JPH11339659A - プラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法及びそれに使用する乾燥装置 - Google Patents

プラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法及びそれに使用する乾燥装置

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JPH11339659A
JPH11339659A JP14862498A JP14862498A JPH11339659A JP H11339659 A JPH11339659 A JP H11339659A JP 14862498 A JP14862498 A JP 14862498A JP 14862498 A JP14862498 A JP 14862498A JP H11339659 A JPH11339659 A JP H11339659A
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Masaaki Asano
雅朗 浅野
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  • Formation Of Various Coating Films On Cathode Ray Tubes And Lamps (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 セル空間内に塗布充填した蛍光体ペーストを
乾燥させる工程を経て蛍光面を形成する際に、ペースト
の軟化による型崩れを起こさずに良好な蛍光面を形成す
る。 【解決手段】 リブによって区画されるセル空間内に蛍
光体ペーストを塗布充填し、乾燥工程を経て蛍光体ペー
スト中の有機溶媒を気化させることにより、リブの壁面
とセル底面に渡って蛍光体ペーストを残す手順を含むプ
ラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法において、
乾燥工程を真空乾燥により行うようにする。セル空間内
に充填した蛍光体ペーストが未乾燥の基板Gにチャンバ
ー11を被せた密封状態において、真空ポンプPにより
チャンバー11内を真空にすると、ペースト中の有機溶
媒が気化して乾燥する。熱が掛かる訳ではないので、乾
燥中にペーストが垂れることがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガス放電を利用し
た自発光形式のフラットディスプレイであるカラー表示
のプラズマディスプレイパネル(以下、PDPと記す)
における蛍光面の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般にPDPは、2枚の対向するガラス
基板にそれぞれ規則的に配列した一対の電極を設け、そ
の間にNe,Xe等を主体とするガスを封入した構造に
なっている。そして、これらの電極間に電圧を印加し、
電極周辺の微小なセル内で放電を発生させることによ
り、各セルを発光させて表示を行うようにしている。情
報表示をするためには、規則的に並んだセルを選択的に
放電発光させる。このPDPには、電極が放電空間に露
出している直流型(DC型)と絶縁層で覆われている交
流型(AC型)の2タイプがあり、双方とも表示機能や
駆動方法の違いによって、さらにリフレッシュ駆動方式
とメモリー駆動方式とに分類される。
【0003】図1にAC型PDPの一構成例を示す。こ
の図は前面板と背面板を離した状態で示したもので、図
示のように2枚のガラス基板1,2が互いに平行に且つ
対向して配設されており、両者は背面板となるガラス基
板2上に互いに平行に設けられたリブ3により一定の間
隔に保持されるようになっている。前面板となるガラス
基板1の背面側には透明電極である維持電極4と金属電
極であるバス電極5とで構成される複合電極が互いに平
行に形成され、これを覆って誘電体層6が形成されてお
り、さらにその上に保護層7(MgO層)が形成されて
いる。また、背面板となるガラス基板2の前面側には前
記複合電極と直交するようにリブ3の間に位置してアド
レス電極8が互いに平行に形成されており、それを覆っ
て誘電体層9が形成され、さらにリブ3の壁面とセル底
面を覆うようにして蛍光体10が設けられている。この
AC型PDPは面放電型であって、前面板上の複合電極
間に交流電圧を印加し、空間に漏れた電界で放電させる
構造である。この場合、交流をかけているために電界の
向きは周波数に対応して変化する。そしてこの放電によ
り生じる紫外線により蛍光体10を発光させ、前面板を
透過する光を観察者が視認するようになっている。
【0004】上記の如きPDPにおける反射型の蛍光面
を形成するに際しては、従来よりスクリーン印刷法やフ
ォトリソグラフィー法などの手段が採られている。この
うちスクリーン印刷法による方法は、RGB3色のそれ
ぞれの蛍光体ペーストについて、リブによって区画され
るセル空間にスクリーン印刷によって選択的に蛍光体ペ
ーストを充填する工程と、蛍光体ペースト中の有機溶媒
を気化させる乾燥工程とを行い、最後に焼成工程を経て
蛍光面を形成するものである。また、フォトリソグラフ
ィー法による方法は、感光性の蛍光体ペーストをリブの
上からベタでコーティングして乾燥させる工程と、パタ
ーン露光とこれに続く現像を行うことで所定のセル空間
に蛍光体ペーストを残す工程とをRGB3色について行
った後、焼成工程を経て蛍光面を形成するものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上述したスクリーン印
刷法やフォトリソグラフィー法のように、リブによって
区画されるセル空間に蛍光体ペーストを塗布充填する工
程を行う蛍光面形成方法においては、各色ごとの蛍光体
ペーストの乾燥工程は熱又は熱風を利用して行ってい
る。しかしながら、いずれにしても熱乾燥により蛍光体
ペーストの乾燥を行うと、溶媒が気化しない状態で熱が
係るためにペーストの粘度が下がり、蛍光体ペーストP
が図2(a)のように充填されていても図2(b)のよ
うに垂れてリブ3の壁面に十分な蛍光体を付着できない
という問題がある。また、基板全体に渡って熱の掛かり
方が均等ではなく、通常は大サイズの基板で±10℃程
度のバラツキがあるため、蛍光体ペーストのセル底面の
膜厚や壁面形状が面内で不均一になることから、十分な
輝度が得られなかったり、画像ムラの原因になるという
問題もあった。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明は、蛍光体ペーストの粘度を低下させる
ことなく、その溶媒を気化させるような乾燥手段を採用
することとしている。そして、このような乾燥手段によ
りセル空間内に充填された蛍光体ペーストの乾燥を行え
ば、リブ壁面への蛍光体付着を向上させることができ、
しかも基板面内で均一な蛍光面を得ることができる。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明は、リブによって区画され
るセル空間に蛍光体ペーストを塗布充填し、乾燥工程を
経て蛍光体ペースト中の有機溶媒を気化させることによ
り、リブの壁面とセル底面に渡って蛍光膜を残す手順を
含むPDPの蛍光面形成方法において、前記乾燥工程を
真空乾燥により行うようにしたものである。
【0008】そして、真空乾燥だけでは蛍光体ペースト
中の有機溶媒を気化させるのに時間が掛かり過ぎる場合
には、前半だけ真空乾燥を行い、後半は通常の熱乾燥を
行って完全に溶媒を気化させるようにしてもよい。或い
は、真空乾燥と熱乾燥を同時に行って効率良く溶媒を気
化させるようにしてもよい。後者の場合、熱を加え過ぎ
ると、蛍光体ペーストの粘度が低下して壁面に蛍光膜を
残せなくなるので、真空乾燥による気化熱を補足する程
度の熱乾燥を加えるようにする。
【0009】また、上記のように、リブによって区画さ
れるセル空間に蛍光体ペーストを塗布充填した基板にお
ける当該蛍光体ペーストを乾燥させるのに使用する乾燥
装置としては、基板をその上の所定位置で停止させる架
台と、この架台の上方で所定位置の基板を覆うように上
下動する下方が開いた箱状の真空チャンバーと、該真空
チャンバーの中の空気を吸引するための真空ポンプとを
備えたものがある。また、熱乾燥を併用する場合には、
基板を加熱するためのヒーターを架台の内部に設けてお
くようにする。
【0010】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。使用する図面は図3であり、この図は蛍光
面形成方法において蛍光体ペーストの乾燥工程を行う乾
燥装置の概略図である。
【0011】図3において11は下方が開いた箱状のチ
ャンバーで、このチャンバー11は架台Bの上に載置さ
れる基板Gを覆うのに十分なサイズをしている。そし
て、チャンバー11の下方端縁にはゴム等の弾性部材か
らなるシール材12が設けられており、架台Bの上に載
置された密閉状態において真空ポンプPにより中の空気
を吸引されるようになっている。また、架台Bの内部に
はヒーター14が設けられている。
【0012】基板Gは、最終的には図1に示すような背
面板となるもので、ガラス基板2の上にアドレス電極8
とそれを覆って誘電体層9が形成され、さらにその上に
リブ3が形成されており、そのリブ3によって区画され
るセル空間内に蛍光体ペーストを充填した段階のもので
ある。
【0013】まず、セル空間内に塗布充填された蛍光体
ペーストが未乾燥状態にある基板Gが図3(a)に示す
ように上位置にあるチャンバー11の下方に搬送されて
くる。そして、基板Gが架台B上の所定位置にて停止し
た後、チャンバー11が下降し、図3(b)に示すよう
にシール材12が架台Bに密着してチャンバー11内が
密閉される。この密閉状態においてバルブ13を開状態
にし、真空ポンプPによりチャンバー11の中の空気を
吸引してチャンバー11内を真空にする。このようにチ
ャンバー11内が真空状態になると、蛍光体ペースト中
の有機溶媒が気化して蒸発することでペーストが乾燥す
る。この真空による乾燥工程では、熱が掛かる訳ではな
いので、リブの壁面に塗布されたペーストが軟化して垂
れることはない。
【0014】なお、真空状態にして有機溶媒を完全に飛
ばすには時間が掛かるので、乾燥工程の時間を短くした
い時には、真空乾燥により有機溶媒をある程度蒸発させ
た段階で、図示の例ではヒーター14による熱乾燥に切
り換えて乾燥させるようにする。或いは、真空乾燥を行
うのと同時にヒーター14による熱乾燥も行うようにし
てもよいが、この場合は蛍光体ペーストの粘度が低下し
ない程度の熱を掛けるようにする。
【0015】この蛍光体ペーストの充填と乾燥工程を所
定の色数だけ繰り返した後、最後に焼成を行って蛍光体
をリブ壁面及びセル底面に密着させる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
セル空間内に充填された蛍光体ペーストは熱を掛けるこ
となく真空状態で有機溶媒を気化させられるので、リブ
壁面の蛍光体ペーストが軟化して垂れることがなく、十
分な輝度を得ることができ、しかも基板全体に渡ってペ
ースト乾燥の均一化が図れるので、画像ムラのない蛍光
面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】プラズマディスプレイパネルの一構成例をその
前面板と背面板を離間した状態で示す構造図である。
【図2】従来の蛍光面形成方法における不具合を説明す
るための図である。
【図3】蛍光体ペーストの乾燥工程を行う乾燥装置の概
略図である。
【符号の説明】
1,2 ガラス基板 3 リブ 4 維持電極 5 バス電極 6 誘電体層 7 保護層(MgO層) 8 アドレス電極 9 誘電体層 10 蛍光体 11 チャンバー 12 シール材 13 バルブ 14 ヒーター B 架台 G 基板 P 真空ポンプ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 リブによって区画されるセル空間に蛍光
    体ペーストを塗布充填し、乾燥工程を経て蛍光体ペース
    ト中の有機溶媒を気化させることにより、リブの壁面と
    セル底面に渡って蛍光膜を残す手順を含むプラズマディ
    スプレイパネルの蛍光面形成方法において、前記乾燥工
    程を真空乾燥により行うことを特徴とするプラズマディ
    スプレイパネルの蛍光面形成方法。
  2. 【請求項2】 リブによって区画されるセル空間に蛍光
    体ペーストを塗布充填し、乾燥工程を経て蛍光体ペース
    ト中の有機溶媒を気化させることにより、リブの壁面と
    セル底面に渡って蛍光膜を残す手順を含むプラズマディ
    スプレイパネルの蛍光面形成方法において、前記乾燥工
    程を真空乾燥とそれに続く熱乾燥により行うことを特徴
    とするプラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法。
  3. 【請求項3】 リブによって区画されるセル空間に蛍光
    体ペーストを塗布充填し、乾燥工程を経て蛍光体ペース
    ト中の有機溶媒を気化させることにより、リブの壁面と
    セル底面に渡って蛍光膜を残す手順を含むプラズマディ
    スプレイパネルの蛍光面形成方法において、前記乾燥工
    程を真空乾燥とそれと同時の熱乾燥により行うこと特徴
    とするプラズマディスプレイパネルの蛍光面形成方法。
  4. 【請求項4】 リブによって区画されるセル空間に蛍光
    体ペーストを塗布充填した基板における当該蛍光体ペー
    ストを乾燥させるための乾燥装置であって、前記基板を
    その上の所定位置で停止させる架台と、この架台の上方
    で所定位置の基板を覆うように上下動する下方が開いた
    箱状の真空チャンバーと、該真空チャンバーの中の空気
    を吸引するための真空ポンプとを備えたことを特徴とす
    る乾燥装置。
  5. 【請求項5】 基板を加熱するためのヒーターを架台の
    内部に設けた請求項4に記載の乾燥装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009041790A (ja) * 2007-08-06 2009-02-26 Toray Eng Co Ltd 減圧乾燥装置

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