JPH11340021A - ボンド磁石材料とボンド磁石成形品 - Google Patents
ボンド磁石材料とボンド磁石成形品Info
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- JPH11340021A JPH11340021A JP10156758A JP15675898A JPH11340021A JP H11340021 A JPH11340021 A JP H11340021A JP 10156758 A JP10156758 A JP 10156758A JP 15675898 A JP15675898 A JP 15675898A JP H11340021 A JPH11340021 A JP H11340021A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 温度上昇に伴う磁束の変化が少ないボンド磁
石材料とボンド磁石成形品を提供する。 【解決手段】 このボンド磁石材料とボンド磁石成形品
は、硬磁性材料粉末、キュリー温度が磁石使用温度範囲
若しくはその近傍温度範囲にある軟磁性材料粉末、およ
び有機バインダーを含有し、かつ、硬磁性材料と軟磁性
材料の混合粉末中における軟磁性材料粉末の混合割合x
が式(2)に基づいて設定されていることを特徴とす
る。 dB=(1−x)・dBrp−x・dBss (2) [但し、式(2)中dBは磁石外部に発生する磁束密度
の温度変化、dBrpは硬磁性材料における残留磁束密
度の温度変化、dBssは軟磁性材料における飽和磁束
密度の温度変化をそれぞれ示す]
石材料とボンド磁石成形品を提供する。 【解決手段】 このボンド磁石材料とボンド磁石成形品
は、硬磁性材料粉末、キュリー温度が磁石使用温度範囲
若しくはその近傍温度範囲にある軟磁性材料粉末、およ
び有機バインダーを含有し、かつ、硬磁性材料と軟磁性
材料の混合粉末中における軟磁性材料粉末の混合割合x
が式(2)に基づいて設定されていることを特徴とす
る。 dB=(1−x)・dBrp−x・dBss (2) [但し、式(2)中dBは磁石外部に発生する磁束密度
の温度変化、dBrpは硬磁性材料における残留磁束密
度の温度変化、dBssは軟磁性材料における飽和磁束
密度の温度変化をそれぞれ示す]
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁化は小さくても
よいがその温度変化の小さいことが要求される用途、例
えば、静コンバージェンス装置あるいはスポイラー等に
適用されるボンド磁石材料とボンド磁石成形品に係り、
特に、温度上昇に伴う磁束の変化が少ないボンド磁石材
料とボンド磁石成形品の改良に関するものである。
よいがその温度変化の小さいことが要求される用途、例
えば、静コンバージェンス装置あるいはスポイラー等に
適用されるボンド磁石材料とボンド磁石成形品に係り、
特に、温度上昇に伴う磁束の変化が少ないボンド磁石材
料とボンド磁石成形品の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複数の電子銃を有するカラー受像管のネ
ック部には円環状の2、4あるいは6極の磁石を複数用
いた静コンバージェンス装置が取り付けられ、また、受
像間の側面には短冊状の磁石を用いたスポイラーが取り
付けられている。これら静コンバージェンス装置やスポ
イラーにおいては、上記磁石の向き、強さ、装着位置を
適宜調節することで、電子銃より発せられた3本の電子
ビームをスクリーン一点に収束させたり、色純度、画面
歪み等の調整を行っている。
ック部には円環状の2、4あるいは6極の磁石を複数用
いた静コンバージェンス装置が取り付けられ、また、受
像間の側面には短冊状の磁石を用いたスポイラーが取り
付けられている。これら静コンバージェンス装置やスポ
イラーにおいては、上記磁石の向き、強さ、装着位置を
適宜調節することで、電子銃より発せられた3本の電子
ビームをスクリーン一点に収束させたり、色純度、画面
歪み等の調整を行っている。
【0003】ところで、この静コンバージェンス装置や
スポイラー等に組入れられる上記磁石には磁性材料粉末
を有機バインダーに混合して成るボンド磁石材料が通常
適用されており、また、上記磁性材料粉末として、従
来、バリウムあるいはストロンチウムフェライト粉末、
アルニコ系金属粉末などが用いられていた。
スポイラー等に組入れられる上記磁石には磁性材料粉末
を有機バインダーに混合して成るボンド磁石材料が通常
適用されており、また、上記磁性材料粉末として、従
来、バリウムあるいはストロンチウムフェライト粉末、
アルニコ系金属粉末などが用いられていた。
【0004】そして、バリウムあるいはストロンチウム
フェライト粉末を用いたボンド磁石材料は安価なため、
これ等バリウムあるいはストロンチウムフェライト粉末
のボンド磁石材料が適用された場合、静コンバージェン
ス装置等を低コストで提供できる利点を有していた。但
し、バリウムあるいはストロンチウムフェライト粉末は
温度変化に対する磁気特性が安定しない問題を有してい
た。
フェライト粉末を用いたボンド磁石材料は安価なため、
これ等バリウムあるいはストロンチウムフェライト粉末
のボンド磁石材料が適用された場合、静コンバージェン
ス装置等を低コストで提供できる利点を有していた。但
し、バリウムあるいはストロンチウムフェライト粉末は
温度変化に対する磁気特性が安定しない問題を有してい
た。
【0005】一方、アルニコ系金属粉末は温度に対する
安定度はバリウムあるいはストロンチウムフェライト粉
末より優れているが、高価である問題を有していた。
安定度はバリウムあるいはストロンチウムフェライト粉
末より優れているが、高価である問題を有していた。
【0006】すなわち、磁性材料は一般に高温になるほ
どその残留磁束密度が減少する性質(すなわち磁性材料
は残留磁束密度について負の温度係数を有する)を有し
ており、上記バリウムあるいはストロンチウムフェライ
トの場合、その温度係数は約−0.2%/℃と大きな値
を有しているのに対し、アルニコ系金属の場合、その温
度係数は約−0.02%/℃で、バリウムあるいはスト
ロンチウムフェライトに較べて一桁小さな値を有してい
た。
どその残留磁束密度が減少する性質(すなわち磁性材料
は残留磁束密度について負の温度係数を有する)を有し
ており、上記バリウムあるいはストロンチウムフェライ
トの場合、その温度係数は約−0.2%/℃と大きな値
を有しているのに対し、アルニコ系金属の場合、その温
度係数は約−0.02%/℃で、バリウムあるいはスト
ロンチウムフェライトに較べて一桁小さな値を有してい
た。
【0007】このため、バリウムあるいはストロンチウ
ムフェライト粉末などのボンド磁石材料が適用された場
合、上述したように静コンバージェンス装置等を低コス
トで提供できるといった利点を有する反面、受像機のキ
ャビネット内温度の上昇に起因してボンド磁石材料の減
磁が顕著となり、ミスコンバージェンスにより、解像度
の低下や色ずれなどを引き起こし易い問題点を有してい
た。この問題は、一般の受像機においても同様である
が、高精細度が要求されるコンピュータ用表示装置や高
画質テレビ用受像機にとっては致命的な問題となる。
ムフェライト粉末などのボンド磁石材料が適用された場
合、上述したように静コンバージェンス装置等を低コス
トで提供できるといった利点を有する反面、受像機のキ
ャビネット内温度の上昇に起因してボンド磁石材料の減
磁が顕著となり、ミスコンバージェンスにより、解像度
の低下や色ずれなどを引き起こし易い問題点を有してい
た。この問題は、一般の受像機においても同様である
が、高精細度が要求されるコンピュータ用表示装置や高
画質テレビ用受像機にとっては致命的な問題となる。
【0008】そして、近年、高精細度に対する要求はま
すます厳しくなっており、温度特性とコストの両立が求
められている。
すます厳しくなっており、温度特性とコストの両立が求
められている。
【0009】このような技術的背景の下、特開平8−1
38922号公報においては上述したアルニコ系金属粉
末とバリウムあるいはストロンチウムフェライト粉末と
を混合することにより温度特性とコストの両立を図った
とするボンド磁石材料が提案されている。
38922号公報においては上述したアルニコ系金属粉
末とバリウムあるいはストロンチウムフェライト粉末と
を混合することにより温度特性とコストの両立を図った
とするボンド磁石材料が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平8−1
38922号公報に記載されたこのボンド磁石材料は、
温度係数は約−0.2%/℃と大きいが低コストのバリ
ウムあるいはストロンチウムフェライト粉末と、温度係
数は約−0.02%/℃と小さいが高価なアルニコ系金
属粉末とを混ぜることで温度特性とコストの平均化を単
に図った磁石材料に過ぎず、温度特性とコストの両方に
ついてその改善が図られたものではなかった。すなわ
ち、特開平8−138922号公報に記載のボンド磁石
材料は、硬磁性材料粉末であるバリウムあるいはストロ
ンチウムフェライト粉末と、同じく硬磁性材料粉末であ
るアルニコ系金属粉末とを混ぜることで温度特性とコス
トの平均化を図った磁石材料に過ぎず、未だ十分のもの
ではなかった。
38922号公報に記載されたこのボンド磁石材料は、
温度係数は約−0.2%/℃と大きいが低コストのバリ
ウムあるいはストロンチウムフェライト粉末と、温度係
数は約−0.02%/℃と小さいが高価なアルニコ系金
属粉末とを混ぜることで温度特性とコストの平均化を単
に図った磁石材料に過ぎず、温度特性とコストの両方に
ついてその改善が図られたものではなかった。すなわ
ち、特開平8−138922号公報に記載のボンド磁石
材料は、硬磁性材料粉末であるバリウムあるいはストロ
ンチウムフェライト粉末と、同じく硬磁性材料粉末であ
るアルニコ系金属粉末とを混ぜることで温度特性とコス
トの平均化を図った磁石材料に過ぎず、未だ十分のもの
ではなかった。
【0011】本発明はこのような問題点に着目してなさ
れたもので、その課題とするところは、温度特性とコス
トの両立が図れるボンド磁石材料とボンド磁石成形品を
提供することにある。
れたもので、その課題とするところは、温度特性とコス
トの両立が図れるボンド磁石材料とボンド磁石成形品を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等はこ
の課題を解決するために鋭意検討を重ねたところ、硬磁
性材料粉末と、軟磁性材料粉末を特定の配合比率で混合
することにより、残留磁束密度の温度係数等、磁石外部
に発生する磁束密度の温度変化を著しく減少できること
を見出だすに至った。本発明はこの様な知見に基づき完
成されたものである。
の課題を解決するために鋭意検討を重ねたところ、硬磁
性材料粉末と、軟磁性材料粉末を特定の配合比率で混合
することにより、残留磁束密度の温度係数等、磁石外部
に発生する磁束密度の温度変化を著しく減少できること
を見出だすに至った。本発明はこの様な知見に基づき完
成されたものである。
【0013】すなわち、請求項1に係る発明は、ボンド
磁石材料を前提とし、硬磁性材料粉末、軟磁性材料粉
末、および、有機バインダーを含有し、かつ、硬磁性材
料と軟磁性材料の混合粉末中における軟磁性材料粉末の
混合割合xが式(2)に基づいて設定されていることを
特徴とし、 dB=(1−x)・dBrp−x・dBss (2) [但し、式(2)中dBは磁石外部に発生する磁束密度
の温度変化、dBrpは硬磁性材料における残留磁束密
度の温度変化、dBssは軟磁性材料における飽和磁束
密度の温度変化をそれぞれ示す]また、請求項2に係る
発明は、請求項1記載の発明に係るボンド磁石材料を前
提とし、上記軟磁性材料のキュリー温度が磁石使用温度
範囲若しくはその近傍温度範囲にあることを特徴とする
ものである。
磁石材料を前提とし、硬磁性材料粉末、軟磁性材料粉
末、および、有機バインダーを含有し、かつ、硬磁性材
料と軟磁性材料の混合粉末中における軟磁性材料粉末の
混合割合xが式(2)に基づいて設定されていることを
特徴とし、 dB=(1−x)・dBrp−x・dBss (2) [但し、式(2)中dBは磁石外部に発生する磁束密度
の温度変化、dBrpは硬磁性材料における残留磁束密
度の温度変化、dBssは軟磁性材料における飽和磁束
密度の温度変化をそれぞれ示す]また、請求項2に係る
発明は、請求項1記載の発明に係るボンド磁石材料を前
提とし、上記軟磁性材料のキュリー温度が磁石使用温度
範囲若しくはその近傍温度範囲にあることを特徴とする
ものである。
【0014】ここで、上記硬磁性材料と軟磁性材料の混
合粉末中における軟磁性材料粉末の混合割合xは、例え
ば、以下のようにして設定される。すなわち、適用する
硬磁性材料粉末並びに軟磁性材料粉末の上記dBrpと
dBssを事前に求め、かつ、得られるボンド磁石材料
の用途からこの磁石材料に要求される磁束密度の温度変
化dBを事前に設定し、これ等dBrp、dBss、d
Bの値を式(2)に代入して軟磁性材料粉末の混合割合
xを求める。また、軟磁性材料におけるキュリー温度の
磁石使用温度範囲若しくはその近傍温度範囲とは、得ら
れるボンド磁石材料の用途から求められる磁石を使用す
る際の温度範囲を意味している。
合粉末中における軟磁性材料粉末の混合割合xは、例え
ば、以下のようにして設定される。すなわち、適用する
硬磁性材料粉末並びに軟磁性材料粉末の上記dBrpと
dBssを事前に求め、かつ、得られるボンド磁石材料
の用途からこの磁石材料に要求される磁束密度の温度変
化dBを事前に設定し、これ等dBrp、dBss、d
Bの値を式(2)に代入して軟磁性材料粉末の混合割合
xを求める。また、軟磁性材料におけるキュリー温度の
磁石使用温度範囲若しくはその近傍温度範囲とは、得ら
れるボンド磁石材料の用途から求められる磁石を使用す
る際の温度範囲を意味している。
【0015】このような技術的手段において上記硬磁性
材料粉末としては、永久磁石と一般に称されるアルニコ
系金属粉末、バリウムフェライト粉末、ストロンチウム
フェライト粉末、希土類鉄系粉末、希土類コバルト系粉
末などが挙げられ、また、上記軟磁性材料粉末として
は、Mn−Zn系フェライト粉末、Ni−Zn系フェラ
イト粉末、Ni−Cu系フェライト粉末、Cu−Zn系
フェライト粉末、Mg−Zn系フェライト粉末、Li−
Zn系フェライト粉末、FeNi系粉末、FeNiCr
系粉末、NiCr系粉末などが挙げられる。尚、硬磁性
材料粉末として高価なアルニコ系金属粉末でなくバリウ
ムフェライト粉末などを適用した場合、温度特性とコス
トの両立が図れたボンド磁石材料とすることが可能とな
る。また、本発明に係るボンド磁石材料を上述した静コ
ンバージェンス装置やスポイラーなどに組入れる場合、
その残留磁束密度の温度係数が−0.05%/℃以上、
+0.05%/℃未満であるボンド磁石材料の適用が適
している。請求項3および請求項4に係る発明はこのよ
うな技術的理由により特定された発明に関する。
材料粉末としては、永久磁石と一般に称されるアルニコ
系金属粉末、バリウムフェライト粉末、ストロンチウム
フェライト粉末、希土類鉄系粉末、希土類コバルト系粉
末などが挙げられ、また、上記軟磁性材料粉末として
は、Mn−Zn系フェライト粉末、Ni−Zn系フェラ
イト粉末、Ni−Cu系フェライト粉末、Cu−Zn系
フェライト粉末、Mg−Zn系フェライト粉末、Li−
Zn系フェライト粉末、FeNi系粉末、FeNiCr
系粉末、NiCr系粉末などが挙げられる。尚、硬磁性
材料粉末として高価なアルニコ系金属粉末でなくバリウ
ムフェライト粉末などを適用した場合、温度特性とコス
トの両立が図れたボンド磁石材料とすることが可能とな
る。また、本発明に係るボンド磁石材料を上述した静コ
ンバージェンス装置やスポイラーなどに組入れる場合、
その残留磁束密度の温度係数が−0.05%/℃以上、
+0.05%/℃未満であるボンド磁石材料の適用が適
している。請求項3および請求項4に係る発明はこのよ
うな技術的理由により特定された発明に関する。
【0016】すなわち、請求項3に係る発明は、請求項
1または2記載のボンド磁石材料を前提とし、上記硬磁
性材料粉末が硬磁性フェライトで構成されていると共に
上記軟磁性材料粉末が軟磁性フェライトで構成されてい
ることを特徴とし、また、請求項4に係る発明は、請求
項1、2または3記載のボンド磁石材料を前提とし、残
留磁束密度の温度係数が、−0.05%/℃以上、+
0.05%/℃未満であることを特徴とするものであ
る。
1または2記載のボンド磁石材料を前提とし、上記硬磁
性材料粉末が硬磁性フェライトで構成されていると共に
上記軟磁性材料粉末が軟磁性フェライトで構成されてい
ることを特徴とし、また、請求項4に係る発明は、請求
項1、2または3記載のボンド磁石材料を前提とし、残
留磁束密度の温度係数が、−0.05%/℃以上、+
0.05%/℃未満であることを特徴とするものであ
る。
【0017】次に、請求項5に係る発明は、ボンド磁石
材料を加熱成形して得られるボンド磁石成形品を前提と
し、上記ボンド磁石材料が請求項1、2、3または4記
載のボンド磁石材料により構成されていることを特徴と
するものである。
材料を加熱成形して得られるボンド磁石成形品を前提と
し、上記ボンド磁石材料が請求項1、2、3または4記
載のボンド磁石材料により構成されていることを特徴と
するものである。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳細に説明する。
て詳細に説明する。
【0019】まず、本発明に係るボンド磁石材料とボン
ド磁石成形品は、硬磁性材料粉末と軟磁性材料粉末およ
び有機バインダーを含有して成るものであるが、より詳
しく説明すると、高温になると残留磁束密度が低下する
硬磁性材料粉末(上述したように磁性材料は残留磁束密
度について負の温度係数を有する)と、高温になると磁
化が減少する軟磁性材料粉末を混合することにより、優
れた温度特性を発揮するものである。
ド磁石成形品は、硬磁性材料粉末と軟磁性材料粉末およ
び有機バインダーを含有して成るものであるが、より詳
しく説明すると、高温になると残留磁束密度が低下する
硬磁性材料粉末(上述したように磁性材料は残留磁束密
度について負の温度係数を有する)と、高温になると磁
化が減少する軟磁性材料粉末を混合することにより、優
れた温度特性を発揮するものである。
【0020】すなわち、硬磁性材料粉末と軟磁性材料粉
末を混合すると、上記硬磁性材料で発生させた磁束の一
部が軟磁性材料に吸収され、磁石外部に発生する磁束は
その差分となる。このとき、軟磁性材料に吸収される磁
束の割合は、混合する軟磁性材料の混合割合xと軟磁性
材料の飽和磁束密度の大きさにほぼ比例する。
末を混合すると、上記硬磁性材料で発生させた磁束の一
部が軟磁性材料に吸収され、磁石外部に発生する磁束は
その差分となる。このとき、軟磁性材料に吸収される磁
束の割合は、混合する軟磁性材料の混合割合xと軟磁性
材料の飽和磁束密度の大きさにほぼ比例する。
【0021】そして、高温になると硬磁性材料が発生す
る磁束の大きさはその残留磁束密度の温度係数に従い減
少するが、一方、軟磁性材料の飽和磁束密度も高温にな
るに従い一般に減少するため、軟磁性材料に吸収される
磁束の割合も減少する。
る磁束の大きさはその残留磁束密度の温度係数に従い減
少するが、一方、軟磁性材料の飽和磁束密度も高温にな
るに従い一般に減少するため、軟磁性材料に吸収される
磁束の割合も減少する。
【0022】ここで、硬磁性材料の磁束密度の温度係
数、軟磁性材料の飽和磁束密度の温度係数、および、硬
磁性材料と軟磁性材料の混合割合を適宜設定することに
より、温度により硬磁性材料が発生させる磁束の低下分
を、軟磁性材料が吸収する磁束の低下分で補償させて、
磁石外部に生ずる磁束について温度による変化分を極力
少なくさせることが可能となる。
数、軟磁性材料の飽和磁束密度の温度係数、および、硬
磁性材料と軟磁性材料の混合割合を適宜設定することに
より、温度により硬磁性材料が発生させる磁束の低下分
を、軟磁性材料が吸収する磁束の低下分で補償させて、
磁石外部に生ずる磁束について温度による変化分を極力
少なくさせることが可能となる。
【0023】すなわち、磁石外部に発生する磁束とその
温度変化は、簡単には式(1)(2)で表すことができ
る。
温度変化は、簡単には式(1)(2)で表すことができ
る。
【0024】 B=(1−x)・Brp−x・Bss (1) dB=(1−x)・dBrp−x・dBss (2) dB=0とするxは、x=dBrp/(dBrp+dBss) (3) 但し、式(1)〜(3)中、 Bは磁石外部に発生する磁束密度 Brpは硬磁性材料の残留磁束密度 Bssは軟磁性材料の飽和磁束密度 dBは磁石外部に発生する磁束密度の温度変化 dBrpは硬磁性材料における残留磁束密度の温度変化 dBssは軟磁性材料における飽和磁束密度の温度変化 xは硬磁性材料と軟磁性材料の混合粉末中における軟磁
性材料粉末の混合割合をそれぞれ示している。
性材料粉末の混合割合をそれぞれ示している。
【0025】そして、軟磁性材料の混合割合xが大きく
なると式(1)から明らかなように磁石外部に発生する
磁束が低下し好ましくない(すなわち、軟磁性材料の混
合割合xは小さい方が好ましい)。
なると式(1)から明らかなように磁石外部に発生する
磁束が低下し好ましくない(すなわち、軟磁性材料の混
合割合xは小さい方が好ましい)。
【0026】但し、上述した静コンバージェンス装置や
スポイラー用磁石に必要な磁束は小さくて十分なため、
ある程度の磁束の低下は、有機バインダーと磁性粉末
(すなわち硬磁性材料粉末と軟磁性材料粉末の混合物)
との割合を調整することにより補完可能である。
スポイラー用磁石に必要な磁束は小さくて十分なため、
ある程度の磁束の低下は、有機バインダーと磁性粉末
(すなわち硬磁性材料粉末と軟磁性材料粉末の混合物)
との割合を調整することにより補完可能である。
【0027】得られたボンド磁石材料における外部に発
生する磁束の温度変化を小さくし[すなわち、式(2)
においてdB=0とする条件]、かつ、磁束がそれ程低
下しないようにするためには、dBrp(硬磁性材料に
おける残留磁束密度の温度変化)がdBss(軟磁性材
料における飽和磁束密度の温度変化)より十分小さいこ
とが重要である[すなわち式(3)においてxが小さく
なるための条件は、式(3)からdBrpがdBssよ
り十分小さいことが条件となる]。
生する磁束の温度変化を小さくし[すなわち、式(2)
においてdB=0とする条件]、かつ、磁束がそれ程低
下しないようにするためには、dBrp(硬磁性材料に
おける残留磁束密度の温度変化)がdBss(軟磁性材
料における飽和磁束密度の温度変化)より十分小さいこ
とが重要である[すなわち式(3)においてxが小さく
なるための条件は、式(3)からdBrpがdBssよ
り十分小さいことが条件となる]。
【0028】そして、磁性材料の飽和磁束密度の温度変
化は一般にはキュリー温度未満でキュリー温度に近い温
度領域で大きくなるため、上記ボンド磁石材料(すなわ
ち外部に発生する磁束の温度変化を小さくしかつ磁束が
それ程低下しないボンド磁石材料)に適用される軟磁性
材料としては、そのキュリー温度が磁石使用温度範囲若
しくはその近傍温度範囲にある軟磁性材料粉末を適用す
ることになる(請求項2)。
化は一般にはキュリー温度未満でキュリー温度に近い温
度領域で大きくなるため、上記ボンド磁石材料(すなわ
ち外部に発生する磁束の温度変化を小さくしかつ磁束が
それ程低下しないボンド磁石材料)に適用される軟磁性
材料としては、そのキュリー温度が磁石使用温度範囲若
しくはその近傍温度範囲にある軟磁性材料粉末を適用す
ることになる(請求項2)。
【0029】
【実施例】以下、本発明の実施例について具体的に説明
する。
する。
【0030】まず、バリウムフェライト(硬磁性材料)
粉末と、キュリー点が100℃のMn−Znフェライト
(軟磁性材料)粉末を重量比率9対1で混合した。
粉末と、キュリー点が100℃のMn−Znフェライト
(軟磁性材料)粉末を重量比率9対1で混合した。
【0031】更に、この混合粉末と有機バインダーであ
る6ナイロンとを、バインダー重量2、混合粉末重量5
の割合で混合した。
る6ナイロンとを、バインダー重量2、混合粉末重量5
の割合で混合した。
【0032】そして、得られた混合体を、200℃〜3
50℃で混練機で押し出し、ペレットを得た。次に、こ
のペレットを射出成形装置に投入し、温度250〜30
0℃で射出成形して目的のボンド磁石材料を得た。
50℃で混練機で押し出し、ペレットを得た。次に、こ
のペレットを射出成形装置に投入し、温度250〜30
0℃で射出成形して目的のボンド磁石材料を得た。
【0033】得られたボンド磁石材料の表面磁束を20
℃(室温)と80℃で測定し、ボンド磁石材料における
磁束密度の温度変化を計算により求めた。結果を以下の
表1に示す。
℃(室温)と80℃で測定し、ボンド磁石材料における
磁束密度の温度変化を計算により求めた。結果を以下の
表1に示す。
【0034】[比較例1]Mn−Znフェライト粉末が
配合されない点を除き実施例と同一の条件に従いボンド
磁石材料を得た。
配合されない点を除き実施例と同一の条件に従いボンド
磁石材料を得た。
【0035】そして、このボンド磁石材料についてもそ
の表面磁束を20℃(室温)と80℃で測定し、ボンド
磁石材料における磁束密度の温度変化を計算により求め
た。結果を表1に示す。
の表面磁束を20℃(室温)と80℃で測定し、ボンド
磁石材料における磁束密度の温度変化を計算により求め
た。結果を表1に示す。
【0036】[比較例2]バリウムフェライト(硬磁性
材料)粉末に代えてアルニコ8粉末を適用すると共に、
Mn−Znフェライト粉末を混入せず、かつ、アルニコ
8粉末重量5に対しナイロン重量3としている点を除き
実施例と同一の条件に従いボンド磁石材料を得た。
材料)粉末に代えてアルニコ8粉末を適用すると共に、
Mn−Znフェライト粉末を混入せず、かつ、アルニコ
8粉末重量5に対しナイロン重量3としている点を除き
実施例と同一の条件に従いボンド磁石材料を得た。
【0037】そして、このボンド磁石材料についてもそ
の表面磁束を20℃(室温)と80℃で測定し、ボンド
磁石材料における磁束密度の温度変化を計算により求め
た。結果を表1に示す。
の表面磁束を20℃(室温)と80℃で測定し、ボンド
磁石材料における磁束密度の温度変化を計算により求め
た。結果を表1に示す。
【0038】
【表1】 この表1の結果から、実施例に係るボンド磁石材料と比
較例2に係るボンド磁石材料における磁束密度の温度変
化は略同一となっており、高価なアルニコ系金属を適用
することなく温度上昇に伴う磁束の変化が少ないボンド
磁石材料を提供できることが確認される。
較例2に係るボンド磁石材料における磁束密度の温度変
化は略同一となっており、高価なアルニコ系金属を適用
することなく温度上昇に伴う磁束の変化が少ないボンド
磁石材料を提供できることが確認される。
【0039】
【発明の効果】本発明に係るボンド磁石材料とボンド磁
石成形品にれば、硬磁性材料粉末、軟磁性材料粉末、お
よび、有機バインダーを含有し、かつ、硬磁性材料と軟
磁性材料の混合粉末中における軟磁性材料粉末の混合割
合xが前記式(2)に基づいて設定されているため、温
度特性とコストの両立が図れたボンド磁石材料とボンド
磁石成形品を提供できる効果を有する。
石成形品にれば、硬磁性材料粉末、軟磁性材料粉末、お
よび、有機バインダーを含有し、かつ、硬磁性材料と軟
磁性材料の混合粉末中における軟磁性材料粉末の混合割
合xが前記式(2)に基づいて設定されているため、温
度特性とコストの両立が図れたボンド磁石材料とボンド
磁石成形品を提供できる効果を有する。
Claims (5)
- 【請求項1】硬磁性材料粉末、軟磁性材料粉末、およ
び、有機バインダーを含有し、かつ、硬磁性材料と軟磁
性材料の混合粉末中における軟磁性材料粉末の混合割合
xが式(2)に基づいて設定されていることを特徴とす
るボンド磁石材料。 dB=(1−x)・dBrp−x・dBss (2) [但し、式(2)中dBは磁石外部に発生する磁束密度
の温度変化、dBrpは硬磁性材料における残留磁束密
度の温度変化、dBssは軟磁性材料における飽和磁束
密度の温度変化をそれぞれ示す] - 【請求項2】上記軟磁性材料のキュリー温度が磁石使用
温度範囲若しくはその近傍温度範囲にあることを特徴と
する請求項1記載のボンド磁石材料。 - 【請求項3】上記硬磁性材料粉末が硬磁性フェライトで
構成されていると共に上記軟磁性材料粉末が軟磁性フェ
ライトで構成されていることを特徴とする請求項1また
は2記載のボンド磁石材料。 - 【請求項4】残留磁束密度の温度係数が、−0.05%
/℃以上、+0.05%/℃未満であることを特徴とす
る請求項1、2または3記載のボンド磁石材料。 - 【請求項5】ボンド磁石材料を加熱成形して得られるボ
ンド磁石成形品において、上記ボンド磁石材料が請求項
1、2、3または4記載のボンド磁石材料により構成さ
れていることを特徴とするボンド磁石成形品。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10156758A JPH11340021A (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | ボンド磁石材料とボンド磁石成形品 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10156758A JPH11340021A (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | ボンド磁石材料とボンド磁石成形品 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11340021A true JPH11340021A (ja) | 1999-12-10 |
Family
ID=15634688
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10156758A Pending JPH11340021A (ja) | 1998-05-21 | 1998-05-21 | ボンド磁石材料とボンド磁石成形品 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH11340021A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003100509A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-04 | Nec Tokin Corp | 磁気コア及びそれを用いたインダクタンス部品 |
JP2008258463A (ja) * | 2007-04-06 | 2008-10-23 | Nec Tokin Corp | 永久磁石材料とそれを用いた永久磁石およびその製造方法 |
CN105397082A (zh) * | 2015-12-01 | 2016-03-16 | 横店集团东磁股份有限公司 | 一种磁性材料注塑颗粒母料制备方法 |
-
1998
- 1998-05-21 JP JP10156758A patent/JPH11340021A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2003100509A (ja) * | 2001-09-27 | 2003-04-04 | Nec Tokin Corp | 磁気コア及びそれを用いたインダクタンス部品 |
JP2008258463A (ja) * | 2007-04-06 | 2008-10-23 | Nec Tokin Corp | 永久磁石材料とそれを用いた永久磁石およびその製造方法 |
CN105397082A (zh) * | 2015-12-01 | 2016-03-16 | 横店集团东磁股份有限公司 | 一种磁性材料注塑颗粒母料制备方法 |
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