ゾーンでの条件は、温度は40℃、圧
力は加熱プレスと同圧力の1kg/cm2 、クリアラン
スは7.0mmであった。この軽量ガラスクロス積層体
は見かけ密度0.41g/cm3 と算出された。得られ
た軽量ガラスクロス積層体を目視により外観を評価し、
ASTM−D737に準じた通気性試験により通気度を
測定し、JIS L−1091に準じたメッケルバーナ
法(A−2法)による炭化面積、残炎時間、残じん時間
を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0040】実施例2 実施例1で用いたPET/PPドライラミネートフィル
ムの代わりに40μmのアルミ箔を用いたこと以外は実
施例1と同様にして一体化、膨張、冷却固化し軽量ガラ
スクロス積層体を得た。この軽量ガラスクロス積層体は
見かけ密度0.41g/cm3 と算出された。得られた
軽量ガラスクロス積層体を実施例1と同様に外観、通気
度、炭化面積、残炎時間、残じん時間を測定した。これ
らの結果を表1に示す。
【0041】比較例1 実施例1で用いたPET/PPドライラミネートフィル
ムを除いたこと以外は実施例1と同様にして一体化、膨
張、冷却固化し軽量ガラスクロス積層体を得た。この軽
量ガラスクロス積層体は見かけ密度0.40g/cm3
と算出された。得られた軽量ガラスクロス積層体を実施
例1と同様に外観、通気度、炭化面積、残炎時間、残じ
ん時間を測定した。これらの結果を表1に示す。
【0042】比較例2 実施例1で用いたガラスクロスを除いたこと以外は実施
例1と同様にして一体化、膨張、冷却固化し軽量積層体
を得た。この軽量積層体は見かけ密度0.38g/cm
3 と算出された。得られた軽量積層体を実施例1と同様
に外観、通気度、炭化面積、残炎時間、残じん時間を測
定した。これらの結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】表1より、本発明の軽量ガラスクロス積層
体は、難燃性が高く、美感も優れているので、建築用部
材として適していることが明らかである。
【0045】
【発明の効果】本発明の軽量ガラスクロス積層体は、難
燃性が高く、軽量で、空気の遮断性が高く、また美感も
優れているので、建築用内装材として適している。ま
た、本発明の製造方法は、上記軽量ガラスクロス積層体
を簡易に提供することができるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山崎 秀信 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内 (72)発明者 鷲見 高弘 京都府宇治市宇治小桜23番地 ユニチカ株 式会社中央研究所内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性樹脂と強化繊維とからなる多孔
    質体の少なくとも一方の表面にガラスクロスを配して一
    体化した積層体において、多孔質体とガラスクロスの間
    に、上記熱可塑性樹脂よりも融点の高い樹脂からなるフ
    ィルム又は金属箔を介在させたことを特徴とする軽量ガ
    ラスクロス積層体。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂と強化繊維とからなるシー
    トの少なくとも一方の表面に、上記熱可塑性樹脂よりも
    融点の高い樹脂からなるフィルム又は金属箔を積層し、
    上記フィルム又は金属箔の表面にガラスクロスを積層
    し、次いで、加熱加圧して一体化した後、所望の厚みま
    で膨張させ、冷却固化することを特徴とする請求項1記
    載の軽量ガラスクロス積層体の製造方法。
JP15092198A 1998-06-01 1998-06-01 軽量ガラスクロス積層体及びその製造方法 Pending JPH11342552A (ja)

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