JPH11340881A - 場内拡声用反響消去装置 - Google Patents

場内拡声用反響消去装置

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JPH11340881A
JPH11340881A JP10144929A JP14492998A JPH11340881A JP H11340881 A JPH11340881 A JP H11340881A JP 10144929 A JP10144929 A JP 10144929A JP 14492998 A JP14492998 A JP 14492998A JP H11340881 A JPH11340881 A JP H11340881A
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陽一 羽田
Akira Nakagawa
朗 中川
Suehiro Shimauchi
末廣 島内
Jiyunko Sasaki
潤子 佐々木
Masayuki Yamada
真之 山田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 送話者信号と受話信号の両方を快適に場内に
拡声しながら通信会議を行えるようにする。 【解決手段】 送話用マイクロホン3が受音した送話者
信号s(n)と、受話信号x(n)が反響路を経由した
後の反響信号y(n)とのマイクロホン出力信号z
(n)により推定される疑似反響路22と、受話信号x
(n)を入力とする疑似反響路22から得られる疑似反
響信号y∧(n)をマイクロホン出力信号z(n)から
差し引いた誤差信号e(n)を得るとともに、この誤差
信号を伝送路への送出信号とする減算器24と、送出信
号e(n)と受話信号x(n)とを加算し、この加算信
号を受話スピーカ4の入力とする加算器47を備えたこ
とを特徴としている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、講堂など比較的大
きな会場で拡声を行いながら音声通信を行う場合におい
て、ハウリングの原因および聴覚上の障害となる反響信
号を消去あるいは抑圧する場内拡声用反響消去装置に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】図2は、拡声通話系の模式図を示したも
のである。図において、1,3は送話用マイクロホン
(受音器)、2,4は受話スピーカ、5,7は送話信号
増幅器、6,8は受話信号増幅器、9は伝送路、10は
送話者、11は受話者をそれぞれ表す。送話者10の発
声した送話音声は、送話用マイクロホン1,送話信号増
幅器5,伝送路9,受話信号増幅器8,受話スピーカ4
を経て受話者11に伝わる。この拡声通話系は、従来の
電話通話系のように送受話器を手に持つ必要がないた
め、作業をしながらの通話が可能であったり、また、自
然な対面通話が実現できるという長所を持ち、通信会議
やテレビ電話,拡声電話機などに広く利用が進められて
いる。
【0003】一方、この拡声通話系の欠点としては、反
響の存在が問題となっている。即ち、図2において、受
話スピーカ4から受話側に伝わった音声が、送話用マイ
クロホン3で受音され、送信信号増幅器7,伝送路9,
受話信号増幅器6,受話スピーカ2を経て送話音10側
に再生される。送話者10にとって、この現象は、自分
の発声した音声が、受話スピーカ2から再生されるとい
う反響現象であり、音響エコーなどと呼ばれている。こ
の反響現象は拡声通話系において通話の障害や不快感な
どの悪影響を生じる。さらに、受話スピーカ2から再生
された音は送話用マイクロホン1で受音されて信号の閉
ループを形成する。そして、ループゲインが1より大き
い場合にはハウリング現象が発生して通話は不能とな
る。
【0004】このような拡声通話系の問題点を克服する
ために、エコーキャンセラと損失制御装置を併用した反
響消去装置が利用されている。
【0005】図3は、従来の反響消去装置の一例の構成
を示すブロック図を表しており、図2と共通な部分には
同一の番号を付与してある。また、簡単のため、増幅器
は省略した。この図において、12は損失制御装置で、
損失制御回路13,損失挿入器14,15を備えてい
る。21はエコーキャンセラで、疑似反響路22,疑似
反響路推定回路23,減算器24を備えている。また、
x(n)25は受話信号、h(n)26は受話スピーカ
4と送話用マイクロホン3の間の反響路伝達特性(イン
パルス応答)、y(n)27は反響信号、y∧(n)2
8は疑似反響信号、h∧(n)29は反響路インパルス
応答の推定値、e(n)30は誤差信号(送出信号)、
s(n)31は近端話者の送話者信号、z(n)32は
マイクロホン出力信号を表している。33は反響消去装
置全体を示す。ただし、nは時間を表すパラメータであ
る。
【0006】次に、動作について説明する。エコーキャ
ンセラ21では、まず、疑似反響路推定回路23におい
て反響路のインパルス応答を推定し、その推定値h∧
(n)29を疑似反響路22に転送する。次に、疑似反
響路22において、h∧(n)29と受話信号x(n)
25との畳み込み演算を実行して疑似反響信号y∧
(n)28を合成する。そして、減算器24において、
送話用マイクロホン3の出力信号から疑似反響信号y∧
(n)28を差し引く。反響路インパルス応答の推定が
良好に行われていれば、反響信号y(n)27と疑似反
響信号y∧(n)28はほぼ等しいものとなっており、
この減算の結果、マイクロホン出力に含まれる反響信号
y(n)27は消去される。
【0007】ここで疑似反響路22は反響路伝達特性h
(n)26の経時変動に追従する必要がある。そのた
め、疑似反響路推定回路23では、適応アルゴリズムを
用いて、反響路インパルス応答の推定を行う。この推定
動作は受話状態、即ち、s(n)≒0であって、z
(n)≒y(n)とみなせる時にのみ実行される。その
理由としては、適応アルゴリズムは誤差信号e(n)=
z(n)…y∧(n)の二乗誤差を最小とするように疑
似反響路22の反響路インパルス応答の推定値h∧
(n)29を逐次推定する。このため、h∧(n)の良
い推定値を得るためには、e(n)=y(n)−y∧
(n)、即ち、e(n)=h(n)*x(n)−h∧
(n)*x(n)であることが必要となるためである
(ここで、*は畳み込み演算を示す記号である)。別な
見方をすれば、送話者信号がある場合には、e(n)=
s(n)+h(n)*x(n)−h∧(n)*x(n)
となるため、e(n)を最小とするh∧(n)はh
(n)に近づかない。通常、e(n)が小さくなるかな
らないかの判定により疑似反響路推定回路23の適応動
作の実行と停止を行うことが可能となる。
【0008】また、一旦疑似反響路22の反響路インパ
ルス応答の推定値h∧(n)29が反響路伝達特性h
(n)26に収束した後では、送話者信号s(n)31
がある場合には、誤差信号e(n)30は、e(n)=
s(n)+h(n)*x(n)=h∧(n)*x(n)
=s(n)となり、送出信号となる。
【0009】反響消去装置33では、エコーキャンセラ
21での消去状態が、初期状態や、反響路が急激に変動
した場合でもハウリングを防止するため、損失制御装置
12を併用している。
【0010】損失制御回路13には受話信号x(n)2
5、およびエコーキャンセラ21からの出力である誤差
信号e(n)30が入力され、それらの大きさに基づい
て送受話状態の判定を行う。送受話状態の判定方法とし
ては、例えば、x(n)とe(n)の短時間パワーPx
(n)、Pe(n)を計算して、その大きさを比較す
る。ここで、反響信号y(n)27が受話信号x(n)
25より小さいと仮定すると、送話者信号s(n)が無
い時には、Px(n)>Pe(n)が成立し、この時に
は、受話状態と判定する。一方、あるレベル以上の送話
者信号s(n)が存在すると、Px(n)<Pe(n)
となり、この時には、送話状態と判定する。そして、受
話状態と判定されれば、送話側の損失挿入器15に損失
を挿入する。その結果、受話スピーカ4から回り込んで
マイクロホンで受音された反響信号y(n)27は、損
失挿入器15によって減衰されて反響現象が軽減され
る。一方、送話状態であると判定されれば、送話側の損
失挿入器15の損失は0(dB)として、受話側の損失
挿入器14に損失を挿入する。その結果、送話用マイク
ロホン3で受音された送話信号は減衰する事なく伝送さ
れる。また、損失を受話側に挿入したことによって、閉
ループゲインを1以下に保ち、ハウリング現象を防止す
ることができる。
【0011】さて、通常の会議室における拡声通信会議
では、送話用マイクロホン3で収音された送話者信号s
(n)は、送話者の居る会議室内では拡声されない。し
かし、同一室内に数十人以上の人が収容可能な講堂など
において拡声通信会議を行う場合には、こちら側の送話
者の声も同一室内でのスピーカで拡声する必要が生じ
る。
【0012】このように自室内での送話者の声も拡声す
る場内拡声を行いながら拡声通信を行うためには、簡単
には以下に示す2つの構成が考えられる。
【0013】第1の構成を図4を用いて説明する。図4
は通常の反響消去装置を場内拡声装置として使用した場
合の構成の一例を示しており、図3と共通な部分には同
一の番号を付与してある。41は前記送出信号e(n)
30を分岐する端子、42は分岐された送出信号e
(n)30と、受話信号x(n)25とを加算する加算
器である。
【0014】今、疑似反響路22の反響路インパルス応
答の推定値h∧(n)29が反響路伝達特性h(n)2
6に近い、即ち収束した状態を考える。この場合には、
先ほど述べたように、送出信号e(n)30は、s
(n)31と見なすことができるので、以後、送出信号
をs(n)として話を進める。
【0015】さて、受話信号x(n)のみが存在する場
合には、受話信号は、受話スピーカ4で拡声され、場内
にいる受聴者は、これを聞くことができる。x(n)が
反響路を通り送話用マイクロホン3で収音された反響信
号は、エコーキャンセラ21により抑圧され、相手側へ
は送出されない。一方、自室内で発話した話者の送話信
号s(n)は、マイクロホン3で収音され減算器24を
通り、損失挿入器15、及び損失制御回路13ヘ入力さ
れる。この時、受話信号x(n)が存在しなければ、損
失制御回路13では、Px(n)<Pz(n)となり、
送話状態と判定し受話側の損失挿入器14に損失を挿入
する。送話信号s(n)は、損失挿入器15では損失さ
れずに伝送路を通り相手側には送出されることになる。
ここで、場内拡声を行うために、分岐端子41から分か
れ加算器42で受話信号と加算される送出信号は、損失
挿入器14を通ってから受話スピーカ4ヘ入力される。
このため、送話者側で拡声されるべき送出信号は損失が
挿入された信号となり、大きな音で拡声できなくなると
いう問題が生じる。
【0016】また、もう一つの問題として、送話信号と
受話信号を加算器42の加算した信号がエコーキャンセ
ラ21ヘの入力信号となるため、反響路伝達特性h∧
(n)29の収束状態が悪化する点が挙げられる。すな
わち、この構成例では、x(n)+s(n)なる信号が
エコーキャンセラ21ヘの入力信号となり、その際生じ
るエコーがh(n)*x(n)+s(n)であると見な
され、誤差信号e(n)30が、送話者信号が混在して
いるにも関らず、小さくなり、適応動作の実行が指示さ
れる場合がある。このような状態で適応動作が実行され
ると、疑似反響路22の反響路インパルス応答の推定値
h∧(n)はh(n)とはならず、エコー消去性能が悪
化する。また、本来消去してはならないs(n)が消去
されることになる。
【0017】次に、第2の構成を図5を用いて説明す
る。図5は通常の反響消去装置を場内拡声装置として使
用した場合の構成の第2の例を示す模式図を表してお
り、図3と共通な部分には同一の番号を付与してある。
43は前記マイクロホン出力信号z(n)32を分岐す
る端子、44は分岐された送出信号z(n)32と、受
話信号x(n)25とを加算する加算器である。
【0018】この構成においては、送出信号は、分岐端
子43で分岐され加算器44で受話信号と加算され、受
話スピーカ4を通して場内へ拡声される。この時、送話
信号は、損失回路の影響を受けないため、通常の場内拡
声と同様な品質で会場内へ拡声することができる。一
方、受話信号x(n)25は、受話スピーカ4で拡声さ
れ、反響路を通り送話用マイクロホン3で収音される
が、この反響信号y(n)27も分岐端子43で分岐さ
れ、加算器44で受話信号と加算され、再び受話スピー
カ4から拡声されることになる。従って、エコーキャン
セラ21で推定すべき反響路の推定値は受話スピーカ4
と送話用マイクロホン3の間の反響路伝達特性の推定値
h(n)26ではなく、h’(n)=h(n)/(1−
h(n)z-1)となる。この応答は、無限インパルス応
答と呼ばれ、非常に長い応答時間となる。このため、こ
の応容全てに対応する反響路インパルス応答の推定値h
∧(n)29を模擬するためには、非常に多くのハード
ウェア規模を要し、現実に装置実装が行えないという問
題が生じる。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】以上説明したように、
通常の拡声会議を行うために用いられる反響消去装置を
用いて、場内拡声を行いながら拡声通信会議を行うため
の構成として、反響消去装置を通った後の送出信号を、
受話信号と加算してから反響消去装置の受話入力とした
場合には、場内拡声しようとする送出信号に対し損失が
挿入されてしまうという問題が生じる。また、これと異
なる構成として、マイクロホン出力信号をスピーカで拡
声する直前で受話信号と加算してから、スピーカで拡声
した場合には、反響消去装置内のエコーキャンセラが模
擬すべき反響路インパルス応答の推定値が無限インパル
ス応答となり、非常にハードウェア規模の大きな疑似反
響路を用いなければならないという問題が生じる。
【0020】本発明は、送話者信号と受話信号の両方を
快適に場内に拡声しながら、通信会議が行える場内拡声
用反響消去装置を提供することを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明にかかる場内拡声
用反響消去装置は、伝送路より受信した受話信号と送話
者信号とを同一室内で拡声用スピーカにより拡声して場
内拡声を行いながら受音器により受音した前記送話者信
号を伝送路を介して送信して通信会議を行うための場内
拡声装置に用いる場内拡声用反響消去装置において、前
記受音器が受音した送話者信号と前記受話信号が反響路
を経由した後の反響信号とからなる受音器信号と、前記
受話信号とから推定される疑似反響路と、前記受話信号
を前記疑似反響路の入力とすることにより得られる疑似
反響信号を前記受音器信号から差し引くことにより誤差
信号を得るとともに、この誤差信号を伝送路への送出信
号とする減算器と、さらに前記送出信号と前記受話信号
とを加算し、この加算信号を前記拡声用スピーカヘの入
力とする加算器とを有するものである。
【0022】また、前記受音器信号に前記送話者信号が
混在していないと判断された時のみ、疑似反響路の推定
を行うものである。
【0023】さらに、前記受話信号に損失を挿入する受
話信号損失挿入器,前記伝送路への送出信号に損失を挿
入する伝送路送出信号損失挿入器,前記加算器への入力
となる送出信号に損失を挿入する拡声用送出信号損失挿
入器を有するものである。
【0024】また、前記受話信号損失挿入器,前記伝送
路送出信号損失挿入器,前記拡声用送出信号損失挿入器
を制御する損失制御回路を有し、前記損失制御回路は、
受話信号のみが存在する場合、あるいは受話信号及び送
話者信号の両者が存在しない場合には、前記伝送路送出
信号損失挿入器及び前記拡声用送出信号損失挿入器に損
失を与え、送話者信号のみが存在する場合には、前記受
話信号損失挿入器に損失を与え、受話信号及び送話者信
号の両方が存在する場合であって、受話信号の方が送話
者信号よりも大きい場合には、前記伝送路送出信号損失
挿入器に損失を与え、受話信号の方が送話者信号よりも
小さい場合には、前記受話信号損失挿入器に損失を与
え、これら両者の場合には前記拡声用送出信号損失挿入
器には損失を与えないものである。
【0025】さらに、前記加算器への入力となる前記送
話者信号に周波数変調処理を行う周波数変調器を備えた
ものである。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明は、場内拡声を行いなが
ら、拡声通信を同時に行う場合に生じる問題を解決する
ために、エコーキャンセラを通った後の送話者信号を2
つに分岐し、一方を送信信号とし、もう一方は、受話信
号と加算してスピーカから拡声することを特徴とする。
但し、エコーキャンセラの入力としては、加算する以前
の受話信号のみを使用する。従って、エコーキャンセラ
の入力は、x(n)のみとなり、エコーキャンセラは受
話信号x(n)を使用してh(n)*x(n)のエコー
を消去しようと動作するため、正しいh∧(n)を推定
することができる。また、マイクロホンで収音された送
話者信号s(n)とエコー信号h(n)*x(n)のう
ち、エコー信号h(n)*x(n)はエコーキャンセラ
で消去されるため、s(n)+x(n)が拡声され、エ
コー信号h(n)*x(n)を再び拡声することがな
い。
【0027】また、本発明では、分岐された2つの送信
信号に対し、それぞれ独立に損失を挿入することを特徴
とする。これにより、伝送路へ送出される信号は、通常
の拡声会議同様に、受話信号の方が送話者信号より大き
い場合には、抑圧されて送信されるが、場内へ拡声され
る方の送話信号は、損失挿入されずに拡声することが可
能となる。
【0028】
【実施例】本発明の実施例を図1を用いて説明する。但
し、図3と共通な部分には同一の番号を付与してある。
45は前記誤差信号e(n)30を分岐する分岐端子、
46は損失挿入器、47は加算器、48は周波数変調器
である。
【0029】次に、動作について説明する。エコーキャ
ンセラ21の誤差信号e(n)30は、エコーキャンセ
ラ21が正しく動作している場合、即ちh∧(n)=h
(n)の状態では、送話者信号s(n)31と一致す
る。誤差信号e(n)30は、分岐端子45において2
つに分岐し、一方は、損失制御装置12へ、もう一方
は、損失挿入器46へ入力される。損失挿入器46を通
った信号は、周波数変調器48を経て、加算器47で受
話信号x(n)25と加算され、受話スピーカ4ヘの入
力信号となる。
【0030】エコーキャンセラ21において、推定値h
∧(n)29を推定する疑似反響路推定回路23へ入力
される信号は、受話信号x(n)25のみなので、仮に
マイクロホン受音出力信号z(n)32に送話者信号s
(n)31が混在している場合には、z(n)=h
(n)*x(n)+s(n)を受話信号x(n)25で
消去するように疑似h∧(n)29を推定することにな
るが、この場合には正しくエコーが消去できない状態、
すなわち誤差信号e(n)30が小さくならないため、
容易に送話信号が混入している状態であることが判定で
き、疑似反響路推定値h∧(n)29の適応動作を行わ
ない。一方、受話スピーカ4からは、受話信号x(n)
25と送話者信号s(n)31の両者を拡声することが
できる。
【0031】また、本発明においては、拡声通信系にお
けるハウリングを防止するために設けられた損失制御装
置12は、従来通りの動作をしても、場内拡声への影響
がないような構成となっている。また、損失挿入器46
は、受話信号x(n)25のみが存在する場合には、損
失を挿入し、送話者信号s(n)31が存在する場合に
は、損失を挿入しない。
【0032】このような動作を行うことにより、受話信
号x(n)25しかない場合であって、エコーキャンセ
ラ21の動作が不安定な状態であっても、その誤差信号
e(n)30が再び受話スピーカ4から拡声されること
を防ぐことができる。また、送話者信号s(n)31が
存在する場合には、損失が挿入されないため、場内へ希
望の音量で拡声することが可能となる。但し、送話者信
号s(n)31に関しては、加算器47で加算され受話
スピーカ4から出力された信号が再び送話用マイクロホ
ン3に入力され、閉ループが形成され場内拡声でのハウ
リングが懸念される。このため、加算器47の手前に周
波数変調器48を挿入し、ハウリングマージンを稼ぐ構
成を取ることが可能となる。ここで、周波数変調器48
は、ハウリングサプレッサや自動イコイラゼーション装
置など、各種のハウリング防止装置で置きかえることも
可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明の場内拡声用反響消去装置は、伝
送路より受信した受話信号と送話者信号とを同一室内で
拡声用スピーカにより拡声して場内拡声を行いながら受
音器により受音した前記送話者信号を伝送路を介して送
信して通信会議を行うための場内拡声装置に用いる場内
拡声用反響消去装置において、前記受音器が受音した送
話者信号と前記受話信号が反響路を経由した後の反響信
号とからなる受音器信号と、前記受話信号とから推定さ
れる疑似反響路と、前記受話信号を前記疑似反響路の入
力とすることにより得られる疑似反響信号を前記受音器
信号から差し引くことにより誤差信号を得るとともに、
この誤差信号を伝送路への送出信号とする減算器と、さ
らに前記送出信号と前記受話信号とを加算し、この加算
信号を前記拡声用スピーカヘの入力とする加算器とを有
するので、場内拡声を行いながら通信会議を行った場合
には、受話信号によって生じるエコー信号は、送話信号
を自室内で拡声しているにも関らず、受話エコー信号の
消去にはなんら影響を与えず、通常の拡声会議と同様に
受話エコーを消去することが可能となる。また、送話者
信号に関しても、相手側には通常の拡声会議と同様な品
質で送出することが可能であるとともに、自室内では通
常の場内拡声を行っているのと同様な品質を維持するこ
とが可能となる。
【0034】また、前記受音器信号に前記送話者信号が
混在していないと判断された時のみ、疑似反響路の推定
を行うようにしたので、常に正しい疑似反響路の推定を
行うことができる。
【0035】さらに、前記受話信号に損失を挿入する受
話信号損失挿入器,前記伝送路への送出信号に損失を挿
入する伝送路送出信号損失挿入器,前記加算器への入力
となる送出信号に損失を挿入する拡声用送出信号損失挿
入器を有するので、必要な信号にのみ選択的に損失を与
えることができる。
【0036】また、前記受話信号損失挿入器,前記伝送
路送出信号損失挿入器,前記拡声用送出信号損失挿入器
を制御する損失制御回路を有し、前記損失制御回路は、
受話信号のみが存在する場合、あるいは受話信号及び送
話者信号の両者が存在しない場合には、前記伝送路送出
信号損失挿入器及び前記拡声用送出信号損失挿入器に損
失を与え、送話者信号のみが存在する場合には、前記受
話信号損失挿入器に損失を与え、受話信号及び送話者信
号の両方が存在する場合であって、受話信号の方が送話
者信号よりも大きい場合には、前記伝送路送出信号損失
挿入器に損失を与え、受話信号の方が送話者信号よりも
小さい場合には、前記受話信号損失挿入器に損失を与
え、これら両者の場合に前記拡声用送出信号損失挿入器
には損失を与えないようにしたので、必要な信号にのみ
選択的に損失を与えることができる。
【0037】さらに、前記加算器への入力となる前記送
話者信号に周波数変調処理を行う周波数変調器を備えた
ので、ハウリングマージンを稼ぐことができる。
【0038】以上、説明したように、場内拡声と拡声通
信を同時に執り行う際に生じる諸問題を本発明を採用す
ることにより解決することができ、快適な場内拡声型の
拡声通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による場内拡声用反響消去装置の構成を
示すブロック図である。
【図2】従来の拡声通信の構成を示すブロック図であ
る。
【図3】従来の反響消去装置の構成を示すブロック図で
ある。
【図4】従来の反響消去装置を用いて場内拡声を行う場
合の第1の構成例を示すブロック図である。
【図5】従来の反響消去装置を用いて場内拡声を行う場
合の第2の構成例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1,3 送話者マイクロホン 2,4 受話スピーカ 12 損失制御装置 13 損失制御回路 14,15 損失挿入器 21 エコーキャンセラ 22 疑似反響路 23 疑似反響路推定回路 24 減算器 25 受話信号 26 反響路伝達特性 27 反響信号 28 疑似反響信号 29 反響路インパルス応答の推定値 30 誤差信号 31 近端話者の送話信号 32 マイクロホン出力信号 33 反響消去装置全体 45 分岐端子 46 損失挿入器 47 加算器 48 周波数変調器
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐々木 潤子 東京都新宿区西新宿三丁目19番2号 日本 電信電話株式会社内 (72)発明者 山田 真之 東京都武蔵野市御殿山一丁目1番3号 エ ヌ・ティ・ティ・アドバンステクノロジ株 式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 伝送路より受信した受話信号と送話者信
    号とを同一室内で拡声用スピーカにより拡声して場内拡
    声を行いながら受音器により受音した前記送話者信号を
    伝送路を介して送信して通信会議を行うための場内拡声
    装置に用いる場内拡声用反響消去装置において、 前記受音器が受音した送話者信号と前記受話信号が反響
    路を経由した後の反響信号とからなる受音器信号と、前
    記受話信号とから推定される疑似反響路と、 前記受話信号を前記疑似反響路の入力とすることにより
    得られる疑似反響信号を前記受音器信号から差し引くこ
    とにより誤差信号を得るとともに、この誤差信号を伝送
    路への送出信号とする減算器と、 さらに前記送出信号と前記受話信号とを加算し、この加
    算信号を前記拡声用スピーカヘの入力とする加算器とを
    有することを特徴とする場内拡声用反響消去装置。
  2. 【請求項2】 前記受音器信号に前記送話者信号が混在
    していないと判断された時のみ、疑似反響路の推定を行
    うことを特徴とする請求項1に記載の前記場内拡声用反
    響消去装置。
  3. 【請求項3】 前記受話信号に損失を挿入する受話信号
    損失挿入器,前記伝送路への送出信号に損失を挿入する
    伝送路送出信号損失挿入器,前記加算器への入力となる
    送出信号に損失を挿入する拡声用送出信号損失挿入器を
    有することを特徴とする請求項1に記載の場内拡声用反
    響消去装置。
  4. 【請求項4】 前記受話信号損失挿入器,前記伝送路送
    出信号損失挿入器,前記拡声用送出信号損失挿入器を制
    御する損失制御回路を有し、 前記損失制御回路は、受話信号のみが存在する場合、あ
    るいは受話信号及び送話者信号の両者が存在しない場合
    には、前記伝送路送出信号損失挿入器及び前記拡声用送
    出信号損失挿入器に損失を与え、 送話者信号のみが存在する場合には、前記受話信号損失
    挿入器に損失を与え、 受話信号及び送話者信号の両方が存在する場合であっ
    て、受話信号の方が送話者信号よりも大きい場合には、
    前記伝送路送出信号損失挿入器に損失を与え、受話信号
    の方が送話者信号よりも小さい場合には、前記受話信号
    損失挿入器に損失を与え、これら両者の場合に前記拡声
    用送出信号損失挿入器には損失を与えないことを特徴と
    する請求項3に記載の場内拡声用反響消去装置。
  5. 【請求項5】 前記加算器への入力となる前記送話者信
    号に周波数変調処理を行う周波数変調器を備えたことを
    特徴とする請求項1に記載の場内拡声用反響消去装置。
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